JPH07300018A - 窓ガラス安定具用植毛部 - Google Patents

窓ガラス安定具用植毛部

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JPH07300018A
JPH07300018A JP6094484A JP9448494A JPH07300018A JP H07300018 A JPH07300018 A JP H07300018A JP 6094484 A JP6094484 A JP 6094484A JP 9448494 A JP9448494 A JP 9448494A JP H07300018 A JPH07300018 A JP H07300018A
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flocked
fibers
pile
stabilizer
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茂樹 山口
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    • B60J10/00—Sealing arrangements
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    • B60J10/74—Sealing arrangements specially adapted for windows or windscreens for sliding window panes, e.g. sash guides
    • B60J10/75—Sealing arrangements specially adapted for windows or windscreens for sliding window panes, e.g. sash guides for sealing the lower part of the panes

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Abstract

(57)【要約】 【目的】耐摩耗性、滑り性及び窓ガラス開閉時における
異音の発生に関し、より改良された窓ガラス安定用植毛
部材を提供する。 【構成】粘度平均分子量で70万〜600万のポリエチ
レン系繊維を包含してなる窓ガラス安定具用植毛部材
で、植毛部が粘度平均分子量で70万〜600万のポリ
エチレン系繊維に断面積率で1〜50%のフッ素系繊維
が混合された繊維からなるものも含まれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車などの窓ガラス
安定具用植毛部に関し、詳しくは耐摩耗性及び滑り性を
改良し、且つ窓ガラスの開閉時等における不快な擦れ音
発生のない植毛部に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、サッシュレスドア型の自動車で
は、一般に走行時やドアの開閉時の窓ガラスの振動防止
対策として、ドア本体内に窓ガラス安定具を配設して窓
ガラスの振れを抑えている(図1参照)。この窓ガラス
安定具は、ウエザーストリップがドアと窓ガラスのシー
ルを主な目的とするのに対し、窓ガラスの振動防止を最
大の目的とするもので、植毛部を窓ガラスに部分的に当
接させたものである。
【0003】前記につき図面で説明すると、次の通りで
ある。図1は、フロントドアの全体を概略的断面図で示
している。ここで、(1)は窓ガラスで、基本的にはこ
れをドアアウタパネル(4)とドアインナパネル(2)
で支持する構造になっている。(3)と(5)は、各々
該パネル(2)、(4)の補強用パネルである。そし
て、該パネルの開口部位置に、シール用ゴムで構成され
るウエザーストリップを内外に(6)と(7)の如く窓
ガラス(1)が摺動可能な程度に当接するように固設し
てある。
【0004】また、(S)は窓ガラス安定具で、例えば
コの字形の基体(8)に植毛部材(9)を固着して形成
され、この安定具(S)を補強パネル(3)で支持して
いる。このとき植毛部材(9)は、該ガラスに対し所定
の押圧がかかるようになっており、この様にして窓ガラ
スの振動を防止している。
【0005】なお、該安定具(S)は、該ガラスの内面
に対して配置されているが、外面に、或いは外内両面に
配設される場合もある。そして、配設数はドアの大きさ
によって複数個になる場合もある。ここで図2は、図1
に例示された安定具(S)を斜視図で示し、(10)は
植毛部が配設されている基布を示す。図3は、植毛部材
