JPH07326050A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents
磁気記録媒体の製造方法Info
- Publication number
- JPH07326050A JPH07326050A JP12098894A JP12098894A JPH07326050A JP H07326050 A JPH07326050 A JP H07326050A JP 12098894 A JP12098894 A JP 12098894A JP 12098894 A JP12098894 A JP 12098894A JP H07326050 A JPH07326050 A JP H07326050A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ion
- thin film
- ferromagnetic metal
- metal thin
- vapor deposition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
- Physical Vapour Deposition (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 高真空下で酸化性ガスを導入しつつ非磁性支
持体上にCoを主成分とする強磁性金属薄膜を蒸着させ
ることからなる磁気記録媒体の製造方法において、電磁
変換特性を劣化させることなく、耐蝕性の向上したCo
系強磁性金属薄膜を磁気記録層として有する磁気記録媒
体を製造する。 【構成】 強磁性金属薄膜の表面層が形成される時に35
0eV 以上1000eV未満のエネルギーを有する不活性ガスの
イオン流を強磁性金属薄膜の蒸着領域に照射する。イオ
ン流照射時の強磁性金属薄膜の蒸着速度A(オングスト
ローム/秒)とイオン流の電流密度B(mA/cm2 )との
比B/Aは0.006 〜0.035 の範囲とする。
持体上にCoを主成分とする強磁性金属薄膜を蒸着させ
ることからなる磁気記録媒体の製造方法において、電磁
変換特性を劣化させることなく、耐蝕性の向上したCo
系強磁性金属薄膜を磁気記録層として有する磁気記録媒
体を製造する。 【構成】 強磁性金属薄膜の表面層が形成される時に35
0eV 以上1000eV未満のエネルギーを有する不活性ガスの
イオン流を強磁性金属薄膜の蒸着領域に照射する。イオ
ン流照射時の強磁性金属薄膜の蒸着速度A(オングスト
ローム/秒)とイオン流の電流密度B(mA/cm2 )との
比B/Aは0.006 〜0.035 の範囲とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は強磁性金属薄膜型磁気記
録媒体の製造方法に関するものである。
録媒体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】Coを主成分とする強磁性金属薄膜を磁
気記録層とした磁気記録媒体は、磁気特性・電磁変換特
性に優れることから、8mmVTR用磁気テープ(いわゆ
る蒸着テープ)、ハードディスク媒体等、広く使用され
るに至っている。
気記録層とした磁気記録媒体は、磁気特性・電磁変換特
性に優れることから、8mmVTR用磁気テープ(いわゆ
る蒸着テープ)、ハードディスク媒体等、広く使用され
るに至っている。
【0003】Co系合金はそのままでは耐蝕性に難があ
るため、耐蝕性元素を添加したり(CoCr、CoP
t)、あるいは部分酸化薄膜を形成して表面酸化層を耐
蝕保護層として使用するといった方策を採ることが多
い。
るため、耐蝕性元素を添加したり(CoCr、CoP
t)、あるいは部分酸化薄膜を形成して表面酸化層を耐
蝕保護層として使用するといった方策を採ることが多
い。
【0004】さらに耐蝕性を改善するため、(1) 薄膜磁
性層上に耐蝕性無機保護層を設けること(特開昭53-303
04号公報、特開昭54-143111 号公報等)、(2) 薄膜磁性
層表面を改質して耐蝕性のある酸化物層、炭化物層、窒
化物層等にすること(特開昭63-104220 号公報、特開平
3-201217 号公報、特開昭53-85403号公報等)、(3)防
錆機能のある潤滑剤、防錆剤等を薄膜磁性層上に直接あ
るいは無機保護層を介して設けること(特開昭58-19413
3 号公報、特開昭61-82325号公報等)も行われている。
性層上に耐蝕性無機保護層を設けること(特開昭53-303
04号公報、特開昭54-143111 号公報等)、(2) 薄膜磁性
層表面を改質して耐蝕性のある酸化物層、炭化物層、窒
化物層等にすること(特開昭63-104220 号公報、特開平
3-201217 号公報、特開昭53-85403号公報等)、(3)防
錆機能のある潤滑剤、防錆剤等を薄膜磁性層上に直接あ
るいは無機保護層を介して設けること(特開昭58-19413
3 号公報、特開昭61-82325号公報等)も行われている。
【0005】しかしながら、磁気記録を高密度化するた
めには磁気ヘッドと磁気記録媒体との間のスペースロス
は小さくすることが好ましく、前記(1)(2)の手法におい
ては耐蝕性を確保するに充分な厚さの層を形成しようと
するとスペースロスが大きくなり、高密度記録が困難に
なるという問題があった。また、前記(3) の手法のよう
に防錆剤を使用した場合は、比較的乾燥した雰囲気下で
は耐蝕性を高めることができるが、湿度が高くなってく
ると金属薄膜表面が結露し、さらにSO2 やH2 S等の
腐蝕性ガスの濃度が比較的高い雰囲気下では充分な耐蝕
性は得られなかった。
めには磁気ヘッドと磁気記録媒体との間のスペースロス
は小さくすることが好ましく、前記(1)(2)の手法におい
ては耐蝕性を確保するに充分な厚さの層を形成しようと
するとスペースロスが大きくなり、高密度記録が困難に
なるという問題があった。また、前記(3) の手法のよう
に防錆剤を使用した場合は、比較的乾燥した雰囲気下で
は耐蝕性を高めることができるが、湿度が高くなってく
ると金属薄膜表面が結露し、さらにSO2 やH2 S等の
腐蝕性ガスの濃度が比較的高い雰囲気下では充分な耐蝕
性は得られなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の問題点に鑑み、電磁変換特性を劣化させるこ
となく、耐蝕性の向上したCo系強磁性金属薄膜を磁気
記録層として有する磁気記録媒体の製造方法を提供する
ことにある。
従来技術の問題点に鑑み、電磁変換特性を劣化させるこ
となく、耐蝕性の向上したCo系強磁性金属薄膜を磁気
