JPH07267764A - 炭素繊維強化炭素複合材の耐酸化処理方法 - Google Patents
炭素繊維強化炭素複合材の耐酸化処理方法Info
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- JPH07267764A JPH07267764A JP6082540A JP8254094A JPH07267764A JP H07267764 A JPH07267764 A JP H07267764A JP 6082540 A JP6082540 A JP 6082540A JP 8254094 A JP8254094 A JP 8254094A JP H07267764 A JPH07267764 A JP H07267764A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 炭素繊維強化炭素複合材(C/C材)の所定
部位毎に、膜厚の異なる炭化珪素被覆層を形成するC/
C材の耐酸化処理方法 【構成】 C/C材の所定部位毎に、気体透過度の異な
る多孔性炭素被着層を形成し、ついで珪素源と炭材とか
らなる組成の粉末中に埋没した状態で非酸化性雰囲気下
1600〜2000℃の温度に加熱して炭化珪素層の被覆処理を
施す。前記構成において、多孔性炭素被着層は、炭素繊
維のフェルト、織布あるいは、カーボンペーパーの積層
物、もしくは熱分解性の熱硬化性樹脂と炭素質粉末の混
合物で形成することが好ましい。
部位毎に、膜厚の異なる炭化珪素被覆層を形成するC/
C材の耐酸化処理方法 【構成】 C/C材の所定部位毎に、気体透過度の異な
る多孔性炭素被着層を形成し、ついで珪素源と炭材とか
らなる組成の粉末中に埋没した状態で非酸化性雰囲気下
1600〜2000℃の温度に加熱して炭化珪素層の被覆処理を
施す。前記構成において、多孔性炭素被着層は、炭素繊
維のフェルト、織布あるいは、カーボンペーパーの積層
物、もしくは熱分解性の熱硬化性樹脂と炭素質粉末の混
合物で形成することが好ましい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭素繊維強化炭素複合
材(以下「C/C材」という。)の基材面に高温下の酸
化抵抗性に優れる炭化珪素を被覆形成する方法におい
て、所定の部位毎に膜厚の異なる被覆層を形成するC/
C材の耐酸化処理方法に関する。
材(以下「C/C材」という。)の基材面に高温下の酸
化抵抗性に優れる炭化珪素を被覆形成する方法におい
て、所定の部位毎に膜厚の異なる被覆層を形成するC/
C材の耐酸化処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】C/C材は、卓越した比強度、比弾性率
を有するうえに優れた耐熱性および化学的安定性を備え
ているため、航空宇宙用をはじめ多くの分野で構造材料
として有用されている。ところが、この材料には大気中
において 500℃付近から材質酸化を受けるという炭素材
固有の材質的な欠点があり、これが汎用性を阻害する最
大のネックとなっている。このため、C/C材の表面に
耐酸化性の被覆を施して改質化する試みがなされてお
り、例えば炭化珪素、窒化珪素、ジルコニヤ、アルミナ
等の耐熱セラミックス系物質によって被覆処理する方法
が開発されている。このうち、被覆層の形成操作、性状
特性など技術的、経済的の面から炭化珪素の皮膜形成が
最も工業性に適合している。
を有するうえに優れた耐熱性および化学的安定性を備え
ているため、航空宇宙用をはじめ多くの分野で構造材料
として有用されている。ところが、この材料には大気中
において 500℃付近から材質酸化を受けるという炭素材
固有の材質的な欠点があり、これが汎用性を阻害する最
大のネックとなっている。このため、C/C材の表面に
耐酸化性の被覆を施して改質化する試みがなされてお
