JPH0731190B2 - 肝網内系機能診断剤 - Google Patents

肝網内系機能診断剤

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JPH0731190B2
JPH0731190B2 JP5332386A JP5332386A JPH0731190B2 JP H0731190 B2 JPH0731190 B2 JP H0731190B2 JP 5332386 A JP5332386 A JP 5332386A JP 5332386 A JP5332386 A JP 5332386A JP H0731190 B2 JPH0731190 B2 JP H0731190B2
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urea
congo red
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博之 平澤
道雄 福原
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、肝の網内系(reticuloendo thelial system;
以下、RESと略す)の細菌をはじめ内因性、外因性の毒
素及び微小血栓などの微細異物を貧食する機能即ち肝RE
S機能の検査に用いる診断剤に関するものである。
〈従来の技術〉 RES機能を検査する方法としては、従来から、生体に対
し、網内系において処理されることが判明している異物
を静脈内注射し、異物の流血中からの消失を経時的に測
定し、網内系への異物摂取状態を観察する方法が一般的
に用いられている。この異物即ち診断剤としては、脂肪
乳剤、墨汁、含糖酸化鉄、放射ラベルした金コロイド、
コンゴーレッド(Congo Red:C32H22N6Na2O6S2)等多数
ある。
〈発明が解決しようとする問題点〉 しかし、微粒子を静脈内注射する場合には、粒子の大き
さが問題となる。例えば、粒子が大きい場合には、肺等
でも除去され、正しい肝RES機能の検査を行なえず、
又、一定の粒子径を持つ製剤を同一に生産することは、
非常に困難である。
又、放射ラベルを行なった物質を用いる場合には、施
設、測定機器及び安全性等の問題が生じる。
一方、コンゴーレッドは、アゾ色素系の水溶性染色剤で
あり、従来から臨床の場でRES機能検査用として用いら
れてきたが、その投与量、採血時間及び測定方法がまち
まちであり、正確なRES機能の指標とはなっておらず、
又、コンゴーレッドは、溶解度が低い(約10%)ため
に、臨床検査薬として投与する場合、約1〜3%のもの
が使用されているが、投与液量の多いことが精神的苦痛
となるであろうし、経時的変化により結晶が析出し易
く、長期の保存には耐えられない等安定性に関して問題
があり、用時調製を必要としている。(1977年7月30日
中山書店発行,新内科学大系第23巻〈肝疾患IV〉
(c)、第94ページ,同第47巻B〈代謝異常IIIb〉
(c)第20ページ) 本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、診
断剤としてきわめて安定化し、安全に正確なRES機能検
査を行なうことができる診断剤を提供することを目的と
する。
〈問題点を解決するための手段〉 上記の目的を達成するため、本発明者らは、コンゴーレ
ッド注射液に量を異にする尿素を添加して種々検討を行
ない、適当添加量の尿素によりコンゴーレッドに対する
溶解補助作用が認められ、経時的に安定した診断剤を得
た。
本発明は、3%コンゴーレッド注射液に尿素(Urea)を
2,5,10,20及び30%添加したものと、尿素無添加のもの
とを、室温、低温における経時的変化即ち安定性につい
て観察するとともに之らの安全性について検討し、所期
の目的を達成し得る尿素添加量を見出し、発明を完成し
た。
〈実施例〉 1.使用剤;コンゴーレッド、尿素はキシダ化学製試薬特
級を使用。
2.下記表に尿素添加量を示す。コンゴーレッドは1アン
