JPH0731468A - 糸状菌の連続液体培養法 - Google Patents
糸状菌の連続液体培養法Info
- Publication number
- JPH0731468A JPH0731468A JP20008393A JP20008393A JPH0731468A JP H0731468 A JPH0731468 A JP H0731468A JP 20008393 A JP20008393 A JP 20008393A JP 20008393 A JP20008393 A JP 20008393A JP H0731468 A JPH0731468 A JP H0731468A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- culture
- protease
- medium
- liquid medium
- filamentous fungus
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Enzymes And Modification Thereof (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 プロテアーゼを効率よく、安定的に長期間
に渡って生産させることを目的とする。 【構成】 プロテアーゼ生産能を有する糸状菌を液体
培地に接種し、連続的に糸状菌を培養する方法におい
て、液体培地として炭素と窒素との比(C/N比)が実
質的に同じ比を有し、濃度の異なる二種以上の培地、及
びさらに必要により炭素源または窒素源から選ばれた一
種類以上の栄養源を併用し、培養中の溶存酸素濃度及び
/またはpHを一定に保持しながら培養することを特徴
とする、糸状菌の連続液体培養法に関するものである。 【効果】 本発明により、プロテアーゼを効率よく、
長期間(例えば、60日間以上)に渡って安定的に産生
させることができる。
に渡って生産させることを目的とする。 【構成】 プロテアーゼ生産能を有する糸状菌を液体
培地に接種し、連続的に糸状菌を培養する方法におい
て、液体培地として炭素と窒素との比(C/N比)が実
質的に同じ比を有し、濃度の異なる二種以上の培地、及
びさらに必要により炭素源または窒素源から選ばれた一
種類以上の栄養源を併用し、培養中の溶存酸素濃度及び
/またはpHを一定に保持しながら培養することを特徴
とする、糸状菌の連続液体培養法に関するものである。 【効果】 本発明により、プロテアーゼを効率よく、
長期間(例えば、60日間以上)に渡って安定的に産生
させることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プロテアーゼを効率よ
く、安定的に長期間に渡って生産させることを目的とし
た糸状菌の液体培養法に関するものである。
く、安定的に長期間に渡って生産させることを目的とし
た糸状菌の液体培養法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、糸状菌を液体培養するに当たり、
プロテアーゼを効率よく生産させる工夫が種々報告され
ている(例えば、特開昭60ー141282号公報、特
開昭62ー126975号公報、特開昭62ー2484
81号公報、特開昭62ー248485号公報、特開昭
63ー71169号公報、特開昭63ー219376号
公報、特開昭63ー248390号公報、特開平1ー2
96978号公報、特開平3ー277280号公報など
参照)。
プロテアーゼを効率よく生産させる工夫が種々報告され
ている(例えば、特開昭60ー141282号公報、特
開昭62ー126975号公報、特開昭62ー2484
81号公報、特開昭62ー248485号公報、特開昭
63ー71169号公報、特開昭63ー219376号
公報、特開昭63ー248390号公報、特開平1ー2
96978号公報、特開平3ー277280号公報など
参照)。
【0003】上記従来法の中でも、特開昭62ー248
485号公報に記載の方法が本発明方法と最も関連する
ものと思われるが、該公報に記載の方法は短期間の培養
(例えば、7日間)におけるプロテアーゼの生産性を改
善せしめる方法であって、該公報には、長期間に渡って
プロテアーゼを効率よく、安定的に生産させることに関
しては全く記載されていない。
485号公報に記載の方法が本発明方法と最も関連する
ものと思われるが、該公報に記載の方法は短期間の培養
(例えば、7日間)におけるプロテアーゼの生産性を改
善せしめる方法であって、該公報には、長期間に渡って
プロテアーゼを効率よく、安定的に生産させることに関
