JPH07265077A - 抗体可変領域dna - Google Patents
抗体可変領域dnaInfo
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- JPH07265077A JPH07265077A JP6082693A JP8269394A JPH07265077A JP H07265077 A JPH07265077 A JP H07265077A JP 6082693 A JP6082693 A JP 6082693A JP 8269394 A JP8269394 A JP 8269394A JP H07265077 A JPH07265077 A JP H07265077A
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Abstract
ドするDNA、及び該可変領域の相補性決定領域(CD
R)をコードするDNAを提供する。 【構成】 (a)ヒトインフルエンザA型ウイルスのH
1N1サブタイプ及びH2N2サブタイプのヘマグルチ
ニン分子の幹領域を認識し、H3N2サブタイプのヘマ
グルチニン分子の幹領域を認識しない、(b)ヒトイン
フルエンザA型ウイルスのH1N1サブタイプ及びH2
N2サブタイプに中和活性を有し、H3N2サブタイプ
には中和活性を有さない、の2特性をもつ抗ヒトインフ
ルエンザウイルス抗体の可変領域をコードするDNA。
該DNA中のCDRをコードするDNA。 【効果】 遺伝子工学的製造、ウイルスの診断、治療に
有用である。
Description
に対するマウスモノクローナル抗体の可変領域をコード
するDNAに関し、遺伝子工学的人工抗体の作製に有用
である。
(A、B及びC)があり、インフルエンザの世界的な流
行を起こし、多くの死者がでるのはA型のヒトインフル
エンザウイルスによるものである。インフルエンザA型
ウイルスは更にウイルス表面タンパク質であるヘマグル
チニン(haemagglutinin:以下、HAと略す)及びノイ
ラミニダーゼ(以下、NAと略す)の抗原性により多く
のサブタイプに分類され、ヒトインフルエンザA型ウイ
ルスとしてはH1N1サブクラス、H2N2サブクラ
ス、H3N2サブクラスの3種が現在知られている。こ
のインフルエンザA型ウイルスのHAは、球状部領域
(head region)と幹領域(stem region)という二つの構
造の異なった領域で構成され、球状部領域は、ウイルス
が標的細胞に結合するための受容体結合部位を含みHA
の血球凝集活性に関与し、一方、幹領域は、ウイルスの
エンベロープと細胞のエンドソーム膜間の膜融合に必要
な融合ペプチドを含み、融合活性に関与している〔ウイ
リー(Wiley)ら、アニュアル レビュー オブ バイオ
ケミストリー(Ann. Rev. Biochem.) 、第56巻、第3
65〜394頁(1987)〕。H1N1サブタイプ、
H2N2サブタイプを認識する抗HA抗体として従来取
得された抗HA抗体は、そのすべてがHAの球状部領域
を認識するものである。しかし、この領域は最も抗原変
異が起こり易い部位であり、それ故、これらの抗体はヒ
トインフルエンザA型ウイルスのサブタイプに共通に反
応するものでなく、また、ウイルスのHAの抗原変化に
伴い、認識性を消失するものである。一方、グリーン(C
reen) らは、H3N2サブタイプの1種のHAの幹領域
のアミノ酸配列より、ポリペプチドを合成し、このポリ
ペプチドに対する抗体を取得しているが、これらの抗体
はウイルスの中和活性が弱く(特表昭59−50171
4号公報)、また抗原として使用したポリペプチド自体
も、H3N2サブタイプで免疫して得たウサギ抗ウイル
ス血清に反応を示さず、抗原性の点でも問題があった
〔セル(Cell)、第28巻、第477〜487頁(198
2)〕。ヒトインフルエンザA型ウイルスは周期的にH
AとNAの型を変えて大流行を引起こし、インフルエン
ザの流行期である冬期前にワクチン接種を受けても、別
の型のウイルスによるインフルエンザが流行するためワ
クチンの効果が期待できないことが多い。しかし、HA
分子やNA分子中の、ウイルスのサブタイプに共通で、
抗原変異の生じ難い抗原部位、特に立体構造を認識し、
かつ、ウイルスに中和活性を有する抗体を得ることがで
きれば、この抗体はA型ウイルスの感染による発症の診
断、予防並びに治療に利用できる。
イルスのサブタイプに交さ認識性を有し、かつ、ウイル
ス中和活性を有する抗体として、下記特性(a)及び
(b)を有する抗ヒトインフルエンザウイルス抗体を得
た。 (a)ヒトインフルエンザA型ウイルスのH1N1サブ
タイプ及びH2N2サブタイプのHA分子の幹領域を認
識し、H3N2サブタイプのHA分子の幹領域は認識し
ない。 (b)ヒトインフルエンザA型ウイルスのH1N1サブ
タイプ及びH2N2サブタイプに中和活性を有し、H3
N2サブタイプには中和活性を有さない。この抗ヒトイ
ンフルエンザウイルス抗体の例としては HybridomaC1
79(FERM BP−4517)より得られるモノク
ローナル抗体C179(以下、単に該抗体をC179と
略す)があり、C179のインフルエンザウイルスに対
する予防効果も確認されている(特願平4−27253
8号)。
ンフルエンザA型ウイルスのサブタイプに交さ認識性を
有し、かつ、ウイルス中和活性を有するモノクローナル
抗体はマウスのハイブリドーマから導かれたものであ
る。したがって、このマウス抗体をヒト用医薬品として
臨床へ応用するには、その免疫原性によって、種々の制
限が加わる。すなわち、マウス抗体を用いた場合、多く
の場合、免疫応答を誘導し、アナフィラキシーショック
を起こしたり、多数回投与の間に抗体の効果が減少した
り、血中からのクリアランスが極めて速まったりするた
め、実質上治療上の位置は低いものとなる。ヒトモノク
ローナル抗体を臨床使用すれば上記マウス抗体の使用に
伴う困難を克服可能であるが、例えばC179に相当す
るヒトモノクローナル抗体を所望の特異性及び親和性を
保持し、かつ安定して製造することは、極めて困難であ
る。また、モノクローナル抗体産生細胞株は、一般に継
代と共にその抗体産生能の低下することが知られてお
り、この問題を解決するために抗体産生細胞の細胞クロ
ーニングや抗体遺伝子をクローニング後、遺伝子導入す
ることによって大量発現させることの検討も必要となっ
ている。以上の点を考慮すると、1つの種から導かれた
抗体の可変領域と別の他の種から導かれた抗体の定常領
域とが結合しているキメラ抗体、通常はマウス抗体の可
変領域とヒト抗体の定常領域が結合したキメラ型抗体が
組換えDNA法で構築されれば、そのキメラ抗体の大部
分はヒト由来であるため、実質上、マウス抗体に比較し
て、上述した免疫原性が低く臨床応用に適した抗体が得
られる。なお、キメラ抗体に関してはショー(Shaw)
ら、ジャーナル オブ イムノロジー(J.Immun.) 、
第138巻、第4534頁(1987)、モリソン(Mo
rrison, S.L.)ら、プロシーディングズ オブ ザ
ナショナル アカデミー オブ サイエンシーズ オ
ブ ザ USA( Pro. Nat. Acad. Sci. USA)、第
81巻、第6851〜6855頁(1984)等に記載
され一般的な概念として位置づけられている。このよう
