JPH0727731A - 匂いセンサ及び匂いセンサユニット - Google Patents

匂いセンサ及び匂いセンサユニット

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JPH0727731A
JPH0727731A JP5174044A JP17404493A JPH0727731A JP H0727731 A JPH0727731 A JP H0727731A JP 5174044 A JP5174044 A JP 5174044A JP 17404493 A JP17404493 A JP 17404493A JP H0727731 A JPH0727731 A JP H0727731A
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JP
Japan
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odor sensor
odor
sensitive film
electrode
sensitive
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Application number
JP5174044A
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English (en)
Inventor
Masakazu Kato
雅一 加藤
Hiroo Miyamoto
裕生 宮本
Katsuaki Umibe
勝晶 海部
Minoru Saito
稔 斎藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 複雑な測定系なしで使用でき、かつ、感応特
性の安定性が従来より優れる匂いセンサを提供するこ
と。 【構成】 アルミナセラミックス基板11上に、金の厚膜
で構成した櫛形電極13を具える。感応剤としての例えば
ジオクチルフォスフェイト1グラム、支持ポリマとして
の塩化ビニル10グラム、可塑剤としてのジオクチルフタ
レート20グラムを溶媒としてのテトラヒドロフラン100
グラムに入れ調製した塗布液中に、電極13形成済みの基
板11を浸漬する。この基板を引き上げた後塗布液を乾燥
させ感応膜15を得る。基板を使用せず、電極を感応膜中
に埋め込むよにしても良い。感応膜13を異なる感応性を
示す複数の個別感応膜の積層体としても良い。積層型の
感応膜とする場合、その上面、下面に上部電極及び下部
電極を設けても良い。さらに各個別感応膜間に中間電極
を設ける構成としても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば防災システム
用、空気環境測定用、食品工業用、各種工程管理用、医
療用、及び、健康用として用いて好適な匂いセンサ及び
匂いセンサユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】嗅覚に代表される化学感覚は、非常に高
い識別能と感度を有しており、それを人工的に実現する
ことができれば、その応用分野は広く、産業上の有用性
は非常に高い。
【0003】例えば、防災システム分野においては、従
来、様々な物理量センサを組み合わせて火災の早期検知
を行う努力がなされている。すなわち、火災に伴って発
生するCOやNOX など無臭の無機ガスを検知するガス
センサや煙を検知する煙センサ、火炎を検知する光セン
サ、周囲温度の上昇を検知する熱センサ等の複数のセン
サを組み合わせて総合的に判断することで、誤動作のな
い、確実に火災の発生を検知できる防災システムの構築
が試みられている。一方、火災初期時、特に燻燃(まだ
くすぶっている状態)時には、多量かつ多種の匂いのあ
るガスが発生する。したがって、これらの匂い物質を検
出する匂いセンサを、煙、温度、無機ガスのセンサと共
に防災システムに組み込むことができれば、防災システ
ムの信頼性をさらに向上させることができる。
【0004】このような匂いセンサとして利用し得る従
来のセンサ若しくはそれを構築するヒントとなりそうな
方法として、例えば次の(a)〜(d)に示すセンサ若
しくは方法があった。
【0005】(a)酸化物半導体を用いた匂いセンサ
(例えば特開昭54−114296号公報)。
【0006】(b)酸化錫半導体にアルカリ土類金属を
担持させた検知部を具えた匂いセンサ(例えば、特開平
1−259250号公報)。
【0007】(c):液晶を利用したもの、:空気
を高電圧でイオン化してイオン電流の変化を見るもの、
:β−カロチン等の有機半導体を用いるもの、:犬
の嗅覚細胞の膜電位を測定するもの、:人の脳波を記
録するもの、:二分子膜と水晶振動子とを組み合わせ
たもの、:植物の葉肉細胞の膜電位を測定するもの、
:サーミスタと膜とを併用するもの(〜いずれ
も、特開平1−259250号の従来技術の項。)。
【0008】(d):二分子膜に苦み或いは匂い物質
が吸着したときのNaCl水溶液中のこの二分子膜の膜
電位或いは膜抵抗の変化を電気化学的に検出する方法、
:水晶振動子上にキャストした二分子膜に匂い物質が
吸着したときの水晶振動子の振動数の変化を検出する方
法(例えば特開昭63−222248号公報)。
【0009】上記例示の各センサや方法のうちの酸化物
半導体を用いるものは、COやNOX などの無機のガス
センサとして実績がある。ただし、上記例示の各センサ
や方法のうちの、有機物を用いているもの例えば(c)
のうちのいくつかのものや、(d)のように二分子膜を
用いたものの方が、酸化物半導体を用いたものより、匂
い物質のセンサとして期待できると考えられる。それ
は、匂い物質が主に有機物であること、及び、一般に有
機物は類似したもの同士は親和性が高く、有機物の匂い
物質に対しては有機物が適していると考えられることか
ら、有機物を用いたセンサの方が良好な感応特性が期待
できると考えられるからである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、有機物
を用いた従来のセンサや方法(例えば、上記(c)項や
(d)項のもの)は、いずれも、匂いの測定のために複
雑な測定装置が必要なためシステムを低価格で作製でき
ないという問題点や、匂いセンサにおける匂いを感知す
る感応膜の特性劣化が著しいという問題点があった。
【0011】具体例でいえば、(d)のの方法では、
塩の水溶液中にセンサを浸す必要があること、匂い物質
を含む空気を塩の水溶液中に吹き込んで匂い物質をこの
水溶液に溶解させておく必要があること、塩の水溶液が
必要なこと、さらに、対電極や参照電極が必要なことな
ど、複雑な測定系が必要である。また、(d)のの方
法では、水晶振動子の振動数の変化を測定する高価で高
精度な装置が必要である。また、嗅覚細胞、二分子膜及
び植物の葉肉細胞などは特性劣化が早い。
【0012】この出願はこのような点に鑑みなされたも
のであり、従ってこの出願の第一発明の目的は、従来よ
りセンサの構成および測定系が簡単にできる新規な匂い
センサを提供することにある。また、この出願の第二発
明の目的は有機薄膜を匂い感応膜とする各種の匂いセン
サに有用なセンサ構造を提供することにある。また、こ
の出願の第三発明の目的は各種の匂いセンサ(有機薄膜
を感応膜とするものに限らない)のセンシング能力向上
に有用なセンサユニットを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】この第一発明の目的の達
成を図るため、この出願に係る発明者は、以下の知見に
基づいてこの第一発明を完成するに至った。
【0014】文献I(Fire and Materials(ファイヤ
アンド マテリアルズ),vol.10,pp.21−
28(1986)の特に25頁のTable3.には、
木材火災の初期において多種の有機ガスが発生する点が
開示されている。詳細には、匂いの成分として、アルデ
ヒド類(例えばアセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、
アクロレインなど)やシクロペンタジエンが多く発生
し、無臭のガス成分としてメタン、エチレン、プロペン
が多く発生する点が開示されている。
【0015】一方、この出願に係る発明者がこの第一発
明の目的を達成するべく鋭意研究を続けたところ、ある
種の有機物質(これを有機の感応剤)を支持ポリマでつ
なぎ止めて構成される有機薄膜は、これに上述のような
匂い成分としての有機ガスが作用するとその電気特性が
変化することに気付いた。そして、このような電気特性
の変化は、この有機薄膜に接する電極を設けてこの電極
と簡易な測定装置とにより簡単に測定でき、しかも、こ
の電気特性の変化により匂いのセンシングができること
に気がついた。
【0016】従ってこの出願の第一発明の匂いセンサに
