JPH07278309A - 変性ポリシロキサン及びその製造法 - Google Patents

変性ポリシロキサン及びその製造法

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JPH07278309A
JPH07278309A JP6947794A JP6947794A JPH07278309A JP H07278309 A JPH07278309 A JP H07278309A JP 6947794 A JP6947794 A JP 6947794A JP 6947794 A JP6947794 A JP 6947794A JP H07278309 A JPH07278309 A JP H07278309A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 化粧品原料、離型剤、潤滑剤、熱媒などの用
途に使用できる変性ポリシロキサン及びその製造法、並
びにその中間体の提供。 【構成】 分子末端に長鎖炭化水素基を有し、芳香族側
鎖を有するポリシロキサン(I)及びその製造法、並び
にその中間体である変性ポリエチレン(III) 及びその製
造法。 【化1】 (R1及びR2はC1-6のアルキル基又はC6-10 の芳香族炭化
水素基で、少なくとも1分子中1つの置換基は芳香族炭
化水素基である。R3は平均炭素数16から 600の飽和炭化
水素基、pは0〜3000の数である。) 【化2】 (R1及びR2はC1-6のアルキル基又はC6-10 の芳香族炭化
水素基、Aは水素又はリチウム、sは1〜7の数、R4
C1-6のアルキル基、nは1〜300 。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は分子末端に長鎖炭化水素
基を有し、芳香族側鎖を有する変性ポリシロキサン及び
その製造法、並びにその合成中間体である分子片末端に
シラノール基あるいはシラノレート基を有する変性ポリ
エチレン及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】長鎖ア
ルキル基を有するポリシロキサンは置換基としてメチル
基のみを有するポリジメチルシロキサンに比べ、潤滑
性、閉塞性、炭化水素材料との混和性に優れているた
め、化粧品原料、離型剤、潤滑剤などに広範囲にわたっ
て利用されている。また、側鎖に例えばフェニル基等の
芳香族炭化水素基を有するポリシロキサンは、耐熱性
や、極性溶剤、顔料等との相溶性に優れ、屈折率の高い
芳香族炭化水素基を有するために、配合品に光沢とつや
を与えることから、熱媒、化粧品原料などに広く用いら
れている。しかし、長鎖アルキル基を有し、さらに芳香
族炭化水素基を有するポリシロキサンはこれまで知られ
ていない。
【0003】また、ポリシロキサンに長鎖アルキル基を
導入するこれまでの合成法は、Si−H基を有するポリ
シロキサンに白金触媒下、1−オレフィンを反応させる
方法である。そのため、アルキル基成分の分子量が低い
ものでなければ合成しにくく、高融点化が困難であり、
合成し得るアルキル基は分岐を持たない直鎖状のものが
多く、結晶性の制御が困難であった。また、この合成法
ではSi−H末端が残存する恐れがあるが、それを避け
るためにオレフィンを過剰に用いることが常法となって
いる。しかも、残存オレフィンの除去は困難であり、更
に重金属触媒も生成物に残存するという欠点を有する。
【0004】従って、これらの問題を解決し、構造制御
が容易且つ精密であり、原料の残存、副生成物の生成が
なく、さらに芳香族炭化水素基をシロキサンの側鎖に導
入する製造法の開発が望まれていた。長鎖アルキル基を
有し、芳香族側鎖を有するポリシロキサンが、正確な構
造で、しかも原料、触媒等の残存、副生成物の生成を抑
えて製造できれば、化粧品原料、離型剤、潤滑剤、熱媒
などの広い用途に使用でき、新たに複数の機能を付与す
ることが可能である。本発明の目的は、このような長鎖
アルキル基を有し、芳香族側鎖を有するポリシロキサン
及びその製造法、並びにその中間体を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは鋭意検討を行った結果、エチレンのリビング