記録層として有する磁気記録媒体の製造方法を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気記録媒体の
製造方法は、高真空下で酸化性ガスを導入しつつ非磁性
支持体上にCoを主成分とする強磁性金属薄膜を蒸着さ
せるにあたって、前記強磁性金属薄膜の表面層が形成さ
れる時に350eV 以上1000eV未満のエネルギーを有する不
活性ガスのイオン流を前記強磁性金属薄膜の蒸着領域に
照射し、かつ前記イオン流を照射する時の前記強磁性金
属薄膜の蒸着速度A(オングストローム/秒)と前記イ
オン流の電流密度B(mA/cm2 )との比B/Aを0.006
〜0.035の範囲とすることを特徴とするものである。
製造方法は、高真空下で酸化性ガスを導入しつつ非磁性
支持体上にCoを主成分とする強磁性金属薄膜を蒸着さ
せるにあたって、前記強磁性金属薄膜の表面層が形成さ
れる時に350eV 以上1000eV未満のエネルギーを有する不
活性ガスのイオン流を前記強磁性金属薄膜の蒸着領域に
照射し、かつ前記イオン流を照射する時の前記強磁性金
属薄膜の蒸着速度A(オングストローム/秒)と前記イ
オン流の電流密度B(mA/cm2 )との比B/Aを0.006
〜0.035の範囲とすることを特徴とするものである。
【0008】本発明の製造方法は真空度10-3〜10-6Torr
で行うことが好ましく、5×10-4〜1×10-5Torrの高真
空度下で行うことがさらに好ましい。
で行うことが好ましく、5×10-4〜1×10-5Torrの高真
空度下で行うことがさらに好ましい。
【0009】本発明において、強磁性金属薄膜の金属成
分におけるCoの含有量は60〜100原子%とすることが
好ましく、より好ましくは70〜100 原子%、さらに好ま
しくは80〜100 原子%とする。Co含有量が低すぎると
結晶構造の変化により、磁気特性の劣化を招くことがあ
る。Co以外の金属としてはFe、Ni等を含むことが
できる。合金として特に好ましいものはFeが20原子%
未満のCo−Feである。強磁性金属薄膜はノイズを下
げるために多層化してもよい。
分におけるCoの含有量は60〜100原子%とすることが
好ましく、より好ましくは70〜100 原子%、さらに好ま
しくは80〜100 原子%とする。Co含有量が低すぎると
結晶構造の変化により、磁気特性の劣化を招くことがあ
る。Co以外の金属としてはFe、Ni等を含むことが
できる。合金として特に好ましいものはFeが20原子%
未満のCo−Feである。強磁性金属薄膜はノイズを下
げるために多層化してもよい。
【0010】強磁性金属薄膜を蒸着させるには、蒸発源
としてCoを主成分とする合金もしくはインゴットとそ
の他の金属のインゴットとを用いた二元蒸着等、周知の
蒸着法を用いることができる。
としてCoを主成分とする合金もしくはインゴットとそ
の他の金属のインゴットとを用いた二元蒸着等、周知の
蒸着法を用いることができる。
【0011】酸化性ガスの導入は成膜工程の後期に行う
ことが好ましい。連続蒸着法の場合は低入射角側で行う
ことが好ましく、固定基体蒸着法の場合はシャッターを
利用して調節することが好ましい。
ことが好ましい。連続蒸着法の場合は低入射角側で行う
ことが好ましく、固定基体蒸着法の場合はシャッターを
利用して調節することが好ましい。
【0012】本発明に用いられる酸化性ガスとしては酸
素含有量80〜100 %のものが好ましく、より好ましくは
酸素含有量90〜100 %のものとする。酸素は抗磁力、角
型比等の磁気特性を磁気記録媒体に付与するために不可
欠である。酸素以外のガスとしては不活性ガス(周期律
表第VIII族元素)を含有することができる。
素含有量80〜100 %のものが好ましく、より好ましくは
酸素含有量90〜100 %のものとする。酸素は抗磁力、角
型比等の磁気特性を磁気記録媒体に付与するために不可
欠である。酸素以外のガスとしては不活性ガス(周期律
表第VIII族元素)を含有することができる。
【0013】酸化性ガスの導入によって、強磁性金属薄
膜は部分的に酸化される。部分酸化された強磁性金属薄
膜中の酸素含有量は5〜30原子%とすることが好まし
い。酸素含有量が5原子%未満になると磁性粒子間の磁
気的分離が不充分となり、抗磁力Hcが低く、また、電
磁変換特性上ノイズの大きな媒体となることがある。酸
素含有量が30原子%を超えると、飽和磁束密度Bmの低
下が大きくなり、出力の低下をもたらすこともある。導
入するガスの組成は流量計等により制御することができ
る。
膜は部分的に酸化される。部分酸化された強磁性金属薄
膜中の酸素含有量は5〜30原子%とすることが好まし
い。酸素含有量が5原子%未満になると磁性粒子間の磁
気的分離が不充分となり、抗磁力Hcが低く、また、電
磁変換特性上ノイズの大きな媒体となることがある。酸
素含有量が30原子%を超えると、飽和磁束密度Bmの低
下が大きくなり、出力の低下をもたらすこともある。導
入するガスの組成は流量計等により制御することができ
る。
【0014】本発明に用いる非磁性支持体としては、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリイミド、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、三酢酸
セルロース、ポリカーボネート等の高分子フィルム材料
を用いることができる。その厚さは用途に依存する設計
事項であるが、通常は3〜30μm程度である。
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリイミド、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、三酢酸
セルロース、ポリカーボネート等の高分子フィルム材料
を用いることができる。その厚さは用途に依存する設計
事項であるが、通常は3〜30μm程度である。
【0015】非磁性支持体表面には耐久性向上の目的で
適当な表面構造を付与することができる。例えば、市販
の蒸着テープ用に採用されているような微小突起付与下
塗り層、ミミズ構造付与下塗り層等を設けることが好ま
しい。
適当な表面構造を付与することができる。例えば、市販
の蒸着テープ用に採用されているような微小突起付与下
塗り層、ミミズ構造付与下塗り層等を設けることが好ま
しい。
【0016】強磁性金属薄膜の全厚は500 〜3000オング
ストロームとすることが好ましく、より好ましくは1000
〜2000オングストロームとする。
ストロームとすることが好ましく、より好ましくは1000
〜2000オングストロームとする。
【0017】本発明において不活性ガスのイオン流を照
射しつつ成膜する強磁性金属薄膜の表面層は、強磁性金