り、例えば炭化珪素、窒化珪素、ジルコニヤ、アルミナ
等の耐熱セラミックス系物質によって被覆処理する方法
が開発されている。このうち、被覆層の形成操作、性状
特性など技術的、経済的の面から炭化珪素の皮膜形成が
最も工業性に適合している。
【0003】従来、C/C基材の表面に炭化珪素の被覆
を施す方法として、気相反応により生成するSiCを直
接沈着させるCVD法(化学的気相蒸着法)と、基材の
炭素を反応源に利用してSiOガスと反応させることに
よりSiCに転化させるコンバージョン法が知られてい
る。このうち、前者のCVD法を適用して形成した炭化
珪素被覆層は、基材との界面が明確に分離している関係
で熱衝撃を与えると相互の熱膨張差によって層間剥離現
象が起こり易く、高温域での十分な耐酸化性は望めな
い。これに対し、後者のコンバージョン法による場合に
は基材の表層部が連続組織として炭化珪素層を形成する
傾斜機能材質となるため界面剥離を生じることがない。
を施す方法として、気相反応により生成するSiCを直
接沈着させるCVD法(化学的気相蒸着法)と、基材の
炭素を反応源に利用してSiOガスと反応させることに
よりSiCに転化させるコンバージョン法が知られてい
る。このうち、前者のCVD法を適用して形成した炭化
珪素被覆層は、基材との界面が明確に分離している関係
で熱衝撃を与えると相互の熱膨張差によって層間剥離現
象が起こり易く、高温域での十分な耐酸化性は望めな
い。これに対し、後者のコンバージョン法による場合に
は基材の表層部が連続組織として炭化珪素層を形成する
傾斜機能材質となるため界面剥離を生じることがない。
【0004】コンバージョン法の改良方法としては、例
えばC/C基材の原料フィラー中に予め炭化珪素の微粉
末を混入しておき熱処理時に耐酸化膜を形成する方法
(特開平2−271963号公報) や、C/C基材を炭化珪素
被覆用の材料中に埋没させて加熱することにより耐酸化
膜を形成する方法(特開平1−179714号公報) 等が提案
されているが、このほかに喰われや反り等の材質欠陥を
伴わずに大型材に対しても容易かつ均一に炭化珪素被覆
層を形成できるC/C材の耐酸化処理手段として、C/
C材を多孔炭素質物で被包した状態で珪素源と炭材から
なる組成の被覆材料粉末中に埋没し、非酸化性雰囲気下
で1800〜2000℃に加熱処理して基材面に炭化珪素の被覆
層を形成する方法が本出願人により開発されている(特
開平4−325481号公報) 。この方法によれば、珪素源と
反応しにくい黒鉛繊維フェルトなどの多孔炭素質物で被
包した状態で被覆材料中に埋没されるから、被覆材料か
ら発生するSiOガスは多孔炭素質物の気孔を介してC
/C基材面と均一に接触して、C/C基材の喰われ現象
を起こすことなく均一緻密な炭化珪素被覆層が形成され
る。
えばC/C基材の原料フィラー中に予め炭化珪素の微粉
末を混入しておき熱処理時に耐酸化膜を形成する方法
(特開平2−271963号公報) や、C/C基材を炭化珪素
被覆用の材料中に埋没させて加熱することにより耐酸化
膜を形成する方法(特開平1−179714号公報) 等が提案
されているが、このほかに喰われや反り等の材質欠陥を
伴わずに大型材に対しても容易かつ均一に炭化珪素被覆
層を形成できるC/C材の耐酸化処理手段として、C/
C材を多孔炭素質物で被包した状態で珪素源と炭材から
なる組成の被覆材料粉末中に埋没し、非酸化性雰囲気下
で1800〜2000℃に加熱処理して基材面に炭化珪素の被覆
層を形成する方法が本出願人により開発されている(特
開平4−325481号公報) 。この方法によれば、珪素源と
反応しにくい黒鉛繊維フェルトなどの多孔炭素質物で被
包した状態で被覆材料中に埋没されるから、被覆材料か
ら発生するSiOガスは多孔炭素質物の気孔を介してC
/C基材面と均一に接触して、C/C基材の喰われ現象
を起こすことなく均一緻密な炭化珪素被覆層が形成され
る。
