JPH07314694A - インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置

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JPH07314694A
JPH07314694A JP11148194A JP11148194A JPH07314694A JP H07314694 A JPH07314694 A JP H07314694A JP 11148194 A JP11148194 A JP 11148194A JP 11148194 A JP11148194 A JP 11148194A JP H07314694 A JPH07314694 A JP H07314694A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクを介してキャップゴムとフッ素系高分
子共析メッキ皮膜との密着面で発生するメッキの腐食を
抑え、長期にわたり信頼性のある撥水処理を有するイン
クジェット記録ヘッドを実現し、記録画像の品質の高い
インクジェットヘッドを提供することを目的とする。 【構成】 インクを吐出して記録媒体上に記録を行うイ
ンクジェット記録ヘッドのノズルプレート1表面におい
て、該ノズルプレート1表面にはフッ素系高分子共析メ
ッキが被覆されており、キャップゴムが前記ノズルプレ
ート1面と当接する部分及びそれに連なる部分にフッ素
系高分子共析メッキ未処理部13を形成することを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インク滴を飛翔させて
記録媒体上に画像を形成するインクジェット記録ヘッド
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置において、イン
クノズル周縁部に不均一なインクの溜りがあると、吐出
するインク滴が正規の飛翔方向から離脱したり、さらに
は上記インク溜りによりインク滴形成時のメニスカスの
安定性が低下して吐出異常になり良好な記録が行えなく
なる。さらに印字品質を向上するために、単位当りのイ
ンクノズル数を多くしてドット密度を高める場合、これ
に応じてインク滴、インクノズルは小さくなり、インク
ノズル間距離は狭くなる。したがって、インクノズル周
縁部における不均一なインクの溜りの影響はより受けや
すい。また、高速印字を実現するために、高周波数で駆
動する場合も同様に上記影響を受けやすい。
【0003】そのため、インクノズルの周縁部にインク
を弾く撥水性を有した表面処理を施して上述の問題を解
決し、安定したインク滴の吐出を得ようとする提案が数
多く報告されている。特開平5−116327号公報
に、ステンレス製ノズルプレートにニッケル金属イオン
とフッ素系高分子の粒子を分散させた電解液の中に浸漬
し、ついで該フッ素系高分子の融点以上の温度で加熱し
て、前記ノズルプレートの該当する部位にフッ素系高分
子共析メッキの撥水性の皮膜を設けて濡れが生じるのを
抑えるようにした技術が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ノズル
でのインク目詰まりによる吐出不良を防いだり、吐出不
能時に回復させる手段としてキャップを用いることが一
般に行われており、キャップの材質及びインクの種類に
よっては、前記共析メッキの皮膜がキャップゴムとの当
接部分で腐食し、それが進行してノズル近傍まで達し撥
水性を損なうことがある。
【0005】腐食は共析メッキの孔食という形態で発生
するが、水溶液中で保護皮膜をもち、環境中に十分の濃
度のハロゲンイオン(実際上、塩化物イオン)が存在す
ると、局部的な皮膜貫通がおこりうる状態となる。しか
も、このとき金属の電極電位が孔食電位より貴である
と、皮膜貫通部分は食孔として成長を続けるようにな
る。
【0006】実際に、塩素元素を含むゴムの材質はその
傾向が著しく、ブチル、塩素化ブチルゴムが相当する。
反面、ブチルゴムは気密性及び耐薬品性に優れ、インク
ジェット記録装置に広く使用されている。インク中にも
塩化物イオンは十分含まれているが、キャップとの繰り
返しの密着動作のほうが支配的であった。
【0007】また、ノズル部を保護する目的でノズル面
を凹部に形成するためにノズルプレート表面に10〜2
0μ厚の金属メッキを形成した後、前記共析メッキを被
覆した場合では、下地のメッキまで腐食が進行して、キ
ャップのシール性が確保できないという事態にもなる。
【0008】本発明はこのような課題に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、長期において信頼性
のあるノズルプレートを有するインクジェット記録ヘッ
