JPH07278844A - スポツト溶接性にすぐれる有機被覆防錆鋼板 - Google Patents

スポツト溶接性にすぐれる有機被覆防錆鋼板

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JPH07278844A
JPH07278844A JP7059694A JP7059694A JPH07278844A JP H07278844 A JPH07278844 A JP H07278844A JP 7059694 A JP7059694 A JP 7059694A JP 7059694 A JP7059694 A JP 7059694A JP H07278844 A JPH07278844 A JP H07278844A
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JP
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steel sheet
resin
organic
weight
parts
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JP7059694A
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Masatoshi Iwai
正敏 岩井
Masaichi Miki
政一 三木
Tomio Kajita
富男 梶田
Masahiko Yamaguchi
雅彦 山口
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C2222/00Aspects relating to chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive medium
    • C23C2222/20Use of solutions containing silanes

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  • Coating With Molten Metal (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Chemical Treatment Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】耐食性、電着塗装性及びプレス加工性を確保し
つつ、スポツト溶接性を改善した有機被覆防錆鋼板を提
供する。 【構成】亜鉛又は亜鉛系めつき鋼板上に、 (A)Si、Al、Zr、Mg及びCoよりなる群から
選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物を合計にて10
〜60mg/m2の範囲にて含むクロメート被膜をクロム付
着量として10〜100mg/m2の範囲にて第1層として
有し、その上に、 (B)有機樹脂と共に、(a) シランカツプリング剤、
(b) コロイダルシリカ、及び(c) Al、Ba、Ca、C
o、Mg及びZnよりなる群から選ばれる少なくとも1
種の元素のリン酸塩を含む樹脂被膜を0.1〜2g/m2
範囲にて第2層として有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スポツト溶接性にすぐ
れる有機被覆防錆鋼板に関し、詳しくは、スポツト溶接
性のほか、耐食性、加工性、塗装性等にもすぐれ、自動
車用車体、家庭用電気製品、建造物用壁体等に好適に用
いることができる有機被覆防錆鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車車体、家庭用電気製品、建
造物用壁体等において、耐食性の要求が厳しさを増して
おり、かくして、従来の冷延鋼板やめつき鋼板に代え
て、防食性に一層すぐれる表面処理鋼板が用いられるに
至つている。従来、このような表面処理鋼板として、亜