【0005】また、C/C材の用途によっては部材のう
ち一部を耐酸化被覆層の形成から除外しないと不都合が
生じることがある。C/C材の特定部位に対する炭化珪
素の生成を効果的に抑制し、その他の部分に均一で緻密
組織の炭化珪素被覆層を形成することができるC/C材
の耐酸化処理法として、本出願人は炭素繊維強化炭素複
合基材の所定部位を熱分解性の熱硬化性樹脂で被覆して
ガス遮断膜を形成し、または炭素質粉末で被包もしくは
充填し、ついで珪素源と炭材とからなる組成の粉末中に
埋没した状態で非酸化性雰囲気下1600〜2000℃の温度に
加熱して基材面に炭化珪素層の被覆処理を施す方法を提
案した(特開平5−132384号公報)。
ち一部を耐酸化被覆層の形成から除外しないと不都合が
生じることがある。C/C材の特定部位に対する炭化珪
素の生成を効果的に抑制し、その他の部分に均一で緻密
組織の炭化珪素被覆層を形成することができるC/C材
の耐酸化処理法として、本出願人は炭素繊維強化炭素複
合基材の所定部位を熱分解性の熱硬化性樹脂で被覆して
ガス遮断膜を形成し、または炭素質粉末で被包もしくは
充填し、ついで珪素源と炭材とからなる組成の粉末中に
埋没した状態で非酸化性雰囲気下1600〜2000℃の温度に
加熱して基材面に炭化珪素層の被覆処理を施す方法を提
案した(特開平5−132384号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、コンバ
ージョン法でC/C基材の表面に炭化珪素被覆を施した
場合、膜厚によってはC/C材の有する高度の機械的強
度が損なわれることがある。一方、部材用途によっては
C/C材の特定の部位に、より高度の耐酸化性を付与し
なければならない場合があり、C/C基材の特定の所定
部位毎に膜厚の異なる炭化珪素被膜を形成する必要が生
じる。
ージョン法でC/C基材の表面に炭化珪素被覆を施した
場合、膜厚によってはC/C材の有する高度の機械的強
度が損なわれることがある。一方、部材用途によっては
C/C材の特定の部位に、より高度の耐酸化性を付与し
なければならない場合があり、C/C基材の特定の所定
部位毎に膜厚の異なる炭化珪素被膜を形成する必要が生
じる。
【0007】前記した特開平5−132384号公報の
手法によれば、C/C材の特定部位のみに炭化珪素被覆
層を形成することは可能であるが、一回の処理で同時に
所定部位毎に膜厚の異なる炭化珪素被膜を形成すること
はできないため、この方法を用いて所定部位毎に膜厚が
相違する炭化珪素被膜を形成するには何度もコンバージ
ョン法による炭化珪素の被覆処理を施さなければならな
い。
手法によれば、C/C材の特定部位のみに炭化珪素被覆
層を形成することは可能であるが、一回の処理で同時に
所定部位毎に膜厚の異なる炭化珪素被膜を形成すること
はできないため、この方法を用いて所定部位毎に膜厚が
相違する炭化珪素被膜を形成するには何度もコンバージ
ョン法による炭化珪素の被覆処理を施さなければならな
い。
【0008】本発明の目的は、C/C材の所定部位毎
に、異なる膜厚の炭化珪素層を一回の被覆処理で同時に
形成することを可能としたコンバージョン法による炭素
繊維強化炭素複合材の耐酸化処理方法を提供することに
ある。
に、異なる膜厚の炭化珪素層を一回の被覆処理で同時に
形成することを可能としたコンバージョン法による炭素
繊維強化炭素複合材の耐酸化処理方法を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明によるC/C材の耐酸化処理方法は、炭素繊
維強化炭素複合基材の所定部位毎に、気体透過度の異な
る多孔性炭素被着層を形成し、ついで珪素源と炭材とか
らなる組成の粉末中に埋没した状態で非酸化性雰囲気下
1600〜2000℃の温度に加熱して、炭化珪素層の被覆処理
を施すことを構成上の特徴とする。
めの本発明によるC/C材の耐酸化処理方法は、炭素繊