ドを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような問題を解消す
るために本発明のインクジェット記録ヘッドは、ノズル
プレート表面にフッ素系高分子共析メッキが被覆されて
いるインクジェット記録ヘッドにおいて、キャップゴム
が前記ノズルプレート面と当接する部分にフッ素系共析
メッキ未処理部を形成する構成としたことを特徴とす
る。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
詳細に説明する。
【0011】図1は、本発明の第1実施例であるインク
ジェト記録装置におけるノズルプレートの構造の平面図
を示す。また図2はそのノズルプレートの製造工程を示
したものである。
【0012】はじめに、図2によりこのノズルプレート
の製造方法について説明する。図において符号1で示し
たノズルプレート1はステンレス鋼で形成されていて、
裏面2側に大きく開口した漏斗状部分3と、表面4側に
狭く開口したオリフィス部分5とからなる複数のノズル
孔6が設けられている。
【0013】ノズルプレート1の表裏両面にドライフィ
ルムレジスト7a、7bをラミネートする。そしてつぎ
に、この上をマスク部材8a、8bで覆って、ノズルプ
レート1の裏面2の漏斗状部分3とその周囲部分9以外
の部分及びノズルプレート1表面4の共析メッキ未処理
部を露光し、現像除去することで共析メッキ未処理部の
マスキング層10a、10bが形成される。
【0014】このようにしてマスキング層10a、10
bが形成されたノズルプレート1は、一旦酸で洗浄した
の上、ニッケルイオンとポリテトラフルオエチレン等の
撥水性高分子樹脂を電荷により分散させた電解液中に浸
漬し、ついで、電解液を攪拌しながらその表面に共析メ
ッキ11を施す。
【0015】この共析メッキ処理に使用されるフッ素系
高分子としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリパ
ーフルオロアルコキシブタジエン、ポリフルオロビニリ
デン、ポリフルオロビニル、ポリジパーフルオロアルキ
ルフマレートを単独及び混合したものが用いられる。
【0016】これにより、ポリテトラフルオロエチレン
の粒子は、ニッケルイオンを媒介としてマスキング層1
0a、10bで被覆されていないノズルプレート1の表
裏面とノズル孔6の内面に均一の層となって付着する。
共析メッキの方法としては、インクジェット記録用イン
ク中にはLi+、Na+、K+、Ca2+、Cl-、S
4 2 -、SO3 2-、NO3 -、NO2 -等のイオンが不純物と
して混入しているため、これらのイオン種の影響を受け
にくくかつ耐久性の高い電解法が適している。
【0017】つぎに、マスキング層10a、10bを剥
離液にて溶融除去する。つぎに、ノズルプレート1に荷
重を加えて反りの発生を抑えながら、これをポリテトラ
フルオロエチレンの融点以上の温度、例えば、350℃
以上の温度で加熱する。この時の荷重は、0.98N/cm
2以上、好ましくは、4.9N/cm2の圧力をかけるとよ
い。
【0018】これにより、ポリテトラフルオロエチレン
の粒子は、マスキング層10a、10bで被覆されてい
ないノズルプレート1の表裏面とノズル孔6の内面に融
着し、そこに平滑でしかも硬度の大なる撥インク性のメ
ッキ皮膜12を形成する。
【0019】フッ素系高分子共析メッキ層は、膜厚が薄
すぎるとインク吐出口を有する面の撥インク性が不十分
となり、厚すぎるとインク吐出口の径の精度へ影響がで
るから、メッキ層の膜厚は1〜10μmの範囲に抑える
ように制御する。また、メッキ層中のフッ素系高分子の
共析量は、メッキ層中10〜50vol%になるようにす
ることが好ましい。
【0020】さらにノズルプレート1の裏面2に図示し
ないインク流路の形成された基体を接合することによ
り、インクジェット記録ヘッドの形成される。
【0021】このように、ノズルプレート1の表面4と
ノズル孔6の内面に形成された共析メッキ皮膜12は撥
インク性が高いために、インクがノズル孔周縁部に不均
一なインク溜りとなって残ることはない。したがって、
吐出するインク滴が正規の飛翔方向から離脱したり、さ
らには上記インク溜りによりインク滴形成時のメニスカ
スの安定性が低下することもないため、安定して、高周
波数での記録書き込みを可能にする。
【0022】ノズルプレートには図1で示すとおり、キ
ャップゴムが当接する部位には共析メッキ未処理部13
が形成されていて、安定したステンレス鋼面のためイン
ク介在下でのキャップゴムとの繰り返しの密着動作によ
って腐食が発生することはない。したがって、キャップ
ゴムとの密着性が損なわれることはなく、信頼性の高い
シール性を確保できる。また、キャップゴムとの密着部
に発生した腐食がトリガーとなってノズル近傍の撥水を