よれば、有機の感応剤及び支持ポリマを含み匂いに感応
して電気特性が変化する感応膜と、該感応膜の電気特性
を測定するための電極とを具えたことを特徴とする。な
お、この第一発明さらに第二発明において電気特性と
は、電気抵抗値若しくは電流値で示される電気伝導度、
または、容量値、さらに交流の場合のインピーダンスな
どであることができる(複数種の特性の場合も含
む。)。
【0017】この第一発明の実施に当たり、感応剤は特
に限定されずこの第一発明の目的に合致する種々のもの
とできる。たとえば、ジオクチルフォスフェイト、コレ
ステロール、トリオクチルアンモニウムクロライド、オ
レイルアミン及びトリオレインは、感応剤として使用で
きるものであることを、確認している。また、支持ポリ
マも特に限定されずこの発明の目的に合致する種々のも
のとできる。例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、
アクリル樹脂などは、支持ポリマとして使用できる。ポ
リ塩化ビニルは、可塑剤が混ざり易いので、特に可塑剤
を用いる場合の支持ポリマとして好適である。
【0018】さらに、この第一発明の実施に当たり、感
応膜は可塑剤を含むものとするのが好適である。可塑剤
を用いることにより可塑剤に匂い物質が溶解し感応膜の
匂いに対する感応特性が改善されるからである。なお、
可塑剤は特に限定されずこの第一発明の目的に合致する
種々のものとできる。例えばジオクチルフタレートを挙
げることができる。
【0019】また、この出願の第二発明は、第一発明の
匂いセンサをはじめ、感応膜として有機薄膜を用いた種
々の匂いセンサの具体的な構成に関してなされたもので
ある。
【0020】すなわち、この出願の第二発明は、匂いに
感応して電気特性が変化する有機薄膜で構成した感応膜
と該感応膜の電気特性を測定するための電極とを具える
匂いセンサにおいて、以下の、(a)〜(e)に示した
各構成をそれぞれ特徴とする。
【0021】(a).前記電極の第一極部及び第二極部
それぞれを共通の絶縁性基板上に並置して設け、前記感
応膜を前記第一極部及び第二極部上に両極部にわたって
設けた構成。
【0022】(b).前記電極を感応膜中に埋め込んで
あり、該感応膜の両面が測定雰囲気に接する構造とした
構成。
【0023】(c).前記電極の第一極部及び第二極部
を前記感応膜を挟む状態で対向させて設けた構成。な
お、この構成において、第一極部及び第二極部のうちの
少なくとも一方をガス透過性を有したものとするのが好
適である。こうすると、測定対象雰囲気の気体が感応膜
へ接触しやすくなる。なお、ここでガス透過性を有する
電極は、測定雰囲気の気体を透過するものであれば種々
の構成のものとできる。例えば、電極を膜で構成する場
合にその膜自体がポーラスな状態になるよう成膜すると
か、そもそも、電極自体を積極的に櫛歯型やメッシュ状
にパターニングするとか、電極に多数の細孔が形成され
るよう電極をパターニングするとかの手段を挙げること
ができる。
【0024】(d).該感応膜を異なる感応性を示す複
数(二以上の任意の数)の個別感応膜の積層体で構成し
てある構成。なお、この構成において、第一極部及び第
二極部のうちの少なくとも一方をガス透過性を有したも
のとするのが好適である。上記(c)項と同様な理由で
ある。ここで、ガス透過性を有する電極は、上記(c)
項で説明したものとできる。
【0025】(e).前記感応膜として、異なる感応性
を示す複数(二以上の任意の数)の個別感応膜を具え、
前記電極として下部電極、中間電極及び上部電極を具
え、前記複数の個別感応膜を前記中間電極を介在させた
状態で順次積層してあり、最下層の個別感応膜の下面に
前記下部電極を設けてあり、最上層の個別感応膜の上面
に前記上部電極を設けてある構成。なお、この構成にお
いて、上部電極及び下部電極のうちの少なくとも一方を
ガス透過性を有したものとするのが好適である。上記
(c)項と同様な理由である。ここで、ガス透過性を有
する電極は、上記(c)項で説明したものとできる。さ
らにこの構成において、各個別感応膜はその直下の他の
個別感応膜の一部分を露出する形状のものとするのが好
適である。
【0026】また、この出願の第三発明は、第一発明の
匂いセンサをはじめとする各種の匂いセンサ(有機薄膜
で感応膜を構成しているものいないものいずれでも良
い。)を良好に使用し得るセンサユニットを提供するべ
くなされたものである。即ち、以下の、(I)〜(IV)
に示した各構成をそれぞれ特徴とする。
【0027】(I).匂いセンサと、該匂いセンサを収
納する容器と、該容器の上端側の壁部及び下端側の壁部
にそれぞれ設けられた通気孔とを具えた構成。
【0028】(II).上記(I)の構成にさらに、前記
容器内に設けられ該容器内での測定対象雰囲気の気体の
移動を促進するために該容器内の雰囲気温度を上昇させ
るための加熱手段を具えた構成。
【0029】(III ).匂いセンサと、該匂いセンサに
対し測定対象の気体の流れの上流側に当たる位置に設け
られた網とを具えた構成。
【0030】(IV).(I)若しくは(II)に記載の匂
いセンサユニットに(III )に記載の網を設けた構成。
【0031】
【作用】この出願の第一発明の構成によれば、感応膜に
匂い物質を含む雰囲気が触れるとこの感応膜中に匂い物
質が拡散してこの感応膜の電気特性が変化する。この電
気特性の変化はこのセンサに備わる電極によって外部に
取り出せるのでこれにより匂いの検出ができる。また、
有機の感応剤を用いるのでそうでない場合に比べ有機物
から成る匂い物質に対しての感応性が高いと考えられ
る。そのため、ppmオーダの匂い濃度の検出能も可能
である。また、感応剤の選び方により匂い物質に対する
特異性を制御できる。
【0032】また、この出願の第二発明によれば、匂い
に感応して電気特性が変化する有機薄膜で構成した感応
膜とこの感応膜の電気特性を測定する電極とを具える匂
いセンサの用途や希望する特性に応じた、種々のタイプ
の匂いセンサが得られる。具体的には、上記(a)に述
べた構成では片面が匂い検出面とされるセンサが得られ
る。上記(b)に述べた構成即ち、電極を感応膜中に埋
め込み、該感応膜の両面が測定雰囲気に接するようにし
た構成では、そうしない場合に比べ、測定対象気体に接
する面積を広くできるから、感度の向上が期待できる。
上記(c)の構成では電極の第一極部及び第二極部間に
介在する感応膜の距離は感応膜の膜厚程度になるので電
極間の抵抗値は例えば上記(a)の構成より小さくでき
るから、電気特性の変化を通常のテスター程度の電子回
路で測定できる。さらに、感度の向上も図れる。上記
(d)に述べた構成即ち電極の第一極部及び第二極部で
感応膜を挟む状態で対向させて設け、感応膜を異なる感
応性を示す複数の個別感応膜の積層体とする構成では、
個別感応膜がそれより下層の個別感応膜のフィルタの役
目をするので、下層の個別感応膜が特異的に感応する匂
い物質に対する選択性が高まる。上記(e)の構成即
ち、上部、中間(複数でも良い)及び下部の各電極と各
電極間に個別の感応膜を具えた構成では、電気特性を測
る電極対を任意に然も必要に応じて複数組選んで感応膜
の電気特性変化をモニタできるので、匂いに関し多数の
情報が得られる。また、この(e)の構成において、各
個別感応膜がその直下の他の個別感応膜の一部分を露出
する形状のものである場合、各個別感応膜固有の情報も
得られる。
【0033】また、第三発明の各構成(I)〜(IV)で
は次のような作用が得られる。
【0034】先ず、(I)の構成ではセンサユニットの
容器内外間での気体の流れが促進され匂いのセンシング
が行われ易い。(II)の構成では加熱手段を設けた分
(I)の構成よりさらに容器内外間での気体の流れが促
進され匂いのセンシングが行われ易い。(III )の構成
では測定雰囲気中の匂いのセンシングに支障となるよう
なもの例えば煙粒子は網によってトラップされる。(I
V)の構成では上記(I)(II) の作用及び(III )の
作用の双方が得られる。
【0035】
【実施例】以下、図面を参照してこの出願の第一及び第
二発明の匂いセンサの実施例と第三発明の匂いセンサユ
ニットの実施例についてそれぞれ説明する。なお、説明
に用いる各図はこれらの発明を理解出来る程度に各構成
成分の寸法、形状及び配置関係を概略的に示してあるに
すぎない。また、各図において同様な構成成分について
は同一の番号を付して示し、それらの重複説明は場合に
より省略する。また、以下の実施例中で説明する材料、
成膜条件、膜厚や大きさなどを示す数値はこの発明の範
囲内の一例にすぎない。
【0036】1.第一発明及び第二発明の説明 1−1.第一発明及び第二発明の第1実施例の説明 図1は、第一発明及び第二発明の第1実施例の匂いセン
サ10を感応膜15の上方から見て示した平面図及びこ
の平面図のI−I線における断面図である。
【0037】この第1実施例の匂いセンサ10は、絶縁