に最近ではマウス由来の可変領域及びヒトの定常部領域
からなるキメラ抗体、二種の異った抗原特異性を有する
双特異キメラ抗体、一本鎖抗体、及び抗体活性をもつ相
補性決定領域(CDR)に相当するオリゴペプチド等の
開発がなされている。このように、遺伝子工学的手法に
よる抗体の産生、更に、改良抗体の開発において、その
遺伝子の分離、更にアミノ酸配列を含めた構造の解明は
必須である。特に、抗体の特異性が可変領域の中でもC
DRという特定の領域に限定されることは当分野ではよ
く知られていることで、例えば抗体の親和性を改良する
目的でCDRのアミノ酸を置換することが広く行われて
おり、CDRのDNA塩基、アミノ酸配列の解明は特に
重要である。本発明の目的は、ヒト人体において異物と
して認識され難いキメラ抗体や、相補性決定領域のみを
ヒト型抗体に移植した人工抗体の作製に有用な、マウス
モノクローナル抗体の可変領域をコードするDNA、及
び該可変領域の相補性決定領域をコードするDNAを提
供することにある。
発明の第1の発明は、下記特性(a)及び(b)を有す
る抗ヒトインフルエンザウイルス抗体の可変領域をコー
ドするDNAに関する。 (a)ヒトインフルエンザA型ウイルスのH1N1サブ
タイプ及びH2N2サブタイプのヘマグルチニン分子の
幹領域を認識し、H3N2サブタイプのヘマグルチニン
分子の幹領域は認識しない。 (b)ヒトインフルエンザA型ウイルスのH1N1サブ
タイプ及びH2N2サブタイプに中和活性を有し、H3
N2サブタイプには中和活性を有さない。また本発明の
第2の発明は、本発明の第1の発明の抗ヒトインフルエ
ンザウイルス抗体の可変領域をコードするDNA中のC
DRをコードするDNAに関する。
少なくともCDRを含有するアミノ酸配列をいう。
インフルエンザウイルス抗体の可変領域をコードするD
NAをクローン化するためには、遺伝子源として、該抗
体を生産するハイブリドーマを作製することが必要であ
る。このようなハイブリドーマとして特願平4−272
538号明細書にはC179を生産するマウスハイブリ
ドーマ(Hybridoma C179:FERM BP−451
7)及び該抗体の性質が記載されている。本明細書の参
考例Aに該ハイブリドーマの作製方法及びC179の性
状について記載する。
ードする目的のDNAをクローン化するためハイブリド
ーマ細胞を破壊し、全RNAを調製する。次に、この全
RNAを用い、グブラー、ホフマンの方法に従い、1本
鎖cDNAを調製する。次に、オリゴヌクレオチドプラ
イマーを用いるDNAの伸長法を用いて前記cDNAの
有意義な部分の特異的増幅を行う。マウスモノクローナ
ル抗体の重鎖可変領域の増幅のため、配列表の配列番号
11、12に示すオリゴヌクレオチドプライマーをそれ
ぞれPCR用の5′−末端プライマー及び3′−末端プ
ライマーとして使用する。配列表の配列番号11に示す
オリゴヌクレオチドプライマーを重鎖リーダー配列とハ
イブリダイズし、配列表の配列番号12に示すオリゴヌ
クレオチドプライマーは重鎖定常領域とハイブリダイズ
する。マウスモノクローナル抗体の軽鎖可変領域のプラ
イマーを用いた増幅のため、配列表の配列番号13に示
すオリゴヌクレオチドプライマーを3′−末端プライマ
ーとして使用する。このプライマーはマウスモノクロー
ナル抗体の軽鎖定常領域をハイブリダイズする。
鎖、軽鎖のN末端アミノ酸配列を決定する。配列表の配
列番号14、15に、モノクローナル抗体重鎖のN末端
アミノ酸配列、軽鎖のN末端アミノ酸配列をそれぞれ示
す。前記、増幅生成物をpT7ブルーT−ベクター(ノ
バジェン社製)、pGEM−4ZDNA(プロメガ社
製)等の適当なクローニングベクターに組込み、マウス
モノクローナル抗体の目的とする可変領域をコードする
DNA断片を含むプラスミドを得る。クローン化された
DNAの配列決定を行い、配列表の配列番号3、4に示
される配列を配列表の配列番号14、15から予想され
る塩基配列と比較する。その結果、本発明の第1の発明
の1例のDNA及び該DNAがコードするアミノ酸配列
が提供される。その配列を配列表の配列番号1、2に示
す。目的とするDNAのクローン化及びその配列決定を
実施例1、2に具体的に記載する。
RをコードするDNAを提供する。重鎖、軽鎖の各対の
可変領域は抗原結合部位を形成する。重鎖、軽鎖上のこ
の領域は配列の比較的保存された4個のフレームワーク
領域を含み、これらは3個のCDRにより連結されてい
る。このCDRは、可変領域の既知アミノ酸配列と照合
することによって決定される。配列表の配列番号5〜1
0に本発明により提供されるCDRのアミノ酸配列を示
す。
材として有用な可変領域やCDR、及びそれをコードす
るDNAを提供する。本発明の重鎖可変領域、軽鎖可変
領域をコードするDNAを用いることにより、遺伝子工
学的にFab、Fv、scFv等を作製することができ
る。なおscFvとは重鎖可変領域、軽鎖可変領域を数
個のアミノ酸残基からなるスペーサーにより結合させ
て、一本鎖ポリペプチドとしたものである。
−246184号明細書に記載のプラスミドpM13F
vがあり、このプラスミドを導入した大腸菌JM109
はEscherichia coli JM109/pM13Fvと命名表示し、工業
技術院生命工学工業技術研究所にFERM P−136
98として寄託されている。
する概略図を図1に示す。図1中でX遺伝子に相当する
部分はHindIII −SalI間であり、Y遺伝子はS
alI−SalI間、Z遺伝子はSalI−EcoRI
間に相当する。このX−Y−Zに相当するHindIII
−EcoRIサイト間の遺伝子配列を配列表の配列番号
16に示す。
ージミドベクターであるプラスミドpTZ19R(ファ
ルマシア社製)のHindIII 、EcoRIサイト間に
X−Y−Z遺伝子が挿入されている。ベクター由来プロ
モーターの下流にあるX遺伝子は、まず、SD配列(シ
ャイン−ダルガルノの配列)に続いて1つ目の読取り枠
があり、分泌シグナルペプチドと重鎖可変領域(以後、
VH と略す)の融合ポリペプチドがコードされている。
更に、その下流に再度SD配列があり、分泌シグナルペ
プチドと、軽鎖可変領域(以後、VL と略す)がコード
されている2つ目の読取り枠が続く。VL 遺伝子の3′
末端部分に制限酵素SalIサイトが存在し(配列番号
16の塩基番号891−896)、VL 遺伝子の読取り
枠に続く形で、線状ファージコートタンパク質III の部
分配列(ΔcpIII ポリペプチド)をコードする遺伝子
(配列番号17)を含有するY遺伝子がつながってい
る。すなわち、2つ目の読取り枠は、分泌シグナルペプ
チド、VL 、ΔcpIII ポリペプチドの融合ポリペプチ
ドをコードする。Y遺伝子は、Y遺伝子がコードするΔ
cpIII ポリペプチド遺伝子の更に下流にある制限酵素
SalIサイトでZ遺伝子とつながっている。Z遺伝子
は、プロテインAのFc結合ドメイン様構造2個を含む
ポリペプチドをコードする遺伝子(配列番号18)を含
有する遺伝子である。
SalIで完全消化するY遺伝子が切り出され、Y遺伝
子を除いた後にセルフライゲーションさせれば、X遺伝
子とZ遺伝子はSalIサイトにて連結され、プラスミ
ドpFv−PPが得られる。この時、Z遺伝子がコード
するプロテインAのFc結合ドメイン様構造2個を含む
