JPH07312895A - インバータ装置及びエアコンディショナ - Google Patents

インバータ装置及びエアコンディショナ

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JPH07312895A
JPH07312895A JP6100074A JP10007494A JPH07312895A JP H07312895 A JPH07312895 A JP H07312895A JP 6100074 A JP6100074 A JP 6100074A JP 10007494 A JP10007494 A JP 10007494A JP H07312895 A JPH07312895 A JP H07312895A
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JP
Japan
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time
rotation speed
timing
rotor
energization signal
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JP6100074A
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English (en)
Inventor
Kazunobu Nagai
一信 永井
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブラシレスモータをPWM制御しながら駆動
するために、ロータの回転位置を巻線の端子電圧から波
形合成により認識して転流タイミング情報を持つ認識波
形を形成し、この認識波形に基づいて巻線に通電するた
めの通電信号を形成するインバータ装置において、モー
タを大形化することなく、高回転数で運転できるように
する。 【構成】 PWM信号P1 のデューティが100%にな
っても、ブラシレスモータ15の回転数が指令回転数よ
りも低い場合、マイクロコンピュータ41は転流タイミ
ングを基準転流タイミングよりも早める。これにより、
ブラシレスモータ15は弱め磁界の効果により回転数が
上昇する。転流タイミングを早めても、未だブラシレス
モータ15の回転数が指令回転数よりも低い場合には、
通電信号のオフタイミングを基準オフタイミングよりも
遅らせる。これにより、巻線15u,15v,15wの
通電期間が長くなるので、ブラシレスモータ15の回転
数が上昇する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ブラシレスモータのよ
うな、複数の巻線を有するモータの各巻線をロータの所
定の回転位置に対応する転流タイミングで順次通電する
ためのスイッチング回路を有するインバータ装置及びエ
アコンディショナに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エアコンディショナや冷蔵庫にお
いて、コンプレッサの能力可変や電力消費量の節約のた
めに、直流モータの一種であるブラシレスモータを採用
し、これをインバータ装置によって駆動することが行わ
れている。ブラシレスモータの場合、通常、巻線の通電
相を決定するためにロータの回転位置信号を必要とする
が、エアコンディショナや冷蔵庫のコンプレッサのよう
にモータが冷媒に晒される等、モータの使用環境によっ
ては位置検出センサーを配置することが困難な場合があ
る。このため、本願発明者等は、モータの巻線の誘起電
圧を検出しこれを電気的に処理することにより回転位置
信号を得る技術を開発し、これを特願昭62ー1626
54号として出願した。
【0003】以下、その出願の発明がパルス幅変調(以
下、単にPWMと称する)方式で実施される場合を例に
し、これを従来技術として図9〜図11を参照しながら
説明する。
【0004】図9に示されたインバータ装置において、
交流電源1に接続される直流電源回路2は全波整流回路
3、リアクトル4a及び平滑用コンデンサ4bからな
り、この直流電源回路2の正側直流電源線5と負側直流
電源線6との間にはスイッチング回路としてスイッチン
グ素子例えばスイッチング用トランジスタ7〜12から
なる三相ブリッジ回路13が接続され、その出力端子1
4u,14v,14wにブラシレスモータ15の各巻線
15u,15v,15wの端子が接続される。
【0005】上記三相ブリッジ回路13において、正側
直流電源線5と出力端子14u,14v,14wとの間
に接続された3個のトランジスタ7,9,11は正側ス
イッチング素子に対応し、負側直流電源線6と出力端子
14u,14v,14wとの間に接続された3個のトラ
ンジスタ8,10,12は負側スイッチング素子に対応
している。これら各トランジスタ7〜12が所定の順序
でオンオフ制御されると、ブラシレスモータ15はその
各巻線15u〜15wが120度(電気角、以下同様)
の位相差をもって順次繰り返し通電されることにより回
転駆動される。この場合、一つのトランジスタは120
度オン、240度オフのオンオフ周期で制御され且つオ
ン期間では、図10に示すPWM信号P1 によってデュ
ーティの制御がなされるので、ブラシレスモータ15の
各巻線15u〜15wの端子電圧Vu,Vv,Vwは図
10に示す波形になる。
【0006】図11はPWM制御を伴わない場合の巻線
15uの端子電圧Vu及び電流Iuの波形を示す。この
波形において、約60度(期間Ta )の区間に渡る傾斜
部分は巻線15uの誘起電圧、細長い正負パルスは三相
ブリッジ回路13の各トランジスタ7〜12と並列に接
続されたフリーホイルダイオードD1 〜D6 によるパル
ス電圧、また、V0 は直流電源線5、6間に接続された
抵抗分圧回路16によって形成された基準電圧である。
ここで、基準電圧V0 は三相ブリッジ回路13の直流電
源回路2の電圧の2分の1に設定されている。この図1
0から、転流タイミングは誘起電圧と基準電圧V0 とが
クロスする時点(以下、単にゼロクロス時点と称する)
から約30度遅れていることが理解される。
【0007】前記端子電圧Vu,Vv,Vwは位置検出
手段としての位置信号回路17に設けられたコンパレー
タ18〜20によって前記基準電圧V0 と比較されるこ
とにより、ブラシレスモータ15が有するロータの位置
情報として図10に示すような端子電圧Vu〜Vwの1
