JPH07331456A - 遮熱コーティング膜及びその製造方法 - Google Patents
遮熱コーティング膜及びその製造方法Info
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- JPH07331456A JPH07331456A JP14399794A JP14399794A JPH07331456A JP H07331456 A JPH07331456 A JP H07331456A JP 14399794 A JP14399794 A JP 14399794A JP 14399794 A JP14399794 A JP 14399794A JP H07331456 A JPH07331456 A JP H07331456A
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- Japan
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- thermal
- layer
- thermal barrier
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐熱衝撃性及び耐エロージョン性、さらには
耐酸化性を有する遮熱コーティング膜及びその製造方法
を提供する。 【構成】 耐熱合金からなる基材10の表面にMCrA
lYからなるボンド層12を減圧溶射にて設け、このボ
ンド層12の表面に熱伝導を低減させ熱衝撃を吸収させ
るための部分安定化ジルコニアからなる溶射遮熱層14
を大気溶射にて設けた遮熱コーティング膜において、溶
射遮熱層14の表面にこの溶射遮熱層14より密度の高
い耐エロージョン性を向上させるための部分安定化ジル
コニアからなる蒸着保護層16を設ける。さらに、蒸着
保護層16にアルミナ等を含有させることにより、酸素
透過量を抑制して、耐酸化性を向上させることができ
る。
耐酸化性を有する遮熱コーティング膜及びその製造方法
を提供する。 【構成】 耐熱合金からなる基材10の表面にMCrA
lYからなるボンド層12を減圧溶射にて設け、このボ
ンド層12の表面に熱伝導を低減させ熱衝撃を吸収させ
るための部分安定化ジルコニアからなる溶射遮熱層14
を大気溶射にて設けた遮熱コーティング膜において、溶
射遮熱層14の表面にこの溶射遮熱層14より密度の高
い耐エロージョン性を向上させるための部分安定化ジル
コニアからなる蒸着保護層16を設ける。さらに、蒸着
保護層16にアルミナ等を含有させることにより、酸素
透過量を抑制して、耐酸化性を向上させることができ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱衝撃性及び耐エロ
ージョン性、さらには耐剥離性を有する遮熱コーティン
グ膜及びその製造方法に関する。
ージョン性、さらには耐剥離性を有する遮熱コーティン
グ膜及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばガスタービンの翼、燃焼器等の遮
熱コーティング膜の寿命を延長する方法としては、従
来、つぎのようなものが提案されている。 (1) 実開平4−106360号公報に記載されてい
るように、金属製部材にアンダーコーティング層を介し
て粒子径の粗いセラミックスの第1コーティング層と粒
子径の細かいセラミックスの第2コーティング層を形成
し、第1コーティング層で熱遮蔽し、第2コーティング
層で高温ガス浸透遮断、セラミックス粒子剥離防止及び
摩擦損失減少を行うようにしたもの。 (2) 特開平4−362168号公報に記載されてい
るように、母材上に耐食耐酸化性金属層、セラミックス
層、耐摩耗性金属層(高温加熱で耐摩耗性に富む酸化物
となる)を順番に積層したもの。 (3) 米国特許第5169689号公報に記載されて
いるように、基材表面に垂直亀裂を含む低密度層と、高
密度の保護層を設け、低密度層で応力緩和を図り、高密
度保護層で耐エロージョンを図るようにしたもの。
