JPH0732173A - レーザクラッディング方法 - Google Patents
レーザクラッディング方法Info
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- JPH0732173A JPH0732173A JP5197019A JP19701993A JPH0732173A JP H0732173 A JPH0732173 A JP H0732173A JP 5197019 A JP5197019 A JP 5197019A JP 19701993 A JP19701993 A JP 19701993A JP H0732173 A JPH0732173 A JP H0732173A
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- base material
- laser
- donut
- cladding
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ブローホール等の欠陥が少なく組織の均一性
に優れ、しかも複雑なテーブル装置やコーティング部の
溝加工を必要とせず、装置の安定性も高いレーザクラッ
ディング方法。 【構成】 スポット状のレーザビーム20を回転させて
形成したドーナツ状の照射モードを有するレーザビーム
Rを母材上の所定位置に照射しながら、クラッッド用合
金粉末を上記レーザビームのドーナツ状の照射範囲内に
向け供給する一方、上記母材と上記ドーナツ状の照射モ
ードを有するレーザビームを相対移動させる。
に優れ、しかも複雑なテーブル装置やコーティング部の
溝加工を必要とせず、装置の安定性も高いレーザクラッ
ディング方法。 【構成】 スポット状のレーザビーム20を回転させて
形成したドーナツ状の照射モードを有するレーザビーム
Rを母材上の所定位置に照射しながら、クラッッド用合
金粉末を上記レーザビームのドーナツ状の照射範囲内に
向け供給する一方、上記母材と上記ドーナツ状の照射モ
ードを有するレーザビームを相対移動させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザビームを使用し
て母材上へ異種材料をクラッディングする方法に関す
る。
て母材上へ異種材料をクラッディングする方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】自動車、航空機、ロボット産業等の分野
では軽量化のニーズが高く、比重が鉄の約1/3と小さ
いアルミニウム合金が各種部品に使用されているが、ア
ルミニウム合金は耐熱性耐摩耗性が著しく低いため、こ
のような機械的特性が必要とされる箇所には、そのまま
で使用することはできない。そこで、アルミニウム合金
を耐熱性や耐摩耗性が必要とされる箇所にも使用するこ
とができるように、アルミニウム合金表面に耐熱性耐摩
耗性の優れたクラッド層を付与する技術の開発が必要と
なってきた。
では軽量化のニーズが高く、比重が鉄の約1/3と小さ
いアルミニウム合金が各種部品に使用されているが、ア
ルミニウム合金は耐熱性耐摩耗性が著しく低いため、こ
のような機械的特性が必要とされる箇所には、そのまま
で使用することはできない。そこで、アルミニウム合金
を耐熱性や耐摩耗性が必要とされる箇所にも使用するこ
とができるように、アルミニウム合金表面に耐熱性耐摩
耗性の優れたクラッド層を付与する技術の開発が必要と
なってきた。
【0003】ところで、アルミニウム合金に対するクラ
ッド層として比較的融点の低い銅系合金(銅の場合、約
1080℃)を使用するとしても、アルミニウム合金の
融点(アルミニウムの場合、約660℃)に比べるとか
なり高く、在来の手段ではアルミニウム合金母材を余り
溶かさずにクラッディングすることは非常に難しく、母
材アルミニウム合金が大きく溶け銅系合金中に希釈し、
銅系合金クラッド層の硬度低下、耐熱性低下をきたし、
また割れ発生の原因となっている。
ッド層として比較的融点の低い銅系合金(銅の場合、約
1080℃)を使用するとしても、アルミニウム合金の
融点(アルミニウムの場合、約660℃)に比べるとか
なり高く、在来の手段ではアルミニウム合金母材を余り
溶かさずにクラッディングすることは非常に難しく、母
材アルミニウム合金が大きく溶け銅系合金中に希釈し、
銅系合金クラッド層の硬度低下、耐熱性低下をきたし、
また割れ発生の原因となっている。
【0004】そこで、最近では、アルミニウム合金母材
を広範囲に溶融することなく、極最表面のみを溶融させ
る手段としてレーザビームを利用したクラッディング方
法が注目されるようになり、例えば特公平2−2463
7号公報には、アルミニウム合金表面に耐熱耐摩耗性等
に優れた銅系合金を肉盛するに際し、図13(a)に示
すように、予め銅系合金粉末1をアルミニウム合金母材
2上に置いておき、レーザビーム3を肉盛進行方向に対
して垂直な方向にオシレート(矢印a)させるととも
に、アルミニウム合金母材2を移動(矢印b)させ、合
金粉末を溶かしアルミニウム合金母材上に肉盛層4を形
成する方法が記載されている。
を広範囲に溶融することなく、極最表面のみを溶融させ
る手段としてレーザビームを利用したクラッディング方
法が注目されるようになり、例えば特公平2−2463
7号公報には、アルミニウム合金表面に耐熱耐摩耗性等
に優れた銅系合金を肉盛するに際し、図13(a)に示
すように、予め銅系合金粉末1をアルミニウム合金母材
2上に置いておき、レーザビーム3を肉盛進行方向に対
して垂直な方向にオシレート(矢印a)させるととも
に、アルミニウム合金母材2を移動(矢印b)させ、合
金粉末を溶かしアルミニウム合金母材上に肉盛層4を形
成する方法が記載されている。
【0005】なお、図13において、図示しないレーザ
発生装置から照射されるレーザビーム3’は、凸レンズ
5を通過後、反射ミラー6によりオシレートミラー7に
向かって反射され、矢印に示すごとく往復回転するオシ
レートミラー7により処理面に向かって反射される。ま
た、照射面におけるレーザビームの照射モード(以下、
一方向オシレーションモードという)は、図13(b)
に示すように、肉盛り進行方向の幅wが元のレーザビー
ム3のスポット径に等しく、進行方向に垂直な方向の幅
がオシレートの分だけ広くなっている。なお、そのエネ
ルギー密度mは、オシレートミラー7の慣性重量により
両端部で高くなる。
発生装置から照射されるレーザビーム3’は、凸レンズ