性基板11と、この絶縁性基板11上に設けられ第一極
部13a及び第二極部13bで構成される電極(電極
対)13と、この電極13の上にこれら両極部13a,
13b間をわたるように設けられた感応膜15とを具え
ている。
【0038】ここで、基板11として、縦寸法が約20
mm、横寸法が約10mm、厚さが約1mmのアルミナ
セラミック板を用いている。また、電極13として、第
一極部13a及び第二極部13bで構成された櫛形電極
13を用いている。この櫛形電極13は、この場合櫛の
歯の幅が200μmで、歯と歯との間の距離が200μ
mのものとしている。この櫛形電極13は、スクリーン
印刷法を用いて形成した金の厚膜電極で構成してある。
また、感応膜15は、匂いに感応して電気特性が変化す
る有機薄膜であって感応剤及び支持ポリマを含む有機薄
膜で構成してある。この有機薄膜(感応膜)は、この実
施例では、電極13の形成が終えている絶縁性基板11
に感応膜作製用塗布液(後述する)を浸漬法により塗布
しこれを乾燥することにより形成している。感応膜作製
用塗布液として、この実施例では、後記の表1に示す6
種類の実施例の感応膜作製用塗布液をそれぞれ用い、さ
らに比較のため、1種類の比較例の感応膜作製用塗布液
(支持ポリマと溶媒のみのもの)を用いる。なお、後記
の表1中のN0.6の試料は感応剤の含有量が0のもの
であるが可塑剤として用いたジオクチルフタレートは見
方によっては感応剤と考えられるので、実施例に含ませ
て説明している。また、用いた各感応剤はいずれも東京
化成製のものであり、支持ポリマとして用いた塩化ビニ
ルはシグマ社製高分子量と称されているものである。ま
た、後記の表1中の各材料の配合比は各材料の使用料
(グラム数)をそのまま記載している。
【0039】これら各感応膜作製用塗布液を用い、6種
類の実施例の匂いセンサと1種類の比較例の匂いセンサ
とを、上記のように作製する。なお、いずれの匂いセン
サにおいても、感応膜15の厚さは、感応膜作製用塗布
液の乾燥膜厚でいって、約20μmとしている。
【0040】このように作製した第1実施例の匂いセン
サ10及び比較例の匂いセンサを以下に説明するように
それぞれ評価する。用いた測定系は次のようなものとし
た。図2(A)及び(B)はその系の説明図である。た
だし、図2(B)は後述の第2実施例の例を示してい
る。もちろんこれらの系は一例にすぎない。
【0041】評価対象の匂いセンサ(第1実施例若しく
は比較例の匂いセンサ)を入れてその評価を行うための
容器として、この場合、体積が10リットルのガラス製
チャンバ21を用いる。このガラス製チャンバ21は、
その壁の一部に匂い物質投入用の開閉自在の窓21aを
具え、かつ、内部に攪拌用ファン21bを具えたものと
している。匂いセンサ10の電極はリード線10aを介
しチャンバ21外の測定装置と接続する。この実施例で
は、感応膜15の電気特性として感応膜15の抵抗値を
モニタすることとしたので、測定装置23として絶縁抵
抗計(横河ヒューレットパッカード社製のHP−432
9A)を用いている。また、このガラス製チャンバ21
中にろ紙25を入れる。このろ紙25は各種の匂い物質
をおくために使用する。また、この場合、チャンバ21
内のろ紙25に、マイクロシリンジ27を用い、匂い物
質29を供給する。
【0042】次に、実施例の6種類の匂いセンサ10及
び比較例の匂いセンサの、4種の匂い物質に対する応答
と、実際に匂いセンサを使用するときにセンシングを妨
害する要因となる水蒸気に対する応答とを以下に説明す
る手順で調べる。4種の匂い物質として、ここでは、3
−メチル2−シクロペンテン1−オン、2−メチルエチ
ルアセテート、ベンズアルデヒド及びトリエチルアミン
をそれぞれ用いる。
【0043】匂いセンサ10に備わる電極13の第一極
部13a及び第二極部13b間に直流10Vの電圧を印
加した状態とする。チャンバ21内に匂い物質を入れる
前の各実施例の匂いセンサ10と比較例の匂いセンサそ
れぞれの感応膜の抵抗値(初期抵抗値)を、測定装置
(絶縁抵抗計)23によりそれぞれ測定する。それぞれ
の試料での初期抵抗値を後記の表2中の感応剤の欄に示
した。次に、各チャンバ21内に匂い物質29を、その
チャンバ内の濃度が所定濃度となるように供給する。匂
い物質をチャンバ内に供給したときから5分経過したと
きの感応膜の抵抗値を、比較例及び各実施例の試料それ
ぞれについて測定する。この処理を各匂い物質毎で行
う。また、水蒸気についても行う。なお、水蒸気は、こ
の場合、所定温度の温水を入れた別のチャンバ(図示せ
ず)から送風機(図示せず)によりチャンバ21に湿気
を含む空気を導入することにより、供給した。チャンバ
21内に匂い物質の濃度を10ppmとした場合におけ
る各試料での抵抗値変化と、チャンバ21内に水蒸気を
供給した場合における各試料での抵抗値変化とを、後記
の表2に示した。なお、この表2において、数値は[匂
い物質供給後2分経過時の感応膜の抵抗値]/[感応膜
の初期抵抗値]で与えられる抵抗値変化率を示し、この
数値欄にマイナス記号が書かれたものは感応膜の抵抗値
が匂い物質供給により減少したことを示し、単に数値の
みの場合は感応膜の抵抗値が匂い物質供給により増加し
たことを示し、Nの文字は抵抗値の変化が認められなか
ったことを示す(後記の表3、表4において同じ。)。
【0044】後記の表2から、支持ポリマのみの比較例
の試料(No.7)は、水蒸気及び各匂い物質に対し応
答しないことが分かる。一方、実施例の6種類の試料
は、匂い物質の種類によって、異なる応答を示すことが
分かる。このことから、第一発明の匂いセンサが匂い物
質に対して充分特異的に応答するものであることが理解
できる。また、水蒸気の影響はNo.4の試料(感応剤
としてオレイルアミンを用いたもの)を除いては認めら
れないことが分かる。これらのことから、実施例の匂い
センサを単独で或いは2以上用いることにより、目的と
する匂いを、容易に然も特別な測定装置を用いることな
く検出できることが理解できる。
【0045】なお、この第1実施例において基板上に形
成する電極13の形状は櫛形電極に限られず設計に応じ
た任意なものとできる。
【0046】1−2.第一発明及び第二発明の第2実施
例の説明 上述の第1実施例では、感応膜15の一方の面が絶縁性
基板11に接しているため、測定雰囲気と接し得る面は
感応膜15の片方の面に限られてしまう。匂いセンサに
おいて感応膜15の匂い検出に使用できる表面積を拡大
させることができれば種々の利点(例えば、感度や応答
速度の向上)が得られる。この第2実施例は匂い検出に
使用できる表面積を拡大させる場合に好適な例である。
図3(A)はその説明に供する図であり、第一発明及び
第二発明の第2実施例の匂いセンサ30を示した平面図
及びこの平面図のI−I線における断面図である。
【0047】この第2実施例の匂いセンサ30は、第一
極部31a及び第二極部31bで構成された電極(電極
対)31を、感応膜15中に埋め込んであり、感応膜1
5の両面が測定雰囲気に接することができる構成となっ
ている。さらに、この場合は、匂いセンサ30の機械的
強度を確保するために、電極31の第一極部31a及び
第二極部31bの適当な位置同士を絶縁性の支持体33
によって支持してある。電極31として、第一極部31
a及び第二極部31bで構成された櫛形電極31を用い
ている。この櫛形電極31は、この場合櫛の歯の幅が4
00μmで、歯と歯との間の距離が400μmのものと
している。また、支持体33はこの場合ポリスチレンな
どの高分子材料で構成している。また、感応膜15は上
記第1実施例で用いた各種の感応膜作製用塗布液(後記
の表1参照)を用い形成したものとしている。
【0048】この第2実施例の匂いセンサ30はこの場
合以下に説明する手順で作製した。図4〜図6はその説
明に供する工程図である。
【0049】先ず、縦寸法が約30mm、横寸法が約1
0mm、厚さが約0.1mmのステンレスの薄板にフォ
トリソグラフィ法により所定のレジストパタンを形成し
(図示せず)、その後、このステンレス板を塩化鉄系の
エッチング液により選択的にエッチングする。これによ
り、図4に示したような、将来は櫛形電極31となる部
分を有した電極形成用板31xを得る。この図では電極
31を2個取ることができる電極形成用板31xの例を
示している。この電極形成用板31xの一部(将来櫛形
電極31となる部分以外の部分)は後に例えばプレス機
械により除去される。図5に、この電極形成用板31x
における、将来は櫛形電極となる部分31yと、将来は
プレス機械により除去される部分(将来不要となる部
分)31zとを示した。
【0050】この電極形成用板31xを感応膜作製用塗
布液中に所定位置まで浸漬し、次にその液から引き上
げ、その後、この試料を乾燥させる。これにより図6に
示したように、電極形成用板31xに感応膜15が、将
来櫛形電極31となる部分の要部を覆った状態で形成さ
