JPH07330940A - 熱可塑性樹脂発泡体とその製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂発泡体とその製造方法

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JPH07330940A
JPH07330940A JP12260294A JP12260294A JPH07330940A JP H07330940 A JPH07330940 A JP H07330940A JP 12260294 A JP12260294 A JP 12260294A JP 12260294 A JP12260294 A JP 12260294A JP H07330940 A JPH07330940 A JP H07330940A
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Japan
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foam
resin
foaming
cell
thermoplastic resin
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JP12260294A
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Inventor
Taku Nakao
卓 中尾
Yoshimitsu Inoue
好充 井上
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 気泡径が1〜20μm、気泡壁存在率が80
〜100%、連続気泡率が90〜100%、密度が20
〜100kg/m3 である熱可塑性樹脂発泡体およびそ
の製造方法。 【効果】 連続気泡をなす気泡径が著しく小さく、また
その気泡壁の欠損部が小さいため、圧縮強度が良好な低
密度樹脂発泡体であるため、従来にはない軽量充填剤と
なりうる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微細気泡でかつ、その
気泡が連続気泡である熱可塑性樹脂発泡体に関し、各種
フィルター、吸着剤等の用途に用いられる充填材等に用
いられる発泡体に関するものである。特に真空断熱材用
充填材として用いた場合、従来の無機系の充填材に比べ
著しく軽量化できる特徴を有する発泡体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、連続微細孔を形成した樹脂発
泡体(もしくは樹脂多孔質体)を得る方法としては、
樹脂と溶剤とを均一に溶解混合させた後、冷却もしくは
反応により系を相分離させ、その状態で必要に応じて凍
結し溶剤を抽出して多孔質体を得る、いわゆる相分離法
で多孔質体を得る方法(特開昭63−17904号公
報、特公平4−50339号公報等)、熱可塑性樹脂
を無機微粒子と可塑剤とともに押出しし、シート状や繊
維状物を得た後、可塑剤と無機微粒子とを抽出し多孔質
シートや中空糸等を得る方法(特公昭58−32171
号公報、特公昭60−23130号公報等)、反応硬
化型のポリウレタン樹脂等のスポンジ状の多孔質体を得
る方法(特公昭44−30753号公報、特開昭61−
51021号公報、特開平4−63845号公報等)、
オレフィン系樹脂等を押出機にて溶融し、さらに発泡
剤を注入した後、解圧して発泡させる、いわゆる押出発
泡技術を応用して連続気泡発泡体を得る方法(特開昭6
3−309535号公報、特開平4−170443号公
報、特公平5−23297号公報等)が知られている。
しかしながら、の方法は、発泡体の気泡径に相当する
樹脂骨格部分が数μm程度以下の均一微細な連続孔が得
られるものの、その孔形状は気泡壁に相当する部分が少
なく、単に樹脂は多孔質体骨格の支柱をなしている程度
にしかすぎない。また樹脂部分は溶液中から相分離後析
出させ形成されたものであり、延伸配向等による強度向
上寄与はまったくなく、この種の低密度多孔質体の全体
としての強度は弱く、そのためその用途は限られてい
た。の方法では微細な連続孔が形成され強度的には強
いものの、厚いシート状のものや低密度のものを得るの
が困難であった。の方法ではと類似の形状で気泡壁
に相当する部分の割合の少ない連続気孔であり、しかも
その気孔径は小さくしてもせいぜい60〜70μm程度
であり、その気孔径を小さくすることは種々検討されて
いるが技術的に困難であった。の方法は、連続的に生
産できるものの、その気泡径は小さくてもせいぜい20
0μm程度であり、その気泡径を小さくすることは技術
的に困難であった。
【0003】以上のように、種々の方法が検討されてき
たが、連続気泡を有する発泡体において、従来の技術で
は、気泡径、気泡形状及び発泡体密度にはそれぞれその
製法からくる制限があった。その中でも特に、気泡径2
0μm以下の微細な気泡構造を有し、しかもその気泡壁
を実質的に残存させたまま連通気泡となっている、低密
度の樹脂発泡体は達しえないものであった。
【0004】一方、熱可塑性樹脂の使用量を削減するこ
とを目的とし、強度を落とさない範囲で軽量化を実現す
る微細気泡樹脂発泡体が検討され、発泡体気泡径を小さ
くする試みが種々検討されてきている。たとえば、米国
特許第4473665号及びPolymer Eng.