5を通過後、反射ミラー6によりオシレートミラー7に
向かって反射され、矢印に示すごとく往復回転するオシ
レートミラー7により処理面に向かって反射される。ま
た、照射面におけるレーザビームの照射モード(以下、
一方向オシレーションモードという)は、図13(b)
に示すように、肉盛り進行方向の幅wが元のレーザビー
ム3のスポット径に等しく、進行方向に垂直な方向の幅
がオシレートの分だけ広くなっている。なお、そのエネ
ルギー密度mは、オシレートミラー7の慣性重量により
両端部で高くなる。
【0006】そして、上記公報によれば、この一方向オ
シレーションモードを適用するときは、レーザビームの
元のスポット径に比べ広幅のクラッディング処理をする
ことができ、レーザビームが照射面を走査する速度が大
きいので母材の溶け込みが少ないという利点があるとさ
れる。しかしながら、上記公報に記載されたレーザビー
ムによるクラッディング方法にも次のような問題点があ
った。
シレーションモードを適用するときは、レーザビームの
元のスポット径に比べ広幅のクラッディング処理をする
ことができ、レーザビームが照射面を走査する速度が大
きいので母材の溶け込みが少ないという利点があるとさ
れる。しかしながら、上記公報に記載されたレーザビー
ムによるクラッディング方法にも次のような問題点があ
った。
【0007】まず、レーザ処理進行方向のビーム幅w
が狭く、レーザビームと母材とのレーザ処理進行方向に
おけるインターラクションタイムが極めて短い。言い換
えれば、母材上に形成される溶融池のレーザ処理進行方
向の幅が狭く、母材上のある点における溶融池の存続時
間も極めて短くなるので、クラッド層にブローホール等
の欠陥が多く、組織の均一性も不良となる。つまり、前
者については、銅の融点がアルミニウムの融点より40
0℃も高いため、先にクラッディングした銅合金が凝固
し、その後に該銅合金と母材との界面で溶融したアルミ
ニウム合金が固まり、そこに逃げられなくなったガスが
捕捉されるためであり、後者については、溶融池の撹は
んが不十分となるためであると考えられる。
が狭く、レーザビームと母材とのレーザ処理進行方向に
おけるインターラクションタイムが極めて短い。言い換
えれば、母材上に形成される溶融池のレーザ処理進行方
向の幅が狭く、母材上のある点における溶融池の存続時
間も極めて短くなるので、クラッド層にブローホール等
の欠陥が多く、組織の均一性も不良となる。つまり、前
者については、銅の融点がアルミニウムの融点より40
0℃も高いため、先にクラッディングした銅合金が凝固
し、その後に該銅合金と母材との界面で溶融したアルミ
ニウム合金が固まり、そこに逃げられなくなったガスが
捕捉されるためであり、後者については、溶融池の撹は
んが不十分となるためであると考えられる。
【0008】図13(b)の一方向オシレーションモ
ードに示すように、両端部のエネルギー密度が高く、こ
の部分で母材の溶け込みが大きくなり、銅合金の希釈、
組織の不均一性が生じる。なお、アルミニウム合金の溶
け込みが多いと、銅合金層との界面に脆いγ’相が形成
され、割れが発生しやすくなることが知られている。
ードに示すように、両端部のエネルギー密度が高く、こ
の部分で母材の溶け込みが大きくなり、銅合金の希釈、
組織の不均一性が生じる。なお、アルミニウム合金の溶
け込みが多いと、銅合金層との界面に脆いγ’相が形成
され、割れが発生しやすくなることが知られている。
【0009】オシレートの方向がレーザ処理進行方向
に対して常に垂直のため、レーザ処理進行方向が制限さ
れる。従って、例えば、図14(a)に示すエンジン用
シリンダヘッド11のバルブシート部12のシート面1
2aに直接クラッディングする場合には、シリンダヘッ
ド11全体を各バルブシート部12の中心線の回りに回
さねばならず、非常に複雑な動作をするテーブル装置1
3が必要となり、これが初期投資コストを押し上げる。
に対して常に垂直のため、レーザ処理進行方向が制限さ
れる。従って、例えば、図14(a)に示すエンジン用
シリンダヘッド11のバルブシート部12のシート面1
2aに直接クラッディングする場合には、シリンダヘッ
ド11全体を各バルブシート部12の中心線の回りに回
さねばならず、非常に複雑な動作をするテーブル装置1
3が必要となり、これが初期投資コストを押し上げる。
【0010】レーザ処理進行方向のビーム幅wが狭い
ため、粉末をレーザ処理の進行に合わせて溶融池に向け
投入するという給粉法を採ることが難しく、粉末を予め
母材上(つまり、溶融池の前方)に置いていくような給
粉法をとらねばならない。このため、図14(b)のご
とくバルブシート部12のシート面12aは必ず水平に
維持されなければならず、上記に加えさらに複雑な動
作をするテーブル装置13を必要とする(結局、シリン
ダヘッド11を傾斜した状態で支持し、且つバルブシー
ト部12の中心線14の回りに回す機能が必要とな
る)。また、給粉の効率(合金層となった粉末重量/供
給した粉末重量)を上げるためにコーティング部に予め
溝加工が必要となり、これは量産上のコストアップ要因
となる。
ため、粉末をレーザ処理の進行に合わせて溶融池に向け
投入するという給粉法を採ることが難しく、粉末を予め
母材上(つまり、溶融池の前方)に置いていくような給
粉法をとらねばならない。このため、図14(b)のご
とくバルブシート部12のシート面12aは必ず水平に
維持されなければならず、上記に加えさらに複雑な動
作をするテーブル装置13を必要とする(結局、シリン
ダヘッド11を傾斜した状態で支持し、且つバルブシー
ト部12の中心線14の回りに回す機能が必要とな
る)。また、給粉の効率(合金層となった粉末重量/供
給した粉末重量)を上げるためにコーティング部に予め
溝加工が必要となり、これは量産上のコストアップ要因
となる。
【0011】オシレートミラー7を高速で一方向オシ
レートさせるため、装置の安定性に問題がある。従っ
て、装置の厳重なチェックやできた製品のチェック等管
理項目が増える。
レートさせるため、装置の安定性に問題がある。従っ
て、装置の厳重なチェックやできた製品のチェック等管
理項目が増える。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のレー
ザクラッディング方法の上記問題点に鑑み、ブローホー
ル等の欠陥が少なく組織の均一性に優れ、しかも複雑な
テーブル装置やコーティング部の溝加工を必要とせず、
装置の安定性も高いレーザクラッディング方法を得るこ
とを目的とする。