属薄膜の非磁性支持体とは反対側の表面から深さ100 〜
300オングストロームまでの範囲の部分とすることが好
ましい。この表面層が100 オングストロームより薄いと
耐蝕性向上効果が不充分になることがあり、300 オング
ストロームより厚いと磁気特性および電磁変換特性が劣
化することがある。
射しつつ成膜する強磁性金属薄膜の表面層は、強磁性金
属薄膜の非磁性支持体とは反対側の表面から深さ100 〜
300オングストロームまでの範囲の部分とすることが好
ましい。この表面層が100 オングストロームより薄いと
耐蝕性向上効果が不充分になることがあり、300 オング
ストロームより厚いと磁気特性および電磁変換特性が劣
化することがある。
【0018】本発明においてイオン流の原料となる不活
性ガスとしては周期律表第VIII族の元素であればよく、
Ne、Ar、Kr、Xe等を主成分とするものが好まし
い。特にイオン電流密度を高くしやすい(イオン銃内の
放電が容易な)点および工業的利用性の観点から、Ar
を主成分としたものが好ましい。
性ガスとしては周期律表第VIII族の元素であればよく、
Ne、Ar、Kr、Xe等を主成分とするものが好まし
い。特にイオン電流密度を高くしやすい(イオン銃内の
放電が容易な)点および工業的利用性の観点から、Ar
を主成分としたものが好ましい。
【0019】イオン流を発生させるためのイオン源とし
てはカウフマン型、フリーマン型等のイオンガンを用い
ることができる。
てはカウフマン型、フリーマン型等のイオンガンを用い
ることができる。
【0020】イオンエネルギーは350eV 以上1000eV未満
とすることが本発明の効果を得るために必要であり、好
ましくは400 〜800eV 、より好ましくは400 〜600eV の
範囲とする。
とすることが本発明の効果を得るために必要であり、好
ましくは400 〜800eV 、より好ましくは400 〜600eV の
範囲とする。
【0021】イオン流を照射する時の強磁性金属薄膜の
蒸着速度A(オングストローム/秒)とイオン流の電流
密度B(mA/cm2 )との関係はB/A>0.035 ではスパ
ッタエッチングのために表面層の付着が少なく、耐蝕性
改善効果が小さくなり、B/A<0.006 でも耐蝕性改善
効果が小さくなる。B/Aのさらに好ましい範囲は0.01
0 〜0.030 である。
蒸着速度A(オングストローム/秒)とイオン流の電流
密度B(mA/cm2 )との関係はB/A>0.035 ではスパ
ッタエッチングのために表面層の付着が少なく、耐蝕性
改善効果が小さくなり、B/A<0.006 でも耐蝕性改善
効果が小さくなる。B/Aのさらに好ましい範囲は0.01
0 〜0.030 である。
【0022】強磁性金属薄膜の蒸着速度は小型装置の場
合は例えば水晶発振式膜厚モニターによって測定するこ
とができる。また、連続巻取装置の場合は透明度の高い
非磁性支持体を用い、予備実験によって透過光学濃度と
膜厚との関係を求めておき、成膜終了後の試料の光学濃
度を測定することで知ることができる。
合は例えば水晶発振式膜厚モニターによって測定するこ
とができる。また、連続巻取装置の場合は透明度の高い
非磁性支持体を用い、予備実験によって透過光学濃度と
膜厚との関係を求めておき、成膜終了後の試料の光学濃
度を測定することで知ることができる。
【0023】イオンビーム照射を伴う磁気記録媒体の製
造方法に関する先行技術としては以下のようなものがあ
る。
造方法に関する先行技術としては以下のようなものがあ
る。
【0024】特開昭63-152017 号公報、特開昭63-24171
8 号公報にはFeを主成分とする蒸発材料と窒素あるい
は窒素と酸素とを主成分とするイオンビームとを組み合
わせて高耐蝕性の窒化鉄膜あるいは酸化窒化鉄膜を得る
ことが記載されている。
8 号公報にはFeを主成分とする蒸発材料と窒素あるい
は窒素と酸素とを主成分とするイオンビームとを組み合
わせて高耐蝕性の窒化鉄膜あるいは酸化窒化鉄膜を得る
ことが記載されている。
【0025】特開昭62-146435 号公報には酸化性イオン
ビームを照射して不動態膜を作成することが記載されて
いるが、用いられるイオンビームは本発明のものとは異
なって酸化性であり、また、そのエネルギーは本発明の
ものよりは低エネルギー(100eV 以下)である。
ビームを照射して不動態膜を作成することが記載されて
いるが、用いられるイオンビームは本発明のものとは異
なって酸化性であり、また、そのエネルギーは本発明の
ものよりは低エネルギー(100eV 以下)である。
【0026】特開昭57-117126 号公報、特開昭64-21719
号公報、特開昭62-192921 号公報には磁性膜表面に高エ
ネルギーのイオンビームを照射して保護皮膜を得ること
が記載されているが、酸素イオンビームのエネルギーは
本発明のイオンエネルギーよりも1桁以上高く、得られ
るのは非磁性膜の層であり、その目的も抗磁力と耐久性
の向上であって、本発明の目的である耐蝕性の向上につ
いては記載するところがない。
号公報、特開昭62-192921 号公報には磁性膜表面に高エ
ネルギーのイオンビームを照射して保護皮膜を得ること
が記載されているが、酸素イオンビームのエネルギーは
本発明のイオンエネルギーよりも1桁以上高く、得られ
るのは非磁性膜の層であり、その目的も抗磁力と耐久性
の向上であって、本発明の目的である耐蝕性の向上につ
いては記載するところがない。
【0027】特開昭61-273738 号公報は磁性膜表面には
Arイオンビームを照射して保護皮膜を得ることが記載
されているが、そのエネルギーは本発明のものよりも2
桁以上高く、その目的も抗磁力と耐久性の向上であっ
て、本発明の目的である耐蝕性の向上については記載す
るところがない。
Arイオンビームを照射して保護皮膜を得ることが記載
されているが、そのエネルギーは本発明のものよりも2
桁以上高く、その目的も抗磁力と耐久性の向上であっ
て、本発明の目的である耐蝕性の向上については記載す
るところがない。
【0028】特開昭58-161138 号公報、特開昭54-14713
号公報、特開昭56-90432号公報にはイオンビーム併用に
より蒸気流の角度を変化させ、実効的斜め蒸着を行って
蒸着効率を高めることが記載されているが、その照射エ
ネルギーは本発明のものよりも1桁以上高い。
号公報、特開昭56-90432号公報にはイオンビーム併用に
より蒸気流の角度を変化させ、実効的斜め蒸着を行って
蒸着効率を高めることが記載されているが、その照射エ
ネルギーは本発明のものよりも1桁以上高い。
【0029】特開平1-208730 号公報、特開平2-16842
