JPH0731438A - 連続酸浸漬処理における浸漬液の酸度調整方法及び装 置 - Google Patents

連続酸浸漬処理における浸漬液の酸度調整方法及び装 置

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JPH0731438A
JPH0731438A JP5200130A JP20013093A JPH0731438A JP H0731438 A JPH0731438 A JP H0731438A JP 5200130 A JP5200130 A JP 5200130A JP 20013093 A JP20013093 A JP 20013093A JP H0731438 A JPH0731438 A JP H0731438A
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acid
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 食品の連続酸浸漬処理装置の浸漬液の酸度調
整方法及び装置を提供する。 【構成】 食品の連続酸浸漬処理装置の浸漬槽中の浸漬
液の酸度調整方法において、自動滴定装置により当該浸
漬液の滴定酸度を測定し、その測定値に基づいて酸母液
の供給量を増減させ、浸漬液の酸度を自動制御する食品
の連続酸浸漬処理装置の浸漬槽中の浸漬液の酸度調整方
法、及び浸漬槽、オーバーフロー槽、自動滴定装置を有
し、浸漬槽への酸母液の供給量を増減させ、浸漬液の酸
度を自動制御するようにした食品の連続酸浸漬処理装
置。 【効果】 低pH範囲においても測定誤差がなく、浸漬
液のpHの変動を設定範囲内に自動制御することが可能
であり、食品の連続酸浸漬処理装置の浸漬槽中の浸漬液
の酸度を簡便、かつ確実に調整することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品を低温殺菌により
長期保存するために、その前処理として食品を酸液に浸
漬し、当該食品を低pHに調整することを目的として実
施される食品の連続酸浸漬処理において、その浸漬液の
好適なpHを簡便、かつ確実に維持する方法、及び当該
方法を実施するための連続酸浸漬処理装置に関するもの
であり、更に詳しくは、本発明は、従来、0.1オーダ
ーでのpHの正確な調整が困難とされていた低pH範囲
においても、浸漬槽中の浸漬液のpHの変動を0.1オ
ーダーでの設定範囲内に簡便、かつ確実に自動制御する
ことが可能な食品の連続酸浸漬処理装置の浸漬槽中の浸
漬液の酸度調整方法、及び当該方法を実施するための装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】食品を長期保存するには、食品に対し
て、その最終製品の段階で、何らかの加熱殺菌処理を施
すことが一般的であるが、高温処理に伴う食品の劣化現
象を抑制することが必要とされるために、従来、食品を
有機酸等で処理してそのpHを低くすると共に、低温殺
菌処理を施す方法が種々検討されており、食品の中で
も、とりわけ麺類については、高温処理に伴う食品の品
質劣化が顕著であり、従って高温処理が難しいことか
ら、麺類を低pHに調整してから低温殺菌する方法が種
々検討されている。
【0003】すなわち、一般に、例えば、麺類を長期保
存するための殺菌技術として、麺類を加熱殺菌する方法
があげられるが、レトルト殺菌のような120℃以上で
の殺菌処理は、麺類が褐変したり、麺線が切れやすくな
るなど麺質の劣化が避けられないものであった。そこ
で、麺質向上のために、そのpHを低く(酸性)して、
低温殺菌(例えば、85℃で30分以上)する方法等が
検討されている。
【0004】ところで、例えば、麺のpHを調整する方
法としては、一般的には、浸漬槽中のpH調整された酸
溶液中に麺を浸漬することにより行う方法があげられ
る。この場合、麺は、製造後に茹上工程において加熱さ