80度区間認識用の基本波信号Vu´,Vv´,Vw´
に変換される。更にこれら基本波信号Vu´,Vv´,
Vw´が通電信号形成手段としての波形合成回路21に
与えられ、ここでPWM信号P1 との照合により正パル
ス成分のみの時間幅180度の連続方形波からなり且つ
互に120度の位相差を有する認識波形信号Ua,V
a,Waに変換される。この認識波形信号Ua,Va,
Waの開始点(立上り時点)及び終了点(立下り時点)
はゼロクロス時点に一致している。
【0008】更にこの波形合成回路21内では、これに
保有された第1及び第2のタイマー機能のうち、第1の
タイマー機能によって前記3つの認識波形信号Ua,V
a,Waから時間幅Tbが各々60度をもつ6個の第1
の位相区分パターンX1 〜X6 を形成し、更に第2のタ
イマー機能によって第1の各位相区分パターンX1 〜X
6 の終点を起点とする時間幅が各々30度をもつ6個の
第2の位相区分パターンY1 〜Y6 を形成する。そし
て、波形合成回路21は、最終的に上記のような第2の
位相区分Y1 〜Y6 信号から図10に示す通電信号U
p,Un,Vp,Vn,Wp,Wnを合成する。
【0009】ここで、通電信号Up,Un,Vp,V
n,Wp,Wnの開始点は、第2の位相区分パターンY
1 〜Y6 の終点に一致しているので、ゼロクロス時点か
ら30度遅れた時点となり、従って、これら通電信号U
p,Un,Vp,Vn,Wp,Wnの位相パターンは、
三相ブリッジ回路13のトランジスタ7〜12に要求さ
れた転流タイミングパターンに一致することとなる。
【0010】一方、速度検出手段としての速度判定回路
22は、波形合成回路21からブラシレスモータ15の
回転速度検出信号として与えられた通電信号Wnと速度
指令信号Scとから速度偏差を判定し、その速度偏差に
対応した速度偏差信号Sdを出力してこれを巻線15u
〜15wへの印加電圧を制御するパルス幅変調回路23
に与える。このパルス幅変調回路23はPWM信号P1
のデューティを速度偏差信号Sdの大きさに応じるよう
に制御する。
【0011】このようにデューティが制御されたPWM
信号P1 は駆動手段を構成するゲート回路24の各ゲー
ト部25,27,29によって前記通電信号Up,V
p,Wp,と合成例えば論理積をとられながら三相ブリ
ッジ回路13の正側トランジスタ7,9,11のベース
にベース制御信号として供給されてこれらがPWM信号
P1 のオンオフモードでオンオフ制御される。また、負
側トランジスタ8,10,12のベースには前記通電信
号Un,Vn,Wnのみがゲート部26,28,30を
介して供給されてPWMモードを伴わないオンオフ制御
がなされる。この結果、トランジスタ7〜12が通電信
号Up〜Wnにより図10に示すパターンでオンオフ制
御されることによってブラシレスモータ15が駆動を継
続すると共に図10に示されるPWM信号P1 によるデ
ューティ制御によってその速度制御がなされる。
【0012】ここで、PWM信号P1 のオンモードとは
そのパルス信号のハイレベル及びロウレベルのうち、ト
ランジスタをオンさせるレベル(図10ではハイレベル
(H)に設定)のモードをいい、オフモードとはトラン
ジスタをオフさせるレベル(同ロウレベル(L)に設
定)のモードをいう。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】図12は、エアコンデ
ィショナのコンプレッサの駆動モータとして使用される
ブラシレスモータの運転範囲(実線で囲まれた範囲)を
示すもので、運転範囲の制限線Aは交流電源1側の許容
電流の制約によるもの、制限線Bは直流電源回路2側の
許容電流の制約によるもの、制限線Cはパルス幅変調信
号P1 のデューティ100%のときの回転数−トルク特
性の制約によるものである。
【0014】同図にXで示す範囲は、暖房運転開始当初
の運転域であるが、この運転開始当初においてより高い
回転数で運転できれば、室内温度を設定された温度によ
り早く到達させることができる。そこで、運転開始当初
に高回転数で運転できるように図12における回転数−
トルク特性による制限線Cが高回転側に移行するように
ブラシレスモータを設計変更すれば良いが、このように
すると、巻線のターン数を少なくしなければならないの
で、それ程の高速回転を必要としなくなる通常運転時で
の効率が低下し、またブラシレスモータが大形化すると
いう問題を生ずる。
【0015】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、通常運転時でのモータの効率低下、大
形化の問題を生ずることなく、高回転数で運転できるイ
ンバータ装置及びエアコンディショナを提供するにあ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のインバー
タ装置は、モータが有する複数相の巻線に順次通電する
ための複数のスイッチング素子からなるスイッチング回
路と、前記モータが有するロータの位置情報を得る位置
検出手段と、前記ロータの回転数情報を得る回転数検出
手段と、前記回転数情報から得られるロータ回転数と目
標回転数との比較結果に応じて前記巻線への印加電圧を
制御する電圧制御手段と、前記回転数情報から得られる
ロータ回転数と目標回転数との比較結果及び前記位置情
報に基づいて転流タイミングを決定し、その転流タイミ
ングに対応する通電信号を得る通電信号形成手段と、前
記通電信号に基づいて前記スイッチング素子を駆動する
駆動手段とを具備したことを特徴とする。
【0017】請求項2記載のインバータ装置は、電圧制
御手段はパルス幅変調回路からなり、通電信号形成手段
はパルス幅変調回路により形成されるパルス幅変調信号
のデューティが100%で且つロータ回転数が目標回転
数よりも低いとき、転流タイミングを基準転流タイミン
グよりも早い時点に移行させることを特徴とするもので
ある。
【0018】請求項3記載のインバータ装置は、位置検
出手段は、巻線の端子電圧と基準電圧とがクロスする時
点を位置情報として通電信号形成手段に与え、通電信号
形成手段は前記クロス時点と次のクロス時点との間の時
間をカウントする基時間計測用タイマ手段と、この基時
間計測用タイマ手段がカウントした基時間に基づいてク
ロス時点から基準転流タイミングまでの時間を演算する
と共にロータ回転数と目標回転数との比較結果及び前記
基時間から早め時間を演算し、その演算した両時間の差
を差時間として求める演算手段と、クロス時点からタイ
