JPH07296951A - セラミックス製発熱体 - Google Patents

セラミックス製発熱体

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JPH07296951A
JPH07296951A JP11429494A JP11429494A JPH07296951A JP H07296951 A JPH07296951 A JP H07296951A JP 11429494 A JP11429494 A JP 11429494A JP 11429494 A JP11429494 A JP 11429494A JP H07296951 A JPH07296951 A JP H07296951A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形性に優れ、適度な導電性を有し、長石質
磁器系セラミックスからなる発熱体を提供する。 【構成】 長石質磁器原料90gと直径範囲1.0〜
1.4μm、長さ範囲20〜30μmの炭化ケイ素ウィ
スカー10gとを混合し、粘着剤としてエタノールを添
加して更に混合し、恒温槽中でエタノールを蒸発せさ乾
燥した後、4ccの純水を加えて造粒し、網目600μ
mの篩を通過した原料を所定金型に充填し、成形圧力4
00kg/cm2 でプレス成形して平板状の成形体を得
た、その後、この成形体をアルミナ粉末を敷いたアルミ
ナ製のセッターに入れ、電気炉内に静置し、大気雰囲気
中、段階的に昇温して最後は1320℃で1時間保持し
て焼成した後、自然冷却してセラミックス製発熱体を得
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、石英−長石−粘土系
の、いわゆる長石質磁器を主相とするセラミックスから
なる発熱体に関する。本発明のセラミックス製発熱体
は、電子部品、加熱器、電極等に利用できる。
【0002】
【従来の技術】従来のセラミックス製発熱体としては、
(1) セラミックス素材中に金属製の抵抗発熱線を埋設し
同時焼成したもの、(2) セラミックス基板(ベース)上
に導体(抵抗)ペーストを印刷等で転写した後、焼成し
たもの、(3) セラミックス素材中にカーボン粉末、金属
繊維等の導電性材料を混合し焼成したもの、などが知ら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の各発熱
体において、上記(1) の発熱体では、抵抗線の耐久性の
問題、つまり、経年劣化による抵抗値の変化、更には断
線の問題があり、その他セラミックスと抵抗線との熱膨
張係数の差による抵抗線の変形、断線或いはセラミック
スの亀裂発生等多くの問題を生ずる。また、上記(2) で
は、通電容量を大きくできないため発熱量にはおのずと
限界があり、比較的用途が狭くなる他、使用環境によっ
てはペーストが劣化し、抵抗値が大きく変化することが
ある。また、過度のヒートサイクルにより断線する場合
もある。更に、上記(3) のものでは、酸化される導電性
材料を使用するため、還元雰囲気中で焼成する必要があ
り、そのため焼成装置、操作上の制限を大きく受ける
他、一般的に成形性が良くないため複雑な形状のものは
できない等製品形状においても制限を受ける等の問題が
ある。
【0004】本発明は上記の問題点を解決するものであ
り、高圧碍子用原料等として一般的に使用されている石
英−長石−粘土系の磁器、いわゆる長石質磁器の原料中
に炭化ケイ素ウィスカー及び/又は窒化チタンウィスカ
ー(以下、これら2種類のウィスカーをまとめて単にウ
ィスカーということもある。)を混合し、所定形状に成
形した後焼成して得られる長石質磁器を主相とするセラ
ミックスからなる発熱体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、ウィスカ