7 号公報にはイオンビーム併用により結晶成長性を高
め、磁気異方性を向上させることが記載されているが、
その照射エネルギーは本発明のものよりも1桁以上高
い。
7 号公報にはイオンビーム併用により結晶成長性を高
め、磁気異方性を向上させることが記載されているが、
その照射エネルギーは本発明のものよりも1桁以上高
い。
【0030】非磁性支持体上に強磁性金属薄膜を蒸着さ
せてなる蒸着原反には公知の様々な処理を行うことがで
きる。
せてなる蒸着原反には公知の様々な処理を行うことがで
きる。
【0031】例えば、磁気記録媒体の耐蝕性をさらに向
上させるために強磁性金属薄膜上に公知の防錆剤を付与
することができる。防錆剤としては、ベンゾトリアゾー
ル、ベンズイミダゾール、プリン、ピリミジン等の窒素
含有複素環類およびこれらの母核にアルキル側鎖等を導
入した誘導体、ベンゾチアゾール、2−メルカプトベン
ゾチアゾール、テトラザインデン環化合物、チオウラシ
ル化合物等の窒素および硫黄含有複素環類およびこれら
の誘導体が好ましい。
上させるために強磁性金属薄膜上に公知の防錆剤を付与
することができる。防錆剤としては、ベンゾトリアゾー
ル、ベンズイミダゾール、プリン、ピリミジン等の窒素
含有複素環類およびこれらの母核にアルキル側鎖等を導
入した誘導体、ベンゾチアゾール、2−メルカプトベン
ゾチアゾール、テトラザインデン環化合物、チオウラシ
ル化合物等の窒素および硫黄含有複素環類およびこれら
の誘導体が好ましい。
【0032】また、硬質無機保護膜を強磁性金属薄膜上
に設けることができる。硬質無機保護膜としてはビッカ
ース硬度2000以上の硬質炭素膜が好ましく、これは例え
ば、炭化水素とアルゴンガスを原料としたプラズマCV
D法により設けることができる。硬質無機保護膜上にP
FPE等、公知の潤滑剤を塗布することにより、トップ
コート層を付与することもできる。
に設けることができる。硬質無機保護膜としてはビッカ
ース硬度2000以上の硬質炭素膜が好ましく、これは例え
ば、炭化水素とアルゴンガスを原料としたプラズマCV
D法により設けることができる。硬質無機保護膜上にP
FPE等、公知の潤滑剤を塗布することにより、トップ
コート層を付与することもできる。
【0033】磁気記録媒体の走行耐久性をさらに改善す
るために、非磁性支持体の磁性層がある面とは反対側の
面に公知のバックコート層を設けることができる。バッ
クコート層は典型的には非磁性粉末と結合剤樹脂とを主
成分とする塗布層であり、その厚さは通常0.2 〜1.0 μ
m、好ましくは0.3 〜0.7 μmである。非磁性粉末とし
ては各種の無機顔料、カーボンブラック、研磨剤粉末等
を使用することができる。結合剤樹脂としてはニトロセ
ルロースや塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン等、塗布型
磁性層用結合樹脂として使用されている各種のものを使
用することができる。
るために、非磁性支持体の磁性層がある面とは反対側の
面に公知のバックコート層を設けることができる。バッ
クコート層は典型的には非磁性粉末と結合剤樹脂とを主
成分とする塗布層であり、その厚さは通常0.2 〜1.0 μ
m、好ましくは0.3 〜0.7 μmである。非磁性粉末とし
ては各種の無機顔料、カーボンブラック、研磨剤粉末等
を使用することができる。結合剤樹脂としてはニトロセ
ルロースや塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン等、塗布型
磁性層用結合樹脂として使用されている各種のものを使
用することができる。
【0034】また、磁気記録媒体の表面性を制御し、走
行性を安定化するためには非磁性支持体表面に径が好ま
しくは8〜25nm、より好ましくは10〜20nmのフィラーを
106〜108 個/mm2 程度の密度で付与すると有効であ
る。
行性を安定化するためには非磁性支持体表面に径が好ま
しくは8〜25nm、より好ましくは10〜20nmのフィラーを
106〜108 個/mm2 程度の密度で付与すると有効であ
る。
【0035】カセットに組み込まれた磁気テープを製造
するには、テープの平坦化(カッピング、カーリングの
修正)ならびに熱収縮のために熱処理を行い、所定の幅
にスリットし、ブレード処理、ワイピング処理により磁
気記録媒体表面の機械的クリーニングを行った後、所定
のカセットに組み込めばよい。
するには、テープの平坦化(カッピング、カーリングの
修正)ならびに熱収縮のために熱処理を行い、所定の幅
にスリットし、ブレード処理、ワイピング処理により磁
気記録媒体表面の機械的クリーニングを行った後、所定
のカセットに組み込めばよい。
【0036】
【作用】本発明の磁気記録媒体の製造方法によれば、強
磁性金属薄膜の表面層が形成される時に350eV 以上1000
eV未満のエネルギーを有する不活性ガスのイオン流を強
磁性金属薄膜の蒸着領域に照射し、かつイオン流を照射
する時の強磁性金属薄膜の蒸着速度A(オングストロー
ム/秒)とイオン流の電流密度B(mA/cm2 )との比B
/Aを0.006 〜0.035 の範囲とすることにより、その表
面層を耐蝕性皮膜とすることができる。この皮膜は磁性
を有しているため、従来の耐蝕性保護膜、酸化物層、炭
化物層、窒化物層のようにスペースロスとなることがな
く、したがって、強磁性金属薄膜の磁気特性および電磁
変換特性を低下させることなく、耐蝕性を顕著に改善す
ることができる。
磁性金属薄膜の表面層が形成される時に350eV 以上1000
eV未満のエネルギーを有する不活性ガスのイオン流を強
磁性金属薄膜の蒸着領域に照射し、かつイオン流を照射
する時の強磁性金属薄膜の蒸着速度A(オングストロー
ム/秒)とイオン流の電流密度B(mA/cm2 )との比B
/Aを0.006 〜0.035 の範囲とすることにより、その表
面層を耐蝕性皮膜とすることができる。この皮膜は磁性
を有しているため、従来の耐蝕性保護膜、酸化物層、炭
化物層、窒化物層のようにスペースロスとなることがな
く、したがって、強磁性金属薄膜の磁気特性および電磁
変換特性を低下させることなく、耐蝕性を顕著に改善す
ることができる。
【0037】本発明の作用機構は明確になっていない
が、耐蝕性改善効果に好適なイオンエネルギー範囲が存
在すること、強磁性金属薄膜の蒸着速度とイオン流の電
流密度との関係にも望ましい範囲が存在することに鑑み
ると、支持体へのCoの被着、反応ガスとの反応、およ
びイオンのスパッタエッチングの3者が共に関与してい
るものと考えられる。特に腐蝕の核となる物質がスパッ
タエッチングによって除去されることにより、耐蝕性改
善効果がもたらされている可能性が高い。
