JPH07300666A - シリコン蒸発用分子線源およびこれに用いるるつぼの製造方法 - Google Patents

シリコン蒸発用分子線源およびこれに用いるるつぼの製造方法

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JPH07300666A
JPH07300666A JP18908694A JP18908694A JPH07300666A JP H07300666 A JPH07300666 A JP H07300666A JP 18908694 A JP18908694 A JP 18908694A JP 18908694 A JP18908694 A JP 18908694A JP H07300666 A JPH07300666 A JP H07300666A
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JP
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crucible
silicon
molecular beam
melting point
beam source
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JP18908694A
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English (en)
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Takatoshi Yamamoto
高稔 山本
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Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Nissin Electric Co Ltd
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    • C—CHEMISTRY; METALLURGY
    • C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23C—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C14/00—Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material
    • C23C14/22—Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material characterised by the process of coating
    • C23C14/24—Vacuum evaporation
    • C23C14/243—Crucibles for source material

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 反応性の高いシリコンと反応しない、もしく
は反応してもこれによって溶融せず耐熱性が低下しない
シリコン蒸発用分子線源およびこれに用いるるつぼの製
造方法を提供する。 【構成】 シリコンを収容するるつぼ22が、融点がシ
リコンよりも高い高融点材料をもって形成した外側るつ
ぼ22aと、その内側に設けられていて炭化シリコンま
たはカーボンをもって形成した内側るつぼ22bとから
成ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば半導体多層薄
膜構造の結晶を成長する分子線結晶成長装置(以下、M
BE装置という)の分子線源およびこれに用いるるつぼ
の製造方法に係り、特に反応性の高いシリコンを分子線
原料として蒸発するのに適したるつぼの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】分子線結晶成長法(以下、MBE法とい
う)は、真空容器内で分子線源から射出された分子線を
半導体基板に照射して、この半導体基板上に半導体薄膜
結晶を成長させる方法である。MBE法は高度の制御
性、特に急峻なヘテロ接合界面と薄い半導体結晶層が要
求される結晶の成長に適した方法であり、MBE法によ
り成長した半導体薄膜結晶によって、優れた特性を持つ
