JPH07268358A - 硫化水素の処理法 - Google Patents

硫化水素の処理法

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JPH07268358A
JPH07268358A JP6063897A JP6389794A JPH07268358A JP H07268358 A JPH07268358 A JP H07268358A JP 6063897 A JP6063897 A JP 6063897A JP 6389794 A JP6389794 A JP 6389794A JP H07268358 A JPH07268358 A JP H07268358A
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JP
Japan
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hydrogen sulfide
hydrogen
sulfuric acid
gas
sulfur
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JP6063897A
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English (en)
Inventor
Norio Komori
典夫 小森
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Sakai Chemical Industry Co Ltd
Japan Petroleum Energy Center JPEC
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Petroleum Energy Center PEC
Idemitsu Kosan Co Ltd
Sakai Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Treating Waste Gases (AREA)
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 硫化水素含有ガスからクローズドシステムで
硫黄と水素を効率よく回収することができ、かつ硫化水
素の吸収効率を向上させると共に副生硫酸の生成量を抑
制して、処理コストの低減を図る硫化水素の処理法を提
供すること。 【構成】 硫化水素ガス吸収・酸化工程、硫黄分離工
程、電気化学的再生処理工程及び副生硫酸還元工程を組
み合わせて、クローズドシステムで硫化水素含有ガスか
ら硫黄と水素を回収する処理方法において、副生硫酸還
元工程から排出される硫化水素と水素との混合ガスを硫
化水素濃縮分離工程に導き、この工程で濃縮分離された
硫化水素ガスを、硫化水素ガス吸収・酸化工程へ戻すこ
とを特徴とする硫化水素の処理法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は硫化水素の処理法の改良
に関し、更に詳しくは、鉄塩水溶液処理及び電気化学的
再生処理を組み合わせて、硫化水素含有ガスから硫黄と
水素ガスを回収する処理方法において、硫化水素ガス吸
収・酸化工程における副生硫酸の生成量を抑制してその
処理コストの低減を図るとともに、産業廃棄物(廃鉄
液,廃酸,廃鉄塩)の発生がなく、クローズドシステム
での長期間連続運転が可能で、効率よく硫黄と水素ガス
を回収することができる硫化水素の処理法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、石油精製の際に排出される硫化水
素は、クラウス法によって工業的に処理されていた。し
かし、この方法は、硫化水素中の硫黄成分は硫黄として
回収されるが、水素成分は水素ガスとして回収されず水
になり、工業的に効率よく利用を図ることができなかっ
た。現在、硫化水素から硫黄と水素ガスを、酸化及び電
気化学的処理によって回収する方法として、3価の鉄イ
オンを含有する鉄塩水溶液を用いる方法が知られてい
る。このような方法においては、3価の鉄イオンを含む
各種鉄塩水溶液が用いられるが、何れの場合も微量の硫
酸の副生は避けられない。その結果、鉄塩水溶液に硫酸
が蓄積し、最終的には鉄塩の析出をもたらし、プロセス
的には、重大な欠陥をなす。この欠点を解消した改良技
術として、すでに本発明者らのグループは、リン酸−塩
化鉄系の水溶液を用い、硫酸の副生量を減少させる技術
を開発した。しかし、その後の研究によって、この改良
技術には、長期循環使用する場合に鉄系水溶液中の硫酸
濃度が増大し、一定割合で鉄系水溶液を廃液として抜出
すと同時に、新しい鉄系水溶液を補給する必要のあるこ
とが判明した。
【0003】そこで、本発明者らのグループは更に研究
を進め、副生硫酸を含む鉄塩水溶液の一部を水素と接触
させ、該溶液中に含まれる副生硫酸を還元して硫化水素
を生成させ、生成した硫化水素を硫化水素ガス吸収装置
に戻して処理し、系内の硫酸濃度をコントロールするこ
とにより、廃鉄液,廃酸又は廃鉄塩の産業廃棄物を出さ
ずに、効率よく硫黄と水素ガスを回収しうること、更に
は、副生硫酸を還元して硫化水素を回収した後の溶液
を、電気化学的再生装置の陰極室へ導入し、該陰極室の
出口液を硫化水素ガス吸収装置あるいは該装置の前又は
後に戻すことにより(連続的に戻しても非連続的に戻し
てもよい。)、陰極液中への鉄イオン蓄積(陽極液から