熱コーティング膜の寿命を延長する方法としては、従
来、つぎのようなものが提案されている。 (1) 実開平4−106360号公報に記載されてい
るように、金属製部材にアンダーコーティング層を介し
て粒子径の粗いセラミックスの第1コーティング層と粒
子径の細かいセラミックスの第2コーティング層を形成
し、第1コーティング層で熱遮蔽し、第2コーティング
層で高温ガス浸透遮断、セラミックス粒子剥離防止及び
摩擦損失減少を行うようにしたもの。 (2) 特開平4−362168号公報に記載されてい
るように、母材上に耐食耐酸化性金属層、セラミックス
層、耐摩耗性金属層(高温加熱で耐摩耗性に富む酸化物
となる)を順番に積層したもの。 (3) 米国特許第5169689号公報に記載されて
いるように、基材表面に垂直亀裂を含む低密度層と、高
密度の保護層を設け、低密度層で応力緩和を図り、高密
度保護層で耐エロージョンを図るようにしたもの。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の遮熱コーティン
グでは、一般に、耐熱合金からなる基材の表面に、減圧
溶射によるMCrAlY(エムクラリー、Ni、Co等
のMetal−Cr−Al−Y)からなるボンド層と、
大気溶射又は蒸着による部分安定化ジルコニアからなる
遮熱層が成膜されている。なお、ボンド層はセラミック
ス遮熱層の下地層であり、部分安定化ジルコニアはイッ
トリア等の添加物により立方晶を部分的に安定化したも
のである。
グでは、一般に、耐熱合金からなる基材の表面に、減圧
溶射によるMCrAlY(エムクラリー、Ni、Co等
のMetal−Cr−Al−Y)からなるボンド層と、
大気溶射又は蒸着による部分安定化ジルコニアからなる
遮熱層が成膜されている。なお、ボンド層はセラミック
ス遮熱層の下地層であり、部分安定化ジルコニアはイッ
トリア等の添加物により立方晶を部分的に安定化したも
のである。
【0004】コーティング膜の損傷形態は、熱衝撃によ
る剥離、酸化・腐食による剥離、エロージョンに大別で
き、これらがコーティング膜の寿命を決定しているが、
上記の従来の技術では次の点で対応できない。 (1) 耐熱衝撃性には低密度膜が有利で、耐エロージ
ョン性には高密度膜が有利であるが、溶射膜は低密度で
あり、蒸着膜は高密度であるので、いずれも単一層で
は、これらの特性を両立できない。 (2) ジルコニアは熱伝導度が低く遮熱層には適して
いるが、酸素透過性が高いため、ボンド層と遮熱層との
接合界面からボンド層が酸化して剥離する。
る剥離、酸化・腐食による剥離、エロージョンに大別で
き、これらがコーティング膜の寿命を決定しているが、
上記の従来の技術では次の点で対応できない。 (1) 耐熱衝撃性には低密度膜が有利で、耐エロージ
ョン性には高密度膜が有利であるが、溶射膜は低密度で
あり、蒸着膜は高密度であるので、いずれも単一層で
は、これらの特性を両立できない。 (2) ジルコニアは熱伝導度が低く遮熱層には適して
いるが、酸素透過性が高いため、ボンド層と遮熱層との
接合界面からボンド層が酸化して剥離する。
【0005】また、上記の実開平4−106360号公
報記載の熱遮蔽セラミックスコーティング膜は、セラミ
ックスのコーティング層を2層用いたものであるが、セ
ラミックス2層の粒子径を変えており、厳密には密度を
変えているものではない。また、表面の第2コーティン
グ層は溶射によるもので、蒸着による保護層ではない。
上記の特開平4−362168号公報記載の遮熱コーテ
ィング膜は、最外層が金属であり、セラミックスの蒸着
保護層ではない。上記の米国特許第5169689号公
報記載の遮熱コーティング膜は、低密度層に縦方向のク
ラック(亀裂)が含まれ、高密度層は溶射(spray
ing)によるものであり、蒸着により最表面の保護層
を形成するものではない。
報記載の熱遮蔽セラミックスコーティング膜は、セラミ
ックスのコーティング層を2層用いたものであるが、セ
ラミックス2層の粒子径を変えており、厳密には密度を
変えているものではない。また、表面の第2コーティン