鉛めつき鋼板、Ni、Fe、Mn、Mo、Co、Al、
Cr等の金属又はその酸化物を1種又は2種以上含有す
る亜鉛若しくは亜鉛系めつき鋼板や、或いはこれら亜鉛
若しくは亜鉛系めつきを複層に施した多層めつき鋼板、
更には、これらめつき鋼板上にクロメート層及び有機樹
脂層を設けた有機被覆鋼板が開発されており、特に、自
動車車体に多量に用いられている。
【0003】しかし、これら従来の有機被覆鋼板は、自
動車車体やその他の用途において、防錆鋼板として要求
されているすべての特性を満たすものではなく、特に、
スポツト溶接性において、尚、不十分である。例えば、
特公昭45−24230号公報や特公昭47−6882
号公報等に記載されているジンクリツチ塗装鋼板は、電
着塗装は可能であるが、耐食性、プレス成形性、溶接性
等の点で十分でない。また、特公昭52−44569号
公報、特開昭58−138758号公報、特開昭51−
79138号公報等には、溶接性を改善するために、導
電性無機顔料を配合してなる樹脂塗装鋼板が記載されて
いる。このような樹脂塗装鋼板は、溶接性が改善されて
おり、また、耐食性にもすぐれるものの、樹脂被膜が比
較的粒径の大きい導電性顔料を有するので、表面の平滑
性に欠け、従つて、電着塗装を施した場合、塗膜表面に
凹凸が生じて、外観を著しく損なう。
【0004】他方、特開昭60−33192号公報、特
開昭58−224174号公報、特開昭60−1748
79号公報等には、導電性無機顔料を含まない膜厚0.3
〜3μmの有機複合シリケートからなる薄膜を施した有
機被覆鋼板が提案されている。このような有機複合シリ
ケート薄膜は、その上に電着塗装が可能であり、また、
耐食性、溶接性、プレス成形性等において改善がなされ
ているものの、依然として、電着塗膜表面に凹凸がみら
れる。
【0005】そこで、特開平4−197473号公報に
は、亜鉛系めつき層上に、第1層としてクロメート被膜
を施し、その上に第2層として、コロイダルシリカ又は
シランカツプリング剤と共に、種々のリン酸塩を配合し
た樹脂被膜を施してなり、電着塗装性や溶接性を改善し
た有機被覆鋼板が提案されているが、溶接性に尚、改善
の余地がある。
【0006】例えば、自動車車体の製造時、車体の素材
としては、主として、鋼製品が用いられており、そこ
で、その接合を行なうには、スポツト溶接が不可欠の手
段である。ここに、従来、自動車車体の溶接は、通常、
自動溶接ロボツトにて行なわれており、溶着の発生が大
きい問題とされている。ここに、溶着としては、従来よ
り、その解決が要望されている重度の溶着(以後、単
に、溶着という。)のみならず、有機被覆鋼板における
表面の樹脂被覆と溶接用チツプとの軽度の溶着が発生し
た場合にも、自動溶接ロボツトが作業を中断することか
ら、僅かな溶着(以後、軽溶着という。)も、その解決
が要望されている。
【0007】更に、従来の有機被覆防錆鋼板において
は、鋼板の表面に本来、絶縁性である有機樹脂被膜を施
すことによる外チリも問題となつている。外チリは、例
えば、鋼板の重ね合わせ部から発生する通常のチリ(以
後、チリという。)ではなく、鋼板表面と溶接用電極チ
ツプとの間から発生するものであり、スパークとも呼ば
れている。従来、このスパークについては、その発生機
構や防止方法等が何ら明らかでなく、従つて、その発生
を抑えることができない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の有機
被覆防錆鋼板における上記した種々の問題を解決するた
めになされたものであつて、耐食性、電着塗装性及びプ
レス加工性を確保しつつ、スポツト溶接性を改善した有
機被覆防錆鋼板を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によるスポツト溶
接性にすぐれる有機被覆防錆鋼板は、亜鉛又は亜鉛系め
つき鋼板上に、 (A)Si、Al、Zr、Mg及びCoよりなる群から
選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物を合計にて10