れた後、冷却槽中において水により冷却する冷却工程に
付され、次いで、浸漬槽中において酸浸漬処理される方
法が採られている。そのために、冷却工程から麺と共に
浸漬槽へ移行する水により浸漬槽中の浸漬液が稀釈さ
れ、その結果、浸漬液のpHが上昇するので、浸漬液の
pHをpHメーターにより時々測定して、酸液を補充
し、浸漬液のpHを一定のレベルに調整することが必要
とされる。
【0005】しかしながら、浸漬液のpHが低くなれば
なるほど、pHメーターによる測定では測定精度の確保
が困難になるだけでなく、特に、麺の浸漬に必要とされ
るpH2付近の低pH領域になると、0.1のオーダー
でのpHの正確な調整はきわめて困難なものとなる。そ
のために、従来は、このような低pH領域におけるpH
の調整は、人の経験と感に頼って手動にて行っているの
が現状であり、そのために、pH調整が必ずしも完全で
はなく、何千食かに1食の割合で不良品が発生するのは
止むを得ないものとされているような状況にあった。
【0006】このような状況の中で、一般に、含浸液の
酸度を調整する方法として、例えば、多孔性基板の含浸
液酸度調整方法(特開昭60−74263号公報)が提
案されている。当該技術は、自動滴定装置により滴定酸
度を測定し、得られた測定値により自動的に適量の酸母
液を補充するものであるものの、この技術は、アルカリ
蓄電池等の多孔性極板製造時における含浸液の酸度調整
方法に関するものであり、また、測定時には一旦浸漬処
理を中断するようになっている。一方、本発明の方法
は、食品の保存を目的として、食品を連続的に酸浸漬処
理を行っている浸漬槽からサンプリングして滴定酸度を
測定し自動的に適量の酸母液を連続的に補充するもので
あり、浸漬処理を中断させる必要のないものである。
【0007】また、食品を酸性浸漬液に浸漬してそのp
Hを調整する方法として、例えば、所望の形状に製麺
後、茹上げ及び水洗した小麦粉ベースの麺を(a)クエ
ン酸又は乳酸及び(b)食塩そして場合により(c)グ
ルタミン酸ソーダを含有する水溶液中に浸漬処理し、次
いで袋詰め後、加熱殺菌することを特徴とする常温流通
可能な即席調理できる小麦粉ベース麺の製法(特開昭6
4−85048号公報)が提案されている。しかしなが
ら、当該公報には、有機酸を使用した場合の麺のpHと
保存性との関係について検討した結果等が開示されてお
り、また、麺の酸浸漬処理後に湯殺菌などの加熱殺菌を
行うものであるが、酸母液の補充方法については、一定
速度で供給して常に初期の処理液濃度を維持するという
ごく一般的な記載しかなく、自動滴定装置等により浸漬
液の酸度を調整することについては何ら触れられていな
い。
【0008】更に、電子レンジ用容器入り和風又は中華
麺の製法として、蒸煮した和風又は中華麺を有機酸含有
溶液に浸漬してそのpHを4.0〜5.5に調整し、次
いで上方開口部を有する高周波透過性の耐熱性容器内に
上記和風又は中華麺を分納した後、含気率が100〜2
50%となるように上記容器の上方開口部を熱接着性フ
ィルムにて密封し、加圧加熱殺菌装置内で90〜110
℃、ゲージ圧0.2〜2.0kg/cm3 で15〜60
分間加熱することを特徴とする電子レンジ用容器入り和
風又は中華麺の製法(特開平2−200156号公報)
が提案されている。しかしながら、当該公報には、有機
酸含有液に浸漬してpH調整を行うことが示されている
ものの、酸母液の補充方法については何ら触れられてい
ない。
【0009】このように、従来、麺類等を中心として食
品の酸浸漬処理技術についての提案は、種々なされてい
るものの、酸浸漬液を特定の酸性状態に連続的に維持す
るための具体的技術についての提案は、ほとんどなされ
ておらず、かかる状況下にあって、とりわけpHの低い
低pH領域において、安定したpH条件を連続的に維持
できるように、酸母液を自動供給して浸漬液の酸度を調
整する技術を開発することが当業界において強く要請さ