維強化炭素複合基材の所定部位毎に、気体透過度の異な
る多孔性炭素被着層を形成し、ついで珪素源と炭材とか
らなる組成の粉末中に埋没した状態で非酸化性雰囲気下
1600〜2000℃の温度に加熱して、炭化珪素層の被覆処理
を施すことを構成上の特徴とする。
【0010】C/C基材を構成する炭素繊維には、ポリ
アクリロニトリル系、レーヨン系、ピッチ系など各種原
料から製造された平織、朱子織、綾織などの織布を一次
元または多次元方向に配向した繊維体、フェルト、トウ
等が使用され、マトリックス樹脂としてはフェノール
系、フラン系など高炭化性の液状熱硬化性樹脂、タール
ピッチのような熱可塑性物質が用いられる。炭素繊維
は、含浸、塗布などの手段によりマトリックス樹脂で十
分に濡らしたのち半硬化してプリプレグを形成し、つい
で積層加圧成形する。成形体は加熱して樹脂成分を完全
に硬化し、引き続き常法に従って焼成炭化または更に黒
鉛化してC/C基材を得る。また、用途によってはマト
リックス樹脂の含浸、硬化、炭化の処理を反復したり、
CVD法を用いてメタン、プロパン等を原料とする熱分
解炭素を沈着させて組織の緻密化を図ることもできる。
なお、前記焼成炭化時の温度は炭化珪素膜を形成する際
の処理温度よりも高く設定しておくことが望ましい。
アクリロニトリル系、レーヨン系、ピッチ系など各種原
料から製造された平織、朱子織、綾織などの織布を一次
元または多次元方向に配向した繊維体、フェルト、トウ
等が使用され、マトリックス樹脂としてはフェノール
系、フラン系など高炭化性の液状熱硬化性樹脂、タール
ピッチのような熱可塑性物質が用いられる。炭素繊維
は、含浸、塗布などの手段によりマトリックス樹脂で十
分に濡らしたのち半硬化してプリプレグを形成し、つい
で積層加圧成形する。成形体は加熱して樹脂成分を完全
に硬化し、引き続き常法に従って焼成炭化または更に黒
鉛化してC/C基材を得る。また、用途によってはマト
リックス樹脂の含浸、硬化、炭化の処理を反復したり、
CVD法を用いてメタン、プロパン等を原料とする熱分
解炭素を沈着させて組織の緻密化を図ることもできる。
なお、前記焼成炭化時の温度は炭化珪素膜を形成する際
の処理温度よりも高く設定しておくことが望ましい。
【0011】本発明は、このC/C基材の所定部位毎
に、被覆処理する炭化珪素層の膜厚に応じて気体透過度
の異なる多孔性炭素被着層を形成したのち、炭化珪素層
の被覆処理をするものである。被膜形成時、反応系から
発生するSiOガスはC/C基材と接触する前に多孔性
炭素被着層と反応してSiC化することによりSiOガ
スが消費される。その結果、C/C基材面に到達するS
iOガス濃度が低下してSiC化反応が抑制されるの
で、C/C基材面に生成する炭化珪素層の膜厚が薄くな
る。したがって、特定部位毎に多孔性炭素被着層の気体
透過度を変えることによりC/C基材面に到達するSi
Oガス濃度を調節することが可能となり、生成する炭化
珪素層の膜厚を制御することができる。
に、被覆処理する炭化珪素層の膜厚に応じて気体透過度
の異なる多孔性炭素被着層を形成したのち、炭化珪素層
の被覆処理をするものである。被膜形成時、反応系から
発生するSiOガスはC/C基材と接触する前に多孔性
炭素被着層と反応してSiC化することによりSiOガ
スが消費される。その結果、C/C基材面に到達するS
iOガス濃度が低下してSiC化反応が抑制されるの
で、C/C基材面に生成する炭化珪素層の膜厚が薄くな
る。したがって、特定部位毎に多孔性炭素被着層の気体
透過度を変えることによりC/C基材面に到達するSi
Oガス濃度を調節することが可能となり、生成する炭化
珪素層の膜厚を制御することができる。
【0012】多孔性炭素被着層は、気体透過性に優れ、
かつSiOガスと反応して容易にSiCに転化するもの
から選択される。この目的に適合する多孔性炭素材とし
