JPH07305158A - 溶射前処理方法 - Google Patents

溶射前処理方法

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JPH07305158A
JPH07305158A JP11755394A JP11755394A JPH07305158A JP H07305158 A JPH07305158 A JP H07305158A JP 11755394 A JP11755394 A JP 11755394A JP 11755394 A JP11755394 A JP 11755394A JP H07305158 A JPH07305158 A JP H07305158A
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arc
plasma
preheating
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JP11755394A
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Jun Takeuchi
順 竹内
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 真空度が良くない真空槽でも負性移行型アー
ク処理により基板全面を清浄化処理し、密着性の優れた
溶射被膜を形成すると共に凹面を有する複雑形状品に於
ても全面を負性移行型アークの陰極点により清浄化処理
し、密着性の優れた溶射被膜を形成することができる溶
射前処理方法を提供する。 【構成】 負性移行型アークによる予熱を行い、かつ基
板が700℃に加熱される以前に予熱を停止することに
より、また、負性移行型アークによる予熱時の圧力を1
5Torr以下とすることにより、更に基板をショット
ブラスト処理した後に当該処理を行うことにより、真空
度が良くない真空槽に於ても負性移行型アーク処理によ
り基板全面を清浄化処理し、密着性の優れた溶射被膜を
形成可能となると共に凹面を有する複雑形状品に於ても
全面を負性移行型アークの陰電極により清浄化処理し、
密着性の優れた溶射被膜を形成することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属基板上に溶射被膜
を形成する溶射方法の前処理方法に関し、特に減圧雰囲
気内でNi基超合金上に溶射被膜を形成する溶射方法に
適した前処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶射被膜と基板との密着性を向上する方
法としてショットブラストによる前処理方法が知られて
いる。ショットブラストにより基板表面上の異物や汚染
を除去すると共に基板表面を粗面化し、アンカリング効
果を向上させることができる。この方法はコストも安価
でかつ容易であるが、ブラスト材が表面に突き刺さり照
射被膜形成後にも基板/溶射被膜界面に残留するため、
或る程度までの密着性しか得られない。従って、高い密
着性を必要としない大気溶射に広く用いられている。
【0003】一方、特公昭60−35988号公報、特
開昭56−55562号公報及び実公昭58−4579
0号公報には、プラズマフレームによる溶射前処理方法
とそのための装置とが開示されている。即ち、特公昭6
0−35988号公報は、「プラズマ溶射によって金属
材料表面上に金属、合金或いはセラミックスを被覆する
方法に於て、不活性ガス雰囲気中で、母材金属材料に負
電圧を与え、プラズマフレームによるクリーニング作用
を利用して該母材金属材料表面上の酸化被膜を除去した
後、前記母材金属材料への電圧を切り、金属、合金或い
はセラミックスをプラズマ溶射により被覆することを特
徴とするプラズマ溶射法」である。また、特開昭56−
55562号公報は、「金属材料表面上に金属、合金ま
たはセラミックスをプラズマ溶射被覆する方法に於て、
不活性ガス雰囲気中で、母材金属材料に負電圧を与え、
プラズマフレームによるクリーニング作用を利用して該
母材金属材料表面を現出させると共に、プラズマ溶射に