ザクラッディング方法の上記問題点に鑑み、ブローホー
ル等の欠陥が少なく組織の均一性に優れ、しかも複雑な
テーブル装置やコーティング部の溝加工を必要とせず、
装置の安定性も高いレーザクラッディング方法を得るこ
とを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的のため、本発明
に関わるレーザクラッディング方法は、スポット状のレ
ーザビームを回転させて形成したドーナツ状の照射モー
ド(以下、ドーナツモードという)を有するレーザビー
ムを母材上の所定位置に照射しながら、クラッッド用合
金粉末を上記ドーナツモードのレーザビームの照射範囲
内に向け供給する一方、上記母材と上記ドーナツモード
を有するレーザビームを相対移動させることを特徴とす
る。
に関わるレーザクラッディング方法は、スポット状のレ
ーザビームを回転させて形成したドーナツ状の照射モー
ド(以下、ドーナツモードという)を有するレーザビー
ムを母材上の所定位置に照射しながら、クラッッド用合
金粉末を上記ドーナツモードのレーザビームの照射範囲
内に向け供給する一方、上記母材と上記ドーナツモード
を有するレーザビームを相対移動させることを特徴とす
る。
【0014】図1〜図5を参照し、本発明をより具体的
に説明すると、本発明におけるドーナツモードのレーザ
ビームRは、小径のスポット状レーザビーム20を被照
射面上で高速回転(矢印c)させることにより形成され
るもので、図1(a)に例示するように、図示しないレ
ーザ発振装置から照射されるレーザビーム20’を平面
ミラー21により反射し、これをモータ22の軸に傾斜
して取り付けられ回転する凹面又は放物面ミラー23に
より処理面に向けて反射することにより形成され、ドー
ナツ状に分布したエネルギー密度mを有する。
に説明すると、本発明におけるドーナツモードのレーザ
ビームRは、小径のスポット状レーザビーム20を被照
射面上で高速回転(矢印c)させることにより形成され
るもので、図1(a)に例示するように、図示しないレ
ーザ発振装置から照射されるレーザビーム20’を平面
ミラー21により反射し、これをモータ22の軸に傾斜
して取り付けられ回転する凹面又は放物面ミラー23に
より処理面に向けて反射することにより形成され、ドー
ナツ状に分布したエネルギー密度mを有する。
【0015】図2は、ドーナツモードのレーザビームR
を形成する他の手段を示すもので、(a)は、凸レンズ
24、固定した平面ミラー25、及び傾斜して回転する
平面ミラー26の組合せにより形成するもの、(b)
は、固定した凹面又は放物面ミラー27及び傾斜して回
転する平面ミラーの組合せにより形成するものであり、
他にも、例えば上記(a)において、凸レンズ24を傾
斜して回転させ、その代わり平面ミラー26を固定ミラ
ーとするなど、無数のバリエーションが考えられるが、
いずれも小さいスポット状レーザビーム20を高速回転
させることによりドーナツモードのレーザビームRを形
成しようというものである。
を形成する他の手段を示すもので、(a)は、凸レンズ
24、固定した平面ミラー25、及び傾斜して回転する
平面ミラー26の組合せにより形成するもの、(b)
は、固定した凹面又は放物面ミラー27及び傾斜して回
転する平面ミラーの組合せにより形成するものであり、
他にも、例えば上記(a)において、凸レンズ24を傾
斜して回転させ、その代わり平面ミラー26を固定ミラ
ーとするなど、無数のバリエーションが考えられるが、
いずれも小さいスポット状レーザビーム20を高速回転
させることによりドーナツモードのレーザビームRを形
成しようというものである。
【0016】なお、数kW以上のエネルギー密度のレー
ザビームを用いる場合には、回転するミラー23等の冷
却が不可欠となる。この冷却は、具体的には例えば図3
及び図4に示す機構によりミラー23に冷却水又は油を
循環させることで実施できる。これをより詳細にみる
と、モータ30の軸31はカップリング32を介して中
心軸33に連結され、中心軸33の先端は回転盤34に
連結され、その先には支持リング35が支持棒36を介
して支持され、支持リング35にはミラー23が取付軸
37により傾斜して支持されている。
ザビームを用いる場合には、回転するミラー23等の冷
却が不可欠となる。この冷却は、具体的には例えば図3
及び図4に示す機構によりミラー23に冷却水又は油を
循環させることで実施できる。これをより詳細にみる
と、モータ30の軸31はカップリング32を介して中
心軸33に連結され、中心軸33の先端は回転盤34に
連結され、その先には支持リング35が支持棒36を介
して支持され、支持リング35にはミラー23が取付軸
37により傾斜して支持されている。
【0017】中心軸33の回りには、中心軸33ととも
に2重管構造をなす中径管38と、中心軸33及び中径
管38とともに3重管構造をなす大径管39がはめら
れ、中心軸33の外周と中径管38の内周面とで画定さ
れる空間が冷却水の供給路となり、中径管38の外周面
と大径管39の内周面とで画定される空間が冷却水の排
出路となる。図4(a)に3重管構造部分の冷却水の供
給路及び排出路を矢印で示す。いうまでもないが、中径
管38の端面38aは中心軸33の外周に対し蓋をさ
れ、大径管39の端面39aは中径管38の外周に対し
蓋をされ、冷却水の漏れが生じないようにされている。
に2重管構造をなす中径管38と、中心軸33及び中径
管38とともに3重管構造をなす大径管39がはめら
れ、中心軸33の外周と中径管38の内周面とで画定さ
れる空間が冷却水の供給路となり、中径管38の外周面
と大径管39の内周面とで画定される空間が冷却水の排
出路となる。図4(a)に3重管構造部分の冷却水の供
給路及び排出路を矢印で示す。いうまでもないが、中径
管38の端面38aは中心軸33の外周に対し蓋をさ
れ、大径管39の端面39aは中径管38の外周に対し
蓋をされ、冷却水の漏れが生じないようにされている。
【0018】図3に40で示すのは、上記冷却水の供給
路に冷却水導入管41を通じて冷却水を供給するための
供給用シール部である。供給用シール部40において
は、中径管38の一部がある幅で切除され(図4(b)
参照)、内周面に分配溝42を有しその両側にオイルシ
ール構造を備えたシールリング43が、上記切除部分を
被うようにはめ込まれる。一方、排出用シール部44に
おいても同様に、大径管39の一部がある幅で切除さ
れ、その切除部分を被うようにシールリング45がはめ
込まれる。上記オイルシール構造のため、中径管38及