Sc.,27,P485〜492、ANTEC.’9
1.P1406〜1410等には、微細気泡の樹脂発泡
体の製法が記載されているが、その目的からしていずれ
も独立気泡でかつ発泡倍率が2〜3倍(高くてもせいぜ
い10倍程度)の発泡体であり、本発明の連続気泡でか
つ低密度(高倍発泡)の樹脂発泡体とは明らかにその狙
いとするところは異なっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術で
は達成不可能であった、いわゆる樹脂発泡体の基本的気
泡形状である多面体構造の微細な気泡を有し、かつ実質
的にその気泡壁を有したままで連続気泡である低密度樹
脂発泡体を課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、従来全く検討されていなかった、微細気泡でかつ、
実質的に気泡膜を有したままの微細連続気泡樹脂発泡体
に関して鋭意研究をした結果、本発明を完成するに至っ
た。すなわち本発明の熱可塑性樹脂発泡体は、気泡径が
1〜20μm、気泡壁存在率が80〜100%、連続気
泡率が90〜100%、密度20〜100kg/m 3
あることを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体である。
【0007】また本発明の製造方法は、粒子径が0.0
1〜0.3μmの樹脂微粒子を0.05〜5重量%ブレ
ンドさせた熱可塑性樹脂を一次発泡倍率1.5〜7倍で
多段発泡にて発泡することを特徴とする熱可塑性樹脂発
泡体の製造方法である。以下、その内容について説明す
る。本発明の発泡体は、実質的に気泡壁を有する気泡か
らなる発泡体であり、多面体形状気泡の面部いわゆる気
泡壁は有したまま、その気泡壁の一部に気体、液体等の
物質が通過しうる穴や裂け目等に代表される欠損部を有
することで気泡が連通化していることを特徴とする発泡
体である。
【0008】本発明における気泡及び気泡壁とは、各
々、書籍「セル構造体・多孔質材料の活用のために」
(L.J.Gibson、M.F.Ashby著、大塚
正久訳、(株)内田老鶴圃発行所)にて規定されてい
る、セル及びセルフェースの定義に対応するものであ
る。具体的には、セルとは稜(エッジ)と面(フェー
ス)をもつ多面体形状の微小空間のことであり、セルフ
ェースとはセルを囲む面(フェース)で定義される部分
である。
【0009】本発明の発泡体の気泡径は1〜20μmの
範囲にある必要がある。ここで、発泡体の気泡径とは、
100〜1000倍程度の倍率の電子顕微鏡写真にて、
発泡体の断面を観察し、ASTMD−3576に準拠し
て、平均して求めた値である。微細気泡としての特徴、
たとえば真空断熱用の充填剤として利用した場合、10
-1mmHg以上の減圧度で性能を発揮するために20μ
m以下である必要がある。また1μm未満の気泡径のも
のは低密度(高倍発泡させることが困難)のものを得る
ことが困難になるため制限される。気泡径は、好ましく
は2〜15μm、より好ましくは3〜10μm、さらに
好ましくは4〜8μmである。
【0010】本発明の発泡体の気泡壁存在率は80〜1
00%の範囲にある必要がある。発泡体の気泡壁存在率
は、具体的には以下のような測定方法により求める。ま
ず、走査型電子顕微鏡観察等により得られた、発泡体の
任意断面の拡大写真(気泡が少なくとも100個以上観
察される倍率で観測する。)から気泡壁の欠損部の有無
及びその形状が十分に観察しうる気泡を少なくとも20
個以上選定する。つぎに画像解析装置等を使用して、選
定した気泡の各々の断面積を求めた後、その総和(この
値をAとする)を求める。さらに欠損部を有する気泡に
ついてはその各々の欠損部面積(写真上で測定しうるよ
うに、欠損部分を断面に垂直に投影した時の面積)を、
同様にして画像解析装置等により求めた後、その総和
(この値をBとする)を求める。ここでは気泡壁存在率