の移行)を防止することができ、これによって陰極液の
交換と廃液の抜き出しという問題点も解消され、一層の
クローズドシステムでの長期間連続運転が可能となるこ
とを見出し、先に特許を出願した。
【0004】しかしながら、副生硫酸還元工程から排出
される硫化水素ガスには、還元のために該工程に供給さ
れた水素が混入しているため、これをそのまま硫化水素
ガス吸収装置に戻した場合、該硫化水素ガス吸収装置に
おいて硫化水素濃度が低下してその吸収効率が低下する
と共に、副生硫酸の生成量が増大し、その処理コストが
高くつくという問題が生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、このよう
な事情のもとで、鉄塩水溶液処理及び電気化学的再生処
理を組み合わせて、硫化水素含有ガスから硫黄と水素ガ
スを回収する処理方法において、硫化水素ガス吸収・酸
化工程における吸収効率の向上と副生硫酸の生成量抑制
によって処理コストの低減を図ると共に、産業廃棄物
(廃鉄液,廃酸,廃鉄塩)の発生がなく、クローズドシ
ステムでの長期間連続運転が可能で、効率よく硫黄と水
素ガスを回収することができる硫化水素の処理法を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、硫化水素ガス
吸収・酸化工程、硫黄分離工程及び電気化学的再生処理
工程に、更に副生硫酸還元工程を付加し、この副生硫酸
還元工程から排出される硫化水素と水素との混合ガスを
硫化水素濃縮分離工程に導き、濃縮分離された硫化水素
ガスを、硫化水素ガス吸収・酸化工程あるいは該硫化水
素ガス吸収・酸化工程の前又は後に戻すことにより、そ
の目的を達成しうることを見出した。本発明は、かかる
知見に基づいて完成したものである。
【0007】すなわち本発明は、第1に、硫化水素ガス
吸収・酸化工程において、硫化水素含有ガスを3価の鉄
イオンを含む硫酸−硫酸鉄溶液と接触処理し硫化水素を
吸収させて酸化反応を行い、2価の鉄イオン、硫黄及び
副生硫酸を含む溶液を生成させ、次いで、硫化水素ガス
吸収・酸化工程の出口液を硫黄分離工程に導入して該溶
液から硫黄を分離した後、硫黄分離工程の出口液を電気
化学的再生処理工程に導入して2価の鉄イオンを3価の
鉄イオンへ再生すると共に、水素を発生させて回収する
に当たり、(A)電気化学的再生処理工程の出口液を硫
化水素ガス吸収・酸化工程に循環させて、硫化水素ガス
吸収・酸化工程、硫黄分離工程及び電気化学的再生処理
工程からなる主循環経路を構成する一方、(B)硫黄分
離工程の出口液の一部を副生硫酸還元工程に導入し水素
と接触させ、該溶液中に含まれる副生硫酸を還元して硫
化水素を生成させ、この副生硫酸還元工程の出口液を硫
黄分離工程又はその前で主循環経路に戻すと共に、
(C)上記副生硫酸還元工程から排出される硫化水素と
水素との混合ガスを硫化水素濃縮分離工程に導き、濃縮
分離された硫化水素ガスを、硫化水素ガス吸収・酸化工
程あるいはその前又は後に戻すことを特徴とする硫化水
素の処理法を提供する。また本発明は第2に、硫化水素
ガス吸収・酸化工程において、硫化水素含有ガスを3価
の鉄イオンを含む硫酸−硫酸鉄溶液と接触処理し硫化水
素を吸収させて酸化反応を行い、2価の鉄イオン、硫黄
及び副生硫酸を含む溶液を生成させ、次いで、硫化水素
ガス吸収・酸化工程の出口液を硫黄分離工程に導入し該
溶液から硫黄を分離した後、硫黄分離工程の出口液を電
気化学的再生処理工程中の電気化学的再生装置の陽極室
へ導入して、陽極室側で2価の鉄イオンを3価の鉄イオ
ンへ再生すると共に、陰極室側で水素を発生させて回収
するに当たり、(A’)電気化学的再生装置の陽極室出
口液を硫化水素ガス吸収・酸化工程に循環させて、硫化
水素ガス吸収・酸化工程、硫黄分離工程及び電気化学的
再生装置の陽極室からなる主循環経路を構成する一方、
(B’)硫黄分離工程の出口液の一部を副生硫酸還元工
程に導入し水素と接触させ、該溶液中に含まれる副生硫
酸を還元して硫化水素を生成させ、この副生硫酸還元工
程の出口液の全部又は一部を電気化学的再生処理工程中
の電気化学的再生装置の陰極室へ導入し、陰極室出口液
及び該陰極室へ導入されなかった副生硫酸還元工程の出
口液を硫化水素ガス吸収・酸化工程あるいはその前又は
後で主循環経路に戻すと共に、(C’)上記副生硫酸還
元工程から排出される硫化水素と水素との混合ガスを硫
化水素濃縮分離工程に導き、濃縮分離された硫化水素ガ
スを、硫化水素ガス吸収・酸化工程あるいはその前又は
後に戻すことを特徴とする硫化水素の処理法を提供す
る。
【0008】本発明の硫化水素の処理法は、硫化水素ガ
ス吸収・酸化工程,硫黄分離工程,電気化学的再生処理
工程,副生硫酸還元工程及び副生硫酸還元工程で排出さ
れる硫化水素ガスの分離濃縮工程を必須工程とするもの
である。
【0009】 硫化水素ガス吸収・酸化工程(気液接触工程) この工程においては、硫化水素含有ガスと3価の鉄イオ
ンを含む硫酸−硫酸鉄水溶液との接触処理が行われる。
この工程で処理される硫化水素含有ガスは、純粋な硫化
水素ガスであってもよく、硫化水素と3価鉄イオンに対
して不活性な気体、例えば硫化水素と水素,一酸化炭
素,二酸化炭素,炭化水素(メタン,エタンなど),窒
素などとの混合ガスであってもよい。具体的には、天然
ガス,地熱発電に際し得られるガスあるいは石油精製に
おいて脱硫の際に発生するガスなどが挙げられる。一
方、硫化水素含有ガスと接触させる吸収液として、硫化
水素の酸化を行う3価の鉄イオン(第二鉄イオン)を含
む硫酸−硫酸鉄水溶液が用いられるが、この吸収液に