グ層は溶射によるもので、蒸着による保護層ではない。
上記の特開平4−362168号公報記載の遮熱コーテ
ィング膜は、最外層が金属であり、セラミックスの蒸着
保護層ではない。上記の米国特許第5169689号公
報記載の遮熱コーティング膜は、低密度層に縦方向のク
ラック(亀裂)が含まれ、高密度層は溶射(spray
ing)によるものであり、蒸着により最表面の保護層
を形成するものではない。
【0006】本発明は上記の諸点に鑑みなされたもの
で、本発明の目的は、膜の最表面だけを蒸着層として緻
密化、高密度化し、膜の中間部は溶射層として低密度と
することにより、耐熱衝撃性及び耐エロージョン性を両
立させるようにした遮熱コーティング膜及びその製造方
法を提供することにある。本発明の他の目的は、最表面
の蒸着層成分にアルミナ、シリカ、マグネシア、カルシ
ア等を含有させることにより、遮熱層を透過する酸素を
低減して、ボンド層と遮熱層との接合界面の酸化を防止
し耐剥離性を向上させた遮熱コーティング膜及びその製
造方法を提供することにある。
で、本発明の目的は、膜の最表面だけを蒸着層として緻
密化、高密度化し、膜の中間部は溶射層として低密度と
することにより、耐熱衝撃性及び耐エロージョン性を両
立させるようにした遮熱コーティング膜及びその製造方
法を提供することにある。本発明の他の目的は、最表面
の蒸着層成分にアルミナ、シリカ、マグネシア、カルシ
ア等を含有させることにより、遮熱層を透過する酸素を
低減して、ボンド層と遮熱層との接合界面の酸化を防止
し耐剥離性を向上させた遮熱コーティング膜及びその製
造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】上記の目的を達
成するために、本発明の遮熱コーティング膜は、図1に
示すように、耐熱合金からなる基材10の表面にボンド
層12を設け、このボンド層12の表面に熱伝導を低減
させ熱衝撃を吸収させるための溶射遮熱層14を設けた
遮熱コーティング膜において、溶射遮熱層14の表面に
この溶射遮熱層14より密度の高い耐エロージョン性を
向上させるための蒸着保護層16を設けたことを特徴と
している。溶射遮熱層14と蒸着保護層16とは、同一
の材料、例えば部分安定化ジルコニアからなっている。
また、ボンド層12はMCrAlYからなっている。
成するために、本発明の遮熱コーティング膜は、図1に
示すように、耐熱合金からなる基材10の表面にボンド
層12を設け、このボンド層12の表面に熱伝導を低減
させ熱衝撃を吸収させるための溶射遮熱層14を設けた
遮熱コーティング膜において、溶射遮熱層14の表面に
この溶射遮熱層14より密度の高い耐エロージョン性を
向上させるための蒸着保護層16を設けたことを特徴と
している。溶射遮熱層14と蒸着保護層16とは、同一
の材料、例えば部分安定化ジルコニアからなっている。
また、ボンド層12はMCrAlYからなっている。
【0008】本発明の遮熱コーティング膜においては、
溶射遮熱層14の密度を4.5〜5.0g/cm3、蒸着保
護層の密度を5.5〜6.0g/cm3とする。溶射遮熱層
の密度がこの範囲未満の場合は、膜が脆く、摩耗しやす
くなる傾向があり、一方、この範囲を超えると、熱衝撃
による亀裂及び剥離が発生しやすくなる傾向がある。ま
た、蒸着保護層の密度が上記の範囲未満の場合は、耐エ
ロージョン性が低下し、また酸素透過遮断性が発揮でき
なくなる傾向がある。
溶射遮熱層14の密度を4.5〜5.0g/cm3、蒸着保
護層の密度を5.5〜6.0g/cm3とする。溶射遮熱層
の密度がこの範囲未満の場合は、膜が脆く、摩耗しやす
くなる傾向があり、一方、この範囲を超えると、熱衝撃
による亀裂及び剥離が発生しやすくなる傾向がある。ま
た、蒸着保護層の密度が上記の範囲未満の場合は、耐エ
ロージョン性が低下し、また酸素透過遮断性が発揮でき
なくなる傾向がある。
【0009】さらに、蒸着保護層16に、アルミナ、シ
リカ、マグネシア及びカルシアの少なくとも1種を10
〜50mol %、好ましくは20〜40mol %含有させる