が、耐蝕性改善効果に好適なイオンエネルギー範囲が存
在すること、強磁性金属薄膜の蒸着速度とイオン流の電
流密度との関係にも望ましい範囲が存在することに鑑み
ると、支持体へのCoの被着、反応ガスとの反応、およ
びイオンのスパッタエッチングの3者が共に関与してい
るものと考えられる。特に腐蝕の核となる物質がスパッ
タエッチングによって除去されることにより、耐蝕性改
善効果がもたらされている可能性が高い。
【0038】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。
する。
【0039】図1は本発明の磁気記録媒体の製造方法に
使用することのできる装置の1例を示す模式図である。
使用することのできる装置の1例を示す模式図である。
【0040】この装置は真空槽1を有しており、真空槽
1内には支持体ホルダー2が配され、非磁性支持体3が
取り付けられるようになっている。また、加熱手段4
(例えば電子ビーム加熱手段)が蒸着材料5(例えばC
o100 )を溶解・蒸発可能とするように設けられてお
り、さらに、開閉可能な蒸発源用シャッター6Aおよびイ
オンガン用シャッター6B、膜厚モニター7、酸化性ガス
導入口8A、イオンガン用ガス導入口8B、イオンガン9が
適切な位置に配されている。
1内には支持体ホルダー2が配され、非磁性支持体3が
取り付けられるようになっている。また、加熱手段4
(例えば電子ビーム加熱手段)が蒸着材料5(例えばC
o100 )を溶解・蒸発可能とするように設けられてお
り、さらに、開閉可能な蒸発源用シャッター6Aおよびイ
オンガン用シャッター6B、膜厚モニター7、酸化性ガス
導入口8A、イオンガン用ガス導入口8B、イオンガン9が
適切な位置に配されている。
【0041】本発明の磁気記録媒体の製造方法はこの装
置を用いて例えば以下のような手順により実施される。
置を用いて例えば以下のような手順により実施される。
【0042】まず、支持体ホルダー2に非磁性支持体3
(例えばポリイミドフィルム)を取り付ける。この時に
非磁性支持体3の取付角度を設定値に合わせる。例え
ば、蒸着入射角(θMIN )が65°となるようにする。
(例えばポリイミドフィルム)を取り付ける。この時に
非磁性支持体3の取付角度を設定値に合わせる。例え
ば、蒸着入射角(θMIN )が65°となるようにする。
【0043】次いで、図示しない排気系により、真空槽
1を所定の真空度、例えば10-6Torrまで排気する。非磁
性支持体3の表面にはイオンボンバード処理を施す。
1を所定の真空度、例えば10-6Torrまで排気する。非磁
性支持体3の表面にはイオンボンバード処理を施す。
【0044】加熱手段4により蒸着材料5を溶解し、蒸
発させる。この時、蒸発源用シャッター6Aは閉じた状態
にしておく。加熱電流値(例えば電子ビーム電流値)を
調節し、膜厚モニター7で測定される蒸着速度が所定の
値(例えば30オングストローム/秒)となるようにして
おく。
発させる。この時、蒸発源用シャッター6Aは閉じた状態
にしておく。加熱電流値(例えば電子ビーム電流値)を
調節し、膜厚モニター7で測定される蒸着速度が所定の
値(例えば30オングストローム/秒)となるようにして
おく。
【0045】イオンガン用ガス導入口8Bより不活性ガス
(例えばArガス)を所定量(例えば3SCCM)導入
する。イオンガン9を作動させ、所定の加速電圧(例え
ば500eV )およびイオン電流密度(例えば0.3mA /c
m2 )のイオン流を発生させる。この時、イオンガン用
シャッター6Bは閉じた状態にある。イオン電流密度はフ
ァラデーカップ等の計測手段を用いて予備的にオフライ
ン測定しておくこともできるし、ファラデーカップをイ
オンガン用シャッター6Bのイオンガンに対向する位置に
配してインライン計測することもできる。
(例えばArガス)を所定量(例えば3SCCM)導入
する。イオンガン9を作動させ、所定の加速電圧(例え
ば500eV )およびイオン電流密度(例えば0.3mA /c
m2 )のイオン流を発生させる。この時、イオンガン用
シャッター6Bは閉じた状態にある。イオン電流密度はフ
ァラデーカップ等の計測手段を用いて予備的にオフライ
ン測定しておくこともできるし、ファラデーカップをイ
オンガン用シャッター6Bのイオンガンに対向する位置に
配してインライン計測することもできる。
【0046】酸化性ガス導入口8Aから所定のガスを所定
量(例えば酸素ガスを3SCCM)導入する。蒸発源用
シャッター6Aを開き、所定膜厚(例えば1800オングスト
ローム厚)の強磁性金属薄膜(例えばCo−CoO膜)
を非磁性支持体3上に蒸着させる。ここでイオンガン用
シャッター6Bを開き、イオンガン9によるArイオン流
照射を併用しつつ、さらに所定膜厚(例えば200 オング
ストローム)の強磁性金属薄膜(例えばCo−CoO
膜)を蒸着させる。所定の最終膜厚(例えば2000オング
ストローム)に達した時点で蒸発源用シャッター6Aおよ
びイオンガン用シャッター6Bを閉じる。
量(例えば酸素ガスを3SCCM)導入する。蒸発源用
シャッター6Aを開き、所定膜厚(例えば1800オングスト
ローム厚)の強磁性金属薄膜(例えばCo−CoO膜)
を非磁性支持体3上に蒸着させる。ここでイオンガン用
シャッター6Bを開き、イオンガン9によるArイオン流
照射を併用しつつ、さらに所定膜厚(例えば200 オング
ストローム)の強磁性金属薄膜(例えばCo−CoO
膜)を蒸着させる。所定の最終膜厚(例えば2000オング
ストローム)に達した時点で蒸発源用シャッター6Aおよ
びイオンガン用シャッター6Bを閉じる。
【0047】このようにして、例えば磁性層総厚2000オ
ングストロームの磁気記録媒体において、厚さ200 オン
グストロームの表面層が形成される時にArイオン照射
を併用することができる。
ングストロームの磁気記録媒体において、厚さ200 オン
グストロームの表面層が形成される時にArイオン照射
を併用することができる。
【0048】なお、θMIN =65°のような斜め蒸着のみ
ならず、垂直蒸着に近い場合(具体的にはθMIN =0°
やθMIN =20°のような場合)にも、磁気記録媒体全体
の磁気特性は入射角に応じて変化するものの、耐蝕性向
上効果は同様に実現されることが実験的に確認された。
ならず、垂直蒸着に近い場合(具体的にはθMIN =0°
やθMIN =20°のような場合)にも、磁気記録媒体全体
の磁気特性は入射角に応じて変化するものの、耐蝕性向
上効果は同様に実現されることが実験的に確認された。
【0049】図2は本発明の磁気記録媒体の製造方法に
使用することのできる装置の他の1例を示す模式図であ
る。