れる。なお、支持体33の形成は、電極形成用板31x
を感応膜作製用塗布液に浸漬する前でも後でもプレス機
械による加工前であればいつ行っても良い。
【0051】感応膜の形成が済んだ電極形成用板31x
における不要部分をプレス機械(図示せず)によって除
去する。これにより、図3を参照して既に説明した第2
実施例の匂いセンサ30が得られる。
【0052】上記作製手順に従い、第1実施例で説明し
た6種類の実施例の感応膜作製用塗布液(後記の表1参
照)を用いて6種類の第2実施例の匂いセンサを作製す
る。なお、この際の感応膜15の厚さはいずれも、感応
膜作製用塗布液の乾燥膜厚でいって、約20μmとして
いる。
【0053】一方、この第2実施例の比較例として、上
記第1実施例の匂いセンサ10(感応膜15の片面のみ
が測定雰囲気に接し得るセンサ)であって電極13の形
状及び寸法をこの第2実施例のものに一致させた匂いセ
ンサを第1実施例で説明した手順で作製する。以下、こ
の比較例の匂いセンサを、「第2実施例の比較例(第1
実施例相当)の匂いセンサ10x」と称する。この場合
も、6種類の実施例の感応膜作製用塗布液(表1参照)
を用いて6種類の第2実施例の比較例(第1実施例相
当)の匂いセンサを作製する。図3(B)は第2実施例
の比較例(第1実施例相当)の匂いセンサ10xの平面
図及び断面図である。
【0054】次に、第2実施例の匂いセンサ30及び第
2実施例の比較例(第1実施例相当)の匂いセンサ10
xそれぞれの、各種の匂い物質に対する応答と水蒸気に
対する応答とを、第1実施例において説明した手順と同
様な手順により調べる。この結果を第2実施例の各匂い
センサ20については後記の表3に、また、比較例(第
1実施例相当)の各匂いセンサ10xについては後記の
表4に、それぞれ表2と同様な表記方法で示した。
【0055】表3及び表4から、この第2実施例の匂い
センサも各種の匂い物質に対する特異性は第1実施例の
匂いセンサと同様なものとなることがわかる(N文字の
配置から見て明らか。)。ただし、第2実施例の匂いセ
ンサの方が、第2実施例の比較例(第1実施例相当)の
匂いセンサに比べ抵抗値変化率が概して大きいことが分
かる。このことから、第2実施例のものの方が第1実施
例のものより感度が高いといえる。 次に、この第2実
施例の匂いセンサ30と第2実施例の比較例(第1実施
例相当)の匂いセンサ10x各々の、匂い物質に対する
応答速度の比較を行うため、ここでは、第2実施例及び
比較例(第1実施例相当)の各匂いセンサのうちの、感
応剤としてトリオクチルアンモニウムクロライドを用い
たもの、感応剤としてオレイルアミンを用いたもの及び
感応剤としてベンズアルデヒドを用いたものそれぞれ
の、ベンズアルデヒドに対する応答速度を以下のように
調べる。
【0056】各匂いセンサの、ベンズアルデヒドを供給
する前の感応膜の抵抗値を0とする。そして、図2のチ
ャンバ21にベンズアルデヒドをその濃度が10ppm
となるように供給する。ベンズアルデヒドを供給した後
で感応膜の抵抗値がほぼ一定になるとき(ここでは匂い
物質供給後10分経過時とした)の抵抗変化量を100
とし、ベンズアルデヒドを供給した後1分経過時、5分
経過時それぞれの感応膜の抵抗変化量を規格化する。こ
の結果を後記の表5に示した。表5から、第2実施例の
匂いセンサの方が第2実施例の比較例(第1実施例相
当)の匂いセンサに比べ抵抗変化量が100に近づくの
が早い(2倍から1.5倍早い)ことが分かる。このこ
とから、第2実施例の匂いセンサの方が第2実施例の比
較例(第1実施例相当)の匂いセンサに比べ応答速度が
早いことが分かる。これは、第2実施例のセンサは感応
膜の両面が匂い検出面となっているためと考える。
【0057】また上記応答速度の実験を行った後にチャ
ンバ21内に新鮮な空気を送り込むことを行う。そして
その際の各匂いセンサの感応膜の抵抗変化量をモニタす
ることにより匂いセンサの感応膜から匂い物質が脱離す
るときの応答速度を測定する。この際、新鮮な空気をチ
ャンバに送り込むときの感応膜の抵抗値を100とし、
抵抗値がもとに戻りほぼ一定になったとき(この場合空
気をチャンバに送り込んだときから20分経過時とし
た)の値を0とし、空気をチャンバに送り込んだときか
ら5分後、10分後それぞれの抵抗変化量を規格化す
る。この結果を後記の表6に示した。表6から、第2実
施例の匂いセンサの方が第2実施例の比較例(第1実施
例相当)の匂いセンサに比べ抵抗値が0に戻るのが早い
(2倍から1.5倍早い)ことが分かる。このことか
ら、第2実施例の匂いセンサの方が第2実施例の比較例
(第1実施例相当)の匂いセンサに比べ感応膜の再生速
度が早いことが分かる。
【0058】また、櫛形電極31の代わりに図7(A)
に示したような螺旋形の第一極部35a及び第二極部3
5bで構成した螺旋形電極(電極対)35を感応膜15
中に埋め込んで第2実施例の別の態様の匂いセンサを作
製しその特性を測定した。この場合も、感応膜両面が匂
い検出面として利用できるセンサであって、応答速度及
び再生速度が良好な匂いセンサが得られることが分かっ
た。なお、図7(A)において、37は接続端子であ
る。この螺旋形電極35を用いた匂いセンサについて
も、第一極部35aと第二極部35bとが最初は一体と
なっている電極板35x(図7(B)参照)を感応膜作
製用塗布液に浸漬しこれを引き上げた後乾燥し、その
後、電極板35xの中央部分(打ち抜き領域P)をプレ
ス機械で打ち抜くことで第一極部35a及び第二極部3
5bを形成するのが良い。
【0059】なお、この第2実施例において感応膜中に
埋め込む電極の形状は櫛形や螺旋形に限られず任意の形
状のものとできる。また、感応膜は異なる感応性を示す
複数の個別感応膜の順次積層体したものとしても良い
(第2実施例に後述の第4実施例の思想を適用した例と
しても良い。)。
【0060】1−3.第一発明及び第二発明の第3実施
例の説明 次に、第3実施例として、感応膜の電気特性を測定する
ための電極の第一極部及び第二極部13を感応膜を挟む
状態で対向させて設けた例を説明する。図8はその説明
に供する図である。第3実施例の匂いセンサ40を感応
膜15の上方から見て示した平面図及びこの平面図のI
−I線における断面図である。
【0061】この第3実施例の匂いセンサ40は、絶縁
性の基板11上に電極41の第一極部41aとして金の
厚膜によるベタ電極を具え、この第一極部41a上にこ
れを覆うように感応膜15を具え、この感応膜15上に
電極41の第二極部41bとしてアルミニウムの蒸着膜
からなる櫛歯状の電極を具えている。第二極部41bを
櫛歯状とすることで感応膜15の所々が測定雰囲気に触
れるようにできるので、匂い物質の感応膜への接触を確
保できる。基板11として、この場合、縦寸法が約40
mm、横寸法が約20mm、厚さが約1mmのアルミナ
セラミック板を用いている。第一極部41aはスクリー
ン印刷法を用いて形成したものとしている。感応膜15
は第1実施例で説明したと同様な塗布法により形成した
ものとしている。ただし、感応膜作製塗布液は、感応剤
としてトリオレイン(東京化成製)を1グラム、支持ポ
リマとして塩化ビニル樹脂(シグマ社製)を10グラ
ム、可塑剤としてジオクチルフタレート(東京化成製)
を20グラム及び、溶媒としてテトラヒドロフラン(東
京化成製)100グラムで構成したものを用いる。感応
膜15の厚さは、乾燥後の膜厚でいって20μmとして
いる。また、櫛歯状の電極とした第二極部41bは、蒸
着時に櫛歯状の開口を有するステンレス製の蒸着マスク
を用いた真空蒸着法により形成したものであって、櫛歯
の幅が500μmで、歯と歯との間の距離が500μm
のものとしている。
【0062】一方、この第3実施例の比較例として、図
1を用いて説明した第1実施例の匂いセンサ10(基板
11上に第一極部13a及び第二極部13bを並置して
あるもの)を上記第1実施例の手順により作製する。た
だし、感応膜作製用塗布液はこの第3実施例で用いた組
成のもの、すなわち、感応剤としてトリオレイン(東京
化成製)を1グラム、支持ポリマとして塩化ビニル樹脂
(シグマ社製)を10グラム、可塑剤としてジオクチル
フタレート(東京化成製)を20グラム及び、溶媒とし
てテトラヒドロフラン(東京化成製)100グラムで構
成したものを用いる。この比較例の匂いセンサを、以
下、「第3実施例の比較例(第1実施例相当)の匂いセ
ンサ」という。
【0063】次に、この第3実施例の匂いセンサ40と
第3実施例の比較例(第1実施例相当)の匂いセンサと
を以下のように評価する。
【0064】先ず、図2のチャンバ21内を活性炭でろ
過した新鮮な空気で満たした場合の第3実施例の匂いセ
ンサ40及び第3実施例の比較例(第1実施例相当)の
匂いセンサそれぞれでの感応膜の抵抗値を測定する。第
3実施例の比較例(第1実施例相当)の匂いセンサの上
記抵抗値は4×108 Ωであった。これに対し第3実施
