JPH07278711A - 溶接性および化成処理性に優れたアルミニウム合金被覆板 - Google Patents
溶接性および化成処理性に優れたアルミニウム合金被覆板Info
- Publication number
- JPH07278711A JPH07278711A JP9363694A JP9363694A JPH07278711A JP H07278711 A JPH07278711 A JP H07278711A JP 9363694 A JP9363694 A JP 9363694A JP 9363694 A JP9363694 A JP 9363694A JP H07278711 A JPH07278711 A JP H07278711A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- coating
- plate
- thickness
- chemical conversion
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Chemical Treatment Of Metals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 製造過程における板表裏面へのMgO 主体の厚
い酸化膜生成が抑制された、溶接性および化成処理性に
優れた、アルミニウム合金被覆板を提供する。 【構成】 Mgを1.0 wt.%超含有するAl−Mg系合金板また
はAl−Mg−Si系合金板と、前記合金板の両面に形成され
たAl合金皮膜とからなり、前記皮膜は、実質的に、Mgを
0.1 〜1.0 wt.%、およびCuを0.03〜0.45wt.%含有し、残
部はAlからなっており、そして、その厚さは、0.5 〜20
0 μm であることからなる。また、前記皮膜の少なくと
も一方の面の厚さは、0.5 〜10μm であることからな
る。 【効果】 自動車等の組立て・製造において使用部位が
制約されない、溶接性および化成処理性に優れたアルミ
ニウム合金被覆板を提供することができる。
い酸化膜生成が抑制された、溶接性および化成処理性に
優れた、アルミニウム合金被覆板を提供する。 【構成】 Mgを1.0 wt.%超含有するAl−Mg系合金板また
はAl−Mg−Si系合金板と、前記合金板の両面に形成され
たAl合金皮膜とからなり、前記皮膜は、実質的に、Mgを
0.1 〜1.0 wt.%、およびCuを0.03〜0.45wt.%含有し、残
部はAlからなっており、そして、その厚さは、0.5 〜20
0 μm であることからなる。また、前記皮膜の少なくと
も一方の面の厚さは、0.5 〜10μm であることからな
る。 【効果】 自動車等の組立て・製造において使用部位が
制約されない、溶接性および化成処理性に優れたアルミ
ニウム合金被覆板を提供することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、アルミニウム合金
板、特に、自動車ボデイ用等の抵抗スポット溶接により
接合して使用されるアルミニウム合金板に関するもので
ある。
板、特に、自動車ボデイ用等の抵抗スポット溶接により
接合して使用されるアルミニウム合金板に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】自動車、航空機等の軽量化を図る重要な
手段として、軽量で高い強度を有するアルミニウム合金
が使用される。特に、自動車の軽量化において、アルミ
ニウム合金板をボデイパネルに使用することが要望され
ている。
手段として、軽量で高い強度を有するアルミニウム合金
が使用される。特に、自動車の軽量化において、アルミ
ニウム合金板をボデイパネルに使用することが要望され
ている。
【0003】自動車のボデイパネルの製造工程は通常、
成形、溶接を経て化成処理の順番となっているため、従
来製造されているアルミニウム合金薄板を現状の薄鋼板
用の自動車組立てラインで使用するのには適していな
い。特に、ボデイパネルの組立てに用いられる抵抗スポ
ット溶接におけるアルミニウム合金薄板の溶接性は、薄
鋼板のそれと比較して格段に悪く、アルミニウム合金薄
板をボデイに用いると生産能率が極端に低下する。ま
た、アルミニウム合金薄板は脱脂性に劣っているので、
これを化成処理する際、板の表面に例えばリン酸亜鉛の
皮膜が生成しなかったり、Alが化成浴に溶け込んで化成
浴を劣化させるという問題がある。
成形、溶接を経て化成処理の順番となっているため、従
来製造されているアルミニウム合金薄板を現状の薄鋼板
用の自動車組立てラインで使用するのには適していな
い。特に、ボデイパネルの組立てに用いられる抵抗スポ
ット溶接におけるアルミニウム合金薄板の溶接性は、薄
鋼板のそれと比較して格段に悪く、アルミニウム合金薄
板をボデイに用いると生産能率が極端に低下する。ま
た、アルミニウム合金薄板は脱脂性に劣っているので、
これを化成処理する際、板の表面に例えばリン酸亜鉛の
皮膜が生成しなかったり、Alが化成浴に溶け込んで化成
浴を劣化させるという問題がある。
【0004】このような問題はアルミニウム合金薄板の
製造過程において、その表面に生成する厚い酸化膜に起
因すると考えられている。即ち、この酸化膜の主成分は
MgOであり、一般的には、この酸化膜はワイヤ−ブラシ
がけ等により破壊・除去されているが、煩雑であり生産
性を著しく低下させる。また、この酸化膜は一旦除去さ
れても、時間経過とともに再び形成されてしまうので、
酸化膜除去の実効はあがっていない。従って、アルミニ
ウム合金薄板が、薄鋼板用の自動車組立てラインにおい
て使用される場合には、生産性を犠牲にしているのが現
状である。
製造過程において、その表面に生成する厚い酸化膜に起
因すると考えられている。即ち、この酸化膜の主成分は
MgOであり、一般的には、この酸化膜はワイヤ−ブラシ
がけ等により破壊・除去されているが、煩雑であり生産
性を著しく低下させる。また、この酸化膜は一旦除去さ
れても、時間経過とともに再び形成されてしまうので、
酸化膜除去の実効はあがっていない。従って、アルミニ
ウム合金薄板が、薄鋼板用の自動車組立てラインにおい
て使用される場合には、生産性を犠牲にしているのが現
状である。
【0005】上記酸化膜の生成を抑制するために、アル
ミニウム合金薄板の表面に亜鉛やニッケルをメッキする
ことも考えられるが、そのようにしても、化成処理性、
溶接性および耐食性のすべてについては満足すべき結果
は得られない。
ミニウム合金薄板の表面に亜鉛やニッケルをメッキする
ことも考えられるが、そのようにしても、化成処理性、
溶接性および耐食性のすべてについては満足すべき結果
は得られない。
【0006】一方、純Al板を所定のアルミニウム合金板
の片面にクラッドすることによって、Mgを含有しない表
面層を形成する方法(先行技術という)が、特開平4−
339571号公報に開示されている。即ち、先行技術
には、Mgを0.5 wt.%以上含有するAl−Mg系合金板または
Mgを0.5 wt.%以上含有するAl−Mg−Si系合金板の、片面
のみに、厚さが50〜150 μm の範囲内であって、Mg含有
量が0.03wt.%未満であって純度99.5wt.%以上での純アル
ミニウム皮膜が形成された、抵抗スポット溶接性に優れ
たアルミニウム合金複合板が開示されている。
の片面にクラッドすることによって、Mgを含有しない表
面層を形成する方法(先行技術という)が、特開平4−
