JPH07278730A - 延性および靭性の優れた引張強度が1080〜1450MPaの電縫鋼管およびその製造方法 - Google Patents

延性および靭性の優れた引張強度が1080〜1450MPaの電縫鋼管およびその製造方法

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JPH07278730A
JPH07278730A JP6747794A JP6747794A JPH07278730A JP H07278730 A JPH07278730 A JP H07278730A JP 6747794 A JP6747794 A JP 6747794A JP 6747794 A JP6747794 A JP 6747794A JP H07278730 A JPH07278730 A JP H07278730A
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electric resistance
toughness
steel pipe
resistance welded
ductility
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Yasuo Kimiya
康雄 木宮
Daigo Sumimoto
大吾 住本
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は高寸法精度で、溶接時の熱影響部が
軟化しにくく、優れた延性および靭性が求められる部
品、例えばプロペラシャフトのような各種のシャフト類
等に用いられる経済的な高精度高強度電縫鋼管に関す
る。 【構成】 成分組成が重量でC:0.15〜0.25
%、Si:0.71〜2.00%、Mn:1.8〜2.
5%、P:0.005〜0.020%、S:0.000
5〜0.006%、Al:0.001〜0.08%、T
i:0.01〜0.05%、B:0.0010〜0.0
030%、N:0.002〜0.005%、Mo:0.
1〜1.0%、Nb:0.05%以下を含有し、残部F
eおよび不可避的元素よりなる熱延コイルを電縫造管
し、焼準することを特徴とする延性および靭性の優れた
引張強度が1080〜1450Mpa の電縫鋼管およびそ
の製造方法。 【効果】 高強度であり、かつ溶接時の耐HAZ(熱影
響部)軟化性を有し、従来技術よりも、更に延性および
靭性の優れた経済的な電縫鋼管が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高寸法精度で、溶接時の
熱影響部が軟化しにくく、優れた強度−延性バランスお
よび靭性が求められる部品、例えばプロペラシャフトの
ような各種シャフト類、自転車のフレーム、自動車のド
ア補強材等に用いられる経済的な高精度高強度電縫鋼管
およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車、産業機械、自転車等の構造部材
については、徹底した軽量化、高機能化が検討されてお
り、高精度化および高強度化により薄肉化を図ってい
る。例えば自動車のプロペラシャフト用高強度電縫鋼管
については住友金属 Vol.43−3(1991)P44
〜P60に示されるように、材料の成分と冷間圧延等を
組み合わせて引張強度780MPa 級で、外径精度±0.
18mm、肉厚精度±0.10mmの高精度鋼管を得てい
る。しかし、この方法は、電縫溶接まま、又は引き続き
焼鈍を行なうものであり、まだ電縫溶接時の熱影響組織
が残っている。そのため、電縫溶接部の靭性は不十分で
ある。
【0003】又、自転車用フレームには主としてCr−
Mo系の引張強度800MPa 級が使用されており、更に
高強度化を図るため、特願昭62−503103号のよ
うに構造用繊維を入れた樹脂を使用している例も開示さ
れているが非常に高価である。又、自転車用ドア補強材
については、特開平3−140441号公報を始め、多
くの特許が開示されているが、いずれも強度と延性のバ
ランスについては明らかでない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、部品の軽量
化および高性能化を目的に、強度が1080〜1450
MPa の高強度であり、かつ溶接時の耐HAZ(熱影響
部)軟化性を有し、従来技術よりも、更に高精度で延性
および靭性の優れた経済的な電縫鋼管およびその製造方
法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは下記のとおりである。 (1)成分組成が重量でC:0.15〜0.25%、S
i:0.71〜2.00%、Mn:1.8〜2.5%、
P:0.005〜0.020%、S:0.0005〜
0.006%、Al:0.001〜0.08%、Ti:
0.01〜0.05%、B:0.0010〜0.003
0%、N:0.002〜0.005%、Mo:0.1〜
1.0%、Nb:0.05%以下を含有し、残部Feお
よび不可避的元素よりなる熱延コイルを電縫造管し、焼
準することを特徴とする延性および靭性の優れた引張強
度が1080〜1450Mpa の電縫鋼管の製造方法。
【0006】(2)成分組成が重量でC:0.15〜
0.25%、Si:0.71〜2.00%、Mn:1.8
〜2.5%、P:0.005〜0.020%、S:0.