半導体素子、例えば高電子移動度トランジスタ(HEM
T)が実用に供されている。
【0003】従来のMBE装置の一例を図11に示す。
超高真空容器1内には、例えば複数個の分子線源2、3
が設置されている。分子線源2、3より所望の分子線が
射出され、これらの分子線源2、3に対向する位置に配
置された例えば半導体基板である試料4上に半導体薄膜
結晶を成長させる。分子線源2、3より射出される分子
線は、それぞれの分子線源2、3の開口部に設けられた
シャッタ5、6により断続的に遮断され、その射出が制
御される。また、これら分子線源2、3、シャッタ5、
6は、真空容器1内を超高真空に保つための液体窒素シ
ュラウド7によって囲まれている。
【0004】図12に、図11において2(もしくは
3)で示した分子線源の要部断面図を示す。通常、分子
線源2(3)は、分子線原料21を入れた、例えばパイ
ロリティックボロンナイトライド(PBN)あるいはタ
ンタル(Ta )製のるつぼ22と、このるつぼ22の外
周に配設され、前記分子線原料21を加熱するためのヒ
ータ23と、このヒータ23の外周を覆うように配設さ
れ加熱効率を向上させるための熱反射板24と、分子線
発生原料21の温度をモニタするための熱電対25とか
ら構成されている。
【0005】るつぼ22を介してヒータ23で分子線原
料21を加熱することにより、分子がるつぼ22の開口
部26から真空容器1内に射出される。また開口部26
近傍に配置されたシャッタ5を開閉することにより、分
子線を射出、もしくは遮断することが可能となる。シャ
ッタ5の開閉は、通常、シャッタ5の一端を支持したシ
ャフト51の回転によって行われる。なお、図中の27
は、ヒータ23へ図示しない電源から電力を供給するた
めのリード線である。
【0006】ところで、この種のMBE装置において、
分子線原料21として例えばシリコン(Si )を蒸発さ
せる場合、シャッタ5が閉じられた状態で、るつぼ22
内に分子線原料21であるシリコンを収容し、前記ヒー
タ23に通電して約1500℃の高温に加熱してシリコ
ンを溶融している。成長を開始するには、シャッタ5を
開ければ、蒸発したシリコン元素が分子線源2の開口部
26より真空中に飛び出し、試料4の上にシリコンの薄
膜を成長する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のよう
な構成においては、るつぼ22として耐熱性の高いパイ
ロリティックボロンナイトライド製のものを使用してい
るが、分子線原料21として、シリコンのようなパイロ
リティックボロンナイトライドと反応する反応性の高い
物質を用いた場合、パイロリティックボロンナイトライ
ド製のるつぼ22内にシリコンを収容し加熱すると、パ
イロリティックボロンナイトライドとシリコンとが反応
する。
【0008】この結果、シリコン以外のるつぼ22を構
成する材料がシリコンと共に蒸発して試料4の上に成長
するといった不都合があった。
【0009】この発明者の実験結果によると、分子線原
料としてシリコンを成長させた試料片をオージェ電子分
光法により分析したところ、シリコン以外のるつぼの構
成物質である窒素(N)が検出された。
【0010】また、他の例として、例えば厚みが1mm
のタンタル製のるつぼにシリコンを収容し、1500℃
で加熱し、30分間分子線を発生させたところ、るつぼ
の壁面の一部分が溶融して凸状に膨れ、これ以上分子線
を発生させていると孔があき、使用に耐えることができ
ないことが確認された。
【0011】そこでこの発明は、反応性の高いシリコン
と反応しない、もしくは反応してもこれによって溶融せ
ず耐熱性が低下しないシリコン蒸発用分子線源およびこ
れに用いるるつぼの製造方法を提供することを主たる目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の分子線源は、分子線原料としてシリコン
を収容するるつぼと、このるつぼの外周に配設されてい
て前記シリコンを加熱するヒータと、このヒータの外周
に配設された熱反射板と、前記シリコンの温度をモニタ
する熱電対とを備え、前記るつぼが、融点がシリコンよ
りも高い高融点材料をもって形成した外側るつぼと、そ
の内側に設けられていて炭化シリコンをもって形成した
内側るつぼとから成ることを特徴とする。
【0013】また、この発明の分子線源は、分子線原料
としてシリコンを収容するるつぼと、このるつぼの外周
に配設されていて前記シリコンを加熱するヒータと、こ
のヒータの外周に配設された熱反射板と、前記シリコン