(9)の一例を示す断面図であり、本例における植毛部
材(9)は基布(10)に植毛部(12)が付設されて
なるもので、その裏面には脱毛を防止するために接着
剤、合成樹脂等によるコーティング層(11)が設けら
れたものである。
【0006】上記のような窓ガラス安定具に使用される
植毛部材は、防振を主たる目的とするが、窓ガラスの開
閉時において、特に耐摩擦性、滑り性、不快な擦れ音の
防止、さらには粉塵の噛み込みによる損傷の防止などの
機能も同時に備える必要がある。
【0007】従って、これら種々の要因も勘案して窓ガ
ラス安定具が種々検討されている。例えば、特公昭61
−19446号公報では、窓ガラスと摺接する面の略中
心部にラウンド部を設け、該ラウンド部にフッ素繊維の
直毛を、その周辺にはカール状のナイロン系繊維を植毛
した窓ガラス安定具が提案されている。
【0008】また、該安定具の形状の面から、例えば実
開昭56−132111号公報には、植毛が該ガラスと
接触する面の中央部を打ち抜いた窓ガラス安定具が提案
されている。さらには、実開昭63−176816号公
報には、フッ素系合成樹脂による小突起物、ポッチ状突
起物又は縦長のストライプ状突起物を形成し、この面を
窓ガラスに当接するようにした窓ガラス安定具も提案さ
れている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記の各公報は、各々
先行技術に対して改良された技術ではあるが、上記の複
数の要求事項をすべて高度に満足するものはなく、一層
の改良が望まれている。
【0010】特に、より高度な耐摩耗性、滑り性、さら
には窓ガラスの開閉時に、窓ガラスに付着する水分が窓
ガラスの開閉などによって蒸発、乾燥する過程で起こる
不快音の解消要求に対しては従来のものは十分とは言い
難い。
【0011】そこで本発明者らは、この様な問題の解決
手段について鋭意検討した結果、ついに本発明を完成す
るに至った。
【0012】すなわち、上記の問題は次の手段によって
容易に達成される。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、粘度平均分子
量で70万〜600万のポリエチレン系繊維を含んでな
る窓ガラス安定具用植毛部を提供せんとするものであ
り、また、本発明は、粘度平均分子量で70万〜600
万のポリエチレン系繊維を断面積率で99〜50%、フ
ッ素系繊維を断面積率で1〜50%含んでなる窓ガラス
安定具用植毛部を提供せんとする点にある。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】本発明において、窓ガラス安定具(以下単
に安定具という)は、特に防振機能を持ち、自動車等の
ドアに使用されるものである。この安定具は、ウエザー
ストリップのようにシール機能を有するものとは異な
り、その材質、形状、構造、配設する数及び位置は特に
限定されず、種々の態様が可能である。しかしながら、
一般的にはこの様な安定具はその植毛部が窓ガラスの一
部と当接すれば十分であり、その配設場所も通常ウエザ
ーストリップよりも内側(下側)である。かかる安定具
は窓ガラスの防振効果が発現される範囲で設けられてい
ればよく、配設される数も、特に限定されるものではな
いが、通常1個から数個である。
【0016】植毛部には、粘度平均分子量(以下単に分
子量と呼ぶ)70万〜600万、好ましくは100〜2
50万のポリエチレン系繊維を用いる。このようなポリ
エチレン系繊維は素材として分子量70万〜600万程
度の高分子量、超高分子量ポリエチレン系樹脂を含むも
のである。この際、分子量は一般に知られている粘度法
により求めたものである。ポリエチレン系繊維の分子量
が70万〜600万の範囲にあると、耐摩耗性がポリプ
ロピレン、ポリエステル等の他の素材よりも優れ、且つ
押圧による衝撃にも強く、植毛部が容易には倒れないた
め好ましい。
【0017】植毛部の素材であるポリエチレン系樹脂
は、エチレンの重合体であるが、これと若干の他のオレ
フィン単量体等のモノマーが共重合されたものであって
もよい。エチレンと共重合し得る他のモノマーとして
は、プロピレン、ブテン、酢酸ビニル、(メタ)アクリ
ル酸、(メタ)アクリル酸エステル、テトラフルオロエ
チレン、クロロトリフルオロエチレン等が挙げられ、こ
れらを1種又は2種以上用いて共重合体とすることがで
きる。この様な共重合体としては、例えば、エチレン−
プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチ
レン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−ク