ポリペプチドは、X遺伝子の2つ目の読取り枠に続く形
で連結される。すなわち、プラスミドpM13Fvを制
限酵素SalIで消化してY遺伝子を除いた後の遺伝子
がコードする2つ目の読取り枠は、分泌シグナルペプチ
ド、VL 、プロテインAのFc結合ドメイン様構造2個
を含むポリペプチドの融合ポリペプチドをコードする。
遺伝子に相当する部分には、ニワトリ卵白リゾチーム
(以下、HELと略す)に対するモノクローナル抗体由
来のFv遺伝子が挿入されているが、実際には、Fv遺
伝子を容易に置換できるように制限酵素サイトが存在す
る。すなわち、配列番号36で示した塩基配列中塩基番
号115−120に存在するPstIサイトと塩基番号
467−472に存在するSmaIサイトでプラスミド
pFv−PPを切断して挿入されていたVH 遺伝子を取
り除き、読取り枠が合うように調製した任意のVH 遺伝
子を挿入できる。読取り枠が合うようなPstI−Sm
aI断片は、DNA合成機を用いて合成したDNAでも
良いし、あるいは、従来から用いられている方法によ
り、PstIサイトあるいはSmaIサイトを含むよう
に合成したVH 遺伝子増幅用プライマーを用いてPCR
法により得たDNA断片をPstI、SmaIで消化し
て得たDNA断片でも良い。同様にしてVL 遺伝子も配
列表の配列番号36で示した塩基配列中塩基番号583
−588に存在するSacIサイトと塩基番号891−
896に存在するSalIサイト間でVL 遺伝子をコー
ドするDNA断片と置換することができる。プラスミド
pFv−PPは抗体可変部位を含むポリペプチドとFc
結合能を有するポリペプチドとの融合ポリペプチドを発
現する形に変換されている。
Fc結合能を有するポリペプチドの融合ポリペプチド
は、非常に有用である。すなわち、まず第1に、精製が
容易である。例えば、Fcを含む、ポリペプチドあるい
はタンパク質を固定化した樹脂を用いて、培養物から融
合ポリペプチドを回収することができる。第2に、この
融合ポリペプチドを、Fcを含むポリペプチドあるいは
タンパク質、例えばヒトIgGなどと混合することによ
り、安定な多価の抗体複合体を形成する。多価であるた
めに、抗原との結合安定性は、1価である時よりも高
く、ELISAやウェスタンブロッティング等の使用に
用いる場合有用である。また、混合するFcを含むポリ
ペプチドの性質により検出も容易となり有用である。こ
のような融合ポリペプチドを作製するための抗体可変部
位を含むポリペプチドは、Fvフラグメント、scFv
フラグメント、Fabフラグメントなどどのようなもの
も有効である。
列番号19で示されるPstIサイト導入用のプライマ
ー、及び配列番号20で示されるSmaIサイト導入用
のプライマーを用いてPCR法で増幅し、プラスミドp
FV−PPに挿入するVH をコードするDNA(以下、
VH インサートと称す)を調製する。一方、配列番号4
で示されるDNAを、配列番号21で示されるSacI
サイト導入用のプライマー、及び配列番号22で示され
るSalIサイト導入用のプライマーを用いてPCR法
で増幅し、プラスミドpFv−PPに挿入するVL をコ
ードするDNA(以下、VL インサートと称す)を調製
する。次にプラスミドpFv−PPをPstI、Sma
Iで切断し、プラスミド部分にVH インサートを挿入す
る。続いて、VH インサートが挿入されたプラスミドを
SacI、SalIで切断し、プラスミド部分にVL イ
ンサートを挿入することにより、本発明のVH 、VL を
コードするDNAの挿入されたプラスミドを調製するこ
とができる。該プラスミドはT19C179Fvpro
Aと命名され、該プラスミドで形質転換された大腸菌B
MH71−18株は Escherichia coli BMH71-18/T19C
179FvproA と命名されている。この大腸菌を培養するこ
とにより、本発明のVH 、VL が、FvとプロテインA
のFc結合能を有するポリペプチドとの融合ポリペプチ
ドとして発現させることができる。この融合ポリペプチ
ドはFc結合担体、例えばIgG−セファロース6FF
(ファルマシア社製)を用いることにより容易に精製さ
れ、インフルエンザウイルス検出用の人工抗体として使
用することができる。
で発現させることもできる。例えば配列番号3で示され
るDNAを、前出の配列番号19で示されるプライマ
ー、及び配列番号23で表されるリンカー導入用のプラ
イマーを用いてPCR法で増幅する。次に配列番号2
4、25でそれぞれ表されるオリゴヌクレオチドをアニ
ーリングさせ、次にPstI、SacIで切断し、sc
Fv作成用のリンカーを作製する。前出のプラスミドT
19C179FvproAをPstI、SacIで切断
し、プラスミド部分にリンカーを挿入する。次に、該プ
ラスミドをBamHI、PstIで切断し、前出のPC
R増幅DNAを挿入することにより、VH をコードする
DNAとVL をコードするDNAがリンカーで結合され
たDNAが挿入されたプラスミドを調製することができ
る。該プラスミドはT19C179ScFVproAと
命名され、該プラスミドで形質転換された大腸菌BMH
71−18株は Escherichia coli BMH71-18/T19C179S
cFVproA と命名、表示され工業技術院生命工学工業技術
研究所にFERM P−14191として寄託されてい
る。
のVH 、VL が、scFvとプロテインAのFc結合能
を有するポリペプチドとの融合ポリペプチドとして発現
させることができる。この融合ポリペプチドも、IgG
−セファロース6FFを用いることにより容易に精製さ
れ、インフルエンザウイルス検出用の人工抗体として使
用することができる。なお、プラスミドT19C179
FvproA、T19C179ScFVproAのそれ
ぞれのVL をコードするDNAの次に停止コドンを部位
特異的変異法により作製することができ、このような改
変プラスミドは、本発明のVH 、VL をコードするDN
Aを用いたFv発現用、scFv発現用プラスミドとし
て使用することができる。
り、抗ヒトインフルエンザウイルス抗体をコードする遺
伝子のVH をコードする遺伝子、VL をコードする遺伝
子、CDRをコードする遺伝子が提供される。これらの
遺伝子はFv、scFv、Fab、これらを含有する人
工抗体、またキメラ抗体、ヒト型抗体、単一CDRポリ
ペプチドの作製に有用であり、得られるこれらのタンパ
ク質、ポリペプチドはヒトインフルエンザウイルスの診
断、治療に有用である。
して厳密な条件下でハイブリダイゼーションを行えば、
本発明の遺伝子と配列は少し異なるが、本発明のVH 、
VL、CDRと同様の性質を示すタンパク質、ポリペプ
チドをコードする遺伝子を得ることができる。ここでい
う厳密な条件下とは、以下の条件下のことをいう。すな
わち、DNAを固定したナイロン膜を、6×SSC(1
×SSCは塩化ナトリウム8.76g、クエン酸ナトリ
ウム4.41gを1リットルの水に溶かしたもの)、1
%ラウリル硫酸ナトリウム、100μg/mlのサケ精子
DNA、5×デンハルツ(Denhardt, s)(ウシ血清アル
ブミン、ポリビニルピロリドン、フィコールをそれぞれ
0.1%の濃度で含む)を含む溶液中で65℃で20時
間プローブとハイブリダイゼーションを行うことをい
う。また本発明のVH 、VL 、CDRとしてはその活性