重合の後に得られるリビングポリエチレンに環状シロキ
サンを反応させ、さらに一部又は全てに芳香族側鎖を有
する環状シロキサン、末端に水酸基を有する鎖状シロキ
サン又はこれらの混合物を触媒存在下、重合することに
より、末端に長鎖アルキル基を有し、芳香族側鎖を有す
る変性ポリシロキサンを再現性よく合成できることを見
出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、式
(I)で表される分子末端に長鎖炭化水素基を有し、芳
香族側鎖を有する変性ポリシロキサンを提供するもので
ある。
【0006】
【化6】
【0007】(式中、R1及びR2は炭素数1〜6のアルキ
ル基、あるいは炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を示
し、(p+2)個のR1及び(p+2)個のR2は同一でも
異なっていてもよい。ただし、少なくとも1分子中1つ
の置換基は芳香族炭化水素基である。R3は平均炭素数16
から 600の直鎖又は分岐の飽和炭化水素基であり、pは
0以上3000以下の数である。) また、本発明は、下記工程(1) 、(2) 、(3) 及び(4) を
この順に行うことを特徴とする前記式(I)で表される
分子末端に長鎖炭化水素基を有し、芳香族側鎖を有する
変性ポリシロキサンの製造法を提供するものである。
【0008】(1) 炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキ
ルリチウム/3級ジアミン系開始剤を用いてエチレンを
リビングアニオン重合させる工程。 (2) 上記工程(1) で得られたリビングポリエチレンに式
(II)で表される環状シロキサンを反応させ、必要に応
じて酸処理によりシラノール化して、式(III)で表され
る分子片末端にシラノール基あるいはシラノレート基を
有する変性ポリエチレンを得る工程。
【0009】
【化7】
【0010】(式中、R1及びR2は炭素数1〜6のアルキ
ル基、あるいは炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を示
し、q個のR1及びq個のR2は同一でも異なっていてもよ
い。qは3〜7の数である。)
【0011】
【化8】
【0012】(式中、R1及びR2は式(II)と同じ意味を
示し、sは1〜7の数を示す。R4は炭素数1〜6の直鎖
又は分岐のアルキル基であり、Aは水素又はリチウムで
あり、nは1〜300 の数である。) (3) 上記工程(2) で得られた式(III) で表される変性ポ
リエチレンと、前述の式(II)で表される1種類以上の
環状シロキサン、次式 (IV) で表される1種類以上の両
末端に水酸基を有する鎖状シロキサン又はこれらの混合
物を酸触媒又は塩基触媒存在下、平衡化重合する工程。
【0013】
【化9】
【0014】(式中、R1及びR2は炭素数1〜6のアルキ
ル基、あるいは炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を示
し、r個のR1及びr個のR2は同一でも異なっていてもよ
い。さらに、式(II)におけるR1, R2とは同一でも異な
っていてもよい。rは1以上の数である。) (4) 上記工程(3) で得られた生成物を中和、脱水する工
程。
【0015】更に本発明は、前記式(III) で表される分
子片末端にシラノール基あるいはシラノレート基を有す
る変性ポリエチレン、及びその製造法であって、下記工
程(1) 及び(2) をこの順に行うことを特徴とする製造法
を提供するものである。 (1) 炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキルリチウム/
3級ジアミン系開始剤を用いてエチレンをリビングアニ
オン重合させる工程。 (2) 上記工程(1) で得られたリビングポリエチレンに前
記式(II)で表される環状シロキサンを反応させ、必要
に応じて酸処理によりシラノール化する工程。
【0016】以下に本発明をさらに詳しく説明する。本