339571号公報に開示されている。即ち、先行技術
には、Mgを0.5 wt.%以上含有するAl−Mg系合金板または
Mgを0.5 wt.%以上含有するAl−Mg−Si系合金板の、片面
のみに、厚さが50〜150 μm の範囲内であって、Mg含有
量が0.03wt.%未満であって純度99.5wt.%以上での純アル
ミニウム皮膜が形成された、抵抗スポット溶接性に優れ
たアルミニウム合金複合板が開示されている。
【0007】先行技術において、Mg含有量が0.03% 未満
の純アルミニウム皮膜を、所定の母材アルミニウム合金
板の片面のみに形成させた理由は、抵抗スポット溶接時
の電極接触面を純Al皮膜形成面に限定することによっ
て、MgO 主体の酸化皮膜の生成を抑制し、以て、電極と
材料間の接触電気抵抗の増大を回避して電極の消耗の抑
制を図り、一方、材料の合わせ面(溶接面)が母材アル
ミニウム合金板の裸面とすることによって、溶接面の接
触電気抵抗の低下を阻止して通電時における材料の発熱
溶融を効果的ならしめる点にある。
の純アルミニウム皮膜を、所定の母材アルミニウム合金
板の片面のみに形成させた理由は、抵抗スポット溶接時
の電極接触面を純Al皮膜形成面に限定することによっ
て、MgO 主体の酸化皮膜の生成を抑制し、以て、電極と
材料間の接触電気抵抗の増大を回避して電極の消耗の抑
制を図り、一方、材料の合わせ面(溶接面)が母材アル
ミニウム合金板の裸面とすることによって、溶接面の接
触電気抵抗の低下を阻止して通電時における材料の発熱
溶融を効果的ならしめる点にある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先行技
術に開示されたアルミニウム合金複合板は、上述したよ
うに板の片面のみに所定成分の純Al皮膜を形成させたも
のであるが故に、それを溶接するときには、上述した理
由により、必ず表面(純Al皮膜が形成された面)を電極
接触面となるようにしなければならない。従って、先行
技術に開示されたアルミニウム合金複合板は、そのよう
な材料使用部位に使用されたときにのみ、抵抗スポト溶
接における溶接性の改善効果は発揮される。
術に開示されたアルミニウム合金複合板は、上述したよ
うに板の片面のみに所定成分の純Al皮膜を形成させたも
のであるが故に、それを溶接するときには、上述した理
由により、必ず表面(純Al皮膜が形成された面)を電極
接触面となるようにしなければならない。従って、先行
技術に開示されたアルミニウム合金複合板は、そのよう
な材料使用部位に使用されたときにのみ、抵抗スポト溶
接における溶接性の改善効果は発揮される。
【0009】以上のように、先行技術によっては、アル
ミニウム合金複合板の使用上、大きな制約を受けること
になり、製品組み立て等の材料運用上大きな問題があっ
た。
ミニウム合金複合板の使用上、大きな制約を受けること
になり、製品組み立て等の材料運用上大きな問題があっ
た。
【0010】次に、板の片面のみにMg含有量を規制した
純Al皮膜を形成させても、板の他の面(以下、板の裏面
という)には依然として、Mgを0.5%以上含有するAl合金
板が露出しているため、特に、Mg含有量が1.0%wt.%超の
場合には、そのAl合金板の製造過程において板の裏面
に、MgO 主体の厚い酸化膜が生成する。この酸化膜の存
在のため脱脂が十分行われず、板の化成処理性を阻害す
る。従って、先行技術では板の裏面の化成処理性が不十
分であった。
純Al皮膜を形成させても、板の他の面(以下、板の裏面
という)には依然として、Mgを0.5%以上含有するAl合金
板が露出しているため、特に、Mg含有量が1.0%wt.%超の
場合には、そのAl合金板の製造過程において板の裏面
に、MgO 主体の厚い酸化膜が生成する。この酸化膜の存
在のため脱脂が十分行われず、板の化成処理性を阻害す
る。従って、先行技術では板の裏面の化成処理性が不十
分であった。
【0011】従って、この発明の目的は、上記問題点を
解決することによって、使用される部位が制約されず、
板の両面共にMgO 主体の酸化膜生成が抑制されて、溶接
性のみならず化成処理性についても優れ、しかも成形性
についても従来と同等の水準を有する、アルミニウム合
金板を提供することにある。
解決することによって、使用される部位が制約されず、
板の両面共にMgO 主体の酸化膜生成が抑制されて、溶接
性のみならず化成処理性についても優れ、しかも成形性
についても従来と同等の水準を有する、アルミニウム合
金板を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、Al合金板
の表層部のMg含有量とMgO 主体の厚い酸化膜の生成、脱
脂性および化成処理性との関係について鋭意検討を重ね
た結果、Mg含有量が所定量以下であって所定の厚さのAl
合金皮膜を、成形性の良好な従来のAl合金板の両面に形
成させることによって、上記課題を解決することができ
ることを知見した。
の表層部のMg含有量とMgO 主体の厚い酸化膜の生成、脱
脂性および化成処理性との関係について鋭意検討を重ね
た結果、Mg含有量が所定量以下であって所定の厚さのAl
合金皮膜を、成形性の良好な従来のAl合金板の両面に形
成させることによって、上記課題を解決することができ
ることを知見した。
【0013】即ち、本願第1発明のアルミニウム合金被
覆板は、Mgを1.0 wt.%超含有する、Al−Mg系合金板また
はAl−Mg−Si系合金板と、前記合金板の両面に形成され
たAl合金皮膜とからなり、前記皮膜は、実質的に、Mgを
0.1 〜1.0 wt.%の範囲内、およびCuを0.03〜0.45wt.%の
範囲内で含有し、残部はAlからなっており、そして、そ
の厚さは、0.5 〜200 μm の範囲内であることに特徴を
有するものである。
覆板は、Mgを1.0 wt.%超含有する、Al−Mg系合金板また
はAl−Mg−Si系合金板と、前記合金板の両面に形成され
たAl合金皮膜とからなり、前記皮膜は、実質的に、Mgを
0.1 〜1.0 wt.%の範囲内、およびCuを0.03〜0.45wt.%の
範囲内で含有し、残部はAlからなっており、そして、そ
の厚さは、0.5 〜200 μm の範囲内であることに特徴を
有するものである。
【0014】本願第2発明のアルミニウム合金被覆板
は、第1発明のそれにおいて、前記皮膜の少なくとも一
方の面の厚さは、0.5 〜10μm の範囲内であることから
なるものである。
は、第1発明のそれにおいて、前記皮膜の少なくとも一
方の面の厚さは、0.5 〜10μm の範囲内であることから
なるものである。
【0015】
【作用】この発明のAl合金被覆板の母材としては、従来
知られているMgを1.0 wt.%超含有する、Al−Mg系合金板
またはAl−Mg−Si系合金板、即ち、JIS 規格の5000シリ
−ズおよび6000シリ−ズのAl合金板が成形性に優れてお
りこの発明の目的に適する。更には、7475合金等の7000
シリ−ズにも適する。
知られているMgを1.0 wt.%超含有する、Al−Mg系合金板
またはAl−Mg−Si系合金板、即ち、JIS 規格の5000シリ
−ズおよび6000シリ−ズのAl合金板が成形性に優れてお
りこの発明の目的に適する。更には、7475合金等の7000
シリ−ズにも適する。
【0016】上記母材は、いずれもMgを1.0 wt.%以上含
有しているため、薄板製造過程において表面にMgO 主体
の厚い酸化膜が生成する。しかしながら、Mg含有量が1.