に影響の無い範囲でアミノ酸の欠失、置換、挿入、転
置、付加又は再配置されたものでも良く、これらのタン
パク質、ポリペプチドをコードする遺伝子を遺伝子工学
的に作製、使用することもできる。
H1N1サブタイプ、H2N2サブタイプを共通認識
し、H3N2サブタイプは認識しない。よってH3N2
サブタイプを認識する抗体、例えば特願平5−1152
16号明細書記載のハイブリドーマAI3C(FERM
BP−4516)の産生するモノクローナル抗体AI
3C(宝酒造社製:製品名F49)、及びヒトインフル
エンザB型ウイルス検出用のポリクローナル抗体(宝酒
造社製)と組合せ使用することによって、被検体中のヒ
トインフルエンザウイルスのタイピングを簡便に、高感
度に行うことができる。また本発明の遺伝子を用いて作
製される抗体はH1N1サブタイプ、H2N2サブタイ
プを共通認識し、かつ中和活性を有するために、当該サ
ブタイプのウイルスが関与する疾病の予防、治療にも有
用である。
ウイルス抗体、Fv、scFv発現用プラスミドにつき
参考例により説明する。
A/Yamagata/120/86、A/Osaka /930/8
8、A/Suita /1/8(以上、大阪大学微生物病研究
所保存株)、A/PR/8/34(ATCC VR−9
5)、A1/FM/1/47(ATCC VR−97)
を用いた。H2N2サブタイプとしてA/Okuda /5
7、A/Adachi/2/57、A/Kumamoto/1/65、
A/Kaizuka /2/65、A/Izumi /5/65(以
上、大阪大学微生物病研究所保存株)を用いた。H3N
2サブタイプとしてA/Fukuoka /C29/85、A/
Sichuan /2/87、A/Ibaraki /1/90、A/Su
ita /1/90、A/Kitakyushu/159/93(以
上、大阪大学微生物病研究所保存株)、A2/Aichi /
2/68(ATCC VR−547)を用いた。B型ウ
イルスとしてB/Nagasaki/1/87を用いた。それぞ
れのウイルスを11日齢の発育鶏卵の尿膜腔内に接種
し、34℃で4日間培養後、各ウイルスを採取した。
ルス(320HA単位)をフロイント完全アジュバント
に使用前に懸濁し、1ヵ月間隔で、Balb/cマウス腹腔
内注射により、2度免疫し、その1ヵ月後に、同抗原
(320HA単位)のPBS懸濁液を用い腹腔内注射し
ブーストした。その3日後に、マウスより脾臓を摘出
し、脾細胞を調製した。マウスミエローマとしてはp3
×63Ag8を10%牛胎児血清添加DME培地で継代
後2日間培養したものを、細胞融合前に生理食塩水で洗
浄し、調製した。次に脾細胞とミエローマ細胞を細胞数
1:5の割合で混合し、遠心分離して上清を除き、沈殿
した細胞塊を充分ほぐした後、かくはんしながら、1ml
の混合液〔ポリエチレングリコール−4000(2
g)、MEM(2ml)、ジメチルスルホキシド〕に加
え、5分間37℃に保温した後、液の全量が10mlにな
るようにゆっくりMEMを加えた。次に、遠心分離後、
上清を除き、ゆるやかに細胞をほぐした。これに正常培
地〔PPMI−1640に牛胎児血清10%を加えたも
の〕30mlを加え、メスピペットを用いてゆるやかに細
胞を懸濁した。
5%のCO2 を含む培養器中で、37℃で24時間培養
した。次にHAT培地を加え、10〜14日間培養し
た。続いて培養上清の一部を採り、ハイブリドーマのス
クリーニングを行った。
タイプ間で交さ反応するモノクローナル抗体を得るため
に、希釈していない、上記培養上清を1次抗体として用
い、3種のサブタイプ(H1N1、H2N2、H3N
2)のそれぞれに感染したMDCK細胞の染色試験を行
った。染色試験は前出のジャーナル オブ クリニカル
ミクロバイオロジーに記載の方法に準じて行った。すな
わち96穴マイクロタイタープレート(ファルコン30
72:ベクトン ディキンソン社製)上で、ヒトインフ
ルエンザA型ウイルスの各サブタイプ株(H1N1:A
/yamagata/120/86、H2N2:A/Okuda /5
7、H3N2:A/Fukuoka /C29/85)に感染さ
せたMDCK細胞を、PBS(pH7.4)で洗浄後、
無水エタノールで室温下、10分間固定した。次にこれ
らの細胞を4種類の抗体〔モノクローナル抗体を含有す
る前記培養上清、ウサギ抗マウスイムノグロブリンG血
清(オルガノテクニカ社製)の1000倍希釈液、ヤギ
抗ウサギイムノグロブリンG血清(オルガノテクニカ社
製)の500倍希釈液、ペルオキシダーゼ−ウサギ抗ペ
ルオキシダーゼ複合体(オルガノテクニカ社製)の10
00倍希釈液〕で連続的に、40分間ずつ反応させ、処
理細胞をPBSで洗浄した。最後にペルオキシダーゼ反
応を、0.01%のH2 O2 と0.3mg/mlの3,3′
−ジアミノベンジジン四塩酸のPBS溶液を用い、グラ
ハム、カルノフスキー(Graham、Karnovsky)の方法〔ジ
ャーナル オブ ヒストケミストリー アンド サイト
ケミストリー(J.Histochem. Cytochem.) 、第14
巻、第291〜302頁(1966)〕で行った。染色
された細胞は通常の光学顕微鏡で観察し、H1N1サブ
タイプ感染のMDCK細胞及びH2N2サブタイプ感染
のMDCK細胞をそれぞれ認識する抗体を選抜した。次
に該抗体産生の確認された細胞が増殖している穴の細胞
を取り出し、限界希釈法を3回行い、目的の細胞をクロ
ーニングし、クローニングされたハイブリドーマ株をHy
bridoma C179、該ハイブリドーマが産生するモノク
ローナル抗体をモノクローナル抗体C179と命名し
た。
C179と表示して、工業技術院生命工学工業技術研究
所にFERM BP−4517として寄託されている。
に上記ハイブリドーマ株を5×106個/匹マウスの腹
腔内に投与した。10〜21日後に、腹水ガンを誘発さ
れたマウスから腹水を採り、3000rpm /5分の遠心
処理により固型成分を除去し、腹水液を調製した。腹水
液1ml中には約5mgのモノクローナル抗体C179(以
下、単にC179と略す)が含有されていた。C179
はプロテインA−セファロース4B(ファルマシア社
製)で精製され、IgG2aタイプの抗体であった。
釈液を段階希釈し、参考例A−2−(2)記載の染色試
験を行い、C179の抗原認識性を検討した。H1N1
サブタイプとしてはA/PR/8/34、A/Bangkok
/10/83、A/Yamagata/120/86、A/Osak
a /930/88、A/Suita /1/89、A1/FM
/1/47、H2N2サブタイプとしてはA/Okuda /
57、A/Adachi/2/57、A/Kumamoto/1/6
5、A/Kaizuka /2/65、A/Izumi /5/65、
H3N2サブタイプとしてはA/Aichi /2/68、A
/Fukuoka /C29/85、A/Sichuan /2/87、
A/Ibaraki /1/90、A/Suita /1/90、A/
Kitakyushu/159/93、更にインフルエンザB型ウ
イルスとしてB/Nagasaki/1/87を用いた。C17
9はすべてのH1N1サブタイプ及びH2N2サブタイ
プを認識し、H3N2サブタイプ、B型ウイルスは認識
しなかった。
ルエンザウイルス迅速フォーカスリダクション中和試験
を、アーカイブズ オブ ビロロジー(Arch. Virol.)