ーを配合した導電性セラミックスからなる発熱体の開発
において、ウィスカーの添加量の増加とともに、セラミ
ックスの電気抵抗が漸次低下していくものと考え研究を
進めていたが、以外にもある添加量を上限として急激に
抵抗が高くなり、導電性が失われることを見出し、本発
明を完成したものである。
【0006】第1発明のセラミックス製発熱体は、長石
質磁器原料と、炭化ケイ素ウィスカー及び/又は窒化チ
タンウィスカーとの混合物からなる成形体を、大気雰囲
気中、1240〜1420℃の温度で焼成して得られる
セラミックス製発熱体であって、上記長石質磁器原料
と、上記炭化ケイ素ウィスカー及び/又は上記窒化チタ
ンウィスカーとの合計量を100重量%とした場合に、
上記長石質磁器原料は80〜93重量%、上記炭素ケイ
素ウィスカー及び/又は上記窒化チタンウィスカーは2
0〜7重量%であることを特徴とする。
【0007】また、第2発明は、上記炭化ケイ素ウィス
カー及び/又は上記窒化チタンウィスカーの直径範囲が
0.6〜5.0μm、長さ範囲が5〜30μmであるこ
とを特徴とする。第3発明は、上記成形体に施釉した後
焼成することを特徴とし、第4発明は、上記施釉に使用
する釉薬の熱膨張係数が、上記長石質磁器の熱膨張係数
に比して僅かに小さいことを特徴とする。更に、第5発
明は、上記成形体をカーボンブラック粉末中に埋没させ
た状態で焼成することを特徴とする。
【0008】上記「長石質磁器原料」としては、普通磁
器の原料である石英−長石−粘土系材料をそのまま使用
でき、天然鉱物、人口鉱物等の種類、各成分の配合割合
などは特に制限されない。例えば、天然鉱物の成分組成
は、天草淘石30重量%、藤岡砂婆30重量%、セルベ
ン16重量%及び蛙目粘土24重量%であり、また、化
学組成は重量%で、SiO2 (ケイ砂)73.8%、A
2 3 (アルミナ)20.7%、Fe2 3 (酸化第
2鉄)、TiO3 (酸化チタン)0.65%、CaO
(酸化カルシウム)0.22%、Na2 O(酸化ナトリ
ウム)1.2%並びにK2 O(カオリンナイト)1.9
8%であるものが一般的である。
【0009】上記「炭化ケイ素ウィスカー及び/又は窒
化チタンウィスカー」の配合量及び形状等は、得られる
セラミックスの導電性を大きく左右するため、本願発明
では、長石質磁器原料とウィスカーとの合計量を100
重量%とした場合に、7〜20重量%のウィスカーを使
用する。また、ウィスカーの直径範囲は0.6〜5.0
μm、長さ範囲は5〜30μmのものが適当であり、特
に直径範囲が0.8〜3.0μmのものが好ましく、
1.0〜1.4μmのものがより好ましい。更に、これ
らウィスカーは空気中における耐熱性が60℃以上、熱
膨張係数が5.0×10-6/℃程度のものが好適であ
る。尚、ウィスカーのアスペクト比は10〜40程度が
好ましい。
【0010】ウィスカーの配合量が7重量%未満又は2
0重量%を越える場合は、得られるセラミックスの体積
固有抵抗が大きくなり、導電性が十分ではないため、実
用的な発熱体が得られない。また、ウィスカーの直径範
囲が0.6μm未満又は長さ範囲が5μm未満では、上
記同様十分な導電性が発現せず、実用的な発熱体が得ら
れない。更に、ウィスカーの直径範囲が5.0μmを越
え、又は長さ範囲が30μmを越える場合は、得られる
セラミックスの機械的強度等が低下し好ましくない。一
方、ウィスカーの直径範囲が0.8〜3.0μm、特に
1.0〜1.4μmであって、耐熱性及び熱膨張係数が
上記特定の範囲のものであれば、導電性及び強度ともに
優れたセラミックスが得られより好ましい。
【0011】上記「成形体」を製作する方法は、プレス
成形が主なものであるが、本発明では成形性に優れる長
石質磁器原料が主体であるため、プレス成形の他、鋳込
成形、押出成形、丸鏝成形及びロクロ成形等の一般的な