0 wt.%以下の場合には、MgO 主体の厚い酸化膜の生成が
抑制される。そこで、この発明においては、Mg含有量が
1.0 wt.%以下のAl合金皮膜を、母材であるAl合金板の両
面に形成させるものであり、これによって、母材がMgを
1.0 wt.%超含有していても、その後に板表面に生成する
MgO 主体の酸化膜を低減させることができる。一方、皮
膜中のMg含有量が0.1wt.% 未満では、皮膜の硬さが不足
して電極加圧時に皮膜の一部が変形・剥離することもあ
る。従って、Al合金皮膜中のMg含有量は、0.1 〜1.0 w
t.%とすべきである。
有しているため、薄板製造過程において表面にMgO 主体
の厚い酸化膜が生成する。しかしながら、Mg含有量が1.
0 wt.%以下の場合には、MgO 主体の厚い酸化膜の生成が
抑制される。そこで、この発明においては、Mg含有量が
1.0 wt.%以下のAl合金皮膜を、母材であるAl合金板の両
面に形成させるものであり、これによって、母材がMgを
1.0 wt.%超含有していても、その後に板表面に生成する
MgO 主体の酸化膜を低減させることができる。一方、皮
膜中のMg含有量が0.1wt.% 未満では、皮膜の硬さが不足
して電極加圧時に皮膜の一部が変形・剥離することもあ
る。従って、Al合金皮膜中のMg含有量は、0.1 〜1.0 w
t.%とすべきである。
【0017】この酸化膜の生成を抑制するためには、母
材の表面に形成させる皮膜の厚さは、0.5 μm 以上であ
ることを必要とする。その皮膜の厚さが0.5 μm 未満で
は、溶接性、化成処理性および耐食性のいずれも劣り、
所期の目的を達成することができない。一方、皮膜の厚
さが200 μm 超では、抵抗スポット溶接時に、電気抵抗
の小さいAl合金皮膜同志が溶接板間で接触することにな
るので、ナゲットが成長しにくくなるため、より大きい
溶接電流が必要となり、電極寿命は短くなってしまう。
従って、母材の表面に形成させる皮膜の厚さは、0.5 〜
200 μm の範囲内に限定すべきである。
材の表面に形成させる皮膜の厚さは、0.5 μm 以上であ
ることを必要とする。その皮膜の厚さが0.5 μm 未満で
は、溶接性、化成処理性および耐食性のいずれも劣り、
所期の目的を達成することができない。一方、皮膜の厚
さが200 μm 超では、抵抗スポット溶接時に、電気抵抗
の小さいAl合金皮膜同志が溶接板間で接触することにな
るので、ナゲットが成長しにくくなるため、より大きい
溶接電流が必要となり、電極寿命は短くなってしまう。
従って、母材の表面に形成させる皮膜の厚さは、0.5 〜
200 μm の範囲内に限定すべきである。
【0018】上記皮膜の厚さは、上述した溶接性を十分
満たす限り、できるだけ薄い方が製造コスト上有利であ
る。しかし一方では、皮膜の形成方法によってその厚さ
の制御に限界がある。これら両者の兼ね合いから、皮膜
の少なくとも一方の面の厚さを、0.5 〜10μm の範囲内
とすることが溶接性からも、また経済性から一層望まし
い。
満たす限り、できるだけ薄い方が製造コスト上有利であ
る。しかし一方では、皮膜の形成方法によってその厚さ
の制御に限界がある。これら両者の兼ね合いから、皮膜
の少なくとも一方の面の厚さを、0.5 〜10μm の範囲内
とすることが溶接性からも、また経済性から一層望まし
い。
【0019】なお、先行技術においては、被覆が純Alで
あるため、抵抗スポット溶接時に材料が加圧されるとき
に皮膜が破壊され易い。そこで、皮膜厚さを50μm 以上
に限定しているが、本願の発明においては、皮膜のMg含
有量を0.1wt.% 以上としたので、その問題も完全に解決
され、しかも皮膜厚さを先行技術の場合よりも薄くする
ことが可能となった。
あるため、抵抗スポット溶接時に材料が加圧されるとき
に皮膜が破壊され易い。そこで、皮膜厚さを50μm 以上
に限定しているが、本願の発明においては、皮膜のMg含
有量を0.1wt.% 以上としたので、その問題も完全に解決
され、しかも皮膜厚さを先行技術の場合よりも薄くする
ことが可能となった。
【0020】皮膜の形成方法としては、電気めっき、化
学めっき、真空蒸着、イオンプレ−テイング、スパッタ
リング等の真空または気相めっき、あるいはクラッド法
等のいずれであってもよい。
学めっき、真空蒸着、イオンプレ−テイング、スパッタ
リング等の真空または気相めっき、あるいはクラッド法
等のいずれであってもよい。
【0021】このような皮膜を母材の両表面に形成させ
ることによって、MgO 主体の厚い酸化膜の生成を抑制す
ることができる。従って、脱脂性が改善され、化成処理
性の向上に寄与する。しかしながら、上記皮膜のAl純分
は高いので、化成浴にAlが皮膜から溶出して化成浴を劣
化させることがある。また、Al純分が高いので化成皮膜
の生成がやや劣ることもある。従って、皮膜中にCuを微
量含有させることによって脱脂性の向上および化成皮膜
の生成を促進させることができる。しかしながら、Cu含
有量が0.03未満ではその効果が十分発揮されない。一
方、Cu含有量が0.45wt.%超となると皮膜の耐食性が劣化
する。従って、皮膜中のCu含有量は、0.05〜0.45wt.%の
範囲内であることが望ましい。
ることによって、MgO 主体の厚い酸化膜の生成を抑制す
ることができる。従って、脱脂性が改善され、化成処理
性の向上に寄与する。しかしながら、上記皮膜のAl純分
は高いので、化成浴にAlが皮膜から溶出して化成浴を劣