例の匂いセンサの上記抵抗値は1×106 Ωであり、テ
スターの直流抵抗測定モードで充分に測定可能であっ
た。第3実施例の匂いセンサ40では、電極41の第一
極部41aと第二極部41bとが、感応膜15の厚さ分
(この例では20μm程度)で対向するので、感応膜の
抵抗値が低減される。
【0065】次に、図2のチャンバ21内を匂い物質と
してのベンズアルデヒドの10ppmの濃度雰囲気とし
た場合の両匂いセンサの感応膜の抵抗値をそれぞれ測定
する。この抵抗値を、チャンバ内が新鮮な空気であった
ときの抵抗値を1としたときの変化率に換算して表す
と、第3実施例の匂いセンサの場合は0.2という抵抗
変化率になり、第3実施例の比較例(第1実施例相当)
の匂いセンサの場合は0.5という抵抗変化率になり、
実施例の方が2.5倍高感度であることが分かった。
【0066】1−4.第一発明及び第二発明の第4実施
例の説明 次に、第4実施例として、感応膜を異なる感応性を示す
複数の個別感応膜の積層体で構成した例を説明する。図
9はその一つの態様の説明に供する図である。第4実施
例の第一の態様の匂いセンサ50aを感応膜15x上方
から見て示した平面図及びこの平面図のI−I線におけ
る断面図である。
【0067】この第4実施例の第一の態様の匂いセンサ
50aは、絶縁性の基板11上に第3実施例同様電極4
1の第一極部41aとして金の厚膜によるベタ電極を具
え、この第一極部41a上にこれを覆うように第一の個
別感応膜15a及び第二の個別感応膜15bの積層体1
5xを具え、この感応膜15x上に第3実施例同様電極
41の第二極部41bとしてアルミニウムの蒸着膜から
なる櫛歯状の電極を具えている。第二極部41bを櫛歯
状とすることで感応膜15xの所々が測定雰囲気に触れ
るようにできるので、匂い物質の感応膜への接触を確保
できる。基板11として、この場合、縦寸法が約40m
m、横寸法が約20mm、厚さが約1mmのアルミナセ
ラミック板を用いている。第一極部41aはスクリーン
印刷法を用いて形成したものとしている。感応膜15x
は第1実施例で説明したと同様な塗布法を2回繰り返す
ことにより第一及び第二の個別感応膜15a,15bを
順次に積層することで形成したものとしている。ただ
し、第一の個別感応膜作製塗布液は、感応剤としてトリ
オレイン(東京化成製)を1グラム、支持ポリマとして
塩化ビニル樹脂(シグマ社製)を10グラム、可塑剤と
してジオクチルフタレート(東京化成製)を20グラム
及び、溶媒としてテトラヒドロフラン(東京化成製)1
50グラムで構成したものを用いる。また、第二の個別
感応膜作製塗布液は、感応剤としてトリオクチルアンモ
ニウムクロライド(東京化成製)を1グラム、支持ポリ
マとして塩化ビニル樹脂(シグマ社製)を10グラム、
可塑剤としてジオクチルフタレート(東京化成製)を2
0グラム及び、溶媒としてテトラヒドロフラン(東京化
成製)150グラムで構成したものを用いる。第一及び
第二の個別感応膜15a,15bの厚さは、乾燥後の膜
厚でいっていずれも15μmとしている。また、第二極
部41bは、第3実施例同様、蒸着時にステンレス製の
櫛歯状の蒸着マスクを用いた真空蒸着法により形成した
ものであって、櫛歯の幅が500μmで、歯と歯との間
の距離が500μmのものとしている。
【0068】また、この第4実施例の第二の態様とし
て、以下に説明する構造の匂いセンサ50bを作製す
る。図10はその説明に供する図である。第4実施例の
第二の態様の匂いセンサ50bを感応膜15x上方から
見て示した平面図及びこの平面図のI−I線における断
面図である。
【0069】この第4実施例の第二の態様の匂いセンサ
50bは、絶縁性基板11上に図1を用い説明した第1
実施例同様に電極13として、第一極部13a及び第二
極部13bで構成された櫛形電極13を具え、この電極
15上にこれを覆うように第一の個別感応膜15a及び
第二の個別感応膜15bの積層体15xを具えている。
基板11として、この場合、縦寸法が約20mm、横寸
法が約10mm、厚さが約1mmのアルミナセラミック
板を用いている。電極13は第1実施例と同様スクリー
ン印刷法により形成した金の厚膜電極で構成している。
この電極13の櫛歯の幅は200μm、歯と歯との間の
距離は200μmとしている。また、第一及び第二の個
別感応膜15a,15bは上記第一の態様と同様のもの
としている。
【0070】一方、この第4実施例の比較例として、感
応膜を第4実施例でいう第一及び第二の個別感応膜15
a,15bのいずれか一方で構成した以下の2種類の匂
いセンサを作製する。すなわち、第4実施例の比較例の
第一態様として、第1実施例の匂いセンサ(図1参照)
であって、感応膜15を、感応剤としてトリオレイン
(東京化成製)を1グラム、支持ポリマとして塩化ビニ
ル樹脂(シグマ社製)を10グラム、可塑剤としてジオ
クチルフタレート(東京化成製)を20グラム及び、溶
媒としてテトラヒドロフラン(東京化成製)100グラ
ムで構成した感応膜作製用塗布液を用いた塗布法で形成
したもの。第4実施例の比較例の第二態様として、第1
実施例の匂いセンサ(図1参照)であって、感応膜15
を、感応剤としてトリオクチルアンモニウム(東京化成
製)を1グラム、支持ポリマとして塩化ビニル樹脂(シ
グマ社製)を10グラム、可塑剤としてジオクチルフタ
レート(東京化成製)を20グラム及び、溶媒としてテ
トラヒドロフラン(東京化成製)100グラムで構成し
た感応膜作製用塗布液を用いた塗布法で形成したもの。
いずれの比較例の場合も感応膜15の膜厚は、乾燥後の
膜厚でいって、20μmとしている。
【0071】次に、第4実施例の第一及び第二の態様の
2種類の匂いセンサと、第4実施例の比較例の第一及び
第二の態様の2種類の匂いセンサ、合計4種類の匂いセ
ンサの、3−メチルシクロペンテン−1−オン及びベン
ズアルデヒドの各匂い物質に対する応答特性を、第1実
施例の手順に従いそれぞれ測定する。すなわち、図2の
チャンバ21内を活性炭でろ過した新鮮な空気雰囲気と
した場合、匂い物質の10ppmの濃度雰囲気とした場
合それぞれでの、匂いセンサの感応膜の抵抗値を測定す
る。そして、チャンバ内が新鮮な空気であったときの抵
抗値を1と基準にとったときの匂い物質の濃度が10p
pmの場合の抵抗値の変化率を、求める。この結果を表
7に示した。また、この表7には、第4実施例及びその
比較例の各匂いセンサの、ベンズアルデヒドに対する3
−メチルシクロペンテン−1−オンの選択性を各匂い物
質に対する抵抗変化率同士の比によって示してある。
【0072】この表7から明らかなように、匂い物質3
−メチルシクロペンテン−1−オンについてみると、実
施例の方が比較例に比べ抵抗変換率がいずれも小さくな
っていることから、実施例の匂いセンサの方が比較例に
比べ高感度であることが分かる。また、ベンズアルデヒ
ドに対する3−メチルシクロペンテン−1−オンの選択
性についてみると、実施例では8倍、4.5倍という選
択性があることが分かる。これに対し比較例は1倍であ
り選択性がないことが分かる。このことから、個別感応
膜を選択することにより、匂いセンサの匂い物質選択性
を向上できることが分かる。
【0073】なお、この第4実施例において個別感応膜
の積層数や、積層する個別感応膜間をどういう感応性の
ものとするかについては、匂いセンサの設計に応じ任意
にできる。
【0074】1−5.第一発明及び第二発明の第5実施
例の説明 次に、第5実施例として、感応膜を異なる感応性を示す
複数の個別感応膜で構成し、該感応膜の電気特性を測定
する電極として下部電極、中間電極及び上部電極を具
え、しかも、前記複数の個別感応膜を前記中間電極を介
在させた状態で順次積層してあり、最下層の個別感応膜
の下面に前記下部電極を設けてあり、最上層の個別感応
膜の上面に前記上部電極を設けた匂いセンサの例を説明
する。図11及び図12はその一つの態様の説明に供す
る図である。特に図11は第5実施例の第一の態様の匂
いセンサ60aをその上方から見て示した平面図及びこ
の平面図のI−I線における断面図、図12はこの匂い
センサに設けた各電極の平面形状の一例の説明図であ
る。
【0075】この第5実施例の第一の態様の匂いセンサ
60aは、絶縁性の基板11上に、感応膜の電気特性を
測定する電極61の一部としての下部電極61aである
金の厚膜によるベタ電極を具え、この下部電極61a上
にこれを覆うように第一の個別感応膜15aを具え、こ
の第一の個別感応膜15a上に電極61の一部としての
中間電極61bであるアルミニウムの蒸着膜からなる櫛
歯状の電極を具え、この中間電極61b上にこれを覆う
ように第二の個別感応膜15bを具え、この第二の個別
感応膜15b上に電極61の一部としての上部電極61
cであるアルミニウムの蒸着膜からなる櫛歯状の電極を
具える。上部電極61c及び中間電極61bそれぞれを
櫛歯状とすることで感応膜15xの所々が測定雰囲気に
触れるようにできるので、匂い物質の感応膜への接触を