磁器成形方法によっても成形可能である。また、複雑な
形状の製品を成形する場合、通常の酸化物、窒化物或い
は炭化物セラミックス等の熱間ホットプレスの場合に
は、焼成後に切削加工等することにより対処している
が、本願発明では特にこれを必要とせず、しかも大気雰
囲気中で焼成できるため、従来の碍子用の成形並びに焼
成施設をそのまま利用することが可能である。
【0012】上記「焼成温度」は、1240〜1420
℃の範囲であり、特に1320〜1350℃が好まし
い。焼成温度が1240℃未満では、焼結が不完全とな
って緻密度が低くなり、そのため機械的強度並びに耐水
性が低下する他、体積固有抵抗も十分に低くならず実用
的な発熱体が得られない。また、焼成温度が1420℃
を越える場合は、セラミックス表面全面に気泡が生成す
るとともに変形も生ずるため実用に適さない。尚、図1
に焼成温度が1320℃の場合の焼成パターンの一例を
示したが、本発明では、所定の焼成温度(1320℃)
に到達した後、1時間程度その温度を保持することが磁
器の緻密性を高める上で重要である。焼成炉としては電
気炉、ガス炉等いずれの炉も使用可能である。また、図
1から明らかなように、本発明では成形体の全焼成工程
は、段階的に昇温しながら例えば10時間というように
かなり長い時間を要するが、「焼成温度」は加熱の最終
段階の最も高い温度を意味するものとする。
【0013】上記「施釉」は、「セラミックス製発熱
体」の耐水性、耐薬品性及び抗折強度などの改善並びに
製品外観の向上等を目的として、上記「成形体」に施釉
するものである。「釉薬」としては、長石質磁器の熱膨
張係数(20〜1000℃において4〜6.5×10-6
/℃)に比して僅かに小さい4.5〜5×10-6/℃程
度の熱膨張係数の圧縮釉が好ましい。この熱膨張係数の
差が大きすぎる場合は、発熱体表面に形成される釉薬か
らなる表面層に割れを生ずることがあり、上記施釉の目
的が達せられないため好ましくない。
【0014】上記釉薬としては、例えば1250℃の磁
器釉で透明釉の使用が適している。この透明釉はガラス
の一種で、その原料は長石を主体とし、その他ケイ石、
石灰に適量の水を加えて混合し、泥漿状とした後、これ
に沈澱を防止するためCMCやフノリ等を加えたもので
あり、この中に乾燥した或いは特に乾燥しない状態の成
形体を浸漬して施釉する。
【0015】更に本発明では、成形体を電気炉にそのま
ま静置し、大気雰囲気中で焼成する方法の他に、第5発
明のように、成形体をカーボンブラック粉末中に埋没さ
せた状態で焼成することもでき、このような場合は、表
面のカーボンブラック粉末から逐次酸化されていくた
め、焼成終了まで成形体そのものは酸化されず、従って
そのまま静置した場合のように成形体の外表面が酸化さ
れることがなく、表面層も含め成形体全体が導電性とな
った発熱体を製造することができる。
【0016】次に、本発明のセラミックス製発熱体の製
造方法を更に詳しく説明すれば、長石質磁器原料に炭化
ケイ素ウィスカーを添加し、これに粘着剤となるエタノ
ール等の低級アルコールを加えて混合し、乾燥した後、
水(純水が好ましい。)を適量加え、ボールミル等で混
合して造粒し、これを篩にかけて分級し、分級した原料
を金型に充填して、例えば圧縮成形機等により加圧して
所定形状に成形した後、乾燥し或いは乾燥しないでこの
成形体を電気炉内に静置し、大気雰囲気中において所定
温度で10時間程度かけて焼成し、その後、炉内に放置
して自然冷却し、セラミックス製発熱体を製造する。こ
のようにして得られた発熱体の所定部分にメッキ或いは
メタリコン等を施して電極を形成し、この電極部分にリ
ード線をハンダ付け等して実用に供される。
【0017】
【作用】本発明では、大気雰囲気中で焼成するため、得
られるセラミックスの表面には数μmの厚さの淡緑色の