発明の前記式(I)で表される分子末端に長鎖アルキル
基を有し、芳香族側鎖を有する変性ポリシロキサンは、
分子の両末端に長鎖アルキル基を有し、ポリシロキサン
の側鎖として、芳香族炭化水素基を有するものである。
【0017】式(I)において、R3は平均炭素数16から
600の直鎖又は分岐の飽和炭化水素基を示すが、好まし
くは平均炭素数27〜300 、さらに好ましくは平均炭素数
27〜100 である。平均炭素数が16未満であると、生成物
はオイル状となり、閉塞性、炭化水素系原料との相溶性
に乏しい。また600 を超えると、ポリシロキサンの効果
が出なくなり、極性基剤との相溶性、耐熱性、配合品の
光沢などがなくなる。R3で示される分岐の飽和炭化水素
基としては、長鎖アルキル基の末端から数えて5番目ま
での炭素原子において、炭素数1〜5の短鎖の分岐を持
つものが挙げられる。分岐の具体例としては、2−メチ
ル基、3−メチル基、2,2−ジメチル基等が挙げられ
る。これらの末端の分岐鎖は、アルキル基鎖長の短い場
合には生成物の融点を下げる効果があるが、その他の物
性に対しては何ら影響を与えない。
【0018】式(I)において、R1及びR2は炭素数1〜
6のアルキル基、あるいは炭素数6〜10の芳香族炭化水
素基を示す。(p+2)個のR1及び(p+2)個のR2
同一でも異なっていてもよいが、少なくとも1分子中に
1つは芳香族炭化水素基を有していることが必要であ
る。炭素数1〜6のアルキル基の具体例としては、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等
が挙げられるが、好ましくはメチル基である。炭素数6
〜10の芳香族炭化水素基の具体例としては、フェニル
基、メチルフェニル基、ナフチル基等が挙げられるが、
好ましくはフェニル基である。
【0019】式(I)において、pは0以上3000以下、
好ましくは2000以下の数である。pが3000を超えると長
鎖アルキル基の効果がでなくなり、潤滑性、閉塞性がな
くなる。また溶解時の粘度が高くなりすぎて、混和性も
乏しくなる。
【0020】本発明の前記式(I)で表される変性ポリ
シロキサンは、前記工程(1) 、(2)、(3) 及び(4) をこ
の順に行うことにより得られる。工程(1) は、炭素数1
〜6の直鎖又は分岐のアルキルリチウム/3級ジアミン
系開始剤によるエチレンのリビングアニオン重合を行う
工程である。このリビングアニオン重合においては、脂
肪族炭化水素溶媒が用いられる。かかる溶媒の具体例と
しては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シ
クロヘキサン、シクロペンタン等が挙げられる。
【0021】炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキルリ
チウムとしては、メチルリチウム、エチルリチウム、n
−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、sec
−ブチルリチウム、イソブチルリチウム等が挙げられ
る。3級ジアミンとしては、二つの窒素間の炭素数が2
ないし3個のものが好適に用いられ、2個のものが特に
好ましい。かかるジアミンの具体例としては、テトラメ
チルエチレンジアミン、ジピペリジノエタン、ジピロリ
ジノエタン、スパルテイン等が挙げられる。これら3級
ジアミンは通常アルキルリチウムに対して 0.1〜10当量
用いられる。アミンの使用量が 0.1当量より少ないと重
合が非常に遅くなり、10当量を超えるとリビング末端が
失活し、目的の分子量に到達しない。
【0022】上記アルキルリチウム及び3級ジアミンを
含む溶液にエチレンを導入することで、エチレンのリビ
ング重合を行う。エチレンの導入圧力には特に制限はな
いが、1kg/cm2 〜 100kg/cm2 が適当である。1kg/
cm2 未満の低圧においては重合反応が遅すぎ、経済的で
はない。一方、 100kg/cm2 を超える高圧においては、
重合が速すぎて反応の制御が困難である。重合温度には
特に制限はないが、0℃〜 100℃が適当である。好まし
くは20℃〜80℃である。0℃未満では重合反応が非常に