ロロトリフルオロエチレン共重合体等が好ましいものと
して挙げられる。
【0018】しかしながら、該共重合体中のオレフィン
単量体含量は、30モル%程度以下、好ましくは10モ
ル%程度以下、より好ましくは5モル%程度以下であ
る。この様なポリエチレンを主鎖とする共重合体の場
合、エチレン部分の分子量が70万以上である。
【0019】上記ポリエチレン系繊維は更に「他の合成
繊維」(異種繊維)を混合して植毛することもできる。
この場合の混合量は、本発明の本質を変えない程度に制
限され、他の合成繊維の割合は、断面積率で1〜50%
程度である。好ましい「他の合成繊維」としては、フッ
素系繊維、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、液
晶繊維、本発明に係る特定のポリエチレン系樹脂以外の
ポリオレフィン系繊維(例えばポリプロピレン系繊維)
などが例示され、該フッ素系繊維の混合量は、断面積率
で1〜50%、好ましくは5〜30%である。
【0020】なお、ここで断面積率とは、単位面積(1
cm2)当たりの植毛部の全断面積に対する異種繊維の
断面積の比率を%で示したものである。
【0021】本発明において、フッ素系繊維と混合され
た繊維を用いた植毛部は、ポリエチレン系繊維単独の植
毛部に比較して、耐久性のバロメーターとなる弾性回復
率が更に改良されるので好ましい。このフッ素系繊維は
一般に知られているフッ素含有の脂肪族系ポリマーによ
り得られる繊維である。該フッ素系繊維としては、オレ
フィンの炭化水素の半分以上の水素原子がフッ素原子で
置換された単量体のホモポリマー又は共重合体であり、
例えば、炭素に結合する原子がすべてフッ素原子である
パーフルオロ重合体の1種であるポリテトラフルオロエ
チレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンとパーフ
ルオロアルキルビニルエーテルの共重合体(PFA)、
テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンの
共重合体(FEP)、フッ素化炭化水素の1種であるポ
リビニリデンフルオライド(PUDF)、テトラフルオ
ロエチレンとエチレンとの共重合体、クロロトリフルオ
ロエチレンとエチレンとの共重合体等を例示できる。
【0022】就中、パーフルオロ体は、部分フルオロ体
よりも好ましく、さらにはホモポリマーよりも共重合系
のフルオロ体が好ましい。
【0023】なお、このフッ素系繊維がパーフルオロ体
と部分フルオロ体とによる繊維の混合であったり、ま
た、前記したパーフルオロ体や部分フルオロ体は物性の
異なる繊維の混合物であってもよい。
【0024】前記した混合された繊維を植毛する場合の
各繊維における形状(断面)、太さ、糸条の形態等につ
いても、前記ポリエチレン系繊維の場合と同じで、特に
制限はされないが、特にフッ素系繊維の場合、太さはよ
り太い方が好ましく、後記するような方法により円形断
面積に換算した場合における1本の直径が約100〜2
00μm程度を例示できる。
【0025】本発明で使用する繊維は、基本的には前記
した特定のポリエチレン系樹脂を溶融紡糸して得られる
もので、特に限定されないが、例えば、モノフィラメン
ト、マルチフィラメント、細かくカッティングされたチ
ョップド繊維などが挙げられる。他の方法によって得ら
れる繊維状物も本発明の繊維に包含される。
【0026】これら繊維或いは繊維状物の形状、長さ、
太さについては特に制限されない。例えば、形状につい
ては、円形、中空、異形の断面形状を例示でき、その1
本の太さは円形断面積に換算したときの直径が約5〜1
50μm程度、好ましくは20〜120μm程度、長さ
については後述のパイル編・織では長尺フィラメントを
用い、静電植毛では0.3〜1.5mm程度のチョップ
ド繊維を用いるのが好ましい。なお、前記円形断面積に
ついては異形断面、中空断面等を有する繊維はすべて空
間を除き円形に換算したときの直径を示すもので、円形
の場合は換算を要しないものである。
【0027】植毛がフィラメントで行われる場合には、
一般には糸条形態、すなわちマルチフィラメントが用い
られる。このマルチフィラメント中の単糸(フィラメン
ト)の数は、特に制限されないが、後記するパイル織に
よる植毛形成の際の織り特性等を考慮すると、約10〜
500本程度である。この範囲は、フィラメント自身の
太さに依存するもので、フィラメントが太い場合には、
その本数を少なくして織り易くするとよい。
【0028】なお、前記のフィラメントの太さを例えば
