JPH07331011A - 摺動性組成物 - Google Patents

摺動性組成物

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JPH07331011A
JPH07331011A JP14226594A JP14226594A JPH07331011A JP H07331011 A JPH07331011 A JP H07331011A JP 14226594 A JP14226594 A JP 14226594A JP 14226594 A JP14226594 A JP 14226594A JP H07331011 A JPH07331011 A JP H07331011A
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Norio Tanaka
功雄 田中
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Abstract

(57)【要約】 【目的】耐摩耗性及び摺動性の要求される部分に適用す
ることのできる摺動性組成物を提供する。 【構成】摺動性組成物を構成するベースレジンに潤滑性
充填材と耐摩耗性充填材とを適宜量配合して成形する。
つまり、ベースレジンとして四フッ化エチレン樹脂とポ
リエーテルスルホンとを適宜量配合し、潤滑性充填材と
してカーボン粉末、グラファイト、二硫化モリブデンの
一種又は複数種を適宜量配合し、耐摩耗性充填材として
板状のチタン酸カリウム、ウォレストナイト、ゾノトラ
イト、アラミド繊維の一種を適宜量配合することで、耐
摩耗性及び機械的強度が格段に向上し、長期間に於いて
優れたシール性が得られると共に、交換回数を削減し
て、コストの低減を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば、ピストンリ
ング、ロッドパッキン、ベアリング等の摺動性及び耐摩
耗性が要求される部分に用いられる摺動性組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、上述例のような部分に用いられる
摺動性組成物としては、例えば、ベースレジンとなる四
フッ化エチレン樹脂に、全芳香族ポリエステル、ポリイ
ミド、ポリフェニレンサルファイド等の耐熱性樹脂を適
宜量配合し、さらに、ガラス繊維、カーボン繊維、炭酸
カルシウム、タルク、ガラス粉、銅、雲母等の充填材を
適宜量配合してなる組成物がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のような
充填材を添加した組成物は、表2に示すように、摩擦係
数及び摩耗係数が大きい。また、相手材を損傷しやす
く、攻撃性が大きいという特性を有している。その組成
物を適宜部分に用いた場合、相手材に生じる摩耗量が大
きく、損傷や破損等が起きることがあるため、長期間に
於いて良好なシール性を確保することができない。且
つ、図3に示すように、PV値が高くなると組成物の摩
耗係数が急激に大きくなり、組成物及び相手材に異常摩
耗が生じるという問題点を有している。
【0004】また、組成物及び相手材が短期間で摩耗す
るため、定期的に交換する必要性があるが、例えば、ポ
リエーテルケトン(PEK)を使用する組成物(特開平
2−212539号公報)は、ポリエーテルスルホン
(PES)を使用する本発明の組成物に比べて高価であ
り、製品化したときの価格が約4倍〜約5倍となるた
め、交換時期が短くなると、必然的に交換回数も多くな
り、コストアップとなる問題点を有している。
【0005】この発明は上記問題に鑑み、組成物のベー
スレジンに四フッ化エチレン樹脂とポリエーテルスルホ
ンとを配合し、そのベースレジンに潤滑性充填材と耐摩
耗性充填材とを配合することにより、耐摩耗性及び機械
的強度が格段に向上し、長期間に於いて優れたシール性
が得られると共に、交換回数を削減して、コストの低減
を図ることができる摺動性組成物の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の摺動性組成物