とは{1−(B/A)}×100で得られる値(%)を
採用する。ここで気泡壁存在率が100%のものでは、
走査型電子顕微鏡では面積を有するものとして観察が困
難であるマイクロクラックが気泡壁に存在し、気泡の連
通しているものと考えられる。とくに本発明の80%以
上の気泡壁を有する構造を特徴とする発泡体は、その気
泡壁に一部欠損部はあるものの、発泡時に延伸された気
泡壁が実質的に存在しているため、圧縮強度が高いこと
が最大の特徴である。気泡壁存在率が80%未満のもの
は、発泡体としての圧縮強度が低下する傾向があるため
制限される。気泡壁存在率は好ましくは90〜100
%、より好ましくは95〜100%、さらに好ましくは
98〜100%の範囲である。ここで再度強調しておく
べきところは、本発明の発泡体の気泡形状は、連続気泡
を有するポリウレタン系発泡体や、前述の相分離法にて
形成した多孔質体の特徴的構造である、樹脂固体部分が
多面体の稜部(セルエッジ:前出の参考書籍にて定義さ
れているように、セルフェースを縁どるエッジ部分を意
味する。)に細長い線状の支柱の如く凝集した構造と
は、大きくその気泡形状が異なるという点である。
【0011】本発明の発泡体の連続気泡率は90〜10
0%の範囲にある必要がある。連続気泡としての特徴、
たとえば真空断熱用の充填材として利用した場合、真空
減圧時間の短縮と独立気泡部からの空気の拡散による減
圧度低下の防止のために、90〜100%である必要が
ある。この連続気泡率は、ASTMD−2856に準拠
して求めた独立気泡率から算出した値である。ただし、
発泡体表面の未発泡層、いわゆるスキン層が形成された
発泡体の場合、スキン層を除去あるいは一部破壊した後
の実使用状態での値を採用する。スキン層を除去、また
は破壊する方法としては、機械的にスキン層部分をスラ
イスして除去する方法、スキン層に孔または溝を形成す
る方法、添加剤によりスキン層を可塑化し破泡しやすく
する方法、または添加剤により発泡加熱時に熱が集中し
て発熱するようにする方法等が適宜選択されうる。連続
気泡率は、好ましくは95〜100%、より好ましくは
97〜100%、さらに好ましくは99〜100%であ
る。
【0012】本発明の発泡体の発泡体密度は、20〜1
00kg/m3 である必要がある。密度が20kg/m
3 未満のものは発泡体強度が弱くなる傾向のため制限さ
れ、また密度が100kg/m3 を越えるものは軽量化
の度合いの傾向が小さくなるため制限される。本発明の
発泡体密度は、好ましくは30〜80kg/m3 、より
好ましくは35〜70kg/m3 、さらに好ましくは4
0〜60kg/m3 の範囲である。この発泡体密度は、
JISK−6767に準拠して求めた値である。
【0013】本発明の発泡体に用いられる熱可塑性樹脂
としては、一般公知のポリカーボネート系樹脂、ポリメ
タクリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリフェニ
レンエーテル系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスル
フォン系樹脂、ポリエーテルスルフォン系樹脂、ポリエ
ーテルイミド系樹脂等の非晶性熱可塑性樹脂や、ポリエ
チレンテレフタレート系樹脂、ポリフェニレンスルフィ
ド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、
ポリエチレン系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂等の結
晶性熱可塑性樹脂が、その最適な発泡剤との組み合わせ
で適宜用いうる。好ましくは、室温での圧縮強度の保持
性から熱可塑性樹脂のガラス転移点が室温以上である、
いわゆる硬質熱可塑性樹脂が用いられる。その中でも、
特に非晶性の硬質熱可塑性樹脂は微細気泡形成のしやす
い特徴をもつ。さらに好ましくは、ポリカーボネート系