よって母材金属材料表面上に被覆されつつある金属、合
金またはセラミックス層表面の酸化被膜をも前記プラズ
マフレームによるクリーニング作用を利用して除去しな
がら被覆を完成させることを特徴とするプラズマ溶射
法」である。更に、実公昭58−45790号公報は、
「不活性ガス雰囲気中でプラズマアークにより金属表面
に金属または非金属の粉末を溶射する装置に於て、直流
電源と負荷への回路の途中にアーク電圧の極性切り替え
機構を具備したことを特徴とするプラズマアーク溶射装
置」である。
【0004】これらのプラズマフレームによるクリーニ
ング作用は、正確には特公昭62−54060号公報に
開示されている負性移行型アーク現象によるクリーニン
グ作用である。この公報では、負性移行型アークの陰極
である基板上に発生する陰極点の作用により、基板上の
異物や汚染を蒸発除去するようにしている。この技術を
減圧雰囲気溶射法と組み合わせることにより、基板、溶
射被膜界面を清浄とし、強固な密着性を得ることができ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記溶射前
処理方法を発展させたものである。
【0006】前記の負性移行型アークの陰極点による前
処理方法は、非常に有効ではあるが、Ni基超合金への
溶射の場合には減圧雰囲気中での負性移行型アークによ
る前処理では十分でないことがたびたび起こる。これは
第1に、雰囲気中の酸素分圧や水蒸気分圧が充分低くな
いため、合金成分のAlやCrからなる酸化膜が形成さ
れ、陰極点が去ったところが再度酸化されること、第2
に、複雑形状品の凹面には陰極点が回り込まず、陰極点
による清浄化効果が全く期待できないことを理由とす
る。特に、マスク材等の除去のための、ショットブラス
ト処理を行ってから減圧雰囲気中で負性移行型アークに
より前処理を行ってから溶射する場合には、基板−溶射
被膜間の界面には、多数の酸化物やショット材の残留が
認められる。
【0007】例えば、工業的に用いられる減圧プラズマ
溶射装置に於て用いられる真空ポンプは、油回転ポンプ
またはせいぜいメカニカルブースターポンプである。真
空槽が大きいことなどから、これらのポンプを用いて得
られる真空度は、長時間の真空引きを行っても10-2
orr程度である。この程度の真空度では酸化しやすい
金属は予熱中に容易に酸化する。特に耐酸化合金では合
金成分のAlやCrが表面に強固な酸化被膜を形成する
ことにより内部の酸化を防止する。このような合金で
は、予熱中に基板表面に強固な酸化被膜が形成され、基
板−溶射被膜界面の密着性を劣化させる。この酸化被膜
は、負性移行型アーク処理の陰極点の蒸発作用により除
去できるが、陰極点が移動したそばから再度酸化被膜が
形成される。従って基板表面を清浄化処理することは困
難である。
【0008】また、工業的には溶射面をマスクし、溶射
面とは別な面に別な処理を施してからマスク材をプラス
と処理により除去した後照射する場合がある。溶射基板
の形状が平滑であるときには、減圧雰囲気中での負性移
行型アーク処理により残留ブラスト材の除去が容易に行
われるが、溶射面が凹面の場合には、負性移行型アーク
の陰極点が凹面を処理することが困難である。これはア
ークが突起等の凸部に集中して飛ぶ性質である。
【0009】本発明はかかる現状に鑑み、第1に真空度
が良くない真空槽に於ても負性移行型アーク処理により
基板全面を清浄化処理し、密着性の優れた溶射被膜を形
成する溶射前処理方法を提供すること、第2に凹面を有
する複雑形状品に於ても全面を負性移行型アークの陰極
点により清浄化処理し、密着性の優れた溶射被膜を形成
することができる溶射前処理方法を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成するべく種々実験、検討を重ねた結果、本発明に
至った。
【0011】本発明者は、特開平5−86451号公報
及び特開平5−98412号公報にて開示したように、
100Pa(0.75Torr)程度以下の真空アーク
処理を施した後、溶射被膜を形成することにより、凹部