ムカウントを開始する差時間計測用タイマ手段とを備
え、前記差時間計測用タイマ手段が前記差時間のカウン
トを終了した時点を転流タイミングとすることを特徴と
するものである。
【0019】請求項4記載のインバータ装置は、電圧制
御手段はパルス幅変調回路からなり、通電信号形成手段
はパルス幅変調回路により形成されるパルス幅変調信号
のデューティが100%で且つ転流タイミングを基準転
流タイミングよりも早い時点に移行させた後において、
ロータ回転数が目標回転数よりも低いとき、通電信号の
オフタイミングを基準オフタイミングよりも遅い時点に
移行させることを特徴とするものである。
【0020】請求項5記載のインバータ装置は、位置検
出手段は、巻線の端子電圧と基準電圧とがクロスする時
点を位置情報として通電信号形成手段に与え、通電信号
形成手段は前記クロス時点と次のクロス時点との間の時
間をカウントする基時間計測用タイマ手段と、ロータ回
転数と目標回転数との比較結果及び基時間計測用タイマ
手段によりカウントされた基時間に基づいて延長時間を
演算する演算手段と、クロス時点からタイムカウントを
開始する延長時間計測用タイマ手段とを備え、前記延長
時間計測用タイマ手段が前記延長時間のカウントを終了
した時点を通電信号のオフタイミングとすることを特徴
とするものである。
【0021】請求項6記載のエアコンディショナは、コ
ンプレッサ、室外側熱交換器、減圧装置、室内側熱交換
器を冷媒通路により接続したヒートポンプを備え、前記
コンプレッサのモータを上記のインバータ装置によって
制御することを特徴とするものである。
【0022】
【作用】請求項1記載のインバータ装置においては、通
電信号形成手段は、転流タイミングをロータの位置情報
だけでなく、ロータ回転数と目標回転数及との比較結果
を加味して決定する。このため、ロータ回転数が目標回
転数よりも低い場合、その差に応じて転流タイミングを
早めることにより、弱め磁界の効果によりロータの回転
数が上昇する。
【0023】請求項2記載のインバータ装置において
は、パルス幅変調信号のデューティが100%となって
巻線に最大電圧が印加された状態において、なおロータ
回転数が目標回転数よりも低い場合、転流タイミングを
基準転流タイミングよりも早めるので、ロータの回転数
が上昇する。
【0024】請求項3記載のインバータ装置では、通電
信号形成手段は、巻線の端子電圧と基準電圧とのクロス
時点の相互間の時間をカウントし、そのカウント時間に
基づいてクロス時点から基準転流タイミングまでの時間
を演算すると共にそのカウント時間及びロータ回転数と
目標回転数との比較結果により早め時間を演算して両演
算時間の差を差時間として求め、クロス時点から差時間
をカウントした時点を転流タイミングとするので、転流
タイミングの決定をプログラムソフトにより容易に実現
することができる。
【0025】請求項4記載のインバータ装置では、転流
タイミングを基準転流タイミングよりも早めたにも拘ら
ずロータ回転数が目標回転数よりも低い場合、通電信号
のオフタイミングを基準オフタイミングよりも遅らすの
で、巻線の通電期間が長くなり、ロータの回転数が上昇
する。
【0026】請求項5記載のインバータ装置では、通電
信号形成手段は、巻線の端子電圧と基準電圧とのクロス
時点の相互間の時間をカウントし、そのカウント時間及
びロータ回転数と目標回転数との比較結果により延長時
間を演算し、クロス時点から延長時間をカウントした時
点をオフタイミングとするので、オフタイミングの決定
をプログラムソフトにより容易に実現することができ
る。
【0027】請求項6記載のエアコンディショナでは、
コンプレッサのモータが上述のインバータ装置により制
御されるので、暖房運転開始当初において、モータの回
転数を高くして室内温度を早く設定温度に近付けること
ができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図1〜図8
を参照しながら説明するが、図9と同一部分には同一符
号を付して異なる部分を説明する。まず、図2に示され
たヒートポンプ31において、そのコンプレッサ32は
圧縮部33とこれを駆動するブラシレスモータ15とを
同一の鉄製密閉容器34内に収納して構成されている。
このコンプレッサ32は、四方弁35、室内側熱交換器
36、減圧装置37、室外側熱交換器38と共に閉ルー
プを構成するように冷媒配管によって接続されている。
【0029】四方弁35は暖房運転及び冷房運転に応じ
て実線及び二点鎖線で示す状態に切り替えられ、コンプ
レッサ32の圧縮部33で圧縮された冷媒は、暖房時に
は室内側熱交換器36、減圧装置37、室外側熱交換器
38を順に通って圧縮部33に戻り、冷房時には室外側
熱交換器38、減圧装置37、室内側熱交換器36を順
に通って圧縮部33に戻るように制御される。従って、
室内側熱交換器36は暖房時には凝縮器となって室内を
暖め、冷房時には冷却器となって室内を冷やすこととな
る。なお、室内空気及び室外空気はファン装置39及び
40により夫々室内側熱交換器36及び室外側熱交換器
38に送られるようになっている。
【0030】一方、図1に示されたインバータ装置にお
いて、マイクロコンピュータ41は通電信号形成手段と
して機能し、図9に示された波形合成回路21と同様の
機能を有する他、後述するように、転流タイミングを変
化させる機能、通電信号Up,Un,Vp,Vn,W
p,Wnのオフタイミング(ハイレベルからロウレベル
に切り替わるタイミング)を変化させる機能、及び特定
期間Tiを認識する機能を有している。
【0031】上記特定期間Tiの認識は、認識波形信号
Ua,Va,Waの立上り及び立下りタイミング近傍、
換言すればブラシレスモータ15の各巻線15u,15
v,15wの誘起電圧を含む端子電圧Vu,Vv,Vw
と基準電圧V0 とがクロスする時点の近傍を認識するた
めのものである。そのため、マイクロコンピュータ41
は第3のタイマ機能(特定期間認識用タイマ手段)を有
し、この第3のタイマ機能は、図5に示すように第2の
各位相区分パターンY1 〜Y6 の終点から、或いは図6
に示すように後述の延長時間Q1 〜Q6 の終点から時間
Z1 〜Z6 を計測する。
【0032】後述の説明から明らかとなるが、この第3
のタイマ機能による時間Z1 〜Z6の計測によって、マ
イクロコンピュータ41は、第1の各位相区分パターン
X1〜X6 の終点(ゼロクロス時点)と同一の終点を持
つ時間幅15度(Tb/4)相当時間の特定期間Tiを