樹脂、ポリメタクリレート系樹脂、ポリスチレン系樹
脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂である。特に好まし
くは、いわゆるビスフェノールAを主鎖に含むポリカー
ボネート系樹脂、メチルメタクリレートを主鎖に含むポ
リメタクリレート系樹脂である。
【0014】これらの樹脂は、単独で用いうるが、発泡
時の加熱状態での樹脂溶融粘度及び、発泡剤の保持性を
改良するために、ブレンドして用いても良い。1さら
に、必要に応じて、発泡性を著しく変化させない範囲
で、公知の滑剤、熱安定剤、紫外線吸収剤等の添加剤を
加えて用いても良い。次に本発明の製造方法について説
明する。
【0015】本発明の発泡体を製造するには、発泡初期
に、通常の発泡体に比べ著しく微細な気泡を均一に生成
させる処方と、生成させた微細な気泡を連続気泡化させ
る処方とを組み合わせることが重要である。微細な気泡
を均一に生成する処方としては、高圧下で物理発泡剤を
樹脂に含浸させた後発泡させる、いわゆる含浸発泡にお
いては、高圧容器中に入れた熱可塑性樹脂に、気相状
態、液相状態、超臨界状態での高圧の炭酸ガス、窒素ガ
ス、酸素ガス、空気等を温度、時間を考慮して含浸し、
加熱して微細気泡を発生させる方法が取りうる。押出発
泡では、押出機内で溶融した樹脂に高圧の炭酸ガス、窒
素ガス、酸素ガス、空気等を注入して、ダイス出口で樹
脂粘度を高めに調節して開圧し発泡させる方法が取りう
る。また、生成させた微細な気泡を連続気泡化させる処
方としては、含浸発泡では含浸後の発泡条件である発泡
温度と発泡倍率との関係を調べ、樹脂の発泡倍率のピ−
クを示す温度で加熱することにより、破泡(気泡壁の一
部破壊による欠陥部形成での連続気泡化)を促進する方
法が取りうる。しかしながら、本発明の発泡体を得る方
法として特に適した方法は下記に示す本発明の製造方法
である。以下、その内容について説明する。
【0016】本発明の製造方法は、粒子径が0.01〜
0.3μmの樹脂微粒子を0.05〜5重量%ブレンド
させた熱可塑性樹脂を一次発泡倍率1.5〜7倍で多段
発泡にて発泡することを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体
の製造方法である。まず微細気泡を生成させる処方から
記述する。従来より押出発泡でタルク、シリカ、酸化マ
グネシウム等の無機微粒子を添加して発泡時の発泡造核
剤として使用することが検討されてきた(例えば、J.
Appl.Polym.Sci.、28、1983等)
が、その気泡径はせいぜい小さくても200μm程度で
あった。さらに気泡径を小さくする目的で文献(ANT
EC.’92.P1078〜1081、ANTEC.’
93.P1828〜1831)にHIPS(耐衝撃性ポ
リスチレン樹脂)を用いた微細気泡樹脂発泡体に関する
記載されている。一般にポリスチレンの耐衝撃性を改良
する目的で、ポリスチレン樹脂中にブタジエン系ゴム微
粒子をブレンドした樹脂が知られている。これらはゴム
微粒子の大きさやそのブレンド量等が種々検討されてい
るが、耐衝撃性改良のためにはゴム微粒子径が1〜2.
5μm程度で、ブレンド量が10〜30重量%のものが
好適とされきた。この文献ではHIPSではポリブタジ
エン樹脂部分とポリスチレン樹脂との熱膨張係数が異な
ることにより発生する熱応力により平均2μm径のゴム
粒子中にミクロボイドが発生するためそこが発泡核とな
ると推定されており、微粒子密度と気泡密度(気泡密度
とは発泡体の断面顕微鏡写真から実測される、発泡体単
位体積当たりの気泡数を個/cm3 の単位で表現したも
のであり、気泡径が小さいほど、発泡倍率が高いほどよ
り気泡密度は高くなる)とが108 〜1010個/cm3
の範囲において比例すること、またポリブタジエン微粒
子径が2μmのものは発泡核としての効果があり、0.