化させることがある。また、Al純分が高いので化成皮膜
の生成がやや劣ることもある。従って、皮膜中にCuを微
量含有させることによって脱脂性の向上および化成皮膜
の生成を促進させることができる。しかしながら、Cu含
有量が0.03未満ではその効果が十分発揮されない。一
方、Cu含有量が0.45wt.%超となると皮膜の耐食性が劣化
する。従って、皮膜中のCu含有量は、0.05〜0.45wt.%の
範囲内であることが望ましい。
【0022】なお、この皮膜には、母材Al合金板の保護
のため、例えば犠牲陽極効果を目的としてSn、Znおよび
Inのうち少なくとも1つを適宜選択添加し、また、結晶
粒制御のためにTi、B 、Zr、Mn、Fe、Zn、Mo、Crおよび
V のうち少なくとも1つを適宜選択添加することが望ま
しい。
のため、例えば犠牲陽極効果を目的としてSn、Znおよび
Inのうち少なくとも1つを適宜選択添加し、また、結晶
粒制御のためにTi、B 、Zr、Mn、Fe、Zn、Mo、Crおよび
V のうち少なくとも1つを適宜選択添加することが望ま
しい。
【0023】
【実施例】次に、この発明を実施例に基づいて更に説明
する。
する。
【0024】(実施例1)表1に示したJIS5182 −O材
の化学成分組成を有する板厚1.0 mmの冷延焼鈍Al合金板
の両面に、表2に示した皮膜の厚さ、並びにMgおよびCu
含有量を有するAl合金皮膜が形成された、本発明供試材
および比較用供試材を調製し、溶接性、化成処理性およ
び耐食性について試験した。皮膜の形成方法は、めっき
またはクラッドで行なった。めっきはすべて真空蒸着法
で行なった。また、形成された皮膜の厚さはすべて、表
裏面で実質的に同一である。
の化学成分組成を有する板厚1.0 mmの冷延焼鈍Al合金板
の両面に、表2に示した皮膜の厚さ、並びにMgおよびCu
含有量を有するAl合金皮膜が形成された、本発明供試材
および比較用供試材を調製し、溶接性、化成処理性およ
び耐食性について試験した。皮膜の形成方法は、めっき
またはクラッドで行なった。めっきはすべて真空蒸着法
で行なった。また、形成された皮膜の厚さはすべて、表
裏面で実質的に同一である。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】実施した各試験方法および評価方法は下記
のとおりである。 (1)溶接性:単相交流式溶接機で、電極径75mmR 、電
極材質クロム銅のR型電極を用いた。溶接条件は、WE
S7302に準拠した抵抗スポット溶接にて、連続打点
試験を行なった。継手強度評価は引張剪断試験とし、形
状はJIS Z3136の試験片を調製し、継手強度が
JIS3140B級の最小値を下回ったところを電極寿
命とし、打点数が2000超を◎印、2000〜1500超を○印、
1500〜1000を△印、1000未満を×印とした(以下の溶接
性試験方法および評価方法についても同じ)。
のとおりである。 (1)溶接性:単相交流式溶接機で、電極径75mmR 、電
極材質クロム銅のR型電極を用いた。溶接条件は、WE
S7302に準拠した抵抗スポット溶接にて、連続打点
試験を行なった。継手強度評価は引張剪断試験とし、形
状はJIS Z3136の試験片を調製し、継手強度が
JIS3140B級の最小値を下回ったところを電極寿
命とし、打点数が2000超を◎印、2000〜1500超を○印、
1500〜1000を△印、1000未満を×印とした(以下の溶接
性試験方法および評価方法についても同じ)。
【0028】(2)化成処理性:フルデップタイプのリ
ン酸亜鉛処理液を用い、処理液中のFイオン濃度を200p
pmに調整して化成処理を施した後、化成処理皮膜を走査
型電子顕微鏡で観察し、その観察結果に基づいて、次の
ように評価した。即ち、リン酸亜鉛結晶の局部的な形成
およびスケ等がなく、皮膜が緻密に、且つ均一に形成さ
れていたものを○印、皮膜はある程度形成されていた
が、スケ等の欠陥が認められ、しかも被覆面積割合が前
記○印のものの3/4以下であったものを△印、そし
て、皮膜が殆ど形成されなかったものを×印とした(以
下の化成処理性試験方法および評価方法についても同
じ)。
ン酸亜鉛処理液を用い、処理液中のFイオン濃度を200p
pmに調整して化成処理を施した後、化成処理皮膜を走査
型電子顕微鏡で観察し、その観察結果に基づいて、次の
ように評価した。即ち、リン酸亜鉛結晶の局部的な形成
およびスケ等がなく、皮膜が緻密に、且つ均一に形成さ
れていたものを○印、皮膜はある程度形成されていた
が、スケ等の欠陥が認められ、しかも被覆面積割合が前
記○印のものの3/4以下であったものを△印、そし
て、皮膜が殆ど形成されなかったものを×印とした(以
下の化成処理性試験方法および評価方法についても同
じ)。
【0029】(3)耐食性:上記リン酸亜鉛処理後、自
動車用のいわゆる3コ−トを施した。塗装膜の厚さは、
カチオン電着塗装:20μm 、中塗り:35μm 、上塗り:
35μm とした。上記塗装を施した試験片の表面にクロス
カットを刻み入れ、下記腐食試験を行なった。即ち、温
度35℃の5 wt.%NaCl水溶液で1時間の塩水噴霧の後、温
度55℃で4時間の乾燥をし、そして温度55℃のRH90wt.%
で3時間の湿潤を施す工程を1サイクルとし、各試験片
に120 サイクルの腐食試験を行った。その試験結果に基
づいて、次のように評価した。即ち、クロスカット部か
らの塗膜ふくれ幅(片側)を測定し、その最大値が2mm
未満であったものを○印、2〜3mmであったものを△