使用することのできる装置の他の1例を示す模式図であ
る。
【0050】この装置の真空槽10は送出・巻取室10a 、
ボンバード室10b 、蒸着室10c からなる。送出・巻取室
10a には送出軸12、ガイドローラー14A,14B 、巻取軸16
が配されている。ボンバード室10b にはボンバードボッ
クス18A,18B が配されている。各室を外周部が通過する
ように冷却キャン20が設けられており、非磁性支持体30
が送出軸12から送り出され、ガイドローラー14A を経由
し、冷却キャン20の外周部に沿って搬送され、成膜領域
32,34 を通り、ガイドローラー14B を経由し、巻取軸16
に巻き取られるようになっている。
ボンバード室10b 、蒸着室10c からなる。送出・巻取室
10a には送出軸12、ガイドローラー14A,14B 、巻取軸16
が配されている。ボンバード室10b にはボンバードボッ
クス18A,18B が配されている。各室を外周部が通過する
ように冷却キャン20が設けられており、非磁性支持体30
が送出軸12から送り出され、ガイドローラー14A を経由
し、冷却キャン20の外周部に沿って搬送され、成膜領域
32,34 を通り、ガイドローラー14B を経由し、巻取軸16
に巻き取られるようになっている。
【0051】蒸着室10c にはルツボ40が電子銃42からの
電子ビーム44によってルツボ40中の蒸着材料50(例えば
Co100 )が溶解・蒸発するように配されている。ま
た、蒸気流規制板60,62,64、イオン流規制板66、酸化性
ガス導入口80、イオンガン用ガス導入口82、イオンガン
90が適切な位置に設けられている。
電子ビーム44によってルツボ40中の蒸着材料50(例えば
Co100 )が溶解・蒸発するように配されている。ま
た、蒸気流規制板60,62,64、イオン流規制板66、酸化性
ガス導入口80、イオンガン用ガス導入口82、イオンガン
90が適切な位置に設けられている。
【0052】本発明の磁気記録媒体の製造方法はこの装
置を用いて例えば以下のような手順により実施される。
置を用いて例えば以下のような手順により実施される。
【0053】図示しない排気系で各室を所定の真空度ま
で排気する。蒸着室10c は例えば10-5Torrまで排気す
る。
で排気する。蒸着室10c は例えば10-5Torrまで排気す
る。
【0054】蒸着材料50を電子銃42からの電子ビーム44
によって溶解・蒸発させる。この時、図示しない蒸発源
用シャッターは閉じておく。
によって溶解・蒸発させる。この時、図示しない蒸発源
用シャッターは閉じておく。
【0055】イオンガン用ガス導入口82より不活性ガス
(例えばArガス)を所定量導入し、イオンガン90を作
動させて所定の電圧・電流とする。この時、図示しない
イオンガン用シャッターは閉じておく。
(例えばArガス)を所定量導入し、イオンガン90を作
動させて所定の電圧・電流とする。この時、図示しない
イオンガン用シャッターは閉じておく。
【0056】非磁性支持体30(例えば、7μm厚ポリエ
チレンテレフタレートフィルム)を送出軸12から送り出
し、例えば表面温度−5℃に冷却した冷却キャン20に沿
って搬送させ、支持体搬送モードとする。
チレンテレフタレートフィルム)を送出軸12から送り出
し、例えば表面温度−5℃に冷却した冷却キャン20に沿
って搬送させ、支持体搬送モードとする。
【0057】ボンバードボックス18A,18B を作動させ
る。これは、ボックス内に例えば酸素を導入し、所定の
電圧をかけてグロー放電を起こさせることによって行わ
れる。ボンバードボックス18A は支持体表面のクリーニ
ングおよび支持体表面の電荷の除去のために、ボンバー
ドボックス18B は支持体中に埋め込まれた高エネルギー
(高電位)電子の中和および巻取安定化のために主とし
て作用する。
る。これは、ボックス内に例えば酸素を導入し、所定の
電圧をかけてグロー放電を起こさせることによって行わ
れる。ボンバードボックス18A は支持体表面のクリーニ
ングおよび支持体表面の電荷の除去のために、ボンバー
ドボックス18B は支持体中に埋め込まれた高エネルギー
(高電位)電子の中和および巻取安定化のために主とし
て作用する。
【0058】酸化性ガス導入口80より所定のガスを所定
量(例えば酸素を150 SCCM)導入する。蒸発源用シ
ャッターおよびイオンガン用シャッターを開き、支持体
搬送速度は所定の値(例えば20m/分)としておき、所
定の厚さの強磁性薄膜が得られるように電子ビーム44の
パワーを調節する。この場合、ルツボ40と成膜領域324
との相対位置、成膜領域32,34 の開口幅等により、強磁
性薄膜総厚に対するイオン照射を併用した表面層の比率
が決まる。これらのパラメーターならびにイオンガンの
作動条件は予備実験を基に決定すればよい。これらは図
1に示した実施例と同様の手順で行うことができる。
量(例えば酸素を150 SCCM)導入する。蒸発源用シ
ャッターおよびイオンガン用シャッターを開き、支持体
搬送速度は所定の値(例えば20m/分)としておき、所
定の厚さの強磁性薄膜が得られるように電子ビーム44の
パワーを調節する。この場合、ルツボ40と成膜領域324
との相対位置、成膜領域32,34 の開口幅等により、強磁
性薄膜総厚に対するイオン照射を併用した表面層の比率
が決まる。これらのパラメーターならびにイオンガンの
作動条件は予備実験を基に決定すればよい。これらは図
1に示した実施例と同様の手順で行うことができる。
【0059】所定長の成膜が完了した後、蒸発源用シャ
ッターおよびイオンガン用シャッターを閉じる。
ッターおよびイオンガン用シャッターを閉じる。
【0060】従来、このような巻取型蒸着機を用いた蒸
着テープの製造においては、成膜領域34を設けることな
く、酸化性ガス導入口80から多量の酸素ガスを導入する
方法が一般的であり、磁性膜表面に形成される酸化物層
で耐蝕性や耐久性を付与していたが、効果を高めるため
には酸化物層を例えば300 オングストロームまで厚くし
なければならず、それでも効果は不充分であった。本実
施例によれば、酸化性ガス導入口80からのガス導入量は
少なくてよく、酸化物層の厚さは無視し得る程度として
も耐蝕性を確保できる。
着テープの製造においては、成膜領域34を設けることな
く、酸化性ガス導入口80から多量の酸素ガスを導入する
方法が一般的であり、磁性膜表面に形成される酸化物層
で耐蝕性や耐久性を付与していたが、効果を高めるため
には酸化物層を例えば300 オングストロームまで厚くし
なければならず、それでも効果は不充分であった。本実
施例によれば、酸化性ガス導入口80からのガス導入量は
少なくてよく、酸化物層の厚さは無視し得る程度として