ては、炭素繊維の織布、フェルトあるいはカーボンぺー
パーなどを挙げることができる。これらの多孔性炭素材
はC/C基材の所定部位毎に数層に積層するか、気孔率
や気孔径を変えて所定の気体透過度を確保し、例えば澱
粉糊などの有機接着剤により被着する。また、熱硬化性
樹脂液に粒度調整した炭素、コークスなどの炭素質粉末
を混合してペースト状としたものを、C/C基材の所定
部位に所望の厚さになるように塗布する手段により多孔
性炭素被着層を形成することもできる。
かつSiOガスと反応して容易にSiCに転化するもの
から選択される。この目的に適合する多孔性炭素材とし
ては、炭素繊維の織布、フェルトあるいはカーボンぺー
パーなどを挙げることができる。これらの多孔性炭素材
はC/C基材の所定部位毎に数層に積層するか、気孔率
や気孔径を変えて所定の気体透過度を確保し、例えば澱
粉糊などの有機接着剤により被着する。また、熱硬化性
樹脂液に粒度調整した炭素、コークスなどの炭素質粉末
を混合してペースト状としたものを、C/C基材の所定
部位に所望の厚さになるように塗布する手段により多孔
性炭素被着層を形成することもできる。
【0013】このようにして所定部位毎に、気体透過度
の異なる多孔性炭素被着層を形成したC/C基材は、珪
素源と炭材とからなる組成の粉末を用いてコンバージョ
ン法により炭化珪素層を被覆する。珪素源としては、石
英、珪石、珪砂等のSiO2含有物質を粒径10〜500 μm
に粉砕したものが、また炭材としては、粒径10〜100
μm のコークス、ピッチ、黒鉛、カーボンブラック等の
炭素質物質が用いられる。珪素源と炭材との配合組成
は、各材料粉末の表面積を考慮して決定されるが、一般
的にはSiO2 :Cの重量比率が1:1〜4:1の範囲
になるように配合される。配合物はV型ブレンダーなど
の混合装置で十分に混合し、黒鉛のような高耐熱性材料
で構成された反応容器に入れる。
の異なる多孔性炭素被着層を形成したC/C基材は、珪
素源と炭材とからなる組成の粉末を用いてコンバージョ
ン法により炭化珪素層を被覆する。珪素源としては、石
英、珪石、珪砂等のSiO2含有物質を粒径10〜500 μm
に粉砕したものが、また炭材としては、粒径10〜100
μm のコークス、ピッチ、黒鉛、カーボンブラック等の
炭素質物質が用いられる。珪素源と炭材との配合組成
は、各材料粉末の表面積を考慮して決定されるが、一般
的にはSiO2 :Cの重量比率が1:1〜4:1の範囲
になるように配合される。配合物はV型ブレンダーなど
の混合装置で十分に混合し、黒鉛のような高耐熱性材料
で構成された反応容器に入れる。
【0014】炭化珪素層の被覆処理は、C/C基材を反
応容器内の被覆材料粉末中に埋没し、ついで加熱炉に移
して非酸化性雰囲気下1600〜2000℃の温度に加熱する工
程でおこなわれる。この処理工程において、C/C基材
に形成した多孔性炭素被着層の気体透過度によりC/C
基材面に到達するSiOガス量の増減調節、すなわち炭
化珪素層の膜厚の制御が可能となる。
応容器内の被覆材料粉末中に埋没し、ついで加熱炉に移
して非酸化性雰囲気下1600〜2000℃の温度に加熱する工
程でおこなわれる。この処理工程において、C/C基材
に形成した多孔性炭素被着層の気体透過度によりC/C
基材面に到達するSiOガス量の増減調節、すなわち炭
化珪素層の膜厚の制御が可能となる。
【0015】
【作用】本発明による炭化珪素被膜層の形成は実質的に
コンバージョン法によるものであり、被覆材料粉末から
生成するSiOガスをC/C基材に接触させて徐々にそ
の表面を炭化珪素層に転化させる機構に基づいている。
コンバージョン法によるものであり、被覆材料粉末から
生成するSiOガスをC/C基材に接触させて徐々にそ
の表面を炭化珪素層に転化させる機構に基づいている。
【0016】本発明によれば、反応系から発生したSi
OガスはC/C基材の所定部位に形成した多孔性炭素被