ことがある。この範囲未満の場合は、蒸着保護層16を
酸素が透過し、この透過酸素が溶射遮熱層14を透過し
て、ボンド層12との接合界面が酸化されて剥離し易く
なる。一方、この範囲を超えると、蒸着保護層の安定性
が低下し、溶射遮熱層から剥離しやすくなる。
リカ、マグネシア及びカルシアの少なくとも1種を10
〜50mol %、好ましくは20〜40mol %含有させる
ことがある。この範囲未満の場合は、蒸着保護層16を
酸素が透過し、この透過酸素が溶射遮熱層14を透過し
て、ボンド層12との接合界面が酸化されて剥離し易く
なる。一方、この範囲を超えると、蒸着保護層の安定性
が低下し、溶射遮熱層から剥離しやすくなる。
【0010】本発明の遮熱コーティング膜の製造方法
は、耐熱合金からなる基材の表面に溶射によりボンド層
を形成した後、このボンド層の表面に溶射により遮熱層
を形成し、ついで、この溶射遮熱層の表面に蒸着により
この溶射遮熱層よりも密度の高い保護層を形成すること
を特徴としている。前述のように、溶射遮熱層と蒸着保
護層とを部分安定化ジルコニアで形成し、ボンド層をN
i、Co等を主成分とするMCrAlYで形成すること
が好ましい。また、蒸着保護層を形成するジルコニアを
主体とした蒸着層成分にアルミナ、シリカ、マグネシア
及びカルシアの少なくとも1種を10〜50mol %、好
ましくは20〜40mol %添加することがある。蒸着保
護層は真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタ
リング法及びCVD法のうちのいずれかの方法で形成さ
れる。
は、耐熱合金からなる基材の表面に溶射によりボンド層
を形成した後、このボンド層の表面に溶射により遮熱層
を形成し、ついで、この溶射遮熱層の表面に蒸着により
この溶射遮熱層よりも密度の高い保護層を形成すること
を特徴としている。前述のように、溶射遮熱層と蒸着保
護層とを部分安定化ジルコニアで形成し、ボンド層をN
i、Co等を主成分とするMCrAlYで形成すること
が好ましい。また、蒸着保護層を形成するジルコニアを
主体とした蒸着層成分にアルミナ、シリカ、マグネシア
及びカルシアの少なくとも1種を10〜50mol %、好
ましくは20〜40mol %添加することがある。蒸着保
護層は真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタ
リング法及びCVD法のうちのいずれかの方法で形成さ
れる。
【0011】溶射遮熱層の厚みは0.1〜0.5mm、好
ましくは0.2〜0.3mmであり、蒸着バリア層の厚み
は0.01〜0.1mm、好ましくは0.03〜0.05
mmである。本発明の方法においては、通常の遮熱コーテ
ィングの場合と同様の処理、すなわち、耐熱合金の表面
に、例えば減圧溶射によるボンド層(MCrAlY)
と、例えば大気溶射による遮熱層(部分安定化ジルコニ
ア)を形成した後、その表面に蒸着による保護層を形成
する。このように構成することにより、溶射層(低密
度)と蒸着層(高密度)を組み合せて膜の最表面だけを
緻密化することにより、耐熱衝撃性と耐エロージョン性
を両立させることができる。さらに、最表面の蒸着層成
分を最適化して、ジルコニア溶射層の遮熱性を維持し、
酸素透過量を抑制することにより、耐酸化性を向上させ
ることができる。
ましくは0.2〜0.3mmであり、蒸着バリア層の厚み
は0.01〜0.1mm、好ましくは0.03〜0.05
mmである。本発明の方法においては、通常の遮熱コーテ
ィングの場合と同様の処理、すなわち、耐熱合金の表面
に、例えば減圧溶射によるボンド層(MCrAlY)
と、例えば大気溶射による遮熱層(部分安定化ジルコニ
ア)を形成した後、その表面に蒸着による保護層を形成
する。このように構成することにより、溶射層(低密
度)と蒸着層(高密度)を組み合せて膜の最表面だけを
緻密化することにより、耐熱衝撃性と耐エロージョン性
を両立させることができる。さらに、最表面の蒸着層成
分を最適化して、ジルコニア溶射層の遮熱性を維持し、