が未処理になるという問題が解決されることを見いだし
た。しかしながら、特開平5−86451号公報に開示
されるように、溶射を行う真空槽とは別に真空アーク処
理を行う予備真空室を設置することは設備が高価になる
と云う欠点を有する。また特開平5−86451号公報
や特開平5−98412号公報に開示されるように、同
一の真空槽内で真空アーク処理と減圧プラズマ溶射処理
とを行う場合には、処理圧力の違いから真空引きのため
のアイドル時間が必要である。例えば減圧プラズマ溶射
処理を30Torrで行った場合には、次の基板を真空
アーク処理するために、0.75Torr程度以下まで
真空引きするための数分間待つ必要がある。
【0012】更に重要なことに特開平5−86451号
公報または特開平5−98412号公報にて開示した方
法に於ても、Ni基超合金の場合には、溶射被膜−母材
界面に薄い酸化物が残留することが度々起こることが観
察された。即ち、真空アーク処理により清浄化された基
板表面が溶射前の予熱中に再酸化されていることを見い
だした。
【0013】本発明者は、真空アーク処理を行い清浄化
したNi基超合金基板をプラズマフレームにより予熱
し、溶射を行わずに回収した。この場合、プラズマフレ
ームによる予熱とは基板に電位を与えず浮遊ポテンシャ
ルにしたままプラズマフレームに曝すことによる加熱で
ある。基板が赤熱されるまで予熱した基板は全面がひど
く酸化され、黒色を呈していた。一方、基板予熱を赤熱
以前で停止した基板はほとんど酸化されていなかった。
即ち、真空度が悪い真空槽で酸化し易い金属を加熱して
も温度が低ければ酸化速度が遅いため酸化の程度が弱い
ことが分かった。放射温度計による計測では、700℃
以下では酸化速度が遅いことが観察された。ショットブ
ラスト処理を施してから負性移行型アークによる前処理
を行っても同様の結果が得られた。
【0014】更に本発明者は、凹部を有するタービンブ
レード(材質はNi基超合金)を用いて処理圧力を変え
負性移行型アーク処理を行った。即ち、0.75Tor
r以下で行う真空アーク処理では、凹部に陰極点が入り
込むが、通常溶射を行う30Torr程度の圧力では、
負性移行型アークの陰極点は凹部に入り込まない。従っ
て、凹部に陰極点が入り込む限界圧力はこれらの間にあ
ることになる。その結果、約15Torr以下では凹部
に陰極点が入り込み、清浄化されるが、それ以上では凹
部には陰極点が入り込まないことが明らかとなった。
【0015】本発明は、上記の実験、検討によりなされ
たもので、即ち、本発明は第1に減圧プラズマ容器内で
基板を予熱してから基板上に溶射被膜を形成する溶射方
法の前処理方法に於て、負性移行型アークによる予熱を
行い、かつ基板が700℃に加熱される以前に予熱を停
止することを特徴とする溶射前処理方法であり、第2に
前記溶射前処理方法に於て、負性移行型アークによる予
熱時の圧力を15Torr以下とすることを特徴とする
溶射前処理方法であり、第3に基板をショットブラスト
処理した後に当該処理を行う溶射前処理方法である。
【0016】
【作用】図1を用いて本発明の請求項1を説明する。図
1は減圧プラズマ溶射装置の構成概要を示す断面図であ
る。本装置は真空を維持する真空槽1、該真空槽1内に
設置されたプラズマ溶射ガン2、プラズマ発生電源3、
基板金属材料5、基板駆動装置6、移行型アーク用電源
7、真空排気系8、粉末供給装置9から構成されてい
る。
【0017】負性移行型アークとは、基板5を陰極と
し、プラズマ溶射ガン2を陽極とするアーク放電であ
る。負性移行型アークの電力は移行型アーク用電源7に
より供給される。通常移行型アーク放電を安定的に維持
するためにプラズマ発生電源3によるプラズマフレーム
をプラズマ溶射ガン2に供給した状態で移行型アークを
発生させる。
【0018】予熱は負性移行型アークにより行われる
が、予熱時間省略のため予備真空室で基板5を予熱して
から真空槽1に挿入しても良い。また負性移行型アーク
による加熱は強力であり、基板5の過熱の恐れがあると
きは予熱期間の一部のみを負性移行型アークによりその
他を負性移行型アークを用いないプラズマフレームによ