しては全く記載されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】液体培地を用いてプロ
テアーゼ生産能を有する糸状菌を培養した場合、培養液
の溶存酸素濃度とpHが培養当初の値から変動(減少も
しくは上昇)し、プロテアーゼの生産量が低下し、プロ
テアーゼを長期に渡って安定的に生産できないという問
題があった。この問題点を解決するため、培養槽内の攪
拌回転数の調節を行いながら溶存酸素濃度を調節した
り、アルカリもしくは酸を添加して培地のpHを調整す
る手段が従来採用されてきた。しかしながら、攪拌翼を
高速に回転させることにより糸状菌の菌糸が損傷を受
け、プロテアーゼ生産量が低下したり、アルカリもしく
は酸の添加により、培養液中の一部の培養環境が一時的
に急激に変化し、糸状菌のプロテアーゼ生産能に悪影響
を及ぼすなどの問題点が指摘されていた。
テアーゼ生産能を有する糸状菌を培養した場合、培養液
の溶存酸素濃度とpHが培養当初の値から変動(減少も
しくは上昇)し、プロテアーゼの生産量が低下し、プロ
テアーゼを長期に渡って安定的に生産できないという問
題があった。この問題点を解決するため、培養槽内の攪
拌回転数の調節を行いながら溶存酸素濃度を調節した
り、アルカリもしくは酸を添加して培地のpHを調整す
る手段が従来採用されてきた。しかしながら、攪拌翼を
高速に回転させることにより糸状菌の菌糸が損傷を受
け、プロテアーゼ生産量が低下したり、アルカリもしく
は酸の添加により、培養液中の一部の培養環境が一時的
に急激に変化し、糸状菌のプロテアーゼ生産能に悪影響
を及ぼすなどの問題点が指摘されていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
法の問題点を克服するため、鋭意研究を重ねた結果、プ
ロテアーゼを産生させる本培養の工程において、炭素と
窒素との比(C/N比)が実質的に同じ比を有し、濃度
の異なる二種類以上の培地、さらに必要により炭素源ま
たは窒素源から選ばれた一種類以上の栄養源を併用し、
培養中の溶存酸素濃度及び/またはpHを一定に保持し
ながら培養することにより、効率よく、長期間に渡って
安定してプロテアーゼを産生させることができることを
見いだし、本発明を完成させた。
法の問題点を克服するため、鋭意研究を重ねた結果、プ
ロテアーゼを産生させる本培養の工程において、炭素と
窒素との比(C/N比)が実質的に同じ比を有し、濃度
の異なる二種類以上の培地、さらに必要により炭素源ま
たは窒素源から選ばれた一種類以上の栄養源を併用し、
培養中の溶存酸素濃度及び/またはpHを一定に保持し
ながら培養することにより、効率よく、長期間に渡って
安定してプロテアーゼを産生させることができることを
見いだし、本発明を完成させた。
【0006】すなわち、本発明は、プロテアーゼ生産能
を有する糸状菌を液体培地に接種し、連続的に糸状菌を
培養する方法において、液体培地として炭素と窒素との
比(C/N比)が実質的に同じ比を有し、かつ濃度の異
なる二種類以上のものを使用し、培養中の溶存酸素濃度
もしくはpHを一定に保持しながら培養することを特徴
とする、糸状菌の連続液体培養法(本発明方法1)に関
するものである。また、本発明は、プロテアーゼ生産能
を有する糸状菌を液体培地に接種し、連続的に糸状菌を
培養する方法において、液体培地として炭素と窒素との
比(C/N比)が実質的に同じ比を有し、濃度の異なる
二種以上の培地、および炭素源または窒素源から選ばれ
た一種類以上の栄養源を併用し、培養中の溶存酸素濃度
およびpHを一定に保持しながら培養することを特徴と
する、糸状菌の連続液体培養法(本発明方法2)に関す
るものである。
を有する糸状菌を液体培地に接種し、連続的に糸状菌を
培養する方法において、液体培地として炭素と窒素との
比(C/N比)が実質的に同じ比を有し、かつ濃度の異
なる二種類以上のものを使用し、培養中の溶存酸素濃度
もしくはpHを一定に保持しながら培養することを特徴
とする、糸状菌の連続液体培養法(本発明方法1)に関
するものである。また、本発明は、プロテアーゼ生産能
を有する糸状菌を液体培地に接種し、連続的に糸状菌を
培養する方法において、液体培地として炭素と窒素との
比(C/N比)が実質的に同じ比を有し、濃度の異なる
二種以上の培地、および炭素源または窒素源から選ばれ
た一種類以上の栄養源を併用し、培養中の溶存酸素濃度
およびpHを一定に保持しながら培養することを特徴と
する、糸状菌の連続液体培養法(本発明方法2)に関す
るものである。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
使用する糸状菌は、プロテアーゼ生産能を有するもので
あれば特に限定されない。具体的には、アスペルギルス
