JPH07280379A - 吸収式ヒ−トポンプ用水溶液組成物 - Google Patents
吸収式ヒ−トポンプ用水溶液組成物Info
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- JPH07280379A JPH07280379A JP6095749A JP9574994A JPH07280379A JP H07280379 A JPH07280379 A JP H07280379A JP 6095749 A JP6095749 A JP 6095749A JP 9574994 A JP9574994 A JP 9574994A JP H07280379 A JPH07280379 A JP H07280379A
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- Y02B30/62—Absorption based systems
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- Sorption Type Refrigeration Machines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】吸収剤成分として臭化リチウム、ヨウ化リチウ
ム及び塩化リチウムを含む吸収式ヒ−トポンプ用水溶液
組成物において、臭化リチウム、ヨウ化リチウム及び塩
化リチウムを、晶析限界緩和効果△T0 が5℃以上で且
つコブの余裕ΔTminが5℃以上となる割合で含有さ
せてなることを特徴とする吸収式ヒ−トポンプ用水溶液
組成物。 【効果】晶析限界緩和効果ΔT0 及びコブの余裕ΔTm
inを指標として、その組成割合を特定の範囲に設定す
ることにより、その晶析限界を大幅に緩和させることが
でき、またそのデュ−リング線図上、その下方に現われ
るコブの影響をきわめて有効に回避することができる。
ム及び塩化リチウムを含む吸収式ヒ−トポンプ用水溶液
組成物において、臭化リチウム、ヨウ化リチウム及び塩
化リチウムを、晶析限界緩和効果△T0 が5℃以上で且
つコブの余裕ΔTminが5℃以上となる割合で含有さ
せてなることを特徴とする吸収式ヒ−トポンプ用水溶液
組成物。 【効果】晶析限界緩和効果ΔT0 及びコブの余裕ΔTm
inを指標として、その組成割合を特定の範囲に設定す
ることにより、その晶析限界を大幅に緩和させることが
でき、またそのデュ−リング線図上、その下方に現われ
るコブの影響をきわめて有効に回避することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸収式ヒ−トポンプに
使用される作動媒体組成物に関し、より具体的には、水
を冷媒とし、吸収剤の成分としてハロゲン化リチウムを
含む吸収式ヒ−トポンプ用水溶液組成物に関する。な
お、吸収式ヒ−トポンプの語は、特に断わらない限り、
広義の意味すなわち得られる冷水を利用するための吸収
式冷凍機と、得られる温水を利用するための狭義の吸収
式ヒ−トポンプの両方を意味するものとする。
使用される作動媒体組成物に関し、より具体的には、水
を冷媒とし、吸収剤の成分としてハロゲン化リチウムを
含む吸収式ヒ−トポンプ用水溶液組成物に関する。な
お、吸収式ヒ−トポンプの語は、特に断わらない限り、
広義の意味すなわち得られる冷水を利用するための吸収
式冷凍機と、得られる温水を利用するための狭義の吸収
式ヒ−トポンプの両方を意味するものとする。
【0002】
【従来の技術】吸収式ヒ−トポンプは、図1のとおり
(例えば、単効用形の場合)、基本的には、再生器、
凝縮器、蒸発器及び吸収器から成り、このうち蒸
発器及び吸収器は、所定の真空に保持される容器内
に収容されている。作動媒体として、水を冷媒とし、吸
収剤としてLiBrを含む水溶液を使用する場合の操作
例について述べる。吸収器において水蒸気を吸収して
希釈された吸収液は、再生器において外部熱源により
加熱することにより吸収液中の水を蒸発する一方、吸収
液自体は濃縮され、水蒸気の吸収能が回復される。
(例えば、単効用形の場合)、基本的には、再生器、
凝縮器、蒸発器及び吸収器から成り、このうち蒸
発器及び吸収器は、所定の真空に保持される容器内
に収容されている。作動媒体として、水を冷媒とし、吸
収剤としてLiBrを含む水溶液を使用する場合の操作
例について述べる。吸収器において水蒸気を吸収して
希釈された吸収液は、再生器において外部熱源により
加熱することにより吸収液中の水を蒸発する一方、吸収
液自体は濃縮され、水蒸気の吸収能が回復される。
【0003】また、凝縮器では、再生器で蒸発した
水蒸気が外部からの冷却用流体(通常は水)との熱交換
器によって凝縮される。次いで、この凝縮水は、より低
圧の蒸発器へ送られ、ここで外部からの低温熱源(通
常は水)から熱を得て、再生器よりは、はるかに低温
低圧で蒸発、気化する。一方、再生器で濃縮した吸収
液は吸収器へ送られ、ここで蒸発器で蒸発、気化し
た冷媒蒸気(水蒸気)を吸収して希釈され、その希釈吸
収液自体は再生器へ循環される。
水蒸気が外部からの冷却用流体(通常は水)との熱交換
器によって凝縮される。次いで、この凝縮水は、より低
圧の蒸発器へ送られ、ここで外部からの低温熱源(通
常は水)から熱を得て、再生器よりは、はるかに低温
低圧で蒸発、気化する。一方、再生器で濃縮した吸収
液は吸収器へ送られ、ここで蒸発器で蒸発、気化し
た冷媒蒸気(水蒸気)を吸収して希釈され、その希釈吸
収液自体は再生器へ循環される。
【0004】ここでヒ−トポンプと外部との熱の授受に
ついて整理してみると、次の4種類が同時に行われ、全
体としてバランスしているものである。第1に、再生器
で外部から高温の熱を受けること。第2に、凝縮器
で外部へやや高温の熱(凝縮潜熱)を与えること。第3
に、蒸発器で外部から低温の熱(蒸発潜熱)を汲み上
げること(=ヒ−トポンプの語の由来である)。第4
に、吸収器で外部へ中程度の温度の熱(吸収熱)を与
えること。
ついて整理してみると、次の4種類が同時に行われ、全
体としてバランスしているものである。第1に、再生器
で外部から高温の熱を受けること。第2に、凝縮器
で外部へやや高温の熱(凝縮潜熱)を与えること。第3
に、蒸発器で外部から低温の熱(蒸発潜熱)を汲み上
げること(=ヒ−トポンプの語の由来である)。第4
に、吸収器で外部へ中程度の温度の熱(吸収熱)を与
えること。
【0005】これが冷凍機(冷水機ともいう)としての
場合では、蒸発器で得られる冷熱を冷房に利用する
が、同時に凝縮器、吸収器で発生する不要な温熱を
冷却水で除去しなければならない。すなわち、図1のよ
うな吸収式ヒ−トポンプを冷水機として使う場合、冷や
された冷水を二次側へ送って利用する。温められた冷却