は、組成物を構成するベースレジンとして四フッ化エチ
レン樹脂を50wt%〜85wt%配合し、ポリエーテルス
ルホンを5wt%〜50wt%配合すると共に、上記ベース
レジンに充填される潤滑性充填材として、カーボン、グ
ラファイト、二硫化モリブデンの何れか一種又は複数種
を2wt%〜15wt%配合し、上記ベースレジンに充填さ
れる耐摩耗性充填材として、チタン酸カリウム、ウォレ
ストナイト、ゾノトライト、アラミド繊維の何れか一種
を5wt%〜30wt%配合した摺動性組成物であることを
特徴とする。
【0007】
【発明の効果】この発明によれば、組成物のベースレジ
ンとして四フッ化エチレン樹脂とポリエーテルスルホン
とを配合し、潤滑性充填材としてカーボン、グラファイ
ト、二硫化モリブデンの一種又は複数種を配合し、耐摩
耗性充填材としてチタン酸カリウム、ウォレストナイ
ト、ゾノトライト、アラミド繊維の一種を配合している
ので、表2に示すように、従来例の組成物に比べて、本
発明を構成する組成物の方が摩擦係数及び摩耗係数が小
さく、摺動性が安定しているため、耐摩耗性及び機械的
強度が格段に向上し、長期間に於いて優れたシール性を
得ることができる。しかも、相手材に与える損傷が少な
く、耐摩耗性に優れているため、寿命が大幅に延長され
ると共に、交換回数を削減して、コストの低減を図るこ
とができる。
【0008】
【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。図面は摺動性及び耐摩耗性が要求される部分に
用いられる摺動性組成物を示し、この摺動性組成物は、
組成物を構成するベースレジンに潤滑性充填材と耐摩耗
性充填材とを適宜量配合して成形する。つまり、ベース
レジンとして四フッ化エチレン樹脂(PTFE)とポリ
エーテルスルホン(PES)とを適宜量配合し、ベース
レジンに充填される潤滑性充填材として、カーボン粉末
(C)、グラファイト(Gr)、二硫化モリブデン(M
oS2 )の何れか一種又は複数種を適宜量配合し、ベー
スレジンに充填される耐摩耗性充填材として、板状のチ
タン酸カリウム(PTW)、ウォレストナイト(W
n)、ゾノトライト、アラミド繊維(Af)の何れか一
種を適宜量配合して、後述するフリーベーキング成形法
(予備成形後、電気炉中で焼成)により適宜形状寸法に
成形した組成物である。
【0009】上述した摺動性組成物を成形する場合、例
えば、ベースレジンとして四フッ化エチレン樹脂を50
wt%〜85wt%配合し、ポリエーテルスルホンを5wt%
〜50wt%配合すると共に、潤滑性充填材としてカーボ
ン粉末、グラファイト、二硫化モリブデンの何れか一種
又は複数種を2wt%〜15wt%配合し、耐摩耗性充填材
として板状のチタン酸カリウム(直径=10μ〜30
μ、長さ=80μ〜350μ)、ウォレストナイト、ゾ
ノトライト、アラミド繊維の何れか一種を5wt%〜30
wt%配合した後、組成原料をドライブレンド(乾式混
合)する。フリーベーキング成形法(予備成形後、電気
炉中で焼成)により組成原料を適宜形状寸法に圧縮成形
した後、焼成処理を行い、その後、適宜形状寸法に切削
加工する。
【0010】上述した四フッ化エチレン樹脂は、50wt
%〜85wt%の配合範囲で使用されるが、50wt%以下
に配合量を減量すると組成物の伸び率(弾性)が小さく
なり、成形性が悪くなる。一方、85wt%以上に配合量
を増量すると十分な摩耗特性が得られず、長期使用に必
要な耐久性が得られない。且つ、耐コールドフロー性が
著しく低下するので、好ましくは、60wt%〜80wt%
の配合範囲で使用するのが最適である。
【0011】ポリエーテルスルホンは、5wt%〜50wt
%の配合範囲で使用されるが、5wt%以下に配合量を減
量すると十分な摩耗特性が得られなくなり、添加による
改善効果が無い。一方、50wt%以上に配合量を増量す
ると成形性が悪くなり、切削加工及び製造上の点で問題
が生じるため、好ましくは、10wt%〜30wt%の配合
範囲で使用するのが最適である。
【0012】潤滑性充填材として使用されるカーボン粉
末、グラファイト、二硫化モリブデンは、2wt%〜15
wt%の配合範囲で使用するのが最適である。2wt%以下