る加熱としても良い。
【0019】真空槽1内の基板5の温度は熱電対にて比
較的正確に測定できる。しかし、通常基板駆動装置によ
り基板を動かすため、熱電対による測温は困難であるの
で、放射温度計により真空槽1の窓を通して測温しても
良い。熱電対にて測定される温度と放射温度計にて測定
される温度の差は、最大50℃程度であるが、一度両者
の測定を同時に行っておけば補正は容易である。
【0020】予熱を停止するとは、基板がそれ以上温度
が上がらない状態にすることである。例えば基板駆動装
置6によるプラズマフレームに曝されない位置に基板5
を退避することにより達せられる。通常退避状態にて粉
末供給装置9から粉末の供給を開始し、粉末の供給が安
定してから溶射を行う。
【0021】圧力は、例えば隔膜式真空計にて容易に測
定することができる。具体的には、真空排気計8に設け
た圧力調整弁の開閉によって圧力を制御する方法があ
る。また、溶射被膜形成時の供給ガス流量より負性移行
型アークによる予熱時のガス流量を減らすという方法も
ある。
【0022】
【実施例】
(実施例1)Ni基超合金からなるタービンブレード基
板を用いて本発明を実施した。基板組成は、Ni:4
1.7wt%、Cr:9.0wt%、Co:10.0w
t%、Ti:2.0wt%、Al:5.0wt%、C:
0.1wt%、W:12.5wt%、Ta:2.0wt
%、Hf:2.0wt%、Zr:0.1wt%である。
真空槽1内に基板5を設置する前に、基板をアルミナに
てショットブラスト処理した。また、溶射粉末もほぼ同
様の組成を有するNiCoCrAlY合金である。
【0023】本発明の実施手順を示すと、まず基板5を
真空槽1内に設置する。その後真空排気系8で真空槽1
を排気してプラズマガスの供給を開始する。プラズマ発
生電源3にてプラズマ溶射ガン2にプラズマフレームを
発生させ、移行型アーク電源7を起動し、移行型アーク
を発生する。次に基板駆動装置6を起動し、基板5をプ
ラズマガンに正面を前後させると共に基板5を回転させ
る。これにより基板5の全面が負性移行型アークの陰電
極により清浄化処理される。基板5を15回往復させた
後、基板5を退避位置で停止させる。その後、移行型ア
ーク電源7を停止し、粉末供給装置9を起動し、粉末の
供給を開始する。基板駆動装置6を再度起動し、基板5
をプラズマガンに正面を前後させ、溶射被膜を積層させ
る。基板5を10回往復させた後、基板5を退避位置で
停止させ、粉末供給装置9を停止する。更にプラズマ発
生電源3を停止し、プラズマガスの供給を停止する。そ
して、基板5を充分に冷却し、真空槽1を大気解放し、
基板5を回収する。
【0024】溶射中のプラズマ条件は以下の通りであ
る。Ar:150l/min、He:40l/min、
粉末供給ガス(Ar):60l/min、プラズマ電力
70kW、溶射距離300mm、粉末供給速度100g
/minで溶射中の真空槽1内の圧力は30Torrで
ある。
【0025】予熱中のプラズマ条件は以下の通りであ
る。Ar:50l/min、He:0l/min、粉末
供給ガス(Ar):0l/min、プラズマ電力20k
W、溶射距離300mmで予熱中で真空装置1内の圧力
は8Torrである。移行型アークの電流値は80Aと
した(本発明の予熱条件)。
【0026】比較のために以下の条件で予熱処理を行っ
た。予熱中のプラズマ条件は溶射中のプラズマ条件と同
一(粉末の供給は行わない)、とし、かつ移行型アーク
を用いない(比較例1)。予熱中のプラズマ条件は溶射
中のプラズマ条件と同一(粉末の供給は行わない)と
し、かつ移行型アークを用いる(比較例2)。予熱中の
プラズマ条件は本発明の予熱中のプラズマ条件と同一と
し、かつ移行型アークを用いない(比較例3)。予熱中
のプラズマ条件は本発明の予熱中のプラズマ条件と同一
とし、かつ基板を赤熱状態まで加熱する(比較例4)。
予熱中のプラズマ条件は溶射中のプラズマ条件と同一
(粉末の供給は行わない)とし、かつ移行型アークを用
いない。また基板を赤熱状態まで加熱する(比較例
5)。予熱中のプラズマ条件は溶射中のプラズマ条件と
同一(粉末の供給は行わない)とし、かつ移行型アーク