低下させることもないため、長期にわたって高い撥イン
ク性を維持することが可能となる。
【0023】図3は本発明の第2の実施例を示すもので
ある。ノズルプレートの製造方法は第1の実施例と同様
であり、図中のノズルプレート1表面の共析メッキ皮膜
12及び未処理部13a、13bのパターンをフォトリ
ソにより形成する。
【0024】複数のノズル孔6を有するノズル列14は
3列あり、カラー色のイエロー、マゼンタ、シアンのイ
ンクを吐出するように割り当てられている。そのノズル
列14間に、共析メッキ未処理部13aがキャップゴム
が当接する共析メッキ未処理部13bに連なる構成で形
成されている。したがって、第1の実施例と同様、キャ
ップゴムが当接する部位には共析メッキ未処理部13が
形成されていて、安定したステンレス鋼面のためインク
介在下でのキャップゴムとの繰り返しの密着動作によっ
て腐食が発生することはない。したがって、キャップゴ
ムとの密着性が損なわれることはない。
【0025】また、このようなカラーヘッドの場合、ノ
ズルプレート1表面に付着した付着物及び残インクを除
去するために弾性体のクリーニング部材で摺擦すると
き、特に、ノズル列の並び方向へ摺擦するとき、その動
作により残インク及び先行して当たるノズル列のノズル
から引き出したインクが、それ以降のノズル列へ達す
る。ノズル部ではそのインクメニスカスを安定に保持す
るために負圧がかかっており、前記インクはノズル内へ
引っ張られ、インクが混色する。
【0026】本発明の場合、各ノズル列14が独立した
共析メッキ皮膜12域に形成されていて、その間及びそ
の外側には未処理部13a、13bが設けられているた
め、クリーニング部材で運ばれるインクは、未処理部の
もつ親水性により貯留され、それ以降へ持ち越すインク
量が抑えられる。したがってインクの混色が低減され、
その回復手段として行う非印字時のインク吐出動作の吐
出数を低減することができる。
【0027】ここでは、ノズル列が3列のカラーヘッド
の場合について説明したが、ブラックインクも含めた4
列の4色カラーヘッドの構成の場合でも同様の効果が得
られる。
【0028】図4は本発明の他の実施例を示すものであ
る。
【0029】ノズルプレート1のノズル孔6形成面は他
の部分に比べ凹部15であり、ノズル孔6を中心とした
同心円形状及び、1つのノズル列全体を含む長穴となっ
ている。キャップゴムが当接する部位もノズル形成面と
同一面上にある。そして、キャップゴムが当接する部位
は共析メッキ未処理部13bが形成されており、それ以
外の部位は前述の実施例と同様に共析メッキ皮膜12が
施されている。ノズル孔6形成面及びキャップゴムが当
接する部位の凹部は通常のニッケルメッキにより形成さ
れており、印字媒体等との接触によるノズルの保護及び
その周囲の撥水性確保の目的から5〜15μmの段差が
必要である。
【0030】ノズルプレート1の製造方法は共析メッキ
を被覆する前に、フォトリソにより凹部パターンを形成
する。さらに前述と同様の方法で共析メッキ及び未処理
部を形成する。本実施例でも第1の実施例と同様、キャ
ップゴムが当接する部位には共析メッキ未処理部13が
形成されていて、安定したステンレス鋼面のためインク
介在下でのキャップゴムとの繰り返しの密着動作によっ
て腐食が発生することはない。
【0031】本発明では、共析メッキ未処理部13bを
積極的に凹部に設けることにより、第2の実施例で述べ
た、クリーニング部材で運ばれるインクを、未処理部の
もつ親水性により貯留する機能がアップし、それ以降へ
持ち越すインク量がさらに抑えられる。また、その段差
部にクリーニング部材が押しつけられることにより、そ
れ自体も清浄化される。したがってインクの混色をより
低減することができる。カラーインクジェットヘッドで
は、インクを紙へ積極的に浸透させて速乾性を得ている
が、この種のインクは濡れ性が高く特に効果的である。
ノズル形成面の凹部には撥水処理が施されているため、
クリーニング部材により多量のインクを拭き残すことは
ない。
【0032】図5は本発明の他の実施例を示すものであ
る。ノズルプレートの製造方法は第1の実施例と同様で
あり、図中のノズルプレート1表面の共析メッキ皮膜1
2及び未処理部13b、13cのパターンをフォトリソ
により形成する。本実施例でも第1の実施例と同様、キ
ャップゴムが当接する部位には共析メッキ未処理部13
が形成されていて、安定したステンレス鋼面のためイン
ク介在下でのキャップゴムとの繰り返しの密着動作によ
って腐食が発生することはない。
【0033】本発明では、図で示すとおり、共析メッキ
未処理部に局部的に面積の広い部分13cが形成されて
いて、キャップ16内に設けられた多孔質部材17が前
記未処理部13cに当接する構成となっている。インク
流路内へのインク充填のために、キャップ16内をバル