0005〜0.006%、Al:0.001〜0.08
%、Ti:0.01〜0.05%、B:0.0010〜
0.0030%、N:0.002〜0.005%、M
o:0.1〜1.0%、Nb:0.05%以下を含有
し、更に、Cr:0.2〜1.0%、V:0.1%以下
のうちの1種以上を含有し、残部Feおよび不可避的元
素よりなる熱延コイルを電縫造管し、焼準することを特
徴とする延性および靭性の優れた引張強度が1080〜
1450Mpa の電縫鋼管の製造方法。
【0007】(3)(1)又は(2)の電縫鋼管におい
て、引き続き、伸管を行なうことを特徴とする高寸法精
度で、延性および靭性の優れた引張強度が1080〜1
450MPa の電縫鋼管の製造方法。 (4)(3)の電縫鋼管において、引き続き、焼鈍又は
焼準を行なうことを特徴とする高寸法精度で、延性およ
び靭性の優れた引張強度が1080〜1450MPa の電
縫鋼管の製造方法。 (5)(1)又は(2)の熱延コイルを電縫造管し、焼
鈍後に伸管、引き続き、焼準を行なうことを特徴とする
延性および靭性の優れた引張強度が1080〜1450
MPa の電縫鋼管の製造方法。
【0008】(6)成分組成が重量でC:0.15〜
0.25%、Si:0.71〜2.00%、Mn:1.8
〜2.5%、P:0.005〜0.020%、S:0.
0005〜0.006%、Al:0.001〜0.08
%、Ti:0.01〜0.05%、B:0.0010〜
0.0030%、N:0.002〜0.005%、M
o:0.1〜1.0%、Nb:0.05%以下を含有
し、残部Feおよび不可避的元素よりなり、ミクロ組織
が電縫溶接部と母材部で同じベイナイト主体であること
を特徴とする延性および靭性の優れた引張強度が108
0〜1450Mpa の電縫鋼管。
【0009】(7)成分組成が重量でC:0.15〜
0.25%、Si:0.71〜2.00%、Mn:1.8
〜2.5%、P:0.005〜0.020%、S:0.
0005〜0.006%、Al:0.001〜0.08
%、Ti:0.01〜0.05%、B:0.0010〜
0.0030%、N:0.002〜0.005%、M
o:0.1〜1.0%、Nb:0.05%以下を含有
し、更に、Cr:0.2〜1.0%、V:0.1%以下
のうちの1種以上を含有し、残部Feおよび不可避的元
素よりなり、ミクロ組織が電縫溶接部と母材部で同じベ
イナイト主体であることを特徴とする延性および靭性の
優れた引張強度が1080〜1450Mpa の電縫鋼管。
【0010】(8)成分組成が重量でC:0.15〜
0.25%、Si:0.71〜2.00%、Mn:1.8
〜2.5%、P:0.005〜0.020%、S:0.
0005〜0.006%、Al:0.001〜0.08
%、Ti:0.01〜0.05%、B:0.0010〜
0.0030%、N:0.002〜0.005%、M
o:0.1〜1.0%、Nb:0.05%以下を含有
し、残部Feおよび不可避的元素よりなり、ミクロ組織
が電縫溶接部と母材部で同じベイナイト主体であり、外
径精度が±0.10mmで肉厚精度が±0.05mmを満足
することを特徴とする延性および靭性の優れた引張強度
が1080〜1450Mpa の電縫鋼管。
【0011】(9)成分組成が重量でC:0.15〜
0.25%、Si:0.71〜2.00%、Mn:1.8
〜2.5%、P:0.005〜0.020%、S:0.
0005〜0.006%、Al:0.001〜0.08
%、Ti:0.01〜0.05%、B:0.0010〜
0.0030%、N:0.002〜0.005%、M
o:0.1〜1.0%、Nb:0.05%以下を含有
し、更に、Cr:0.2〜1.0%、V:0.1%以下
のうちの1種以上を含有し、残部Feおよび不可避的元
素よりなり、ミクロ組織が電縫溶接部と母材部で同じベ
イナイト主体であり、外径精度が±0.10mmで肉厚精
度が±0.05mmを満足することを特徴とする延性およ
び靭性の優れた引張強度が1080〜1450Mpa の電
縫鋼管。
【0012】以下に本発明を詳細に説明する。最初に本
発明に使用する鋼板の成分について限定理由を説明す
る。C量は少なければ延性が良好であり、加工性に優れ
ているが、所要の強度が得られないことから下限を0.