025μmのものは小さすぎるためその効果がないこと
から明かではないが有効に寄与する微粒子径の臨界径が
存在することも記載されている。ただし発泡倍率に関す
る記載は無いが、本発明に比べ低発泡倍率であると推定
される。本発明ではこの文献に記載されている気泡密度
よりもさらに高いレベル(気泡密度でいうと1010〜1
13個/cm3 の範囲)にある必要があり、しかも低密
度にするため発泡倍率を高くするには気泡内の発泡剤の
保持性を良くする必要があることに加えて、気泡壁を破
り連続気泡化させるという相矛盾したことを達成させな
ければならない。文献で実証されている記載の微粒子径
2μmをブレンドした系では不可能である。つまり、気
泡壁に存在する微粒子が大きすぎると気泡壁が必要発泡
倍率に達する前に破泡するし、微粒子が小さすぎると有
効な発泡核となりえないか、もしくは気泡壁にマイクロ
クラックを発生させず連通気泡化の程度が低くなる。た
だし、この微粒子の気泡壁での挙動は、発泡剤による微
粒子の可塑化程度による気泡壁に追随した変形の割合、
もしくは発泡温度における粘弾性の変化割合によりある
程度の相違が発生しうる。このような実施結果を踏ま
え、本発明を進める中で、ゴム微粒子径とそのブレンド
量に関して従来の耐衝撃性改良で検討されていたものと
は異なった領域において、微細発泡可能とする条件を見
いだした。この効果は樹脂と微粒子界面が発泡初期の発
泡核となっているためと考えられ、またさらにはこの界
面が最終的に連続気泡とするための気泡壁のマイクロク
ラック生成に寄与しているものと考えられる。具体的に
は、粒子径0.01〜0.3μmの樹脂微粒子を熱可塑
性樹脂に対して0.05〜5重量%ブレンドすることに
より、微細発泡が可能となった。ここでいう樹脂微粒子
とは、一般公知の乳化重合、シード重合、分散重合、懸
濁重合法等により重合される球形微粒子であり、微粒子
分散性や含浸後の発泡剤分散性等を考慮してコアシェル
型や多層構造をもつ微粒子であっても良い。好ましく
は、多層構造アクリル(ポリメチルメタクリレート)ゴ
ム系微粒子、スチレン−ブタジエン系ゴム微粒子、アク
リロニトリル−スチレン−ブタジエン系微粒子、シリコ
ン系微粒子、ポリスチレン微粒子、ポリメチルメタクリ
レート微粒子等が用いられる。微粒子径は小さすぎると
発泡核となりえず、また大きすぎると連続気泡化が初期
に起こり、発泡倍率が低くなる傾向にあるため制限され
る。微粒子径は好ましくは0.05〜0.2μm、さら
に好ましくは0.07〜0.15μmの範囲である。こ
こでの微粒子径は電子顕微鏡等観測から平均して求めた
値を採用する。さらに微粒子のブレンド量は少なすぎる
と発泡核数が少なく(気泡径が大きくなる)なり、また
多すぎると連続気泡化が初期に起こり、発泡倍率が低く
なる傾向にあるため制限される。ブレンド量は好ましく
は0.05〜1重量%、さらに好ましくは0.07〜
0.5重量%である。分散性及び界面の接着性とを改良
する必要に応じて、公知の相溶化剤等を併用してもよ
い。
【0017】さらに加えてこの処方として、ポリカーボ
ネート樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂等のよう
な本来結晶性であるが、加工時の急冷処理等で非晶状態
をとりうる樹脂では、発泡させる時点で微結晶を生成さ
せておくことにより、非常に微細な気泡を形成しうる。
たとえば、発泡剤含浸前の熱処理や溶剤処理、及び/ま
たは炭酸ガス等の可塑化能力のある発泡剤含浸時に、微
結晶を形成しうる処理が適宜選択される。具体的には、
ポリカーボネート樹脂をアセトンを15容量%程度含む
脂肪族系炭化水素系混合溶剤に浸漬し溶剤処理し、その
後炭酸ガスを含浸し、発泡したものは、非常に微細な気
泡を有する発泡体となる。これは、溶剤処理に加えて、