、第86巻、第129〜135頁(1985)、ミク
ロバイオロジー アンド イムノロジー(Microbiol. I
mmunol.)、第29巻、第327〜335頁(1985)
に準じて行った。抗体としては参考例A−2−(3)の
腹水液を用い、該抗体は使用前に3倍容のレセプター分
解酵素(RDE:武田薬品工業社製)溶液を加え、37
℃、18時間反応後、56℃、45分間の加熱処理でR
DEを欠失させ、最終的に腹水液の16倍希釈液として
調製し、被検液とし、次のように測定を行った。
K細胞を104 個/穴、分注し、翌日、前記抗体(16
倍希釈液)の4段階希釈液と、30フォーカス形成単位
/穴に調製した参考例A−3−(1)記載のそれぞれの
ウイルス液を等量混合し、37℃で1時間保温した。次
にこの混合液の25μlを、前記MDCK細胞の入った
マイクロタイタプレートの各穴に分注し、30分間、3
7℃で保温した。次に各穴中の溶液を除去し、PBSで
各穴を洗浄し、次に0.5%トラガカンスガム和光純
薬)及び5μg/mlのトリプシンを含有するMEMを添
加した。37℃で20〜24時間、保温後、添加液を除
去し、各穴をPBSで洗浄後、細胞を、室温下、無水エ
タノールで10分間処理し、細胞を固定した。次に乾燥
し、参考例A−2−(2)記載の染色試験に準じ、細胞
の染色を行った。染色後、細胞を水道水で洗浄し、乾燥
後、光学顕微鏡下、染色されたフォーカス数を、計測し
た。
及びH2N2サブタイプのフォーカス形成を阻害し、強
いウイルス中和活性を示し、一方、H3N2サブタイ
プ、B型ウイルスのフォーカス形成には影響を与えなか
った。また、プラークリダクション中和試験においても
同様な結果を示した。
次のように行った。参考例A−3−(2)と同様にRD
E処理した抗体(32倍希釈液)を用い、段階希釈液を
調製し、次に参考例A−3−(1)記載の各ウイルス
(16HA単位)と混合し、室温で30分間反応させ
た。その後、ニワトリ赤血球を加えよく混和し、各ウイ
ルスの血球凝集活性に及ぼす抗体の影響を検討した。C
179はすべてのサブタイプのウイルスの血球凝集活性
に影響を与えなかった。
ーチャー、第300巻、第658〜659頁(198
2)の方法を改変し行った。すなわち、CV−1細胞の
モノレーヤー培養物に、参考例A−3−(1)記載の各
ウイルス株をそれぞれ感染させた。24時間後に、細胞
をDMEMで2回洗浄し、次にトリプシン添加(10μ
g/ml)のDMEM中で15分間、37℃で保温した。
次に細胞をDMEMで2度洗浄後、参考例A−2−
(3)の腹水液のDMEM希釈液を添加し、37℃で3
0分間保温した。その後、細胞を、pH5.0に調整し
た融合培地(Na2 CO3 無添加のPRMI、0.2%
ウシ血清アルブミン、10mM MES、10mMHEPE
S)にて、37℃、2分間処理し、続いて、DMEMで
2回洗浄し、融合培地を除去した後、2%ウシ胎児血清
を含むDMEMで37℃、3時間保温した。次に、無水
メタノールで細胞を固定し、ギムザ染色した後、光学顕
微鏡でポリカリオン形成の有無を判定した。C179
は、すべてのH1N1サブタイプ及びH2N2サブタイ
プのポリカリオン形成を阻止し、H3N2サブタイプ及
びB型ウイルスのポリカリオン形成は阻止しなかった。
2N2サブタイプを特異的に認識し、ウイルスの膜融合
を阻害し、中和活性を示す抗体であった。これらの結果
を表1に示す。
液の希釈倍数であり、染色力価は染色試験で細胞を染色
可能な該腹水液の最大希釈倍数、中和活性においては対
照の抗体無添加区のフォーカス数の半分まで、フォーカ
スの出現を抑制可能な該腹水液の最大希釈倍数を示す。
また+はポリカリオン形成が1000倍希釈の該腹水液
の抗体溶液で完全に阻害されることを意味し、−は10
倍希釈の該腹水液を用いた時にも全く阻害がみられなか
ったことを意味する。また、32倍希釈の該腹水液を用
いてもHI活性は認められない。
効果 インフルエンザウイルスのマウス感染実験を行い、C1
79の予防効果を調べた。10匹のBalb/cマウスにC
179のPBS溶液(1mg/ml)1匹当り1mlずつ腹腔
内に投与した。1日後に1000倍希釈したH1N1サ
ブタイプのA1/FM/1/47(4000HA単位)
を25μlずつ鼻腔内接種した。対照として12匹のマ
ウスにはウイルスだけを接種した。
死亡(5日後に2匹、6日後に5匹、8日後に1匹)し
た。また、他の生存マウスは著しく、衰弱していた。一
方、C179を投与したマウスは正常であり、14日を
経過しても、すべて元気であった。図2はC179の投
与群、非投与群の生存率を示す図であり、縦軸は生存
率、横軸はウイルス感染後の日数を表す。
ラグメントをコードするプラスミドpSW1VH D1.3
VK D1.3は、グレッグ ウインター博士(ケンブリッ
ジ、UK)より譲渡を受けた。ただし、譲渡を受けたプ
ラスミドは文献記載の配列と多少異なっていた。このプ
ラスミドpSW1VH D1.3VK D1.3はpUC19の
HindIII −EcoRI間にFvフラグメントをコー
ドする遺伝子が挿入されている。このHindIII −E
coRI挿入断片に配列を配列番号26に示す。
indIII とSmaIで消化しアガロースゲル電気泳動
により分離後、VH 遺伝子を含む約470bpのDNA断
片を抽出精製した。このDNA断片をプラスミドpTZ
19R(ファルマシア社製)のHindIII 、SmaI
サイトに挿入し、プラスミドT19VHを得た。また、
プラスミドpSW1VH D1.3VK D1.3を制限酵素E
coRIとSmaIで消化しアガロースゲル電気泳動に
より分離後、VL 遺伝子を含む約450bpのDNA断片
を抽出精製した。このDNA断片をプラスミドpTZ1
8R(ファルマシア社製)のEcoRI、SmaIサイ
トに挿入し、プラスミドT18VLを得た。このプラス
ミドT18VLを鋳型として、配列番号27に示した制
限酵素EcoRI認識配列と、SalI認識配列を持つ
プライマーVL3′SalIと配列番号28に示したp
TZ18R由来配列であるプライマーUPMCSを用い
てPCRを行い、増幅してきたDNAを制限酵素Hin
dIII とEcoRIで消化した。これをアガロースゲル
電気泳動により分離後HindIII 、EcoRI断片を
抽出精製した。このDNA断片をプラスミドpTZ18
RのHindIII 、EcoRIサイトに挿入し、プラス
ミドT18VLSを得た。このプラスミドT18VLS
はV1遺伝子の3′末端側に制限酵素SalI認識配列
を持つ。このプラスミドT18VLSを制限酵素Eco
RI、SmaIで消化しアガロースゲル電気泳動により
分離後、VL 遺伝子を含む約430bpのDNA断片を抽
出精製した。このDNA断片を先に構築したVH 遺伝子
を持つプラスミドT19VHのEcoRI、SmaIサ
イトに挿入し、プラスミドT19VHVLSを得た。こ
のプラスミドT19VHVLSはpTZ19Rlacプ
ロモーターの下流に、VH 遺伝子、VL 遺伝子を持つ。
ア社製)を鋳型しとて、配列番号29に示した、制限酵
素SalI認識配列を持つプライマーProA5′と、
配列番号30に示した、制限酵素EcoRI認識配列を
持つプライマーProA3′を用いてPCR法によりD
NAを増幅した。増幅してきた、プロテインAのFc結
合ドメイン様構造2個を含むポリペプチドをコードする
遺伝子(配列番号18)を含むDNAを、制限酵素Sa
lIとEcoRIで消化しアガロースゲル電気泳動を行
い約390bpのDNA断片を抽出精製した。このDNA
断片をpTZ18RSalI、EcoRIサイトに導入
しプラスミドT18PAを得た。次にこのプラスミドT
18PAを制限酵素SalI、EcoRIで消化しアガ
ロースゲル電気泳動を行い、約390bpのDNA断片を
抽出精製した。
9VHVLSのSalI、EcoRIサイトに挿入し、
プラスミドpFv−PPを構築した。このプラスミドp