び大径管39はそれぞれシールリング43及び45の内
側で回転自在である。また、中径管38及び大径管39
の先端部分には、接続パイプ46、47が取り付けら
れ、これが回転盤34を通ってミラー23を背後から冷
却する冷却盤48(内部に冷却水通路を有する)に連結
される。
路に冷却水導入管41を通じて冷却水を供給するための
供給用シール部である。供給用シール部40において
は、中径管38の一部がある幅で切除され(図4(b)
参照)、内周面に分配溝42を有しその両側にオイルシ
ール構造を備えたシールリング43が、上記切除部分を
被うようにはめ込まれる。一方、排出用シール部44に
おいても同様に、大径管39の一部がある幅で切除さ
れ、その切除部分を被うようにシールリング45がはめ
込まれる。上記オイルシール構造のため、中径管38及
び大径管39はそれぞれシールリング43及び45の内
側で回転自在である。また、中径管38及び大径管39
の先端部分には、接続パイプ46、47が取り付けら
れ、これが回転盤34を通ってミラー23を背後から冷
却する冷却盤48(内部に冷却水通路を有する)に連結
される。
【0019】この装置においては、モータ30の回転力
は軸31及びカップリング32を介して中心軸33に伝
達され、さらに回転盤34、支持棒36、支持リング3
5を介してミラー23を回転させる。冷却水は、冷却水
導入管41から供給用シール部40内に入り、中径管3
8内の供給路を通り、接続パイプ46を介して冷却盤4
8に入り、接続パイプ47から大径管39内の排出路を
通り、排出用シール部を通って冷却水排出管49から排
出される。
は軸31及びカップリング32を介して中心軸33に伝
達され、さらに回転盤34、支持棒36、支持リング3
5を介してミラー23を回転させる。冷却水は、冷却水
導入管41から供給用シール部40内に入り、中径管3
8内の供給路を通り、接続パイプ46を介して冷却盤4
8に入り、接続パイプ47から大径管39内の排出路を
通り、排出用シール部を通って冷却水排出管49から排
出される。
【0020】図5は、母材53上にクラッディング層5
4を形成する様子を模式的に示すものであり、レーザ発
振装置から照射されるレーザビーム20’はドーナツビ
ーム成形装置55(図1あるいは図2に示すミラー等を
収容するもの)からドーナツモードのレーザビームRと
して下方へ照射される。レーザビームRの周囲はシール
ド用筒56で覆われ、シールド用筒56は、図示しない
給粉装置からクラッド用合金粉末を受け入れレーザビー
ムRの照射範囲内へ向け供給する給粉口57と、アルゴ
ン等のシールドガスを供給するシールドガス導入口58
が取り付けられる。ここでは、母材53を移動(矢印
d)させているが、逆にドーナツビーム成形装置55の
側を移動させることもできる。
4を形成する様子を模式的に示すものであり、レーザ発
振装置から照射されるレーザビーム20’はドーナツビ
ーム成形装置55(図1あるいは図2に示すミラー等を
収容するもの)からドーナツモードのレーザビームRと
して下方へ照射される。レーザビームRの周囲はシール
ド用筒56で覆われ、シールド用筒56は、図示しない
給粉装置からクラッド用合金粉末を受け入れレーザビー
ムRの照射範囲内へ向け供給する給粉口57と、アルゴ
ン等のシールドガスを供給するシールドガス導入口58
が取り付けられる。ここでは、母材53を移動(矢印
d)させているが、逆にドーナツビーム成形装置55の
側を移動させることもできる。
【0021】本発明は、母材がアルミニウム合金でクラ
ッド用合金粉末が銅系合金である場合に好適に適用する
ことができるが、母材が鋳鉄でクラッド用合金粉末が銅
系合金である場合等、他の材質の組合せに対しても適用
することができる。なお、ドーナツモードのレーザビー
ムによりクラッディングするにあたり、クラッド用合金
粉末をレーザビームのドーナツ状の照射範囲内に供給す
るという給粉方法を採る代わりに、予め母材上の所定位
置に置くという給粉方法を採ることもできる。
ッド用合金粉末が銅系合金である場合に好適に適用する
ことができるが、母材が鋳鉄でクラッド用合金粉末が銅
系合金である場合等、他の材質の組合せに対しても適用
することができる。なお、ドーナツモードのレーザビー
ムによりクラッディングするにあたり、クラッド用合金
粉末をレーザビームのドーナツ状の照射範囲内に供給す
るという給粉方法を採る代わりに、予め母材上の所定位
置に置くという給粉方法を採ることもできる。
【0022】
【作用】以下、本発明の作用につき、図1等を参照して
具体的に説明する。まず、本発明におけるドーナツモー
ドのレーザビームRの直径は元の小径のスポット状レー
ザビーム20と比較すると大きいので、レーザ処理進行
方向(図1(b)の矢印e)における母材とのインター
ラクションタイムが大きくなる。言い換えれば、被処理
面に形成される溶融池はドーナツの直径に相当する広い
円状となり、被処理面上のある点における溶融池の存続
時間も長くなる。また、高速で回転運動(矢印f)する
小径のレーザビーム20により、溶融池内に表面張力の
差に基づく溶融金属の流れが生じ(レーザビーム20を
受けた瞬間にその部分の温度が上昇して表面張力が下が
り、表面張力の高い部分に向かう溶融金属の流れが生ず
る)、溶融池の撹はんが活発化する。このようにインタ
ーラクションタイムが長くなり、広い溶融池内での撹は
んが活発化することにより、ガスが放出される機会が増
えブローホール等の欠陥が少なく、且つ均一な組織を持
ったクラッド層を得ることができるものである。
具体的に説明する。まず、本発明におけるドーナツモー
ドのレーザビームRの直径は元の小径のスポット状レー
ザビーム20と比較すると大きいので、レーザ処理進行
方向(図1(b)の矢印e)における母材とのインター
ラクションタイムが大きくなる。言い換えれば、被処理
面に形成される溶融池はドーナツの直径に相当する広い
円状となり、被処理面上のある点における溶融池の存続
時間も長くなる。また、高速で回転運動(矢印f)する
小径のレーザビーム20により、溶融池内に表面張力の
差に基づく溶融金属の流れが生じ(レーザビーム20を
受けた瞬間にその部分の温度が上昇して表面張力が下が
り、表面張力の高い部分に向かう溶融金属の流れが生ず
る)、溶融池の撹はんが活発化する。このようにインタ
ーラクションタイムが長くなり、広い溶融池内での撹は
んが活発化することにより、ガスが放出される機会が増
えブローホール等の欠陥が少なく、且つ均一な組織を持
ったクラッド層を得ることができるものである。