を用いる。また基板を赤熱状態まで加熱する(比較例
6)。予熱中のプラズマ条件は本発明の予熱中のプラズ
マ条件と同一とし、かつ移行型アークを用いない。また
基板を赤熱状態まで加熱する(比較例7)。
【0027】それぞれの条件で溶射したタービンブレー
ドの断面を研磨し、基板−溶射被膜界面を評価した。そ
の結果を表1に示す。負性移行型アークを用いない場合
では、凸部に於ても大きな酸化物粒子が界面に観察され
た。これはアルミナショット材の残留であると考えられ
る。予熱中の圧力が高い場合には、凸部の界面に大きな
酸化物粒子が観察された。赤熱するまで予熱した場合に
は、界面に薄い酸化膜が観察された。
【0028】
【表1】
【0029】(実施例2)実施例1と同じくNi基超合
金からなるタービンブレード基板を用いて本発明を実施
した。実施手順のうち移行型アークの停止タイミングの
みを変えた。即ち、実施例1では予熱終了と共に移行型
アーク電源4を停止したが、本実施例では溶射が終了し
てから溶射型アーク電源4を停止した。即ち、移行型ア
ークは予熱及び溶射期間中常に維持した。
【0030】実施例1と同じく7通り比較例についても
実施した。その結果は実施例1と全く同じであった。即
ち、移行型アークの停止タイミングは界面の品質に全く
影響を及ぼさなかった。
【0031】(実施例3)実施例1の比較例2の条件で
予熱のみを行い、タービンブレード基板を回収した。こ
のとき、タービンブレード基板の回転は停止しておき、
熱電対による測温を行った。また放射温度計による測温
も行った。特定の回数だけ基板5を往復した後、基板5
を退避位置で停止し、移行型アークを停止し測温を行っ
た。これを予熱温度とした。これは移行型アーク運転時
には熱電対の出力にノイズが乗るため、予熱中の温度測
定が不正確になるためであるが、測温に要する時間は瞬
時であるため、負性移行型アークからの放射冷却はさほ
ど大きくなく、正確な温度が測定されている。基板の往
復回数、予熱温度及びタービンブレード基板の表面状態
を表2に示す。700℃以下の予熱温度では、全面が金
属光沢であるか極一部に薄い酸化被膜が観察される程度
であるが、それ以上では厚い酸化被膜が観察された。実
際、予熱に連続して溶射してみると、基板−溶射被膜界
面の酸化物の厚み及び量は700℃以下では許容量であ
った。
【0032】
【表2】
【0033】(実施例4)実施例1の(本発明の条件)
にて予熱のみを行い、タービンブレード基板を回収し
た。このとき、排気系8に設けた圧力調整弁にて圧力を
調整した。尚、放射温度計で予熱終了時の温度を測定し
たが、何れの圧力でも700℃以下であった。表3に予
熱中の圧力とタービンブレード基板の表面状態とを示
す。15Torr以下では全面金属光沢であるが、それ
以上では僅かであるが酸化被膜が観察された。
【0034】
【表3】
【0035】
【発明の効果】本発明により、第1に真空度が良くない
真空槽に於ても負性移行型アーク処理により基板全面を
清浄化処理し、密着性の優れた溶射被膜を形成する溶射
前処理方法を提供でき、第2に凹面を有する複雑形状品
に於ても全面を負性移行型アークの陰電極により清浄化
処理し、密着性の優れた溶射被膜を形成する溶射前処理
方法を提供でき、その結果、本発明は産業上の発展に貢
献するところが極めて大となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】減圧プラズマ溶射装置の概略構成を示す断面
図。
【符号の説明】
1 真空槽 2 プラズマ溶射ガン 3 プラズマ発生電源 5 基板金属材料 6 基板駆動装置 7 移行型アーク用電源 8 真空排気系 9 粉末供給装置
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年7月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】溶射被膜と基板との密着性を向上する方
法としてショットブラストによる前処理方法が知られて
いる。ショットブラストにより基板表面上の異物や汚染
を除去すると共に基板表面を粗面化し、アンカリング効