れている状況にあった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このような状況を踏ま
えて、本発明者らは、pHの低い低pH領域において
も、安定したpH条件を維持できるように浸漬液の酸度
を自動的に調整する技術を開発することを目標として鋭
意研究を積み重ねた結果、自動滴定装置により浸漬液の
滴定酸度を測定し、その測定値に基づいて酸母液の供給
量を増減させ、浸漬液の酸度を自動制御する方法を採用
することにより、所期の目的を達し得ることを見い出
し、本発明を完成するに至った。
【0011】本発明は、上記浸漬液の酸度調整方法を実
施するための食品の連続酸浸漬処理装置を提供すること
を目的とするものである。
【0012】また、本発明は、浸漬槽中の浸漬液の酸度
の変動を、設定範囲内に自動制御することが可能な食品
の連続酸浸漬処理装置の浸漬液の酸度調整方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るための本発明は、次の(1)〜(6)の技術的手段か
らなるものである。 (1)食品の連続酸浸漬処理装置の浸漬槽中の浸漬液の
酸度調整方法において、自動滴定装置により当該浸漬液
の滴定酸度を測定し、その測定値に基づいて当該浸漬槽
への酸母液の供給量を増減させ、浸漬液の酸度を自動制
御することを特徴とする食品の連続酸浸漬処理装置の浸
漬槽中の浸漬液の酸度調整方法。
【0014】(2)酸母液の最低供給量を設定してお
き、更に浸漬液の滴定酸度の増減により変化する自動滴
定装置からの電気信号の強弱に基づいて、3段階以上に
設定した酸母液の供給量を選択し、その供給量に従っ
て、酸母液の供給量を増減させる前記(1)記載の浸漬
液の酸度調整方法。
【0015】(3)自動滴定装置が、浸漬液のオーバー
フロー槽からサンプリングし、滴定するものである前記
(1)記載の浸漬液の酸度調整方法。
【0016】(4)食品の連続酸浸漬処理装置の始動
時、あるいは、被浸漬物としての食品の供給が途切れた
時に、浸漬槽中に被浸漬物がないことを光電管などの検
知手段で検知して、酸母液の供給量を前記最低供給量に
まで減少させるようにした前記(2)記載の浸漬液の酸
度調整方法。
【0017】(5)被浸漬物を浸漬するための浸漬槽
と、当該浸漬槽からオーバーフローした浸漬液を収納す
るオーバーフロー槽と、浸漬液の滴定酸度を測定するた
めの自動滴定装置とを有し、当該自動滴定装置をオーバ
ーフロー槽からサンプリングし得るように設置すると共
に、その測定値に基づいて浸漬槽への酸母液の供給量を
増減させ、浸漬液の酸度を自動制御するようにしたこと
を特徴とする食品の連続酸浸漬処理装置。
【0018】(6)浸漬槽とオーバーフロー槽との間で
浸漬液を循環させるようにした循環系に酸母液を供給
し、更に、バブリング、シャワリング、対向流のうちか
ら選ばれた2以上の方法を組み合せて行うことができる
当該浸漬槽への当該浸漬液の供給手段を具備しているこ
とを特徴とする前記(5)記載の連続酸浸漬処理装置。
【0019】次に、本発明の食品の連続酸浸漬処理装置
及び当該処理装置の浸漬槽中の浸漬液の酸度調整方法に
ついて茹麺の場合を例として詳細に説明する。本発明
は、原料小麦粉に水を加えて生地を形成するいわゆる製
麺時において原料小麦粉に有機酸等を添加し、その酸度
を調整する方法ではなく、製麺し、茹上げた後に、茹麺
を連続的に酸液に浸漬処理することにより茹麺のpH調
整を行う方法において、その浸漬液の酸度を調整する方
法、及びその方法を実施するための装置に関するもので
ある。
【0020】本発明の浸漬液の酸度調整は、茹上げ工程
において茹上げた後の茹麺を、冷却槽に移送して冷却処
理した後、浸漬槽に移送して酸浸漬処理を実施する方法
において、その浸漬槽中に供給する酸母液の供給量を自
動的に増減させることによって実施されるものであり、
供給する酸母液としては、通常使用されているものでよ