属、ペニシリウム属、トリコデルマ属、ムコール属、リ
ゾープス属などに属するプロテアーゼ生産能を有する糸
状菌、例えば、アスペルギルス・オリゼーIFO434
8、アスペルギルス・ソーヤIAM2703、アスペル
ギルス・タマリIAM2156、ペニシリウム・ルテウ
ムAHU8022、ムコール・ラセムサスAHU600
2、リゾープス・ジャパニカスIFO5441などを使
用することができる。これらの糸状菌の中で、耐塩性
(たとえば、食塩5%以上の濃度下でも生育可能)のも
のは、雑菌汚染防止の観点から好ましいものである。
使用する糸状菌は、プロテアーゼ生産能を有するもので
あれば特に限定されない。具体的には、アスペルギルス
属、ペニシリウム属、トリコデルマ属、ムコール属、リ
ゾープス属などに属するプロテアーゼ生産能を有する糸
状菌、例えば、アスペルギルス・オリゼーIFO434
8、アスペルギルス・ソーヤIAM2703、アスペル
ギルス・タマリIAM2156、ペニシリウム・ルテウ
ムAHU8022、ムコール・ラセムサスAHU600
2、リゾープス・ジャパニカスIFO5441などを使
用することができる。これらの糸状菌の中で、耐塩性
(たとえば、食塩5%以上の濃度下でも生育可能)のも
のは、雑菌汚染防止の観点から好ましいものである。
【0008】本発明方法においては、本発明方法、すな
わちプロテアーゼを産生させるための本培養を開始する
前に、予め菌体を増殖させて必要な菌体濃度を確保する
ための前培養を行う。この前培養は、糸状菌の液体培養
に通常用いられる液体培地に糸状菌菌体または胞子を接
種し、目的とする菌体濃度が得られるまで、通常は定常
期になるまで行う。すなわち、前培養に使用する培地の
炭素源としてはグルコース、可溶性デンプン、サッカロ
ース、デキストリン、グリセリンなど、窒素源としては
ペプトン、肉エキス、酵母エキス、大豆粉、大豆分離タ
ンパク質、グルテン、ポリペプトン、ソイトンなどをそ
れぞれ使用することができる。また、各種ビタミン、各
種無機塩類、核酸系化合物など微生物の生育に必要な微
量栄養素も必要により使用してもよい。
わちプロテアーゼを産生させるための本培養を開始する
前に、予め菌体を増殖させて必要な菌体濃度を確保する
ための前培養を行う。この前培養は、糸状菌の液体培養
に通常用いられる液体培地に糸状菌菌体または胞子を接
種し、目的とする菌体濃度が得られるまで、通常は定常
期になるまで行う。すなわち、前培養に使用する培地の
炭素源としてはグルコース、可溶性デンプン、サッカロ
ース、デキストリン、グリセリンなど、窒素源としては
ペプトン、肉エキス、酵母エキス、大豆粉、大豆分離タ
ンパク質、グルテン、ポリペプトン、ソイトンなどをそ
れぞれ使用することができる。また、各種ビタミン、各
種無機塩類、核酸系化合物など微生物の生育に必要な微
量栄養素も必要により使用してもよい。
【0009】前培養に用いる培地のC/N比は、使用す
る糸状菌の種類に応じて任意に設定すればよい。例え
ば、糸状菌としてアスペルギルス属に属する糸状菌を使
用する場合には、培地のC/N比を5〜50、好ましく
は10〜30の範囲に設定することにより、アスペルギ
ルス属に属する糸状菌を効果的に増殖させることができ
る。糸状菌の培養条件は、培養温度は20〜40℃、培
地pHは3〜8、通気量は0.1〜2vvmの各範囲内
より適宜選定することができる。培養方法は、回分式、
連続式のいずれの方式を採用してもかまわない。
る糸状菌の種類に応じて任意に設定すればよい。例え
ば、糸状菌としてアスペルギルス属に属する糸状菌を使
用する場合には、培地のC/N比を5〜50、好ましく
は10〜30の範囲に設定することにより、アスペルギ
ルス属に属する糸状菌を効果的に増殖させることができ
る。糸状菌の培養条件は、培養温度は20〜40℃、培
地pHは3〜8、通気量は0.1〜2vvmの各範囲内
より適宜選定することができる。培養方法は、回分式、
連続式のいずれの方式を採用してもかまわない。
【0010】上記前培養で得られた培養物をそのまま使
用し、または菌体のみを分離して使用してプロテアーゼ
を産生させるための本培養を行う。本発明方法1は、本
培養に用いる液体培地として、炭素と窒素との比(C/
N比)が実質的に同じ比を有するが、濃度の異なる二種
類以上の培地を使用することを特徴の一つとしている。
なお、本明細書において、「実質的に同じ」とは、対象
となる数値が基準となる数値の±5%の範囲内に含まれ
ることを意味する。
用し、または菌体のみを分離して使用してプロテアーゼ
を産生させるための本培養を行う。本発明方法1は、本
培養に用いる液体培地として、炭素と窒素との比(C/
N比)が実質的に同じ比を有するが、濃度の異なる二種
類以上の培地を使用することを特徴の一つとしている。