〜60mg/m2の範囲にて含むクロメート被膜をクロム付
着量として10〜100mg/m2の範囲にて第1層として
有し、その上に、 (B)有機樹脂と共に、(a) シランカツプリング剤、
(b) コロイダルシリカ、及び(c) Al、Ba、Ca、C
o、Mg及びZnよりなる群から選ばれる少なくとも1
種の元素のリン酸塩を含む樹脂被膜を0.1〜2g/m2
範囲にて第2層として有することを特徴とする。
【0010】本発明によるスポツト溶接性にすぐれる有
機被覆防錆鋼板は、亜鉛又は亜鉛系めつき鋼板上に、S
i、Al、Zr、Mg及びCoよりなる群から選ばれる
少なくとも1種の元素の酸化物(以下、無機酸化物とい
う。)を含むクロメート被膜を第1層として有する。こ
のようなクロメート被膜は、鋼板の耐食性と共に、鋼板
と樹脂被膜の間の密着性を向上させる。このようなクロ
メート被膜の効果は、亜鉛又は亜鉛系めつき鋼板上に形
成されるCr3+からなる無機高分子状被膜によるバリヤ
ー効果と、そのような無機高分子状被膜中に捕捉された
Cr6+による自己修復機能によると考えられる。
【0011】本発明においては、このようなクロメート
被膜は、クロム付着量として、付着量が10〜100mg
/m2の範囲であることが好ましい。クロメート被膜の付
着量がクロム付着量として10mg/m2よりも少ないとき
は、クロメート被膜による鋼板の耐食性の向上が十分で
なく、他方、100mg/m2を越えるときは、クロメート
被膜中のCr6+量が増加するので、有機被覆防錆鋼板の
取扱い時に環境にCr 6+が溶出し、環境汚染を引き起こ
すおそれがある。特に、好ましくは、クロメート被膜の
付着量は、クロム付着量にて、20〜80mg/m2の範囲
である。
【0012】本発明においては、クロメート被膜は、S
i、Al、Zr、Mg及びCoよりなる群から選ばれる
少なくとも1種の元素の無機酸化物を含み、これら無機
酸化物によつて、鋼板の耐食性及び溶接性を向上させ
る。その理由は、必ずしも明らかではないが、無機高分
子被膜であるクロメート被膜中にこれら無機酸化物が組
み込まれることによつて、腐食を促進する物質である水
分や酸素等の透過を抑制することにあるとみられる。
【0013】このような無機酸化物は、主として、得ら
れる有機被覆防錆鋼板がスポツト溶接性にすぐれるよう
に、クロメート被膜中に合計にて10〜60mg/m2の範
囲で含むことが好ましい。溶接時におけるクロメート被
膜中の無機酸化物の影響は、必ずしも明らかではない
が、次のように推測される。クロメート被膜自体は、C
3+を主体とする無機高分子状被膜であるので、本来、
絶縁性であるが、前記無機酸化物を含むときは、スポツ
ト溶接時にその無機酸化物の微粒子がチツプ先端に付着
して、チツプ先端の損耗を抑制するのであろう。クロメ
ート被膜における無機酸化物の配合量が10mg/m2より
も少ないときは、このようなチツプ先端の損耗を抑制す
る効果に乏しく、他方、60mg/m2よりも多いときは、
導電性を阻害し、溶接電流を不均一化して、溶接時に軽
溶着を引き起こす。
【0014】特に、本発明においては、クロメート被膜
中の前記無機酸化物の配合量は、30〜50mg/m2の範
囲であることが好ましい。
【0015】本発明によれば、クロメート被膜に、耐食
性、塗装性、溶接性、加工性、クロムの溶出性等を抑制
するために、シランカツプリング剤、リン酸、フツ素化
合物を添加してもよく、また、めつきの黒変化の抑制、
塗膜の密着性の向上等を目的として、Co、Ni、Fe
等の金属イオンを添加してもよい。
【0016】本発明によるスポツト溶接性にすぐれる有
機被覆防錆鋼板は、上述したクロメート被膜を第1層と
して有し、その上に、有機樹脂と共に、シランカツプリ
ング剤、コロイダルシリカ、更に、Al、Ba、Ca、
Co、Mg及びZnよりなる群から選ばれる少なくとも
1種の元素のリン酸塩を含有する樹脂被膜を有する。
【0017】特に、上記樹脂被膜は、有機樹脂100重
量部に対して、シランカツプリング剤2〜40重量部、