ブ18及びポンプ19の作用により負圧にしてノズル孔
よりインクを吸引する復帰動作の際に、親水性の共析メ
ッキ未処理部13cに優先的に残存したインクを多孔質
部材17を介して、積極的に吸収除去する。本実施例で
は濡れ性の高いインクを用いる場合に、とくに効果的で
ある。
【0034】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、キャ
ップゴム部材が当接する部位には共析メッキ未処理部が
形成されているため、インク介在下でのキャップゴムと
の繰り返しの密着動作によって腐食が発生することはな
い。したがって、キャップゴムとの密着性が損なわれる
ことはなく、信頼性の高いシール性を確保できる。ま
た、キャップゴムとの密着部に発生した腐食がトリガー
となってノズル近傍の撥水を低下させることもないた
め、長期にわたって高い撥インク性を維持することが可
能となる。
【0035】また、共析メッキ未処理部は他の部分に比
べて親水性があるため、キャップゴムとの接触において
インクが介在した状態となり、密着性が高い。このため
にシール性に優れるという効果が得られる。
【0036】さらに、共析メッキ未処理部ではステンレ
ス鋼が露出している。共析メッキ面ではそのメッキ層中
にフッ素系高分子を10〜50vol%含有しているた
め、ステンレス鋼面に比べてやや硬度が劣る。キャップ
ゴム当接部を共析メッキ未処理部としたため、印字動作
中の紙擦り等のトラブルに伴う外傷のダメージもなく、
キャッピング時のシール性の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるインクジェット記録ヘッドのノ
ズルプレートを示した平面図である。
【図2】(a)乃至(g)は、ノズルプレートに撥水性
皮膜を形成する各工程を示した図である。
【図3】本発明の第2の実施例におけるンクジェット記
録ヘッドのノズルプレートを示した平面図である。
【図4】本発明の第3の実施例におけるンクジェット記
録ヘッドのノズルプレートを示した断面図である。
【図5】(a)は本発明の第4の実施例におけるンクジ
ェット記録ヘッドのノズルプレートを示した平面図、
(b)はキャップとの構成を示した断面図である。
【符号の説明】
1 ノズルプレート 2 裏面 3 漏斗状部分 4 表面 5 オリフィス部分 6 ノズル孔 7a、7b ドライフィルムレジスト 8a、8b マスク部材 9 漏斗状部周囲 10a、10b マスキング層 11 共析メッキ 12 共析メッキ皮膜 13、13b、13c 共析メッキ未処理部 14 ノズル列 15 凹部 16 キャップ 17 多孔質部材 18 バルブ 19 ポンプ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク吐出のためのノズル開口が穿設さ
    れ、表面にフッ素系高分子共析メッキが被覆されたノズ
    ルプレートを有するインクジェット記録ヘッドであっ
    て、 前記ノズルプレート表面のキャップゴムが当接する部分
    にフッ素系共析メッキ未処理部を形成したことを特徴と
    するインクジェット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 複数のノズル開口よりなるノズル列を複
    数列有するノズルプレートを備えたインクジェット記録
    ヘッドにおいて、 前記ノズルプレート表面は、フッ素系高分子共析メッキ
    が被覆され、前記ノズル列間に所定の幅で帯状の共析メ
    ッキ未処理部がキャップゴムと当接する共析メッキ未処
    理部に連なる構成で形成されていることを特徴とするイ
    ンクジェット記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記共析メッキ未処理部の一部およびす
    べてがノズルプレート表面に対し凹状に形成されている
    ことを特徴とする請求項1もしくは請求項2に記載のイ
    ンクジェット記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 インク吐出のためのノズル開口が穿設さ
    れたノズルプレートを有するインクジェット記録ヘッド
    と、この記録ヘッドの前記ノズル開口部を覆うように選
    択的に密着可能なキャップ部材とを有するインクジェッ
    ト記録装置であって、 前記記録ヘッドのノズルプレート表面は、フッ素系高分
    子共析メッキ及び共析メッキ未処理部が形成されてお
    り、非印字時に前記共析メッキ未処理部の一部に当接す
    る多孔質部材を前記キャップ部材内に設けたことを特徴
    とするインクジェット記録装置。
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