く、特に限定されるものではないが、例えば、グルコン
酸、乳酸、クエン酸等の有機酸類を含む水溶液が好適な
ものとしてあげられる。そして、上記茹上げ後、冷却槽
において冷却処理された茹麺は、浸漬槽において、常温
から40℃、好ましくは20〜30℃の液温に調整した
酸性水溶液中に10〜60秒間浸漬され、その後、茹麺
は、水洗することなくそのまま袋詰、及び密封され、次
いで、蒸気又は熱湯等の加熱手段により低温加熱殺菌が
施される。
【0021】本発明は、上記茹麺に対して好適に適用さ
れるが、茹麺に限らず、小麦粉、そば粉、米粉、調整粉
等の澱粉類を主体とし、これを常法により、練合、圧
延、切出し、又は押し出し、手延べ、あるいは手打ち加
工等により麺線状に成型したうどん、きしめん、ひらめ
ん、ひやむぎ、そうめん、そば、中華麺、焼きそば、チ
ャンポン、冷麺、ビーフン等の全ての種類の麺製品に対
しても適用可能であり、また、このような麺製品に限ら
ず、加熱処理後、水に浸漬処理し冷却する工程を経て製
品化される全ての食品に対しても同様に適用可能なもの
である。
【0022】本発明の方法は、上記したように、小麦粉
ベースの麺類のうちとりわけ茹麺に好適に適用可能であ
る。ここに麺類とは、全てのタイプの麺を包含し得る。
代表的には、うどん(手打ちうどん、ロール製麺うどん
等)、小麦粉を包含するそば、ラーメンの他にスパゲッ
ティ、マカロニのようなパスタ類を包含する。これらに
本発明の方法を適用した後、低温殺菌することにより、
例えば、茹麺をして6ヶ月もの長期間にわたって実質上
安全に常温流通可能ならしめることができ、その際、茹
麺本来の食味に支障なく、また、格別に製品コストの上
昇を来すことがない。本発明の方法においては、麺類の
茹上げ後の浸漬処理において、浸漬液の酸度調整を簡
便、かつ確実に行うことができるので、従来の常識に反
して、茹麺製品のpHを3.5〜4.3程度の狭い範囲
内に低下せしめることができ、その後の低温殺菌によ
り、予期せざる長期間の常温流通性を達成できることを
見い出したものである。
【0023】本発明の方法により処理されるべき茹麺
は、当業者には既知のようにして製造される。すなわ
ち、小麦粉等の製麺原料に加水し混練する。このものを
うどん等の場合は圧延した後に切刃にかけて製麺する。
また、マカロニ、スパゲッティ等の場合は、混練した生
地をそのまま高圧押出しして成型製麺する。このように
して、所望の形状に製麺されたものを茹上げかつ水洗し
ていわゆる茹麺の状態とする。
【0024】本発明の浸漬液の酸度調整方法について、
図1〜3に基づいて具体的に説明すると、図1は、冷却
槽と浸漬第1槽及び浸漬第2槽からなる連続酸浸漬処理
装置の主要部の概要を示す側面図であり、図2は、その
平面図である。図1において、茹上げ処理工程を経て冷
却槽に移送された麺は、冷却槽において冷却された後、
浸漬第1槽に移送され、第1次の酸液浸漬処理が施され
た後、更に、浸漬第2槽に移送され、第2次の酸液浸漬
処理が施され、次いで、充填工程に移送され、充填機に
より適宜袋詰され、次いで低温加熱殺菌工程へ移送され
る。
【0025】このような構成を基本構成とする本発明の
方法及び連続酸浸漬処理装置において、図3に示される
ように、自動滴定装置Dは、浸漬第1槽A及び浸漬第2
槽Bからオーバーフローした浸漬液を収納するオーバー
フロー槽(ドロップタンク)Cに連結され、当該オーバ
ーフロー槽からサンプリングポンプcによりサンプリン
グするように設置する。この場合、オーバフロー槽(ド
ロップタンク)Cからサンプリングするのは、オーバー
フロー槽からであると経時的なバラツキを吸収できる
が、浸漬槽からであると冷却槽において麺に付着した水
が混入するなど、サンプリングする場所によりバラツキ
が発生する可能性があるためである。従って、当該浸漬
第1槽A及び浸漬第2槽Bからオーバーフローさせるよ
うに構成し、かつオーバーフロー槽(ドロップタンク)