印、3mm以上のものを×とした(以下の耐食性試験方法
および評価方法についても同じ)。
動車用のいわゆる3コ−トを施した。塗装膜の厚さは、
カチオン電着塗装:20μm 、中塗り:35μm 、上塗り:
35μm とした。上記塗装を施した試験片の表面にクロス
カットを刻み入れ、下記腐食試験を行なった。即ち、温
度35℃の5 wt.%NaCl水溶液で1時間の塩水噴霧の後、温
度55℃で4時間の乾燥をし、そして温度55℃のRH90wt.%
で3時間の湿潤を施す工程を1サイクルとし、各試験片
に120 サイクルの腐食試験を行った。その試験結果に基
づいて、次のように評価した。即ち、クロスカット部か
らの塗膜ふくれ幅(片側)を測定し、その最大値が2mm
未満であったものを○印、2〜3mmであったものを△
印、3mm以上のものを×とした(以下の耐食性試験方法
および評価方法についても同じ)。
【0030】実施例1の試験結果を、表2に併記した。
表2から下記事項が明らかである。即ち、比較用供試材
においては、皮膜の厚さ、皮膜のMg含有量およびCu含有
量のうち少なくとも1つが本発明の範囲外であったた
め、それに応じて試験結果の特性値が劣っていた。即
ち、皮膜が本発明の範囲を外れて厚い供試材NO.10は溶
接性に劣り、Mg含有量が本発明の範囲を外れて高い供試
材NO.15、16、17も溶接性に劣り、そしてCu含有量が本
発明の範囲を外れて高い供試材NO.11〜14、16は耐食性
に劣っていた。また、皮膜を形成させなかった供試材N
O.18は、化成処理性、溶接性および耐食性のすべてにつ
いて劣っていた。これに対して、本発明供試材において
は、皮膜の形成方法によらず、皮膜の厚さ、皮膜のMg含
有量およびCu含有量のすべてについて本発明の範囲内で
あったため、すべての供試材が各特性について優れてい
た。特に、供試材NO.1 、2 は、被膜の厚さが0.5 〜10
μm の範囲内にあったため、溶接性に優れていた。
表2から下記事項が明らかである。即ち、比較用供試材
においては、皮膜の厚さ、皮膜のMg含有量およびCu含有
量のうち少なくとも1つが本発明の範囲外であったた
め、それに応じて試験結果の特性値が劣っていた。即
ち、皮膜が本発明の範囲を外れて厚い供試材NO.10は溶
接性に劣り、Mg含有量が本発明の範囲を外れて高い供試
材NO.15、16、17も溶接性に劣り、そしてCu含有量が本
発明の範囲を外れて高い供試材NO.11〜14、16は耐食性
に劣っていた。また、皮膜を形成させなかった供試材N
O.18は、化成処理性、溶接性および耐食性のすべてにつ
いて劣っていた。これに対して、本発明供試材において
は、皮膜の形成方法によらず、皮膜の厚さ、皮膜のMg含
有量およびCu含有量のすべてについて本発明の範囲内で
あったため、すべての供試材が各特性について優れてい
た。特に、供試材NO.1 、2 は、被膜の厚さが0.5 〜10
μm の範囲内にあったため、溶接性に優れていた。
【0031】(実施例2)Al−5Mg−0.4Cuの
化学成分組成を有する板厚1.0 mmの冷延焼鈍Al合金板の
両面に、表3に示した皮膜の厚さ、並びにMgおよびCu含
有量を有するAl合金皮膜が形成された、本発明供試材お
よび比較用供試材を調製し、溶接性、化成処理性および
耐食性について試験した。皮膜の形成方法は、めっきま
たはクラッド法で行なった。めっきはすべて真空蒸着法
で行なった。また、形成された皮膜の厚さはすべて、表
裏面で実質的に同一である。
化学成分組成を有する板厚1.0 mmの冷延焼鈍Al合金板の
両面に、表3に示した皮膜の厚さ、並びにMgおよびCu含
有量を有するAl合金皮膜が形成された、本発明供試材お
よび比較用供試材を調製し、溶接性、化成処理性および
耐食性について試験した。皮膜の形成方法は、めっきま
たはクラッド法で行なった。めっきはすべて真空蒸着法
で行なった。また、形成された皮膜の厚さはすべて、表
裏面で実質的に同一である。
【0032】
【表3】
【0033】実施例2の試験結果を、表3に併記した。
表3から下記事項が明らかである。即ち、比較用供試材
においては、皮膜の厚さ、皮膜のMg含有量およびCu含有
量のうち少なくとも1つが本発明の範囲外であったた
め、それに応じて試験結果の特性値が劣っていた。即
ち、皮膜の厚さが本発明の範囲を外れて薄い供試材NO.
223 は溶接性に劣り、一方、皮膜の厚さが本発明の範囲
を外れて厚い供試材NO.224 、228 も溶接性に劣り、Mg
含有量が本発明の範囲を外れて高い供試材NO.225 、22
7 、230 も溶接性に劣り、そしてCu含有量が本発明の範
囲を外れて高い供試材NO.225 、226 、229 〜231 は耐
食性に劣っていた。また、皮膜を形成させなかった供試
材NO.232 は、化成処理性、溶接性および耐食性のすべ
てについて劣っていた。これに対して、本発明供試材に
おいては、皮膜の形成方法によらず、皮膜の厚さ、皮膜
のMg含有量およびCu含有量のすべてについて本発明の範
囲内であったため、すべての供試材が各特性について優
れていた。特に、供試材NO.201 、202、206 は、被膜
の厚さが0.5 〜10μm の範囲内にあったため、溶接性に
優れていた。
表3から下記事項が明らかである。即ち、比較用供試材
においては、皮膜の厚さ、皮膜のMg含有量およびCu含有
量のうち少なくとも1つが本発明の範囲外であったた
め、それに応じて試験結果の特性値が劣っていた。即
ち、皮膜の厚さが本発明の範囲を外れて薄い供試材NO.