コロイダルシリカ10〜60重量部、及びAl、Ba、
Ca、Co、Mg及びZnよりなる群から選ばれる少な
くとも1種の元素のリン酸塩15〜50重量部を含有す
ることが好ましい。
【0018】本発明において、上記樹脂被膜を構成する
樹脂はウレタン系樹脂であることが好ましい。ここに、
ウレタン系樹脂は、有機ポリイソシアネートと多価ヒド
ロキシ化合物とを硬化剤としての例えば多価アミン化合
物の存在下に重合させて得られる重合体をいう。通常
は、有機ポリイソシアネートと多価ヒドロキシ化合物と
を予め反応させてウレタンプレポリマーを得、これを硬
化剤の存在下で反応させてウレタン系樹脂を得る。
【0019】上記有機ポリイソシアネートとしては、特
に限定されるものではないが、例えば、トリレンジイソ
シアネート、ジフエニルメタンジイソシアネート、ポリ
メチレンポリフエニルポリイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、
ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイ
ソシアネート、水添ジシクロヘキシルメタンジイソシア
ネート等の脂肪族、芳香族及び/又は脂環族ポリイソシ
アネートや、更にはこれらの二量体、三量体等が用いら
れる。
【0020】上記多価ヒドロキシ化合物も、特に限定さ
れるものではないが、例えば、ポリアルキレングリコー
ル、ポリアミンポリオール、ポリマーポリオール、ポリ
テトラメチレングリコール等のポリエーテル系ポリオー
ル、アジペート系ポリオール、フタル酸系ポリオール、
ポリカーボネートポリオール等のポリエステル系ポリオ
ール、トリメチロールプロパン、ブタンジオール等の多
価アルコール等が用いられる。
【0021】また、硬化剤としての前記多価アミン化合
物としては、例えば、メチレンオルソクロロアニリン、
ジアミノジフエニルメタン、エチレンジアミン、ジエチ
レントリアミン、ヒドラジン、イソホロンジアミン、ト
リエチレンテトラミン等を挙げることができるが、これ
らに限定されるものではない。
【0022】本発明においては、好ましくは、ウレタン
系樹脂は分子内に親水基を有し、必要ならば乳化剤を用
いて、水中に乳化させてなる水性ウレタン系樹脂が好ま
しく用いられる。水性樹脂としては、既に種々のものが
知られているが、例えば、エポキシ系樹脂やアクリル系
樹脂を用いるときは、得られる樹脂被膜が電着塗装性や
加工後の耐食性に劣る。
【0023】本発明において、樹脂被膜は、シランカツ
プリング剤とコロイダルシリカとを含有する。シランカ
ツプリング剤としては、例えば、γ−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメト
キシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)
−γ−アミノプロピルメチルじメトキシシラン等を挙げ
ることができる。
【0024】樹脂被膜におけるシランカツプリング剤の
含有量は、有機樹脂100重量部に対して、好ましく
は、2〜40重量部の範囲である。樹脂被膜におけるシ
ランカツプリング剤の含有量が有機樹脂100重量部に
対して、2重量部よりも少ないときは、得られる有機被
覆防錆鋼板のスポツト溶接性の向上に効果がなく、ま
た、樹脂被膜の耐食性も向上しない。しかし、有機樹脂
100重量部に対して、40重量部を越えるときは、ス
ポツト溶接時にスパークが多量に発生するうえに、樹脂
被膜の耐食性の向上の効果も飽和するので、経済的にも
好ましくない。特に、本発明においては、このような耐
食性及びスポツト溶接性の観点から、樹脂被膜における
シランカツプリング剤の含有量は、有機樹脂100重量
部に対して、5〜20重量部の範囲にあることが好まし
い。
【0025】コロイダルシリカは、市販品を好適に用い
ることができる。このような市販品として、例えば、ス
ノーテツクスSS、スノーテツクスXS、スノーテツク
ス40、スノーテツクスO、スノーテツクスN、スノー