に配合量を減量すると添加効果(磨耗係数を低くし、発
熱温度を抑え、摩耗性能の向上)が顕著に現れなくな
る。一方、15wt%以上に配合量を増加すると分散性が
低下し、変形や歪み等が生じるため、成形性が悪くな
る。且つ、成形品に配合された充填材に脱落や剥離が起
きる。
【0013】耐摩耗性充填材として使用される板状のチ
タン酸カリウム、ウォレストナイト、ゾノトライト、ア
ラミド繊維は、5wt%〜30wt%の配合範囲で使用する
のが最適である。5wt%以下に配合量を減量すると強度
的な強化効果が現れず、摩耗特性の向上が悪くなる。一
方、30wt%以上に配合量を増量すると充填材の分散性
が低下し、変形や歪み等が生じるため、成形性が悪くな
る。且つ、成形品に配合された充填材に脱落や剥離が起
きるため、良好な成形品を得ることができない。
【0014】また、チタン酸カリウム、ウォレストナイ
ト、ゾノライトをチタネート系カップリング剤又はシラ
ン系カップリング剤で表面処理してから添加すること
で、これら充填材とポリエーテルスルホンとの密着性が
良くなり、四フッ化エチレン樹脂とポリエーテルスルホ
ンとの分子鎖の絡み合いにより、チタン酸カリウム、ウ
ォレストナイト、ゾノライトの滑りが抑えられ、機械的
強度及び耐コールドフロー性が向上する。
【0015】図1及び図2は鈴木式摩擦摩耗スラスト試
験機2による摺動性組成物1の試験方法を示し、このス
ラスト試験機2は、同機を構成する回転台3の上面側に
摺動性組成物1を固定し、金属製の相手材4を摺動性組
成物1の上面側に圧接した後、回転台3を回転させなが
ら相手材4で加圧して、相手材4の摺動部分に生じる発
熱温度と摩擦係数とを測定する。
【0016】つまり、発熱温度を測定する場合、相手材
4の摺動部分から約3mm離れた位置に熱電対5を差込
み、同熱電対5の接続点に生じる熱起電力を発熱温度に
変換してペンレコーダー(図示省略)で記録する。且
つ、摩擦係数を測定する場合、摺動時に於ける摩擦抵抗
をロードセル(図示省略)で検知し、その抵抗値をペン
レコーダーで記録する。
【0017】上述した摺動性組成物1の比較例として、
例えば、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、ポリエー
テルスルホン(PES)、カーボン粉末(C)、グラフ
ァイト(Gr)、二硫化モリブデン(MoS2 )、板状
のチタン酸カリウム(PTW)、ウォレストナイト(W
n)、ゾノトライト、アラミド繊維(Af)を適宜量配
合してなる本発明の各試験片A,B,C,D,E,F,
G,H,Iと、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、全
芳香族ポリエステル(LCP)、ポリフェニレンサルフ
ァイド(PPS)、ガラス繊維(GF)、グラファイト
(Gr)、二硫化モリブデン(MoS2 )を適宜量配合
してなる従来品の各試験片J,K,L,Mとを、上述し
た鈴木式摩擦摩耗スラスト試験機2により同一の試験条
件で試験する。
【0018】下記の表1は、本発明の各試験片A〜I
と、従来品の各試験片J〜Mとの配合量を示す。
【0019】
【表1】
【0020】上述した各試験片A〜Mを同一条件で試験
する場合、空気中に於いて、試験温度を室温(約25
℃)に設定し、相手材質をS45Cに設定し、試験時間
を初期摺動0Hr〜4Hrに設定し、常時摺動4Hr〜20Hr
に設定し、且つ、試験面圧Pと、試験速度Vと、PV値
とを後述する試験条件に設定して各試験片A〜Mを夫々
試験する。
【0021】第1の試験条件として、試験面圧Pを0.
29MPa.m/sec (3kgf/cm2 )に設定し、試験速度Vを
1m/sec (100cm/sec)に設定し、PV値を0.29
MPa.m/sec (300kgf/cm2 ・cm/sec)に設定する。第
2の試験条件として、試験面圧Pを0.59MPa.m/sec
(6kgf/cm2 )に設定し、試験速度Vを1m/sec (10
0cm/sec)に設定し、PV値を0.59MPa.m/sec (6
00kgf/cm2 ・cm/sec)に設定する。
【0022】第3の試験条件として、試験面圧Pを0.