プル5ml中、150mg(3%溶液)含有される。ロットNo. 尿素量(mg) 1 0 0% 2 100 2% 3 250 5% 4 500 10% 5 1000 20% 6 1500 30% 3.調製方法 前記コンゴーレッド6gを粉砕、精秤し、200mlメスフラ
スコに入れ、50%尿素水溶液(500mg/ml)を所定量(上
記表参照)と、注射用蒸留水を適量加え温浴中で攪拌
し、溶解確認後、室温に放置し冷却後注射用蒸留水で全
量を200mlとした。0.22μmメンブランフィルター(ミ
リポア社)を通し、5mlアンプルに無菌充填し、溶封し
た。
4.保存条件及びサンプリング時期 室温(25℃)と低温(4℃)にロットNo.1〜6の夫々を
半数ずつ保存した。
サンプリング時期は調製後、1,2,4及び9週間目に行な
った。
5.測定項目及び方法 5−1コンゴーレッドの吸光値の測定 サンプル1.5mlを0.45μmのメンブランフィルター(ミ
リポア社)を用いて濾過した。
濾液1.0mlを取り100mlメスフラスコに入れ、水にて希釈
した。この液10mlを取り、50mlメスフラスコに入れ希釈
した。希釈溶液1.0mlを取り10mlメスフラスコにて希釈
した。
水を対照に500nmにおける吸光値を測定した。
5−2異物の確認 サンプル1.0mlを0.45μmのメンブランフィルター(ミ
リポア社)を用いて濾過した。
メンブランフィルター上に残存した結晶の有無を実体顕
微鏡(40倍)で確認し、室内温度25℃、低温4℃におい
て、1,2,4,9週間毎に観察し、量的表現として(−)
(+)(×)を標示した。
上記表1に関し、室温保存(25℃)の場合、尿素無添加
(No.1)では、4週間目で結晶の析出が認められるのに
対し、尿素添加群(No.2〜5)は、いずれも結晶を認め
なかった。低温保存(4℃)において、尿素無添加(N
o.1)では、1週間目より結晶が析出し、4週間目に至
っては沈殿物を認めるのに対し、尿素添加群(No.2〜
5)は、2%添加(No.2)で2週間目以降に結晶が現れ
たが、5%以上の添加量(No.3〜5)では、いずれも9
週間目まで結晶を検出することはできなかった。
6.吸光値の変化及び結果 調製した前記3%コンゴーレッド注射液の尿素添加量に
対する吸光値の変化を調製時、1週間、2週間、4週
間、9週間毎に観察した吸光値と開始時の吸光値を100
とした場合の吸光値(%)により表2に示す。
結果:上記の表に見られる吸光値の変化から、尿素無添
加(No.1、0%)、及び2%添加(No.2)では室温25℃
で9週間目まで安定であるが、4℃の低温保存では4週
間目以降から吸光値の低下が起こった。
4℃の尿素無添加(No.1、0%)では吸光値が60%低
下、同2%添加(No.2)では15%低下した。
尿素添加量が5〜30%(No.3〜6)では室温25℃、低温
4℃の両保存条件において、9週間目まで吸光値の低下
は殆んど見られず、安定であった。
以上の結果から、3%コンゴーレッド注射液に対して尿
素を少なくとも2%添加することによって、コンゴーレ
ッドの溶解補助作用が認められ、室温において経時的に
安定した製剤を得られたことが判明した。更に、尿素の
添加量を5%以上とすることによって、低温保存におい
ても結晶等の析出が生じず、経時的に安定な製剤が得ら
れることが明らかとなった。次に以上の本発明製剤(注
射液)の正常及び病態動物等に対する安全性を検討する
ため、正常ラット、コントロールラット及びガラクトサ
ミン(Galactosamine)肝障害ラットに投与し、血漿中B
UN(尿素窒素)値の変動及びRES機能を測定した。
実験 1.被実験肝障害動物;Wister系雄性ラット(日本クレ
ア、7週令)に対し、D−(+)−ガラクトサミン(東
京化成)を600mg/kg腹腔内投与し、48時間後に実験に供
した。
2.上記のラットの4〜5匹を1群として(1)を正常ラ
ット(2)〜(6)を障害ラット群とし、(1)の正常
ラット群(normal)には注射用蒸留水(distilled wate
r)を、(2)のコントロール肝障害ラット群(contro
l)には3%コンゴーレッド注射液(尿素0%)を、