遅くなり、生成するリビングポリエチレンが低分子量で
沈澱するため好ましくない。 100℃を越えるとリビング
末端の失活が生じるため好ましくない。重合時間は、重
合温度、3級ジアミン濃度、エチレン導入圧力等によっ
て異なるが、一般に 0.1時間から24時間程度である。た
だし、重合熱を除去できる限りなるべく短時間であるこ
とがリビング末端の失活を防ぐ点で好ましい。これら重
合条件を変化させることで生成するポリエチレンの平均
分子量を正確に制御することができる。
【0023】工程(2) は、上記工程(1) で生成したリビ
ングポリエチレンに前記式(II)で表される環状シロキ
サンを反応させ、必要に応じて酸処理によりシラノール
化して、前記式(III) で表される変性ポリエチレンを得
る工程である。ここで得られる式(III) で表される変性
ポリエチレンも新規化合物であり、本発明の式(I)で
表される変性ポリシロキサンの合成中間体としての用途
の他、無機材料や極性基を有する材料、シリコーン材料
と、炭化水素系の溶剤、油剤、樹脂等との混和剤として
も用いることができる。
【0024】式(II)及び(III) において、R1及びR2
炭素数1〜6のアルキル基、あるいは炭素数6〜10の芳
香族炭化水素基であるが、具体例は前述の式(I)の場
合と同じであり、好ましくはメチル基、あるいはフェニ
ル基である。式(III) において、シロキサン末端のA原
子は、水素かリチウムであり、それらの混合物も含まれ
る。式(III) において、エチレンの重合度(n)は1〜
300 である。重合度が300を超えるものは、末端シラノ
ール基又はシラノレート基の濃度が低すぎ好ましくな
い。化粧料に配合する際には、特にn=10〜100 のもの
がオイルあるいはワックス状であり、好ましい。また、
樹脂添加剤として用いるときは、n=10〜150のものが
好ましく、 300を超えると十分な効果が得られない。
【0025】シロキサンユニット数(s)は後に述べる
ように、反応させる環状シロキサンによって異なるが、
最小は1ユニットであり、最大は式(II)で表される環
状シロキサンのシロキサンユニット数であるが、大環状
のものを用いることによって7以上にすることも原理的
には可能である。また、分子毎にsは異なってもよい。
【0026】式(II)で表される環状シロキサンの添加
量は、シロキサンユニットのモル量がリビングポリエチ
レンのモル量以上であれば特に制限はない。しかし、副
反応の抑制等を考慮すればシロキサンユニットとして2
倍モル以上を用いることが好ましい。式(II)で表され
る環状シロキサンは、十分に攪拌しながら速やかに行う
のであれば、そのままあるいはその炭化水素溶液とし
て、リビングポリエチレンの溶液に添加しても差し支え
ない。ただし、1つのケイ素原子に2つのリビングポリ
エチレンが反応するような副反応を避けるために、あら
かじめ炭化水素溶媒に希釈しておいた環状シロキサン
に、十分に攪拌しながら、リビングポリエチレン溶液を
徐々に加えるのが特に好ましい。
【0027】反応温度には特に制限はないが、0℃〜 1
00℃が適当である。好ましくは20℃〜80℃である。0℃
未満ではリビングポリエチレンが沈澱するため好ましく
なく、 100℃を超えると副反応が生じやすくなるため好
ましくない。一般にはエチレンの重合温度付近で行う。
この反応は前述の温度範囲では速やかに起こるため、反
応時間は数分程度で十分であるが、生成物が沈澱する場
合などは数時間を必要とする場合がある。通常、30分〜
5時間程度行う。
【0028】この様にして得られるものは式(III) にお
いて、Aがリチウムである片末端シラノレート基変性ポ
リエチレンであるが、必要により中和を行い、Aが水素
原子である片末端シラノール基変性ポリエチレンが得ら
れる。中和は得られた片末端シラノレート基変性ポリエ
チレンに使用開始剤量に対し当量の酸を加えて中性に
し、水洗によって生成した塩を除くことにより行う。た
だし、固体酸を用いたときは濾過によって除去すること
ができる。これで高収率で片末端シラノール基変性ポリ
エチレンが合成できるが、場合によっては再沈澱等の精
製を行うこともできる。