なお、本明細書において、「実質的に同じ」とは、対象
となる数値が基準となる数値の±5%の範囲内に含まれ
ることを意味する。
【0011】本培養に使用する液体培地中の各種栄養源
は、糸状菌が利用できるものであればいずれのものであ
ってもよい。そのような栄養源を具体的に例示すれば、
炭素源としてはグルコース、可溶性デンプン、サッカロ
ース、デキストリン、グリセリン、醤油油など、窒素源
としてはペプトン、肉エキス、酵母エキス、大豆粉、
糠、大豆分離タンパク質、カゼイン、グルテン、ポリペ
プトン、ソイトンなどをそれぞれ使用することができ
る。また、各種ビタミン、各種無機塩類、核酸系化合物
など微生物の生育に必要な微量栄養素も必要により使用
してもよい。
は、糸状菌が利用できるものであればいずれのものであ
ってもよい。そのような栄養源を具体的に例示すれば、
炭素源としてはグルコース、可溶性デンプン、サッカロ
ース、デキストリン、グリセリン、醤油油など、窒素源
としてはペプトン、肉エキス、酵母エキス、大豆粉、
糠、大豆分離タンパク質、カゼイン、グルテン、ポリペ
プトン、ソイトンなどをそれぞれ使用することができ
る。また、各種ビタミン、各種無機塩類、核酸系化合物
など微生物の生育に必要な微量栄養素も必要により使用
してもよい。
【0012】培地のC/N比は、前培養の時と同様に使
用する糸状菌に応じて適宜設定すればよい。たとえば、
アスペルギルス属に属する糸状菌を用いてプロテアーゼ
を産生させようとする場合には、培地のC/N比を6〜
30、好ましくは12〜20の範囲内に設定する。培地
中の炭素または窒素の濃度も使用する糸状菌に応じて適
宜設定すればよい。たとえば、アスペルギルス属に属す
る糸状菌を用いてプロテアーゼを産生させようとする場
合には、培地中の炭素濃度を0.05〜10%(W/
V)、好ましくは0.1〜5.0%(W/V)の範囲内
に設定する。また、窒素濃度は、炭素濃度が決まれば、
上記C/N比に対応して自動的に設定される。このよう
にして、培地の濃度及びC/N比を上記範囲内から適宜
選定したら、まず最初の培地を常法により調製する。
用する糸状菌に応じて適宜設定すればよい。たとえば、
アスペルギルス属に属する糸状菌を用いてプロテアーゼ
を産生させようとする場合には、培地のC/N比を6〜
30、好ましくは12〜20の範囲内に設定する。培地
中の炭素または窒素の濃度も使用する糸状菌に応じて適
宜設定すればよい。たとえば、アスペルギルス属に属す
る糸状菌を用いてプロテアーゼを産生させようとする場
合には、培地中の炭素濃度を0.05〜10%(W/
V)、好ましくは0.1〜5.0%(W/V)の範囲内
に設定する。また、窒素濃度は、炭素濃度が決まれば、
上記C/N比に対応して自動的に設定される。このよう
にして、培地の濃度及びC/N比を上記範囲内から適宜
選定したら、まず最初の培地を常法により調製する。
【0013】次に、本発明方法1においては、上記の先
に調製した培地とはC/N比が実質的に同じであるが、
濃度の異なる培地をもう一種以上調製する必要がある。
その際、次に調製する培地は、先に調製した培地だけを
用いて連続的に培養した時、培養液中の溶存酸素濃度も
しくはpHが変化(上昇もしくは低下)するが、その変
化を逆の変化(低下もしくは上昇)を導けるような濃度
を有していなければならない。したがって、本培養の前
に予備試験を行い、上記条件を満足する濃度範囲を予め
決めておくことが肝要である。一般に、そのような条件
を満足する濃度範囲は、使用する微生物によっても異な
るが、アスペルギルス属に属する糸状菌を用いた場合に
は、最初に調製した培地の濃度の0.1〜10倍程度で
ある。このような培地は、例えば、栄養源ごとの炭素及
び窒素の各含有量を予め分析しておき、所定のC/N比
および濃度に応じて、各種栄養源を適宜組み合わせるこ
とにより、容易に調製することができる。
に調製した培地とはC/N比が実質的に同じであるが、
濃度の異なる培地をもう一種以上調製する必要がある。
その際、次に調製する培地は、先に調製した培地だけを
用いて連続的に培養した時、培養液中の溶存酸素濃度も
しくはpHが変化(上昇もしくは低下)するが、その変
化を逆の変化(低下もしくは上昇)を導けるような濃度
を有していなければならない。したがって、本培養の前
に予備試験を行い、上記条件を満足する濃度範囲を予め
決めておくことが肝要である。一般に、そのような条件
を満足する濃度範囲は、使用する微生物によっても異な
るが、アスペルギルス属に属する糸状菌を用いた場合に
は、最初に調製した培地の濃度の0.1〜10倍程度で
ある。このような培地は、例えば、栄養源ごとの炭素及
び窒素の各含有量を予め分析しておき、所定のC/N比