Cにおいて滴定酸度を測定するようにすることが好まし
いが、本発明は、このような構成に限定されるものでは
なく、適宜、設計変更することが可能である。また、浸
漬槽、オーバーフロー槽(ドロップタンク)等の各構成
要素の具体的構成についても、適宜、設計変更すること
が可能である。
【0026】次に、上記オーバーフロー槽(ドロップタ
ンク)Cからサンプリングポンプcによりサンプリング
した浸漬液は、自動滴定装置Dでその滴定酸度が測定さ
れ、その測定値に基づいて酸母液の供給量を設定し、酸
浸漬ライン制御盤Eを介して、酸母液注入ポンプfを作
動し、浸漬第1槽A及び浸漬第2槽Bへの必要量の酸母
液を供給することによって浸漬液の酸度が調整される。
また、浸漬槽へ酸母液を供給するに際しては、循環ポン
プd、eにより浸漬槽とオーバーフロー槽(ドロップタ
ンク)Cとの間で浸漬液を循環させ、その循環系に酸母
液を供給するようにすると浸漬槽へ供給する前に浸漬液
と混ざり合うので好ましい。更に、この場合、浸漬槽へ
の浸漬液の供給は、浸漬槽上部において、シャワーノ
ズルa、bからのシャワーリングにより浸漬液を供給し
浮いた麺にも浸漬液がかかるように供給するする方法、
浸漬槽中において、浸漬液の吹き出し方向と麺の流れ
とを対向させるように供給する方法、また、下方向か
ら、バブルノズルh、iを介して浸漬液をバブリングさ
せて浸漬槽中の浸漬液を攪拌すると同時に麺中の浸漬液
を入れ替えるように供給する方法、等のうちから選ばれ
た2以上の方法を組み合わせて行うことができる浸漬液
供給手段により行うことが好適なものとしてあげられ
る。また、循環系に組み込まれたプレート式熱交換器j
等により、麺により温められた浸漬液の温度を下げ、浸
漬液の温度を一定にして麺への酸の吸着を安定させるこ
とが好適なものとしてあげられる。
【0027】そして、上記酸母液の供給量を設定する方
法は、例えば、予じめ酸母液の供給量を、最低供給量
(最下限値)および、上限値、通常値、下限値の如く3
段階以上の供給量を設定しておき、測定した滴定酸度の
増減により変動する自動滴定装置からの電気信号の強弱
に基づいて、予じめ3段階以上に設定した酸母液の供給
量を選択し、その供給量に従って、酸母液の供給量を増
減するようにする方法が好適なのものとしてあげられ
る。酸母液の供給量の設定は、例えば、表1に示される
ように、酸母液供給装置(ポンプ)の最大供給量を10
0%とした時に、酸母液供給量の通常値を20%とし、
その上限値を22%、また、その下限値を18%とする
ように3段階以上に設定しておく。このことにより、浸
漬液の滴定酸度のレベルに応じて、当該3段階以上の酸
母液供給量を選択することによりきわめて効率の良い形
で浸漬液の酸度調整を行うことができる。
【0028】
【表1】
【0029】更に、浸漬槽の入口に、麺の有無を検知す
る光電管などの検知装置Fを設置しておき、連続酸浸漬
処理装置の始動時、あるいは、被浸漬物の供給が途切れ
た時に、浸漬槽中に被浸漬物がないことを当該光電管な
どの検知装置Fで検知して、酸母液の供給量を上記最低
供給量にまで減少させるようにする方法が好適なものと
してあげられる。当該検知装置Fの具体的構成は、特に
限定されるものではなく、適宜のものを使用することが
できる。このような方法を採用することによって、浸漬
槽中に被浸漬物が存在しない場合には、例えば、冷却槽
を通過してきた空のバスケットに付着している水滴によ
りpHが上昇すると云ったようなことを防ぎ、浸漬槽中
の浸漬液の酸度を安定させることができる。この場合の
最低供給量の設定は、例えば、表1に示されるように、
上記下限値以下の値、例えば、8%に設定することが可
能である。このような、酸母液供給量の通常値、上限
値、下限値、最下限値は、ここでは例示的に示したもの
であり、当該数値に限定されるものではないことは云う
までもない。
【0030】このように、本発明は、自動滴定装置によ