果を向上させることができる。この方法はコストも安価
でかつ容易であるが、ブラスト材が表面に突き刺さり
被膜形成後にも基板/溶射被膜界面に残留するため、
或る程度までの密着性しか得られない。従って、高い密
着性を必要としない大気溶射に広く用いられている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】また、工業的には溶射面をマスクし、溶射
面とは別な面に別な処理を施してからマスク材をブラス
処理により除去した後溶射する場合がある。溶射基板
の形状が平滑であるときには、減圧雰囲気中での負性移
行型アーク処理により残留ブラスト材の除去が容易に行
われるが、溶射面が凹面の場合には、負性移行型アーク
の陰極点が凹面を処理することが困難である。これはア
ークが突起等の凸部に集中して飛ぶ性質である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】圧力は、例えば隔膜式真空計にて容易に測
定することができる。具体的には、真空排気8に設け
た圧力調整弁の開閉によって圧力を制御する方法があ
る。また、溶射被膜形成時の供給ガス流量より負性移行
型アークによる予熱時のガス流量を減らすという方法も
ある。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】
【実施例】 (実施例1)Ni基超合金からなるタービンブレード基
板を用いて本発明を実施した。基板組成は、Ni:4
.7wt%、Cr:9.0wt%、Co:10.0w
t%、Ti:2.0wt%、Al:5.0wt%、C:
0.1wt%、W:12.5wt%、Zr:0.1wt
%である。真空槽1内に基板5を設置する前に、基板を
アルミナにてショットブラスト処理した。また、溶射粉
末もほぼ同様の組成を有するNiCoCrAlY合金で
ある。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】本発明の実施手順を示すと、まず基板5を
真空槽1内に設置する。その後真空排気系8で真空槽1
を排気してプラズマガスの供給を開始する。プラズマ発
生電源3にてプラズマ溶射ガン2にプラズマフレームを
発生させ、移行型アーク電源7を起動し、移行型アーク
を発生する。次に基板駆動装置6を起動し、基板5をプ
ラズマガン正面を前後させると共に基板5を回転させ
る。これにより基板5の全面が負性移行型アークの陰極
により清浄化処理される。基板5を15回往復させた
後、基板5を退避位置で停止させる。その後、移行型ア
ーク電源7を停止し、粉末供給装置9を起動し、粉末の
供給を開始する。基板駆動装置6を再度起動し、基板5
をプラズマガン正面を前後させ、溶射被膜を積層させ
る。基板5を10回往復させた後、基板5を退避位置で
停止させ、粉末供給装置9を停止する。更にプラズマ発
生電源3を停止し、プラズマガスの供給を停止する。そ
して、基板5を充分に冷却し、真空槽1を大気解放し、
基板5を回収する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 減圧プラズマ容器内で基板を予熱して
    から基板上に溶射被膜を形成する溶射方法の前処理方法
    に於て、 負性移行型アークによる予熱を行い、かつ基板が700
    ℃に加熱される以前に予熱を停止することを特徴とする
    溶射前処理方法。
  2. 【請求項2】 負性移行型アークによる予熱時の圧力
    を15Torr以下とすることを特徴とする請求項1に
    記載の溶射前処理方法。
  3. 【請求項3】 基板をショットブラスト処理した後に
    当該処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の溶射
    前処理方法。
JP11755394A 1994-05-06 1994-05-06 溶射前処理方法 Withdrawn JPH07305158A (ja)

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