は、本発明の目的が損なわれない範囲で第一鉄塩や他の
塩類などが含有されていてもよい。
【0010】使用する鉄塩水溶液中のイオン濃度は、特
に制限はないが、第二鉄イオンが0.1〜5.0モル/リッ
トル、好ましくは0.5〜1.5モル/リットルの範囲であ
る。第二鉄イオンが0.1モル/リットル未満であると、
硫化水素の吸収率が低下し、また、5.0モル/リットル
を超えると、溶解度に問題があり、好ましくない。ま
た、第一鉄イオンについては、必須ではないが、硫酸第
一鉄が用いられ、通常0.1〜3.0モル/リットル、好ま
しくは0.5〜1.5モル/リットルの範囲で存在する。第
一鉄イオンの添加は、主に電気化学的再生処理において
効率を向上させるためであるが、0.1モル/リットル未
満ではその効果が得られず、また、3.0モル/リットル
を超えると鉄塩(特に硫酸第一鉄)の析出が起こり好ま
しくない。そして、硫酸については、0.1〜5モル/リ
ットル、好ましくは1〜4モル/リットルの範囲であ
る。硫酸が0.1モル/リットル未満では、硫酸の副生が
増大し、電気化学的再生処理時に効率を低下させること
がある。また、5モル/リットルを超えると、鉄塩(特
に硫酸第一鉄)の析出が起こり好ましくない。この硫化
水素ガス吸収・酸化工程を行うに当たっては、特に制限
はないが、従来から液体によるガス吸収において慣用さ
れている方法、例えば、気泡塔,スプレー塔,ぬれ壁
塔,攪拌式吸収塔,充填気泡塔,充填塔などの汎用の吸
収塔を採用すればよい。また、接触方式は、気−液向流
方式又は気−液並流方式のいずれであってもよい。
【0011】この工程における硫化水素から硫黄を生成
させる酸化工程の反応式は、次に示す通りである。 2Fe3++H2 S=2Fe2++2H+ +S(沈澱) ・・・(I) すなわち、硫化水素は、第二鉄イオンにより酸化されて
硫黄を生成し、第二鉄イオンは第一鉄イオンに還元され
る。同時に、この工程での反応において、硫酸が副生さ
れる。その結果、第一鉄イオン、硫黄及び副生硫酸が溶
液中に含有されることになる。なお該溶液中には、過剰
分の3価鉄イオン(第二鉄イオン)や予め配合されてい
た非副生硫酸などが共存する場合もある。
【0012】前記硫化水素ガス吸収・酸化工程(接触反
応)における温度は、通常50〜155℃、好ましくは
120〜140℃である。温度が50℃未満の低温で
は、硫化水素の吸収率が低下し、また硫黄の分離が困難
となる。特に、分離を速やかに行うためには、硫黄の融
点以上、硫黄の融点は同素体毎に異なるが120℃以上
にするのがよい。このように硫黄の融点以上に設定する
ことによって硫黄が溶融状態で生成し、比重差で容易に
硫黄と水溶液を分離することができる。この温度範囲未
満では、硫黄の分離が困難であると共に高純度で回収す
ることが困難である。一方、155℃を超える高温で
は、溶融硫黄の粘性が増大して取扱いが不便になること
がある。また、反応する際の圧力は、操作上に支障のな
い範囲で液の沸騰を防ぎ、上記所望の温度を保つために
必要な圧力であれば、特に制限はないが、通常は1at
m(1.01325×105 Pa)以上、好ましくは2〜
5atm(2.02650×105 〜5.06625×10
5 Pa)の範囲である。
【0013】硫黄分離工程 この工程においては、上記硫化水素ガス吸収・酸化工程
において生じた2価の鉄イオン、硫黄及び副生硫酸を含
む溶液(硫化水素吸収・酸化工程の出口液)から、硫黄
の分離処理が行われる。硫黄の分離処理方法については
特に制限はなく、物理的又は化学的な様々な方法を用い
ることができる。例えば物理的処理方法として沈降分
離,遠心分離法などを用いることができるし、化学的処
理方法として、さらに他の硫黄化合物に変換する方法な
どを用いることができる。特に好ましい方法としては、
生成した硫黄を溶融硫黄として液−液分離し、つまり比
重差により沈降分離し、回収する方法を挙げることがで
きる。この硫黄分離工程に用いる硫黄分離装置は、特に
制限はなく、種々の構造のものを利用することができ
る。例えば、一般のシックナー形式,空塔ドラム形式,
沈降池形式など、分離回収すべき溶融硫黄滴の大きさや
設計上の回収率に応じて適宜選定すればよい。
【0014】電気化学的再生処理工程 この工程においては、電気分解などの電気化学的手法を
用いて上記硫黄分離工程で硫黄を分離、回収した後の溶
液(硫黄分離工程の出口液)を処理することによって、
陽極部分では該溶液中に多く含まれている第一鉄イオン
(Fe2+)を第二鉄イオン(Fe3+)に変換して3価の
鉄イオン(第二鉄イオン)を多く含有する溶液(吸収液
又は循環液)に再生すると共に、陰極部分では水素ガス
を発生させて水素ガスを分離回収する。ここで進行する
反応は、次の反応式で示される。 2Fe2++2H+ =2Fe3++H2 (気体)・・・(II) すなわち、陽極部分において第一鉄イオンが第二鉄イオ
ンに酸化再生されると共に、陰極部分において水素イオ
ンが還元されて、水素ガスが発生する。再生された溶液
は、前記硫化水素ガス吸収・酸化工程における硫化水素
の吸収液(循環液)として繰り返し使用することができ
る。なお、循環液に接触する部分の材質は、非シリカ系
が好ましい。
【0015】この電気化学的再生処理工程を行うための
電気化学的再生装置としては、例えば、通常の電気分解
などに慣用されている形式の電解槽などが充当できる。
このような工程を行う電解槽には、陽極部分と陰極部分
との間に隔膜が設けられており、該隔膜によって陽極部
分は陽極室、一方、陰極部分は陰極室と言うように仕切