15%とした。又、0.25%を超えると、部品として
使用する場合のTIG溶接等の溶接時に熱影響部が硬化
し、靭性の低下が懸念されることから、上限を0.25
%とした。Siはキルド鋼の脱酸材として有効であり、
特に本発明においては、延性を確保するためには必要で
あり、下限を0.71%とした。又、2.00%を超え
ると電縫溶接性および靭性が悪化するため、2.00%
を上限とした。
【0013】Mnは強度と延性のバランスがよく、強度
を上げ、伸びを確保するためには最低1.8%以上必要
である。又2.5%を超えると転炉での溶製が極めて困
難になることから、下限を1.8%、上限を2.5%と
した。Pは製鋼時不可避的に混入する元素であるが、
0.005%未満にすることは製鋼技術上難しく、0.
020%を超えると特に超高張力鋼管の電縫溶接時に溶
接部割を発生し易いため、下限を0.005%、上限を
0.020%とした。SもP同様製鋼時不可避的に混入
する元素であり、0.0005%未満にすることは製鋼
技術上難しく、0.0060%を超えると電縫溶接時に
溶接部割を発生し易いため、下限を0.0005%、上
限を0.0060%とした。Sによる電縫溶接時の割を
更に抑制するには、MnSを形態制御する元素であるC
aを添加してもよい。
【0014】Alはキルド鋼の場合、0.001%未満
に抑えることは製鋼技術上難しく、又、0.08%を超
えると鋳片の割れ、酸化物系巨大介在物形成による内質
欠陥等をひきおこし易いため、下限を0.001%、上
限を0.08%とした。Nは製鋼時不可避的に混入する
元素であるが、0.002%未満に抑えることは製鋼技
術上難しく、0.005%を超えるとTi,Bの強度上
昇効果を阻害して強度不足をひきおこすため、下限を
0.002%、上限を0.005%とした。Moはフェ
ライト変態を抑制し、細粒化に効果があり、析出強化す
る特徴を有し、造管後の熱処理により一部マルテンサイ
トを含むベイナイト組織を得て、強度および靭性を上げ
るのに有効であるため、0.1%以上を含有させる。し
かし、1.0%を超えて添加しても効果の向上が少な
く、延性の劣化を招くことから、下限を0.1%、上限
を1.0%とした。
【0015】TiはMoと同様に熱間圧延での未再結晶
γ域を広げるために細粒化に効果があり、析出強化し、
鋼材の強度を上昇させる元素であり、超高張力電縫鋼管
の製造に有効であるため、0.01%以上を含有させ
る。しかし、0.05%を超えると延靭性を害するので
下限は0.01%、上限を0.05%とした。Bは冷却
過程においてフェライト変態を遅らせて高強度変態組織
を得るために必須の元素であるが、本発明鋼の成分組成
においても0.001%未満では強度不足となり、0.
003%を超えると延靭性が著しく低下するため、下限
を0.001%、上限を0.003%とした。
【0016】NbはTiと同様な効果があり、継ぎ手溶
接時の熱影響部の軟化を防止する効果があるため、含有
させる。しかし、0.05%以上を含有しても効果は飽
和し、かえって靭性を悪化させるので、上限を0.05
%とした。Cr,Vは必要により1種以上を含有してよ
い。個々の成分の限定理由を下記に示す。Crの含有
は、ERW造管でCrの酸化物による溶接欠陥が発生し
易くなり、面倒な不活性ガスシール溶接が必要である。
従って、望ましくは含有しない方がよい。しかし、不活
性ガスシール技術が確立している場合は、Crは比較的
経済的な成分であり、フェライトの生成を抑制し、造管
後の焼準により一部マルテンサイトを含むベイナイト組
織を得て、強度を上げるのに有効であるため、0.2%
以上を含有させる。しかし、1.0%以上を含むと溶接
部の靭性が悪化するため、下限を0.2%、上限を1.