【0029】この反応の生成物はほとんどがポリエチレ
ン末端にシロキサンユニットを1〜7個有するシラノー
ル又はシラノレートであるが、反応条件等によってはそ
の脱水カップリング物が副生することがある。このカッ
プリング物は次の工程にてシラノールと同様の反応を行
うため、合成上、特に問題にはならないが、必要により
加水分解等を行って、2分子のシラノール又はシラノレ
ートに分解しても良い。
【0030】工程(3) は、上記工程(2) で合成した式(I
II) で表される変性ポリエチレンと、前記式(II)で表
される環状シロキサン、前記式 (IV) で表される両末端
に水酸基を有する鎖状シロキサン又はこれらの混合物と
を、酸触媒又は塩基触媒存在下、平衡化重合する工程で
ある。この重合の原料としてクロロシラン、アルコキシ
シランを用いることもできるが、この場合には加水分解
によって両末端に水酸基を有する鎖状シロキサンにする
ことが必要である。式 (IV) において、R1及びR2は炭素
数1〜6のアルキル基、あるいは炭素数6〜10の芳香族
炭化水素基であるが、具体的には前述の式(I)の場合
と同じであり、好ましくはメチル基あるいはフェニル基
である。また、rは1以上の数であれば特に制限はない
が、粘度、反応溶媒への溶解性から、好ましくは1〜30
00である。
【0031】生成するポリシロキサンの分子量には制限
はないが、上記工程(2) で合成した式(III) で表される
変性ポリエチレンと式(II)で表される環状シロキサン
及び/又は式 (IV) で表される両末端に水酸基を有する
鎖状シロキサンとの仕込モル数によって、その分子量を
任意に決めることができる。また、触媒の具体例として
は、酸触媒として、硫酸等の無機酸、メタンスルホン酸
等のスルホン酸、イオン交換樹脂等の固体酸等が好適に
用いられる。塩基触媒としては、水酸化カリウム等のア
ルカリ金属の水酸化物、水酸化テトラアルキルアンモニ
ウム、水酸化テトラアルキルアンモニウムと環状シロキ
サンより調製したシラノレート等が好適に用いられる。
触媒の添加量には特に制限はないが、シロキサンユニッ
トのモル数に対して、0.01〜1モル%程度で十分であ
る。
【0032】また、本工程においては、触媒の溶解性あ
るいは原料同士の相溶性を上げるために、適宜溶媒を加
えてもよい。かかる溶媒の具体例としては、トルエン等
の芳香族炭化水素、オクタン等の脂肪族炭化水素等があ
る。反応温度には特に制限はないが、20℃〜 300℃が適
当である。好ましくは60℃〜 200℃である。20℃未満で
は反応系が不均一になり、 300℃を越えると環状シロキ
サン等の副生成物が生じやすくなるため好ましくない。
反応時間は仕込みの原料の量、温度等の反応条件によっ
てかなり異なるが、通常、8時間〜7日間程度で行われ
る。
【0033】工程(4) は、工程(3) で得られた生成物の
中和、脱水を行う工程である。上記工程(3) まででは末
端に酸あるいは塩基触媒の残存したポリシロキサンが生
成している。そのため、中和を行い、触媒の残存した末
端をすべて中性のシラノールにする。本工程では触媒量
から算定した塩基あるいは酸を加えて中性にする。ここ
で、不溶の塩が生ずる場合、水洗を行うことにより容易
に除くことができる。ただし、固体酸を用いたときは濾
過によって、塩基として水酸化テトラアルキルアンモニ
ウムを用いたときには加熱分解処理によって除去するこ
ともできる。ここで生成したシラノールを脱水管を取付
けた装置によって加熱、脱水を行い、カップリング反応
を起こさせ、生成物を得る。脱水反応はポリシロキサン
が低分子量であり、粘度が低いときはニートで行われる
が、粘度が高いときはトルエン等の炭化水素溶媒中で還
流させて脱水する。生成物は溶媒を留去して得られる
が、場合によっては再沈澱等の精製を行う。このように
して式(I)で表される分子末端に長鎖炭化水素基を有
し、芳香族側鎖を有するポリシロキサンが得られる。
【0034】
【実施例】以下に実施例を用いて更に詳しく本発明を説
明するが、本発明はこれらによって何ら限定されない。
【0035】実施例1 窒素置換した1リットルのオートクレーブに乾燥シクロ
ヘキサン 400ml、テトラメチルエチレンジアミン9ml、