り浸漬液の滴定酸度を測定し、その測定値に基づいて酸
母液の供給量を自動的に増減することを基本とするもの
であり、また、予じめ酸母液の供給量を3段階以上に設
定しておき、浸漬液の滴定酸度の増減により変化する自
動滴定装置からの電気信号の強弱に基づいて、当該3段
階以上に設定した酸母液の供給量を選択し、その供給量
に従って、酸母液の供給量を増減するようにしたことを
特徴とするものである。更に、連続酸浸漬処理装置の始
動時、あるいは、被浸漬物の供給が途切れた時に、浸漬
槽中に被浸漬物がないことを光電管などの検知装置によ
り検知して、酸母液の供給量を上記最低供給量にまで減
少させるようにし、これによって空運転中も浸漬槽中の
浸漬液の酸度を安定させることを可能にしたことを特徴
とするものである。尚、本発明の連続酸浸漬処理装置を
構成する自動制御システム等の各要素は、通常の装置を
使用して設計すれば良く、その具体的構成は特に制限さ
れるものではない。
【0031】上記冷却槽における冷却処理、及び浸漬槽
における浸漬処理は、常法により行えばよく、特に限定
されるものではないが、例えば、上記浸漬工程では、例
えば、プレート式熱交換器等により、常温〜40℃に冷
却された濃度0.2〜20%の有機酸水溶液に麺を10
〜60秒間浸漬して、その麺のpHが3.5〜4.3と
なるようにするのが好ましい。尚、本明細書において言
及する「麺のpH」とは、麺を1cm程度に細切りし、
その細切りした麺10gに純水100mlを加えストマ
ッカー、ホモジナイザー又はジュースミキサー等を用い
て約1分間粉砕し、この粉砕物をビーカーに移して約5
分間放置させた後の上清液のpHであり、ガラス電極p
Hメーターを用いて測定したものである。
【0032】また、本発明の方法においては、必要によ
り、例えば、上記浸漬工程を経た中華麺の場合には、油
脂中への浸漬、スプレーによる噴霧その他適宜手段によ
り、麺重量の1〜5%に相当する食用油をその表面に塗
布することができる。
【0033】上記処理を経た麺は、例えば、1食分18
0g位の適当な分量で分割した後、高周波透過性の耐熱
性容器内に分納され、この容器は必要に応じて窒素ガス
等の不活性ガスでガス置換を行ない、容器の上方開口部
上面に熱接着性フィルムを熔着することにより密封され
る。
【0034】次に、麺を内封した耐熱性容器は、湯浴加
熱方式、蒸気吹込加熱方式等からなる通常の加熱殺菌装
置内において、90〜110℃、ゲージ圧0〜1.0k
g/cm2 で15〜60分間処理され、加熱殺菌が施さ
れる。当該加熱殺菌が終了した後、装置内に冷却水又は
加圧空気を導入し、加圧状態を維持しつつ冷却を行な
い、内容物の品温を約60℃以下に低下させた後に容器
を装置から取り出し、次いで常温に至るまで放冷させ
る。
【0035】尚、殺菌の確実性が少々低下するが、経済
性を優先させるのであれば熱水槽内、蒸気トンネル内で
の加熱処理を採用することも可能である。また、装置か
ら取り出した後、できるだけ早い時期に、容器に打圧、
振盪等の処理を施して内容物の麺に振動を与えれば、麺
のほぐれが更に良好となる。本発明による袋詰め又は容
器入り麺製品には、これにレトルト包装用のスープ、ソ
ース等、適宜の調味料を別途添付することにより特定の
商品形態となすことが可能であることは云うまでもな
い。
【0036】以上、茹麺の場合について説明したが、本
発明は、かかる場合に限定されるものではなく、同様の
浸漬工程を経て製造される全ての種類の食品の場合にも
同様にして適用することが可能であることは云うまでも
ない。尚、上記図1〜3においては、浸漬第1槽Aと浸
漬第2槽Bとの複数の浸漬槽を有する連続酸浸漬装置に
ついて説明したが、本発明は、このようなものに限ら
ず、例えば、浸漬第1槽だけからなる単一浸漬槽を有す
るものも適宜使用することが可能である。
【0037】
【実施例】次に、本発明を実施例をあげて具体的に説明