0%とした。Vは析出物の生成を通じて電縫鋼管の強度
を向上し、継ぎ手溶接部の軟化防止に効果があり含有さ
せる。しかし、0.10%を超えて含有させると電縫溶
接部の靭性を悪化させるので、上限を0.10%とし
た。
【0017】次に製造工程について説明する。本発明の
製造工程を図1〜図4に示す。請求項1,2,6および
7は図1の工程で、請求項3は図2の工程で、請求項4
は図3の工程で、請求項5は図4の工程で、請求項8,
9は図2〜図4の工程で製造する。図2〜図4の伸管お
よび焼鈍は伸管の加工率に応じて数回繰り返してもよ
い。本発明に従い、上記成分の鋼を熱間板厚圧延(以下
熱延と称する)時に1150℃以上に加熱し、950℃
以下Ar3 変態点以上で仕上圧延を終了することが望ま
しい。1150℃以上に加熱するのはTiの固溶を十分
に行なうためである。
【0018】上記成分の鋼を熱延時に950℃以下Ar
3 変態点以上で仕上圧延を終了することが望ましい。こ
れは、特に靭性の改善が望まれる場合、および低強度の
鋼板を得て造管を容易にする場合に必要である。950
℃超では未再結晶域での圧延が存在しないため強度・延
靭性が劣化し、Ar3 変態点未満では2相域圧延によっ
て強度は上昇するが延靭性が著しく低下する。よって上
記成分の鋼を熱延時に950℃以下Ar3 変態点以上で
仕上圧延を終了し、引き続き本発明の条件で巻取ること
によって、後工程での製造が容易な低強度で延性の優れ
た材質とすることができる。
【0019】巻取温度は400℃以上で巻取れば焼入れ
されず、造管に必要な延性が確保できるが、製造の温度
ばらつきを考慮して450℃以上が望ましい。又Mo,
Tiの析出強化は約600℃で最大になり、巻取温度は
600℃以上で巻取れば、コイル内の冷却速度は炉冷に
近いため、Mo等の析出は過時効し、フェライトが析出
して比較的に低強度で延性のある鋼板を製造できる。し
かし、2相域になると強度の変動が大きくなるので上限
は700℃が望ましい。このように製造された鋼板は電
縫管に造管するに十分な延性を有する。なお、図1〜図
4は熱延後に酸洗工程が入ってないが、製品の肌の改善
には有効であるので用途によっては実施してもよい。
【0020】本発明では少なくとも1回以上の焼準を行
なう。焼準を行なう理由は下記による。電縫溶接部は急
冷され、マルテンサイト組織になり、Mn,P,S等が
オーステナイト粒界に偏析したまま固溶されているの
で、靭性が悪い。又、これを冷間伸管すると、加工歪の
影響を受けて延性および靭性を大幅に低下させるので問
題である。これを改善するためには一旦オーステナイト
にする焼準が必要である。又、焼準はマルテンサイト組
織になった溶接部と母材部の組織を均一なベイナイト組
織主体の組織にし、約70%の低降伏比を得て、延性が
大きく、加工硬化が大きい高強度鋼管を得るためにも行
なう。
【0021】焼準は、Ac3 点以上に加熱してオーステ
ナイト化した後に空冷並の冷却で、一部フェライトおよ
びマルテンサイトを含むベイナイト主体の組織とし、伸
管に十分な伸びの回復と伸管による加工硬化代を大きく
し強度上昇を図る。焼準温度は温度のばらつきを考慮し
てAc3 +20℃以上とし、上限は細粒を保ち強度延性
のバランスを確保するため、Ac3 +70℃以下が望ま
しい。又、ここでの空冷は200℃までの冷却速度が1
0〜150℃/分の範囲である。請求項1,2および請
求項7,8は、電縫溶接部の靭性改善のために電縫造管
後に焼準を行なう。
【0022】請求項3〜請求項5および請求項8,9
は、特別の高精度鋼管を得るために伸管を行なう。伸管
する場合は、焼準しない場合は、更に延性および靭性が
劣化するため、焼準工程が必須である。請求項3は伸管
の加工率が小さく、伸管ままで必要な延性、靭性が確保
できる場合の製造工程で図2のように焼準後伸管加工ま
まで製品となる。電縫造管後の素管熱処理は造管時の冷
間加工による加工歪を除去し、電縫溶接部の焼入れ硬化
部を軟化し、伸管のための延性および靭性を改善するた
めであるが、図2の場合の素管熱処理は、伸管後に熱処
理がないため、焼準を行なう。
【0023】請求項4は伸管の加工率が大きく、伸管ま
