JPH07318657A - 透過型x線ビームモニター方法およびモニター装置 - Google Patents

透過型x線ビームモニター方法およびモニター装置

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JPH07318657A
JPH07318657A JP11495094A JP11495094A JPH07318657A JP H07318657 A JPH07318657 A JP H07318657A JP 11495094 A JP11495094 A JP 11495094A JP 11495094 A JP11495094 A JP 11495094A JP H07318657 A JPH07318657 A JP H07318657A
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宏之 大柳
Kokichi Haga
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 X線ビームのモニターと利用が同時にでき、
また、ビームの断面形状にも影響を及ぼすことなく、小
径のビームもモニターすることができる透過型X線ビー
ムモニター装置を提供する。 【構成】 モニター板2は、X線ビーム1の入射方向か
らみて、左側の表側に光電膜4が、右側の裏側に光電膜
5が設けられている。それぞれの光電膜4,5を見込む
2次電子増倍管6a,6bが表側,裏側に配置されてい
る。X線ビーム1が透過するモニター板2の表面あるい
は裏面から放出された微弱な電子電流は、2次電子増倍
管6a,6bに入射され、増幅された出力電流は、エレ
クトロメータ8a,8bで測定される。測定された電流
値の合計値からビームの強度を、また、電流値の差か
ら、ビームの左右への変位を測定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シンクロトロン放射光
などのX線ビームの位置や形状や強度を測定する透過型
のX線ビームモニター方法およびモニター装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】X線ビームの位置をモニターする従来技
術としては、例えば、「放射光」第2巻第4号(198
9年11月)第43〜49頁に示されているように、次
のようなものがある。 蛍光板モニター X線ビームの端に蛍光板を挿入し、光っている部分を鉛
ガラス越しにTVカメラで観察したり、画像処理を行な
ったりする。 分割型電離箱モニター 電離箱の陰極側が対角線に沿って三角形に2分割されて
おり、X線が電極間を通過するときに出るイオン電流を
上下の分割陰極間で独立に測定する。増幅および電圧変
換後、電極間の差をとり、ビーム位置として検出する。 スリット型モニター X線ビームがスリットの上下(あるいは左右)の2枚の
刃に当たったときに放出される光電子を電流値として測
定する。ビームの大きさ等を変更するためにスリット幅
を変えると継続的な測定が困難になる。 2分割光電子型モニター 真空チャンバー中に1対の直角三角形の読み出し電極を
設置し、ビーム端を2〜3mm切って、電流を計測す
る。
【0003】また、X線ビームの形状をモニターできる
従来装置としては、蛍光板を用いる方法や、「応用物
理」第62巻第7号(1993年)第720〜721頁
に示されているようなX線カメラがある。
【0004】さらに、超高真空中で利用できるX線ビー
ムの強度モニターとしては、”X−ray Absor
ption”第476〜477頁に示されているよう
に、金属メッシュや金属箔からの光電流を計測する方法
などが知られている。
【0005】このような従来の装置や方法は、X線ビー
ムの全部あるいは一部を切りとって測定していたり、電
離箱モニターのようにガスを使っているものである。
【0006】X線ビームの全部を測定に使う場合には、
ビームの利用とモニターを同時に行なうことはできな
い。また、2枚の対向した電極を用いて、X線ビームの
一部を切りとって測定する場合には、径の小さなビーム
の測定が困難であるという問題がある。
【0007】電離箱モニターの場合には、真空中に置か
れた試料の直前や直後での測定ができないといった問題
もあった。さらに、金属メッシュや金属箔からの光電流
の計測では、ビームの位置や形状の測定ができなかっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、X線ビームのモニターと利
用が同時にでき、また、ビームの断面形状にも影響を及
ぼすことなく、小径のビームもモニターすることができ
る透過型X線ビームモニター方法およびモニター装置を
提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、透過型X線ビ