酸素透過量を抑制することにより、耐酸化性を向上させ
ることができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるも
のではなく、適宜変更して実施することが可能なもので
ある。 比較例1 耐熱合金(組成60Ni−13Cr−9Co−2Mo−
4W)からなる基材の表面に減圧溶射(圧力5KPa )に
より厚さ0.1mmのボンド層(Ni−22Co−17C
r−12.5Al−0.6Y)を形成した後、このボン
ド層の表面に大気溶射により部分安定化ジルコニアの厚
さ0.2mmの溶射遮熱層を形成した。上記のようにして
製造したコーティング膜に、平均粒径0.05mmのアル
ミナ粉体を100g/m3含む650℃の空気を流速60m
/s及び80m/sで試験片表面の接線より35度の方向
から2時間噴射して摩耗量(mm)を測定した。結果は図
2に示すとおりであった。
に説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるも
のではなく、適宜変更して実施することが可能なもので
ある。 比較例1 耐熱合金(組成60Ni−13Cr−9Co−2Mo−
4W)からなる基材の表面に減圧溶射(圧力5KPa )に
より厚さ0.1mmのボンド層(Ni−22Co−17C
r−12.5Al−0.6Y)を形成した後、このボン
ド層の表面に大気溶射により部分安定化ジルコニアの厚
さ0.2mmの溶射遮熱層を形成した。上記のようにして
製造したコーティング膜に、平均粒径0.05mmのアル
ミナ粉体を100g/m3含む650℃の空気を流速60m
/s及び80m/sで試験片表面の接線より35度の方向
から2時間噴射して摩耗量(mm)を測定した。結果は図
2に示すとおりであった。
【0013】実施例1 比較例1において製造されたコーティング膜において、
厚さ0.2mmの溶射遮熱層の表面に真空蒸着法により厚
さ0.05mmの部分安定化ジルコニアの蒸着保護層を形
成した。真空蒸着の条件は、酸素雰囲気圧力0.1Pa、
溶解用電子ビーム出力10KW、ルツボ−基板間距離17
0mm、基板予熱温度500℃、成膜時間2hrであった。
そして、このようにして製造した蒸着保護層を有するコ
ーティング膜に、比較例1の場合と同様の含粉体気体
を、比較例1の場合と同じ条件で噴射して、摩耗量を測
定した。結果は図2に示すとおりであった。図2から、
最表面に蒸着保護層を有するコーティング膜は、蒸着保
護層を有しない従来のコーティング膜に比べて、摩耗量
が大幅に減少していることがわかる。
厚さ0.2mmの溶射遮熱層の表面に真空蒸着法により厚
さ0.05mmの部分安定化ジルコニアの蒸着保護層を形
成した。真空蒸着の条件は、酸素雰囲気圧力0.1Pa、
溶解用電子ビーム出力10KW、ルツボ−基板間距離17
0mm、基板予熱温度500℃、成膜時間2hrであった。
そして、このようにして製造した蒸着保護層を有するコ
ーティング膜に、比較例1の場合と同様の含粉体気体
を、比較例1の場合と同じ条件で噴射して、摩耗量を測
定した。結果は図2に示すとおりであった。図2から、
最表面に蒸着保護層を有するコーティング膜は、蒸着保
護層を有しない従来のコーティング膜に比べて、摩耗量
が大幅に減少していることがわかる。
【0014】実施例2 実施例1において、3mass%イットリア添加の部分安定
化ジルコニアにアルミナを25mol %添加したものを原
料として、厚さ0.2mmの溶射遮熱層の表面に真空蒸着
法により厚さ0.05mmの蒸着保護層を形成した。他の
方法及び条件は実施例1の場合と同様であった。このよ
うにして製造したアルミナを含有する蒸着保護層を有す
るコーティング膜に、1200℃の灯油燃焼ガスを50
0時間噴射して、ボンド層と溶射遮熱層の界面に生成す
る酸化物層の厚さを測定した。その結果は、蒸着保護層
を有しない従来のコーティング膜と比較して、界面酸化
物層厚さが明らかに減少した。
化ジルコニアにアルミナを25mol %添加したものを原
料として、厚さ0.2mmの溶射遮熱層の表面に真空蒸着