20〜120μmとして、これを100本そろえて糸と
した場合の太さをデニールで換算すると、本発明にかか
るポリエチレン糸繊維の場合、約400〜15000デ
ニールに相当する。糸条としては、例えば無撚または加
撚の単糸、無撚の揃い糸、2体以上の単糸に撚をかけた
撚糸を挙げることができるが、これらに限定されない。
ここで、撚のかけ方としては、S撚、Z撚、共撚、甘
撚、強撚、もろ撚、ちりめん撚又はこれらの混合撚等を
例示することができる。また、芯糸にフィラメント糸を
コイル状に巻き付けたカバードヤーンも例示でき、就中
引揃い糸、撚糸又はカバードヤーンは好ましく、さらに
は撚糸がより好ましいものとして例示される。なお、こ
こで糸条として紡績糸も含まれる。なお、こうした引揃
い糸、撚糸又はカバードヤーン等はモノフィラメントで
構成されていてもよく、モノとマルチが混合した構成で
あってもよい。
【0029】また、前記糸条におけるフィラメントは、
同一の繊径を有するものから形成されてもよいが、異径
のフィラメントを適当な割合で混合して前記糸条として
もよい。
【0030】また、分子量の異なるポリエチレン系繊維
のフィラメントを前記糸条としてもよく、更に他の合成
繊維(異種繊維)を混合して植毛することもできる。
【0031】次に、植毛部及び基布から構成される植毛
部材の作製方法について説明する。先ず植毛部は、先端
がカットされたパイル(カットパイル)が直立して植毛
されているものが好ましいが、カットされたパイルであ
ることや、全ての繊維が直立であることは条件ではな
く、本発明の効果を阻害しない範囲内であれば、植毛部
材の一部又は全部がカットされていないパイル及び/又
は傾斜した状態での植毛であってもよい。また、植毛の
先端がループ状のパイルであってもよく、ループ状パイ
ルとカットパイルの混合であってもよい。
【0032】植毛部は、大別して、次に例示する2つの
方法により通常作成される。1つの方法は、安定具を構
成する基体の一面に直接繊維を植毛する直接法であり、
他の1つは別途作成された植毛部材を該基体に固着する
間接法である。ここで、直接法は、例えば基体面に接着
剤を付着しておき、短繊維状、パイル状などのチョップ
ド繊維を電着植毛する方法が代表例として挙げられる。
このように直接法のときは、植毛部と植毛部材が同じも
のを意味することもある。また、プラスチックシート、
ゴム板等に電着植毛し、それを基体面に固着してもよ
い。
【0033】一方、間接法は前記の如くパイル織やパイ
ル編によって植毛する方法を代表例として挙げることが
できる。すなわち、その方法としては図3に示すように
基布(10)を構成する繊維と、植毛部(12)を構成
する繊維とを後者がパイル組織となるようにパイル織も
しくはパイル編し、パイルをカットしていわゆるカット
パイルによる植毛部を作成するものである。パイル編・
織はシングルパイルでもダブルパイルでもよく、また必
要に応じてパイル面と反対面を適宜樹脂、接着剤等によ
るコーティング層(11)を形成してセットし、植毛部
の脱落を一層確実に防止するようにしてもよい。前記し
た基布(10)を構成する繊維については、特に制限は
ないが、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、
アクリル系重合体等の合成繊維の他に天然繊維、化学繊
維等の各種繊維が使用可能である。また、前記したコー
ティング層を形成する樹脂、接着剤としては、特に制限
はないが、アクリル系、酢酸ビニル系のもの等を例示で
き、耐熱性を有するものがより好ましい。以上はカット
パイル構造についてであるが、シングルパイル編織物を
カットしない、いわゆるループ状のパイル構造の植毛部
も本発明に包含される。
【0034】この様に、パイル編・織については前記の
如くダブルパイル編・織機で二重織し、2つにカットし
てカットパイルを得るダブルフェイスカットパイルでも
よいし、シングルパイルの編・織機で得られたループ
(輪奈状)のパイルでもよい。また、部分的にパイル長
に高低のあるハイローパイル(長短パイル)とすること
も可能である。
【0035】以上の各種方法によって得られた植毛部
は、フィラメントの太さ、糸条の太さ、作製方法などに
よって植毛の分布状態、すなわち植毛(パイル)密度も
異なる。しかしながら、本発明はなんらの制限を受ける
ものではないが、植毛密度についてはその粗密にある程
度効果上の差を見る場合があり、植毛は、例えば単位面
積(1cm2)当たり単糸に換算して約300〜100
00本程度であるのが好ましい。また、植毛長は、一般
には約3〜10mm程度である。しかしながら、前記し
た電着植毛法で植毛部を形成する場合は、植毛長は0.