も耐蝕性を確保できる。
【0061】このようにして得た強磁性薄膜上に例えば
DLC膜、c−BN膜、ZrOx膜等の硬質無機保護膜
を50〜150 オングストロームの厚さで設け、耐久性を向
上させることができる。本発明により形成された強磁性
薄膜表面は従来のものよりも活性が高く、例えばDLC
膜のような硬質保護膜をプラズマCVD成膜した時に密
着性が良好であり、より薄い保護膜(例えば膜厚75オン
グストローム)でも充分な耐久性を確保することができ
る。
DLC膜、c−BN膜、ZrOx膜等の硬質無機保護膜
を50〜150 オングストロームの厚さで設け、耐久性を向
上させることができる。本発明により形成された強磁性
薄膜表面は従来のものよりも活性が高く、例えばDLC
膜のような硬質保護膜をプラズマCVD成膜した時に密
着性が良好であり、より薄い保護膜(例えば膜厚75オン
グストローム)でも充分な耐久性を確保することができ
る。
【0062】実験例 図1に示した装置を用い、磁気記録媒体の試料を製造し
た。
た。
【0063】非磁性支持体として厚さ25μmのポリイミ
ドフィルム、蒸着材料としてCo100 を用い、蒸着入射
角(θMIN )は65°とし、蒸発源と支持体の中心間の距
離を250mm とし、支持体中心の鉛直下方に蒸発源の中心
を位置させた。ただし、試料No.45 およびNo.46 につい
ては、蒸着入射角を20°とした。
ドフィルム、蒸着材料としてCo100 を用い、蒸着入射
角(θMIN )は65°とし、蒸発源と支持体の中心間の距
離を250mm とし、支持体中心の鉛直下方に蒸発源の中心
を位置させた。ただし、試料No.45 およびNo.46 につい
ては、蒸着入射角を20°とした。
【0064】真空槽の到達真空度は1×10-6Torrとし
た。酸化性ガス導入口と支持体の中心間の距離を100mm
とした。酸化性ガスとして酸素ガスをCo蒸着速度が30
オングストローム/秒の時は3SCCM、Co蒸着速度
が90オングストローム/秒の時は6SCCM導入した。
た。酸化性ガス導入口と支持体の中心間の距離を100mm
とした。酸化性ガスとして酸素ガスをCo蒸着速度が30
オングストローム/秒の時は3SCCM、Co蒸着速度
が90オングストローム/秒の時は6SCCM導入した。
【0065】イオン源と支持体の中心間の距離は100mm
とし、イオン照射角度は装置の鉛直方向から50°とし
た。ただし、試料No.45 およびNo.46 についてはイオン
照射角度を装置鉛直方向から80°とした。イオンガン用
ガス導入口からはArガスを3SCCM導入した。イオ
ン流の電圧および電流密度は以下の表に示すように変化
させた。
とし、イオン照射角度は装置の鉛直方向から50°とし
た。ただし、試料No.45 およびNo.46 についてはイオン
照射角度を装置鉛直方向から80°とした。イオンガン用
ガス導入口からはArガスを3SCCM導入した。イオ
ン流の電圧および電流密度は以下の表に示すように変化
させた。
【0066】支持体ホルダーは水冷し、成膜中の支持体
温度が20〜50℃の範囲内となるようにした。強磁性薄膜
の総厚は2000オングストロームとし、イオン流照射を併
用する表面層の厚さは以下の表に示した通りとした。
温度が20〜50℃の範囲内となるようにした。強磁性薄膜
の総厚は2000オングストロームとし、イオン流照射を併
用する表面層の厚さは以下の表に示した通りとした。
【0067】その他の手順は前述の図1に示した実施例
に従った。
に従った。
【0068】製造した試料の耐蝕性は0.05mol/l のHC
l水溶液に3分間浸漬した後の外観を目視評価し、以下
のような格付けを行った。
l水溶液に3分間浸漬した後の外観を目視評価し、以下
のような格付けを行った。
【0069】○ :変化なし △ :一部変色あり × :一部強磁性金属薄膜溶解 ××:強磁性金属薄膜溶解 磁気特性はVSMを用いて測定した。
【0070】これらの測定結果を以下の表に示す。
【0071】
【表1】
【0072】イオン流の照射を行わなかった試料No.2に
対し、本発明に従った試料No.1では耐蝕性が向上した。
イオンエネルギーが本発明のものよりも低い試料No.4で
は耐蝕性が低くなり、また、イオンエネルギーが本発明
のものよりも高い試料No.6でも、構造変化あるいはエッ
チング作用の効きすぎにより、耐蝕性が低くなった。さ
らに、強磁性金属薄膜の蒸着速度A(オングストローム
/秒)とイオン流の電流密度B(mA/cm2 )との比B/
Aが本発明のものよりも高すぎても(試料No.8)、低す
ぎても(試料No.10 )、耐蝕性は劣化した。
対し、本発明に従った試料No.1では耐蝕性が向上した。
イオンエネルギーが本発明のものよりも低い試料No.4で
は耐蝕性が低くなり、また、イオンエネルギーが本発明
のものよりも高い試料No.6でも、構造変化あるいはエッ
チング作用の効きすぎにより、耐蝕性が低くなった。さ
らに、強磁性金属薄膜の蒸着速度A(オングストローム
/秒)とイオン流の電流密度B(mA/cm2 )との比B/
Aが本発明のものよりも高すぎても(試料No.8)、低す
ぎても(試料No.10 )、耐蝕性は劣化した。
【0073】
【表2】
【0074】イオン流の照射を行わなかった試料No.22
に対し、本発明に従った試料No.21では耐蝕性が向上し
た。イオンエネルギーが本発明のものよりも低い試料N
o.24では耐蝕性が低くなり、また、イオンエネルギーが
本発明のものよりも高い試料No.27 でも、構造変化ある
いはエッチング作用の効きすぎにより、耐蝕性が低くな
った。さらに、強磁性金属薄膜の蒸着速度A(オングス
トローム/秒)とイオン流の電流密度B(mA/cm2 )と
の比B/Aが本発明のものよりも低すぎる場合(試料N
o.31 )にも耐蝕性は劣化した。
に対し、本発明に従った試料No.21では耐蝕性が向上し
た。イオンエネルギーが本発明のものよりも低い試料N
o.24では耐蝕性が低くなり、また、イオンエネルギーが
本発明のものよりも高い試料No.27 でも、構造変化ある
いはエッチング作用の効きすぎにより、耐蝕性が低くな
った。さらに、強磁性金属薄膜の蒸着速度A(オングス
トローム/秒)とイオン流の電流密度B(mA/cm2 )と
の比B/Aが本発明のものよりも低すぎる場合(試料N
o.31 )にも耐蝕性は劣化した。
【0075】
【表3】
【0076】試料No.42 のように表面層が薄くなると耐
蝕性が低下し、試料No.44 のように表面層が厚くなると
抗磁力Hcが低下した。垂直蒸着に近い場合でも、イオ
ン流の照射を行わなかった試料No.46 に対し、本発明に
従った試料No.45 では耐蝕性が向上した。