および濃度に応じて、各種栄養源を適宜組み合わせるこ
とにより、容易に調製することができる。
【0014】本発明方法1のもう一つの特徴は、上記の
二種以上の培地を切り換えながら連続的に使用し、培養
中の溶存酸素濃度もしくはpHを一定に保持しながら培
養することにある。すなわち、培養液中の溶存酸素濃度
もしくはpHをモニターしながら、培養液中の溶存酸素
濃度もしくはpHが所定の値より高くなった時には先に
使用した倍地よりも濃度の高い培地に切り換え、逆に所
定の値より低くなった時には切り換え前の培地を供給し
て培養を行うことにより、培養中の溶存酸素濃度もしく
はpHを一定に保持することができる。また、上記の場
合とは逆に、培養液中の溶存酸素濃度もしくはpHが所
定の値より低くなった時には先に使用した培地よりも濃
度の低い培地に切り換え、逆に所定の値より高くなった
時には切り換え前の培地を供給して培養すればよい。
二種以上の培地を切り換えながら連続的に使用し、培養
中の溶存酸素濃度もしくはpHを一定に保持しながら培
養することにある。すなわち、培養液中の溶存酸素濃度
もしくはpHをモニターしながら、培養液中の溶存酸素
濃度もしくはpHが所定の値より高くなった時には先に
使用した倍地よりも濃度の高い培地に切り換え、逆に所
定の値より低くなった時には切り換え前の培地を供給し
て培養を行うことにより、培養中の溶存酸素濃度もしく
はpHを一定に保持することができる。また、上記の場
合とは逆に、培養液中の溶存酸素濃度もしくはpHが所
定の値より低くなった時には先に使用した培地よりも濃
度の低い培地に切り換え、逆に所定の値より高くなった
時には切り換え前の培地を供給して培養すればよい。
【0015】培養中のその他の条件は、糸状菌を用いて
プロテアーゼを産生させる時に採用される通常の条件を
適宜選択して用いればよい。たとえば、溶存酸素濃度と
しては、0ppm以上、好ましくは4〜6ppmに調節
する。また、pHは3〜8、好ましくは5〜7に調節す
る。
プロテアーゼを産生させる時に採用される通常の条件を
適宜選択して用いればよい。たとえば、溶存酸素濃度と
しては、0ppm以上、好ましくは4〜6ppmに調節
する。また、pHは3〜8、好ましくは5〜7に調節す
る。
【0016】次に、本発明方法2は、上記の本発明方法
1をさらに改良したものであって、本発明方法1におけ
る培地以外にさらに炭素源または窒素源から選ばれた一
種類以上の栄養源を併用し、培養中の溶存酸素濃度およ
びpHを一定に保持しながら培養することを特徴とする
ものである。培養に使用する栄養源としては、上記の培
地を調製する際に使用するものと同一のものを例示する
ことができる。培養方法は、本発明方法1を実施しなが
ら、溶存酸素濃度またはpHが所定の値より変動した場
合、栄養源を添加して溶存酸素濃度とpHの両方を所定
の値に維持しながら培養すればよい。なお、本発明方法
2におけるその他の方法条件は、本発明方法1と同じで
ある。
1をさらに改良したものであって、本発明方法1におけ
る培地以外にさらに炭素源または窒素源から選ばれた一
種類以上の栄養源を併用し、培養中の溶存酸素濃度およ
びpHを一定に保持しながら培養することを特徴とする
ものである。培養に使用する栄養源としては、上記の培
地を調製する際に使用するものと同一のものを例示する
ことができる。培養方法は、本発明方法1を実施しなが
ら、溶存酸素濃度またはpHが所定の値より変動した場
合、栄養源を添加して溶存酸素濃度とpHの両方を所定
の値に維持しながら培養すればよい。なお、本発明方法
2におけるその他の方法条件は、本発明方法1と同じで
ある。
【0017】上記のようにして得られた培養終了液より
プロテアーゼを回収する手段としては、例えば、常法に
より培養液を濾過して菌体を分離し、さらに必要により
透析、塩析、イオン交換樹脂、ゲル濾過などのより精製
する方法などがあげられる。
プロテアーゼを回収する手段としては、例えば、常法に
より培養液を濾過して菌体を分離し、さらに必要により
透析、塩析、イオン交換樹脂、ゲル濾過などのより精製
する方法などがあげられる。
【0018】
【発明の効果】本発明は、簡便な方法により溶存酸素濃
度及び/またはpHを一定の値に保持しながら糸状菌を
培養する方法であり、プロテアーゼを効率よく、長期間
(例えば、60日間以上)に渡って安定的に産生させる
ことができ、産業上極めて有意義である。
度及び/またはpHを一定の値に保持しながら糸状菌を
培養する方法であり、プロテアーゼを効率よく、長期間
(例えば、60日間以上)に渡って安定的に産生させる
ことができ、産業上極めて有意義である。
【0019】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明