223 は溶接性に劣り、一方、皮膜の厚さが本発明の範囲
を外れて厚い供試材NO.224 、228 も溶接性に劣り、Mg
含有量が本発明の範囲を外れて高い供試材NO.225 、22
7 、230 も溶接性に劣り、そしてCu含有量が本発明の範
囲を外れて高い供試材NO.225 、226 、229 〜231 は耐
食性に劣っていた。また、皮膜を形成させなかった供試
材NO.232 は、化成処理性、溶接性および耐食性のすべ
てについて劣っていた。これに対して、本発明供試材に
おいては、皮膜の形成方法によらず、皮膜の厚さ、皮膜
のMg含有量およびCu含有量のすべてについて本発明の範
囲内であったため、すべての供試材が各特性について優
れていた。特に、供試材NO.201 、202、206 は、被膜
の厚さが0.5 〜10μm の範囲内にあったため、溶接性に
優れていた。
【0034】(実施例3)表4に示したJIS6061
−T4材の化学成分組成を有する板厚1.0 mmの冷延焼鈍
Al合金板の両面に、表5に示した皮膜の厚さ、並びにMg
およびCu含有量を有するAl合金皮膜が形成された、本発
明供試材および比較用供試材を調製し、溶接性、化成処
理性および耐食性について試験した。皮膜の形成方法
は、めっきまたはクラッド法で行なった。めっきはすべ
て真空蒸着法で行なった。また、形成された皮膜の厚さ
はすべて、表裏面で実質的に同一である。
−T4材の化学成分組成を有する板厚1.0 mmの冷延焼鈍
Al合金板の両面に、表5に示した皮膜の厚さ、並びにMg
およびCu含有量を有するAl合金皮膜が形成された、本発
明供試材および比較用供試材を調製し、溶接性、化成処
理性および耐食性について試験した。皮膜の形成方法
は、めっきまたはクラッド法で行なった。めっきはすべ
て真空蒸着法で行なった。また、形成された皮膜の厚さ
はすべて、表裏面で実質的に同一である。
【0035】
【表4】
【0036】
【表5】
【0037】実施例3の試験結果を、表5に併記した。
表5から下記事項が明らかである。即ち、比較用供試材
においては、皮膜の厚さ、皮膜のMg含有量およびCu含有
量のうち少なくとも1つが本発明の範囲外であったた
め、それに応じて試験結果の特性値が劣っていた。即
ち、皮膜の厚さが本発明の範囲を外れて薄い供試材NO.
31は溶接性に劣り、一方、皮膜の厚さが本発明の範囲を
外れて厚い供試材NO.311 、312 も溶接性に劣り、Mg含
有量が本発明の範囲を外れて高い供試材NO.313 、314
、318 も溶接性に劣り、そしてCu含有量が本発明の範
囲を外れて高い供試材NO.313 、315 〜318 は耐食性に
劣っていた。また、皮膜を形成させなかった供試材NO.
319 は、化成処理性、溶接性および耐食性のすべてにつ
いて劣っていた。これに対して、本発明供試材において
は、皮膜の形成方法によらず、皮膜の厚さ、皮膜のMg含
有量およびCu含有量のすべてについて本発明の範囲内で
あったため、すべての供試材が各特性について優れてい
た。特に、供試材NO.301 、302、306 は、被膜の厚さ
が0.5 〜10μm の範囲内にあったため、溶接性に優れて
いた。
表5から下記事項が明らかである。即ち、比較用供試材
においては、皮膜の厚さ、皮膜のMg含有量およびCu含有
量のうち少なくとも1つが本発明の範囲外であったた
め、それに応じて試験結果の特性値が劣っていた。即
ち、皮膜の厚さが本発明の範囲を外れて薄い供試材NO.
31は溶接性に劣り、一方、皮膜の厚さが本発明の範囲を
外れて厚い供試材NO.311 、312 も溶接性に劣り、Mg含
有量が本発明の範囲を外れて高い供試材NO.313 、314
、318 も溶接性に劣り、そしてCu含有量が本発明の範
囲を外れて高い供試材NO.313 、315 〜318 は耐食性に
劣っていた。また、皮膜を形成させなかった供試材NO.
319 は、化成処理性、溶接性および耐食性のすべてにつ
いて劣っていた。これに対して、本発明供試材において
は、皮膜の形成方法によらず、皮膜の厚さ、皮膜のMg含
有量およびCu含有量のすべてについて本発明の範囲内で
あったため、すべての供試材が各特性について優れてい
た。特に、供試材NO.301 、302、306 は、被膜の厚さ
が0.5 〜10μm の範囲内にあったため、溶接性に優れて
いた。
【0038】(実施例4)表6に示したJIS6262
−T4材の化学成分組成を有する板厚1.0 mmの冷延焼鈍
Al合金板の両面に、表7に示した皮膜の厚さ、並びにMg
およびCu含有量を有するAl合金皮膜が形成された、本発
明供試材および比較用供試材を調製し、溶接性、化成処
理性および耐食性について試験した。皮膜の形成方法
は、めっきまたはクラッド法で行なった。めっきはすべ
て真空蒸着法で行なった。また、形成された皮膜の厚さ
はすべて、表裏面で実質的に同一である。
−T4材の化学成分組成を有する板厚1.0 mmの冷延焼鈍
Al合金板の両面に、表7に示した皮膜の厚さ、並びにMg
およびCu含有量を有するAl合金皮膜が形成された、本発
明供試材および比較用供試材を調製し、溶接性、化成処
理性および耐食性について試験した。皮膜の形成方法
は、めっきまたはクラッド法で行なった。めっきはすべ
て真空蒸着法で行なった。また、形成された皮膜の厚さ
はすべて、表裏面で実質的に同一である。
【0039】
【表6】
【0040】
【表7】
【0041】実施例4の試験結果を、表7に併記した。
表7から下記事項が明らかである。即ち、比較用供試材
においては、皮膜の厚さ、皮膜のMg含有量およびCu含有
量のうち少なくとも1つが本発明の範囲外であったた
め、それに応じて試験結果の特性値が劣っていた。即
ち、皮膜の厚さが本発明の範囲を外れて薄い供試材NO.