蝕性が低下し、試料No.44 のように表面層が厚くなると
抗磁力Hcが低下した。垂直蒸着に近い場合でも、イオ
ン流の照射を行わなかった試料No.46 に対し、本発明に
従った試料No.45 では耐蝕性が向上した。
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、Co系強磁性金属薄膜
表面層の成膜時にイオン照射を併用することにより、耐
蝕性皮膜が形成される。この皮膜は磁性を有するため、
スペースロスにならない。したがって、本発明によれ
ば、電磁変換特性を劣化させることなく、耐蝕性の向上
したCo系強磁性金属薄膜を有する磁気記録媒体を製造
することができる。
表面層の成膜時にイオン照射を併用することにより、耐
蝕性皮膜が形成される。この皮膜は磁性を有するため、
スペースロスにならない。したがって、本発明によれ
ば、電磁変換特性を劣化させることなく、耐蝕性の向上
したCo系強磁性金属薄膜を有する磁気記録媒体を製造
することができる。
【図1】本発明の磁気記録媒体の製造方法に用いられる
装置の1例を示す模式図
装置の1例を示す模式図
【図2】本発明の磁気記録媒体の製造方法に用いられる
装置の他の1例を示す模式図
装置の他の1例を示す模式図
1 真空槽 2 支持体ホルダー 3 非磁性支持体 4 加熱手段 5 蒸着材料 6A 蒸発源用シャッター 6B イオンガン用シャッター 7 膜厚モニター 8A 酸化性ガス導入口 8B イオンガン用ガス導入口 9 イオンガン 10 真空槽 10a 送出・巻取室 10b ボンバード室 10c 蒸着室 12 送出軸 14A ガイドローラー 14B ガイドローラー 16 巻取軸 18A ボンバードボックス 18B ボンバードボックス 20 冷却キャン 30 非磁性支持体 32 成膜領域 34 成膜領域 40 ルツボ 42 電子銃 44 電子ビーム 50 蒸着材料 60 蒸気流規制板 62 蒸気流規制板 64 蒸気流規制板 66 イオン流規制板 80 酸化性ガス導入口 82 イオンガン用ガス導入口 90 イオンガン
Claims (2)
- 【請求項1】 高真空下で酸化性ガスを導入しつつ非磁
性支持体上にCoを主成分とする強磁性金属薄膜を蒸着
させることからなる磁気記録媒体の製造方法において、
前記強磁性金属薄膜の表面層が形成される時に350eV 以
上1000eV未満のエネルギーを有する不活性ガスのイオン
流を前記強磁性金属薄膜の蒸着領域に照射し、かつ前記
イオン流を照射する時の前記強磁性金属薄膜の蒸着速度
A(オングストローム/秒)と前記イオン流の電流密度
B(mA/cm2 )との比B/Aを0.006 〜0.035 の範囲と
することを特徴とする製造方法。 - 【請求項2】 前記表面層の厚さを前記強磁性金属薄膜
の前記非磁性支持体とは反対側の表面から深さ100 〜30
0 オングストロームまでの範囲とすることを特徴とする
請求項1記載の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12098894A JPH07326050A (ja) | 1994-06-02 | 1994-06-02 | 磁気記録媒体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12098894A JPH07326050A (ja) | 1994-06-02 | 1994-06-02 | 磁気記録媒体の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07326050A true JPH07326050A (ja) | 1995-12-12 |
Family
ID=14800006
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP12098894A Withdrawn JPH07326050A (ja) | 1994-06-02 | 1994-06-02 | 磁気記録媒体の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07326050A (ja) |
-
1994
- 1994-06-02 JP JP12098894A patent/JPH07326050A/ja not_active Withdrawn
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JPS6154022A (ja) | 磁気記録媒体の製造方法 | |
| JPS6153770B2 (ja) | ||
| JPH01223632A (ja) | 磁気記録媒体の製造方法及び製造装置 | |
| JPH07326050A (ja) | 磁気記録媒体の製造方法 | |
| US7214436B2 (en) | Magnetic recording medium and process for producing same | |
| JPS61276124A (ja) | 垂直磁気記録媒体の製造方法 | |
| JPH0479065B2 (ja) | ||
| JPS6154041A (ja) | 磁気記録媒体の製造方法 | |
| JP2883334B2 (ja) | 磁気記録媒体の製造方法 | |
| JPH0896339A (ja) | 磁気記録媒体 | |
| JPH09204634A (ja) | 磁気記録媒体 | |
| JPH01243234A (ja) | 磁気記録媒体の製造方法 | |
| JPH10162356A (ja) | 磁気記録媒体の製造方法及び製造装置 | |
| JPH0528487A (ja) | 磁気記録媒体の製造方法 | |
| JPH07121872A (ja) | 磁気記録媒体の製造方法 | |
| JPH09198644A (ja) | 磁気記録媒体 | |
| JPH09204637A (ja) | 磁気記録媒体 | |
| JPH10269743A (ja) | 磁気記録テープカセット | |
| JPH09204630A (ja) | 磁気記録媒体 | |
| JPH09204633A (ja) | 磁気記録媒体 | |
| JPH09198642A (ja) | 磁気記録媒体 | |
| JPH06112043A (ja) | 磁気記録媒体及びその製造方法 | |
| JPH0927125A (ja) | 磁気記録媒体の製造方法 | |
| JPH09198643A (ja) | 磁気記録媒体 | |
| JPH061541B2 (ja) | 磁気記録媒体 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20010904 |