絶縁保護層が形成される。この絶縁保護層は、磁器原料
中に混合されたウィスカーが高温にて酸化され、例えば
炭化ケイ素ウィスカー(SiC)であればSiO2 にな
るとともに、酸化され高温でガラス状になっている他原
料と融着して、成形体外表面へ集まることにより形成さ
れるものと推定される。本発明の発熱体では、この絶縁
保護層により酸素の成形体内部への拡散が妨げられるた
め、内部は実質的に酸化されず、黒色の導電性を有する
セラミックスとなり発熱体として使用できるものと思わ
れる。
【0018】また、本発明では、分散されたウィスカー
の全て又は一部がマトリックス相(ガラス相)の粒子と
反応して、マトリックス相粒子の周囲に導電性の複合相
が形成され、この複合相が連続的に連なることにより導
電性が発現されるのではないかと推察され、また、ウィ
スカーがセラミックス中で均一に分散、接触して電気伝
導のネットワークを形成することも導電性発現の一要因
ではないかとも考えられる。
【0019】
【実施例】以下に実施例及び比較例によって本発明を詳
しく説明する。 実施例1〜5及び比較例1〜2 (配合・粉砕)クラッシャーにより長石質磁器原料を任
意の大きさに粉砕し、ボールミルによる混合をし易くし
た後、室内で自然乾燥した。 (混合)乾燥した上記磁器原料と炭化ケイ素ウィスカー
との合計量を100gとし、所要量の磁器原料をアルミ
ナ製のボールとともにボールミルに入れ、これに直径範
囲1.0〜1.4μm及び長さ範囲20〜30μmの炭
化ケイ素ウィスカーを5g(比較例1)、7、10、1
5、18及び20g(実施例1〜5)並びに25g(比
較例2)添加し、これに更に粘着剤としてエタノール3
00mlを加え、1時間以上混合した。
【0020】(乾燥)混合後、原料を80〜100℃の
恒温槽に入れエタノールを蒸発させ、乾燥した。 (造粒・分級)乾燥後、重量を測定し、4ccの純水を
加えて乳鉢で造粒した。そして網目600μmの篩にか
けた。 (成形)篩を通過した原料を所定の金型に充填し、成形
圧力400kg/cm2 でプレス成形し、20×80×
9.5mmの平板状の成形体にした。
【0021】(焼成)上記平板状の成形体をアルミナ粉
末を敷いたアルミナ製のセッター(サヤ)に入れ、これ
を電気炉内に静置し、大気雰囲気中、焼成温度1320
℃で1時間保持した時間も含め、昇温開始から冷却開始
まで10時間かけて焼成した後、電気炉の電源を切り、
そのまま放置して自然冷却し、炉内温度が室温程度に下
がったところで成形体を炉から取り出した。図1にその
焼成パターンを示す。 (組立・抵抗測定)炉から取り出したセラミックスの両
端の絶縁保護層を切削して内部を露出させ、この部分に
ニッケルメッキを施した後、電極を形成し、試験片を製
作した。この試験片を使用して図2の測定回路によっ
て、JEC−148「電気材料の絶縁抵抗試験方法の通
則」に準拠し、電圧電流測定法によって体積固有抵抗を
測定した。
【0022】比較例3〜4 炭化ケイ素ウィスカーに代えてα型炭化ケイ素粉末(平
均粒子径;0.45μm、成分炭化ケイ素;98.4重
量%)を10重量%(比較例3)及び20重量%(比較
例4)使用した他は、実施例1と同様にして試験片を製
作し、実施例1と同様にしてその体積固有抵抗を測定し
た。 比較例5〜6 炭化ケイ素ウィスカーに代えてβ型炭化ケイ素粉末(平
均粒子径及び成分炭化ケイ素含量は上記α型と同じ。)
を10重量%(比較例5)及び20重量%(比較例6)
使用した他は、実施例1と同様にして試験片を製作し、
実施例1と同様にしてその体積固有抵抗を測定した。
【0023】比較例7 炭化ケイ素ウィスカーに代えてカーボンブラック粉末を
10重量%使用した他は、実施例1と同様にして試験片
を製作し、実施例1と同様にしてその体積固有抵抗を測
定した。 実施例6 アルミナ製のセッター(サヤ)中にカーボンブラック粉