【0023】また、上記ドーナツモードのレーザビーム
Rは、中心部におけるエネルギー密度がゼロか非常に低
い値であるので、照射中心部が過度に加熱されるという
ことがなく、例えばアルミニウム合金の母材に銅系合金
のクラッディング層を形成するような場合でも、アルミ
ニウム合金が過度に溶け込むことはない。
Rは、中心部におけるエネルギー密度がゼロか非常に低
い値であるので、照射中心部が過度に加熱されるという
ことがなく、例えばアルミニウム合金の母材に銅系合金
のクラッディング層を形成するような場合でも、アルミ
ニウム合金が過度に溶け込むことはない。
【0024】なお、この作用は、図15(a)のごとき
レーザ発振器60自身からドーナツモードのレーザビー
ムR’を直接発振する場合でも得ることができる。しか
し、ドーナツモードのレーザービームをレーザ発振器6
0から直接発振するときは、常に図15(b)のような
きれいなドーナツモードが得られるとは限らず、例えば
発振器60内部で凹面ミラー61にゴミ等が付着すると
この部分が発熱してミラーが歪み、図15(c)のごと
くモードの左右のバランスがくずれ、アルミニウム合金
母材の溶け込みが局部的に大きくなる恐れがある。これ
に対し、本発明では、絞った細径ビーム20を機械的に
一定速度で円状に回すため、非常にきれいなドーナツモ
ードRが成形でき、レーザ発振器60から直接発振する
ときのような装置の変動を全く受けず、非常に安定した
レーザクラッディングが可能となる。なお、レーザ発振
器60自身から出るドーナツモードR’を用いる場合、
レーザビームによる前記撹はん作用が十分に得られない
という欠点もある。
レーザ発振器60自身からドーナツモードのレーザビー
ムR’を直接発振する場合でも得ることができる。しか
し、ドーナツモードのレーザービームをレーザ発振器6
0から直接発振するときは、常に図15(b)のような
きれいなドーナツモードが得られるとは限らず、例えば
発振器60内部で凹面ミラー61にゴミ等が付着すると
この部分が発熱してミラーが歪み、図15(c)のごと
くモードの左右のバランスがくずれ、アルミニウム合金
母材の溶け込みが局部的に大きくなる恐れがある。これ
に対し、本発明では、絞った細径ビーム20を機械的に
一定速度で円状に回すため、非常にきれいなドーナツモ
ードRが成形でき、レーザ発振器60から直接発振する
ときのような装置の変動を全く受けず、非常に安定した
レーザクラッディングが可能となる。なお、レーザ発振
器60自身から出るドーナツモードR’を用いる場合、
レーザビームによる前記撹はん作用が十分に得られない
という欠点もある。
【0025】さらに、本発明では、ドーナツモードのレ
ーザビームRに対応する大きな円状の溶融池が生成さ
れ、給粉はその中心に向けて行うようにしているので、
同一平面上では全方向へ向かってクラッディングをする
ことができる。このことから、例えば図14に関し説明
したような複雑なテーブル機構が不要となり、投資イニ
シャルコストが安くなるとともに非常に信頼性の高い生
産が可能となる。例えば、図6に示すエンジン用シリン
ダヘッド(図14に示すものと同一)のバルブシート部
12に対しクラッディングするときは、シリンダヘッド
11を軸65の回りに回動して、バルブシート部12の
うち例えば排気バルブシート部(図において手前側)が
水平に向くようにセットし、シリンダヘッド11は動か
さずにドーナツビーム成形装置55のヘッドを円状に移
動させることによりクラッディング可能となる。無論、
テーブルを相対的に移動させてもよい。従って、テーブ
ル装置が簡単になり、非常に信頼性の高い生産が可能と
なる。
ーザビームRに対応する大きな円状の溶融池が生成さ
れ、給粉はその中心に向けて行うようにしているので、
同一平面上では全方向へ向かってクラッディングをする
ことができる。このことから、例えば図14に関し説明
したような複雑なテーブル機構が不要となり、投資イニ
シャルコストが安くなるとともに非常に信頼性の高い生
産が可能となる。例えば、図6に示すエンジン用シリン
ダヘッド(図14に示すものと同一)のバルブシート部
12に対しクラッディングするときは、シリンダヘッド
11を軸65の回りに回動して、バルブシート部12の
うち例えば排気バルブシート部(図において手前側)が
水平に向くようにセットし、シリンダヘッド11は動か
さずにドーナツビーム成形装置55のヘッドを円状に移
動させることによりクラッディング可能となる。無論、
テーブルを相対的に移動させてもよい。従って、テーブ
ル装置が簡単になり、非常に信頼性の高い生産が可能と
なる。
【0026】また、本発明では、ドーナツモードのレー
ザビームRに対応する大きな円状の溶融池が生成される
ことから、供給した合金粉末は全て直接溶融池へ打ち込
むことが可能となり、前記加工溝がなくても、しかも図
6(b)のごとくシート面12aが水平面に対し傾斜
(θ=45°)していてもクラッディング可能となる。
従って、エンジンシリンダヘッド11のバルブシート部
12へレーザクラッディングを行うときシート部前加工
溝が不要となりランニングコストの低減が可能である。
これに対し、従来の一方向オシレーションモードのレー
ザビームの場合は、溶融池は細長い線状のため、給粉す
る全ての合金粉末を溶融池へ直接打ち込むことは不可能
である。
ザビームRに対応する大きな円状の溶融池が生成される
ことから、供給した合金粉末は全て直接溶融池へ打ち込
むことが可能となり、前記加工溝がなくても、しかも図
6(b)のごとくシート面12aが水平面に対し傾斜
(θ=45°)していてもクラッディング可能となる。
従って、エンジンシリンダヘッド11のバルブシート部
12へレーザクラッディングを行うときシート部前加工
溝が不要となりランニングコストの低減が可能である。
これに対し、従来の一方向オシレーションモードのレー
ザビームの場合は、溶融池は細長い線状のため、給粉す
る全ての合金粉末を溶融池へ直接打ち込むことは不可能
である。
【0027】加えて、本発明においては、ドーナツモー
ドを成形する装置の高速可動部分が、例えば凹面又は放
物面ミラー23(図1)をモータで回転させるだけとい
うように原理がオシレーション法に比べ簡単であること
から、信頼性が高く安定性が高い装置とすることができ
る。
ドを成形する装置の高速可動部分が、例えば凹面又は放
物面ミラー23(図1)をモータで回転させるだけとい
うように原理がオシレーション法に比べ簡単であること
から、信頼性が高く安定性が高い装置とすることができ