ームモニター方法において、X線透過性の基板の表側お
よび裏側にX線を吸収して電子を放出する光電効果を有
する光電膜を同一でない範囲に設けたモニター板を用
い、該モニター板にX線を入射させ、該モニター板から
放出される電子の電流をモニター板の表裏を区別して測
定することを特徴とするものである。
【0010】また、本発明は、透過型X線ビームモニタ
ー装置において、X線透過性の基板の表側および裏側に
X線を吸収して電子を放出する光電効果を有する光電膜
を同一でない範囲に設けたモニター板と、該モニター板
の表裏から放出される電子の電流を別々に検出する検出
器を有することを特徴とするものである。
【0011】入射されるX線の吸収および散乱がほとん
ど無視できる程度に前記基板および前記光電膜の厚さを
薄くしたこと、前記光電膜の光電効果に伴って発生する
光電子、オージェ電子、2次電子のうちのほとんどが透
過できない程度に前記基板を厚くしたことも特徴とする
ものである。
【0012】また、前記基板としてベリリウム箔,グラ
ファィト薄板,アルミ泊等、軽金属薄板を用いること、
前記基板として、カーボン,アルミ等のコーティングな
どによる表面導電化処理が施された有機物フィルムある
いはダイヤモンド,水晶,サファイヤ,窒化硼素,窒化
アルミ,窒化珪素等の無機物薄板を用いたことも特徴と
するものである。
【0013】また、前記光電膜として銀,金,銅等の金
属膜を用いたことも特徴とするものであり、前記光電膜
の厚さを2nm〜100nmとすること、あるいは、前
記光電膜の厚さを10nm〜50nmとすることができ
る。
【0014】
【作用】モニター板として入射X線ビームが透過できる
ものを用いるため、ビームのモニターを行なうととも
に、ビームの利用が同時にできる。また、モニター板を
用いたことにより、ビームの断面形状も変化しない。さ
らに、ビームを構成するすべてのX線光子がモニター板
に入射するため、どんなに小さな径のビームもモニター
することができる。
【0015】モニター板の表側と裏側の同一でない範囲
に設けた光電膜から放出される電子を表裏を区別して検
出することによって、2種類のビーム強度信号を同時に
得ることができ、信号を演算処理するなどしてビームの
位置や形状の情報に変換することができる。
【0016】光電膜は、基板上にコーティングするなど
によって形成することができ、厚い光電物質を用いる必
要がなく、モニター板による入射X線の吸収および散乱
を必要最小限に抑えることができる。
【0017】物質中の電子の飛程は、X線のそれよりも
ずっと短いため、X線は透過するが、光電効果にともな
って発生する光電子、オージェ電子、2次電子のうちの
ほとんどが透過できないほどモニター板を厚くすること
ができ、モニター板の表側付近で発生した電子と裏側付
近で発生した電子のそれぞれを区別して検出することが
できる。
【0018】基板上の全面ではなく一部に、特定の形状
を持たせて、光電膜をコーティングすることにより、表
面と裏面からの2種類のビーム強度信号に、特定の意味
を持たせることができる。
【0019】ベリリウム箔,グラファィト薄板,アルミ
箔等、軽金属薄板は、一般にX線を良く透過するので基
板の材料として適している。
【0020】有機物フィルム、あるいは、ダイヤモン
ド,水晶,サファイヤ,窒化硼素,窒化アルミ,窒化珪
素等の無機物薄板なども、一般にX線を良く透過するの
で基板に用いることができるが、絶縁体であるので、表
面がむき出しであると、X線照射による電子放出等で帯
電し、光電膜から放出された電子を吸収するなどの妨害
をするため、カーボン,アルミ等のコーティングなどに
よる表面導電化処理を施して、帯電を防止するのがよ
い。
【0021】光電膜としては、光電効果の顕著な物質で
あれば何でもよいわけであるが、銀,金,銅等の金属膜
は、導電性でしかも安定であるため、優れている。しか
し、X線の透過度や光電効果は、X線のエネルギーに依
存するため、基板および光電膜の材料については、測定
しようとするX線のエネルギー範囲によって、適当な物
質を使い分けることが効果的である。
【0022】光電膜の厚さは、薄すぎると放出電子電流
が微弱になって測定が困難になる。また、厚すぎても光
電膜の深いところで発生した電子が光電膜の外まで脱出
できないので無駄であり、そればかりでなく、2次X線
である蛍光X線の発生がバックグラウンドとなり、放出
電子電流測定のS/Nを悪くする。したがって、光電膜
の材料や測定しようとするX線のエネルギー範囲にもよ
るが、光電膜の厚さとしては、2nm〜100nm、好
ましくは、10nm〜50nmが、一般的な目安であ
る。
【0023】
【実施例】図1は、本発明の透過型X線ビームモニター
装置の一実施例の概略構成図である。図中、1はX線ビ
ーム、2はモニター板、3は基板、4,5は光電膜、6
a.6bは2次電子増倍管、7a,7bは電極、8a,