(3)の肝障害ラット群U−5には5%尿素(urea)添
加した3%コンゴーレッド注射液を、(4)の肝障害ラ
ット群U−10には10%尿素添加した3%コンゴーレッド
注射液を、(5)の肝障害ラット群U−20には20%尿素
添加した3%コンゴーレッド注射液を、(6)の肝障害
ラット群には30%尿素添加した3%コンゴーレッド注射
液を夫々2.5mg/kgずつ上記各ラットの大腿静脈より投与
し、5,10,20,40及び120分後に血液0.3ml採血した。該採
血々液100μlを用いてRES機能(PRS希釈法)の測定を
行ない、残りの血液は3,500r.p.mで10分間遠心分離し血
漿を得、血漿20μlを取りBUN(Ureaselmdophemol法)
の測定を行なった。そして投与前値に対する各時間のBU
N値の増加率(%)を算出した。
尚、予め前記各注射液投与前にも採血をして、注射投与
後の血液との比較基準とする。
表3にラット血漿中BUNの増加率およびRES機能を示し
た。
3.結果及び考察 BUNの増加率は各群とも時間経過とともに上昇した。ま
た、コントロール群に比べ正常、U−5およびU−10群
では各時間において有意な差は認められなかった。しか
し、U−20およびU−30群は投与後10および20分におい
て対照群に比べ有意に増加した(p<0.05)。これらの
ことから肝障害時において尿素を20%以上含有するコン
ゴーレッド製剤を投与することは血中BUN値を有意に増
加させるため、不適当であると考えられる。
RES機能はコントロール群に比べU−10,U−20およびU
−30群では有意な差は認められず、尿素添加量の違いに
よってRES機能およびRES機能測定値に影響を与えること
はないと思われた。
以上のことから、ガラクトサミン肝障害ラットを用い
て、コンゴーレッド注射液の溶解補助剤である尿素の添
加量を安全性面より検討するため、血漿中BUNの変動率
およびRES機能を見たが、3%コンゴーレッドに5〜10
%の尿素添加では血漿中BUNおよびRES機能に影響を与え
ないことから、生体にとってほとんど影響しない安全な
ものと推察された。
本発明の診断剤は前記した通り尿素を添加してなる。
肝網内系機能診断を要する障害が肝にある場合、多くの
場合に腎障害をも起こしており、腎障害時に血漿中BUN
を増加させることは生体にとって好ましいものではな
い。従って前記診断時、投与したコンゴーレッド注射液
中の尿素が腎障害にどのような影響を及ぼすか検討を行
なった。
実験 ウイスター(Wistar)系雄性ラット(日本クレア、7週
令)に対して塩化第二水銀(HgCl2)(東京化成)を生
理食塩水で2.5mg/mlに調製し、5mg/kgを皮下投与した。
なお投与後48時間後に実験に供した。
2.実験方法 上記のラットの5匹を1群として(1)のコントロール
腎障害群には3%−コンゴーレッド(尿素0)、(2)
の腎障害ラット群U−5には3%コンゴーレッドに5%
尿素(Urea)添加注射液を、(3)の腎障害U−10には
3%−コンゴーレッドに10%尿素添加注射液を、(4)
の腎障害ラット群U−20には3%コンゴーレッドに20%
尿素添加注射液を、(5)の腎障害ラット群U−30には
3%コンゴーレッドに30%尿素添加注射液を夫々、2.5m
g/kgずつラット大腿静脈より投与し、5、10、20、40お
よび120分後に血液0.3ml採血した。該採血々液100μl
を用いてRES機能(PBS希釈法)の測定を行ない、残りの
血液は3,500r.p.mで10分間遠心分離し血漿を得、血漿20
μlを取りBUN(Urease−Indophenol法)の測定を行な
った。そして予め前記注射液投与前の採血による投与前
値に対する前記各時間のBUN値の増加率(%)を算出し
た。
表4にラット血漿中BUNの時間経過における増加率とRES
機能を示した。
4.結果および考察 表4により、BUNの増加率はコントロールに比べ、5分
値では各群とも差は認められなかったが、10分および20
分値においてU−20およびU−30群はそれぞれ有意に高