法により厚さ0.05mmの蒸着保護層を形成した。他の
方法及び条件は実施例1の場合と同様であった。このよ
うにして製造したアルミナを含有する蒸着保護層を有す
るコーティング膜に、1200℃の灯油燃焼ガスを50
0時間噴射して、ボンド層と溶射遮熱層の界面に生成す
る酸化物層の厚さを測定した。その結果は、蒸着保護層
を有しない従来のコーティング膜と比較して、界面酸化
物層厚さが明らかに減少した。
【0015】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されているの
で、つぎのような効果を奏する。 (1) 溶射層(低密度)と蒸着層(高密度)では物理
的に耐熱衝撃性と耐エロージョン性が相反するが、これ
ら2つの成膜方式を組み合わせて、膜の表面のみを蒸着
層として緻密化、高密度化することにより、低密度の溶
射層で熱衝撃を吸収し、高密度の蒸着層で耐エロージョ
ン性を向上させることができる。 (2) 部分安定化ジルコニアは熱伝導度が低く遮熱層
として最適であるが、酸素透過性が高いためにボンド層
との接合界面が酸化して剥離に至る。しかし、部分安定
化ジルコニアからなる最表面の蒸着保護層の成分をアル
ミナ等を添加して調整する場合は、酸素透過量が抑制さ
れて、耐酸化性とそれに伴う耐剥離性を向上させること
ができる。
で、つぎのような効果を奏する。 (1) 溶射層(低密度)と蒸着層(高密度)では物理
的に耐熱衝撃性と耐エロージョン性が相反するが、これ
ら2つの成膜方式を組み合わせて、膜の表面のみを蒸着
層として緻密化、高密度化することにより、低密度の溶
射層で熱衝撃を吸収し、高密度の蒸着層で耐エロージョ
ン性を向上させることができる。 (2) 部分安定化ジルコニアは熱伝導度が低く遮熱層
として最適であるが、酸素透過性が高いためにボンド層
との接合界面が酸化して剥離に至る。しかし、部分安定
化ジルコニアからなる最表面の蒸着保護層の成分をアル
ミナ等を添加して調整する場合は、酸素透過量が抑制さ
れて、耐酸化性とそれに伴う耐剥離性を向上させること
ができる。
【図1】本発明の遮熱コーティング膜の一実施例を示す
断面図である。
断面図である。
【図2】比較例1及び実施例1における高温粉体噴射摩
耗試験結果を示すグラフである。
耗試験結果を示すグラフである。
10 基材 12 ボンド層 14 溶射遮熱層 16 蒸着保護層
フロントページの続き (72)発明者 山本 彰利 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 (72)発明者 岡崎 章三 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内
Claims (9)
- 【請求項1】 耐熱合金からなる基材の表面にボンド層
を設け、このボンド層の表面に熱伝導を低減させ熱衝撃
を吸収させるための溶射遮熱層を設けた遮熱コーティン
グ膜において、溶射遮熱層の表面にこの溶射遮熱層より
密度の高い耐エロージョン性を向上させるための蒸着保
護層を設けたことを特徴とする遮熱コーティング膜。 - 【請求項2】 溶射遮熱層と蒸着保護層とが同一の材料
からなることを特徴とする請求項1記載の遮熱コーティ
ング膜。 - 【請求項3】 ボンド層がMCrAlYからなり、溶射
遮熱層及び蒸着保護層が部分安定化ジルコニアからなる
ことを特徴とする請求項1又は2記載の遮熱コーティン
グ膜。 - 【請求項4】 溶射遮熱層の密度が4.5〜5.0g/c
m3で、蒸着保護層の密度が5.5〜6.0g/cm3である
ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の遮熱コーテ
ィング膜。 - 【請求項5】 蒸着保護層が、ジルコニアを主体とし
て、アルミナ、シリカ、マグネシア及びカルシアの少な
くとも1種を10〜50mol %含有していることを特徴
とする請求項3又は4記載の遮熱コーティング膜。 - 【請求項6】 耐熱合金からなる基材の表面に溶射によ