まで必要な延性および靭性の確保が困難な場合で、図3
に示すように、伸管後に最終熱処理として焼鈍又は焼準
を行ない、延性および靭性の回復を行なう。素管熱処理
は焼準を行なう。最終熱処理に焼鈍を行なう方法は、延
性および靭性が回復するとともにMo,Tiが析出し、
降伏比が90%以上の高強度鋼管が得られるため、最終
製品の強度を焼鈍温度により調整できる利点がある。
【0024】請求項5は、図4に示すように、造管後に
焼鈍を行ない、伸管後に焼準が行なう。造管後に焼鈍を
行なうと、焼鈍の温度は500℃以上であれば伸管のた
めの延性および靭性の十分な回復が得られ、特に650
〜約730℃のAc1 点までは強度の低下が大きく、延
性が大きくなるので加工が容易になり、望ましい。本発
明の材料は焼鈍の場合が焼準より軟らかくできるので伸
管加工率が大きく何回も伸管する場合はこの方法が伸管
し易く適している。伸管はダイスとプラグを用いた冷間
引抜きで行なう。伸管後には焼準を行なう。
【0025】
【実施例】表1に、サイズφ42.7×t3.0mmの電
縫鋼管を従来法および本発明法により製造した条件およ
び結果を示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】ここでの冷間伸管はダイスおよびプラグを
用いて丸断面形状に伸管を行なった。冷間伸管率は、伸
管前後の管断面積の減少率を示す。強度および伸びは引
張試験結果であり、電縫溶接部の延性破面率は、−40
℃でのシャルピー試験結果である。溶接部のHAZ(熱
影響部)組織の有無は最終製品でのミクロ組織で判定し
た。
【0029】本発明では1080〜1450MPa の強度
を達成でき、強度−伸びバランスを示す強度×伸びが従
来材よりも大幅に改善されている。従って同じ強度であ
れば、従来材よりも延性が優れていることを示す。これ
は主としてSiとMnの効果が大きい。又、本発明によ
れば、造管後に焼準の熱処理を加えることによって母材
部と電縫溶接部のミクロ組織が均一(HAZがない)で
ベイナイト組織主体となっている。そのため、特に、溶
接部の延性破面率から分かるように電縫溶接部の靭性が
優れた超高張力電縫鋼管を得ることができる。
【0030】図5は、従来法No.3と本発明法No.5の
電縫溶接部の外面側ミクロ組織の差を示す。従来法は、
電縫溶接時の熱影響部(HAZ)組織が存在している
が、本発明法では熱影響部は認められず、均一である。
本発明の最終製品をアーク溶接した場合、溶接は良好で
あり、熱影響部の最軟化部の強度低下は約20MPa 以下
で従来材以上である。熱処理後に更に冷間伸管加工を付
加することにより、寸法精度は外径±0.15mm、肉厚
±0.05mmを達成できる。又、各種寸法を冷間伸管で
容易に製造できるため、小ロット対応が可能であり、経
済的である。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、1080〜1450MP
a の強度を達成でき、しかも強度×伸び値が16000
MPa*%に大幅に改善できる。焼準を行なうため、母材
部と電縫溶接部が均一なベイナイト主体のミクロ組織に
なり、特に電縫溶接部の靭性が優れた超高張力電縫鋼管
を得ることができる。又、アーク溶接した場合溶接は良
好であり、熱影響部の軟化程度も従来材と同等以上であ
る。
【0032】更に冷間伸管加工を付加することにより、
寸法精度は外径±0.15mm、肉厚±0.05mmを達成
でき、各種寸法を容易に製造できるため、小ロット対応
が可能であり、経済的である。又、必要に応じて、熱間
板厚圧延における仕上圧延温度および巻取温度を適正に
制御することにより、低強度で延性の優れた素材鋼板を
製造して造管を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1,2および請求項6,7に記
載の方法の製造工程図。
【図2】請求項3および請求項8,9に記載の方法の製
造工程図。
【図3】請求項4および請求項8,9に記載の方法の製
造工程図。
【図4】請求項5および請求項8,9に記載の方法の製
造工程を示す図。
【図5】(a)は従来法No.3、(b)は本発明法No.