98MPa.m/sec (10kgf/cm2 )に設定し、試験速度V
を1m/sec (100cm/sec)に設定し、PV値を0.9
8MPa.m/sec (1000kgf/cm2 ・cm/sec)に設定す
る。下記の表2は、上記条件で本発明の各試験片A〜I
と、従来品の各試験片J〜Mとを試験した結果を示す。
【0023】
【表2】
【0024】上記の表2に記述した摩耗係数Kを測定す
る場合、試験開始前と試験終了後とに於いて各試験片A
〜Mの重量を化学天秤で計量し、その摩耗重量Mから摩
耗高さWを下記の数1で求める。
【0025】
【数1】
【0026】さらに、ここで求めた摩耗高さWと、試験
面圧Pと、試験速度Vと、試験時間Hとから摩耗係数K
を下記の数2で求める。
【0027】
【数2】
【0028】上記の試験結果で明らかなように、本発明
の各試験片A〜Iと、従来品の各試験片J〜Mとの摩擦
係数には大きな差が認められないが、図3に示すよう
に、従来品の各試験片J〜Mに比べて、本発明の各試験
片A〜Iの方が摩耗係数が小さく、PV値が高くなるほ
ど本発明の各試験片A〜Iと従来品の各試験片J〜Mと
の差が大きくなるため、耐摩耗性に優れていることが証
明される。且つ、摩耗係数が安定しているため、機械的
強度にも優れている。
【0029】以上のように、摺動性組成物1を構成する
ベースレジンとして四フッ化エチレン樹脂とポリエーテ
ルスルホンとを適宜量配合し、そのベースレジンに充填
される潤滑性充填材としてカーボン粉末、グラファイ
ト、二硫化モリブデンの一種又は複数種を適宜量配合
し、耐摩耗性充填材としてチタン酸カリウム、ウォレス
トナイト、ゾノトライト、アラミド繊維の一種を適宜量
配合しているので、表2に示すように、従来品の各試験
片J〜Mに比べて、本発明の各試験片A〜Iの方が摩擦
係数及び摩耗係数が小さく、摺動性が安定しているた
め、耐摩耗性及び機械的強度が格段に向上し、長期間に
於いて優れたシール性を得ることができる。しかも、相
手材4に与える損傷が少なく、耐摩耗性に優れているた
め、寿命が大幅に延長されると共に、交換回数を削減し
て、コストの低減を図ることができる。
【0030】なお、この発明は、上述の実施例の構成の
みに限定されるものではない。上述した四フッ化エチレ
ン樹脂、ポリエーテルスルホン、カーボン粉末、グラフ
ァイト、二硫化モリブデン、板状のチタン酸カリウム、
ウォレストナイト、ゾノトライト、アラミド繊維とを予
め設定した範囲内で増量配合及び減量配合し、その使用
目的及び使用条件に応じた各配合量に増減調整して上述
した摺動性組成物1を成形するもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】摺動性組成物の試験形状を示す斜視図。
【図2】鈴木式摩擦摩耗スラスト試験機による摺動性組
成物の試験方法を示す側面図。
【図3】試験片のPV値と摩耗係数との関係を示す特性
図。
【符号の説明】
1…摺動性組成物 2…スラスト試験機 3…回転台 4…相手材 5…熱電対
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 7/02 KJN C08L 81/06 LRF F16C 33/24 A 7123−3J F16J 9/28

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】組成物を構成するベースレジンとして四フ
    ッ化エチレン樹脂を50wt%〜85wt%配合し、ポリエ
    ーテルスルホンを5wt%〜50wt%配合すると共に、上
    記ベースレジンに充填される潤滑性充填材として、カー
    ボン、グラファイト、二硫化モリブデンの何れか一種又
    は複数種を2wt%〜15wt%配合し、上記ベースレジン
    に充填される耐摩耗性充填材として、チタン酸カリウ
    ム、ウォレストナイト、ゾノトライト、アラミド繊維の
    何れか一種を5wt%〜30wt%配合した摺動性組成物。
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