の温度をモニタする熱電対とを備え、前記るつぼが、融
点がシリコンよりも高い高融点材料をもって形成した外
側るつぼと、その内側に設けられていてカーボンをもっ
て形成した内側るつぼとから成ることを特徴とする。
【0014】また、この発明の分子線源は、分子線原料
としてシリコンを収容するるつぼと、このるつぼの外周
に配設されていて前記シリコンを加熱するヒータと、こ
のヒータの外周に配設された熱反射板と、前記シリコン
の温度をモニタする熱電対とを備え、前記るつぼが、融
点がシリコンよりも高い高融点材料をもって形成した外
側るつぼと、その内側に層状にパイロリティックグラフ
ァイトを一体的にコーティングして形成した内側るつぼ
とから成ることを特徴とする。
【0015】この発明の製造方法は、気相成長法により
高温減圧下で三塩化硼素とアンモニアとを反応せしめ、
円筒状のるつぼ型材の外側にパイロリティックボロンナ
イトライド膜を成長させ、その後前記るつぼ型材をとり
除きパイロリティックボロンナイトライド成形体から成
る外側るつぼを形成した後、気相成長法により高温減圧
下で脂肪族炭化水素を反応せしめ、前記外側るつぼの内
側に、パイロリティックグラファイトを成長させてパイ
ロリティックグラファイト層から成る内側るつぼを一体
的に形成することを特徴とする。
【0016】また、この発明の製造方法は、気相成長法
により高温減圧下で三塩化硼素とアンモニアとを反応せ
しめ、円筒状のるつぼ型材の外側にパイロリティックボ
ロンナイトライド膜を成長させ、その後前記るつぼ型材
をとり除きパイロリティックボロンナイトライド成形体
から成る外側るつぼを形成した後、気相成長法により高
温減圧下で脂肪族炭化水素を反応せしめ、前記外側るつ
ぼの内側に、パイロリティックグラファイトを成長させ
てパイロリティックグラファイト層から成る内側るつぼ
を一体的に形成し、その後この内側るつぼ内にシリコン
を収容し、真空中で加熱して内側るつぼを形成するパイ
ロリティックグラファイトとシリコンとを反応せしめ、
前記パイロリティックグラファイト層とシリコンとの界
面に炭化シリコン層を形成することを特徴とする。
【0017】
【作用】上記分子線源によれば、るつぼそのものは、外
側るつぼと内側るつぼとから構成されていて、外側るつ
ぼは、機械的強度および耐熱性に優れた材料により形成
されており、しかも内側るつぼは、反応性の高いシリコ
ンに対して安定な炭化シリコンにより形成されているた
め、分子線原料としてシリコンを加熱してもそれが内側
るつぼと反応せず、従って、前記シリコンが外側るつぼ
と反応することを防ぐことができる。
【0018】また、上記分子線源によれば、るつぼその
ものは、外側るつぼと内側るつぼとから構成されてい
て、外側るつぼは、機械的強度および耐熱性に優れた材
料により形成されており、しかも内側るつぼは、カーボ
ンにより形成されているため、るつぼ内に分子線原料と
してシリコンを入れて加熱し、このシリコンを溶融する
と、内側るつぼのカーボンとシリコンとが反応し、その
界面に反応性の高いシリコンに対して安定な炭化シリコ
ン層が形成され、それ以上反応が進むのが抑制される。
従って、前記シリコンが外側るつぼと反応することを防
ぐことができる。
【0019】上記分子線源によれば、るつぼそのもの
は、外側るつぼと内側るつぼとから構成されていて、外
側るつぼは、機械的強度および耐熱性に優れた材料によ
り形成されており、しかも内側るつぼは、外側るつぼの
内側に層状にパイロリティックグラファイトをコーティ
ングして一体的に形成されているため、るつぼ内に分子
線原料としてシリコンを入れて加熱すると、速やかに熱
が伝達され、内側るつぼのパイロリティックグラファイ
トとシリコンとが反応し、その界面に反応性の高いシリ
コンに対して安定な炭化シリコン層が形成され、それ以
上反応が進むのが抑制される。従って、前記シリコンが
外側るつぼと反応することを防ぐことができる。
【0020】さらに、上記製造方法によれば、高温減圧
下で三塩化硼素とアンモニアとの反応により空気中で、
円筒状のるつぼ型材の外側に安定な緻密質のパイロリテ
ィックボロンナイトライド膜が成長し、その後前記るつ
ぼ型材を取り除けば、パイロリティックボロンナイトラ
イド成形体から成る外側るつぼが形成でき、その後高温
減圧下で前記外側るつぼの内側に、脂肪族炭化水素の加
熱反応により、パイロリティックグラファイトが成長
し、パイロリティックグラファイト層から成る内側るつ
ぼが一体的に形成できる。