着層を通過接触する際に炭素成分と反応してSiCに転
化すが、この過程でSiOガスが消費されてC/C基材
面に到達するSiOガス量が低下する。このため、C/
C基材面で反応生成するSiC量が減少して、炭化珪素
被膜層の膜厚が薄くなる。この場合、多孔性炭素被着層
の気体透過度を変えることによりC/C基材面に到達す
るSiOガス量を変化させることができ、例えば多孔性
炭素被着層の気体透過度を低く設定すると消費されるS
iOガス量が増大するので被覆される炭化珪素被膜層の
膜厚は薄くなり、逆に多孔性炭素被着層の気体透過度を
大きく設定すれば炭化珪素被膜層の膜厚は厚くなる。こ
のようにして、C/C基材の所定の部位毎に異なる気体
透過度の多孔性炭素被着層を形成することにより、一度
の被覆処理で膜厚の異なる炭化珪素被膜層を同時に被覆
することが可能となる。更に、C/C基材上に連続して
気体透過度の異なる多孔性炭素被着層を形成することに
よって、炭化珪素被膜層の厚さを連続的に変化させるこ
ともできる。
OガスはC/C基材の所定部位に形成した多孔性炭素被
着層を通過接触する際に炭素成分と反応してSiCに転
化すが、この過程でSiOガスが消費されてC/C基材
面に到達するSiOガス量が低下する。このため、C/
C基材面で反応生成するSiC量が減少して、炭化珪素
被膜層の膜厚が薄くなる。この場合、多孔性炭素被着層
の気体透過度を変えることによりC/C基材面に到達す
るSiOガス量を変化させることができ、例えば多孔性
炭素被着層の気体透過度を低く設定すると消費されるS
iOガス量が増大するので被覆される炭化珪素被膜層の
膜厚は薄くなり、逆に多孔性炭素被着層の気体透過度を
大きく設定すれば炭化珪素被膜層の膜厚は厚くなる。こ
のようにして、C/C基材の所定の部位毎に異なる気体
透過度の多孔性炭素被着層を形成することにより、一度
の被覆処理で膜厚の異なる炭化珪素被膜層を同時に被覆
することが可能となる。更に、C/C基材上に連続して
気体透過度の異なる多孔性炭素被着層を形成することに
よって、炭化珪素被膜層の厚さを連続的に変化させるこ
ともできる。
【0017】
【実施例】ポリアクリロニトリル系の平織炭素繊維布
〔東邦レーヨン(株)製、W6101 〕にフェノール樹脂初
期縮合物〔住友デュレズ(株)製、PR940 〕をマトリッ
クスとして体積含有率が60%になるように塗布し、48時
間風乾してプリプレグシートを作成した。このプリプレ
グシートを20枚積層してモールドに入れ、20kg/cm2の圧
力を適用して加熱温度 130℃で10時間、加熱温度 170℃
で3時間の条件により加圧成形して複合化した。つい
で、複合体を窒素ガス雰囲気に保持された焼成炉に移
し、20℃/hr の昇温速度で1000℃まで上昇して炭化処理
をおこなった。この材料にフルフリルアルコール初期縮
合物を真空・加圧含浸し、再び焼成炉に移して50℃/hr
の昇温速度で2000℃まで加熱して厚さ6mmの板状C/C
基材を作製した。
〔東邦レーヨン(株)製、W6101 〕にフェノール樹脂初
期縮合物〔住友デュレズ(株)製、PR940 〕をマトリッ
クスとして体積含有率が60%になるように塗布し、48時
間風乾してプリプレグシートを作成した。このプリプレ
グシートを20枚積層してモールドに入れ、20kg/cm2の圧
力を適用して加熱温度 130℃で10時間、加熱温度 170℃
で3時間の条件により加圧成形して複合化した。つい
で、複合体を窒素ガス雰囲気に保持された焼成炉に移
し、20℃/hr の昇温速度で1000℃まで上昇して炭化処理
をおこなった。この材料にフルフリルアルコール初期縮
合物を真空・加圧含浸し、再び焼成炉に移して50℃/hr
の昇温速度で2000℃まで加熱して厚さ6mmの板状C/C
基材を作製した。
【0018】このC/C基材の表面に、縦横50mm、厚さ
0.15mmの炭素繊維クロスを厚さが異なるように枚数を変