Fv−PPは、VH フラグメントと、VL フラグメント
のC末端にプロテインAのFc結合ドメイン様構造(配
列番号31の58アミノ酸残基)2個を含む融合ポリペ
プチドをコードする。
て、配列番号32で示した、制限酵素SalI認識配列
をプライマーcpIII 5′−1と、配列番号33で示し
た、制限酵素SalI認識配列とNheI認識配列を持
つプライマーcpIII 3′を用いてPCRを行い、cp
III のC末端側ポリペプチドをコードするDNAを増幅
させた。このDNAを制限酵素SalIで消化後アガロ
ースゲル電気泳動を行い、約650bpのDNA断片を抽
出精製した。このDNA断片を参考例B(1-1) で得たプ
ラスミドpFv−PPのSalIサイトに挿入した。得
られたプラスミドのうち、VL 遺伝子に続いてプライマ
ーcpIII 5′−1由来の配列がつながった向きに挿入
されたプラスミドをプラスミドpM13Fvとした。
グメントと、VL フラグメントのC末端に配列表の配列
番号17で示した遺伝子がコードする、ΔcpIII がつ
ながった融合ポリペプチドとを発現するように構築され
ている。更にこのプラスミドpM13FvのHindII
I −EcoRIに挿入されたDNA断片の概略図を図1
に示し、塩基配列を配列表の配列番号16に示す。この
プラスミドpM13Fvは、制限酵素SalIで消化後
セルフライゲーションを行うことにより容易に参考例B
(1-1) で構築したプラスミドpFv−PPの形にするこ
とができる。このプラスミドpM13Fvを導入した大
腸菌JM109はEscherichia coli JM109/pM13Fvと命
名表示され、工業技術院生命工学工業技術研究所にFE
RM P−13698として寄託されている。
説明するが、これにより本発明の範囲が限定されるもの
ではない。
ルスに対するマウスモノクローナル抗体の可変領域をコ
ードするDNAのクローン化 ヒトインフルエンザA型ウイルスに対するマウスモノク
ローナル抗体の可変領域をコードするDNAを次のよう
にしてクローン化した。
7)からの全RNAを、チルグウィン(Chirgwin) ら、
バイオケミストリー(Biochemistry) 、第18巻、第5
294頁(1979)に記載されている方法に従って調
製した。すなわち、約1×107 個のC179産生ハイ
ブリドーマの細胞を20mlの4Mグアニジンチオシアー
ネート(フルカ社製)を加え注射器で5回注入、注出を
繰返し、細胞を溶解させた。次に、溶解後の細胞抽出液
を5.3M塩化セシウム溶液に重層し、超遠心分離する
ことによりRNAを沈殿させた。RNA沈殿物を緩衝液
に溶解し、フェノール処理、クロロホルム処理をしたの
ち、エタノール沈殿を行い、RNAを回収し、全RNA
を調製した。
it)(アマーシャム社製)を用い、前記のようにして
調製した全RNAの約5μgと0.5μgのオリゴd
(T)プライマーにて、一本鎖cDNAを合成し、該c
DNAをマウスVH をコードする遺伝子をPCR法によ
り増幅するために使用した。なお、cDNA合成の反応
条件は42℃、120分間とし、反応後RNaseA
(400μg/ml)2μlを加え、37℃、20分間反
応させた。
による増幅 ジーンアンプ( GeneAmp)TMPCRシステム9600
(パーキン−エルマー社製)を用いてPCR法を行っ
た。 (a)PCR法に使用するプライマーは、配列番号11
に示すオリゴヌクレオチドプライマー(マウス重鎖リー
ダー配列とハイブリダイズする)及び配列番号12に示
すオリゴヌクレオチドプライマー(マウス重鎖定常領域
とハイブリダイズする)を用いた。まず、10mMトリス
−HCl(pH8.3)、50mM KCl、0.1mM
dATP、0.1mM dGTP、0.1mM dCTP、
0.1mM dTTP、1.5mM MgCl2 のPCR反
応緩衝液10μl、2.5ユニットのDNAポリメラー
ゼ アンプリ タック(Ampli Taq)1μl(パーキン
エルマー シータス社製)、各10pmolのそれぞれの配
列番号11、12に示すオリゴヌクレオチドプライマー
各2.5μl、実施例1−(2)記載の一本鎖cDNA
1μl、及びH2 O 83μlを含有するPCR溶液
100μlを、94℃の初期温度にて1分間保持した。
次に94℃にて1分間、50℃にて2分間及び72℃に
て3分間の順序で加熱し、この温度サイクルを35回反
復した後、反応混合物を更に72℃にて10分間保温し
た。
成物を、アガロース(FMC バイオ プロダクツ社
製)を用いるアガロースゲル電気泳動により分離した。
約550bp長のDNA断片を含有するアガロース片よ
り、目的のDNAをスプレック(Suprec) TM−01(D
NA回収用フィルター付遠心チューブ:宝酒造社製)を
用いて精製した。
片約0.2μgを、プラスミドpT7ブルーT−ベクタ
ー約0.1μgとDNAライゲーションキット(宝酒造
社製)を用いて連結した。次に7μlの上記連結混合物
を大腸菌JM109のコンピテント細胞200μlに加
え、そしてこの細胞を氷上で30分間、42℃にて1分
間、そして再び氷上で1分間静置した。次いで800μ
lのSOC培地〔モレキュラー クローニング、ア ラ
ボラトリー マニュアル(Molecular Cloning, A Labor
atory Manual) 、サムブルック(Sambrook) ら、コール
ド スプリング ハーバー ラボラトリー プレス、
(1989)〕を加え、37℃にて1時間インキュベー
トした後、50μg/mlのアンピシリン、0.1mMのイ
ソプロピル−β−D−チオ−ガラクトピラノシド(IP
TG:宝酒造社製)及び40μg/mlの5−ブロモ−4
−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトシドを含
有するL−ブロス寒天培地上にこの大腸菌をまき、37
℃にて一夜インキュベートして、プレート上の白コロニ
ーの大腸菌を選び、形質転換体を得た。この形質転換体
を、50μg/mlのアンピシリンを含有するL−ブロス
培地5ml中で37℃にて一夜培養し、そしてこの培養物
から、アルカリ法(前出モレキュラー クローニング、
ア ラボラトリー マニュアル)に従ってプラスミドD
NAを調製した。こうして得られたプラスミドをプラス
ミドpC179Hと命名した。
合成 (a)グブラーホフマンの方法に従うcDNA合成キッ
トを用い、前記実施例1−(2)のようにして調製した
全RNAの約5μgと配列番号13に示すオリゴヌクレ
オチドプライマー(3′−末端プライマーとして使用す
る)にて2本鎖cDNAを合成した。なお、配列番号1
3に示すオリゴヌクレオチドプライマーは、あらかじ
め、5′−末端ラベリングキット〔宝酒造社製〕を用
い、ラジオアイソトープγ−32PdATPにてラベルし
ておいた。
した2本鎖cDNAを、アガロース(FMC バイオプ
ロダクツ社製)を用いるアガロースゲル電気泳動により
分離した。このゲルについてオートラジオグラフィーを
行い、約400bp長のシグナルDNA断片を含有するア
ガロース片より、約400bp長の2本鎖cDNAをスプ
レック−01を用いて精製した。
で得た約400bp長のDNA断片約0.2μgをプラス
ミドpGEM−4ZDNAをHincIIで消化すること
により調製したpGEM−4ZDNA約0.1μgの平
滑断面と連結し、該プラスミドを大腸菌JM109に組
込み、培養後、形質転換体、及びプラスミドDNAを調
製し、こうして得られたプラスミドをプラスミドpC1
79Lと命名した。
00μgのC179を0.7Mの2−メルカプトエタノ
ール存在下、2%SDSを含む緩衝液中で95℃、5分
間加熱し変性させた。次にSDSにより変性させた試料
を12%ポリアクリルアミドゲルで電気泳動した。泳動
後のゲルを、10%メタノール、0.1%SDSを含む
トリス−ε−アミノ−n−カプロン酸緩衝液(pH9.