【0021】また、上記製造方法によれば、高温減圧下
で三塩化硼素とアンモニアとの反応により空気中で、円
筒状のるつぼ型材の外側に安定な緻密質のパイロリティ
ックボロンナイトライド膜が成長し、その後前記るつぼ
型材を取り除けば、パイロリティックボロンナイトライ
ド成形体から成る外側るつぼが形成でき、その後高温減
圧下で前記外側るつぼの内側に、脂肪族炭化水素の加熱
反応により、パイロリティックグラファイトが成長し、
緻密質なパイロリティックグラファイト層から成る内側
るつぼが一体的に形成でき、その後、この内側るつぼ内
に収容したシリコンと内側るつぼを形成するパイロリテ
ィックグラファイトとが真空中で加熱反応し、前記パイ
ロリティックグラファイトとシリコンとの界面にシリコ
ンに対して安定な炭化シリコン層が形成される。
【0022】
【実施例】
第1実施例(図1参照) 図1は、この発明の一実施例に係るシリコン蒸発用分子
線源の要部断面図である。なお、図11、図12の従来
例と同じ符号を附した部分は、同一または対応する部分
を示す。以下においては当該従来例との相違点を主に説
明する。
【0023】この実施例においては、前述したシリコン
蒸発用分子線源2として、その厚みが0.5mm〜5m
m程度の外側るつぼ22aと、その内側に密接して設け
られていて、その厚みが10μm〜1mm程度の内側る
つぼ22bとから成る二重構造のるつぼ22を用いてい
る。そして、前記外側るつぼ22aは、融点が分子線原
料21であるシリコン(Si )よりも高い高融点材料を
もつて形成する。即ち、シリコンの融点が1412℃で
あるので、例えば融点が1500℃以上であるタンタ
ル、モリブデン、タングステンあるいはこれらの合金、
または気相成長法によって成形したパイロリティックボ
ロンナイトライド(PBN)などを用いることができ
る。
【0024】また、内側るつぼ22bは、炭化シリコン
(SiC)をもって形成した成形体、あるいは外側るつ
ぼ22aの内面に、気相成長法により、厚さ1μm〜2
00μm程度の炭化シリコン層をコーティングして一体
的に形成したものでもよい。
【0025】以上の構成によれば、外側るつぼ22a
は、機械的強度および耐熱性に優れた材料により形成さ
れ、しかも内側るつぼ22bは、反応性の高いシリコン
に対して安定な炭化シリコンにより形成されているた
め、分子線原料21としてシリコンを加熱してもそれが
内側るつぼ22bと反応せず、従って、前記シリコンが
外側るつぼ22aと反応することを防ぐことができる。
【0026】また、上述のように、外側るつぼ22aの
内面に、炭化シリコンから成る内側るつぼ22bをコー
ティングして形成すると、両るつぼ22a、22b間の
密着性が向上し、従って、この間の熱伝達性が優れ都合
がよい。
【0027】第2実施例(図2参照) 図2は、この発明の他の実施例を示するつぼ22の概略
断面図である。以下第1実施例との相違点のみを主に説
明する。第1実施例では、内側るつぼ22bを炭化シリ
コンにより形成したが、この例では、内側るつぼ22b
をカーボン(C)をもって形成している。また、この内
側るつぼ22bとしては、外側るつぼ22aの内面に、
気相成長法などによりカーボンを成長させ、厚さ1μm
〜200μm程度のパイロリティックグラファイト(P
G)層をコーティングして一体的に形成したものでもよ
い。
【0028】以上の構成によれば、外側るつぼ22a
は、第1実施例と同様に機械的強度および耐熱性に優れ
た材料により形成されており、内側るつぼ22bは、カ
ーボンにより形成されているため、るつぼ22内に分子
線原料21としてシリコンを入れ、このるつぼ22をM
BE装置内にセットし、装置内を所定の真空度に排気し
てるつぼ22をヒータにより1500℃程度に加熱して
シリコンを溶融すると、内側るつぼ22bを形成するカ
ーボンと前記シリコンとが反応し、その界面に反応性の
高いシリコンに対して安定な炭化シリコン層が形成さ
れ、前記反応がこれ以上進むのが抑制される。従って、
前記シリコンが外側るつぼ22aと反応することを防ぐ
ことができる。
【0029】また、上述のように、外側るつぼ22aの
内面に内側るつぼ22bをコーティングして形成する
と、両るつぼ22a、22b間の密着性が向上し、従っ
て、この間の熱伝達性が優れ都合がよい。
【0030】第3実施例(図3および図4参照) 図3および図4は、この発明によるるつぼ22の製造方
法の一実施例を説明するための説明図である。この実施
例では、外側るつぼ22aを形成するための基材、例え