る。
【0028】以上述べた本発明の作用を有効に引き出す
ためには、以下に示す範囲内の条件でクラッディングを
行うのが望ましい。すなわち、スポット状レーザビー
ム20のビーム径1mm〜10mmφ、そのエネルギ
ー密度50W/mm2 〜10000W/mm2 、その
回転速度3000rpm以上、成形されたドーナツモ
ードのレーザビームRのビーム外径2〜30mmφ、
クラッディング処理スピード50mm/min〜240
0mm/minである。
ためには、以下に示す範囲内の条件でクラッディングを
行うのが望ましい。すなわち、スポット状レーザビー
ム20のビーム径1mm〜10mmφ、そのエネルギ
ー密度50W/mm2 〜10000W/mm2 、その
回転速度3000rpm以上、成形されたドーナツモ
ードのレーザビームRのビーム外径2〜30mmφ、
クラッディング処理スピード50mm/min〜240
0mm/minである。
【0029】ここで、上記の条件は、ビーム径が1m
mφ未満であればエネルギー密度が高くなりすぎ母材が
多量に溶融し、一方、有効ビーム径が10mmφを越え
る大出力レーザは現在開発されていないことから、上記
の条件は、エネルギー密度が50W/mm2 未満では
クラッディングができず、10000W/mm2 を越え
ると母材が多量に溶融することから、上記の条件は、
3000rpm未満では溶融池の撹はん効果が不足する
ことから、上記の条件は、ドーナツモードのビーム径
が2mmφ未満であればエネルギー密度が高くなりすぎ
母材が多量に溶融し、ビーム径が30mmφを越えても
有効な大出力レーザは現在開発されていないことから、
上記の条件は、50mm/min未満では母材が多量
に溶融し、2400mm/minを越えると溶融が不十
分になったり割れが発生したりすることから、それぞれ
上記範囲内で選ばれる。
mφ未満であればエネルギー密度が高くなりすぎ母材が
多量に溶融し、一方、有効ビーム径が10mmφを越え
る大出力レーザは現在開発されていないことから、上記
の条件は、エネルギー密度が50W/mm2 未満では
クラッディングができず、10000W/mm2 を越え
ると母材が多量に溶融することから、上記の条件は、
3000rpm未満では溶融池の撹はん効果が不足する
ことから、上記の条件は、ドーナツモードのビーム径
が2mmφ未満であればエネルギー密度が高くなりすぎ
母材が多量に溶融し、ビーム径が30mmφを越えても
有効な大出力レーザは現在開発されていないことから、
上記の条件は、50mm/min未満では母材が多量
に溶融し、2400mm/minを越えると溶融が不十
分になったり割れが発生したりすることから、それぞれ
上記範囲内で選ばれる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を比較例ととも
に説明する。
に説明する。
【0031】ドーナツモード(実施例)のレーザビーム
と一方向オシレーションモード(比較例)のレーザビー
ムにより、AC2B相当アルミニウム合金(Cu2.0
〜1.0%、Si5.0〜7.0%、Mg≦0.5%、
Zn≦1.0%、Fe≦1.0%、Mn≦0.5%、N
i≦0.35%、Pb≦0.20%、Sn≦0.10
%、Cr≦0.20%、Ti≦0.20%)からなる母
材上に銅系合金(Cu−10%Sn−2%Ni−0.5
%Si−0.3%P−0.3%B)をレーザクラッディ
ングした。実施例では、2mmφのスポット状レーザビ
ームを円状に回転し、図7(a)に示すように、外径が
6mmφ、内径が2mmφのドーナツモードのレーザビ
ームを成形し、比較例では、2mmφのスポット状レー
ザビームを4mmオシレートし、図7(b)に示すよう
に、レーザ処理進行方向(矢印g)の幅が2mm、垂直
方向の幅が6mmの一方向オシレーションモードのレー
ザビームを成形した。その他の条件については、レーザ
出力が3000W、処理速度が800mm/min(=
13.3mm/s)、給粉量が0.89gr/sであ
り、実施例、比較例とも同一条件である。
と一方向オシレーションモード(比較例)のレーザビー
ムにより、AC2B相当アルミニウム合金(Cu2.0
〜1.0%、Si5.0〜7.0%、Mg≦0.5%、
Zn≦1.0%、Fe≦1.0%、Mn≦0.5%、N
i≦0.35%、Pb≦0.20%、Sn≦0.10
%、Cr≦0.20%、Ti≦0.20%)からなる母
材上に銅系合金(Cu−10%Sn−2%Ni−0.5
%Si−0.3%P−0.3%B)をレーザクラッディ
ングした。実施例では、2mmφのスポット状レーザビ
ームを円状に回転し、図7(a)に示すように、外径が
6mmφ、内径が2mmφのドーナツモードのレーザビ
ームを成形し、比較例では、2mmφのスポット状レー
ザビームを4mmオシレートし、図7(b)に示すよう
に、レーザ処理進行方向(矢印g)の幅が2mm、垂直
方向の幅が6mmの一方向オシレーションモードのレー
ザビームを成形した。その他の条件については、レーザ
出力が3000W、処理速度が800mm/min(=
13.3mm/s)、給粉量が0.89gr/sであ
り、実施例、比較例とも同一条件である。
【0032】図8及び図9に、それぞれ実施例と比較例
のクラッド層の断面組織顕微鏡写真を示す。図10は、
このクラッド層における最大ブローホール径(a)及び
断面平均ブローホール数(b)を調べた結果を示し、実
施例のクラッド層の方が最大ブローホール径が小さく、
ブローホール数も少ないことが分かる。図11は、この
クラッド層における硬度のばらつきを調べた結果を示
し、実施例のクラッド層の方が硬度のばらつきが少な
い。
のクラッド層の断面組織顕微鏡写真を示す。図10は、
このクラッド層における最大ブローホール径(a)及び
断面平均ブローホール数(b)を調べた結果を示し、実
施例のクラッド層の方が最大ブローホール径が小さく、
ブローホール数も少ないことが分かる。図11は、この
クラッド層における硬度のばらつきを調べた結果を示
し、実施例のクラッド層の方が硬度のばらつきが少な
い。
【0033】このような結果が出たのは、実施例のイン
ターラクションタイム(進行方向ビーム幅(mm)/レ
ーザ処理進行速度(mm/s))が0.45秒であり、
比較例のインターラクションタイム0.15秒と比較す
ると3倍の時間となり、溶融池の撹はんが十分に行われ
たことが主たる要因であると考えられる。なお、実施例
のドーナツモードの照射面積は比較例の一方向オシレー
ションモードの照射面積より広く(28.26mm2 :