確保できる。この実施例の場合の上部、中間及び下部の
各電極61c,61b,61aの平面形状を、図12
(A)〜(C)にそれぞれ示した。ここで、基板11と
して、この場合、縦寸法が約40mm、横寸法が約20
mm、厚さが約1mmのアルミナセラミック板を用いて
いる。下部電極61aはスクリーン印刷法を用いて形成
したものとしている。第一の感応膜15aは、感応剤と
してオレイルアミン(東京化成製)を1グラム、支持ポ
リマとして塩化ビニル樹脂(シグマ社製)を10グラ
ム、可塑剤としてジオクチルフタレート(東京化成製)
を20グラム及び、溶媒としてテトラヒドロフラン(東
京化成製)150グラムで構成した感応膜作製用塗布液
を用いた塗布法により形成している。中間電極61b
は、蒸着時にステンレス製の櫛歯状の蒸着マスクを用い
た真空蒸着法により形成したものであって、櫛歯の幅が
500μmで、歯と歯との間の距離が500μmのもの
としている。第二の個別感応膜15bは、感応剤として
トリオクチルアンモニウムクロライド(東京化成製)を
1グラム、支持ポリマとして塩化ビニル樹脂(シグマ社
製)を10グラム、可塑剤としてジオクチルフタレート
(東京化成製)を20グラム及び、溶媒としてテトラヒ
ドロフラン(東京化成製)150グラムで構成した感応
膜作製用塗布液を用いた塗布法により形成している。上
部電極61cは中間電極61bと同様な手順で形成し
た。この第4実施例の第一の態様の匂いセンサ60a
は、図11に示したように、−の端子、−の端
子、−の端子の3つの端子対を用いることで3種類
の信号が得られる。
【0076】また、この第5実施例の第二の態様とし
て、以下に説明する構造の匂いセンサ60bを作製す
る。図13及び図14はその説明に供する図である。特
に図13は第5実施例の第二の態様の匂いセンサ60b
をその上方から見て示した平面図及びこの平面図のI−
I線における断面図、図12はこの匂いセンサに設けた
各電極の平面形状の一例の説明図である。
【0077】この第4実施例の第二の態様の匂いセンサ
60bは、第一〜第三の個別の感応膜15a〜15cの
3つの個別の感応膜を用いた例であって、然も、各個別
感応膜はその直下の他の個別感応膜の一部分を露出する
形状のものとしてある。この例では第一〜第三の個別感
応膜15a〜15cにおいて上層のものほどその平面積
を小さくすることにより下層を露出する構成としてい
る。また、感応膜として第一の感応膜15aのみがある
領域Iでは、電極は下部電極61aと第1上部電極61
caとで構成してあり、感応膜として第一及び第二の感
応膜15a,15bがある領域IIでは、電極は下部電極
61aと第1中間電極61baと第2上部電極61cb
とで構成してあり、感応膜として第一、第二及び第三の
感応膜15a,15b,15cがある領域III では、電
極は下部電極61aと第2中間電極61bbと第3中間
電極61bcと第3上部電極61ccとで構成してあ
る。各下部電極61a、各中間電極61ba〜61b
c、及び各上部電極61ca〜61ccの平面形状の例
を図14(A)〜(D)に示した。この第5実施例の第
二の態様の匂いセンサ60bの作製は上記第一の態様の
匂いセンサ60aの作製手順に準じた手順で行えるので
その説明は省略する。
【0078】この第5実施例の第二態様の匂いセンサ6
0bでは、図13に示すように、−の端子、−
の端子、−の端子、−の端子、−の端子、
−の端子、−の端子、−の端子、−の
端子の合計9つの端子対を用いることで9種類の信号が
得られる。−の端子、−の端子、−の端子
の3つの端子対それぞれでは第一〜第三の個別の感応膜
単独の信号が得られ、また、−の端子、−の端
子の2つの端子対それぞれでは異なる感応膜が上に乗っ
た状態の単層の感応膜の信号が得られ、また、−の
端子対では異なる2種の感応膜が上に乗った状態の単層
の感応膜の信号が得られ、また、−の端子、−
の端子、−の端子の3つの端子対それぞれでは、2
種類の個別感応膜を積層した状態の感応膜の信号が得ら
れ、また、−の端子対では3種類の個別感応膜を積
層した状態の感応膜の信号が得られる。
【0079】これら第5実施例の匂いセンサでは、個別
の感応膜を種々に組み合わせることにより多数の情報が
得られる。これら多数の情報を例えばニューロネットや
ファジーで情報処理することにより、より生物に近い匂
い情報処理が可能になる。
【0080】2.第三発明の説明 上述においては、第一及び第二発明の各実施例について
それぞれ説明した。上記第一及び第二発明の匂いセンサ
をはじめこれら第一及び第二発明にかかわりのない従来
の匂いセンサを匂い測定に使用する場合、匂い検出を効
果的に行うことができるセンサユニットが望まれる。こ
の第三発明はそのような匂いセンサユニットに関するも
のである。以下いくつかの実施例により説明する。
【0081】2−1.第三発明の第1実施例の説明 この第1実施例は匂い物質を含む気体が匂いセンサに良
好に接触することを図ったものである。図15(A)は
その一態様の説明に供する図であり、第1実施例の第一
の態様の匂いセンサユニット70をそれが有する容器7
3内部を透視した状態で示した図である。
【0082】この第三発明の第1実施例の匂いセンサユ
ニット70は、匂いセンサ71と、該匂いセンサ71を
収納する容器73と、該容器73の上端側の壁部に設け
られた上部通気孔75a及び容器73の下端側の壁部に
設けられた下部通気孔75bとを具える。なお、図15
(A)において、79aは煙検出用のフォトダイオー
ド、79bは煙検出用光源(例えば発光ダイオード)で
ある。
【0083】匂いセンサ71は、特に限定されないが、
匂いに感応して電気特性が変化する有機薄膜で感応膜を
構成してある匂いセンサが、匂い選択性に優れること、
測定系を簡易にし易いことから、好適である。例えば、
第一及び第二発明の実施例で説明した各匂いセンサは好
適である。この実施例では、第一及び第二発明の第1実
施例の匂いセンサ(図1参照)であって、感応剤として
オレイルアミン(東京化成製)1グラム、支持ポリマと
して塩化ビニル樹脂(シグマ社製)10グラム、可塑剤
としてジオクチルフタレート(東京化成製)20グラ
ム、及び溶媒としてテトラヒドロフラン(東京化成製)
100グラムで構成した塗布液を用い形成した感応膜を
具える匂いセンサを用いている。また、容器73の材
質、形状等は特に限定されず匂いセンサユニットの設計
に応じた任意のものとできる。この実施例の容器73
は、直径80mm、高さ140mmの鉄製の円筒容器で
構成している。上部通気孔75a及び下部通気孔75b
の個数、大きさ及びその形状は匂いセンサユニットの設
計に応じ任意にできる。この場合は、上部通気孔75
a,下部通気孔75b共に、直径8mmの穴としてい
る。また上部通気孔75a,下部通気孔75b共にこの
場合6個づつ、容器73の上端部、下端部それぞれのの
円周に沿って設けている。
【0084】また、この第2実施例の第二の態様とし
て、上記第一の態様の匂いセンサユニットの構成にさら
に、容器73内での測定対象雰囲気の気体の移動を促進
するために該容器73内の雰囲気温度を上昇させるため
の加熱手段77を具える匂いセンサユニット70b(図
15(B)参照)を作製する。加熱手段77は特に限定
されず公知の種々のヒータで構成できる。またこの加熱
手段77は温度制御機構を含むものであっても良い。こ
れら第一及び第二の態様の各匂いセンサユニット70
a,70bにおいて、下部通気孔75bは測定対象気体
の導入穴として、上部通気孔75aは測定対象気体の出
口としてそれぞれ機能する。
【0085】一方、比較例の匂いセンサユニットとし
て、図17に示したように、第1実施例の匂いセンサユ
ニット70a,70bから上部通気孔75a及び加熱手
段77を除いた(第一態様のセンサユニットでは上部通
気孔75aを除いた)構成の匂いセンサユニットを作製
する。
【0086】これら3種の匂いセンサユニットを、図2
を用いて説明した測定系に準じた図16に示した測定系
を用い第一及び第二発明の第1実施例において説明した
評価方法に従い以下に説明するように評価する。ただ
し、匂い物質はこの場合ベンズアルデヒドを用いる。ま
た、評価用チャンバ21はセンサユニットを収納する関
係から容積が80リットルのものに取り替えている。ま
た、実施例の第二態様の匂いセンサユニット(加熱手段
77を有するもの)を用いた評価の際には、容器73内
の温度が外部の温度より5度高くなるように、加熱手段
77で容器73内を加熱する。図16に示したようにチ
ャンバ21内に評価対象のセンサユニットを入れ、この
チャンバ21内が活性炭でろ過した新鮮空気であったと
きからベンズアルデヒドを10ppmの濃度でチャンバ
21に導入し匂いセンサ71の抵抗値が安定するまでの
抵抗値を、上記3種類の匂いセンサユニットそれぞれで
モニタする。この結果を図18に縦軸に感度及び横軸に
時間を取って示した。なお、ここで、縦軸の感度とは、