られている。また、上記電極には、黒鉛や炭素繊維など
の耐酸材料が用いられている。上記隔膜としては、カチ
オン交換膜を用いることが好ましい。電気化学的再生処
理工程を行うための電気化学的再生装置として電解槽を
用いる場合には、該電解槽の陽極室に硫黄分離工程の出
口液が導入される。一方、陰極室には、通常所定濃度の
水素イオンを含む水溶液、例えば、0.5〜5モル/リッ
トル、好ましくは1〜4モル/リットルの水溶液を入れ
る。この範囲をはずれると、電解電圧が上昇し、効率が
低下するので好ましくない。あるいは、陽極と陰極の間
にある隔膜が乾燥しない程度の水分を補給して、電圧を
印加することにより行われる。
【0016】特に、本発明のうち第2の発明において
は、後述する副生硫酸還元工程の出口液の全部又は一部
が該陰極室に導入される。陰極室に副生硫酸還元工程の
出口液を導入した場合には、陽極液から陰極液中へ鉄イ
オンが移行して陰極液中に鉄イオンが蓄積するのを防止
することができる。したがって、完全クローズドシステ
ムとした場合において陰極液の交換と廃液の抜き出しが
不用となり、一層の長期間連続運転が可能となる。ここ
で陰極室に導入される該出口液中の水素イオン濃度は、
第1の発明と同様に0.5〜5モル/リットル、好ましく
は1〜4モル/リットルの範囲が望ましく、この範囲を
はずれると電解電圧が上昇し、効率が低下するので好ま
しくない。該陰極室で発生した水素ガスを分離したの
ち、あるいは水素ガスを分離せず、陰極室液の出口液は
硫化水素ガス吸収・酸化工程あるいは該硫化水素ガス吸
収・酸化工程の前又は後に戻される。ここで硫化水素ガ
ス吸収・酸化工程の後とは、硫化水素ガス吸収・酸化工
程の下流側であって、かつ硫黄分離装置の上流側を意味
する。
【0017】隔膜にカチオン交換膜を用いる場合は、所
望に応じて多孔質のガス透過性の電極、例えば、黒鉛繊
維布、好ましくは白金等の触媒を担持したものを、前記
隔膜に直接接触させてもよい。なお、この電解は通常は
25〜160℃で行われる。従って、硫化水素ガス吸収
・酸化工程における好ましい温度レベル(120〜14
0℃)でも問題なく電解を行うことができ、このような
高温電解によって経済性の向上を図ることもできる。ま
た、前記電気化学的再生処理によって発生する水素は、
必要に応じて通常の方法によって捕捉回収される。本発
明においては、回収された水素の一部は、系内の副生硫
酸の量をコントロールするために、処理液に含まれる副
生硫酸を還元して硫化水素を生成させるのに供されるこ
ともできる。
【0018】副生硫酸還元工程 この工程においては、2価の鉄イオン及び副生硫酸を含
む硫黄分離工程の出口液の一部を水素と接触させ、該溶
液中に含まれる副生硫酸を還元して硫化水素を生成させ
る。生成した硫化水素には水素が含まれており、この硫
化水素と水素との混合ガスは、後述の硫化水素濃縮分離
工程へ導かれる。
【0019】副生硫酸を水素還元することによって硫化
水素を生成させる反応式は、次に示す通りである。 H2 SO4 +4H2 =H2 S+4H2 O ・・・(III) すなわち、硫酸は、水素により還元されて硫化水素を生
成する。前記硫酸の水素還元反応は、通常、気−液−固
(触媒)系に使われている種々の形式を利用して行うこ
とができる。例えば、スラリー床型反応器を用いて水素
還元反応を行う場合には、触媒として粒径の小さいもの
を用いることができる。その結果、硫酸水溶液との接触
効率が高くなり、効率よく反応を進行させることができ
る。しかし、このスラリー床型反応器では、反応後、液
−固分離装置が必要になってくる。また、気−液並流型
の灌液充填塔を用いて水素還元反応を行うことができ
る。この場合、降下流方式では、大量に処理することが
できる大型装置で行うのに適している。これに対して、
上昇流方式では、小型装置で行うのに適している。その
他、充填気泡塔を用いて水素還元反応を行うこともでき
る。
【0020】前記水素還元反応を行うにあたって、水素
還元装置に送入すべき硫黄分離工程の出口液の量は、硫
化水素吸収・酸化工程における硫酸の副生率と副生硫酸
還元工程での水素還元反応速度とのバランスによって決
められる。例えば、硫酸副生率が約2%の場合、通常、
硫黄分離工程の出口液の1〜5容量%に相当する溶液を
送入すればよい。また送入された出口液中の副生硫酸を
水素還元反応させるために供給される水素ガスは、前記
電気化学的再生処理工程で発生する水素ガス流から、5
〜35容量%に相当する量(過剰量)あるいは外部水素
から必要量を導入すればよい。そして、水素還元反応に
は各種の触媒を用いることができる。好ましい触媒の一
つとしては白金担持活性炭を例示することができ、これ
によって効率的に反応を進めることができる。この水素
還元反応における温度は、通常100〜180℃、好ま
しくは120〜150℃の範囲である。この反応温度が
100℃未満では、反応速度が非常に小さくなる。一
方、180℃を超えると、圧力が増大し、プロセス的に
不利になり好ましくない。また、水素還元反応を行う際
の圧力は、鉄塩水溶液の水分蒸発を防ぎ、上記所望の温
度を保つために必要な圧力であれば、特に制限はなく、
通常は3atm(3.03975×105 Pa)以上、好
ましくは5〜7atm(5.06625×105 〜7.09
275×105 Pa)の範囲である。
【0021】副生硫酸が還元処理された回収液(副生硫
酸還元工程の出口液)は、第1の発明においては硫黄分
離工程又は該工程の前に戻される。その理由は、該出口
液の中には微量の溶存硫化水素が含まれ、3価の鉄イオ