ば黒鉛から成る円筒状のるつぼ型材10を、図3に示す
ように真空加熱炉11内の載置台14の上に設置し、真
空加熱炉11内を図示しない真空ポンプを稼働して10
Torr以下の減圧に保持しつつ、1800℃以上、好
ましくは2000℃以上に加熱しながらガス導入口12
から三塩化硼素(BCl3)と、同じくガス導入口13
からアンモニア(NH3)とを導入し、これらを高温減
圧下で反応せしめ、また、必要に応じて前記載置台14
を回転させながら前記円筒状のるつぼ型材10の外側に
パイロリティックボロンナイトライド膜を所望厚さ、例
えば0.5mm〜2mm程度に成長させる。これが外側
るつぼ22aとなる。
【0031】その後、前記真空加熱炉11内からるつぼ
型材10とともにパイロリティックボロンナイトライド
から成る外側るつぼ22aを取出し、前記るつぼ型材1
0を取除きパイロリティックボロンナイトライド成形体
から成る外側るつぼ22aを形成した後、この外側るつ
ぼ22aを、図4に示すように真空加熱炉15内の載置
台17の上に設置し、真空加熱炉15内を図示しない真
空ポンプを稼働して10Torr以下の減圧に保持しつ
つ、1800℃以上、好ましくは2000℃以上に加熱
しながらガス導入口16から脂肪族炭化水素(CnH
2n+2)を導入し、高温減圧下で反応せしめ、前記外側る
つぼ22aの内側に、パイロリティックグラファイト膜
を所望厚さ、例えば1μm〜200μm程度に成長さ
せ、パイロリティックグラファイト層から成る内側るつ
ぼ22bを一体的に形成する。これによって、るつぼ2
2が形成される。
【0032】以上の方法によれば、高温減圧下で三塩化
硼素とアンモニアとの反応により空気中で、円筒状のる
つぼ型材10の外側に安定な緻密質のパイロリティック
ボロンナイトライド膜が成長し、その後前記るつぼ型材
10を取り除けば、パイロリティックボロンナイトライ
ド成形体から成る外側るつぼ22aが形成でき、その
後、高温減圧下で前記外側るつぼ22aの内側に、脂肪
族炭化水素の加熱反応により、パイロリティックグラフ
ァイト膜が成長し、パイロリティックグラファイト層か
ら成る内側るつぼ22bが一体的に形成できる。
【0033】また、前記パイロリティックボロンナイト
ライドと、パイロリティックグラファイトとは、共に六
方晶系で結晶構造も同じで、熱膨張による歪も共に小さ
く、さらに、パイロリティックボロンナイトライド(P
BN)と、パイロリティックグラファイト(PG)の格
子定数も表1に示すように極めて近似しており、相性も
良い。特に、これらの熱伝達性は優れている。
【0034】
【表1】
【0035】第4実施例(図5参照) 図5は、この発明によるるつぼ22の製造方法の他の実
施例を説明するための説明図である。以下第3実施例と
の相違点のみを主に説明する。この実施例では、第3実
施例のパイロリティックボロンナイトライド成形体から
成る外側るつぼ22aと、パイロリティックグラファイ
ト層から成る内側るつぼ22bとを一体的に形成したる
つぼ22を用い、このるつぼ22の内側るつぼ22b内
に、分子線原料として用いるのと同じシリコン30を充
填し、真空加熱炉31内の載置台32の上に設置し、排
気口33につながれた図示しない真空ポンプを稼働して
真空加熱炉31内を10-7Torr以下の減圧に保持し
つつ、例えばヒータ34に図示しない電源から給電して
るつぼ22を1500℃以上に加熱する。すると、前記
シリコン30が溶融しつつ、その一部が蒸発し、内側る
つぼ22bを形成するパイロリティックグラファイト
と、前記シリコン30とが反応し、前記パイロリティッ
クグラファイト層とシリコン30との界面や、その上部
に炭化シリコン層22cが形成される。
【0036】上記方法によれば、安定で緻密質なパイロ
リティックボロンナイトライド成形体から成る外側るつ
ぼ22aと、緻密質なパイロリティックグラファイト層
から成る内側るつぼ22bとを一体的に形成でき、その
後、この内側るつぼ22b内に収容したシリコン30と
内側るつぼ22bを形成するパイロリティックグラファ
イトとが真空中で加熱反応し、前記パイロリティックグ
ラファイトとシリコン30との界面およびその上部に、
シリコンに対して安定な炭化シリコン層22cを備えた
るつぼ22を形成することができる。
【0037】従って、このるつぼ22を用いたシリコン
蒸発用分子線源2をMBE装置に装着して、分子線原料
としてシリコンを蒸発させれば、直ちに安定した分子線
を発生することができ、結晶成長の効率化が図れて都合
がよい。