水はク−リングタワ−へ送る。
場合では、蒸発器で得られる冷熱を冷房に利用する
が、同時に凝縮器、吸収器で発生する不要な温熱を
冷却水で除去しなければならない。すなわち、図1のよ
うな吸収式ヒ−トポンプを冷水機として使う場合、冷や
された冷水を二次側へ送って利用する。温められた冷却
水はク−リングタワ−へ送る。
【0006】また、狭義のヒ−トポンプ(温水機ともい
う)では、凝縮器、吸収器で得られる温熱を暖房に
利用するが、同時に蒸発器では温排水などから蒸発熱
を与えてやらなければならない。すなわち、図1のよう
な吸収式ヒ−トポンプを温水機として使う場合、温めら
れた温水を二次側へ送って利用する。低温熱源水から低
温の熱を汲み上げる。
う)では、凝縮器、吸収器で得られる温熱を暖房に
利用するが、同時に蒸発器では温排水などから蒸発熱
を与えてやらなければならない。すなわち、図1のよう
な吸収式ヒ−トポンプを温水機として使う場合、温めら
れた温水を二次側へ送って利用する。低温熱源水から低
温の熱を汲み上げる。
【0007】以上は、吸収式ヒ−トポンプのうちでも、
最も基本的な単効用形の一例であるが、二重効用形で
は、再生器で発生する冷媒蒸気の凝縮熱を利用して熱効
率を改善し、再生器での加熱量を大幅に少なくすること
ができる。
最も基本的な単効用形の一例であるが、二重効用形で
は、再生器で発生する冷媒蒸気の凝縮熱を利用して熱効
率を改善し、再生器での加熱量を大幅に少なくすること
ができる。
【0008】ところで、吸収式ヒ−トポンプに使用され
る作動媒体としては、これまで種々のものが提案されて
きてはいるが、我が国においては、現実には専ら水と臭
化リチウムとからなる系(「水−LiBr」系)が使用
されている。このほか水とアンモニア(NH3 :冷媒)
との組み合わせからなる系もあるが、危険なため、我が
国では特殊な場合を除き殆んど使用されていない。
る作動媒体としては、これまで種々のものが提案されて
きてはいるが、我が国においては、現実には専ら水と臭
化リチウムとからなる系(「水−LiBr」系)が使用
されている。このほか水とアンモニア(NH3 :冷媒)
との組み合わせからなる系もあるが、危険なため、我が
国では特殊な場合を除き殆んど使用されていない。
【0009】水−LiBr系は、安定性、腐食性、価格
などに関してなかなかに優れているため、従来から広く
採用されてきたが、結晶限界に基づく性能上の限界があ
り、もしこの結晶限界が緩和されるならば、次のような
多くの性能改善が期待できるのである。第1に、吸収液
の濃度幅を広げられること。それによって溶液の循環量
が減少し、溶液ポンプの小型化、省電力が図られる。ま
た、溶液熱交換器での濃溶液、稀溶液間の温度差が広が
るため、溶液熱交換器の小型化もしくは熱回収率が向上
し、延いては作業成績(cop)が向上する。第2に、
吸収器において吸収溶液の温度を高くできるので、機械
の大きな部分を占める吸収器の小型化が図れる。緩和効
果が大きければ空冷の可能性もでてくる。同じ理由か
ら、温水機として使う場合、より高温の温水が得られ
る。第3に、蒸発器の蒸発温度を低下できるため、冷水
機としてはより低温の冷水が得られ、温水機としてはよ
り低温の低温熱源を利用できる。
などに関してなかなかに優れているため、従来から広く
採用されてきたが、結晶限界に基づく性能上の限界があ
り、もしこの結晶限界が緩和されるならば、次のような
多くの性能改善が期待できるのである。第1に、吸収液
の濃度幅を広げられること。それによって溶液の循環量
が減少し、溶液ポンプの小型化、省電力が図られる。ま
た、溶液熱交換器での濃溶液、稀溶液間の温度差が広が
るため、溶液熱交換器の小型化もしくは熱回収率が向上
し、延いては作業成績(cop)が向上する。第2に、
吸収器において吸収溶液の温度を高くできるので、機械
の大きな部分を占める吸収器の小型化が図れる。緩和効
果が大きければ空冷の可能性もでてくる。同じ理由か
ら、温水機として使う場合、より高温の温水が得られ
る。第3に、蒸発器の蒸発温度を低下できるため、冷水
機としてはより低温の冷水が得られ、温水機としてはよ
り低温の低温熱源を利用できる。
【0010】そのため、結晶限界を緩和する試み、提案
が従来からいろいろと行われてきたが、十分実用に耐え
るものは未だ開発されるに至っていない。例えば、この
系の水溶液に臭化亜鉛や塩化亜鉛を添加することが研究
され、提案されているが、これらを加えた系では、溶液
自体が酸性となり、きわめて強い腐食性を示すだけでは
なく、10重量%程度以下の希薄溶液では水酸化亜鉛の
生成に伴う沈澱物が生じてしまう。
が従来からいろいろと行われてきたが、十分実用に耐え
るものは未だ開発されるに至っていない。例えば、この
系の水溶液に臭化亜鉛や塩化亜鉛を添加することが研究
され、提案されているが、これらを加えた系では、溶液
自体が酸性となり、きわめて強い腐食性を示すだけでは
なく、10重量%程度以下の希薄溶液では水酸化亜鉛の
生成に伴う沈澱物が生じてしまう。
【0011】この点、特公昭61−52738号公報に
おいては、上述水と臭化リチウムとからなる系につい
て、臭化リチウムにヨウ化リチウムを加え、その量的割
合につき、臭化リチウムを70〜99モル%、ヨウ化リ
チウムを1〜30モル%とすることにより、臭化リチウ
ム水溶液に比べて蒸気圧降下が大きく、また結晶化温度
が低くなり、この吸収液の使用によって吸収冷暖房機の
性能向上及び吸収液の固化などの不具合の発生を抑制す
ることが可能となったというものである。
おいては、上述水と臭化リチウムとからなる系につい
て、臭化リチウムにヨウ化リチウムを加え、その量的割
合につき、臭化リチウムを70〜99モル%、ヨウ化リ
チウムを1〜30モル%とすることにより、臭化リチウ
ム水溶液に比べて蒸気圧降下が大きく、また結晶化温度
が低くなり、この吸収液の使用によって吸収冷暖房機の
性能向上及び吸収液の固化などの不具合の発生を抑制す
ることが可能となったというものである。
【0012】また、特公平5−28749号公報では、
発生器、凝縮器、蒸発器及び吸収器よりなる吸収冷凍機
に使用される吸収液において、臭化リチウム、ヨウ化リ
チウム及び塩化リチウムが、重量比で臭化リチウム1:
ヨウ化リチウム0.1〜1.0:塩化リチウム0.05
〜0.50で混合された混合物を含む吸収剤を、冷媒と
しての水に溶解させた水溶液からなる吸収冷凍機用吸収
液が提案され、これにより高濃度で且つ晶析温度の低い
吸収液が提供できたとしている。
発生器、凝縮器、蒸発器及び吸収器よりなる吸収冷凍機
に使用される吸収液において、臭化リチウム、ヨウ化リ
チウム及び塩化リチウムが、重量比で臭化リチウム1:
ヨウ化リチウム0.1〜1.0:塩化リチウム0.05
〜0.50で混合された混合物を含む吸収剤を、冷媒と