ンを含む鉄塩水溶液に合流すると硫黄が生成するためで
ある。
【0022】これに対して、第2の発明においては、副
生硫酸還元工程の出口液の全部又は一部を電気化学的再
生処理工程中の電気化学的再生装置の陰極室へ導入す
る。この点はすでに述べたとおりである。そして、副生
硫酸還元工程の出口液の一部だけを陰極室へ導入する場
合には、残りの出口液を硫化水素ガス吸収・酸化工程あ
るいは硫化水素ガス吸収・酸化工程の前又は後に戻す。
このように、溶液中に含まれる副生硫酸を水素還元し、
系内の硫酸の含有量をコントロールすることによって、
システム全体をクローズド化して連続的に処理すること
ができる。
【0023】硫化水素濃縮分離工程 この工程においては、副生硫化水素還元工程から排出さ
れる硫化水素と水素との混合ガスから硫化水素を濃縮分
離して、純度の高い硫化水素ガスを回収する。この回収
された硫化水素ガスは、硫化水素ガス吸収・酸化工程あ
るいは該硫化水素ガス吸収・酸化工程の前又は後に戻さ
れる。副生硫酸還元工程から排出される硫化水素と水素
との混合ガスを、そのまま硫化水素ガス吸収・酸化工程
に戻した場合、該硫化水素ガス吸収・酸化工程において
硫化水素濃度が低下して、硫化水素の吸収効率が低下す
ると共に副生硫酸の生成量が増大し、その処理コストが
高くつくという不都合が生じる。これに対し、上記硫化
水素ガスの濃縮分離工程を設けることにより、高い純度
の硫化水素ガスが回収され、これを硫化水素ガス吸収・
酸化工程に戻すことにより、硫化水素の吸収効率低下と
副生硫酸の生成量が抑制され、その処理コストが低減す
る。かかる観点から、本工程から回収される硫化水素ガ
スはできるだけ高純度であることが望ましい。しかし、
少なくとも本工程から回収されたガス中の硫化水素濃度
が、本工程に導入された混合ガス中の硫化水素濃度より
も高ければ、本発明の目的は充分に達成される。
【0024】本発明においては、この濃縮分離工程で回
収された硫化水素ガスは、硫化水素ガス吸収・酸化工程
あるいは該硫化水素ガス吸収・酸化工程の前又は後に戻
される。ここで、濃縮分離工程で回収された硫化水素ガ
スを硫化水素ガス吸収・酸化工程に戻す理由は、吸収ガ
ス(最初に硫化水素ガス吸収・酸化工程に導入した硫化
水素含有ガス)と同様に、回収硫化水素ガスの吸収酸化
反応を充分に進行させるためである。また、濃縮分離工
程で回収された硫化水素ガスを、硫化水素ガス吸収・酸
化工程の前又は後に戻す理由は、該硫化水素ガスを液体
状の硫黄に変換するため、第二鉄イオンを含む硫黄の融
点以上の温度レベルを有するラインに戻す必要があり、
硫黄分離工程の上流であればどこでもよいからである。
この硫化水素ガスを硫化水素ガス吸収・酸化工程あるい
は該工程の前又は後のいずれに戻すかは、システム全体
のバランスを考慮して決定すればよい。
【0025】濃縮分離工程においては、硫化水素と水素
との混合ガスを、硫化水素吸収液と気液接触させて、該
吸収液に硫化水素を吸収させたのち、この硫化水素を含
有する吸収液を適当な温度に加熱して、硫化水素を脱離
させることにより、純度の高い硫化水素ガスが回収され
る。硫化水素を脱離し、再生された吸収液は、硫化水素
の吸収に循環使用することができる。また、硫化水素と
水素との混合ガスを、硫化水素吸収液と気液接触させる
装置については特に制限はなく、従来から液体によるガ
ス吸収において慣用されている装置、例えば気泡塔,ス
プレー塔,ぬれ壁塔,攪拌式吸収塔,充填気泡塔,充填
塔などの吸収塔を用いることができる。更に、接触方式
は、気−液向流方式又は気−並流方式のいずれであって
もよい。
【0026】硫化水素吸収液としては、硫化水素の吸収
効率がよく、かつ加熱することによって容易に硫化水素
を脱離しうるものが好ましく用いられる。このような硫
化水素吸収液としては、様々なものがあるが、好ましい
ものとしては例えば、有機アミン含有水溶液が挙げられ
る。この有機アミンとしては、例えばモノエタノールア
ミン,ジエタノールアミン,トリエタノールアミン,ジ
イソプロパノールアミン,メチルジエタノールアミンな
どが挙げられる。これらは、単独でも二種以上を組み合
わせて用いてもよい。硫化水素を吸収させるための気液
接触温度、及び硫化水素を脱離させて吸収液を再生する
ための温度は、吸収液の種類に応じて適宜選べばよい。
【0027】なお、電気化学的再生処理工程で発生する
水素ガスには硫化水素が混入している場合があり、この
硫化水素を除くために、必要に応じ、該水素ガスをこの
濃縮分離工程に供給してもよい。また、この硫化水素濃
縮分離工程は、当該プロセスに組み込まれていてもよ
く、あるいは上流側にある既設の硫化水素濃縮分離工程
(例えば、硫化水素含有ガスを硫化水素ガス吸収・酸化
工程へ導入するライン上に設けられた硫化水素濃縮分離
装置)を利用してもよい。次に、本発明の好適な実施態
様の例を添付図面に従って説明する。
【0028】図1の説明 図1は第1の発明の処理方法における一例を示す概略図
である。図1に示すように、硫化水素ガス吸収装置1
(例えば吸収塔)には、被処理ガスである硫化水素含有
ガスと3価の鉄イオンを含有する硫酸−硫酸鉄水溶液を
導入する。この硫酸−硫酸鉄水溶液は初期状態において
は新たに調製された溶液を前記吸収塔に導入すればよ
い。装置の運転を開始してからは、電気化学的再生装置
3(例えば電解槽)で得られた硫酸−硫酸鉄水溶液を供
給するのが効率的で好ましい。吸収塔の内部は、図示し
ていない加熱装置により加熱される。吸収塔に前記被処
理ガスと前記硫酸−硫酸鉄水溶液とを導入し、両者を接