炭酸ガス含浸したことにより、ポリカーボネート樹脂中
に微結晶(DSC:10℃/分昇温条件による結晶化度
が5%未満が好ましい)が均一に生成し、それが発泡核
となり、気泡核数が著しく増加したことによる効果と考
えられる。また、発泡核となり得る微結晶を生成させた
効果を発揮させる点で、結晶化度は0.1%以上に調整
することが好ましい。
【0018】次に、生成させた微細気泡を連続気泡化さ
せる処方に関して記述する。本発明の製造方法におい
て、上記の如く調整した樹脂を発泡させる方法として
は、高圧下で物理発泡剤を樹脂に含浸させる、いわゆる
含浸発泡および押出機内で溶融した樹脂に発泡剤を圧入
して均一に混合した後、圧を解放して発泡させる、いわ
ゆる押出発泡等、適宜選択できるが、いずれの場合も通
常の一段の発泡時に発泡と破泡(気泡壁の一部破壊によ
る欠損部形成での連続気泡化)が同時に本発明の発泡体
の物性を満足できない場合、得られた発泡体に再度物理
発泡剤を含浸し再度発泡するという多段発泡を行うこと
が非常に有効である。これは、発泡の一段目は多数の発
泡核を形成することを目的とし発泡倍率1.5〜7倍に
抑え、さらに発泡の二段目以降は一次発泡で形成された
発泡体に形成された気泡内部の気泡圧を高めることで、
発泡倍率の高倍化と破泡を目的とした処方である。必要
に応じて、さらに含浸、発泡を行う三段以上の多段の発
泡法を取り得ることはいうまでもない。一次発泡倍率が
1.5倍未満では、気泡が不均一に生成する傾向があ
り、また7倍を越えるものはその段階で気泡の合一によ
り気泡径が増大することと、破泡により発泡高倍化が困
難になる傾向があるため制限される。一次発泡倍率は好
ましくは2〜6倍、より好ましくは2.5〜5倍であ
る。一次含浸で用いる物理発泡剤の含浸量は発泡体密度
つまり発泡倍率を考慮しながら6〜40重量部の範囲で
適宜選択しうる。好ましくは8〜30重量部、より好ま
しくは10〜24重量部である。
【0019】本発明で用いる物理発泡剤としては、一般
公知の発泡体に用いられる溶剤系発泡剤、有機及び無機
系ガス発泡剤が適宜選択されうる。具体的にはノルマル
ブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、シクロペンタ
ン、ノルマルヘキサン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、アセトン、メ
チルエチルケトン等のケトン系炭化水素、メタノール、
エタノール等アルコール系炭化水素、ジヒドロジフルオ
ロメタン、ペンタフルオロエタン、1,1,2,2−テ
トラフルオロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロ
エタン、1,1,1−トリフルオロエタン、1,1−ジ
フルオロエタン、1,2−ジフルオロエタン等の含フッ
素炭化水素、炭酸ガスや、窒素ガス、酸素ガス等の無機
ガス等である。発泡体単位体積あたりの気泡核数を出来
るだけ多くすること、つまり一定発泡倍率での気泡径を
小さくするためには、炭酸ガスが特に好ましい。また、
発泡時の気泡核数を増やす目的にて、炭酸ガスに他の物
理発泡剤を併用あるいは追含浸しても良い。発泡剤の含
浸量は、用いる物理発泡剤により適宜選択されうるが、
通常3〜25重量部用いられる。好ましくは、5〜20
重量部、より好ましくは7〜15重量部である。
【0020】二次以降の発泡に再度含浸する物理発泡剤
としては、一次発泡倍率や含浸による可塑化程度、二次
以降の発泡温度、発泡倍率、連続気泡化率等を考慮し
て、後述の物理発泡剤の中から適宜選択されうる。二次
以降の発泡時には前段で発泡で形成した独立気泡の気泡
壁を破泡させながら発泡させなければなならいため、気
泡内ガス圧力を高めにする必要があり、その条件を満た