認識し、この特定期間Ti内においてコンパレータ18
〜20からの基本波信号Vu´,Vv´,Vw´を入力
する。このように基本波信号Vu´,Vv´,Vw´の
入力を特定期間Tiに限定することにより、ダイオード
D1 〜D6 によるパルス電圧が基準電圧V0 とクロスす
る時点をゼロクロス時点と誤認識することを防止してい
る。
【0033】ここで、マイクロコンピュータ41による
ゼロクロス時点の認識は、コンパレータ18〜20から
の基本波信号Vu´,Vv´,Vw´及びパルス幅変調
回路23からのPWM信号P1 と、マイクロコンピュー
タ41が有するメモリに記憶された位置検出用比較デー
タとの比較により行われる。位置検出用比較データは、
次の表1に示すように、第1の各位相区分パターンX1
〜X6 毎に、基本波信号Vu´,Vv´,Vw´及びP
WM信号P1 のハイレベル・ロウレベルモードとして構
成されている。
【0034】
【表1】
【0035】そして、マイクロコンピュータ41は、第
1の各位相区分パターンX1 〜X6において、現在進行
中の第1の位相区分パターンの位置検出用比較データを
入力し、前記特定期間Ti内における基本波信号Vu
´,Vv´,Vw´及びPWM信号P1 のハイ・ロウの
状態がその入力した位置検出用比較データと一致したと
き、ゼロクロス時点、すなわち進行中であった第1の位
相区分パターンの終点で且つ次の第1の位相区分パター
ンの始点と認識する。
【0036】また、マイクロコンピュータ41は回転数
検出手段としての機能を有し、図9に示す従来のインバ
ータ装置の速度判定回路22と同様にロータの回転速度
を検出する。すなわち、マイクロコンピュータ41は、
各第1の各位相区分パターンX1 〜X6 において、現在
進行中の第1の位相区分パターン以前の6パターン(4
極の場合の半回転)或いは12パターン(同1回転)の
時間の和からロータの単位時間当たりの回転数(回転速
度)を判定し、これを外部から与えられる速度指令信号
Scから求められる指令回転数(目標回転数)と比較し
て速度偏差を判定し、その速度偏差に対応したデューテ
ィの信号Sdをパルス幅変調回路23に与える。そし
て、このパルス幅変調回路23はデューティ信号Sdに
示されたデューティをもつPWM信号P1を出力し、巻
線15u,15v,15wへの印加電圧を制御する。
【0037】なお、交流電源1と全波整流回路3とを接
続する交流電源線42,43のうちの一方の電源線43
及び負側直流電源線6には電流検出要素44及び45が
設けられており、それらの検出信号は電流判定回路46
及び47に与えられる。そして、電流判定回路46は交
流電源線43に流れる電流が所定値を越えたとき、パル
ス幅変調回路23にデューティ制限指令を与えて交流電
源線43に流れる電流が許容電流値を越えないように抑
制する。また、電流判定回路47は負側直流電源線6に
流れる電流が所定値を越えたとき、パルス幅変調回路2
3にデューティ制限指令を与えて三相ブリッジ回路13
に流れる電流が許容電流値を越えないようにし、過負荷
状態での運転を抑制して三相ロジック回路13の発熱に
よる破壊を防止する。
【0038】次に上記構成のマイクロコンピュータ41
の作用を説明する。まず、この実施例では、マイクロコ
ンピュータ41はゼロクロス時点から30度相当時間だ
け遅れた時点を基準転流タイミングとし、ロータ回転数
と目標回転数との比較により判定する速度偏差がPWM
信号P1 のデューティ100%に相当する偏差となるま
では、転流タイミングを基準転流タイミングと同時点に
決定してPWM信号P1 のデューティ制御によりロータ
の回転数を制御する。そして、マイクロコンピュータ4
1は、PWM信号P1 のデューティが100%に高めら
れた後、すなわち巻線15u,15v,15wに最大電
圧が印加されても、未だロータ回転数が目標回転数より
も低い場合、転流タイミングを基準タイミングに対しロ
ータ回転数と目標回転数との差(速度偏差)に応じた時
間だけ早めるようになっており、更に転流タイミングを
限界まで早めた後も、なおロータ回転数が目標回転数よ
りも低いとき、通電信号のオフタイミングを基準オフタ
イミングに対し速度偏差に応じた時間だけ遅らせるよう
に構成されている。
【0039】このことを、図3及び図4に示すフローチ
ャートを参照しながら具体的に説明する。なお、図4に
示すルーチンは図3に示すルーチンに対して割り込みル
ーチンとして構成されている。まず、図4は回転数制御
モードを決定するためのルーチンであり、このルーチン
は、例えばブラシレスモータ15のロータの1回転毎に
1回行なわれる。この回転数制御モード決定ルーチンが
実行されると、マイクロコンピュータ41は、まず速度
指令信号Scを入力して指令回転数Ncを求め(ステッ
プS1)、続いてブラシレスモータ15のロータの実際
の回転数Nmを求め(ステップS2)、次に制御モード
Cmを判定する(ステップS3)。
【0040】ここで、制御モードCmの初期値は「1」
に設定されており、従って冷暖房の運転開始時点では、
マイクロコンピュータ41はステップS3で「Cm=
1」と判定してデューティDを次の(1)式により演算
する(ステップS4)。 D=D+K1 ×(Nc−Nm) …… (1) ただし、K1 は定数、0≦D≦1である。
【0041】続いてマイクロコンピュータ41は、上記
(1)式にて求めたデューティDが「1」すなわち10
0%であるか否かを判断し(ステップS5)、Dが
「1」未満のときにはステップS7に移行してパルス幅
変調回路23にデューティDの信号Sdを出力し、リタ
ーンとなる。そして、ロータの回転数Nmが指令回転数
Ncよりもかなり低くデューティDが「1」になった場
合には、マイクロコンピュータ41はステップS5で
「YES」と判断して次のステップS6で制御モードC
mを「2」に設定し、続くステップS7でパルス幅変調
回路23にデューティD(100%)の信号Sdを出力
し、リターンとなる。
【0042】Cmが「2」に設定された後の回転数制御
モード決定ルーチンの実行時においては、マイクロコン
ピュータ41はステップS3からステップS8に移行
し、ここで次の(2)式により変数Eを演算する。 E=E+K2 ×(Nc−Nm) …… (2) ただし、K2 は定数、Eの初期値は「0」であり、0≦
E≦1の範囲で設定される。
【0043】続いてマイクロコンピュータ41は、上記
(2)式にて求めた変数Eが「0」であるか否かを判断
し(ステップS9)、Eが0を越えているときにはステ