する。 実施例1 (1)前培養 5%(W/V)可溶性デンプン、1%(W/V)ソイト
ン、0.03%(W/V)酵母エキス、0.5%(W/
V)リン酸1カリウム、5.0%(W/V)食塩を含有
する液体培地(pH6.3)3リットル(L)を3種の
ジャーファーメンターに投入し、常圧で加熱殺菌したの
ち該培地にアスペルギルス・オリーゼIFO4348の
胞子懸濁液を接種(胞子数1×106個/ml)し、通
気量1vvm、攪拌数400rpm、培養温度30℃で
培養を行った。培養開始後48時間経過時以降次のよう
にして3種の連続培養を行った。
する。 実施例1 (1)前培養 5%(W/V)可溶性デンプン、1%(W/V)ソイト
ン、0.03%(W/V)酵母エキス、0.5%(W/
V)リン酸1カリウム、5.0%(W/V)食塩を含有
する液体培地(pH6.3)3リットル(L)を3種の
ジャーファーメンターに投入し、常圧で加熱殺菌したの
ち該培地にアスペルギルス・オリーゼIFO4348の
胞子懸濁液を接種(胞子数1×106個/ml)し、通
気量1vvm、攪拌数400rpm、培養温度30℃で
培養を行った。培養開始後48時間経過時以降次のよう
にして3種の連続培養を行った。
【0020】(2)本培養 試験−1(本発明方法1) 上記した前培養液に以下の2種の液体培地−1または−
2を希釈率0.015hr-1でジャーファーメンターの
供給口より連続的に供給し、培養液量が3Lとなるよう
に保持しつつ攪拌回転数400rpm、通気量1vvm
で連続培養を行った。なお、溶存酸素濃度5ppm以下
の時は、液体培地−1が供給され、溶存酸素濃度5pp
m以上のときには、液体培地−2が供給されるようにし
た。この手段により、溶存酸素濃度は5±0.1ppm
の範囲で制御できた。
2を希釈率0.015hr-1でジャーファーメンターの
供給口より連続的に供給し、培養液量が3Lとなるよう
に保持しつつ攪拌回転数400rpm、通気量1vvm
で連続培養を行った。なお、溶存酸素濃度5ppm以下
の時は、液体培地−1が供給され、溶存酸素濃度5pp
m以上のときには、液体培地−2が供給されるようにし
た。この手段により、溶存酸素濃度は5±0.1ppm
の範囲で制御できた。
【0021】液体培地−1:1.25%可溶性デンプ
ン、0.6%ソイトン、0.03%酵母エキス、0.5
%リン酸一カリウム、5.0%食塩、pH6.3 液体培地−2:3.5%可溶性デンプン、1.8%ソイ
トン、0.03%酵母エキス、0.5%リン酸一カリウ
ム、5.0%食塩、pH6.3 培地調製に用いた各種栄養源の元素分析値を表1に示
す。なお、液体培地−1および−2のC/N比はいずれ
も14.8である。
ン、0.6%ソイトン、0.03%酵母エキス、0.5
%リン酸一カリウム、5.0%食塩、pH6.3 液体培地−2:3.5%可溶性デンプン、1.8%ソイ
トン、0.03%酵母エキス、0.5%リン酸一カリウ
ム、5.0%食塩、pH6.3 培地調製に用いた各種栄養源の元素分析値を表1に示
す。なお、液体培地−1および−2のC/N比はいずれ
も14.8である。
【0022】
【表1】
【0023】試験−2(本発明方法1) 上記した前培養液に以下の2種の液体培地−3または−
4を希釈率0.015hr-1でジャーファーメンターの
供給口より連続的に供給し、培養液量が3Lとなるよう
に保持しつつ、攪拌回転数400rpm、通気量1vv
mで連続培養を行った。なお、pH6.3以下の時は液
体培地−3が供給され、pH6.3以上の時には液体培
地−4が供給されるようにした。この手段により、pH
は6.3±0.1の範囲で制御できた。
4を希釈率0.015hr-1でジャーファーメンターの
供給口より連続的に供給し、培養液量が3Lとなるよう
に保持しつつ、攪拌回転数400rpm、通気量1vv
mで連続培養を行った。なお、pH6.3以下の時は液
体培地−3が供給され、pH6.3以上の時には液体培
地−4が供給されるようにした。この手段により、pH
は6.3±0.1の範囲で制御できた。
【0024】液体培地−3:1.25%可溶性デンプ
ン、0.6%ソイトン、0.03%酵母エキス、0.5
%リン酸一カリウム、5.0%食塩、pH6.3 液体培地−4:3.5%可溶性デンプン、1.8%ソイ
トン、0.03%酵母エキス、0.5%リン酸一カリウ
ム、5.0%食塩、pH6.3 なお、液体培地−3および−4のC/N比はいずれも1
4.8である。
ン、0.6%ソイトン、0.03%酵母エキス、0.5
%リン酸一カリウム、5.0%食塩、pH6.3 液体培地−4:3.5%可溶性デンプン、1.8%ソイ
トン、0.03%酵母エキス、0.5%リン酸一カリウ
ム、5.0%食塩、pH6.3 なお、液体培地−3および−4のC/N比はいずれも1