するが、本発明は、当該実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 小麦粉100重量部に対して、32重量部に水、1重量
部の食塩及び0.3重量部のカン粉を加えて10分間混
捏した後、常法に従い混捏生地を荒延べ、複合及び圧延
を行ない、最終麺布厚1.5mmとし、切刃角2G器で
切り出し生中華麺を連続的に製造した。
【0038】この麺を5分間蒸した後、冷却槽へ移送
し、冷却槽中で水洗いして冷却して蒸焼きそばを得た。
この蒸焼きそばを連続酸浸漬装置の浸漬槽へ移送し、プ
レート式熱交換器により20℃に冷却された2.3%グ
ルコン酸水溶液に30秒間浸漬処理して麺のpHを規格
範囲(pH3.5〜3.9)に調整した。当該浸漬処理
に際し、浸漬槽中の浸漬液の酸度管理を図1〜3と同様
の本発明の自動滴定装置による酸度管理システムを用い
て実施した。
【0039】すなわち、自動滴定装置のサンプリング箇
所をオーバーフロー槽(ドロップタンク)の中央に設定
すると共に、酸母液供給量を表1の如く、酸母液供給装
置(ポンプ)の供給量を100%とした時の酸母液供給
量の上限値を22%、通常値を20%、下限値を18%
の3段階に設定し、サンプルの滴定酸度を測定して、そ
の測定値により酸母液供給量を選択供給することにより
酸母液供給量を増減させ、浸漬槽中の浸漬液の酸度を自
動制御した。その際に、酸母液の供給は、浸漬槽とオー
バーフロー槽との間で循環している浸漬液の循環系に対
して行い、更に、浸漬槽上部において、シャワーノズル
からのシャワーリングにより浸漬液を供給し浮いた麺に
もかかるようにし、かつ浸漬槽の下方のバブルノズルか
らのバブリングにより浸漬液を供給するようにして、浸
漬処理を実施した。
【0040】この場合、滴定酸度の上限値を190に、
また、下限値を160に設定して酸母液供給量を制御し
た結果、浸漬液の酸度は、連続的に規格範囲内に維持さ
れ、また、製品pHは、連続的に規格範囲(pH3.5
〜3.9)に維持されることが確認された。浸漬液の滴
定酸度、及び製品pHについて経時的に測定した結果
(推移)を、それぞれ、図4、及び図5に示す。
【0041】上記のように麺の連続酸浸漬処理を終了し
た後、その重量の3%に相当するサラダ油を噴霧塗布
し、この蒸焼きそばを充填工程へ移送し、上方開口部の
長径及び短径が、それぞれ、約16及び9.5cm、底
部の長径及び短径が約12.5及び7cmの約楕円形状
を有し、深さ3.5cm、容量450mlのポリプロピ
レン製のトレー状容器内に180gを分納し、四国加工
機株式会社製の密封シール装置SH−31を用い、前記
容器の上方開口部をポリプロピレンフィルムでシールし
て密封した。
【0042】次いで、これを湯浴加熱方式の加圧加熱殺
菌装置(株式会社日阪製作所のレトルト殺菌装置:RC
S−160/30GA)の殺菌槽内に収容し、同槽を予
じめ装置上部の湯水槽にて加温した90℃の熱水で満た
し、ゲージ圧0.5kg/cm2 の加圧状態に30分間
保持した。その後、殺菌槽下部より冷却水を導入して槽
内の水温を徐々に60℃まで低下させ、この状態に20
分間保持した。しかる後、前記装置を開けて容器を取り
出し常温に至るまで放冷し、製品を得た。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明は、食品の
連続酸浸漬処理における浸漬槽中の浸漬液の酸度調整方
法及び装置に係るものであり、かかる方法等において、
自動滴定装置により当該浸漬液の滴定酸度を測定し、そ
の測定値に基づいて酸母液の供給量を増減させることに
よって浸漬液の酸度を調整することを特徴するものであ
り、本発明によれば、pH2付近の低pH領域において
も、従来の方法の如く人の経験と感に頼るのではなく、
自動滴定装置による正確な測定値に基づいて自動化され
たシステムにより酸母液を補充し、酸度調整することが
可能である。
【0044】従って、浸漬液のpHの変動を低pH領域