2)中に浸し、室温で15分間振とうした後、セミドラ
イ ブロッター(ザルトリウス社製)を用いてPVDF
膜(ミリポア社製)に転写した。転写後のPVDF膜
は、0.1%CBB溶液で染色し、60%メタノールで
脱色した後、H鎖、L鎖に相当するタンパク質の染色ス
ポットを切り出して、室温で乾燥させた。 (b)アミノ酸配列分析は、気相式シーケンサーPSQ
1(島津製作所製)を用いて、自動エドマン法により行
った。上記工程で得たPVDF膜切片をシーケンサーの
リアクション カートリッジに挿入し、PSQ1装備の
標準プログラムを用いてエドマン分解を行った。エドマ
ン分解によって生じたPTH−誘導体は、PTH−アミ
ノ酸分析システムPTH1を用いたオンライン法により
分析、同定した。C179重鎖、軽鎖のN末端アミノ酸
配列を配列番号14、15にそれぞれ示す。なお、重鎖
N末端アミノ酸配列分析において得られた各PTHアミ
ノ酸の収率は、軽鎖でのPTHアミノ酸の収率の約10
%に相当し、重鎖N末端Gluのアミノ基はその大部分
がブロックされていると推定された。
9L中のcDNAコード領域の塩基配列を、 BcaBESTTM
ジデオキシ シークエンシング キット(宝酒造社
製)を用いて決定した。まず、前記のようにして得られ
たプラスミド約3μgを0.2N NaOHにより変性
し、配列決定用プライマーとアニールさせ、そしてキッ
ト添付の処方に従って32P−dCTPにより標識した。
次に、標識したDNAを、6%ポリアクリルアミドゲル
にて電気泳動した後、ゲルを乾燥し、そしてオートラジ
オグラフィーにかけることにより塩基配列を決定した。
各プラスミドのcDNAコード領域の塩基配列を配列番
号3、4にそれぞれ示す。
らLeu18までのアミノ酸配列は、配列番号3で示す
遺伝子の塩基番号1番から54番までの塩基配列がコー
ドするアミノ酸配列と完全に一致し、プラスミドpC1
79HはマウスVH をコードする遺伝子を含んで成るプ
ラスミドと決定された。このプラスミドpC179Hが
含有するVH 遺伝子のコードするアミノ酸配列を配列番
号1に示す。次に、配列番号15で示す軽鎖のN末端A
spからAla13までのアミノ酸配列は、配列番号4
で示す遺伝子の塩基番号1番から39番までの塩基配列
がコードするアミノ酸配列と完全に一致し、プラスミド
pC179Lは、マウスVLをコードする遺伝子を含ん
で成るプラスミドと決定された。このプラスミドpC1
79Lが含有するVL 遺伝子のコードするアミノ酸配列
を配列番号2に示す。以上、本発明により配列番号1、
2にそれぞれ示すVH 、VL の全アミノ酸配列が決定さ
れ、該アミノ酸配列をコードするDNAが提供された。
を有しており、それぞれ4つのフレームワーク部分が3
つの超可変領域、すなわちCDRにより連結されてい
る。フレームワークのアミノ酸配列は、比較的良く保存
されているが、一方、CDRのアミノ酸配列の変異性は
極めて高い〔カバト E.A.(Kabat E.A.)ら、シーク
ェンシーズ オブ プロテインス オブ イムノロジカ
ル インテレスト(Sequences of Proteins of Immunol
ogical Interest)、USデパートメント ヘルス アン
ド ヒューマン サービセス(1983)〕。このよう
な事実に基づき、ヒトインフルエンザA型ウイルスに対
するマウスモノクローナル抗体の可変領域のアミノ酸配
列(配列番号1、2)を、前記カバトらにより作成され
た抗体のアミノ酸配列のデータベースに当てはめて、相
同性を調べることによりCDRを配列番号5〜10に示
すごとく決定した。すなわち、配列番号5はVH のCD
R1、配列番号6はVH のCDR2、配列番号7はVH
のCDR3、配列番号8はVL のCDR1、配列番号9
はVL のCDR2、配列番号10はVL のCDR3のそ
れぞれのアミノ酸配列を示し、本発明によりVH 、VL
のCDRのアミノ酸配列が決定され、該アミノ酸配列を
それぞれコードするDNAが提供された。
発現 Fv発現用プラスミドとしては参考例Bに示したプラス
ミドpFv−PPがあり、該プラスミドはVH をコード
するDNAを組込むためのPstI、SmaIサイト、
及びVL をコードするDNAを組込むためのSacI、
SalIサイトを有している。実施例1で調製されたプ
ラスミドpC179H及びプラスミドpC179Lよ
り、それぞれ調製されるVH 遺伝子、VL 遺伝子をプラ
スミドpFv−PP中のVH 遺伝子、VL 遺伝子とそれ
ぞれ置換え、連結するために、プラスミドpC179H
より得られるVH 遺伝子の上流端にPstIサイト、下
流端にSmaIサイトをPCR法により導入した。ま
た、プラスミドpC179Lより得られるVL 遺伝子の
上流端にSacIサイト、下流端にSalIサイトをP
CR法により導入した。すなわち、配列番号19で示さ
れるような、PstIサイト導入用のVH 前方プライマ
ー、配列番号20で示されるような、SmaIサイト導
入用のVL 後方プライマー、配列番号21で示されるよ
うな、SacIサイト導入用のVL 前方プライマー及
び、配列番号22で示されるような、SalIサイト導
入用のVL後方プライマーを設計し、合成した。次に実
施例1−(3)−(a)に記載の方法に準じ、PCRを
行った。すなわち、プラスミドpC179H(10μg
/μl)を1μl、配列番号19、20でそれぞれ示さ
れるプライマー(20pmol/μl)をそれぞれ2.5μ
l、PCR反応緩衝液を10μl、2.5ユニットのD
NAポリメラーゼ アンプリ タックを1μl、及びH
2 O 83μlを含有するPCR溶液100μlを94
℃(30秒)、55℃(1分)、72℃(3分)の温度
サイクルで、25回反復のPCRを行い、プラスミドp
Fv−PPに組込むためのVH インサートを増幅した。
また同様に、プラスミドpC179L、配列番号21、
22でそれぞれ示されるプライマーを用いてPCRを同
様に行い、プラスミドpFv−PPに組込むためのVL
インサートの増幅を行った。
及びSacI、SalIをそれぞれ用い切断した後、ア
ガロースゲル電気泳動で泳動させ、ゲル抜きを行い、ス
プレック−01にて、それぞれ精製し、VH インサート
及びVL インサートを調製した。次にプラスミドpFv
−PPをPstIとSmaIで切断し、アガロースゲル
電気泳動で泳動させ、プラスミド部分をゲル抜きし、更
にそれをスプレック−01にて精製した。この精製プラ
スミドにVH インサートを挿入し、次に該プラスミドを
大腸菌BMH71−18株で増やし、クローン体よりプ
ラスミドをアルカリ抽出法にて調製後、得られたプラス
ミドをSacIとSalIで切断した。続いて、このプ
ラスミドをアガロースゲル電気泳動で泳動し、プラスミ
ド部分をゲル抜きし、更にスプレット−01にて精製し
た。精製プラスミドにVL インサートを挿入し、次に該
プラスミドを大腸菌BMH71−18株で増やし、クロ
ーン体を得た。次に該クローン体よりプラスミドを調製
し、VH インサート、VL インサートの塩基配列を解析
し、PCR法による増幅中にエラーが生じなかったこと
を確認し、C179のFvを発現するプラスミドをプラ
スミドT19C179FvproAと命名した。このプ
ラスミドで形質転換した大腸菌BMH71−18株は大
腸菌BMH71-18/T19C179FvproA と命名した。
インAのFc結合ドメイン様構造2個との融合ポリペプ
チド(以下、C179Fv−PPと略す)を発現する。
C179Fv−PPをコードする塩基配列を配列番号3
4に示す。なお配列番号34に示すDNA配列中、塩基
番号106から465はVH をコードする配列であり、
塩基番号601から902は、VL をコードする配列で
ある。また、塩基番号928から1101、及び塩基番
号1102から1275は、プロテインAのFC 結合ド
メイン様構造をそれぞれコードする配列である。発現し
たC179Fv−PPは、IgG−セファロース6FF
によって簡単に精製することができる。またプラスミド
T19C179FvproAのVL インサートの後にス
トップコドンを部位特異的変異方法により導入すること
により、C179のFvのみを発現するプラスミドに改
変することができる。
し、scFv発現用のプラスミドを以下のように作製し
た。
精製 配列番号23で示されるリンカー導入用プライマーを設
計し、合成した。次に該プライマー及び前出の配列番号
19で示されるPstIサイト導入用プライマーを用
い、プラスミドpC179Hを鋳型とし、scFv用V
H インサートのPCR増幅を行った。すなわち、プラス
ミドpC179H(10μg/μl)を1μl、配列番
号19、23でそれぞれ表されるプライマー(20pmol
/μl)をそれぞれ5μl、PCR反応緩衝液10μ
l、2.5ユニットのDNAポリメラーゼアンプリ タ
ックを1μl、及びH2 Oを78μlを含有するPCR
溶液100μlを94℃(30秒)、55℃(1分
間)、72℃(1分間)の温度サイクルで25回反復の
PCRを行い、scFv用VH インサートを増幅した。