触させると、前記反応式(I)に従って酸化反応が進行
し、硫黄を生成し、同時に、2価の鉄イオン及び副生し
た硫酸を含む溶液が得られる。この際、反応系内は硫黄
の融点以上であれば、硫黄は吸収塔の内壁へ付着するこ
とがほとんどなく好ましい。次いで、2価の鉄イオン、
硫黄及び副生硫酸を含む溶液は、硫黄分離装置2に送ら
れる。なお、所望によりこの工程の前に溶融硫黄滴を合
一させる工程を設けてもよい。
【0029】前記硫黄分離装置では、硫黄を溶融状態と
して、比重差により溶液中で沈降させ、該分離装置の底
部から容易に回収される。また、硫黄を溶融状態で分離
を行えば、硫黄分離装置の内部構造を簡単にすることが
できる。さらに、硫黄分離装置2から出てくる硫黄回収
後の溶液(循環液)は、電気化学的再生装置3(例えば
電解槽)に供給される。この電解槽では、前記反応式(I
I)の反応が進行する。この電気化学的処理において用い
られる装置としては、すでに前記したように、従来慣用
されている型式の電解槽を使用することができる。この
電解槽には、陽極と陰極との間に、隔膜が設けられてお
り、また前記電極には、黒鉛や炭素繊維などの耐酸材料
が用いられている。前記隔膜としてはカチオン交換膜を
用いることが好ましい。
【0030】なお、電解槽に供給される2価の鉄イオン
及び副生硫酸を含む溶液(循環液)は、溶液中の硫黄の
濃度が大きいと電解性能が低下するので、電解槽に送ら
れる溶液中の硫黄は、できるだけ除去しておく方が良
い。また、所望により、電解槽の前にフィルターを設け
ることもできる。そして、硫黄分離装置で硫黄を分離し
た2価の鉄イオン及び副生硫酸を含む溶液の一部は、副
生硫酸還元装置4に供給される。この副生硫酸還元装置
4には、同時に、副生硫酸を水素還元するために、電気
化学的再生装置3で電気分解によって回収される水素の
一部、あるいは外部からの水素が導入される。この還元
装置では、前記反応式(III) の反応が進行し、副生硫酸
を水素還元して硫化水素を生成する。副生硫酸が還元処
理された回収液は、硫黄分離装置2又は硫黄分離装置2
の前に戻される。
【0031】一方、副生硫酸還元装置4から排出される
硫化水素と水素との混合ガスは、硫化水素ガス吸収装置
6(例えば吸収塔)に送られ、吸収液再生装置7から供
給されている硫化水素吸収液と接触して硫化水素が吸収
され、水素ガスが系外に排出される。硫化水素を含有す
る吸収液は吸収液再生装置7に送られ、加熱されて硫化
水素が脱離する。硫化水素が脱離し、再生された吸収液
は硫化水素ガス吸収装置6に戻され、循環使用される。
脱離した高純度の硫化水素ガスは、硫化水素ガス吸収装
置1に、あるいは図中に示されていないが、該硫化水素
ガス吸収装置1の前又は後に戻される。また、電気化学
的再生装置3で発生した水素ガスは、必要に応じ、その
中に混入している硫化水素を除去するために、硫化水素
ガス吸収装置6に供給し、上記と同様な操作を行っても
よい。なお、図1において、5は気液分離器である。
【0032】図2の説明 図2は、第2の発明の処理方法における一例を示す概略
図である。図2に示すように、硫化水素ガス吸収装置1
(例えば吸収塔)には、被処理ガスである硫化水素含有
ガスと3価の鉄イオンを含有する硫酸−硫酸鉄水溶液が
導入される。この硫酸−硫酸鉄水溶液は初期状態におい
ては新たに調製された溶液を前記ガス吸収装置に導入す
ればよい。装置の運転を開始してからは、電気化学的再
生装置3(例えば電解槽)で得られた硫酸−硫酸鉄水溶
液(循環液)を供給するのが効率的で好ましい。吸収塔
の内部は、図示していない加熱装置により、加熱され
る。吸収塔に前記被処理ガスと前記硫酸−硫酸鉄水溶液
とを導入し、両者を接触させると、前記反応式(I)に
従って酸化反応が進行し、硫黄を生成し、同時に、2価
の鉄イオン及び副生した硫酸を含む溶液が得られる。こ
の際、反応系内は硫黄の融点以上であれば、硫黄は吸収
塔の内壁へ付着することがほとんどなく好ましい。次い
で、2価の鉄イオン、硫黄及び副生硫酸を含む溶液は、
硫黄分離装置2に送られる。なお所望により、この工程
の前に溶融硫黄滴を合一させる工程を設けてもよい。前
記硫黄分離装置では、硫黄を溶融状態として、比重差に
より溶液中で沈降させ、該分離装置の底部から容易に回
収される。また、硫黄を溶融状態で分離を行えば、硫黄
分離装置の内部構造を簡単にすることができる。さら
に、硫黄分離装置から出てくる硫黄回収後の溶液は、電
気化学的再生装置3(例えば電解槽)の陽極室3−1に
供給される。この陽極室では、前記反応式(II)の反応が
進行する。
【0033】この電気化学的処理において用いられる装
置としては、すでに前記したように、従来慣用されてい
る型式の電解槽を使用することができる。この電解槽に
は、陽極と陰極との間に、隔膜が設けられており、また
前記電極には、黒鉛や炭素繊維などの耐酸材料が用いら
れている。前記隔膜としてはカチオン交換膜を用いるこ
とが好ましい。なお、電解槽に供給される2価の鉄イオ
ン及び副生硫酸を含む溶液は、溶液中の硫黄の濃度が大
きいと電解性能が低下するので、電解槽に送られる溶液
中の硫黄は、できるだけ除去しておく方が良い。また、
所望により、電解槽の前にフィルターを設けることもで
きる。
【0034】陽極室で再生された溶液は硫化水素の吸収
液(循環液)として硫化水素ガス吸収装置1に送られ
る。そして、硫黄分離装置2で硫黄を分離した2価の鉄
イオン及び副生硫酸を含む溶液の一部は、副生硫酸還元
装置4に供給される。この副生硫酸還元装置4には、同
時に、副生硫酸を水素還元するために、電気化学的再生