末を入れ、成形体をカーボンブラック粉末中に埋没させ
た状態で焼成した他は、実施例2と同様にして試験片を
製作し、実施例1と同様にしてその体積固有抵抗を測定
した。
【0024】比較例8 直径範囲0.3〜0.6μm、長さ範囲5〜15μmの
炭化ケイ素ウィスカーを使用した他は、実施例2と同様
にして試験片を製作し、実施例1と同様にしてその体積
固有抵抗を測定した。 実施例7〜9及び比較例9〜10 焼成温度を1250℃(実施例7)、1350℃(実施
例8)及び1380℃(実施例9)並びに1200℃
(比較例9)及び1450℃(比較例10)に代えた他
は、実施例2と同様にして試験片を製作し、実施例1と
同様にして体積固有抵抗を測定した。以上、実施例1〜
6及び比較例1〜8の体積固有抵抗の測定結果を表1に
示す。また、実施例7〜9及び比較例9〜10の結果を
表2示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】本発明のセラミックス製発熱体として使用
可能な体積固有抵抗は100Ω・cm以下であるが、表
1の結果によれば、各実施例では体積固有抵抗は14〜
98Ω・cmの範囲であり、いずれも発熱体として使用
できることが分かる。また、実施例6を除いて、表面に
は淡緑色の絶縁保護層が形成されており、内部は黒色の
導電体となっている。実施例6では、表面も酸化されな
いため絶縁保護層は生成せず、全体が黒色の導電体とな
っている。
【0028】一方、炭化ケイ素ウィスカーの配合量が5
重量%(比較例1)の場合は、目視による外観上はあた
かも良品が得られたように見えるが、電子顕微鏡の観察
によれば、セラミックス中に炭化ケイ素ウィスカーの存
在が確認できず、体積固有抵抗が大きい。また、配合量
が25重量%(比較例2)では、成形体の緻密性が低い
ため、焼成時に成形体内部も大気雰囲気に晒されて、中
心部のみに黒色の導電性部分が形成され、その他の部分
は酸化されて淡緑色を呈し、そのため体積固有抵抗は無
限大となって、発熱体として使用できないことが分か
る。尚、図3は実施例1〜5及び比較例1〜2の体積固
有抵抗の値をグラフに表したものであるが、この図によ
れば、炭化ケイ素ウィスカーの配合量が本発明の特定の
範囲でなければならないことがより明らかである。
【0029】また、炭化ケイ素ウィスカーに代えて炭化
ケイ素粉末を使用した場合は、連続した導電性ネットワ
ークが形成されず、カーボンブラック粉末を使用した場
合は、焼成時にすべて燃焼気化してしまって、長石質磁
器そのものとなってしまい、また、直径範囲が非常に小
さい炭化ケイ素ウィスカーを使用した場合も十分な導電
性ネットワークが形成されず、いずれの場合も体積固有
抵抗は無限大となり、発熱体として使用できるものでは
なかった。
【0030】更に、表2の結果によれば、焼成温度が1
250〜1380℃では体積固有抵抗は22〜95Ω・
cmとなっており、発熱体として使用可能であることが
分かる。しかし、1200℃では体積固有抵抗は無限
大、1450℃では127Ω・cmとなっており、焼成
温度が上限を越える場合、及び焼成温度が下限を外れる
場合は特に発熱体として使用できないことが分かる。ま
た、図4は上記結果をグラフに表したものであるが、本
発明で特定する焼成温度を外れた場合、体積固有抵抗が
急激に上昇することがよく分かる。
【0031】尚、本発明においては、前記具体的実施例
に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範
囲内で種々変更した実施例とすることができる。例え
ば、施釉することにより、特に水分と接触する可能性の
高い用途等に好適な発熱体とすることもできる。尚、施
釉した場合は、成形体表面は釉薬からなる薄層によって
覆われるため、成形体をカーボンブラック粉末中に埋没
して焼成した場合と同様、表面も含めて酸化されず、従