11.14mm2 )、一方、レーザ出力は両者同一であ
るので、実施例では照射面におけるエネルギー密度が低
くなり、インターラクションタイムが長くなっても母材
の過度の溶け込みが防止される。
ターラクションタイム(進行方向ビーム幅(mm)/レ
ーザ処理進行速度(mm/s))が0.45秒であり、
比較例のインターラクションタイム0.15秒と比較す
ると3倍の時間となり、溶融池の撹はんが十分に行われ
たことが主たる要因であると考えられる。なお、実施例
のドーナツモードの照射面積は比較例の一方向オシレー
ションモードの照射面積より広く(28.26mm2 :
11.14mm2 )、一方、レーザ出力は両者同一であ
るので、実施例では照射面におけるエネルギー密度が低
くなり、インターラクションタイムが長くなっても母材
の過度の溶け込みが防止される。
【0034】図12は、レーザ出力を変化させた以外は
上記実施例及び比較例と同様の試験を行って、ドーナツ
モードのレーザビーム(実施例)と一方向オシレーショ
ンモードのレーザビーム(比較例)のインターラクショ
ンタイムの許容範囲、すなわち、クラッディングが可能
で、且つ母材の多量の溶け込みが生じない範囲を求めた
結果である。ここに示すように、同一のエネルギー密度
でも実施例の方がインターラクションタイムの許容範囲
が広く、撹はん時間を長くとることができる。このよう
な結果となった理由としては、実施例ではビーム中央を
ドーナツ状に抜いていることからビーム中央での母材の
溶け込みが抑えられること(通常の円形ビームでは一般
にビーム中央が溶けやすい)、高速回転によりビームの
均一性が常時保たれていることなどが考えられる。
上記実施例及び比較例と同様の試験を行って、ドーナツ
モードのレーザビーム(実施例)と一方向オシレーショ
ンモードのレーザビーム(比較例)のインターラクショ
ンタイムの許容範囲、すなわち、クラッディングが可能
で、且つ母材の多量の溶け込みが生じない範囲を求めた
結果である。ここに示すように、同一のエネルギー密度
でも実施例の方がインターラクションタイムの許容範囲
が広く、撹はん時間を長くとることができる。このよう
な結果となった理由としては、実施例ではビーム中央を
ドーナツ状に抜いていることからビーム中央での母材の
溶け込みが抑えられること(通常の円形ビームでは一般
にビーム中央が溶けやすい)、高速回転によりビームの
均一性が常時保たれていることなどが考えられる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、ブローホール等の欠陥
が少なく組織の均一性に優れたクラッド層を得ることが
できる。また、クラッディング中のレーザ照射域への給
粉が容易で、しかも複雑なテーブル装置やクラッド部の
溝加工を必要とせず、クラッディングを実施する装置の
安定性も高い。
が少なく組織の均一性に優れたクラッド層を得ることが
できる。また、クラッディング中のレーザ照射域への給
粉が容易で、しかも複雑なテーブル装置やクラッド部の
溝加工を必要とせず、クラッディングを実施する装置の
安定性も高い。
【図1】ドーナツモードのレーザビームを成形する方法
を説明する図(a)及びそのレーザビームのエネルギー
密度分布を説明する図(b)である。
を説明する図(a)及びそのレーザビームのエネルギー
密度分布を説明する図(b)である。
【図2】ドーナツモードのレーザビームを成形する他の
方法を説明する図である。
方法を説明する図である。
【図3】冷却機構を有するミラー回転装置の模式的斜視
図である。
図である。
【図4】ミラー回転装置の3重管構造部分の断面斜視図
(a)、及び供給用シール部の構造を説明する斜視図で
ある。
(a)、及び供給用シール部の構造を説明する斜視図で
ある。
【図5】本発明のレーザクラッディングを説明する模式
的側面図である。
的側面図である。
【図6】本発明のレーザクラッディングをエンジンシリ
ンダヘッドのバルブシート部に適用する様子を説明する
概略図(a)、及び要部断面図(b)である。
ンダヘッドのバルブシート部に適用する様子を説明する
概略図(a)、及び要部断面図(b)である。
【図7】実施例に使用したドーナツモード(a)及び一
方向オシレーションモード(b)のレーザビームを示す
図である。
方向オシレーションモード(b)のレーザビームを示す
図である。
【図8】実施例のクラッド層の断面組織顕微鏡写真(金
属組織写真)である。
属組織写真)である。
【図9】比較例のクラッド層の断面組織顕微鏡写真(金
属組織写真)である。
属組織写真)である。
【図10】クラッド層の最大ブローホール数(a)及び
断面平均ブローホール数(b)の調査結果を示す図であ
る。
断面平均ブローホール数(b)の調査結果を示す図であ
る。
【図11】クラッド層の硬度のばらつきの調査結果であ
る。
る。
【図12】レーザビームのエネルギー密度とインタラク
ションタイムの関係を示す図である。
ションタイムの関係を示す図である。
【図13】一方向オシレーションモードのレーザビーム
を成形する方法を説明する図(a)及びそのレーザビー
ムのエネルギー密度分布を説明する図(b)である
を成形する方法を説明する図(a)及びそのレーザビー
ムのエネルギー密度分布を説明する図(b)である
【図14】一方向オシレーションモードによるレーザク
ラッディングをエンジンシリンダヘッドのバルブシート
部に適用する様子を説明する概略図(a)、及び要部断
面図(b)である。
ラッディングをエンジンシリンダヘッドのバルブシート
部に適用する様子を説明する概略図(a)、及び要部断
面図(b)である。
【図15】ドーナツモードのレーザビームを発振する発
振器の模式的側面図(a)、正常なレーザビーム
(b)、及びバランスの崩れたレーザビーム(c)の説
明図である。
振器の模式的側面図(a)、正常なレーザビーム
(b)、及びバランスの崩れたレーザビーム(c)の説
明図である。
20 小径のスポット状レーザビーム R ドーナツモードのレーザビーム
Claims (4)
- 【請求項1】 スポット状のレーザビームを回転させて
形成したドーナツ状の照射モードを有するレーザビーム
を母材上の所定位置に照射しながら、クラッッド用合金
粉末を上記レーザビームのドーナツ状の照射範囲内に向
け供給する一方、上記母材と上記ドーナツ状の照射モー
ドを有するレーザビームを相対移動させることを特徴と
するレーザクラッディング方法。 - 【請求項2】 母材がアルミニウム合金でクラッド用合
金粉末が銅系合金であることを特徴とする請求項1に記