しての水に溶解させた水溶液からなる吸収冷凍機用吸収
液が提案され、これにより高濃度で且つ晶析温度の低い
吸収液が提供できたとしている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、それでも本発
明者は、次世代作動媒体の開発の一環として、以上のよ
うな水−LiBr系の吸収剤の組成についてさらに詳細
に模索し、厳しい操作条件下においても実用化が可能な
許容範囲の有無を含めて、蒸気圧、晶析線、溶液温度等
を広範囲且つ詳しく実測し、各種観点からさらに詳細に
検討を重ねているうち、全く予想外にも、上記両公報で
設定している組成範囲とは全く別異の箇所に吸収剤とし
てきわめて有効な特異な範囲があることを見い出し、本
発明に到達するに至ったものである。
明者は、次世代作動媒体の開発の一環として、以上のよ
うな水−LiBr系の吸収剤の組成についてさらに詳細
に模索し、厳しい操作条件下においても実用化が可能な
許容範囲の有無を含めて、蒸気圧、晶析線、溶液温度等
を広範囲且つ詳しく実測し、各種観点からさらに詳細に
検討を重ねているうち、全く予想外にも、上記両公報で
設定している組成範囲とは全く別異の箇所に吸収剤とし
てきわめて有効な特異な範囲があることを見い出し、本
発明に到達するに至ったものである。
【0014】すなわち、図2(a)は、LiBr水溶液
及びこれに対して所定量のLiIを添加した水溶液につ
いて実測し、これを溶液温度−蒸気圧線図(デュ−リン
グ線図)上の晶析線としてプロットしたものであり、図
2(b)は、LiBrとLiIとを所定比で混合した水
溶液に所定量のLiClを添加した水溶液について実測
し、これを溶液温度−蒸気圧線図(デュ−リング線図)
における晶析線としてプロットしたものである。なお、
両図中線Xは、一応の目安として示した蒸気圧6mmH
g(0.7999326KPa)の線である。
及びこれに対して所定量のLiIを添加した水溶液につ
いて実測し、これを溶液温度−蒸気圧線図(デュ−リン
グ線図)上の晶析線としてプロットしたものであり、図
2(b)は、LiBrとLiIとを所定比で混合した水
溶液に所定量のLiClを添加した水溶液について実測
し、これを溶液温度−蒸気圧線図(デュ−リング線図)
における晶析線としてプロットしたものである。なお、
両図中線Xは、一応の目安として示した蒸気圧6mmH
g(0.7999326KPa)の線である。
【0015】図2(a)のとおり、「H2 O−LiB
r」の系にLiIを添加した場合は、その添加量の増加
に伴い、晶析線が高温域にずれてくるが、これとは引替
えに、溶液領域に食い込む凸状のコブK(図中、このコ
ブKの下側は結晶域である)の部分が現われ、しかもこ
れは、LiIが多くなるに従って逐次高圧高温側へ食い
込んできていることが観察された。この点、同じく「H
2 O−LiBr」の系にLiIを添加した場合である前
掲特公昭61−52738号公報においては、そのデュ
−リング線図中、直線状の線に続き、わずかに緩い曲線
が現れることが示されているだけであり、ここでは上記
のような凸状のコブKが存在する事実については未だ認
識されてはいない。
r」の系にLiIを添加した場合は、その添加量の増加
に伴い、晶析線が高温域にずれてくるが、これとは引替
えに、溶液領域に食い込む凸状のコブK(図中、このコ
ブKの下側は結晶域である)の部分が現われ、しかもこ
れは、LiIが多くなるに従って逐次高圧高温側へ食い
込んできていることが観察された。この点、同じく「H
2 O−LiBr」の系にLiIを添加した場合である前
掲特公昭61−52738号公報においては、そのデュ
−リング線図中、直線状の線に続き、わずかに緩い曲線
が現れることが示されているだけであり、ここでは上記
のような凸状のコブKが存在する事実については未だ認
識されてはいない。
【0016】また、図2(b)によると、「H2 O−L
iBr−LiI」の系にLiClを添加した場合には、
図2(a)の場合に比べて多少異なる傾向を示し、「H
2 O−LiBr−LiI」の系に対して、晶析線が低温
側にずれる一方、コブKは図2(a)の場合より幾分小
さくなる。すなわち、より低圧低温側へ移行しているこ
とが分かる。この点、同じく「H2 O−LiBr−Li
I」の系にLiClを添加した場合である前掲特公昭6
1−52738号公報では、そのデュ−リング線図中、
直線状の晶析線に続き、わずかに凸状の緩い曲線が現れ
ることが示されているだけであり、ここでも上記のよう
な凸状のコブKが現れ、存在する事実は未だ認識されて
はいない。
iBr−LiI」の系にLiClを添加した場合には、
図2(a)の場合に比べて多少異なる傾向を示し、「H
2 O−LiBr−LiI」の系に対して、晶析線が低温
側にずれる一方、コブKは図2(a)の場合より幾分小
さくなる。すなわち、より低圧低温側へ移行しているこ
とが分かる。この点、同じく「H2 O−LiBr−Li
I」の系にLiClを添加した場合である前掲特公昭6
1−52738号公報では、そのデュ−リング線図中、
直線状の晶析線に続き、わずかに凸状の緩い曲線が現れ
ることが示されているだけであり、ここでも上記のよう
な凸状のコブKが現れ、存在する事実は未だ認識されて
はいない。
【0017】既に述べたことではあるが、結晶限界が緩
和されることによる効果を、デュ−リナング線図を使っ
て改めて詳しく説明する。図2(a)のように、晶析線
が高温域へずれると、その分晶析限界が緩和されること
になり、操作可能な領域ないしは可動域が広がり、吸収
液として有効な要素となる。すなわち、晶析限界がその
ように緩和されると、蒸発温度を低下させることがで
き、対応する水蒸気圧を低く採れるばかりでなく、これ
によって、より低温の冷水を得ることができることとな
り、また、より低温の低温熱源水を利用することが可能
となる。
和されることによる効果を、デュ−リナング線図を使っ
て改めて詳しく説明する。図2(a)のように、晶析線
が高温域へずれると、その分晶析限界が緩和されること
になり、操作可能な領域ないしは可動域が広がり、吸収
液として有効な要素となる。すなわち、晶析限界がその
ように緩和されると、蒸発温度を低下させることがで
き、対応する水蒸気圧を低く採れるばかりでなく、これ
によって、より低温の冷水を得ることができることとな
り、また、より低温の低温熱源水を利用することが可能
となる。
【0018】また、操作線図上、水溶液のラインを右へ
移せることになり、吸収器における晶析限界を大きくす
ることができ、そこでの吸収溶液の温度を高くし得るこ
とから、吸収器において吸収液を冷却するに際してより
小型の熱交換器の使用を可能とし、延いては吸収器自体
を小型化できるほか、空冷による冷却をも可能とするも