4.8である。
【0025】試験−3(対照) 前培養液に液体培地−5を希釈率0.015hr-1の割
合でジャーファーメンターの培養液が3Lとなるように
保持しつつ、溶存酸素濃度5ppmとなるように攪拌回
転数を変化させ、水酸化ナトリウムまたは塩酸によりp
Hを6.3に調節し、通気量1vvmで連続培養を行っ
た。 液体培地−5:3.5%可溶性デンプン、1.8%ソイ
トン、0.03%酵母エキス、0.5%リン酸一カリウ
ム、5.0%食塩、pH6.3
合でジャーファーメンターの培養液が3Lとなるように
保持しつつ、溶存酸素濃度5ppmとなるように攪拌回
転数を変化させ、水酸化ナトリウムまたは塩酸によりp
Hを6.3に調節し、通気量1vvmで連続培養を行っ
た。 液体培地−5:3.5%可溶性デンプン、1.8%ソイ
トン、0.03%酵母エキス、0.5%リン酸一カリウ
ム、5.0%食塩、pH6.3
【0026】上記した3種の連続培養液について経時的
な糸状菌菌体量、プロテアーゼ活性値を表2に示す。な
お、プロテアーゼ活性値の測定はアンソン萩原変法によ
り測定し、1分間に1μgのチロシン様物質を遊離する
酵素量を1ユニット(u)とした。表2から明らかなよ
うに、本発明方法は従来法に比べてプロテアーゼを長期
間に渡り安定して生産できることが明らかになった。
な糸状菌菌体量、プロテアーゼ活性値を表2に示す。な
お、プロテアーゼ活性値の測定はアンソン萩原変法によ
り測定し、1分間に1μgのチロシン様物質を遊離する
酵素量を1ユニット(u)とした。表2から明らかなよ
うに、本発明方法は従来法に比べてプロテアーゼを長期
間に渡り安定して生産できることが明らかになった。
【0027】
【表2】
【0028】実施例2(本発明方法2) 実施例1の試験ー1の方法において、さらに炭素源とし
て醤油油を併用して溶存酸素濃度を5±0.1ppmの
範囲で、pHを6.3±0.1の範囲で制御して、糸状
菌の連続培養を行った。その結果、上記表2に併記した
ように、プロテアーゼ生産量が実施例1の試験ー1の時
よりも2〜3割ほど増加し、しかも試験ー1と同様に長
期間に渡って安定してプロテアーゼを製造できることが
明きらかとなった。
て醤油油を併用して溶存酸素濃度を5±0.1ppmの
範囲で、pHを6.3±0.1の範囲で制御して、糸状
菌の連続培養を行った。その結果、上記表2に併記した
ように、プロテアーゼ生産量が実施例1の試験ー1の時
よりも2〜3割ほど増加し、しかも試験ー1と同様に長
期間に渡って安定してプロテアーゼを製造できることが
明きらかとなった。
Claims (2)
- 【請求項1】 プロテアーゼ生産能を有する糸状菌を液
体培地に接種し、連続的に糸状菌を培養する方法におい
て、液体培地として炭素と窒素との比(C/N比)が実
質的に同じ比を有し、濃度の異なる二種以上の培地を使
用し、培養中の溶存酸素濃度もしくはpHを一定に保持
しながら培養することを特徴とする、糸状菌の連続液体
培養法。 - 【請求項2】 プロテアーゼ生産能を有する糸状菌を液
体培地に接種し、連続的に糸状菌を培養する方法におい
て、液体培地として炭素と窒素との比(C/N比)が実
質的に同じ比を有し、濃度の異なる二種以上の培地、お
よび炭素源または窒素源から選ばれた一種類以上の栄養
源を併用し、培養中の溶存酸素濃度およびpHを一定に
保持しながら培養することを特徴とする、糸状菌の連続
液体培養法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20008393A JPH0731468A (ja) | 1993-07-19 | 1993-07-19 | 糸状菌の連続液体培養法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20008393A JPH0731468A (ja) | 1993-07-19 | 1993-07-19 | 糸状菌の連続液体培養法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0731468A true JPH0731468A (ja) | 1995-02-03 |
Family
ID=16418575
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20008393A Pending JPH0731468A (ja) | 1993-07-19 | 1993-07-19 | 糸状菌の連続液体培養法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0731468A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20200026783A (ko) * | 2018-08-28 | 2020-03-11 | 장쑤 구오신 유니온 에너지 컴퍼니 리미티드 | 아스페르길루스 니제르 종자의 연속 배양 및 그 구연산 생산 방법 |