す範囲で発泡剤の含浸量は発泡体密度つまり発泡倍率を
考慮しながら6〜40重量部の範囲で適宜選択しうる。
好ましくは8〜30重量部、より好ましくは10〜24
重量部である。
【0021】本発明で用いうる物理発泡剤は、公知の方
法、たとえば熱可塑性樹脂のビーズ、パウダー、ペレッ
トやシート状物等を入れたオートクレーブ等の高圧容器
内に導入され、高圧条件下にて含浸される。含浸条件お
よび含浸量は、必要とされる発泡倍率、発泡温度を考慮
して適宜選択されうる。また、押出発泡の場合は、溶融
した樹脂に物理的発泡剤を分散混合さる手法にて含浸状
態を選択しうる。また、懸濁重合で生産されうる熱可塑
性樹脂のビーズ状のものを発泡させる場合は、その懸濁
重合の後半に物理発泡剤を添加して、発泡性ビーズを得
ることもできる。
【0022】発泡時の加熱手段としては、一次発泡、以
降の多段発泡も含め公知の方法である、熱風加熱、加熱
オイル加熱、遠赤外線加熱、スチーム加熱等が適宜選択
される。特に、スチレン系樹脂やポリカーボネート樹脂
等の比較的高い水蒸気透過性をもつ樹脂は、その特性を
有効に利用して、スチーム加熱した場合は高倍発泡体が
得られる。
【0023】本発明の発泡体は、スチレン系ビーズ発泡
体に代表されるような粒子形状の発泡体や、シート形状
の発泡体まで任意の形状のものが簡易なプロセスにて得
られることも特徴である。
【0024】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明す
る。
【0025】
【実施例1】特開平3−68627号公報記載の方法に
て、ジフェニルカーボネートと2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパンとから製造されたポリカーボ
ネート樹脂(重量平均分子量56,000)のペレット
を、押出機を用いてシリンダー温度320℃で溶融押出
しを行い、厚さ1mmのシートを作成した。
【0026】このシートから20×30mmのサンプル
を切り出し、小型オートクレーブに入れ、液化炭酸ガス
を5℃で40kg/cm2 となるよう圧入し24時間放
置した。その後、圧を解放してサンプルの重量を測定し
たところ、サンプル重量に対して13.5重量部、炭酸
ガスが含浸されていた。この含浸サンプルを、温度15
0℃のオイルバスに30秒間浸漬し加熱して、一次発泡
させたところ、倍率4.8倍の発泡体が得られた。
【0027】この一次発泡品を再度小型オートクレーブ
に入れ、同様に炭酸ガスを60kg/cm2 まで圧入
し、23℃で24時間放置した。その後、圧を解放して
サンプル重量に対して15重量部炭酸ガスが含浸されて
いる状態まで、23℃で放置した。この含浸サンプル
を、温度190℃のオイルバスに15秒間浸漬し加熱し
て二次発泡させたところ、密度57kg/m3 で気泡径
7μmの発泡体が得られた。
【0028】この発泡体断面の1000倍の電子顕微鏡
写真を画像処理解析装置(日本アビオニクス社(株)製
SPICCA−IIを使用)にて求めた気泡壁存在率は
98%であり、発泡体の連続気泡率(スキン層の影響を
除くためにサンプルを4分割し測定した)は99%であ
った。よって、ほとんどの気泡が連続気泡であるにも関
わらず、実質的に気泡壁を有していることが分かった。
【0029】
【実施例2〜5】実施例2〜4は実施例1と同じ樹脂
を、実施例5は重量平均分子量30,000のポリカー
ボネート樹脂(帝人化成(株)製パンライトK−130
0)を用いて実施例1と同様な方法で、表1に示す条件
で発泡体を製造した。得られた発泡体の物性を表1に示
す。
【0030】
【実施例6】ポリメチルメタクリレート樹脂(旭化成工
業(株)製デルペット980N)にアクリル系微粒子
(旭化成工業(株)製アクリルゴムSRS:粒子径0.