ップS9で「NO」となってEが「1」であるか否かを
判断するステップS11に移行する。そして、Eが
「1」未満のときには、ステップS11で「NO」と判
断し、リターンとなる。また、ロータ回転数Nmが指令
回転数Ncよりも低く、Eが「1」となった場合には、
マイクロコンピュータ41はステップS11で「YE
S」と判断し、次のステップS12で制御モードCmを
「3」に設定し、リターンとなる。一方、ロータの回転
数Nmの方が指令回転数Ncよりも高くなってEが
「0」となると、ステップS9で「YES」と判断して
ステップS10に移行し、ここで制御モードCmを
「1」に設定し、そしてステップS11で「NO」と判
断してリターンとなる。このように制御モードCmが
「1」に設定されると、次の回転数制御方式決定ルーチ
ンの実行時には、マイクロコンピュータ41はステップ
S3からステップS4に移行するようになる。
【0044】Cmが「3」に設定された後の回転数制御
モード決定ルーチンの実行時においては、マイクロコン
ピュータ41はステップS3からステップS13に移行
し、ここで次の(3)式により変数Fを演算する。 F=F+K3 ×(Nc−Nm) …… (3) ただし、K3 は定数、Fの初期値は「0」であり、0≦
F≦1の範囲で設定される。
【0045】続いてマイクロコンピュータ41は、上記
(3)式にて求めた変数Fが「0」であるか否かを判断
し(ステップS14)、Fが「0」を越えているときに
はステップS14で「NO」と判断してリターンとな
る。そして、ロータの回転数Nmの方が指令回転数Nc
よりも高くなってFが「0」となると、ステップS14
で「YES」と判断してステップS15に移行し、ここ
で制御モードCmを「2」に設定しリターンとなる。制
御モードCmが「2」に設定されると、次の回転数制御
モード決定ルーチンの実行時には、マイクロコンピュー
タ41はステップS3からステップS8に移行するよう
になる。
【0046】さて、図3に示すメーンルーチンにおい
て、今、第1の位相区分パターンX1〜X6 のうち、或
る区数の第1の位相区分パターンの特定期間Tiに入っ
たとすると、マイクロコンピュータ41は、ステップS
T1で、現在進行中の区数の第1の位相区分パターンの
位置検出用比較データ(表1)をロードし、特定期間T
iにおいて入力される基本波信号Vu´,Vv´,Vw
´及びPWM信号P1 のハイ・ロウの状態を比較データ
と比較する(ステップST2)。そして、誘起電圧と基
準電圧V0 とがクロスすると、基本波信号Vu´,Vv
´,Vw´及びPWM信号P1 のハイ・ロウの状態が比
較データと一致するので(ステップST2で「YE
S」)、次の区数の第1の位相区分パターンの開始とな
り、終了した第1の位相区分パターンの所要時間Tb
(第1のタイマ機能の計測時間)をロードすると共に、
開始された第1の位相区分パターンの所要時間を計測す
るために第1のタイマ機能を再スタートさせる(ステッ
プST3)。
【0047】ここで明らかなように、第1のタイマ機能
は各区数の第1の位相区分パターンの開始と共にタイム
カウントを開始し、その第1の位相区分パターンの終了
(次の区数の第1の位相区分パターンの開始)と共にタ
イムカウントを終了することを繰り返す。従って、第1
のタイマ機能はゼロクロス時点から次のゼロクロス時点
までの基時間Tb(60度相当時間)をカウントする基
時間計測用タイマ手段として機能することとなる。
【0048】そして、マイクロコンピュータ41は次の
ステップST4で図示しないメモリに記憶した第1の位
相区分パターンの区数をインクリメントし、新たに開始
された第1の位相区分パターンの区数に設定する。次い
で、マイクロコンピュータ41は制御モードCmが
「3」であるか否かを判断するステップST5に移行
し、Cmが「3」であった場合には「YES」となって
ステップST10に移行し、Cmが「2」及び「1」の
場合には「NO」となってステップST6に移行する。
そして、マイクロコンピュータ41はステップST6で
Cmが「2」で且つEが「1」である可否かを判断す
る。
【0049】以上のことを具体的に例を挙げて説明する
に、今、区数X1 の第1の位相区分パターンの特定期間
Tiに入ったとすると、マイクロコンピュータ41は表
1の区数X1 の位置検出用比較データVu´=H,Vv
´=L,Vw´=L,P1 =Hをロードし(ステップS
T1)、基本波信号Vu´,Vv´,Vw´及びPWM
信号P1 のハイ・ロウの状態と比較する(ステップS
2)。そして、両者が一致すると、次の区数X2 の開始
となり、マイクロコンピュータ41は終了した区数X1
の所要時間Tbをロードすると共に開始された区数X2
の所要時間を計測するために第1のタイマ機能をスター
トさせる(ステップST3)。次にマイクロコンピュー
タ41はメモリに記憶した区数X1 を新たに開始された
区数X2 に設定し(ステップST4)、ステップST5
に移行するのである。
【0050】さて、今、Cmが「1」またはCmが
「2」でEが「1」未満であったとすると、マイクロコ
ンピュータ41は、ステップST5及びステップST6
で共に「NO」と判断し、ステップST7に移行する。
このステップST7では、マイクロコンピュータ41
は、第2の位相区分パターンの時間Ty (第2のタイマ
機能が計測すべき時間Y1 〜Y6 )を次の(4)式によ
り求め、第2のタイマ機能をスタートさせる。 Ty =(1−E)×Tb/2 …… (4)
【0051】そして、第2のタイマ機能が上記時間Ty
のカウントを終了すると(ステップST8で「YE
S」)、マイクロコンピュータ41は次のステップST
9で通電信号Up,Un,Vp,Vn,Wp,Wnを切
り替える。各第1の位相区分パターンX1 〜X6 の通電
信号Up,Un,Vp,Vn,Wp,Wnのハイロウ状
態は下記の表2の通りであり、ステップS9における通
電信号の切り替え状態を前述した具体例で説明すると、
新たに開始された第1の位相区分パターンの区数はX6
であるから、通電信号Up,Un,Vp,Wpは区数X
1 と同じ状態が継続され、通電信号Vn,Wnがそれぞ
れHからLへ、LからHへと切り替えられるものであ
る。
【0052】
【表2】
【0053】ここで、Cmが「1」の場合には、Eは
「0」となっているから、上記(4)式から明らかなよ
うにTy は常に(Tb/2)となり、これはゼロクロス
時点から30度遅れた基準転流タイミングと一致し、転
流タイミングはゼロクロス時点から30度遅れた時点に