のである。また高温の温水を得ることが可能となる。
移せることになり、吸収器における晶析限界を大きくす
ることができ、そこでの吸収溶液の温度を高くし得るこ
とから、吸収器において吸収液を冷却するに際してより
小型の熱交換器の使用を可能とし、延いては吸収器自体
を小型化できるほか、空冷による冷却をも可能とするも
のである。また高温の温水を得ることが可能となる。
【0019】さらには、吸収溶液の濃度の幅すなわち吸
収器へ送る高濃度液と冷媒蒸気(水蒸気)を吸収し、こ
の吸収器から出る低濃度液との濃度差を拡張することを
可能とし、これにより吸収溶液の循環量を減少させ、ポ
ンプの小型化、省電力化を可能とし、また溶液熱交換に
おける温度差を増大させ、そのための熱交換器自体の小
型化、熱回収率の向上等各種効果が期待できるものであ
る。
収器へ送る高濃度液と冷媒蒸気(水蒸気)を吸収し、こ
の吸収器から出る低濃度液との濃度差を拡張することを
可能とし、これにより吸収溶液の循環量を減少させ、ポ
ンプの小型化、省電力化を可能とし、また溶液熱交換に
おける温度差を増大させ、そのための熱交換器自体の小
型化、熱回収率の向上等各種効果が期待できるものであ
る。
【0020】一方、図2(a)〜(b)のとおり、コブ
Kが、例えば蒸気圧6mmHgの線Xより下回る領域と
は云え、そのように高圧高温側へシフトしてくると、装
置構成上及びその操作上採り得る真空度(水蒸気圧)の
下限にその分制限が加わることになるばかりでなく、停
電その他の原因による緊急停止時等において、より高い
温度で結晶が生成することになってしまう。このため、
コブKは、デュ−リング線図上可及的に下方且つ左方
で、しかも可及的に小さい方が望ましい。
Kが、例えば蒸気圧6mmHgの線Xより下回る領域と
は云え、そのように高圧高温側へシフトしてくると、装
置構成上及びその操作上採り得る真空度(水蒸気圧)の
下限にその分制限が加わることになるばかりでなく、停
電その他の原因による緊急停止時等において、より高い
温度で結晶が生成することになってしまう。このため、
コブKは、デュ−リング線図上可及的に下方且つ左方
で、しかも可及的に小さい方が望ましい。
【0021】本発明では、図2(a)〜(b)に示され
る以上の事実及びこの事実から予想される上述のような
諸点を前提にし、(i)水−臭化リチウム系にヨウ化リ
チウムを添加した場合(すなわち、H2 O−LiBr−
LiI系)及び(ii)水−臭化リチウム−ヨウ化リチウ
ム系に塩化リチウムを添加した場合(すなわちH2 O−
LiBr−LiI−LiCl系)について、上述の諸性
能の可能性の有無につき、さらに各種多様な実測デ−タ
を集積した上、これらのデ−タを基に次の手法で詳細に
分析し、検討を加えた。
る以上の事実及びこの事実から予想される上述のような
諸点を前提にし、(i)水−臭化リチウム系にヨウ化リ
チウムを添加した場合(すなわち、H2 O−LiBr−
LiI系)及び(ii)水−臭化リチウム−ヨウ化リチウ
ム系に塩化リチウムを添加した場合(すなわちH2 O−
LiBr−LiI−LiCl系)について、上述の諸性
能の可能性の有無につき、さらに各種多様な実測デ−タ
を集積した上、これらのデ−タを基に次の手法で詳細に
分析し、検討を加えた。
【0022】まず、各組成毎の晶析点及び例えば6m
mHgの沸点の測定デ−タを、LiBr水溶液のデュ−
リング線図上にプロットして晶析線図を描く。なお、こ
こでLiBr水溶液を採っているのは、この「水−Li
Br」系が我が国では唯一実用化されているものであ
り、本発明では、これを標準ないし前提として検討、開
発を進めたからである。次に、上記晶析線図に対し、
所定水蒸気圧PH2O (例えば6mmHg)を想定し、晶
析限界緩和効果ΔT0 (℃)及びコブの余裕ΔTmin
(℃)を求める。
mHgの沸点の測定デ−タを、LiBr水溶液のデュ−
リング線図上にプロットして晶析線図を描く。なお、こ
こでLiBr水溶液を採っているのは、この「水−Li
Br」系が我が国では唯一実用化されているものであ
り、本発明では、これを標準ないし前提として検討、開
発を進めたからである。次に、上記晶析線図に対し、
所定水蒸気圧PH2O (例えば6mmHg)を想定し、晶
析限界緩和効果ΔT0 (℃)及びコブの余裕ΔTmin
(℃)を求める。
【0023】ここで、「コブの余裕△Tmin」の求め
方については、次のとおりである〔図3(a)参照〕。
デュ−リング線図上、ある濃度wに対応する温度−飽和
水蒸気圧線が、例えばPH2O =6mmHgの線X及び晶
析線のコブと交わる点の温度の差を△Tとし、この組成
物のあらゆる濃度に対応する△Tのうち最小のものを△
Tminとするものである。図3(a)は、上記〜
の操作を図示したグラフであるが、図3(a)中、所定
の想定水蒸気圧PH2O に対し、ΔT0 が晶析限界緩和効
果を示し、ΔTminがコブの余裕を示している。
方については、次のとおりである〔図3(a)参照〕。
デュ−リング線図上、ある濃度wに対応する温度−飽和
水蒸気圧線が、例えばPH2O =6mmHgの線X及び晶
析線のコブと交わる点の温度の差を△Tとし、この組成
物のあらゆる濃度に対応する△Tのうち最小のものを△
Tminとするものである。図3(a)は、上記〜
の操作を図示したグラフであるが、図3(a)中、所定
の想定水蒸気圧PH2O に対し、ΔT0 が晶析限界緩和効
果を示し、ΔTminがコブの余裕を示している。
【0024】ここで「晶析限界緩和効果ΔT0 (℃)」
とは、「水−LiBr」系の吸収液に対して、これにL
iIを、またさらにLiClを添加することにより、晶
析限界をより高温側へずらすことができるその温度差を
意味し、これにより晶析限界を、「水−LiBr」系吸
収液のそれに対して、その分緩和することができること
になる。すなわち、この「晶析限界緩和効果ΔT0
(℃)」の意義は、定性的には先に述べたとおりである
が、このΔT0 を5℃以上採れれば(ΔT0 ≧5℃)、
吸収式ヒ−トポンプ用吸収液として実用上きわめて有効
な意味をもつことになる。
とは、「水−LiBr」系の吸収液に対して、これにL
iIを、またさらにLiClを添加することにより、晶
析限界をより高温側へずらすことができるその温度差を
意味し、これにより晶析限界を、「水−LiBr」系吸
収液のそれに対して、その分緩和することができること
になる。すなわち、この「晶析限界緩和効果ΔT0
(℃)」の意義は、定性的には先に述べたとおりである
が、このΔT0 を5℃以上採れれば(ΔT0 ≧5℃)、
吸収式ヒ−トポンプ用吸収液として実用上きわめて有効
な意味をもつことになる。
【0025】また、「コブの余裕ΔTmin」の意義は
定性的には、先に述べたとおりであるが、停電などによ
る緊急停止時において、応急措置をとるまでに、自然冷