5の電縫溶接部の外面側ミクロの金属組織の差を示す顕
微鏡写真である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量で C :0.15〜0.25%、 Si:0.71〜2.00%、 Mn:1.8〜2.5%、 P :0.005〜0.020%、 S :0.0005〜0.006%、 Al:0.001〜0.08%、 Ti:0.01〜0.05%、 B :0.0010〜0.0030%、 N :0.002〜0.005%、 Mo:0.1〜1.0%、 Nb:0.05%以下 残部Feおよび不可避的元素よりなる熱延コイルを電縫
    造管し、焼準することを特徴とする延性および靭性の優
    れた引張強度が1080〜1450Mpa の電縫鋼管の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 重量で C :0.15〜0.25%、 Si:0.71〜2.00%、 Mn:1.8〜2.5%、 P :0.005〜0.020%、 S :0.0005〜0.006%、 Al:0.001〜0.08%、 Ti:0.01〜0.05%、 B :0.0010〜0.0030%、 N :0.002〜0.005%、 Mo:0.1〜1.0%、 Nb:0.05%以下 を含有し、更に、 Cr:0.2〜1.0%、 V :0.1%以下のうちの1種以上を含有し、残部F
    eおよび不可避的元素よりなる熱延コイルを電縫造管
    し、焼準することを特徴とする延性および靭性の優れた
    引張強度が1080〜1450Mpa の電縫鋼管の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2の電縫鋼管の製造
    方法において、引き続き、伸管を行ない高寸法精度とす
    ることを特徴とする延性および靭性の優れた引張強度が
    1080〜1450MPa の電縫鋼管の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3の電縫鋼管の製造方法におい
    て、引き続き、焼鈍又は焼準を行ない高寸法精度とする
    ことを特徴とする延性および靭性の優れた引張強度が1
    080〜1450MPa の電縫鋼管の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1又は請求項2の熱延コイルを電
    縫造管し、焼鈍後に伸管、引き続き、焼準を行なうこと
    を特徴とする延性および靭性の優れた引張強度が108
    0〜1450MPa の電縫鋼管の製造方法。
  6. 【請求項6】 重量で C :0.15〜0.25%、 Si:0.71〜2.00%、 Mn:1.8〜2.5%、 P :0.005〜0.020%、 S :0.0005〜0.006%、 Al:0.001〜0.08%、 Ti:0.01〜0.05%、 B :0.0010〜0.0030%、 N :0.002〜0.005%、 Mo:0.1〜1.0%、 Nb:0.05%以下 残部Feおよび不可避的元素よりなり、ミクロ組織が電
    縫溶接部と母材部で同じベイナイト主体であることを特
    徴とする延性および靭性の優れた引張強度が1080〜
    1450Mpa の電縫鋼管。
  7. 【請求項7】 重量で C :0.15〜0.25%、 Si:0.71〜2.00%、 Mn:1.8〜2.5%、 P :0.005〜0.020%、 S :0.0005〜0.006%、 Al:0.001〜0.08%、 Ti:0.01〜0.05%、 B :0.0010〜0.0030%、 N :0.002〜0.005%、 Mo:0.1〜1.0%、 Nb:0.05%以下 を含有し、更に、 Cr:0.2〜1.0%、 V :0.1%以下のうちの1種以上を含有し、残部F
    eおよび不可避的元素よりなり、ミクロ組織が電縫溶接
    部と母材部で同じベイナイト主体であることを特徴とす
    る延性および靭性の優れた引張強度が1080〜145
    0Mpa の電縫鋼管。
  8. 【請求項8】 重量で C :0.15〜0.25%、 Si:0.71〜2.00%、 Mn:1.8〜2.5%、 P :0.005〜0.020%、 S :0.0005〜0.006%、 Al:0.001〜0.08%、 Ti:0.01〜0.05%、 B :0.0010〜0.0030%、 N :0.002〜0.005%、 Mo:0.1〜1.0%、 Nb:0.05%以下 残部Feおよび不可避的元素よりなり、ミクロ組織が電
    縫溶接部と母材部で同じベイナイト主体であり、外径精
    度が±0.10mmで肉厚精度が±0.05mmを満足する
    ことを特徴とする延性および靭性の優れた引張強度が1
    080〜1450Mpa の電縫鋼管。
  9. 【請求項9】 重量で C :0.15〜0.25%、 Si:0.71〜2.00%、 Mn:1.8〜2.5%、 P :0.005〜0.020%、 S :0.0005〜0.006%、 Al:0.001〜0.08%、 Ti:0.01〜0.05%、 B :0.0010〜0.0030%、 N :0.002〜0.005%、 Mo:0.1〜1.0%、 Nb:0.05%以下 を含有し、更に、 Cr:0.2〜1.0%、 V :0.1%以下のうちの1種以上を含有し、残部F
    eおよび不可避的元素よりなり、ミクロ組織が電縫溶接
    部と母材部で同じベイナイト主体であり、外径精度が±
    0.10mmで肉厚精度が±0.05mmを満足することを
    特徴とする延性および靭性の優れた引張強度が1080
    〜1450Mpa の電縫鋼管。
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