チャンバ内を10ppm濃度のベンズアルデヒド雰囲気
とした後の抵抗値をチャンバ内が新鮮空気であったとき
の匂いセンサの抵抗値で割った値(いままでの実施例同
様の抵抗値変化率)である。この図18から、この実施
例の第一態様の匂いセンサユニット70aではチャンバ
内を10ppm濃度のベンズアルデヒド雰囲気としたと
きから抵抗値が安定するまでに要する時間は2.5分程
度であることが分かり、実施例の第二態様の匂いセンサ
ユニット70b(上部、下部通気孔及び加熱手段を有す
るもの)では1.5分程度であり、比較例では5分以上
であることが分かる。したがって、実施例の匂いセンサ
ユニットは比較例に比べ4倍から2倍匂いに対する応答
速度が早いものであることが分かる。
【0087】2−2.第三発明の第2実施例の説明 匂いセンサの実際の使用に当たっては測定対象の気体に
匂いセンサに対し好ましくないものが含まれている場合
が多い。例えば、火災時の燻燃状態(まだくすぶってい
る状態)の匂いを検出する場合にはその測定対象の雰囲
気に煙粒子が含まれている。この煙粒子は匂いセンサの
応答特性を損ねる原因になる。したがって、測定対象の
気体に匂いセンサに対し好ましくないものが含まれてい
る場合にこれを簡易に除去できることが望まれる。この
第三発明の第2実施例はその例である。図19〜図21
はその説明に供する図である。特に、図19は第三発明
の第2この実施例の匂いセンサユニット80の説明に供
する図、図20(A)は匂いセンサユニットの評価法の
説明に供する図、図20(B)は比較例の匂いセンサユ
ニット90の説明に供する図、図21は実施例及び比較
例の評価結果を示した特性図である。なお、図19及び
図20(B)ではそれら匂いセンサユニットに備わる容
器83内部を透視した状態を示している。
【0088】この第三発明の第2実施例の匂いセンサユ
ニット80は、匂いセンサ81と、この匂いセンサ81
を収納する容器ケース83と、このケース83の、匂い
センサ81に対し測定対象の気体の流れの上流側に当た
る位置に設けられた網85とを具える。
【0089】匂いセンサ81は、特に限定されないが、
匂いに感応して電気特性が変化する有機薄膜で感応膜を
構成してある匂いセンサが匂い選択性に優れること、測
定系を簡易にし易いことから、好適である。例えば、第
一及び第二発明の実施例で説明した各匂いセンサは好適
である。この実施例では、第一及び第二発明の第1実施
例の匂いセンサ(図1参照)であって、感応剤としてオ
レイルアミン(東京化成製)1グラム、支持ポリマとし
て塩化ビニル樹脂(シグマ社製)10グラム、可塑剤と
してジオクチルフタレート(東京化成製)20グラム、
及び溶媒としてテトラヒドロフラン(東京化成製)10
0グラムで構成した塗布液を用い形成した感応膜を具え
る匂いセンサを用いている。また、容器83の材質、形
状などは特に限定されず匂いセンサユニットの設計に応
じた任意のものとできる。この実施例の容器83は、上
端及び下端が開口されている円筒容器で構成している。
網85の材質、その目の形状、目の密度などは匂いセン
サユニットの設計に応じ任意のものとできる。この実施
例では、スクリーン印刷用のステンレス金網(メッシュ
工業製で孔径20μmかつ500メッシュのもの)を網
85として用いている。網85の使用枚数も匂いセンサ
ユニットの設計に応じ任意とできるが、この実施例で
は、上記ステンレス製金網を1枚用いた場合と2枚用い
た場合の2種類の匂いセンサユニットを作製する。2枚
の網を用いる構成では両網を5cm離して設けている。
【0090】一方、図20(B)に示したように、実施
例の匂いセンサユニット80の構成から網85を除いた
構成の比較例の匂いセンサユニット90を作製する。
【0091】これら3種の匂いセンサユニットを、図1
6を用いて説明した測定系に準じた図20(A)に示し
た測定系を用い第一及び第二発明の第1実施例で説明し
た評価法に従い評価する。ただし、この測定系において
は、チャンバ21内にヒータ101(この場合ニクロム
線)を設けこのろ紙101上にろ紙103を置いてい
る。ヒータ101に電力を印加してこれを加熱すること
でろ紙103を燻燃状態とするためである。これによ
り、いままでの評価方法でろ紙25に匂い物質を滴下し
て匂い物質の雰囲気をチャンバ21内に生じさせていた
こと加え、煙発生状態をチャンバ21内に生じさせるこ
とができる。図20(A)に示したようにチャンバ21
内に評価対象のセンサユニットを入れ、先ずチャンバ2
1内を活性炭でろ過した新鮮空気で満たす。そして、こ
のときの匂いセンサの抵抗値(初期抵抗値)を測定す
る。次に、チャンバ21内の雰囲気を下記の(a)〜
(d)の状態のうちの種々の状態に順次変更し(ここで
は図21の横軸に示したように変更し)、各状態での匂
いセンサの抵抗値をそれぞれ測定する。そして、これら
抵抗値を上記初期抵抗値で規格化した値(いままででい
う抵抗変化率)を感度とする。この結果を図21に横軸
にチャンバ内の変更状態をとり、縦軸に上記感度をとっ
て示した。
【0092】(a).チャンバ21内を活性炭でろ過し
た新鮮空気とした場合。
【0093】(b).チャンバ内をベンズアルデヒドの
10ppmの濃度の雰囲気とした場合。
【0094】(c).ヒータ101によりろ紙103を
加熱して煙及び焦げ臭を発生させた場合。
【0095】(d).上記(b)及び(c)を共存させ
た場合。
【0096】図21の実施例及び比較例の特性を比較す
ることで明らかなように、実施例の匂いセンサユニット
ではチャンバ21内の状態変更の都度匂いを再現性良く
検出していることが分かる。これは、実施例の匂いセン
サユニットにおいては、煙粒子が匂いセンサに至ること
を網によって効果的に防止できるためである。また、実
施例においても、網の数が1枚のものより2枚のものの
方が、若干応答は小さくなるものの、繰り返しの匂い検
出での再現性が優れることが分かった。
【0097】なお、この第三発明においては、第1実施
例の構成と第2実施例の構成とを兼ね具えた匂いセンサ
ユニットとすることにより、さらに有用な匂いセンサユ
ニットを得ることもできる。
【0098】なお、上述の第一発明の実施例においては
感応膜作製用塗布液として特定の組成のものを用いてい
たがこれはこの発明の範囲内の例示にすぎない。支持ポ
リマに対する感応剤の混合比や可塑剤の混合比は用いる
感応剤の種類、匂いセンサに要求される仕様などを考慮
して変更できることは明らかである。
【0099】
【表1】
【0100】
【表2】
【0101】
【表3】
【0102】
【表4】
【0103】
【表5】
【0104】
【表6】
【0105】
【表7】
【0106】
【発明の効果】上述した説明から明らかなようにこの出
願の第一発明の匂いセンサによれば、有機の感応剤及び
支持ポリマを含み匂いに感応して電気特性が変化する感
応膜と、該感応膜の電気特性を測定するための電極と具
えている。このため、感応膜に匂い物質を含む雰囲気が
触れるてこの感応膜の電気特性が変化するとこの電気特
性の変化は電極によって外部に取り出せ、これにより匂
いの検出ができる。このため、例えば電気抵抗値などの
コンダクタンスなどを測定するという簡易な構成で匂い
検出ができる。また、有機の感応剤を用いるのでそうで
ない場合に比べ有機物から成る匂い物質に対しての感応
性が高いと考えられる。そのため、ppmオーダの匂い
濃度の検出能も可能である。また、感応剤の選び方によ
り匂い物質に対する特異性を制御できる。
【0107】また、この出願の第二発明によれば、匂い
に感応して電気特性が変化する有機薄膜で構成した感応
膜とこの感応膜の電気特性を測定する電極とを具える匂
いセンサの用途や希望する特性に応じた、種々のタイプ
の匂いセンサが得られる。例えば、電極を感応膜中に埋
め込み、該感応膜の両面が測定雰囲気に接するようにし
た構成では、そうしない場合に比べ、測定対象気体に接
する面積を広くできるから、感度の向上が期待できる。
また、感応膜を異なる感応性を示す複数の個別感応膜の
積層体とする構成では、個別感応膜がそれより下層の個
別感応膜のフィルタの役目をするので、下層の個別感応
膜が特異的に感応する匂い物質に対する選択性が高ま
る。また、上部、中間(複数でも良い)及び下部の各電
極と各電極間に個別の感応膜を具えた構成では、電気特
性を測る電極対を任意に然も必要に応じて複数組選んで
感応膜の電気特性変化をモニタできるので、匂いに関し
多数の情報が得られる。そのため、生物により近い匂い
検出が期待できる。さらに、この構成において、各個別
感応膜がその直下の他の個別感応膜の一部分を露出する
形状のものである場合、各個別感応膜固有の情報も得ら
れる。
【0108】また、第三発明の匂いセンサユニットいお
いて上下通気孔或いはさらに加熱手段を具える構成で
は、センサユニットの容器内外間での気体の流れが促進
され匂いのセンシングが行われ易いセンサユニットが得