却による晶析が起きないためには、このΔTminが現
実に5℃以上あること(ΔTmin≧5℃)が必要であ
る。すなわち、このコブの余裕ΔTminを5℃以上採
れれば、吸収式ヒ−トポンプ用吸収液として実用上きわ
めて有効な意味をもつことになる。
定性的には、先に述べたとおりであるが、停電などによ
る緊急停止時において、応急措置をとるまでに、自然冷
却による晶析が起きないためには、このΔTminが現
実に5℃以上あること(ΔTmin≧5℃)が必要であ
る。すなわち、このコブの余裕ΔTminを5℃以上採
れれば、吸収式ヒ−トポンプ用吸収液として実用上きわ
めて有効な意味をもつことになる。
【0026】次に、晶析限界緩和効果ΔT0 とコブの余
裕ΔTminとについて、これら両者と溶液組成との関
係を、それぞれ図3(b)及び(c)のように図示す
る。図3(b)では、LiBr1重量に対するLiIの
添加量(重量)如何により変化するΔT0 (℃)をプロ
ットし(LiCl=0の線がこれに相当する)、併わせ
てこれら両成分へLiClを添加した場合につき、その
添加量(重量)毎にプロットする。また図3(c)で
は、LiBr1重量に対するLiI添加量(重量)の如
何によって変化するΔTmin(℃)をプロットし(L
iCl=0の線がこれに相当する)、併わせてこれら両
成分へLiClを添加した場合につき、その添加量(重
量)毎にプロットする。
裕ΔTminとについて、これら両者と溶液組成との関
係を、それぞれ図3(b)及び(c)のように図示す
る。図3(b)では、LiBr1重量に対するLiIの
添加量(重量)如何により変化するΔT0 (℃)をプロ
ットし(LiCl=0の線がこれに相当する)、併わせ
てこれら両成分へLiClを添加した場合につき、その
添加量(重量)毎にプロットする。また図3(c)で
は、LiBr1重量に対するLiI添加量(重量)の如
何によって変化するΔTmin(℃)をプロットし(L
iCl=0の線がこれに相当する)、併わせてこれら両
成分へLiClを添加した場合につき、その添加量(重
量)毎にプロットする。
【0027】以上の結果を基にし、LiBr、LiI、
LiClの組成を表わす三角座標上に晶析限界緩和効果
ΔT0 =5、10・・・、及びコブの余裕ΔTmin=
5、10・・・となる線を描き、これが図3(d)のよ
うになったとすれば(図のとおり、T1<T2<T3<
T4、t1<t2<t3<t4である)、図中、斜線を引い
た部分の組成物は、ΔT0>T1 で、且つΔTmin≧
t3となり、これにより両方を満たす有効領域を設定す
ることができることになる。
LiClの組成を表わす三角座標上に晶析限界緩和効果
ΔT0 =5、10・・・、及びコブの余裕ΔTmin=
5、10・・・となる線を描き、これが図3(d)のよ
うになったとすれば(図のとおり、T1<T2<T3<
T4、t1<t2<t3<t4である)、図中、斜線を引い
た部分の組成物は、ΔT0>T1 で、且つΔTmin≧
t3となり、これにより両方を満たす有効領域を設定す
ることができることになる。
【0028】なお、ここで念のため三角座標〔(図3
(e)〕による成分組成物の表示について説明する。す
なわち、正三角座標では各辺の長さは1であって、各頂
点は単一物質LiBr、LiI、LiClを表してい
る。そしてこの三角形の内部の1点pは、この点を通り
各辺に平行な線を図3(e)のように引き、それが切り
とる長さを図のようにa、b、cとすると、LiBr:
LiI:LiCl=a:b:cなる組成物を表わしてい
る。
(e)〕による成分組成物の表示について説明する。す
なわち、正三角座標では各辺の長さは1であって、各頂
点は単一物質LiBr、LiI、LiClを表してい
る。そしてこの三角形の内部の1点pは、この点を通り
各辺に平行な線を図3(e)のように引き、それが切り
とる長さを図のようにa、b、cとすると、LiBr:
LiI:LiCl=a:b:cなる組成物を表わしてい
る。
【0029】上記手法は、溶液の水蒸気圧、例えば6m
mHg、8mmHg、10mmHg・・・毎に行う必要
があるが、これにより操作上必要な水蒸気圧すなわち真
空度毎に選定、設定し得るものである。この場合、他の
要件如何にもよるが、例えば6mmHg、12mmHg
での結果は、実際上は、その前後すなわちおよそ±1m
mHg程度の幅で有効であり、本明細書で云う水蒸気圧
例えば6mmHg、12mmHgとは、このように実際
上の許容範囲を含めた意味で使用している。
mHg、8mmHg、10mmHg・・・毎に行う必要
があるが、これにより操作上必要な水蒸気圧すなわち真
空度毎に選定、設定し得るものである。この場合、他の
要件如何にもよるが、例えば6mmHg、12mmHg
での結果は、実際上は、その前後すなわちおよそ±1m
mHg程度の幅で有効であり、本明細書で云う水蒸気圧
例えば6mmHg、12mmHgとは、このように実際
上の許容範囲を含めた意味で使用している。
【0030】それがP=6mmHgの場合には、その一
般的用途として、冷房用としての二重効用吸収冷凍機
に、また暖房用としての河川水などを低温熱源とする単
効用吸収式ヒ−トポンプとして適用でき、何れも冷媒の
蒸発温度4℃程度、水蒸気圧6mmHg前後となり、ま
た、P=12mmHgの場合には、天井輻射冷房用、ま
た春秋の中間期における給湯用ヒ−トポンプとして適用
でき、このとき冷媒の蒸発温度は14℃程度、水蒸気圧
12mmHg前後となる。
般的用途として、冷房用としての二重効用吸収冷凍機
に、また暖房用としての河川水などを低温熱源とする単
効用吸収式ヒ−トポンプとして適用でき、何れも冷媒の
蒸発温度4℃程度、水蒸気圧6mmHg前後となり、ま
た、P=12mmHgの場合には、天井輻射冷房用、ま
た春秋の中間期における給湯用ヒ−トポンプとして適用
でき、このとき冷媒の蒸発温度は14℃程度、水蒸気圧
12mmHg前後となる。
【0031】すなわち、本発明は、以上の視点及び手法
に基づき、吸収式ヒ−トポンプ用の「水−LiBr」系
水溶液組成物に対し、LiIを添加した系、さらにLi
Clを添加した系おいて、実用上きわめて有効な指標と
して晶析限界緩和効果ΔT0とコブの余裕ΔTminと
を設定することにより、これまで提案された視点及び手
法によっては見い出し得なかった、特異な組成領域から
なる吸収式ヒ−トポンプ用水溶液組成物を提供すること
を目的とするものである。
に基づき、吸収式ヒ−トポンプ用の「水−LiBr」系
水溶液組成物に対し、LiIを添加した系、さらにLi
Clを添加した系おいて、実用上きわめて有効な指標と
して晶析限界緩和効果ΔT0とコブの余裕ΔTminと
を設定することにより、これまで提案された視点及び手
法によっては見い出し得なかった、特異な組成領域から
なる吸収式ヒ−トポンプ用水溶液組成物を提供すること