えて積層し、澱粉糊を用いて被着した。このようにして
部分的に気体透過度の異なる多孔性炭素被着層を形成し
たC/C基材を、珪砂粉末 (粒径40〜300 μm)と炭材コ
ークス粉末 (粒径74μm)を2:1の重量比率で混合し充
填した黒鉛容器中に埋没するように入れた。黒鉛容器を
窒素ガス雰囲気に保持された加熱炉に移し、1900℃に2
時間加熱してC/C基材の表面に炭化珪素被覆層を形成
した。
0.15mmの炭素繊維クロスを厚さが異なるように枚数を変
えて積層し、澱粉糊を用いて被着した。このようにして
部分的に気体透過度の異なる多孔性炭素被着層を形成し
たC/C基材を、珪砂粉末 (粒径40〜300 μm)と炭材コ
ークス粉末 (粒径74μm)を2:1の重量比率で混合し充
填した黒鉛容器中に埋没するように入れた。黒鉛容器を
窒素ガス雰囲気に保持された加熱炉に移し、1900℃に2
時間加熱してC/C基材の表面に炭化珪素被覆層を形成
した。
【0019】被覆処理後、炭素繊維クロスはC/C基材
から容易に取り外すことができ、またC/C基材表面に
は部位毎に均一緻密な炭化珪素層の被膜が形成されてい
た。この炭化珪素被膜層の膜厚を測定して、被着した炭
素繊維クロスの積層枚数および気体透過度と対比させて
表1に示した。なお、表1には炭素繊維クロスを被着し
ない部位の膜厚に対する膜厚の制御割合も併載した。
から容易に取り外すことができ、またC/C基材表面に
は部位毎に均一緻密な炭化珪素層の被膜が形成されてい
た。この炭化珪素被膜層の膜厚を測定して、被着した炭
素繊維クロスの積層枚数および気体透過度と対比させて
表1に示した。なお、表1には炭素繊維クロスを被着し
ない部位の膜厚に対する膜厚の制御割合も併載した。
【0020】
【表1】
【0021】表1の結果から、炭素繊維クロスの積層枚
数を変えて気体透過度を調節することにより被覆される
炭化珪素被膜層の膜厚を制御することが可能であること
が分かる。
数を変えて気体透過度を調節することにより被覆される
炭化珪素被膜層の膜厚を制御することが可能であること
が分かる。
【0022】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によればC/C基
材面の特定の部位毎に、異なる所望層厚を有する均一緻
密な炭化珪素被膜層を一回の熱処理で同時に形成するこ
とができる。したがって、要求される耐酸化性が部位に
よって異なる用途部材のC/C材に対して、極めて有用
である。
材面の特定の部位毎に、異なる所望層厚を有する均一緻
密な炭化珪素被膜層を一回の熱処理で同時に形成するこ
とができる。したがって、要求される耐酸化性が部位に
よって異なる用途部材のC/C材に対して、極めて有用
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 35/80
Claims (2)
- 【請求項1】 炭素繊維強化炭素複合基材の所定部位毎
に、気体透過度の異なる多孔性炭素被着層を形成し、つ
いで珪素源と炭材とからなる組成の粉末中に埋没した状
態で非酸化性雰囲気下1600〜2000℃の温度に加熱して、
炭化珪素層の被覆処理を施すことを特徴とする炭素繊維
強化炭素複合材の耐酸化処理方法。 - 【請求項2】 多孔性炭素被着層を、炭素繊維の織布、
フェルトあるいはカーボンペーパーの積層物、もしくは
熱分解性の熱硬化性樹脂と炭素質粉末の混合物で形成す
る請求項1記載の炭素繊維強化炭素複合材の耐酸化処理
方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP08254094A JP3548597B2 (ja) | 1994-03-28 | 1994-03-28 | 炭素繊維強化炭素複合材の耐酸化処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP08254094A JP3548597B2 (ja) | 1994-03-28 | 1994-03-28 | 炭素繊維強化炭素複合材の耐酸化処理方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07267764A true JPH07267764A (ja) | 1995-10-17 |