テツクスC(いずれも、日産化学(株)製)等を挙げる
ことができる。
【0026】樹脂被膜におけるコロイダルシリカの含有
量は、有機樹脂100重量部に対して、好ましくは、1
0〜60重量部の範囲である。樹脂被膜におけるコロイ
ダルシリカの含有量が有機樹脂100重量部に対して、
10重量部よりも少ないときは、樹脂被膜の耐食性と塗
装性を向上させる効果に乏しい。しかし、有機樹脂10
0重量部に対して、60重量部を越えるときは、形成さ
れる樹脂被膜が過度に硬くなり、スポツト溶接時に樹脂
被膜が十分に排除されず、溶着が発生し、また、加工後
の耐食性も劣化する。特に、本発明においては、得られ
る有機被覆防錆鋼板がスポツト溶接性のほか、耐食性、
塗装性、加工性等にすぐれるように、樹脂被膜における
コロイダルシリカの含有量は、有機樹脂100重量部に
対して、20〜40重量部の範囲であることが好まし
い。
【0027】本発明によれば、このように、シランカツ
プリング剤とコロイダルシリカとを共に樹脂被膜に配合
することによつて、スポツト溶接性を一層向上させるこ
とができる。
【0028】更に、本発明においては、樹脂被膜は、ス
ポツト溶接性及び耐食性を改善するために、上述したコ
ロイダルシリカ及びシランカツプリング剤と共に、A
l、Ba、Ca、Co、Mg及びZnよりなる群から選
ばれる少なくとも1種の元素のリン酸塩を含み、その量
は、好ましくは、有機樹脂100重量部に対して、15
〜50重量部の範囲である。樹脂被膜における上記リン
酸塩の含有量が有機樹脂100重量部に対して、15重
量部よりも少ないときは、溶接性及び耐食性の改善に効
果が乏しく、他方、樹脂被膜における上記リン酸塩の含
有量が有機樹脂100重量部に対して、50重量部を越
えるときは、樹脂被膜の耐食性が劣化することがあるか
らである。
【0029】本発明による有機被覆防錆鋼板は、前記水
性樹脂を含む樹脂組成物をクロメート被膜の上に塗布
し、乾燥させて、樹脂被膜を形成するが、上記リン酸塩
は、すべて水不溶性乃至難溶性であるから、樹脂組成物
に余りに多量に配合するときは、樹脂組成物において、
リン酸塩の凝集沈殿を生じ、樹脂組成物の安定性と鋼板
への塗装時の作業性を低下させる。また、得られる樹脂
被膜も不均一となるおそれがある。特に、本発明におい
ては、樹脂被膜におけるリン酸塩の含有量は、有機樹脂
100重量部に対して、30〜50重量部の範囲である
ことが好ましい。
【0030】一般に、有機被覆防錆鋼板の溶接において
は、樹脂被膜の通電性が重要である。そこで、従来の有
機被覆鋼板においては、樹脂被膜に導電性無機顔料を配
合して通電性を確保している。しかし、前述したよう
に、導電性無機顔料を配合した樹脂被膜は、その表面の
平滑性に劣るので、電着塗装による塗膜の表面の凹凸が
著しい。しかし、導電性無機顔料を配合しない樹脂被膜
は、電気抵抗が大きいので、溶接時の電流が大きく、溶
接チツプの損耗を促進し、連続打点性を劣化させる。
【0031】これに対して、本発明に従つて、第2層と
しての樹脂被膜中にリン酸塩を含有させると共に、第1
層としてのクロメート被膜中に無機酸化物を含有させて
なる有機被覆防錆鋼板によれば、スポツト溶接時、リン
酸塩の微粒子と無機酸化物によつて、樹脂被膜が機械的
に破壊され、被膜自体の電気抵抗が低下し、かくして、
電流が流れやすくなるために、スポツト溶接性が改善さ
れるものとみられる。前述したリン酸塩は、溶接時にチ
ツプの損耗を抑制し、連続打点性に対する効果が特にす
ぐれている。
【0032】本発明において、上述したような樹脂被膜
の付着量は、0.1〜2g/m2の範囲が好ましい。樹脂被
膜の付着量が0.1g/m2よりも少ないときは、樹脂被膜
に安定して高い耐食性を有せしめることが困難であり、
他方、2g/m2を越えるときは、耐食性の点では、特に
問題はないが、リン酸塩を配合しても、尚、スポツト溶
接性が不十分である。特に、スポツト溶接性の点から、
本発明によれば、樹脂被膜の付着量は、0.3〜1.0g/
m2の範囲であることが好ましい。