を目的とするものである。
【0032】
【課題を解決するための手段】まず本発明は、水を冷媒
とし、吸収剤成分として臭化リチウム、ヨウ化リチウム
及び塩化リチウムを含む吸収式ヒ−トポンプ用水溶液組
成物において、臭化リチウム、ヨウ化リチウム及び塩化
リチウムを、晶析限界緩和効果△T0 が5℃以上で且つ
コブの余裕ΔTminが5℃以上となる割合で含有させ
てなることを特徴とする吸収式ヒ−トポンプ用水溶液組
成物を提供するものである。
とし、吸収剤成分として臭化リチウム、ヨウ化リチウム
及び塩化リチウムを含む吸収式ヒ−トポンプ用水溶液組
成物において、臭化リチウム、ヨウ化リチウム及び塩化
リチウムを、晶析限界緩和効果△T0 が5℃以上で且つ
コブの余裕ΔTminが5℃以上となる割合で含有させ
てなることを特徴とする吸収式ヒ−トポンプ用水溶液組
成物を提供するものである。
【0033】また、本発明は、水を冷媒とし、吸収剤成
分として臭化リチウム、ヨウ化リチウム及び塩化リチウ
ムを含む吸収式ヒ−トポンプ用水溶液組成物において、
臭化リチウム、ヨウ化リチウム及び塩化リチウムが、重
量割合で、添付図面の図6において、線R及び四角形S
の部分を含むことなく、晶析限界緩和効果△T0 =5の
線とコブの余裕ΔTmin=5の線とLiCl=0の線
により囲まれる斜線部分Aの範囲で含有することを特徴
とする吸収式ヒ−トポンプ用水溶液組成物を提供するも
のである。
分として臭化リチウム、ヨウ化リチウム及び塩化リチウ
ムを含む吸収式ヒ−トポンプ用水溶液組成物において、
臭化リチウム、ヨウ化リチウム及び塩化リチウムが、重
量割合で、添付図面の図6において、線R及び四角形S
の部分を含むことなく、晶析限界緩和効果△T0 =5の
線とコブの余裕ΔTmin=5の線とLiCl=0の線
により囲まれる斜線部分Aの範囲で含有することを特徴
とする吸収式ヒ−トポンプ用水溶液組成物を提供するも
のである。
【0034】また、本発明は、水を冷媒とし、吸収剤成
分として臭化リチウム、ヨウ化リチウム及び塩化リチウ
ムを含む吸収式ヒ−トポンプ用水溶液組成物において、
臭化リチウム、ヨウ化リチウム及び塩化リチウムが、重
量割合で、添付図面の図9において、線R及び四角形S
の部分を含むことなく、晶析限界緩和効果△T0 =5の
線とコブの余裕ΔTmin=5の線とLiCl=0の線
により囲まれる斜線部分Aの範囲で含有することを特徴
とする吸収式ヒ−トポンプ用水溶液組成物を提供するも
のである。
分として臭化リチウム、ヨウ化リチウム及び塩化リチウ
ムを含む吸収式ヒ−トポンプ用水溶液組成物において、
臭化リチウム、ヨウ化リチウム及び塩化リチウムが、重
量割合で、添付図面の図9において、線R及び四角形S
の部分を含むことなく、晶析限界緩和効果△T0 =5の
線とコブの余裕ΔTmin=5の線とLiCl=0の線
により囲まれる斜線部分Aの範囲で含有することを特徴
とする吸収式ヒ−トポンプ用水溶液組成物を提供するも
のである。
【0035】図4〜図5は、水蒸気圧6mmHgの場合
における実測値に基づく、前述図3(b)〜(c)に相
当する図であり、図6は、この図4〜図5の結果を基に
し、前述図3(d)への手法に従ってプロットしたもの
である。なお、図6の目盛りは重量割合で示し、横軸
は、LiBrとLiIとからなる系(「LiBr−Li
I」系)を示している。
における実測値に基づく、前述図3(b)〜(c)に相
当する図であり、図6は、この図4〜図5の結果を基に
し、前述図3(d)への手法に従ってプロットしたもの
である。なお、図6の目盛りは重量割合で示し、横軸
は、LiBrとLiIとからなる系(「LiBr−Li
I」系)を示している。
【0036】図6から明らかなとおり、まず「LiBr
−LiI」系の場合、例えば晶析限界緩和効果ΔT0 を
5℃以上、コブの余裕ΔTminを5℃以上採るとすれ
ば、吸収剤の組成として、LiBr0.42〜0.64
重量部に対してLiIを0.36〜0.58重量部含有
させればよいことになり、また、晶析限界緩和効果ΔT
0 を7.5℃以上、コブの余裕ΔTminを5℃以上採
るとすれば、吸収液の組成としては、LiBr0.42
〜0.54重量部に対してLiIを0.46〜58重量
部含有させればよいことになる。
−LiI」系の場合、例えば晶析限界緩和効果ΔT0 を
5℃以上、コブの余裕ΔTminを5℃以上採るとすれ
ば、吸収剤の組成として、LiBr0.42〜0.64
重量部に対してLiIを0.36〜0.58重量部含有
させればよいことになり、また、晶析限界緩和効果ΔT
0 を7.5℃以上、コブの余裕ΔTminを5℃以上採
るとすれば、吸収液の組成としては、LiBr0.42
〜0.54重量部に対してLiIを0.46〜58重量
部含有させればよいことになる。
【0037】前述特公昭61−52738号公報によれ
ば、同じLiBr−LiI系の吸収液について、その組
成範囲を、LiBr70〜99モル%とLiI1〜30
モル%と設定しており、これは図6中の「LiBr−L
iI」線上Rの範囲に相当するものであるが、この範囲
自体、本発明における上記範囲とは別異の範囲であり
(その一部に僅かに重複部分はあるが)、またこの技術
において、コブに関する何らの配慮をもしたものでもな
い。このように、本発明により設定した範囲による効果
は、従来技術におけるそれに比べて、きわめて有効な効
果であることが明らかである。
ば、同じLiBr−LiI系の吸収液について、その組
成範囲を、LiBr70〜99モル%とLiI1〜30
モル%と設定しており、これは図6中の「LiBr−L
iI」線上Rの範囲に相当するものであるが、この範囲
自体、本発明における上記範囲とは別異の範囲であり
(その一部に僅かに重複部分はあるが)、またこの技術
において、コブに関する何らの配慮をもしたものでもな
い。このように、本発明により設定した範囲による効果
は、従来技術におけるそれに比べて、きわめて有効な効
果であることが明らかである。
【0038】次に、LiBr−LiI−LiCl系の場
合についてみると、例えば、晶析限界緩和効果ΔT0 を
5℃以上、コブの余裕ΔTminを5℃以上採るために
は、図6において、ΔT0 =5、ΔTmin=5、及び
LiI−LiBrを結ぶ線で囲まれる斜線の部分Aの組
成物を選べば良い。なお、LiI−LiBr線上(すな
わち横軸上)の場合は、上記LiIとLiBrとからな
る系であるが、これはLiBr−LiI−LiCl系の
特別な場合に相当している。
合についてみると、例えば、晶析限界緩和効果ΔT0 を
5℃以上、コブの余裕ΔTminを5℃以上採るために
は、図6において、ΔT0 =5、ΔTmin=5、及び
LiI−LiBrを結ぶ線で囲まれる斜線の部分Aの組
成物を選べば良い。なお、LiI−LiBr線上(すな