装置3の陰極室3−2で電気分解によって回収される水
素の一部、あるいは外部からの水素が導入される。この
還元装置では、前記反応式(III) の反応が進行し、副生
硫酸を水素還元して硫化水素を生成する。副生硫酸が還
元処理された回収液は、所望により、その一部が硫化水
素ガス吸収装置1に、あるいは該硫化水素ガス吸収装置
1の前又は後に戻され、残りが電気化学的再生装置3の
陰極室3−2に送られる。そして陰極室で発生した水素
ガスを分離したのち、陰極室液は硫化水素ガス吸収装置
1に、あるいは該硫化水素ガス吸収装置1の前又は後に
戻される。
【0035】一方、副生硫酸還元装置4から排出される
硫化水素と水素との混合ガスは、硫化水素ガス吸収装置
6(例えば吸収塔)に送られ、吸収液再生装置7から供
給されている硫化水素吸収液と接触して硫化水素が吸収
され、水素ガスが系外に排出される。硫化水素を含有す
る吸収液は吸収液再生装置7に送られ、加熱されて硫化
水素が脱離する。硫化水素が脱離し、再生された吸収液
は硫化水素ガス吸収装置6に戻され、循環使用される。
脱離した高純度の硫化水素ガスは、硫化水素ガス吸収装
置1に、あるいは図中に示されていないが、該硫化水素
ガス吸収装置1の前又は後に戻される。また、電気化学
的再生装置3の陰極室3−2で発生した水素ガスは、必
要に応じ、その中に混入している硫化水素を除去するた
めに、硫化水素ガス吸収装置6に供給し、上記と同様な
操作を行ってもよい。なお、図2において、5は気液分
離器である。
【0036】
【実施例】次に、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によってなんら限定される
ものではない。 実施例1 3価の鉄イオンを含む硫化水素吸収液(吸収塔導入時組
成:FeSO4 0.70モル/リットル,Fe(SO4)
1.5 0.50モル/リットル及びH2 SO4 2.5モル/リ
ットル)を用い、30リットル/時間で吸収塔を循環さ
せた。そして、硫化水素を3.7モル/時間で吸収塔に供
給して反応させた。反応温度は130℃、反応圧力は4.
5atm(4.55963×105 Pa)とした。次い
で、吸収塔から導出した吸収液を硫黄分離装置に導入
し、生成した硫黄を分離、除去した後、電解槽(電極面
積:2,000cm2 ,陽極室:炭素板/炭素繊維布,隔
膜:市販のカチオン交換膜(徳山曹達(株)製、ネオセ
プターCM−1),:陰極:白金触媒付炭素繊維布/炭
素板)の陽極室に導入した。また、陰極室には、H2
4 2.5モル/リットルを含む電解液を30リットル/
時間で循環させた。電解温度は50℃とし、電流密度1
00mA/cm2 の定電流運転を行った。この時の電解
電圧は0.93Vだった。500時間後に陽極室側の電解
液(原料液)を10リットル抜出した電解液の組成分析
の結果、H2 SO4 =2.78モル/リットルであった。
この電解液中の硫酸を水素還元するために、以下の実験
を行った。電解液の水素還元処理は、固定床流通式反応
装置(還元塔)を用いて行った。反応器は、内容積0.5
リットル、熱媒による加熱ジャケット付きの管状構造の
ものであり、白金1wt%担持活性炭触媒205gを充
填した。
【0037】水素で7.0atm(7.09275×105
Pa)まで昇圧したのち、上記電解液を0.6リットル/
hrで送入し、また水素を30リットル(NTP)/h
r送入した。所定温度で約4時間反応を継続し、還元塔
出口からガスをサンプリングして硫化水素濃度を測定
し、単位時間、単位触媒量当たりの硫化水素発生量を算
出した。還元塔出口のガス量及び組成を第1表に示す。
【0038】
【表1】
【0039】次に、還元塔出口ガスは、硫化水素の濃縮
を行うためにジエタノールアミン(DEA)吸収塔へ導
入した。吸収条件は次のとおりである。 吸収液: DEA 20wt%水溶液(0.19モル/
100g水溶液) 吸収温度: 40℃ 液負荷: 0.3 H2 Sモル/DEAモル 第1表における反応温度140℃の場合のH2 S−H2
混合ガスについて説明する。ジエタノールアミン吸収塔
(5mm径カーボンラシヒリング,充填容量0.5リット
ル)の下部からH2 S−H2 混合ガスを、上部から循環
DEA水溶液を導入し、向流方式で気液接触させた。こ
の際、DEA水溶液流量は122g/時間であった。ジ
エタノールアミン吸収塔出口の液は、ジエタノールアミ
ン再生塔(5mm径カーボンラシヒリング充填,充填容
量0.5リットル,約115℃)に導入し、H 2 Sガス
(99%)0.0695モル/時間を回収した。
【0040】比較例1 実施例1の副生硫酸の水素還元工程の出口ガス(H2
−H2 混合ガス)を硫化水素ガス吸収・酸化工程に直接
導入する場合の想定実験を行った。還元塔出口ガス(反
応温度140℃の場合)はH2 S0.0697モル/時
間,H2 1.0605モル/時間であり、硫化水素吸収塔
入口ガス(100%H2 S)は3.7モル/時間である。
したがって、還元塔出口ガスと硫化水素吸収塔入口ガス
とを混合した場合、ガス組成はH2 S濃度78モル%
で、ガス量は4.830モル/時間となる。そこで、上記
想定実験(還元塔出口ガスリサイクル)を実施した。硫
化水素ガス吸収・酸化工程の操作条件は、入口ガスの組
成及び流量を除いて実施例1と同じである。
【0041】比較例1と実施例1の入口ガスの組成,流
量を第2表に示す。
【0042】
【表2】
【0043】吸収・電解処理のバランス運転を約500
時間継続したところ、実施例1では、H2 S吸収率99.