415 は溶接性に劣り、一方、皮膜の厚さが本発明の範囲
を外れて厚い供試材NO.416 、420 も溶接性に劣り、Mg
含有量が本発明の範囲を外れて高い供試材NO.417 、41
8 、422 〜424 も溶接性に劣り、そしてCu含有量が本発
明の範囲を外れて高い供試材NO.419 、421 、423 〜42
5 は耐食性に劣っていた。また、皮膜を形成させなかっ
た供試材NO.426 は、化成処理性、溶接性および耐食性
のすべてについて劣っていた。これに対して、本発明供
試材においては、皮膜の形成方法によらず、皮膜の厚
さ、皮膜のMg含有量およびCu含有量のすべてについて本
発明の範囲内であったため、すべての供試材が各特性に
ついて優れていた。特に、供試材NO.401 、402は、被
膜の厚さが0.5 〜10μm の範囲内にあったため、溶接性
に優れていた。
表7から下記事項が明らかである。即ち、比較用供試材
においては、皮膜の厚さ、皮膜のMg含有量およびCu含有
量のうち少なくとも1つが本発明の範囲外であったた
め、それに応じて試験結果の特性値が劣っていた。即
ち、皮膜の厚さが本発明の範囲を外れて薄い供試材NO.
415 は溶接性に劣り、一方、皮膜の厚さが本発明の範囲
を外れて厚い供試材NO.416 、420 も溶接性に劣り、Mg
含有量が本発明の範囲を外れて高い供試材NO.417 、41
8 、422 〜424 も溶接性に劣り、そしてCu含有量が本発
明の範囲を外れて高い供試材NO.419 、421 、423 〜42
5 は耐食性に劣っていた。また、皮膜を形成させなかっ
た供試材NO.426 は、化成処理性、溶接性および耐食性
のすべてについて劣っていた。これに対して、本発明供
試材においては、皮膜の形成方法によらず、皮膜の厚
さ、皮膜のMg含有量およびCu含有量のすべてについて本
発明の範囲内であったため、すべての供試材が各特性に
ついて優れていた。特に、供試材NO.401 、402は、被
膜の厚さが0.5 〜10μm の範囲内にあったため、溶接性
に優れていた。
【0042】(実施例5)Al−5Mg−0.4Cuの
化学成分組成を有する板厚1.0 mmの冷延焼鈍Al合金板の
両面に、表8に示した皮膜の厚さ、並びにMgおよびCu含
有量を有するAl合金皮膜が形成された、本発明供試材お
よび比較用供試材を調製し、溶接性、化成処理性および
耐食性について試験した。皮膜の形成方法は、すべて真
空蒸着法で行なった。なお、皮膜の厚さは表8に示した
ように、表面より裏面を薄くした。そして、板の表面を
電極との接触面とし、裏面を溶接面として溶接した。
化学成分組成を有する板厚1.0 mmの冷延焼鈍Al合金板の
両面に、表8に示した皮膜の厚さ、並びにMgおよびCu含
有量を有するAl合金皮膜が形成された、本発明供試材お
よび比較用供試材を調製し、溶接性、化成処理性および
耐食性について試験した。皮膜の形成方法は、すべて真
空蒸着法で行なった。なお、皮膜の厚さは表8に示した
ように、表面より裏面を薄くした。そして、板の表面を
電極との接触面とし、裏面を溶接面として溶接した。
【0043】
【表8】
【0044】実施例5の試験結果を、表8に併記した。
比較用供試材である供試材NO.506 、507 においては、
溶接電極が接触する板の表面には本発明の範囲内の皮膜
が形成されているが、一方、溶接面である板の裏面の皮
膜は本発明の範囲外の薄いものであるため、耐食性が劣
っている。これに対して、本発明供試材においては、皮
膜の厚さ、皮膜のMg含有量およびCu含有量のすべてにつ
いて本発明の範囲内であったため、すべての供試材が各
特性について優れていた。特に、供試材NO.502 、503
、504 、505 は、被膜の厚さが0.5 〜10μm の範囲内
にあったため、溶接性に優れていた。
比較用供試材である供試材NO.506 、507 においては、
溶接電極が接触する板の表面には本発明の範囲内の皮膜
が形成されているが、一方、溶接面である板の裏面の皮
膜は本発明の範囲外の薄いものであるため、耐食性が劣
っている。これに対して、本発明供試材においては、皮
膜の厚さ、皮膜のMg含有量およびCu含有量のすべてにつ
いて本発明の範囲内であったため、すべての供試材が各
特性について優れていた。特に、供試材NO.502 、503
、504 、505 は、被膜の厚さが0.5 〜10μm の範囲内
にあったため、溶接性に優れていた。
【0045】更に、上記実施例1〜5の結果より、本発
明の範囲内のAl合金被覆が形成された場合、皮膜が形成
される母材合金の化学成分組成については、Mgを1.0 w
t.%超含有する、Al−Mg系合金板またはAl−Mg−Si系合
金板であれば、化成処理性、溶接性および耐食性のすべ
てについて優れていることが明らかとなった。
明の範囲内のAl合金被覆が形成された場合、皮膜が形成
される母材合金の化学成分組成については、Mgを1.0 w
t.%超含有する、Al−Mg系合金板またはAl−Mg−Si系合
金板であれば、化成処理性、溶接性および耐食性のすべ
てについて優れていることが明らかとなった。
【0046】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
Mgを1.0 wt.%超含有する成形性の良好なAl合金板の両面
に、所定厚さの所定成分組成のAl合金皮膜を形成するよ
うにしたので、製造過程における板表裏面へのMgO 主体
の厚い酸化膜生成が抑制され、特に、製品の製造におい
て使用部位が制約されることのない、溶接性および化成
処理性に優れたアルミニウム合金被覆板を提供すること
ができる、工業上、極めて有用な効果がもたらされる。
Mgを1.0 wt.%超含有する成形性の良好なAl合金板の両面
に、所定厚さの所定成分組成のAl合金皮膜を形成するよ
うにしたので、製造過程における板表裏面へのMgO 主体
の厚い酸化膜生成が抑制され、特に、製品の製造におい
て使用部位が制約されることのない、溶接性および化成
処理性に優れたアルミニウム合金被覆板を提供すること
ができる、工業上、極めて有用な効果がもたらされる。
フロントページの続き (72)発明者 麻野 雅三 東京都港区芝二丁目3番3号 三菱アルミ ニウム株式会社内 (72)発明者 谷川 久男 東京都港区芝二丁目3番3号 三菱アルミ ニウム株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 Mgを1.0 wt.%超含有する、Al−Mg系合金
板またはAl−Mg−Si系合金板と、前記合金板の両面に形
成されたAl合金皮膜とからなり、前記皮膜は、実質的
に、Mgを0.1 〜1.0 wt.%の範囲内、およびCuを0.03〜0.