って全体が黒色の導電体となった発熱体が得られる。更
に、炭化ケイ素ウィスカーの場合と同様の平均径、平均
長さの窒化チタンウィスカーを同程度配合して使用し、
同等の性能を有する発熱体を得ることもできる。
【0032】
【発明の効果】第1発明のセラミックス製発熱体は、セ
ラミックスそのものが発熱体であって、抵抗線等を埋設
したものではないため耐久性に優れ、また、成形性に優
れる長石質磁器原料が主体であるため、従来の長石質磁
器原料と同じ成形法や焼成法が利用でき、複雑な形状の
製品も簡単に製造することができる。更に、成形機や焼
成炉も碍子等従来の磁器製品に使用していた既設設備を
そのまま利用でき、実用性が高いとともに経済的でもあ
る。また、焼成時に外表面に絶縁保護層を同時形成する
ことができ、別途絶縁処理をする必要もない。
【0033】また、第2発明の特定のウィスカーを使用
すればより優れた性能の発熱体が得られ、第3発明のよ
うに、釉薬を施した発熱体は、耐水性、耐薬品性等が向
上するばかりでなく、抗折強度が高くなる等機械的強度
も向上するため用途範囲が一段と広くなる。第5発明で
は、絶縁保護層のない別の形態の発熱体が得られ、表面
を研磨しなくても、表面も含めた焼結体全体が発熱機能
を備えた製品が得られ、他発明とは異なった用途への適
用が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】焼成温度が1320℃の場合の焼成パターンの
一例を示すグラフである。
【図2】体積固有抵抗測定のための回路図である。
【図3】炭化ケイ素ウィスカーの添加量と体積固有抵抗
値との関係を表すグラフである。
【図4】焼成温度と体積固有抵抗値との関係を表すグラ
フである。
【符号の説明】
1;試験片、2;電圧計、3;電流計、4;直流安定化
電源。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長石質磁器原料と、炭化ケイ素ウィスカ
    ー及び/又は窒化チタンウィスカーとの混合物からなる
    成形体を、大気雰囲気中、1240〜1420℃の温度
    で焼成して得られるセラミックス製発熱体であって、上
    記長石質磁器原料と、上記炭化ケイ素ウィスカー及び/
    又は上記窒化チタンウィスカーとの合計量を100重量
    %とした場合に、上記長石質磁器原料は80〜93重量
    %、上記炭化ケイ素ウィスカー及び/又は上記窒化チタ
    ンウィスカーは20〜7重量%であることを特徴とする
    セラミックス製発熱体。
  2. 【請求項2】 上記炭化ケイ素ウィスカー及び/又は上
    記窒化チタンウィスカーの直径範囲が0.6〜5.0μ
    m、長さ範囲が5〜30μmである請求項1記載のセラ
    ミックス製発熱体。
  3. 【請求項3】 上記成形体に施釉した後焼成して得られ
    る請求項1又は2記載のセラミックス製発熱体。
  4. 【請求項4】 上記施釉に使用する釉薬の熱膨張係数
    が、上記長石質磁器の熱膨張係数に比して小さく、その
    差が2×10-6/℃以下(但し、0は含まない。)であ
    る請求項1、2又は3記載のセラミックス製発熱体。
  5. 【請求項5】 上記成形体をカーボンブラック粉末中に
    埋没させた状態で焼成して得られる請求項1、2、3又
    は4記載のセラミックス製発熱体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003109724A (ja) * 2001-10-01 2003-04-11 Nikko Materials Co Ltd MoSi2製板状ヒーター及びその製造方法

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