わち横軸上)の場合は、上記LiIとLiBrとからな
る系であるが、これはLiBr−LiI−LiCl系の
特別な場合に相当している。
【0039】前述特公平5−28749号公報によれ
ば、同じLiBr−LiI−LiClの系の吸収剤につ
いて、これら各成分を重量比で臭化リチウム1:ヨウ化
リチウム:0.1〜1.0:塩化リチウム0.05〜
0.50とすることにより、高濃度でかつ晶析温度の低
い吸収液が提供できたとしているが、この範囲は、図6
中四角形Sで示す範囲に相当するもので、この範囲自
体、本発明における上記範囲とは別異の範囲であり(そ
の端部にわずかに重複部分はあるが)、しかもこの技術
においては、コブに関して何らの配慮をもしているもの
でもない。このように本発明により設定した範囲による
効果は、従来技術におけるそれに比べて、きわめて有効
な効果であることが明らかである。
ば、同じLiBr−LiI−LiClの系の吸収剤につ
いて、これら各成分を重量比で臭化リチウム1:ヨウ化
リチウム:0.1〜1.0:塩化リチウム0.05〜
0.50とすることにより、高濃度でかつ晶析温度の低
い吸収液が提供できたとしているが、この範囲は、図6
中四角形Sで示す範囲に相当するもので、この範囲自
体、本発明における上記範囲とは別異の範囲であり(そ
の端部にわずかに重複部分はあるが)、しかもこの技術
においては、コブに関して何らの配慮をもしているもの
でもない。このように本発明により設定した範囲による
効果は、従来技術におけるそれに比べて、きわめて有効
な効果であることが明らかである。
【0040】図7〜図9は、水蒸気圧12mmHgの場
合につき、図4〜図6の場合と同様の手法でプロットし
たものである。図9から明らかなとおり、12mmHg
の場合にも、図6の場合と同じ傾向を示すが、6mmH
gの場合に比べれば、その有効範囲がはるかに広いこと
が分かる。なお、その余の点については、以上述べた図
4〜図6の場合と同様である。
合につき、図4〜図6の場合と同様の手法でプロットし
たものである。図9から明らかなとおり、12mmHg
の場合にも、図6の場合と同じ傾向を示すが、6mmH
gの場合に比べれば、その有効範囲がはるかに広いこと
が分かる。なお、その余の点については、以上述べた図
4〜図6の場合と同様である。
【0041】また、吸収式ヒ−トポンプにおいては、以
上の晶析限界緩和効果ΔT0 及びコブの余裕ΔTmin
係る特性に加えて、その水溶液の粘度に係る性質が、き
わめて重要な要素であるので、各組成の変化に伴う粘度
如何についても測定、検討を加えたが、その結果を表1
に示す。この測定は、毛細管粘度測定法により、主に温
度50℃での動粘度を測定した。なお、表1中*印をし
ている値は、温度70℃で測定したものである。
上の晶析限界緩和効果ΔT0 及びコブの余裕ΔTmin
係る特性に加えて、その水溶液の粘度に係る性質が、き
わめて重要な要素であるので、各組成の変化に伴う粘度
如何についても測定、検討を加えたが、その結果を表1
に示す。この測定は、毛細管粘度測定法により、主に温
度50℃での動粘度を測定した。なお、表1中*印をし
ている値は、温度70℃で測定したものである。
【0042】表1によると、LiBrに対して、LiI
だけを添加した場合には、その添加量が増加するに伴
い、動粘度は漸次単調に低下して行くことを示してお
り、またLiBr−LiI系にLiClを添加した場合
には、その添加量が増加するに伴い、動粘度は漸次単調
に増加して行くが、その増加の程度は、LiIの添加に
よる低下の程度よりもかなり少ないことが分かる。吸収
溶液において、溶液の粘度が小であることは、ポンプ駆
動用エネルギ−をその分少なくでき、また伝熱性能も向
上するため、本発明に係る吸収剤では、この点において
も優れた特性を備えていることが明らかである。
だけを添加した場合には、その添加量が増加するに伴
い、動粘度は漸次単調に低下して行くことを示してお
り、またLiBr−LiI系にLiClを添加した場合
には、その添加量が増加するに伴い、動粘度は漸次単調
に増加して行くが、その増加の程度は、LiIの添加に
よる低下の程度よりもかなり少ないことが分かる。吸収
溶液において、溶液の粘度が小であることは、ポンプ駆
動用エネルギ−をその分少なくでき、また伝熱性能も向
上するため、本発明に係る吸収剤では、この点において
も優れた特性を備えていることが明らかである。
【0043】
【表 1】
【0044】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、吸収式
ヒ−トポンプにおいて使用する、LiBr−LiI系及
びLiBr−LiI−LiCl系の吸収剤溶液におい
て、晶析限界緩和効果ΔT0 及びコブの余裕ΔTmin
を指標として、その組成割合を特定の範囲に設定するこ
とにより、その晶析限界を大幅に緩和させることがで
き、またそのデュ−リング線図上、その下方に現われる
コブの影響をきわめて有効に回避することができる。
ヒ−トポンプにおいて使用する、LiBr−LiI系及
びLiBr−LiI−LiCl系の吸収剤溶液におい
て、晶析限界緩和効果ΔT0 及びコブの余裕ΔTmin
を指標として、その組成割合を特定の範囲に設定するこ
とにより、その晶析限界を大幅に緩和させることがで
き、またそのデュ−リング線図上、その下方に現われる
コブの影響をきわめて有効に回避することができる。
【0045】また、本発明によれば、LiBr−LiI
系(これはLiBr−LiI−LiCl系の特別な場合
に相当している)及びLiBr−LiI−LiCl系の
吸収溶液において、その組成割合を特定の範囲に設定す
ることにより、その晶析限界を大幅に緩和させることが
できることから、前述のとおりの種々の利益(利点)を
得ることができる。
系(これはLiBr−LiI−LiCl系の特別な場合
に相当している)及びLiBr−LiI−LiCl系の
吸収溶液において、その組成割合を特定の範囲に設定す
ることにより、その晶析限界を大幅に緩和させることが
できることから、前述のとおりの種々の利益(利点)を
得ることができる。
【0046】また、本発明によれば、LiBr−LiI
系及びLiBr−LiI−LiCl系の吸収剤におい
て、その組成割合を特定の範囲に設定することにより、
「コブの余裕ΔTmin」を所定温度範囲採れることに
なり、吸収式ヒ−トポンプの操作停止時における結晶生
成の開始温度を下げることができ、停電などによる緊急
停止時において、応急措置をとるまでに、自然冷却によ
る晶析が起きないようにし、配管系統の閉塞等の原因を
回避することができる等、吸収式ヒ−トポンプ用吸収液
として実用上きわめて有効な効果を得ることができるも
のである。
系及びLiBr−LiI−LiCl系の吸収剤におい