n−ブチルリチウム(1.6モル/リットル)37.5ml(0.02
モル)を仕込み、反応系の温度を30℃、エチレンガス導
入圧力を2kg/cm2 に保ちながら、エチレンガスを24.6
リットル導入してリビング重合を行った。その後、エチ
レンガスを除去し、窒素置換した。あらかじめ、1リッ
トルのナスフラスコにオクタメチルシクロテトラシロキ
サン35.4g、乾燥シクロヘキサン10ml溶液を用意してお
き、前述の重合混合物を窒素気流下、滴下した。滴下終
了後、30℃で1時間反応させた後、水を10ml加え、反応
混合物を2リットルのメタノールに投入した。1時間攪
拌した後、減圧濾過にて生成した固体を集め、50℃のオ
ーブンにて真空下に24時間乾燥し、白色ワックス状固体
を得た。生成物の収量は36.0g、GPC分析(Waters社
製、オルトジクロロベンゼン、 135℃、ポリエチレン標
準サンプルで較正)の結果、数平均分子量は 610、分子
量分布は1.03であった。1H−NMR分析(Bruker社
製、200MHz、クロロホルム−d、50℃、標準はTMSを
用いた。)の結果を図1に示す。図1から明らかなよう
に、、−0.05ppm(シングレット) にシリル基に結合して
いるメチル基、 0.4ppm(トリプレット) にシリル基に結
合しているメチレン基、 0.8ppm(トリプレット) に開始
末端メチル基、1.2ppm付近に主鎖のメチレン基のシグナ
ルが観察された。各々のシグナルの積分比から、末端シ
ラノール基導入率99%であることがわかった。また、シ
ロキサンユニットの導入数はポリエチレン末端当たり平
均 1.4個であった。
【0036】実施例2〜3 開始剤を表1に示すように変更した以外は実施例1と同
様の方法で行った。合成結果を、実施例1の結果ととも
に表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】実施例4〜5 エチレンの導入量、重合温度を表2のように変化させ
た。実験操作、手順は実施例1と同様に行った。ただ
し、実施例5についてはエチレンの重合は高耐圧性のス
テンレス製オートクレーブを用いた。合成結果を、実施
例1の結果とともに表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】実施例6 コンデンサを取付けた1リットルのセパラブルフラスコ
に、実施例1で得られた末端シラノール変性ポリエチレ
ン36.0g、オクタメチルシクロテトラシロキサン42g、
オクタフェニルシクロテトラシロキサン28g、トルエン
100mlを入れ、トルエンが還流するまでオイルバス上で
加熱した。全ての原料が均一に溶解したところで水酸化
カリウム0.01gを加え、そのまま48時間還流を続けた。
その後、1Nアルコール性塩酸溶液0.18mlを加え、十分
に攪拌を行った。水を加え、pHが7であることを確認
し、水によって生成した無機塩を抽出した。加熱したま
ま水洗を三度行い、コンデンサの代わりにディーンスタ
ーク管を取付け、完全に脱水するまでトルエン還流を行
った。トルエンを留去し、ワックス状の白色固体を得
た。生成物の収量は95gであった。GPC分析(Waters
社製、オルトジクロロベンゼン、 135℃、ポリスチレン
換算)の結果、重量平均分子量は 18500、分子量分布は
2.05であった。1H−NMR分析(Bruker社製、200MH
z、クロロホルム−d、50℃、標準はTMSを用い
た。)の結果を図2に示す。図2から明らかなように、
−0.05ppm(シングレット) にシロキサン側鎖のメチル
基、 0.4ppm(トリプレット) にケイ素元素と結合してい
るメチレン基、 0.8ppm(トリプレット) に開始末端メチ
ル基、1.2ppm付近にポリエチレン鎖のメチレン基のシグ
ナル、 7.0〜7.7ppmにシロキサン側鎖のフェニル基が観
察された。各々のシグナルの積分比から、ポリエチレン
部分とシロキサン部分の重量比は30:70、メチルシロキ
サン部分とフェニルシロキサン部分との重量比は60:40
であることがわかった。
【0041】比較例1 コンデンサを取付けた1リットルのセパラブルフラスコ