値を示した。しかし、U−5およびU−10群は各時間に
おいてそれぞれコントロールと差は認められなかった。
一方、RES機能のK値,(コンゴーレッドの血漿中の消
失速度定数)はコントロールに対し各群とも差は認めら
れず、尿素添加量の違いによってK値は影響を受けず、
各群とも正常範囲内であった。
以上のことから、腎障害時において尿素を20%以上含有
するコンゴーレッド製剤を投与することは、血漿中BUN
を増加させることによって生体になんらかの悪影響を与
えることと思われる。しかし、尿素添加量が5〜10%の
場合は血漿中BUNおよびRES機能は変化しないことから、
生体にとってほとんど影響しないものと推察された。よ
って肝、腎障害時におけるコンゴーレッド製剤投与の実
験より、コンゴーレッド製剤の尿素添加量は安全性の面
から20%未満が好ましく5〜10%が最適であると考えら
れる。
また、本発明の診断剤に一種又は二種以上のアミノ酸又
は糖類を添加することにより、安全性を損なうことな
く、さらに溶解性が向上する。
実施例として、3%コンゴーレッド注射液にアラニン0.
02〜0.03%、グルタミン0.01〜0.03%、イソロイシン0.
03〜0.15%、マンニトール0.03〜0.1%、ソルビトール
4〜10%、キシリトール0.3〜1.0%、もしくはイノシト
ール1〜2%を添加した製剤をそれぞれ調整し、前記尿
素のみ添加した製剤における場合と同様の安定性、安全
性の検討をし、そのフィルター上残存結晶の有無、含量
の低下等を室温25℃、低温4℃のもとに1,2,4,9週間毎
に観察したが、何れの場合にも尿素のみ添加した製剤よ
り良好で残存結晶の低下および含量で約5〜6%向上が
見られた。
以上の結果は下表に示す通りである。
なお下表中、表5にはアミノ酸添加等のコンゴーレッド
注射液の安定性の検討に使用した尿素およびアミノ酸添
加量を示し、表6には該注射液の吸光値の経時変化を示
す。
又表7には糖類添加時のコンゴーレッド注射液の安定性
の検討に使用した尿素および糖類添加量を示し、表8に
は該注射液の吸光値の経時変化を示す。
表5.尿素およびアミノ酸の添加量Lot. 尿素(mg/ml) アミノ酸(mg/ml) A 0 − B 250 − C 250 アラニン 8.0 D 250 グルタミン 3.0 E 250 アスパラギン酸 7.5 F 250 イソロイシン 14.0 G 250 ヒスチジン 10.0 H 250 グリシン 50.0 表7.尿素および糖類の添加量Lot. 尿素(mg/ml) 糖類 (mg/ml) A 0 − B 250 − I−1 250 マンニトール 3.75 I−2 250 マンニトール 1.50 J−1 250 ソルビトール 100.0 J−2 250 ソルビトール 200.0 K−1 250 キシリトール 56.5 K−2 250 キシリトール 22.6 L−1 250 イノシトール 187.5 L−2 250 イノシトール 75.0 〈発明の効果〉 以上のように、本発明の診断剤は、尿素の添加により極
めて安全性高く、コンゴーレッドの溶解性及び安定性を
高めることができるので、従来に比し高濃度にして投与
液量を減らして肝・腎障害のある被検者に使用出来るた
め、被検者にとっては安全でしかも精神的な負担が低減
され、又調剤後、長期保存しても結晶の析出等の経時的
変化による変質を生じず、用時調製の手間を省くことが
可能となる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コンゴーレッド注射液に、尿素を添加して
    なる肝網内系機能診断剤。
  2. 【請求項2】アミノ酸又は糖を添加したことを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載の肝網内系機能診断剤。
JP5332386A 1986-03-10 1986-03-10 肝網内系機能診断剤 Expired - Lifetime JPH0731190B2 (ja)

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