3〜1.5mm程度を例示できる。
【0036】前記の如く、製織又は編成によって得られ
た植毛部材は、基布からの脱毛とパイル補強のために仕
上がった時点で接着剤でバックコートするのが好まし
い。接着剤、コーティング方法は特に制限されないが、
ポリエチレン繊維自身の接着性はよくないので、特に制
限はないが、接着剤の選定とともに接着性の向上のため
の、表面酸化処理、プライマーの塗布などの一般の表面
処理を行うのが好ましい。
【0037】かくして得られた植毛部材を本発明にかか
る安定具にするためには、各種基体(8)の形状と大き
さに合わせて所定の寸法にカットし、該基体(8)に固
着する必要がある。この際、基体の形成、寸法、材質等
及び固着方法については、特に制限されないが、該固着
方法としては、必要な基体の一面に接着剤(耐熱性の高
いものが好ましい)で接着する方法や、物理的に締着、
螺着する方法などが例示される。
【0038】なお、固着に際して、該基体と植毛部材と
の間に適当な緩衝材、例えばゴム、スポンジ、フェルト
等を介在させてもよい。
【0039】なお、安定具の上部位置に、安定具の幅よ
りも大きめに清掃部を設け、これを安定具と一体化して
もよい。この清掃部は窓ガラスの開閉の際に、窓ガラス
に付着した粉塵などの異物を清掃除去し、安定具への異
物の噛み込みをなくすよう完全を期すためのものであ
る。この清掃部にも本発明のポリエチレン系繊維を含む
植毛部を併用することもできるが、この場合、一般には
植毛長は安定具のそれよりも長く、繊径は小さく、パイ
ル密度はより密であるのが好ましい。
【0040】更に、本発明にかかる繊維を図6に示すよ
うに窓ガラスに付設されたストッパー受け(14)にお
ける内周面に植毛して植毛部を形成することも可能であ
る。一般に、自動車の窓ガラスの下部にはストッパー
(15)が付設されており、このストッパー(15)は
例えばインナー部の補強用パネル(3)に設けられたス
トッパー受け(14)と摺接・咬合することによって、
窓ガラスの上方への移動がストップするようになってい
る。従って、ストッパー受け(14)はストッパー(1
5)をはさみ込む構成であり、その中にストッパー(1
5)が入り込むことによって、窓ガラスの上方への移動
はストップし、全開時における窓ガラスの振動を防止す
るのである。このストッパー受け(14)の構造は適宜
でよいが、例えば図6にその構造が示される。この様な
ストッパー受け(14)のストッパーと摺接する部分に
本発明の繊維を用い、基布(10)等を介して、又は介
さずに植毛部(12)を形成することも可能である。こ
の際、ストッパー受け(14)を本発明に係る安定具と
一体的に設けることも可能であり、この様な安定具を作
製するに際し、そのストッパー受け(14)のストッパ
ーと摺接する部分に、本発明に係る繊維を用い、図6に
示すように植毛部(13)を形成してもよい。この様な
構成とすることで、本発明に係る繊維は一層その用途が
広がる。なお、この様なストッパー受けも本発明の窓ガ
ラス安定具の一種である。
【0041】
【実施例】次に実施例と比較例とによって本発明を更に
詳述するが、これらが本発明の技術的範囲を制限するも
のではないことは言うまでもない。
【0042】実施例1 ここでは、ダブルパイル織機によって二重織し、中心部
から2つにカットしてなるダブルフェースカットパイル
を植毛部材とし、これを安定具の基体に固着して各種評
価に供した。そのために先ず植毛部及び植毛部を保持す
る基布を次の通りに作製した。
【0043】〔基布設計〕縦糸30番手−2本、横糸4
0番手−2本のスパンポリエチレンテレフタレート繊維
を使用し、打ち込み本数44本/インチ、縦55本/イ
ンチにて基布の作製準備をした。
【0044】〔植毛部の設計〕先ず、分子量約100万
の高分子量ポリエチレンから紡糸された、分子量が約1
00万で、且つ円形断面を有しその繊径が38μである
10dの単糸を用い、500d/50fのマルチフィラ
メントを作製した。このマルチフィラメント2本を用
い、それぞれ120回/mでS撚をかけ、この2本のマ
ルチフィラメントをS撚の状態で合糸し、次いで120
回/mでZ撚をかけ、1本の撚糸を得た。こうして得た
撚糸を使用し、打ち込み本数縦9本/cm、横8本/c