載されたレーザクラッディング方法。 - 【請求項3】 母材が鋳鉄でクラッド用合金粉末が銅系
合金であることを特徴とする請求項1に記載されたレー
ザクラッディング方法。 - 【請求項4】 クラッド用合金粉末をレーザビームの照
射範囲内に供給する代わりに、予め母材上の所定位置に
置くことを特徴とする請求項1〜3に記載されたレーザ
クラッディング方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5197019A JPH0732173A (ja) | 1993-07-13 | 1993-07-13 | レーザクラッディング方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5197019A JPH0732173A (ja) | 1993-07-13 | 1993-07-13 | レーザクラッディング方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0732173A true JPH0732173A (ja) | 1995-02-03 |
Family
ID=16367422
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5197019A Withdrawn JPH0732173A (ja) | 1993-07-13 | 1993-07-13 | レーザクラッディング方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0732173A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2008004708A1 (fr) * | 2006-07-05 | 2008-01-10 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Procédé de fabrication d'un élément en fonte, élément en fonte, et moteur pour véhicule |
| JP2018158379A (ja) * | 2017-12-11 | 2018-10-11 | トヨタ自動車株式会社 | バルブシート合金 |
| JP2019098374A (ja) * | 2017-12-04 | 2019-06-24 | Dmg森精機株式会社 | レーザ積層造形装置及びレーザ積層方法 |
| CN114016017A (zh) * | 2021-10-28 | 2022-02-08 | 山东大学 | 一种铸铁表面激光熔覆铜合金的方法及防爆叶轮表面结构 |
| CN117691264A (zh) * | 2024-02-04 | 2024-03-12 | 蜂巢能源科技股份有限公司 | 电池壳体、电池外壳及电池 |
| CN118814159A (zh) * | 2024-09-19 | 2024-10-22 | 山东银亿汇峰智能制造有限公司 | 一种深孔激光熔覆装置 |
-
1993
- 1993-07-13 JP JP5197019A patent/JPH0732173A/ja not_active Withdrawn
Cited By (11)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2008004708A1 (fr) * | 2006-07-05 | 2008-01-10 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Procédé de fabrication d'un élément en fonte, élément en fonte, et moteur pour véhicule |
| JP2008012564A (ja) * | 2006-07-05 | 2008-01-24 | Toyota Motor Corp | 鋳鉄部材の製造方法、鋳鉄部材、及び車両用エンジン |
| US8302305B2 (en) | 2006-07-05 | 2012-11-06 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Method for manufacturing cast iron member |
| JP2019098374A (ja) * | 2017-12-04 | 2019-06-24 | Dmg森精機株式会社 | レーザ積層造形装置及びレーザ積層方法 |
| US10967574B2 (en) | 2017-12-04 | 2021-04-06 | DMG MORI Company Limited | Laser additive manufacturing apparatus and laser additive manufacturing method |
| JP2018158379A (ja) * | 2017-12-11 | 2018-10-11 | トヨタ自動車株式会社 | バルブシート合金 |
| CN114016017A (zh) * | 2021-10-28 | 2022-02-08 | 山东大学 | 一种铸铁表面激光熔覆铜合金的方法及防爆叶轮表面结构 |
| CN114016017B (zh) * | 2021-10-28 | 2022-10-04 | 山东大学 | 一种铸铁表面激光熔覆铜合金的方法及防爆叶轮表面结构 |
| CN117691264A (zh) * | 2024-02-04 | 2024-03-12 | 蜂巢能源科技股份有限公司 | 电池壳体、电池外壳及电池 |
| CN117691264B (zh) * | 2024-02-04 | 2024-04-19 | 蜂巢能源科技股份有限公司 | 电池壳体、电池外壳及电池 |
| CN118814159A (zh) * | 2024-09-19 | 2024-10-22 | 山东银亿汇峰智能制造有限公司 | 一种深孔激光熔覆装置 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
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| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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