【0038】なお、上述した実施例3および実施例4で
は、外側るつぼ22a用の黒鉛から成るるつぼ型材10
を用いて外側るつぼ22aを形成し、その後この内側に
気相成長法により内側るつぼ22bを形成したが、これ
とは逆に、まず内側るつぼ用の黒鉛から成るるつぼ型材
を形成し、このるつぼ型材を用いてパイロリティックグ
ラファイト膜から成る内側るつぼ22bを気相成長法に
より形成し、その後この外側に、パイロリティックボロ
ンナイトライド成形体から成る外側るつぼ22aを、気
相成長法により形成るようにしてもよいのは勿論であ
る。
【0039】これによれば、上述した実施例3および実
施例4のように、外側るつぼ22aを形成した後に真空
加熱炉11からこの外側るつぼ22aを取出し、るつぼ
型材を取除き、その後再び真空加熱炉14内に外側るつ
ぼ22aを設置して内側るつぼ22bを形成する必要が
なく、同一の真空加熱炉内で、内側るつぼ22bと外側
るつぼ22aを順次形成することができ、製作工程の短
縮が図れるので都合がよい。
【0040】実験例 この発明によるシリコン蒸発用分子線源の効果を確認す
るため、上述した実施例3により製作したるつぼ、すな
わちパイロリティックボロンナイトライド成形体から成
る外側るつぼの内側に、パイロリティックグラファイト
層から成る内側るつぼを一体的に形成したるつぼを用い
たシリコン蒸発用分子線源を、真空容器内に装着し、分
子線原料としてシリコンを前記るつぼ内に収容し、その
後真空容器内を10-7Torrに真空引きし、分子線源
を1500℃まで昇温して30分間シリコンを蒸発し、
タンタルから成る試料片上にシリコン膜を成長させた。
【0041】この試料片を、オージェ電子分光法により
分析したところ、図6に示すように純度の高いシリコン
(Si)膜が形成されていることが確認できた。また、
同図には、炭素(C)および酸素(O)が検出されてい
るが、これらは試料片を大気中に取り出した後、分析前
に付着したものと考えられ、特に問題ではない。
【0042】また、上述の実験例に使用したるつぼを切
断し、パイロリティックグラファイトと、シリコンとの
反応層である炭化シリコン層の厚みを調査したところ、
1μm未満におさまっていた。従って、内側るつぼの厚
みは、最低1μmあればよく、これがあまり厚すぎる
と、熱伝達性が悪くなる外、製作に時間がかかり、高価
となるため、通常、200μm以下とするのがよく、好
ましくは、5μm〜50μmである。
【0043】参考例1 参考のために、上述の実験例と同様の条件で、シリコン
を収容しない、即ち空のるつぼを用い、真空容器内を1
0-7Torrに真空引し、分子線源を1500℃まで昇
温し、30分間保持した後、タンタルから成る基板を試
料片とし、オージェ電子分光法により分析したところ、
図7に示すように試料片の構成材料であるタンタル(T
a)が確認できるにとどまった。
【0044】参考例2 図8は、薄膜形成前の新品のタンタルをオージェ電子分
光法により分析した結果を示す。図7と図8とを対比す
ると、両者は略同様の分析結果であり、この結果から
も、この発明によるシリコン蒸発用分子線源は、耐熱性
に優れていることが確認できる。
【0045】比較例1 比較のために、従来のパイロリティックボロンナイトラ
イドのみで製作したるつぼを用いた分子線源を、真空容
器内に装着し、分子線原料としてシリコンを前記るつぼ
内に収容し、その後真空容器内を10-7Torrに真空
引きし、分子線源を1500℃まで昇温して30分間シ
リコンを蒸発し、タンタルから成る試料片上にシリコン
膜を成長させた。
【0046】この試料片を、オージェ電子分光法により
分析したところ、図9に示すようにシリコン(Si)の
外に、窒素(N)が検出された。これは、るつぼの構成
材料であるパイロリティックボロンナイトライドとシリ
コンとの反応により、窒素が蒸発して試料片の上に成長
した結果と考えられる。
【0047】比較例2 上述の比較例1と同様の条件で、シリコンを収容しな
い、すなわち空のパイロリティックボロンナイトライド
から成るるつぼを用い、真空容器内を10-7Torrに
真空引し、分子線源を1500℃まで昇温し、30分間
保持した後、タンタルから成る試料片を、オージェ電子
分光法により分析したところ、図10に示すように試料
片の構成材料であるタンタル(Ta)が確認できるにと
どまった。
【0048】なお、図7〜図10においても炭素(C)
および酸素(O)が検出されているが、これは前述した
実験例と同様に、試料片を大気中に取り出した後、分析