mにて植毛部を作製する準備をした。
【0045】上記設計により、二重パイル織機を用い
て、カット後のパイル長が5.3mm、基布巾40m
m、植毛巾15mmになるようにダブルパイル織物を作
製し、二重織物の中央部をカットして2枚のカットパイ
ル織物を得た。しかる後、パイルが脱毛しないようにア
クリル−スチレン系の接着剤にてパイル面の反対面にバ
ックコーティングを施した。なお、パイル密度は単糸換
算で7200本/cm2であった。
【0046】こうして得られたカットパイル織物を所定
の形状にカットして植毛部材を得、その窓ガラスに対す
る滑り性、異音(不快音)及び摩耗について評価した。
【0047】なお、ここで滑り性はASTM・D189
7に記載の試験法に準じて1kg荷重下にセミウエット
環境での動摩擦係数(μd)を測定した。ここでのセミ
ウエットとは、ガラス摺動面上を噴霧器により均一に水
をかけた濡れ状態(ウエット状態)から同面上の水が蒸
発・乾燥する状態(ドライ状態)までの過渡的状態を指
す。
【0048】また、異音は図4と図5に示す形状の安定
具(植毛接触面積10×25mm)を、自動車のフロン
トドアのドアインナパネルの補強用パネルに固定して、
植毛部分を窓ガラスに当接して、次の条件でテストをし
た。
【0049】すなわち、該当接は20kgfの押圧をか
けた状態で行い、窓ガラスの開閉の速度は、全閉・全開
を1サイクルとして9秒/1サイクルとした。また、試
験開始は乾燥状態(ドライ)から入り、3サイクルした
時点の全閉状態で噴霧器を用いて全面に均一に水をかけ
て濡らし、ウエット状態(ウエット)にし、以後この状
態から開閉を続行した。ウエット状態からの開閉で、徐
々に該ガラス面の水分は蒸発し、再び最初の乾燥状態に
戻るが、このウエットからドライにガラスの表面が変化
する過程(セミウエット)での異音発生の有無を官能的
に観察した。
【0050】更に、摩耗については、前記異音テストで
用いた安定具の基体に植毛部材を固着し、平面状態に置
かれた窓ガラス板面上から、押圧10kgfで当接しつ
つ該ガラス板の長さ450mmを往復6秒を要して摺動
せしめ、この往復回数で摺動面の植毛状態をチェックし
た。なお、植毛状態については摺動による植毛部の摩耗
及び植毛部の変化を視覚により判断した。
【0051】実施例2 実施例1で得たものと同一のマルチフィラメント(50
0d/50f)の1本を120回/mでS撚を行った。
一方、PFAを4mmφの口金から溶融紡糸して、円形
断面で繊径180μmのPFAモノフィラメントを得
て、これを120回/mでS撚した。この2つのS撚糸
をS撚の状態で合糸し、120回/mでZ撚を行って植
毛部に用いる混合繊維糸を得た。
【0052】前記混合繊維糸を使って、実施例1と同様
に二重パイル織機にてカット後のパイル長5.3mmに
なるように中心部をカットし、2枚のパイル植毛部材を
得、脱毛しないように、実施例1と同様に接着剤でバッ
クコートを施した。
【0053】なお、PFAの混合率は断面積率で約5%
であった。
【0054】得られたパイル植毛部材を所定形状にカッ
トし、実施例1と同様の条件にて滑り性、異音、摩耗に
ついて評価した。
【0055】比較例1 繊径47μmで33.3dのPFAフィラメント36本
を準備し、1200d/36fのマルチフィラメント2
本を得た。この2本のマルチフィラメントを実施例1と
同様にして撚をかけ、1本の撚糸を得た。
【0056】このパイル糸を使用して実施例1と同様に
パイル織し、PFA繊維のみからなるパイル植毛部材を
作製した。
【0057】得られたパイル植毛部材を用いて、実施例
1と同様にして滑り性、異音、摩耗について評価した。
【0058】比較例2 PTFEによる繊径29μm、13.3dのフィラメン
ト90本を準備し、1200d/90fのマルチフィラ
メントを2本使用する以外は実施例1と同様にして植毛
部材を得、滑り性、異音、摩耗について評価した。
【0059】実施例1および2、比較例1及び2の評価
結果を表1にまとめた。
【0060】
【表1】
【0061】A*:毛先が部分的にフィルム状に変化し
た。
【0062】B*:植毛部がつぶれ、フィルム状となっ
た。
【0063】なお、表1中:○は、全く異音無し;△
は、かすかに異音が発生するが、不快ではない;及び×