て、その組成割合を特定の範囲に設定することにより、
「コブの余裕ΔTmin」を所定温度範囲採れることに
なり、吸収式ヒ−トポンプの操作停止時における結晶生
成の開始温度を下げることができ、停電などによる緊急
停止時において、応急措置をとるまでに、自然冷却によ
る晶析が起きないようにし、配管系統の閉塞等の原因を
回避することができる等、吸収式ヒ−トポンプ用吸収液
として実用上きわめて有効な効果を得ることができるも
のである。
【図1】従来の吸収式ヒ−トポンプ(単効用形)の概略
図。
図。
【図2】LiBr−LiI系及びLiBr−LiI−L
iCl系における実測値をデュ−リング線図上の晶析線
としてプロットした図。
iCl系における実測値をデュ−リング線図上の晶析線
としてプロットした図。
【図3】所定水蒸気圧Pにおける晶析限界緩和効果ΔT
0 及びコブの余裕ΔTminと溶液組成との関係等を示
す図。
0 及びコブの余裕ΔTminと溶液組成との関係等を示
す図。
【図4】水蒸気圧6mmHgでの実測値に基づき、Li
Br1重量に対するLiIの添加量如何により変化する
ΔT0 (LiCl=0の線がこれに相当する)及びこれ
ら両成分へLiClを添加した場合のΔT0 をプロット
した図。
Br1重量に対するLiIの添加量如何により変化する
ΔT0 (LiCl=0の線がこれに相当する)及びこれ
ら両成分へLiClを添加した場合のΔT0 をプロット
した図。
【図5】水蒸気圧6mmHgでの実測値に基づき、Li
Br1重量に対するLiI添加量如何により変化するΔ
Tmin(LiCl=0の線がこれに相当する)及びこ
れら両成分へLiClを添加した場合のΔTminをプ
ロットした図。
Br1重量に対するLiI添加量如何により変化するΔ
Tmin(LiCl=0の線がこれに相当する)及びこ
れら両成分へLiClを添加した場合のΔTminをプ
ロットした図。
【図6】水蒸気圧6mmHgにおける晶析限界緩和効果
ΔT0 及びコブの余裕ΔTminと溶液組成との関係
図。
ΔT0 及びコブの余裕ΔTminと溶液組成との関係
図。
【図7】水蒸気圧12mmHgにおける実測値に基づ
き、LiBr1重量に対するLiIの添加量如何により
変化するΔT0 (LiCl=0の線がこれに相当する)
及びこれら両成分へLiClを添加した場合のΔT0 を
プロットした図。
き、LiBr1重量に対するLiIの添加量如何により
変化するΔT0 (LiCl=0の線がこれに相当する)
及びこれら両成分へLiClを添加した場合のΔT0 を
プロットした図。
【図8】水蒸気圧12mmHgにおける実測値に基づ
き、LiBr1重量に対するLiI添加量如何によって
変化するΔTmin(LiCl=0の線がこれに相当す
る)及びこれら両成分へLiClを添加した場合のΔT
minをプロットした図。
き、LiBr1重量に対するLiI添加量如何によって
変化するΔTmin(LiCl=0の線がこれに相当す
る)及びこれら両成分へLiClを添加した場合のΔT
minをプロットした図。
【図9】水蒸気圧12mHgにおける晶析限界緩和効果
ΔT0 及びコブの余裕ΔTminと溶液組成との関係
図。
ΔT0 及びコブの余裕ΔTminと溶液組成との関係
図。
【符号の説明】 再生器 凝縮器 蒸発器 吸収器 ΔT0 晶析限界緩和効果 ΔTmin コブの余裕
Claims (3)
- 【請求項1】吸収剤成分として臭化リチウム、ヨウ化リ
チウム及び塩化リチウムを含む吸収式ヒ−トポンプ用水
溶液組成物において、臭化リチウム、ヨウ化リチウム及
び塩化リチウムを、晶析限界緩和効果△T0 が5℃以上
で且つコブの余裕ΔTminが5℃以上となる割合で含
有させてなることを特徴とする吸収式ヒ−トポンプ用水
溶液組成物。 - 【請求項2】吸収剤成分として臭化リチウム、ヨウ化リ
チウム及び塩化リチウムを含む吸収式ヒ−トポンプ用水
溶液組成物において、臭化リチウム、ヨウ化リチウム及
び塩化リチウムが、重量割合で、添付図面の図6におい
て、線R及び四角形Sの部分を含むことなく、晶析限界
緩和効果△T0 =5の線とコブの余裕ΔTmin=5の
線とLiCl=0の線により囲まれる斜線部分Aの範囲
で含有することを特徴とする吸収式ヒ−トポンプ用水溶
液組成物。 - 【請求項3】吸収剤成分として臭化リチウム、ヨウ化リ
チウム及び塩化リチウムを含む吸収式ヒ−トポンプ用水
溶液組成物において、臭化リチウム、ヨウ化リチウム及
び塩化リチウムが、重量割合で、添付図面の図9におい
て、線R及び四角形Sの部分を含むことなく、晶析限界
緩和効果△T0 =5の線とコブの余裕ΔTmin=5の
線とLiCl=0の線により囲まれる斜線部分Aの範囲
で含有することを特徴とする吸収式ヒ−トポンプ用水溶
液組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6095749A JP2619806B2 (ja) | 1994-04-08 | 1994-04-08 | 吸収式ヒ−トポンプ用水溶液組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6095749A JP2619806B2 (ja) | 1994-04-08 | 1994-04-08 | 吸収式ヒ−トポンプ用水溶液組成物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07280379A true JPH07280379A (ja) | 1995-10-27 |
| JP2619806B2 JP2619806B2 (ja) | 1997-06-11 |
Family
ID=14146153
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6095749A Expired - Fee Related JP2619806B2 (ja) | 1994-04-08 | 1994-04-08 | 吸収式ヒ−トポンプ用水溶液組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2619806B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP6152738B2 (ja) | 2013-08-06 | 2017-06-28 | 株式会社ニコン | カメラシステム |
-
1994
- 1994-04-08 JP JP6095749A patent/JP2619806B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2619806B2 (ja) | 1997-06-11 |
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