りボンド層を形成した後、このボンド層の表面に溶射に
より遮熱層を形成し、ついで、この溶射遮熱層の表面に
蒸着によりこの溶射遮熱層よりも密度の高い保護層を形
成することを特徴とする遮熱コーティング膜の製造方
法。 - 【請求項7】 溶射遮熱層と蒸着保護層とを部分安定化
ジルコニアで形成することを特徴とする請求項6記載の
遮熱コーティング膜の製造方法。 - 【請求項8】 蒸着保護層を形成する成分にジルコニア
を主体として、アルミナ、シリカ、マグネシア及びカル
シアの少なくとも1種を10〜50mol %添加すること
を特徴とする請求項7記載の遮熱コーティング膜の製造
方法。 - 【請求項9】 蒸着保護層を真空蒸着法、イオンプレー
ティング法、スパッタリング法及びCVD法のうちのい
ずれかの方法で形成することを特徴とする請求項6、7
又は8記載の遮熱コーティング膜の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6143997A JP2902557B2 (ja) | 1994-06-01 | 1994-06-01 | 遮熱コーティング膜及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6143997A JP2902557B2 (ja) | 1994-06-01 | 1994-06-01 | 遮熱コーティング膜及びその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07331456A true JPH07331456A (ja) | 1995-12-19 |
| JP2902557B2 JP2902557B2 (ja) | 1999-06-07 |
Family
ID=15351916
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6143997A Expired - Fee Related JP2902557B2 (ja) | 1994-06-01 | 1994-06-01 | 遮熱コーティング膜及びその製造方法 |
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| JP (1) | JP2902557B2 (ja) |
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100390388B1 (ko) * | 2000-07-31 | 2003-07-07 | 한국과학기술연구원 | 열차폐 코팅재료 및 그 제조방법, 그리고 이 코팅재료를이용한 열차폐 코팅층의 형성방법 |
| KR100454987B1 (ko) * | 2002-03-25 | 2004-11-06 | 주식회사 코미코 | 플라즈마 융사를 이용한 반도체 제조용 부품의 제조 및재생방법 |
| JP2006241515A (ja) * | 2005-03-03 | 2006-09-14 | Tohoku Univ | 熱遮蔽コーティング部材の製造方法及び熱遮蔽コーティング部材 |
| JP2011012287A (ja) * | 2009-06-30 | 2011-01-20 | Hitachi Ltd | 耐熱部材およびガスタービン用高温部品 |
| JP2016145677A (ja) * | 2015-02-09 | 2016-08-12 | 日本電気硝子株式会社 | 調理器用トッププレート及びその製造方法 |
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-
1994
- 1994-06-01 JP JP6143997A patent/JP2902557B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| JP2902557B2 (ja) | 1999-06-07 |
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