成物を、エタノール沈殿により回収した。次に、DNA
沈殿物を10ユニットの制限酵素PstI及びBamH
Iにより37℃にて4時間消化し、そして生ずるDNA
断片をアガロースゲル電気泳動により分離した。約35
0bp長のDNA断片を含有するアガロース片よりスプレ
ック−01を用いて該DNA断片を精製した。
製 配列番号24、25でそれぞれ示されるリンカー合成用
のオリゴヌクレオチドを設計し、合成した。次に該オリ
ゴヌクレオチドを各々200pmolずつ加え、65℃で5
分間反応後、室温でゆっくりとアニーリングさせた。次
に、DNAブランティング キット(宝酒造社製)を用
いて、末端平滑を行った。その後、そのDNA溶液を1
0ユニットのPstI及びSacIにより37℃にて4
時間消化し、生ずるDNA断片をアガロースゲル電気泳
動により分離した。約60bp長のDNA断片を含有する
アガロース片よりスプレック−01を用いて該DNA断
片を精製した。
I及びSacIで消化することで調製したプラスミド部
分に、前出のscFv用リンカーをDNAライゲーショ
ン キットを用いて挿入した。更にそのscFv用リン
カーが挿入されたプラスミドを大腸菌BMH71−18
株で増やし、クローン体よりプラスミドをアルカリ抽出
法にて調製後、scFv用リンカーが挿入されたプラス
ミドを2μg調製した。次に該プラスミドをPstIと
BamHIで消化することで調製したプラスミド部分
に、前出のscFv用VH インサートをDNAライゲー
ション キットを用いて、挿入した。次に該プラスミド
で大腸菌BMH71−18株を形質転換し、該形質転換
体を増殖させ、クローン体を得た。次に該クローン体よ
りプラスミドを調製し、scFv用VH インサート、s
cFv用リンカー、VL インサートの塩基配列を確認
し、PCR法による増幅中やリンカー導入の際にエラー
が生じなかったことを確認し、C179のscFvを発
現するプラスミドをプラスミドT19C179ScFV
proAと命名した。このプラスミドで形質転換した大
腸菌BMH71−18株は Escherichia coli BMH71-18
/T19C179ScFVproA と命名、表示され、工業技術院生命
工学工業技術研究所にFERM P−14191として
寄託されている。なお本発明のVH 遺伝子、VL 遺伝
子、各CDRをコードするDNAは当該プラスミドT1
9C179ScFvproAより調製できる。
のアンピシリン及び0.1%グルコースを含む2×YT
培地(前出モレキュラー クローニング、アラボラトリ
ー マニュアル)に接種し、30℃で一晩振とう培養し
た。この培養物1mlを100mlの50μg/mlアンピシ
リン、0.1%グルコースを含む2×YT培地に接種し
30℃で振とう培養した。培養液の濁度が分光光度計で
O.D.600 =1となったところで最終濃度1mMとなる
ようにIPTGを添加し、更に30℃で20時間振とう
培養した。培養後、遠心分離により菌体を得た。更に菌
体を10mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)5mlに懸
濁後、超音波処理にて菌体をつぶし、遠心分離により上
清を得た。得られた上清約5mlを0.45μm、0.2
2μmのフィルター(ミリポア社製)の順番でろ過し
た。このろ液からのscFvフラグメントの精製には、
IgGセファロース6FF(ファルマシア社製)を用い
た。すなわち、IgGセファロース6FFを充てんした
カラムに、ろ液をゆっくりと通すことでscFvフラグ
メントを吸着させ、結合用緩衝液〔10mMトリス−塩酸
緩衝液pH8.0、140mM NaCl、1mM EDT
A、0.1mM PMSF(フェニルメチルスルホニルフ
ルオライド)〕で洗浄後、50mMのグリシン・塩酸緩衝
液(pH2.5)で溶出させた。溶出液を1Mのトリス
−塩酸緩衝液(pH8.0)ですばやく中和し、C17
9のscFvとプロテインAのFc結合ドメイン様構造
2個との融合ポリペプチド(以下、scFv−PPと略
す)を得た。なおこのscFv−PPをコードする塩基
配列を配列番号35に示す。なお配列番号35に示すD
NA配列中、塩基番号106から471はVH をコード
する配列であり、塩基番号529から830は、VL を
コードする配列である。また、塩基番号856から10
29、及び塩基番号1030から1203は、プロテイ
ンAのFC 結合ドメイン様構造をそれぞれコードする配
列である。なおまた、プラスミドT19C179ScF
VproAのVL インサートの後にストップコドンを部
位特異的変異方法により導入することによりC179の
scFvのみを発現するプラスミドに改変することがで
きる。
ルスの検出 本発明により得られるscFvによるヒトインフルエン
ザA型ウイルスの検出を、ELISA法にて以下のよう
に行った。96穴マイクロタイタープレート(ファルコ
ン3072:ベクトンディキンソン社製)の各ウエル
に、実施例4で調製した、C179の抗体可変領域が発
現した。scFV −PP(10μg/ml)を100μl加
えた。次にプレートを37℃、1時間30分間保温し、
scFV −PPをプレートに固定化した後、ブロッキン
グ用タンパク質溶液(ブロックエース:雪印社製)を用
いてブロッキングを行った。ブロッキング後、ヒトイン
フルエンザA型ウイルスとして、参考例A−1に記載の
方法で調製したA/PR/8/34(H1N1サブタイ
プ)、A/Okuda /57(H2N2サブタイプ)、A2
/Aichi /2/68(H3N2サブタイプ)の各サブタ
イプの各ウイルス希釈液(10HA単位/ml)100μ
l を検定用の各ウエルにそれぞれ加え、1時間反応さ
せ、0.05%ツウィーン−20を含むPBSで洗浄し
た。次に、ヒトインフルエンザA型ウイルスに結合製を
示す、抗A/Okuda /57血清(宝酒造社製)の500
倍希釈液100μlを加え、1時間反応させた。なお、
抗A/Okuda /57血清は次のように作製した。すなわ
ちA/Okuda /57(5000HA単位)をフロイント
完全アジュバントに使用前に懸濁し、1ヵ月間隔で、筋
肉内注射により、ウサギに2度免疫した。2回目の筋肉
内注射の10日後に、心臓より全採血し、血清を調製
し、抗A/Okuda /57血清を得た。前出の抗A/Okud
a /57血清反応液は洗浄後、ペルオキシダーゼ標識ヤ
ギ抗ウサギイムノグロブリンG溶液(カッペル社製)の
希釈液100μlを加えた。1時間30分間保温の後、
ペルオキシダーゼ反応を、基質緩衝液〔0.03%のH
2 O2 、1mg/mlのo−フェニレンジアミン2塩酸塩の
クエン酸−リン酸溶液(pH5.2)〕を加え、室温で
5分間反応させた。次に2Mの硫酸を加えることにより
反応を停止させ、492nmにおける吸光度を測定し、s
cFv−PPの各サブタイプへの結合性を検定した。こ
の結果を表2に示す。なお、上記結合性の検定、対照は
各3連で行い、表2の492nmでの吸光度は、その平均
値が示されている。
れたscFvはH1N1サブタイプ、H2N2サブタイ
プに結合性を示し、H3N2サブタイプとは結合性を示
さない。よって、本発明で得られたscFv−PPはヒ
トインフルエンザA型ウイルスの検出、タイピングが有
用である。
ルスのH1N1サブタイプ、H2N2サブタイプを共通
認識し、かつ、該ウイルスに対し、中和活性を有するモ
ノクローナル抗体の可変領域、CDRをコードする遺伝
子が特定され、これらの遺伝子は種々の人工抗体、抗原
結合性ポリペプチドの遺伝子工学的製造において有用で
ある。また、得られた人工抗体、ポリペプチドは、ヒト
インフルエンザウイルスの診断、治療に有用である。
断片とその付近の概略図である。
図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 下記特性(a)及び(b)を有する抗ヒ
トインフルエンザウイルス抗体の可変領域をコードする
DNA。 (a)ヒトインフルエンザA型ウイルスのH1N1サブ
タイプ及びH2N2サブタイプのヘマグルチニン分子の
幹領域を認識し、H3N2サブタイプのヘマグルチニン
分子の幹領域は認識しない。 (b)ヒトインフルエンザA型ウイルスのH1N1サブ
タイプ及びH2N2サブタイプに中和活性を有し、H3
N2サブタイプには中和活性を有さない。 - 【請求項2】 配列表の配列番号1、2に示されるアミ
ノ酸配列のそれぞれをコードする塩基配列を有する請求
項1記載のDNA。 - 【請求項3】 配列表の配列番号3、4に示される塩基
配列を有する請求項2記載のDNA。 - 【請求項4】 請求項3記載のDNAにハイブリダイズ
可能な請求項1記載のDNA。 - 【請求項5】 請求項1記載の抗ヒトインフルエンザウ
イルス抗体の可変領域をコードするDNA中の相補性決
定領域をコードするDNA。 - 【請求項6】 配列表の配列番号5、6、7、8、9、
10で示されるアミノ酸配列のそれぞれをコードする塩
基配列を有する請求項5記載のDNA。
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