は、異音が発生し不快に感じることを各々示す。
【0064】上記表1に示されるように、本発明の植毛
部材は、比較例のものに比べて滑り性、異音及び摩擦の
総合評価が極めて優れていることは、容易に理解でき
る。
【0065】
【発明の効果】前記から明らかなように、本発明の植毛
部は、極めて優れた滑り性を有しており、このことは窓
ガラスの開閉がガラスの表面状態に影響されず、軽快に
行えることを意味する。従って、ドライバーにとって極
めて便利であり、低動力化も可能である。また、窓ガラ
スの開閉に際し、どのような環境下においても一切の不
快音が聞かれず、従って快適なドライブを楽しむことが
できる。さらに、摩耗特性に優れており、10kgfと
いう強力な押圧下での窓ガラスの開閉に対しても植毛部
の損傷が全くなく、弾性回復性、すなわち耐久性にも優
れている等、様々な効果をも奏するものである。
【0066】しかも、本発明の植毛部はいかなる振動に
対しても窓ガラスに微動も見られず、完全に防振でき
る。
【0067】なお、本発明の植毛部は主として自動車の
窓ガラス安定具用として使用されるが、摺動用植毛部材
として他用途、例えば複写機関係のクリーニングブラ
シ、自動ドアの防振材、人工スキー状の滑走面(グラン
ド材)にも利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車におけるフロントドアの概略断面図であ
る。
【図2】本発明に係る安定具(S)を示す斜視図であ
る。
【図3】植毛部材の断面図である。
【図4】本発明の植毛部材の他の実施態様である。
【図5】本発明の安定具を側部から見たときの断面図で
ある。
【図6】自動車におけるフロントドアの他の実施態様を
示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 窓ガラス 2 ドアインナパネル 3 補強用パネル(イン) 4 ドアアウタパネル 5 補強用パネル(アウト) 6 ウエザーストリップ(アウト) 7 ウエザーストリップ(イン) 8 基体 9 植毛部材 10 安定具 11 コーティング層 12 植毛部 13 ストッパー受けの植毛部 14 ストッパー受け 15 ストッパー S 安定具

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粘度平均分子量で70万〜600万のポリ
    エチレン系繊維を含んでなる窓ガラス安定具用植毛部。
  2. 【請求項2】粘度平均分子量で70万〜600万のポリ
    エチレン系繊維を断面積率で99〜50%、フッ素系繊
    維を断面積率で1〜50%含んでなる請求項1に記載の
    窓ガラス安定具用植毛部。
  3. 【請求項3】ポリエチレン系繊維の粘度平均分子量が1
    00〜250万である請求項1又は2に記載の窓ガラス
    安定具用植毛部。
  4. 【請求項4】フッ素系繊維がパーフルオロ体からなる請
    求項2又は3に記載の窓ガラス安定具用植毛部。
  5. 【請求項5】フッ素系繊維がテトラフルオロエチレン−
    パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、エチレ
    ン−テトラフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロ
    エチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体から選ば
    れた少なくとも1種の共重合体である請求項2または3
    に記載の窓ガラス安定具用植毛部。
  6. 【請求項6】繊維がフィラメントからなる引揃い糸、撚
    糸及びカバードヤーンからなる群から選ばれる少なくと
    も1種である請求項1〜5のいずれかに記載の窓ガラス
    安定具用植毛部。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2026512552A (ja) * 2023-03-21 2026-04-16 讚 奎 陳 自動車ウェザーストリップ用スリップテープ

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