45wt.%の範囲内で含有し、残部はAlからなっており、そ
して、その厚さは、0.5 〜200 μm の範囲内であること
を特徴とする、溶接性および化成処理性に優れたアルミ
ニウム合金被覆板。 - 【請求項2】 前記皮膜の少なくとも一方の面の厚さ
は、0.5 〜10μm の範囲内である、請求項1記載の溶接
性および化成処理性に優れたアルミニウム合金被覆板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9363694A JPH07278711A (ja) | 1994-04-06 | 1994-04-06 | 溶接性および化成処理性に優れたアルミニウム合金被覆板 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9363694A JPH07278711A (ja) | 1994-04-06 | 1994-04-06 | 溶接性および化成処理性に優れたアルミニウム合金被覆板 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07278711A true JPH07278711A (ja) | 1995-10-24 |
Family
ID=14087837
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9363694A Pending JPH07278711A (ja) | 1994-04-06 | 1994-04-06 | 溶接性および化成処理性に優れたアルミニウム合金被覆板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07278711A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009535508A (ja) * | 2006-05-02 | 2009-10-01 | アレリス、アルミナム、デュッフェル、ベスローテン、フェンノートシャップ、メット、ベペルクテ、アーンスプラケレイクヘイト | アルミニウム複合シート材料 |
| US8968882B2 (en) | 2006-05-02 | 2015-03-03 | Aleris Aluminum Duffel Bvba | Clad sheet product |
| KR20210111283A (ko) * | 2019-03-13 | 2021-09-10 | 노벨리스 인크. | 시효-경화성 및 고 성형성 알루미늄 합금, 이로 제조된 모놀리식 시트 및 이를 포함하는 클래드 알루미늄 합금 제품 |
-
1994
- 1994-04-06 JP JP9363694A patent/JPH07278711A/ja active Pending
Cited By (10)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009535508A (ja) * | 2006-05-02 | 2009-10-01 | アレリス、アルミナム、デュッフェル、ベスローテン、フェンノートシャップ、メット、ベペルクテ、アーンスプラケレイクヘイト | アルミニウム複合シート材料 |
| JP2009535509A (ja) * | 2006-05-02 | 2009-10-01 | アレリス、アルミナム、デュッフェル、ベスローテン、フェンノートシャップ、メット、ベペルクテ、アーンスプラケレイクヘイト | アルミニウム複合シート材料 |
| KR101374453B1 (ko) * | 2006-05-02 | 2014-03-17 | 알레리스 알루미늄 듀펠 베뷔베아 | 알루미늄 복합 시트 재료 |
| KR101439559B1 (ko) * | 2006-05-02 | 2014-09-11 | 알레리스 알루미늄 듀펠 베뷔베아 | 알루미늄 복합 시트 재료 |
| US8968882B2 (en) | 2006-05-02 | 2015-03-03 | Aleris Aluminum Duffel Bvba | Clad sheet product |
| KR20210111283A (ko) * | 2019-03-13 | 2021-09-10 | 노벨리스 인크. | 시효-경화성 및 고 성형성 알루미늄 합금, 이로 제조된 모놀리식 시트 및 이를 포함하는 클래드 알루미늄 합금 제품 |
| JP2022520362A (ja) * | 2019-03-13 | 2022-03-30 | ノベリス・インコーポレイテッド | 時効硬化性及び高成形性のアルミニウム合金、それから作製されたモノリシックシート及びそれを含むアルミニウム合金製造物 |
| JP2023123593A (ja) * | 2019-03-13 | 2023-09-05 | ノベリス・インコーポレイテッド | 時効硬化性及び高成形性のアルミニウム合金、それから作製されたモノリシックシート及びそれを含むアルミニウム合金製造物 |
| US11932924B2 (en) | 2019-03-13 | 2024-03-19 | Novelis, Inc. | Age-hardenable and highly formable aluminum alloys and methods of making the same |
| US12247271B2 (en) | 2019-03-13 | 2025-03-11 | Novelis Inc. | Age-hardenable and highly formable aluminum alloys and methods of making the same |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| EP0489427A1 (en) | Surface-coated aluminum material | |
| JP2762773B2 (ja) | AlまたはAl合金板およびその製造法 | |
| JPH07278711A (ja) | 溶接性および化成処理性に優れたアルミニウム合金被覆板 | |
| JP2936651B2 (ja) | スポット溶接性に優れた亜鉛系めっき複層鋼板 | |
| JP3843042B2 (ja) | 抵抗溶接性に優れたアルミニウムめっき鋼板とこれを用いた加工部品 | |
| EP0500015B1 (en) | Use of plated aluminum sheet having improved spot weldability | |
| JPH05305456A (ja) | 連続打点性に優れたスポット溶接用電極 | |
| JP2004002931A (ja) | 抵抗溶接性に優れたアルミニウムめっき鋼板とこれを用いた加工部品 | |
| JPH0673592A (ja) | 抵抗溶接性に優れたZn−Fe系合金めっきAl合金板 | |
| JP2665298B2 (ja) | スポット溶接性に優れた表面処理アルミニウム板 | |
| JP3333423B2 (ja) | 樹脂被覆アルミ系めっき鋼板製燃料タンクのシーム溶接方法 | |
| JP2004002933A (ja) | 抵抗溶接性に優れたアルミニウムめっき鋼板とアルミニウムめっき鋼板を用いた加工部品 | |
| JP2706597B2 (ja) | スポット溶接性に優れた積層めっきアルミニウム板 | |
| JP3191648B2 (ja) | 亜鉛系メッキ鋼板の製造方法 | |
| JPH0790606A (ja) | スポット抵抗溶接性および耐食性に優れた有機被覆アルミニウム合金板およびこれを用いたスポット抵抗溶接法 | |
| JP3111888B2 (ja) | 亜鉛系メッキ鋼板の製造方法 | |
| JPH0673483A (ja) | 溶接性に優れたアルミニウム合金板 | |
| JP2723347B2 (ja) | 溶接缶用表面処理鋼板 | |
| JPS6350431B2 (ja) | ||
| JPS60187482A (ja) | スポツト溶接用電極チツプ | |
| JPH0688287A (ja) | 抵抗溶接性に優れたZn−Fe合金めっきAl合金板 | |
| JP2959026B2 (ja) | 溶接缶用極薄Snめっき鋼板及びその製造方法 | |
| JPH05287595A (ja) | 抵抗溶接性に優れたZn系分散めっきAl合金板 | |
| JPH09143792A (ja) | 亜鉛系メッキ鋼板の製造方法 | |
| JPH07157883A (ja) | スポット溶接用Al系めっき鋼板 |