| JP3548597B2 JP3548597B2 (ja) | 2004-07-28 |
Family
ID=13777346
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP08254094A Expired - Fee Related JP3548597B2 (ja) | 1994-03-28 | 1994-03-28 | 炭素繊維強化炭素複合材の耐酸化処理方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3548597B2 (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2011027756A1 (ja) * | 2009-09-04 | 2011-03-10 | 東洋炭素株式会社 | 炭化ケイ素被覆炭素基材の製造方法及び炭化ケイ素被覆炭素基材並びに炭化ケイ素炭素複合焼結体、セラミックス被覆炭化ケイ素炭素複合焼結体及び炭化ケイ素炭素複合焼結体の製造方法 |
| WO2013190662A1 (ja) * | 2012-06-20 | 2013-12-27 | 東洋炭素株式会社 | 炭素-炭化ケイ素複合材 |
-
1994
- 1994-03-28 JP JP08254094A patent/JP3548597B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2011027756A1 (ja) * | 2009-09-04 | 2011-03-10 | 東洋炭素株式会社 | 炭化ケイ素被覆炭素基材の製造方法及び炭化ケイ素被覆炭素基材並びに炭化ケイ素炭素複合焼結体、セラミックス被覆炭化ケイ素炭素複合焼結体及び炭化ケイ素炭素複合焼結体の製造方法 |
| JP2011051866A (ja) * | 2009-09-04 | 2011-03-17 | Toyo Tanso Kk | 炭化ケイ素被覆炭素基材の製造方法及び炭化ケイ素被覆炭素基材並びに炭化ケイ素炭素複合焼結体、セラミックス被覆炭化ケイ素炭素複合焼結体及び炭化ケイ素炭素複合焼結体の製造方法 |
| US9085493B2 (en) | 2009-09-04 | 2015-07-21 | Toyo Tanso Co., Ltd. | Process for production of silicon-carbide-coated carbon base material, silicon-carbide-coated carbon base material, sintered (silicon carbide)-carbon complex, ceramic-coated sintered (silicon carbide)-carbon complex, and process for production of sintered (silicon carbide)-carbon complex |
| WO2013190662A1 (ja) * | 2012-06-20 | 2013-12-27 | 東洋炭素株式会社 | 炭素-炭化ケイ素複合材 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3548597B2 (ja) | 2004-07-28 |
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