【0033】本発明において、鋼板は、一般に製造され
ている亜鉛めつき鋼板又は亜鉛合金電気めつき鋼板であ
ればよく、その製造方法は何ら限定されるものではな
い。
【0034】本発明による有機被覆防錆鋼板は、鋼板の
少なくとも一方の表面に、上述したように、亜鉛又は亜
鉛系めつきを有し、更にその上にクロメート被膜と樹脂
被膜とをこの順序にて有する。
【0035】本発明において、素地鋼板は、耐食性及び
加工性の点から、亜鉛又は亜鉛系めつき鋼板が用いら
れ、ここに、亜鉛系めつき鋼板とは、特に限定されるも
のではないが、好ましくは、亜鉛と鉄、クロム、ニツケ
ル、コバルト、マンガン及びアルミニウム等の少なくと
も1種との合金めつき鋼板を挙げることができ、特に、
例えば、自動車車体用途には、ニツケル含有量9〜15
重量%の亜鉛−ニツケル合金めつき鋼板が好ましく用い
られる。
【0036】クロメート処理は、既によく知られてい
る。本発明による有機被覆防錆鋼板は、無水クロム酸溶
液を還元した還元クロム酸溶液に無機酸化物を配合し
て、クロメート処理液とし、これを上記のような亜鉛又
は亜鉛系めつき鋼板の表面に常法に従つて塗布し、乾燥
させて、クロメート被膜を形成する。水性ウレタン系樹
脂にシランカツプリング剤、コロイダルシリカ及びリン
酸塩を配合して、塗料組成物とし、上記クロメート被膜
の上にその塗料組成物を塗布し、乾燥させれば、本発明
による有機被覆防錆鋼板を得ることができる。
【0037】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。
【0038】実施例1 常法によつて脱脂及び酸洗を行なつた厚さ0.8mmの冷延
鋼板上に、硫酸浴を用いて、付着量20g/m2にて亜鉛
−ニツケル合金めつきを施した。無水クロム酸溶液を種
々の濃度に還元した還元クロム酸溶液に無機酸化物を配
合して、クロメート処理液を調製し、これを上記亜鉛−
ニツケル合金めつき鋼板の上に塗布し、乾燥させて、ク
ロメート処理を施した。水性ウレタン系樹脂と共に、こ
のウレタン系樹脂100重量部(固形分)に対して、シ
ランカツプリング剤15重量部、コロイダルシリカ30
重量部及びリン酸塩40重量部を含む水性樹脂組成物を
乾燥後の被膜重量が1.0g/m2となるように塗布し、乾
燥させて、有機被覆防錆鋼板を得た。
【0039】これらについて下記の評価を行なつた。結
果を表1から表4に示す。 スポツト溶接性 電極先端径 6mmFC 加圧力 200kg・f 電流 9kA 時間 10サイクル 打点数 1000打点 上記条件において、下記の項目を評価した。 軽溶着 連続打点時に鋼板が溶接チツプに接着するが、チツプと
鋼板に均一な合金層の発生が認められない溶着の発生数 スパーク 溶接チツプ−樹脂被膜の間からのチリの発生数
【0040】耐食性 図1に示すようなドロービード試験装置を用いて、引張
速度300mm/分、伸び15%にて加工を加えた後、3
5℃で4時間の塩水噴霧、60℃で2時間の加熱乾燥、
50℃で2時間の湿潤、次いで、塩水噴霧に戻る1サイ
クル8時間のサイクル試験を実施し、200サイクル終
了後に除錆を行ない、浸食深さをダイヤルゲージにて測
定した。
【0041】塗装性 カチオン型電着塗料を用いて、膜厚20μmの電着塗装
を施した後、自動車用中塗り及び上塗り塗装をそれぞれ
35μm厚さにスプレー塗装し、焼き付けた。次いで、
50℃の温水に240時間浸漬した後、カツターナイフ
にて2mmの碁盤目を入れ、粘着テープ試験を行なつて、
塗膜残存量/碁盤目数(100)にて表示した。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】実施例2 常法によつて脱脂及び酸洗を行なつた厚さ0.8mmの冷延
鋼板上に、硫酸浴を用いて、付着量20g/m2にて亜鉛
−ニツケル合金めつきを施した。次いで、このめつき鋼
板上にクロム付着量が50mg/m2、被膜中の無機酸化物
が40mg/m2となるクロメート処理を行ない、更に、そ
の上に、水性ウレタン系樹脂と共に、シランカツプリン