に、両末端ハイドロジェン変性ポリジメチル−ジフェニ
ルシロキサン(チッソ(株)製、PS085、η=100
0、ジフェニルシロキサン含率4〜6モル%)96gとダ
イアレン30(三菱化成(株)製:C30以上α−オレフ
ィン混合物(平均C38のものを使用))4.0g、トルエン
100mlを仕込み、塩化白金酸を白金換算で100ppm加え、8
0℃で24時間反応させた。再沈澱精製後、やや褐色の柔
らかいワックスを得た。収量は96g、1H−NMR分
析、IR分析の結果、末端ハイドロジェン残存率は10
%、オレフィンの残存率は5%であった。
【0042】比較例2〜4 ダイアレン30の仕込量、反応条件を表3に示すように
変化させた以外は比較例1と同様の方法で行った。合成
結果を表3に示す。
【0043】
【表3】
【0044】実施例7〜8 実施例1で得られた末端シラノール変性ポリエチレンの
代わりに実施例2及び3で得られた末端シラノール変性
ポリエチレンを用いた以外は実施例6と同様の方法で行
った。合成結果を、実施例6の結果とともに表4に示
す。
【0045】
【表4】
【0046】実施例9〜10 オクタメチルシクロテトラシロキサンとオクタフェニル
シクロテトラシロキサンの合計仕込量を表5に示すよう
に変更した以外は実施例6と同様の方法で行った(ただ
し、オクタメチルシロキサンとオクタフェニルシロキサ
ンの重量比は50:50)。合成結果を、実施例6の結果と
ともに表5に示す。
【0047】
【表5】
【0048】実施例11〜12 オクタメチルシクロテトラシロキサンとオクタフェニル
シクロテトラシロキサンの仕込比を表6に示すように変
更した以外は実施例6と同様の方法で行った。合成結果
を、実施例6の結果とともに表6に示す。
【0049】
【表6】
【0050】実施例13 オクタメチルシクロテトラシロキサンとオクタフェニル
シクロテトラシロキサンを1,3,5,7−テトラメチ
ル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロ
キサンに変更した以外は実施例6と同様の方法で行っ
た。合成結果を、実施例6の結果とともに表7に示す。
尚、表7中、メチルシロキサン部分とフェニルシロキサ
ン部分のモル比(*印)は 1H−NMRにより測定し
た。
【0051】
【表7】
【0052】比較例5 オクタフェニルシクロテトラシロキサンをオクタメチル
シクロテトラシロキサンに変更した以外は実施例6と同
様の方法で行い、その生成物の屈折率を測定し、実施例
6、11、12のものと比較した。結果を表8に示す。
【0053】
【表8】
【0054】
【発明の効果】本発明により、分子末端に長鎖アルキル
基を有し、シロキサン側鎖に芳香族炭化水素基を有する
変性ポリシロキサンを高収率で得ることができ、この変
性ポリシロキサンは屈折率が高く、化粧品等に配合する
ことにより、つや、光沢を付与することができる。特に
本発明で得られる変性ポリシロキサンはアルキル基をエ
チレンのアニオン重合によって得ているため、アルキル
基の鎖長の制御が精密で、高分子量化も容易である。ま
た、除去の容易な触媒を用いており、原料や中間体の残
存も極めて少ないことから、生成物の安全性が高い。ま
た本発明の合成中間体である、分子片末端にシラノール
基あるいはシラノレート基を有する変性ポリエチレン
は、無機材料や極性基を有する材料、シリコーン材料
と、炭化水素系の溶剤、油剤、樹脂等との混和剤として
も有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られた末端シラノール変性ポリ
エチレンの1H−NMRスペクトルである。
【図2】 実施例6で得られたポリシロキサンの1H−
NMRスペクトルである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I)で表される分子末端に長鎖炭化
    水素基を有し、芳香族側鎖を有する変性ポリシロキサ
    ン。 【化1】 (式中、R1及びR2は炭素数1〜6のアルキル基、あるい
    は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を示し、(p+2)