られる。また、網を設ける構成では測定雰囲気中の匂い
のセンシングに支障となるようなもの例えば煙粒子は網
によってトラップされるので、匂い検出の再現性をより
高めることができる。また、上下通気孔及び又は加熱手
段にさらに網を設ける構成では、より安定な匂い検出が
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一及び第二発明の第1実施例の説明図であ
る。
【図2】(A)及び(B)は第一発明及び第二発明の第
1実施例または第2実施例の説明図であり、匂いセンサ
の評価法の説明図である。
【図3】(A)及び(B)は第一及び第二発明の第2実
施例の説明図である。
【図4】第一及び第二発明の第2実施例の図3に続く説
明図である。
【図5】第一及び第二発明の第2実施例の図4に続く説
明図である。
【図6】第一及び第二発明の第2実施例の図5に続く説
明図である。
【図7】(A)及び(B)は第一及び第二発明の第2実
施例の図6に続く説明図である。
【図8】第一及び第二発明の第3実施例の説明図であ
る。
【図9】第一及び第二発明の第4実施例の説明図であ
る。
【図10】第一及び第二発明の第4実施例の図9に続く
説明図である。
【図11】第一及び第二発明の第5実施例の説明図であ
る。
【図12】(A)〜(C)は第一及び第二発明の第5実
施例の図11に続く説明図である。
【図13】第一及び第二発明の第5実施例の図12に続
く説明図である。
【図14】(A)〜(D)は第一及び第二発明の第5実
施例の図13に続く説明図である。
【図15】(A)及び(B)は第三発明の第1実施例の
説明図である。
【図16】匂いセンサユニットの評価法の説明図であ
る。
【図17】比較例の匂いセンサユニットの説明図であ
る。
【図18】第1実施例の匂いセンサユニットの評価結果
を示した図である。
【図19】第三発明の第2実施例の説明図である。
【図20】(A)及び(B)は第三発明の第2実施例の
説明に供する図であり、(A)は匂いセンサユニットの
評価法の説明図、(B)は比較例の匂いセンサユニット
の説明図である。
【図21】第三発明の第2実施例の匂いセンサユニット
の特性説明図である。
【符号の説明】
10:第1実施例の匂いセンサ 10a:リード線 11:絶縁性基板 13:感応膜の電気特性を測定するための電極 13a:第一極部 13b:第二極部 15:感応剤及び支持ポリマを含む感応膜 15a:第一の個別感応膜 15b:第二の個別感応膜 15x:第4実施例での感応膜(個別感応膜の積層体) 30:第2実施例の匂いセンサ 31:感応膜中に埋め込まれた電極 31a:第一極部 31b:第二極部 33:支持体 40:第3実施例の匂いセンサ 41:第3実施例での電極 41a:第一極部 41b:第二極部 50a:第4実施例の第一態様の匂いセンサ 50b:第4実施例の第二態様の匂いセンサ 60a:第5実施例の第一態様の匂いセンサ 60b:第5実施例の第二態様の匂いセンサ 61a:下部電極 61b:中間電極 61c:上部電極 70a:第1実施例の第一態様の匂いセンサユニット 70b:第1実施例の第二態様の匂いセンサユニット 80:第2実施例の匂いセンサユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎藤 稔 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機の感応剤及び支持ポリマを含み匂い
    に感応して電気特性が変化する感応膜と、 該感応膜の電気特性を測定するための電極とを具えたこ
    とを特徴とする匂いセンサ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の匂いセンサにおいて、 前記感応剤を、ジオクチルフタレート、ジオクチルフォ
    スフェイト、コレステロール、トリオクチルアンモニウ
    ムクロライド、オレイルアミン及びトリオレインの中か
    ら選ばれる少なくとも1種としたことを特徴とする匂い
    センサ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の匂いセンサにおいて、 前記支持ポリマを、ポリ塩化ビニルとしたことを特徴と
    する匂いセンサ。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の匂いセンサにおいて、 前記感応膜はさらに可塑剤を含むことを特徴とする匂い
    センサ。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の匂いセンサにおいて、 前記可塑剤を、ジオクチルフタレートとしたことを特徴
    とする匂いセンサ。
  6. 【請求項6】 匂いに感応して電気特性が変化する有機
    薄膜で構成した感応膜と該感応膜の電気特性を測定する
    ための電極とを具える匂いセンサにおいて、 前記電極の第一極部及び第二極部それぞれを共通の絶縁
    性基板上に並置して設けてあり、 前記感応膜を前記第一極部及び第二極部上に両極部にわ
    たって設けてあることを特徴とする匂いセンサ。
  7. 【請求項7】 匂いに感応して電気特性が変化する有機
    薄膜で構成した感応膜と該感応膜の電気特性を測定する
    ための電極とを具える匂いセンサにおいて、 前記電極を感応膜中に埋め込んであり、 該感応膜の両面が測定雰囲気に接する構造としてあるこ
    とを特徴とする匂いセンサ。
  8. 【請求項8】 匂いに感応して電気特性が変化する有機
    薄膜で構成した感応膜と該感応膜の電気特性を測定する
    ための電極とを具える匂いセンサにおいて、 前記電極の第一極部及び第二極部を前記感応膜を挟む状
    態で対向させて設けてあることを特徴とする匂いセン
    サ。
  9. 【請求項9】 匂いに感応して電気特性が変化する有機
    薄膜で構成した感応膜と該感応膜の電気特性を測定する
    ための電極とを具える匂いセンサにおいて、 該感応膜を異なる感応性を示す複数の個別感応膜の積層
    体で構成してあることを特徴とする匂いセンサ。
  10. 【請求項10】 請求項8又は9に記載の匂いセンサに
    おいて、 前記電極の第一極部及び第二極部のうちの少なくとも一
    方がガス透過性を有したものであることを特徴とする匂
    いセンサ。
  11. 【請求項11】 匂いに感応して電気特性が変化する有
    機薄膜で構成した感応膜と該感応膜の電気特性を測定す
    るための電極とを具える匂いセンサにおいて、 前記感応膜として、異なる感応性を示す複数の個別感応
    膜を具え、 前記電極として下部電極、中間電極及び上部電極を具
    え、 前記複数の個別感応膜を前記中間電極を介在させた状態
    で順次積層してあり、 最下層の個別感応膜の下面に前記下部電極を設けてあ
    り、 最上層の個別感応膜の上面に前記上部電極を設けてある
    ことを特徴とする匂いセンサ。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の匂いセンサにおい
    て、 前記上部電極及び下部電極のうちの少なくとも一方がガ
    ス透過性を有したものであることを特徴とする匂いセン
    サ。
  13. 【請求項13】 請求項11に記載の匂いセンサにおい
    て、 各個別感応膜はその直下の他の個別感応膜の一部分を露
    出する形状のものとしてあることを特徴とする匂いセン
    サ。
  14. 【請求項14】 匂いセンサと、 該匂いセンサを収納する容器と、 該容器の上端側の壁部及び下端側の壁部にそれぞれ設け
    られた通気孔とを具えたことを特徴とする匂いセンサユ
    ニット。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の匂いセンサユニッ
    トにおいて、 さらに、前記容器内に設けられ該容器内での測定対象雰
    囲気の気体の移動を促進するために該容器内の雰囲気温
    度を上昇させるための加熱手段を具えたことを特徴とす
    る匂いセンサユニット。
  16. 【請求項16】 匂いセンサと、 該匂いセンサに対し測定対象の気体の流れの上流側に当
    たる位置に設けられた網とを具えたことを特徴とする匂
    いセンサユニット。
  17. 【請求項17】 請求項14又は15に記載の匂いセン
    サユニットに請求項16に記載の網を具えたことを特徴
    とする匂いセンサユニット。
  18. 【請求項18】 請求項14〜17のいずれか1項に記
    載の匂いセンサユニットにおいて、 前記匂いセンサとして請求項1〜13のいずれかに記載
    の匂いセンサを用いたことを特徴とする匂いセンサユニ
    ット。
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