8bはエレクトロメータである。モニター板2は、基板
3の両面に光電膜4,5がコーティングされている。光
電膜4は表側に、光電膜5は裏側に設けられており、こ
の実施例では、X線ビーム1の入射方向を水平方向とす
れば、基板3のほぼ中央の垂直線を境にして、入射方向
からみて、左側の表側に光電膜4が、右側の裏側に光電
膜5が設けられている。それぞれの光電膜4,5を見込
む2次電子増倍管6a,6bが表側,裏側に配置されて
いる。電極7a,7bは、2次電子増倍管6a,6bか
ら真空中に出力される電子を吸収する。エレクトロメー
タ8a,8bは、微小な電流値が測定できるものであ
り、他の測定手段でもよいことはもちろんである。
【0024】X線ビーム1は、モニター板2を表側から
裏側に透過している。入射したX線ビーム1が透過する
モニター板の表面あるいは裏面から放出された微弱な電
子電流は、それぞれの面を見込む表側と裏側の2次電子
増倍管6a,6bに入射される。
【0025】入口に電子補集用のバイアス電圧V1 のか
かった表側と裏側の2次電子増倍管6a,6bは、それ
ぞれ放出電子電流を集め、出口に印加された高電圧V2
による加速と壁面との衝突による2次電子発生を繰り返
して増幅される。増幅された出力電流は、出口の電位V
1 +V2 よりも高電位(V3 >V1 +V2 )に保たれた
電極7a,7bに流れ込み、エレクトロメータ8a,8
bで測定される。
【0026】エレクトロメータ8a,8bによる測定電
流値をIFL,IRRとすると、 I=IFL+IRR なる電流値Iからビームの強度を測定することができ
る。また、下記の演算結果Iより、ビームの左右への変
位を測定することができる。 I=(IFL−IRR)/(IFL+IRR)
【0027】この場合、基板3の厚さを、表側で発生し
た電子が裏側から放出されたり、裏側で発生した電子が
表側から放出されたりすることが無視できるように、電
子の飛程よりも厚くする。それにより、表側と裏側から
放出される電子は、確実に分離して検出することができ
る。
【0028】モニター板2の表側付近で発生した電子と
裏側付近で発生した電子の区別を一層明確にするために
は、ベリリウム箔や有機物フィルム等、X線の吸収や散
乱のほとんどない基板を用いて、その表面と裏面に銀な
どのX線を吸収して電子を放出する光電効果の顕著な物
質を薄くコーティングするとよい。
【0029】上述した実施例では、入射X線ビーム1の
左右方向の位置を検出できるものである。このモニター
板2をその平面内で90度回転させることにより、上下
方向の位置を検出することができる。上述した実施例の
モニター板と、これを90度回転させたモニター板とを
組み合わせることにより、左右方向および上下方向の位
置、すなわち、入射X線ビーム1に直角な平面内での2
次元的な位置を検出することができ、入射X線ビームあ
るいはモニター板を2次元的に振らせることにより、ビ
ームの断面形状を推測することは、十分とはいえない
が、ある程度は可能である。
【0030】図2は、本発明の透過型X線ビームモニタ
ー装置に用いられるモニター板の他の実施例の斜視図で
ある。図中、2はモニター板、3は基板、9,10は光
電膜である。光電膜9は、小径の点状のものであり、基
板3の表側にコーティングされている。光電膜10は、
基板3の裏側の全面にコーティングされている。光電膜
9,10からそれぞれ放出される電子は、上述の実施例
と同様に、別々の検出手段、例えば、2次電子増倍管で
検出される。入射X線ビームあるいはモニター板を入射
方向に垂直な面内で2次元走査して、両光電膜から放出
された電子を検出することにより、ビームの形状測定と
全強度測定を同時に行なうことが可能である。測定する
ビームの大きさにもよるが、光電膜9として、例えば、
直径が1μm程度の大きさのものを用いることにより、
精度よく、ビームプロファイルの検出ができる。
【0031】なお、2次電子増倍管等による検出電流
は、微小電流計を用いることに限られず、パルス計数回
路等、適宜の方法で測定される。測定値をマイクロコン
ピュータにより処理することによって、ビーム強度、ビ
ーム位置、ビーム形状等を、より迅速に検出することが
可能である。
【0032】光電膜の形状は、上述した実施例に限られ
るものではない。その形状や位置関係を適当に選ぶこと
によりX線ビームの強度だけではなく、位置や形状等を
測定することができる。
【0033】なお、超高真空中で測定を行なう場合に
は、ベリリウム箔や銀コーティングなどガス放出のない
材料を選ぶのがよい。
【0034】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、X線ビームモニターが透過型であるため、ビ
ームのモニターとビームの利用を同時に行なうことが可
能であり、また、ビームの断面形状にも影響を与えるこ
ともない。また、どんなに小さな径のビームもモニター