前に付着したものと考えられる。
【0049】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、次のよ
うな効果を奏する。
【0050】請求項1の発明によれば、外側るつぼは融
点がシリコンよりも高い高融点材料で形成されており、
しかも内側るつぼは反応性の高いシリコンに対して安定
な炭化シリコンで形成されているため、機械的強度およ
び耐熱性に優れ、しかも反応性の高いシリコンと反応せ
ず耐熱性が低下しないシリコン蒸発用分子線源を実現す
ることができる。
【0051】請求項2の発明によれば、外側るつぼは融
点がシリコンよりも高い高融点材料で形成されており、
しかも内側るつぼはカーボンで形成されていて、それの
中にシリコンを入れて加熱溶融すると、内側るつぼのカ
ーボンとシリコンとが反応してその界面に反応性の高い
シリコンに対して安定な炭化シリコン層が形成されるの
で、機械的強度および耐熱性に優れ、しかもシリコンと
反応してもこれによって溶融せず耐熱性が低下しないシ
リコン蒸発用分子線源を実現することができる。
【0052】請求項3の発明によれば、内側るつぼが外
側るつぼの内面に層状に一体的にコーティングされてい
るので、両者の密着性が向上し、両者間の熱伝達性が向
上する。
【0053】請求項4の発明によれば、外側るつぼは融
点がシリコンよりも高い高融点材料で形成されており、
内側るつぼは層状のパイロリティックグラファイトを一
体的にコーティングして形成しているため、内側るつぼ
のパイロリティックグラファイトとシリコンとが反応し
てその界面に反応性の高いシリコンに対して安定な炭化
シリコン層が形成されるので、機械的強度および耐熱性
に優れ、しかもシリコンと反応してもこれによって溶融
せず耐熱性が低下しないシリコン蒸発用分子線源を実現
することができる。しかも、内側るつぼが外側るつぼの
内側に層状に一体的にコーティングされているので、両
者間の密着性および熱伝達性が優れている。
【0054】請求項5の発明によれば、外側るつぼがパ
イロリティックボロンナイトライドであるので、機械的
強度および耐熱性に非常に優れている。
【0055】請求項6の発明によれば、外側るつぼがタ
ンタル、モリブデン、タングステンおよびこれらの合金
のいずれか一種であるので、機械的強度および耐熱性に
優れている。
【0056】請求項7の発明によれば、パイロリティッ
クボロンナイトライド成形体から成る外側るつぼの内側
にパイロリティックグラファイト層から成る内側るつぼ
を一体的に形成できるので、シリコンと反応してもこれ
によって溶融せず耐熱性が低下しない、しかも熱伝達性
に優れたるつぼを得ることができる。
【0057】請求項8の発明によれば、パイロリティッ
クボロンナイトライド成形体から成る外側るつぼの内側
にパイロリティックグラファイト層から成る内側るつぼ
を一体的に形成し、このパイロリティックグラファイト
とその内側に収容したシリコンとの界面にシリコンに対
して安定な炭化シリコン層が形成されるので、シリコン
と反応せず、しかも熱伝達性に優れたるつぼを得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係るシリコン蒸発用分子
線源を示す概略断面図である。
【図2】この発明の他の実施例に係るシリコン蒸発用分
子線源に用いるるつぼの概略構成を示す断面図である。
【図3】この発明によるるつぼの製造方法の一実施例を
説明するための説明図である。
【図4】この発明によるるつぼの製造方法の一実施例を
説明するための説明図である。
【図5】この発明によるるつぼの製造方法の他の実施例
を説明するための説明図である。
【図6】この発明の実験例による試料片のオージェ電子
分光法による分析結果を示す図である。
【図7】参考例1による試料片のオージェ電子分光法に
よる分析結果を示す図である。
【図8】参考例2による薄膜形成前の試料片であるタン
タルのオージェ電子分光法による分析結果を示す図であ
る。
【図9】比較例1による試料片のオージェ電子分光法に
よる分析結果を示す図である。
【図10】比較例2による試料片のオージェ電子分光法
による分析結果を示す図である。
【図11】従来のMBE装置の概略構成を示す断面図で
ある。
【図12】従来のMBE装置に用いられていたシリコン
蒸発用分子線源の概略構成を示す要部断面図である。
【符号の説明】
2 分子線源 10 るつぼ型材 21 分子線原料 22 るつぼ 22a 外側るつぼ 22b 内側るつぼ 22c 炭化シリコン層 23 ヒータ 24 熱反射板 25 熱電対 30 シリコン