グ剤、コロイダルシリカ及びリン酸塩を含む樹脂組成物
を乾燥後の被膜重量が1.0g/m2となるように塗布し、
乾燥させて、有機被覆防錆鋼板を得た。
【0047】これらを実施例1と同様に評価した。結果
を表5から表8に示す。表中、樹脂被膜の欄のシランカ
ツプリング剤、コロイダルシリカ及びリン酸塩の添加量
(部)は、それぞれ樹脂100重量部に対する重量部数
である。
【0048】
【表5】
【0049】
【表6】
【0050】
【表7】
【0051】
【表8】
【0052】 実施例3常法によつて脱脂及び酸洗を行なつた厚さ0.8
mmの冷延鋼板上に、硫酸浴を用いて、付着量20g/m2
にて亜鉛−ニツケル合金めつきを施した。次いで、この
めつき鋼板上にクロム付着量が50mg/m2、被膜中の無
機酸化物が40mg/m2となるクロメート処理を行ない、
更に、その上に、水性ウレタン系樹脂と共に、このウレ
タン系樹脂100重量部(固形分)に対して、シランカ
ツプリング剤15重量部、コロイダルシリカ30重量部
及び種々の量のリン酸塩からなる樹脂組成物をバーコー
ターにて塗布し、乾燥させて、有機被覆防錆鋼板を得
た。
【0053】これらについて下記の評価を行なつた。結
果を表9から表16に示す。表中、リン酸塩の添加量
(部)は、樹脂100重量部に対する重量部数である。
【0054】
【表9】
【0055】
【表10】
【0056】
【表11】
【0057】
【表12】
【0058】
【表13】
【0059】
【表14】
【0060】
【表15】
【0061】
【表16】
【図面の簡単な説明】
【図1】は、加工後の耐食性を調べるために用いたドロ
ービード試験装置を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 雅彦 兵庫県加古川市金沢町1番地 株式会社神 戸製鋼所加古川製鉄所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】亜鉛又は亜鉛系めつき鋼板上に、 (A)Si、Al、Zr、Mg及びCoよりなる群から
    選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物を合計にて10
    〜60mg/m2の範囲にて含むクロメート被膜をクロム付
    着量として10〜100mg/m2の範囲にて第1層として
    有し、その上に、 (B)有機樹脂と共に、(a) シランカツプリング剤、
    (b) コロイダルシリカ、及び(c) Al、Ba、Ca、C
    o、Mg及びZnよりなる群から選ばれる少なくとも1
    種の元素のリン酸塩を含む樹脂被膜を0.1〜2g/m2
    範囲にて第2層として有することを特徴とするスポツト
    溶接性にすぐれる有機被覆防錆鋼板。
  2. 【請求項2】亜鉛又は亜鉛系めつき鋼板上に、 (A)Si、Al、Zr、Mg及びCoよりなる群から
    選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物を合計にて10
    〜60mg/m2の範囲にて含むクロメート被膜をクロム付
    着量として10〜100mg/m2の範囲にて第1層として
    有し、その上に、 (B)有機樹脂100重量部に対して、(a) シランカツ
    プリング剤2〜40重量部、(b) コロイダルシリカ10
    〜60重量部、及び(c) Al、Ba、Ca、Co、Mg
    及びZnよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素
    のリン酸塩15〜50重量部を含む樹脂被膜を0.1〜2
    g/m2の範囲にて第2層として有することを特徴とする
    スポツト溶接性にすぐれる有機被覆防錆鋼板。
  3. 【請求項3】有機樹脂がウレタン系樹脂である請求項1
    又は2記載の有機被覆防錆鋼板。
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