    個のR1及び(p+2)個のR2は同一でも異なっていても
    よい。ただし、少なくとも1分子中1つの置換基は芳香
    族炭化水素基である。R3は平均炭素数16から 600の直鎖
    又は分岐の飽和炭化水素基であり、pは0以上3000以下
    の数である。)
  2. 【請求項2】 下記工程(1) 、(2) 、(3) 及び(4) をこ
    の順に行うことを特徴とする請求項1記載の式(I)で
    表される分子末端に長鎖炭化水素基を有し、芳香族側鎖
    を有する変性ポリシロキサンの製造法。 (1) 炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキルリチウム/
    3級ジアミン系開始剤を用いてエチレンをリビングアニ
    オン重合させる工程。 (2) 上記工程(1) で得られたリビングポリエチレンに式
    (II)で表される環状シロキサンを反応させ、必要に応
    じて酸処理によりシラノール化して、式(III)で表され
    る分子片末端にシラノール基あるいはシラノレート基を
    有する変性ポリエチレンを得る工程。 【化2】 (式中、R1及びR2は炭素数1〜6のアルキル基、あるい
    は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を示し、q個のR1
    びq個のR2は同一でも異なっていてもよい。qは3〜7
    の数である。) 【化3】 (式中、R1及びR2は式(II)と同じ意味を示し、sは1
    〜7の数を示す。R4は炭素数1〜6の直鎖又は分岐のア
    ルキル基であり、Aは水素又はリチウムであり、nは1
    〜300 の数である。) (3) 上記工程(2) で得られた式(III) で表される変性ポ
    リエチレンと、前述の式(II)で表される1種類以上の
    環状シロキサン、次式 (IV) で表される1種類以上の両
    末端に水酸基を有する鎖状シロキサン又はこれらの混合
    物を酸触媒又は塩基触媒存在下、平衡化重合する工程。 【化4】 (式中、R1及びR2は炭素数1〜6のアルキル基、あるい
    は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を示し、r個のR1
    びr個のR2は同一でも異なっていてもよい。さらに、式
    (II)におけるR1, R2とは同一でも異なっていてもよ
    い。rは1以上の数である。) (4) 上記工程(3) で得られた生成物を中和、脱水する工
    程。
  3. 【請求項3】 式(III) で表される分子片末端にシラノ
    ール基あるいはシラノレート基を有する変性ポリエチレ
    ン。 【化5】 (式中、R1及びR2は炭素数1〜6のアルキル基、あるい
    は炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を示し、s個のR1
    びs個のR2は同一でも異なっていてもよい。sは1〜7
    の数であり、R4は炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキ
    ル基であり、Aは水素又はリチウムであり、nは1〜30
    0 の数である。)
  4. 【請求項4】 下記工程(1) 及び(2) をこの順に行うこ
    とを特徴とする請求項3記載の式(III) で表される分子
    片末端にシラノール基あるいはシラノレート基を有する
    変性ポリエチレンの製造法。 (1) 炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキルリチウム/
    3級ジアミン系開始剤を用いてエチレンをリビングアニ
    オン重合させる工程。 (2) 上記工程(1) で得られたリビングポリエチレンに前
    記式(II)で表される環状シロキサンを反応させ、必要
    に応じて酸処理によりシラノール化する工程。
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