9%<,H2 SO4 副生率が2%であるのに対し、比較
例1では、H2 S吸収率99%,H2 SO4 副生率4%
であって、H2 Sの吸収率が低下すると共に、H2 SO
4 の副生量が増大した。以上の結果から、副生硫酸還元
工程の出口ガスは硫化水素濃縮分離工程へ供給して、硫
化水素濃度を高めてから硫化水素ガス吸収・酸化工程へ
戻すのがよく、副生硫酸還元工程の出口ガスをそのまま
硫化水素ガス吸収・酸化工程へ戻すと、硫化水素濃度が
低下し、好ましくないことが明らかである。
【0044】
【発明の効果】本発明によると、鉄塩水溶液処理及び電
気化学的再生処理を組み合わせ、かつクローズドシステ
ムで硫化水素含有ガスから硫黄と水素ガスを回収する処
理方法において、硫化水素ガス吸収・酸化工程における
硫化水素の吸収効率が向上し、副生硫酸の生成量も抑制
され、その処理コストが低減すると共に、産業廃棄物の
発生がなく、クローズドシステムでの長期間連続運転が
可能で、効率よく硫黄と水素ガスを回収することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1の硫化水素の処理法の一例を示す概
略図である。
【図2】 請求項2の硫化水素の処理法の一例を示す概
略図である。
【符号の説明】
1:硫化水素ガス吸収装置 2:硫黄分離装置 3:電気化学的再生装置 3−1:陽極室 3−2:陰極室 4:副生硫酸還元装置 5:気液分離器 6:硫化水素ガス吸収装置 7:吸収液再生装置 a:硫化水素含有ガス b:処理済ガス c:硫黄 d:水素ガス e:硫化水素ガスと水素ガスとの混合ガス f:硫化水素吸収液 g:高純度の硫化水素ガス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 53/77 C02F 1/461 C10G 32/02 A 6958−4H C25B 1/00 C 1/02 15/08 302 C02F 1/46 101 Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫化水素ガス吸収・酸化工程において、
    硫化水素含有ガスを3価の鉄イオンを含む硫酸−硫酸鉄
    溶液と接触処理し硫化水素を吸収させて酸化反応を行
    い、2価の鉄イオン、硫黄及び副生硫酸を含む溶液を生
    成させ、次いで、硫化水素ガス吸収・酸化工程の出口液
    を硫黄分離工程に導入して該溶液から硫黄を分離した
    後、硫黄分離工程の出口液を電気化学的再生処理工程に
    導入して2価の鉄イオンを3価の鉄イオンへ再生すると
    共に、水素を発生させて回収するに当たり、(A)電気
    化学的再生処理工程の出口液を硫化水素ガス吸収・酸化
    工程に循環させて、硫化水素ガス吸収・酸化工程、硫黄
    分離工程及び電気化学的再生処理工程からなる主循環経
    路を構成する一方、(B)硫黄分離工程の出口液の一部
    を副生硫酸還元工程に導入し水素と接触させ、該溶液中
    に含まれる副生硫酸を還元して硫化水素を生成させ、こ
    の副生硫酸還元工程の出口液を硫黄分離工程又はその前
    で主循環経路に戻すと共に、(C)上記副生硫酸還元工
    程から排出される硫化水素と水素との混合ガスを硫化水
    素濃縮分離工程に導き、濃縮分離された硫化水素ガス
    を、硫化水素ガス吸収・酸化工程あるいはその前又は後
    に戻すことを特徴とする硫化水素の処理法。
  2. 【請求項2】 硫化水素ガス吸収・酸化工程において、
    硫化水素含有ガスを3価の鉄イオンを含む硫酸−硫酸鉄
    溶液と接触処理し硫化水素を吸収させて酸化反応を行
    い、2価の鉄イオン、硫黄及び副生硫酸を含む溶液を生
    成させ、次いで、硫化水素ガス吸収・酸化工程の出口液
    を硫黄分離工程に導入し該溶液から硫黄を分離した後、
    硫黄分離工程の出口液を電気化学的再生処理工程中の電
    気化学的再生装置の陽極室へ導入して、陽極室側で2価
    の鉄イオンを3価の鉄イオンへ再生すると共に、陰極室
    側で水素を発生させて回収するに当たり、(A’)電気
    化学的再生装置の陽極室出口液を硫化水素ガス吸収・酸
    化工程に循環させて、硫化水素ガス吸収・酸化工程、硫
    黄分離工程及び電気化学的再生装置の陽極室からなる主
    循環経路を構成する一方、(B’)硫黄分離工程の出口
    液の一部を副生硫酸還元工程に導入し水素と接触させ、
    該溶液中に含まれる副生硫酸を還元して硫化水素を生成
    させ、この副生硫酸還元工程の出口液の全部又は一部を
    電気化学的再生処理工程中の電気化学的再生装置の陰極
    室へ導入し、陰極室出口液及び該陰極室へ導入されなか
    った副生硫酸還元工程の出口液を硫化水素ガス吸収・酸
    化工程あるいはその前又は後で主循環経路に戻すと共
    に、(C’)上記副生硫酸還元工程から排出される硫化
    水素と水素との混合ガスを硫化水素濃縮分離工程に導
    き、濃縮分離された硫化水素ガスを、硫化水素ガス吸収
    ・酸化工程あるいはその前又は後に戻すことを特徴とす
    る硫化水素の処理法。
  3. 【請求項3】 硫化水素濃縮分離工程が、硫化水素と水
    素との混合ガスを硫化水素吸収液と接触させる工程及び
    硫化水素を含有する吸収液から硫化水素を脱離させると
    共に、該吸収液を再生する工程の組合せからなる請求項
    1又は2記載の硫化水素の処理法。
  4. 【請求項4】 硫化水素吸収液が有機アミン含有水溶液
    である請求項3記載の硫化水素の処理法。
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