-
1993
- 1993-07-19 JP JP20008393A patent/JPH0731468A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20200026783A (ko) * | 2018-08-28 | 2020-03-11 | 장쑤 구오신 유니온 에너지 컴퍼니 리미티드 | 아스페르길루스 니제르 종자의 연속 배양 및 그 구연산 생산 방법 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP2014087365A (ja) | 化学的に明確な培地を用いた工業的規模での有用化合物の発酵生産 | |
| Wang et al. | Acid protease production by fungi used in soybean food fermentation | |
| US4062732A (en) | Process of producing acid stable protease | |
| Nakamatsu et al. | Microbial production of glucose oxidase | |
| EP0104554B1 (en) | Preparation of an alkaline protease from flavobacterium arborescens | |
| EP0219673B1 (en) | Method of preparing novel thermostable transglucosidase | |
| US3682778A (en) | Production of microbial cell-lytic enzymes | |
| FI86557B (fi) | Foerfarande foer framstaellning av alfaamylas medelst en mikroorganism av arten bacillus subtilis. | |
| JPH0731468A (ja) | 糸状菌の連続液体培養法 | |
| Canevascini | Cellobiose dehydrogenase from Sporotrichum thermophile | |
| US20080050779A1 (en) | Fermentation Process Using Faba Beans as Nitrogen Source | |
| JP2521706B2 (ja) | プロテア−ゼの製造方法 | |
| US3855064A (en) | Preparation of a proteolytic enzyme | |
| Leonhartsberger et al. | Use of collagen hydrolysate as a complex nitrogen source for the synthesis of penicillin by Penicillium chrysogenum | |
| JPS58152481A (ja) | 新規なホスホリパ−ゼd−pおよびその製造法 | |
| US3783102A (en) | Production of l-asparaginase | |
| US3692631A (en) | Method for bacterial proteinase | |
| SU958498A1 (ru) | Способ получени @ -маннаназы | |
| US4879235A (en) | Process for producing protease by cultivating a protease-producing mold in a liquid medium | |
| JPH04365473A (ja) | クリプトコッカス・ラウレンティdsm2762 | |
| KR790000956B1 (ko) | 바씰로 펲티다제c의 제조방법 | |
| KR0162725B1 (ko) | 스트렙토키나제 및 스트렙토도르나제의 동시 제조방법 | |
| US3661714A (en) | Process for producing zearalenone | |
| JP3679474B2 (ja) | 糸状菌の培養方法 | |
| JPS63219376A (ja) | プロテア−ゼの製造法 |