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子線原料としてシリコンを収容するる
    つぼと、このるつぼの外周に配設されていて前記シリコ
    ンを加熱するヒータと、このヒータの外周に配設された
    熱反射板と、前記シリコンの温度をモニタする熱電対と
    を備え、前記るつぼが、融点がシリコンよりも高い高融
    点材料をもって形成した外側るつぼと、その内側に設け
    られていて炭化シリコンをもって形成した内側るつぼと
    から成ることを特徴とするシリコン蒸発用分子線源。
  2. 【請求項2】 分子線原料としてシリコンを収容するる
    つぼと、このるつぼの外周に配設されていて前記シリコ
    ンを加熱するヒータと、このヒータの外周に配設された
    熱反射板と、前記シリコンの温度をモニタする熱電対と
    を備え、前記るつぼが、融点がシリコンよりも高い高融
    点材料をもって形成した外側るつぼと、その内側に設け
    られていてカーボンをもって形成した内側るつぼとから
    成ることを特徴とするシリコン蒸発用分子線源。
  3. 【請求項3】 内側るつぼが、外側るつぼの内面に層状
    に一体的にコーティングされていることを特徴とする請
    求項1または2記載のシリコン蒸発用分子線源。
  4. 【請求項4】 分子線原料としてシリコンを収容するる
    つぼと、このるつぼの外周に配設されていて前記シリコ
    ンを加熱するヒータと、このヒータの外周に配設された
    熱反射板と、前記シリコンの温度をモニタする熱電対と
    を備え、前記るつぼが、融点がシリコンよりも高い高融
    点材料をもって形成した外側るつぼと、その内側に層状
    にパイロリティックグラファイトを一体的にコーティン
    グして形成した内側るつぼとから成ることを特徴とする
    シリコン蒸発用分子線源。
  5. 【請求項5】 融点がシリコンよりも高い高融点材料を
    もって形成された外側るつぼが、パイロリティックボロ
    ンナイトライドであることを特徴とする請求項1ないし
    4のいずれかに記載のシリコン蒸発用分子線源。
  6. 【請求項6】 融点がシリコンよりも高い高融点材料を
    もって形成された外側るつぼが、タンタル、モリブデ
    ン、タングステンおよびこれらの合金のいずれか一種で
    あることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記
    載のシリコン蒸発用分子線源。
  7. 【請求項7】 気相成長法により高温減圧下で三塩化硼
    素とアンモニアとを反応せしめ、円筒状のるつぼ型材の
    外側にパイロリティックボロンナイトライド膜を成長さ
    せ、その後前記るつぼ型材を取り除きパイロリティック
    ボロンナイトライド成形体から成る外側るつぼを形成し
    た後、気相成長法により高温減圧下で脂肪族炭化水素を
    反応せしめ、前記外側るつぼの内側に、パイロリティッ
    クグラファイトを成長させてパイロリティックグラファ
    イト層から成る内側るつぼを一体的に形成することを特
    徴とするシリコン蒸発用分子線源のるつぼの製造方法。
  8. 【請求項8】 気相成長法により高温減圧下で三塩化硼
    素とアンモニアとを反応せしめ、円筒状のるつぼ型材の
    外側にパイロリティックボロンナイトライド膜を成長さ
    せ、その後前記るつぼ型材をとり除きパイロリティック
    ボロンナイトライド成形体から成る外側るつぼを形成し
    た後、気相成長法により高温減圧下で脂肪族炭化水素を
    反応せしめ、前記外側るつぼの内側に、パイロリティッ
    クグラファイトを成長させてパイロリティックグラファ
    イト層から成る内側るつぼを一体的に形成し、その後こ
    の内側るつぼ内にシリコンを収容し、真空中で加熱して
    内側るつぼを形成するパイロリティックグラファイトと
    前記シリコンとを反応せしめ、パイロリティックグラフ
    ァイト層とシリコンとの界面に炭化シリコン層を形成す
    ることを特徴とするシリコン蒸発用分子線源のるつぼの
    製造方法。
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