決定されることを意味する。また、Cmが「2」で且つ
Eが「1」未満のときは、前記(2)式からEはロータ
回転数Nmが指令回転数Ncよりも低ければ低いほど大
きな値となるから、上記(4)式から明らかなようにT
y はロータの回転数Nmが指令回転数Ncよりも低けれ
ば低いほど短い時間となり、転流タイミングは図7の
(a)〜(d)に例示するように基準転流タイミングに
対しより早まった時点に決定されることとなる。
【0054】Cmが「2」で且つEが「1」であった場
合には、ステップST6で「YES」となってステップ
ST9に移行し表2の通電信号Up,Un,Vp,V
n,Wp,Wnを形成する。このようにEが「1」であ
ったときに、ステップST7及び8を実行しない理由
は、前記(4)式においてE=1のときTy は「0」と
なってゼロクロス時点と一致するから、ゼロクロス時点
の検出に同期して通電信号Up,Un,Vp,Vn,W
p,Wnを切り替えれば良いからである。
【0055】以上のことから理解されるように、マイク
ロコンピュータ41は基時間Tbに基づいてゼロクロス
時点から基準転流タイミングまでの時間(Tb/2)を
演算すると共に、式(2)で示されるロータ回転数Nm
と指令回転数Ncとの比較結果及び基時間Tbから早め
時間(E×Tb/2)を演算し、その演算した両時間の
差を差時間Ty (第2の位相区分パターンY1 〜Y6 の
時間)として求める演算手段として機能し、またマイク
ロコンピュータ41が有する第2のタイマ機能はゼロク
ロス時点からTy をタイムカウントする差時間計測用タ
イマ手段として機能する。ここでCmが「2」の場合の
通電信号Up,Un,Vp,Vn,Wp,Wnの形成パ
ターンを図5に示す。なお、Cmが「1」の場合の通電
信号Up,Un,Vp,Vn,Wp,Wnの形成パター
ンは図10と同様であり、一方、Cmが「3」であった
場合には、マイクロコンピュータ41はステップST5
からステップST10に移行し、ゼロクロス時点の検出
に同期して通電信号Up,Un,Vp,Vn,Wp,W
nに切り替える。このときの通電信号の切り替え状態は
下記の表3の通りであり、ステップS10における通電
信号の切り替え状態を前述した具体例で説明すると、新
たに開始された第1の位相区分パターンの区数はX2 で
あるから、通電信号Up,Un,Vp,Wp,Vnは区
数X1 と同じ状態が継続され、通電信号WnだけがLか
らHへと切り替えられるものである。
【0056】
【表3】
【0057】このように、Cmが「3」の場合には、通
電信号Up,Un,Vp,Vn,Wp,Wnのうち、オ
ン期間が開始されるものはCmが「1」及び「2」の場
合と同様にLからHに切り替えられるが、オン期間が終
了するものについてはHからLに切り替えられることな
く、Hの状態のままとされるのである。
【0058】次いでマイクロコンピュータ41は、ステ
ップST11に移行し、ここで通電信号Up,Un,V
p,Vn,Wp,Wnのオフタイミングの延長時間Tq
(Q1 〜Q6 )を次の(5)式により演算し、第4のタ
イマ機能をスタートさせる。 Tq =F×Tb/2 …… (5)
【0059】そして、第4のタイマ機能が延長時間Tq
のカウントを終了すると(ステップST12で「YE
S」)、マイクロコンピュータ41は通電信号Up,U
n,Vp,Vn,Wp,Wnを前記した表2で示す状態
に切り替える(ステップST13)。このときの実際の
通電信号の切り替えはステップS10でHからLに切り
替えられなかった通電信号のみについて行われる。前述
の具体例で言えば第1の位相区分パターンX2 のQ2 の
終了点において通電信号VnがHからLに切り替えられ
るものである。以上のCmが「3」の時の通電信号の形
成パターンを図6に示す。
【0060】このような通電信号Up,Un,Vp,V
n,Wp,WnのHからLへの切り替えの遅れは各第1
の位相区分パターンX1 〜X6 においても同様に行われ
るから、結局、Cmが「3」の場合には、通電信号Vn
のオン期間はCmが「1」及び「2」の場合120度相
当時間であるが、これよりも延長時間Tq だけ延長され
たこととなる。
【0061】ここで、上記延長時間Tq は、本来、各第
1の位相区分パターンX1 〜X6 の開始点でオフされる
べき通電信号、すなわちX1 では通電信号Wp、X2 で
はVn、X3 ではUp、X4 ではWn、X5 ではVp、
X6 ではUnのオフタイミングを決定するものであり、
上記延長時間Tq は基準オフタイミング、すなわち通電
信号Up,Un,Vp,Vn,Wp,Wnのオンタイミ
ング時点(転流タイミング)から120度相当時間経過
した時点(本実施例ではX1 〜X6 の開始点)からの遅
れ時間である。従って、各通電信号Up,Un,Vp,
Vn,Wp,Wnの通電期間は本来の120度よりもT
q だけ延長されたこととなる。そして、前記(3)式か
ら明らかなように、Fの値はロータの回転数Nmが目標
回転数Ncよりも低ければ低いほど大きくなるから、延
長時間Tq はロータの回転数Nmが目標回転数Ncより
も低ければ低いほど長くなる(図7の(e)〜(i)参
照)。
【0062】以上のことから理解されるように、マイク
ロコンピュータ41は上記(5)式に示されるロータ回
転数Nmと目標回転数Ncとの比較結果及び基時間Tb
に基づいて延長時間Tq を演算する演算手段として機能
すると共に、マイクロコンピュータ41が有する第4の
タイマ機能はゼロクロス時点から延長時間Tq をカウン
トする延長時間計測用タイマ手段として機能する。
【0063】さて、上述のようにしてステップST9或
いはステップST13を終了すると、マイクロコンピュ
ータ41は、次にステップST14で第3のタイマ機能
の計測時間(Z1 〜Z6 )をCmが「1」及び「2」の
ときには次の(6)式により、Cmが「3」のときには
(7)式により演算する。 Tz =(Tb/4)+(Tb/2)−Ty =(Tb/4)+(E×Tb/2) …… (6) Tz =(Tb/4)+(Tb/2)−Tq =(Tb/4)+(1−F)×Tb/2 …… (7)
【0064】ここで、第3のタイマ機能の計測時間を第
1の位相区分パターンの時間Tbの1/4に設定する
と、第2の位相区分パターンの時間が(Tb/2)より
Ty 或いはTq だけ早まっているため、特定期間Tiが
早い時点から開始されてしまう。そこで、本実施例で
は、第3のタイマ機能の計測時間を上記の式(6)また
は(7)により求め、特定期間Tiがゼロクロス時点よ