1μm)を0.1重量%の割合でドライブレンドした
後、噛み合い型同方向二軸押出機にて250℃にて押出
後、水冷乾燥し溶融ブレンドペレットを得た。このブレ
ンドペレットをプレス成形して、厚さ1mmのシートを
得た。このシートから20×30mmのサンプルを切り
出し、小型オートクレーブに入れ、液相状態のHFC1
34a(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)で8
0℃60時間かけて含浸したところ、含浸量は25重量
部であった。この含浸サンプルを150℃のシリコンオ
イルバスに30秒浸漬して発泡し、発泡倍率6.5倍の
一次発泡品を得た。このサンプルを再度オートクレーブ
に入れ気相状態のHFC134aで30℃48時間かけ
て含浸したところ、含浸量は35重量部であった。この
含浸サンプルを150℃のシリコンオイルバスに30秒
間浸漬し二次発泡体を得た。この発泡体の気泡径は3μ
m、気泡壁存在率が95%、連続気泡率が95%、密度
が70kg/m3 であった。
【0031】
【実施例7】実施例1と同じシートから30×20mm
のサンプルを切り出し、アセトン:nペンタン=20:
80(容量比)の混合溶液に室温で24時間浸漬し、1
0重量部混合溶剤を含む溶剤処理シートを得た。このシ
ートを小型オートクレーブに入れ、炭酸ガスを40kg
/cm2 まで圧入し、5℃にて24時間放置した。その
後、圧を解放してサンプルの重量を測定したところ、サ
ンプル重量に対して20重量部、炭酸ガスと溶剤が含浸
されていた。この含浸サンプルの一部をDSCにてその
結晶化度を測定したところ3%以下ではあるが、含浸前
のシートでは観測されなかった一部結晶化がみられた。
【0032】この含浸サンプルを、温度150℃のオイ
ルバスに30秒間浸漬し加熱して、一次発泡させたとこ
ろ、発泡倍率3.0倍の発泡体が得られた。この一次発
泡品を再度小型オートクレーブに入れ、同様に炭酸ガス
を40kg/cm2 まで圧入し、室温で24時間放置し
た。その後圧を解放して室温でエージングし、サンプル
重量に対して13重量部炭酸ガスが含浸されている状態
にした。
【0033】この含浸サンプルを、温度190℃のオイ
ルバスに15秒間浸漬し加熱して、二次発泡させたとこ
ろ、気泡径は5μm、気泡壁存在率は99%、連続気泡
率は90%で、密度は50kg/m3 の発泡体が得られ
た。この発泡体は実施例1に比べ溶剤処理により発泡核
が増加し、気泡径が小さくなったと考えられる。
【0034】
【比較例1】実施例1と同じ樹脂を用いて実施例1と同
じ条件で得られた一次含浸サンプルを温度190℃のオ
イルバスにて30秒間浸漬し加熱して発泡体を得た。得
られた発泡体の気泡径は9μm、気泡壁存在率は99
%、密度は45kg/m3 であったが、連続気泡率は5
7%と実施例に比べ低い値であった。
【0035】
【比較例2】実施例5と同じポリカーボネート樹脂を1
0重量部とジオキサン/シクロヘキサンの混合溶媒(7
0:30容量%)を90重量部とを、直径50cmの金
属製円筒容器に深さ1cm程度になる量入れ、オイルバ
ス上で60℃に加熱し均一に溶解させた。この容器をド
ライアイスバスに急激に浸漬し、固化温度以下にまで急
冷し樹脂多孔質中間体を得た。この中間体を凍結乾燥機
を用いて多孔質構造を保持させたまま溶媒を除去して樹
脂多孔質体を得た。この樹脂多孔質体の気泡径(発泡体
での気泡径に相当する部分の径)は5μmで、気泡壁存
在率は0%であり、連続気泡率が100%、密度が11
5kg/m3 であった。この樹脂多孔質体は気泡壁存在
率から分かるように気泡壁が実質的になく、その圧縮強
度は本発明の発泡体に比べ著しく低かった。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂発泡体は、連続微
細気泡を均一に形成した低密度発泡体であり、しかもそ
の気泡が実質的に気泡壁を有しているため強度的に優れ
ている。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気泡径が1〜20μm、気泡壁存在率が
    80〜100%、連続気泡率が90〜100%、密度が
    20〜100kg/m3 であることを特徴とする熱可塑
    性樹脂発泡体。
  2. 【請求項2】 粒子径が0.01〜0.3μmの樹脂微
    粒子を0.05〜5重量%ブレンドさせた熱可塑性樹脂
    を一次発泡倍率1.5〜7倍で多段発泡にて発泡するこ
    とを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体の製造方法。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂として、炭酸ガス含浸によ
    りその結晶化度が0.1〜5%となるように調節したポ
    リカ−ボネ−ト系樹脂を用いる請求項2記載の熱可塑性
    樹脂発泡体の製造方法。
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