でき、さらに、ビームの吸収による熱負荷も小さいとい
う効果がある。さらに、ビームの強度だけでなく、位置
や形状の測定も可能であり、超高真空中でも使用できる
という利点がある。
【0035】したがって、シンクロトロン放射光用ビー
ムラインのX線ビームモニターとして利用すると効果的
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透過型X線ビームモニター装置の一実
施例の概略構成図である。
【図2】本発明の透過型X線ビームモニター装置に用い
られるモニター板の他の実施例の斜視図である。
【符号の説明】
1…X線ビーム、2…モニター板、3…基板、4,5…
光電膜、6a.6b…2次電子増倍管、7a,7b…電
極、8a,8b…エレクトロメータ、9,10…光電
膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芳賀 孝吉 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線透過性の基板の表側および裏側にX
    線を吸収して電子を放出する光電効果を有する光電膜を
    同一でない範囲に設けたモニター板を用い、該モニター
    板にX線を入射させ、該モニター板から放出される電子
    の電流をモニター板の表裏を区別して測定することを特
    徴とする透過型X線ビームモニター方法。
  2. 【請求項2】 入射されるX線の吸収および散乱がほと
    んど無視できる程度に前記基板および前記光電膜の厚さ
    を薄くしたことを特徴とする請求項1に記載の透過型X
    線ビームモニター方法。
  3. 【請求項3】 前記光電膜の光電効果に伴って発生する
    光電子、オージェ電子、2次電子のうちのほとんどが透
    過できない程度に前記基板を厚くしたことを特徴とする
    請求項1または2に記載の透過型X線ビームモニター方
    法。
  4. 【請求項4】 前記基板としてベリリウム箔,グラファ
    ィト薄板,アルミ泊等、軽金属薄板を用いることを特徴
    とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の透過型
    X線ビームモニター方法。
  5. 【請求項5】 前記基板として、カーボン,アルミ等の
    コーティングなどによる表面導電化処理が施された有機
    物フィルムあるいはダイヤモンド,水晶,サファイヤ,
    窒化硼素,窒化アルミ,窒化珪素等の無機物薄板を用い
    たことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に
    記載の透過型X線ビームモニター方法。
  6. 【請求項6】 前記光電膜として銀,金,銅等の金属膜
    を用いたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか
    1項に記載の透過型X線ビームモニター方法。
  7. 【請求項7】 X線透過性の基板の表側および裏側にX
    線を吸収して電子を放出する光電効果を有する光電膜を
    同一でない範囲に設けたモニター板と、該モニター板の
    表裏から放出される電子の電流を別々に検出する検出器
    を有することを特徴とする透過型X線ビームモニター装
    置。
  8. 【請求項8】 入射されるX線の吸収および散乱がほと
    んど無視できる程度に前記基板および前記光電膜の厚さ
    を薄くしたことを特徴とする請求項7に記載の透過型X
    線ビームモニター装置。
  9. 【請求項9】 前記光電膜の光電効果に伴って発生する
    光電子、オージェ電子、2次電子のうちのほとんどが透
    過できない程度に前記基板を厚くしたことを特徴とする
    請求項7または8に記載の透過型X線ビームモニター装
    置。
  10. 【請求項10】 前記基板としてベリリウム箔,グラフ
    ァィト薄板,アルミ泊等、軽金属薄板を用いることを特
    徴とする請求項7ないし9のいずれか1項に記載の透過
    型X線ビームモニター装置。
  11. 【請求項11】 前記基板として、カーボン,アルミ等
    のコーティングなどによる表面導電化処理が施された有
    機物フィルムあるいはダイヤモンド,水晶,サファイ
    ヤ,窒化硼素,窒化アルミ,窒化珪素等の無機物薄板を
    用いたことを特徴とする請求項7ないし9のいずれか1
    項に記載の透過型X線ビームモニター装置。
  12. 【請求項12】 前記光電膜として銀,金,銅等の金属
    膜を用いたことを特徴とする請求項7ないし11のいず
    れか1項に記載の透過型X線ビームモニター装置。
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