り略15度相当時間前に開始されるようにしている。そ
して、第3のタイマ機能が時間をカウント終了して特定
期間Tiに入ると(ステップST15で「YES」)、
ステップST4でインクリメントされた現在進行中の第
1の位相区分パターンの位置検出用比較データをロード
する前記ステップST1に戻る。
【0065】このように本実施例によれば、ロータの回
転数Nmが目標回転数Ncよりも低い場合、まず従来と
同様に電圧制御手段としてのパルス幅変調信号P1 のデ
ューティを高くすることにより、巻線15u,15v,
15wの印加電圧を高くしてロータの回転数Nmを目標
回転数Ncに近付ける制御を行う(Cm=1の場合)。
そして、パルス幅変調信号P1 のデューティが100%
に達すると、それ以上は電圧制御によりロータの回転数
Nmを目標回転数Ncまで上昇させることはできないの
で、次に転流タイミングを基準転流タイミングよりTy
だけ早めるようにする(Cm=2の場合)。従って、巻
線15u,15v,15wには誘起電圧の低い時期に通
電が開始されるようになるので、弱め磁界の効果により
ロータの回転数Ncが上昇する。
【0066】この転流タイミングを早めることによりロ
ータの回転数Ncを上昇させるには限界がある。すなわ
ち、基準転流タイミングはゼロクロス点から(Tb/
2)時間だけ遅れた時点に決定されるから、転流タイミ
ングの早め時間Ty は(Tb/2)以上にすることはで
きない。そこで、本実施例では、転流タイミングを基準
転流タイミングよりも(Tb/2)時間だけ早めたにも
拘らず、未だロータの回転数Nmが目標回転数Ncより
も低い場合には、通電信号Up,Un,Vp,Vn,W
p,WnのオフタイミングをTq だけ遅らせる(Cm=
3の場合)。これにより、巻線15u,15v,15w
への通電時間が長くなるので、巻線15u,15v,1
5wの印加電圧が高められたと同等の効果が得られ、ロ
ータの回転数Ncは上昇する。
【0067】図8は以上のことを裏付けるための実験結
果を示しており、同図から明らかなように、デューティ
Dを100%とした特性線Lに対し、転流タイミングを
早める方式においてEが0.5、0.75、1と大きく
なるに従ってロータの回転数Nmは上昇し、更に通電信
号Up,Un,Vp,Vn,Wp,Wnのオフタイミン
グを遅らせるの方式においてEが0.25、0,5、
0,75と大きくなるに従ってロータの回転数Nmは一
層上昇することが理解される。
【0068】従って、本実施例では、ブラシレスモータ
15に回転数−トルク特性の高いものを使用しなくと
も、ロータの回転数Nmを高くすることができるので、
特に暖房運転開始当初において指令回転数Ncを高くし
て室内温度を早期に設定温度に近付けることができ、モ
ータ15の大形化及び通常運転での効率低下の問題を回
避できる。
【0069】逆に、冷暖房運転開始当初における指令回
転数Ncを従来と同等の回転数に設定した場合には、ブ
ラシレスモータ15に回転数−トルク特性の低いものを
使用できるので、小形化を図ることができる。また、ブ
ラシレスモータ15を小形化することなく大きさをその
ままとした場合には、巻線15u,15v,15wのタ
ーン数を多くすることができるので、巻線電流を低くで
き、効率向上を図ることができる。
【0070】また、本実施例では、位置信号回路17に
より巻線15u,15v,15wの端子電圧Vu,V
v,Vwと基準電圧V0 とのゼロクロス時点を検出し、
マイクロコンピュータ41はこのゼロクロス時点間の時
間を第1のタイマ機能によりカウントし、そのカウント
時間を基にゼロクロス時点から基準転流タイミングまで
の時間を求め、その求めた時間からロータの回転数Nm
と指令回転数Ncとに基づいて得た進め時間Ty を差し
引いて転流タイミングを求める構成としたので、場合場
合によって異なる転流タイミングの決定をコンピュータ
プログラムにより容易に行うことができる。
【0071】同様に、マイクロコンピュータ41は通電
信号のオフタイミングを決定する場合に、ゼロクロス時
点間の時間、及びロータの回転数Nmと指令回転数Nc
とに基づいて延長時間Tq を求め、ゼロクロス時点から
タイムカウントを開始する第4のタイマ機能により延長
時間Tq をカウントした時点をオフタイミングとして決
定する構成であるので、場合場合によって異なる通電信
号のオフタイミングの決定をコンピュータプログラムに
より容易に行うことができる。
【0072】なお、分圧抵抗回路16は基準電圧発生手
段として機能するもので、他の基準電圧発生手段に置き
換えても良く、その基準電圧としては直流電源回路2の
出力電圧の1/2に限られない。また、電圧制御手段は
パルス幅変調回路に限られず、チョッパ回路であっても
良い。更には、本発明のインバータ装置はエアコンディ
ショナのブラシレスモータ15を制御する場合に限られ
ず、モータの制御に広く適用できるものである。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、次
のような効果を得ることができる。請求項1記載のイン
バータ装置では、通電信号形成手段は、転流タイミング
をロータの位置情報だけでなく、目標回転数とロータ回
転数との比較結果を加味して決定する。このため、ロー
タ回転数が目標回転数よりも低い場合、転流タイミング
を早めることができ、弱め磁界の効果によりロータの回
転数が上昇する。従って、回転数−トルク特性の高いモ
ータを使用せずとも、モータを目標とする高回転数で運
転でき、モータの小形化を図ることができると共に通常
運転時の効率低下の問題を回避できる。
【0074】請求項2記載のインバータ装置では、パル
ス幅変調信号のデューティが100%となって巻線に最
大電圧が印加された状態において、なおロータ回転数が
目標回転数よりも低い場合、転流タイミングを基準転流
タイミングよりも早めるので、ロータの回転数が上昇す
る。
【0075】請求項3記載のインバータ装置では、通電
信号形成手段は、巻線の端子電圧と基準電圧とのクロス
時点から次のクロス時間までの時間をカウントし、その
カウント時間に基づいてクロス時点から基準転流タイミ
ングまでの時間を演算すると共にその時間からロータ回
転数と目標回転数とにより求められる早め時間を差し引
いて差時間を演算し、クロス時点から差時間をカウント
した時点を転流タイミングとするので、転流タイミング
の決定をプログラムソフトにより容易に実現することが
できる。
【0076】請求項4記載のインバータ装置では、転流