においても微小な設定範囲内に確実に制御することがで
きる。また、従来、pHメーターでは誤差の範囲となっ
てpHの正確な調整が困難なものと考えられていた低p
H範囲においても、0.1オーダーで、正確、かつ確実
に酸度を自動制御により調整することができる。更に、
本発明の連続酸浸漬処理装置は、酸液を予じめ大量に用
意しておく必要がないので、従来の装置に比べて、設備
自体がかなり小さくて済むことから、装置をコンパクト
なものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の連続酸浸漬処理装置における冷却槽、
浸漬槽の概要を示す側面図である。
【図2】本発明の連続酸浸漬処理装置における冷却槽、
浸漬槽の概要を示す平面図である。
【図3】本発明の自動滴定装置による酸度調整方法を実
施するための連続酸浸漬処理装置の概要を示す。
【図4】本発明により酸母液の供給量を自動制御した場
合の浸漬液の滴定酸度の推移を示す。
【図5】本発明により酸母液の供給量を自動制御した場
合の製品pHの推移を示す。
【符号の説明】
A 浸漬第1槽 B 浸漬第2槽 C オーバーフロー槽(ドロップタンク) D 自動滴定装置 E 酸浸漬ライン制御盤 F 検知装置 a シャワーノズル b シャワーノズル c サンプリングポンプ d ポンプ e ポンプ f 酸母液注入ポンプ g サーボ式定流量ポンプ h バブルノズル i バブルノズル j プレート式熱交換器

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食品の連続酸浸漬処理装置の浸漬槽中の
    浸漬液の酸度調整方法において、自動滴定装置により当
    該浸漬液の滴定酸度を測定し、その測定値に基づいて当
    該浸漬槽への酸母液の供給量を増減させ、浸漬液の酸度
    を自動制御することを特徴とする食品の連続酸浸漬処理
    装置の浸漬槽中の浸漬液の酸度調整方法。
  2. 【請求項2】 酸母液の最低供給量を設定しておき、更
    に浸漬液の滴定酸度の増減により変化する自動滴定装置
    からの電気信号の強弱に基づいて、3段階以上に設定し
    た酸母液の供給量を選択し、その供給量に従って、酸母
    液の供給量を増減させる請求項1記載の浸漬液の酸度調
    整方法。
  3. 【請求項3】 自動滴定装置が、浸漬液のオーバーフロ
    ー槽からサンプリングし、滴定するものである請求項1
    記載の浸漬液の酸度調整方法。
  4. 【請求項4】 食品の連続酸浸漬処理装置の始動時、あ
    るいは、被浸漬物としての食品の供給が途切れた時に、
    浸漬槽中に被浸漬物がないことを光電管などの検知手段
    で検知して、酸母液の供給量を前記最低供給量にまで減
    少させるようにした請求項2記載の浸漬液の酸度調整方
    法。
  5. 【請求項5】 被浸漬物を浸漬するための浸漬槽と、当
    該浸漬槽からオーバーフローした浸漬液を収納するオー
    バーフロー槽と、浸漬液の滴定酸度を測定するための自
    動滴定装置とを有し、当該自動滴定装置をオーバーフロ
    ー槽からサンプリングし得るように設置すると共に、そ
    の測定値に基づいて浸漬槽への酸母液の供給量を増減さ
    せ、浸漬液の酸度を自動制御するようにしたことを特徴
    とする食品の連続酸浸漬処理装置。
  6. 【請求項6】 浸漬槽とオーバーフロー槽との間で浸漬
    液を循環させるようにした循環系に酸母液を供給し、更
    に、バブリング、シャワリング、対向流のうちから選ば
    れた2以上の方法を組み合せて行うことができる当該浸
    漬槽への当該浸漬液の供給手段を具備していることを特
    徴とする請求項5記載の連続酸浸漬処理装置。
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