タイミングを基準転流タイミングよりも早めたにも拘ら
ずロータ回転数が目標回転数よりも低い場合、通電信号
のオフタイミングを基準オフタイミングよりも遅らすの
で、巻線の通電期間が長くなり、ロータの回転数が上昇
する。
【0077】請求項5記載のインバータ装置では、通電
信号形成手段は、巻線の端子電圧と基準電圧とのクロス
時点から次のクロス時間までの時間をカウントし、その
カウント時間と、ロータ回転数及び目標回転数の比較結
果とにより延長時間を演算し、クロス時点から延長時間
をカウントした時点をオフタイミングとするので、オフ
タイミングの決定をプログラムソフトにより容易に実現
することができる。
【0078】請求項6記載のエアコンディショナでは、
コンプレッサのモータは上述のインバータ装置により制
御されるので、暖房運転開始当初において、モータの回
転数を高くして室内温度を早く設定温度に近付けること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す回路図
【図2】ヒートポンプの構成図
【図3】マイクロコンピュータの作用を説明するための
フローチャート1
【図4】マイクロコンピュータの作用を説明するための
フローチャート2
【図5】制御モードCmが「2」のときの図1における
各部の波形図
【図6】制御モードCmが「3」のときの図1における
各部の波形図
【図7】ブラシレスモータの一つの巻線に印加される電
圧を制御モード別に示す波形図
【図8】実験結果を示す回転数−トルク特性図
【図9】従来のインバータ装置を示す回路図
【図10】図8の各部の波形図
【図11】ブラシレスモータの一つの巻線の誘起電圧、
端子電圧、電流の波形図
【図12】ブラシレスモータの運転範囲を回転数とトル
クとの関係で示す図
【符号の説明】
2は直流電源回路、7〜12はスイッチング用トランジ
スタ(スイッチング素子)、13は三相ブリッジ回路
(スイッチング回路)、15はブラシレスモータ、16
は抵抗分圧回路、17は位置信号回路(位置検出手
段)、18〜20はコンパレータ、23はパルス幅変調
回路(電圧制御手段)、24はゲート回路(駆動手
段)、31はヒートポンプ、32はコンプレッサ、35
は四方弁、36は室内側熱交換器、37は減圧装置、3
8は室外側熱交換器、41はマイクロコンピュータ(通
電信号形成手段、回転数検出手段、演算手段、基時間計
測用タイマ手段、差時間計測用タイマ手段、延長時間計
測用タイマ手段)である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータが有する複数相の巻線に順次通電
    するための複数のスイッチング素子からなるスイッチン
    グ回路と、 前記モータが有するロータの位置情報を得る位置検出手
    段と、 前記ロータの回転数情報を得る回転数検出手段と、 前記回転数情報から得られるロータ回転数と目標回転数
    との比較結果に応じて前記巻線への印加電圧を制御する
    電圧制御手段と、 前記回転数情報から得られるロータ回転数と目標回転数
    との比較結果及び前記位置情報に基づいて転流タイミン
    グを決定し、その転流タイミングに対応する通電信号を
    得る通電信号形成手段と、 前記通電信号に基づいて前記スイッチング素子を駆動す
    る駆動手段とを具備してなるインバータ装置。
  2. 【請求項2】 電圧制御手段はパルス幅変調回路からな
    り、通電信号形成手段はパルス幅変調回路により形成さ
    れるパルス幅変調信号のデューティが100%で且つロ
    ータ回転数が目標回転数よりも低いとき、転流タイミン
    グを基準転流タイミングよりも早い時点に移行させるこ
    とを特徴とする請求項1記載のインバータ装置。
  3. 【請求項3】 位置検出手段は、巻線の端子電圧と基準
    電圧とがクロスする時点を位置情報として通電信号形成
    手段に与え、 通電信号形成手段は前記クロス時点と次のクロス時点と
    の間の時間をカウントする基時間計測用タイマ手段と、
    この基時間計測用タイマ手段がカウントした基時間に基
    づいてクロス時点から基準転流タイミングまでの時間を
    演算すると共にロータ回転数と目標回転数との比較結果
    及び前記基時間から早め時間を演算し、その演算した両
    時間の差を差時間として求める演算手段と、クロス時点
    からタイムカウントを開始する差時間計測用タイマ手段
    とを備え、前記差時間計測用タイマ手段が前記差時間の
    カウントを終了した時点を転流タイミングとすることを
    特徴とする請求項1または2記載のインバータ装置。
  4. 【請求項4】 電圧制御手段はパルス幅変調回路からな
    り、 通電信号形成手段はパルス幅変調回路により形成される
    パルス幅変調信号のデューティが100%で且つ転流タ
    イミングを基準転流タイミングよりも早い時点に移行さ
    せた後において、ロータ回転数が目標回転数よりも低い
    とき、通電信号のオフタイミングを基準オフタイミング
    よりも遅い時点に移行させることを特徴とする請求項1
    ないし3のいずれかに記載のインバータ装置。
  5. 【請求項5】 位置検出手段は、巻線の端子電圧と基準
    電圧とがクロスする時点を位置情報として通電信号形成
    手段に与え、 通電信号形成手段は前記クロス時点と次のクロス時点と
    の間の時間をカウントする基時間計測用タイマ手段と、
    ロータ回転数と目標回転数との比較結果及び基時間計測
    用タイマ手段がカウントした基時間に基づいて延長時間
    を演算する演算手段と、クロス時点からタイムカウント
    を開始する延長時間計測用タイマ手段とを備え、前記延
    長時間計測用タイマ手段が前記延長時間のカウントを終
    了した時点を通電信号のオフタイミングとすることを特
    徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のインバー
    タ装置。
  6. 【請求項6】 コンプレッサ、室外側熱交換器、減圧装
    置、室内側熱交換器を冷媒通路により接続したヒートポ
    ンプを備え、 前記コンプレッサのモータを請求項1ないし5のいずれ
    かに記載のインバータ装置によって制御することを特徴
    とするエアコンディショナ。
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