JPH07333400A - ウォルター鏡ステージ - Google Patents

ウォルター鏡ステージ

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JPH07333400A
JPH07333400A JP6131927A JP13192794A JPH07333400A JP H07333400 A JPH07333400 A JP H07333400A JP 6131927 A JP6131927 A JP 6131927A JP 13192794 A JP13192794 A JP 13192794A JP H07333400 A JPH07333400 A JP H07333400A
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JP
Japan
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walter
mirror
stage
walter mirror
ray
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JP6131927A
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English (en)
Inventor
Noriaki Kamitaka
典明 神高
Hisao Fujisaki
久雄 藤崎
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ウオルター鏡のアライメント動作を、容易に短
時間で完了することができるウオルター鏡ステージを提
供する。 【構成】回転中心軸203について所定の角度範囲で回
転する回転ステージ201と、回転ステージ201の回
転部材201a上に固定されている揺動中心軸204に
ついて所定の角度範囲で揺動するゴニオステージ202
と、ゴニオステージ202の揺動部材202a上に固定
されると共に、ウオルター鏡207を所定方向に保持す
る保持部材205とを有し、ウオルター鏡207の中心
軸300’と、揺動の中心軸204と、回転の中心軸2
03とが、ウオルター鏡207のX線取込口103のほ
ぼ中心で、交差するように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、X線顕微鏡において、
光学素子の一つとして用いられるウオルター鏡を保持す
るウオルター鏡ステージに関する。
【0002】
【従来の技術】医学や生物学では、光学顕微鏡による生
物試料の観察がごく一般的に行われている。ところが、
可視光を観察に利用する光学顕微鏡では、生物の組織
と、その周辺および内部に含まれる水とのコントラスト
が悪く、光の回折限界により、0.2μm以下の構造を
観察する事ができない。
【0003】一方、このような光学顕微鏡よりも高い分
解能での観察が可能なSEM(走査型電子顕微鏡)で
は、被測定試料を真空中に置かなければならず、さらに
表面を導体でコートしなければ試料の像を見ることがで
きない。このため、生物試料を生きたままの状態で観察
することができない。
【0004】この問題に対して近年、常温での水の蒸気
圧(2.7×10-3Pa)の雰囲気中で水を含んだまま
の状態の生物試料を観察できるESEM(環境制御型電
子顕微鏡)と呼ばれる顕微鏡が開発された。しかし、こ
のESEMも、SEMと同様に観察できるのは、その表
面形状だけであり、生物試料の内部構造を観察すること
はできない。
【0005】これらに対してX線顕微鏡では、「水の
窓」と呼ばれる、波長2.4〜4.4nmのX線を利用
すれば、酸素原子と炭素原子との吸収係数が大きく異な
るために、水とタンパク質とをコントラスト良く見分け
ることができ、この結果、生物試料を水を含んだ、生き
たままの状態で、試料の内部まで観察ができる。このX
線は、その波長が可視光の1/100以下であるため
に、通常の光学顕微鏡よりも高い分解能での観察が可能
である。
【0006】X線顕微鏡で生物試料を観察する場合、水
によってX線が吸収されてしまうため、観察可能な試料
全体の厚さは10μmが限界である。10μmの水の層
ならば十数%のX線が透過する。そのため現在は、Si
基板上にX線透過率の高いSiN膜等で窓を作成し、1
0μm以下の距離で向き合わせた2つのSiN窓の間に
被測定試料を含んだ水を封入して、観察が行われてい
る。
【0007】このようなX線顕微鏡に用いられる光学素
子としては、ゾーンプレート、シュバルツシルト鏡、ウ
ォルター鏡などがある。ゾーンプレートは、高い分解能
と高い倍率が得られるものの、視野は狭く、利用できる
X線が少ないために像は暗くなる。シュバルツシルト鏡
は、2枚の球面鏡の組み合わせであるために精度よく加
工ができるが、反射が垂直入射に近い角度で行われるた
めに反射率は非常に低い。また、反射面には多層膜が形
成されるが、多層膜は1つの波長にしか対応できないこ
と、2枚の鏡の多層膜の反射中心波長が僅かでもずれる
と全体の反射率は急激に低下してしまうことなどの問題
点がある。
【0008】ウォルター鏡207は、図2に示すよう
な、回転双曲面と回転楕円面を組み合わせた形状を有す
る鏡筒101を備える素子で、X線取込口103から入
射するX線に対する、鏡筒101内部での全反射を利用
している。このために、前者2つのX線光学素子に比べ
て、高い反射率を得られるが、その一方で、加工が難し
く、シュバルツシルト鏡に比べると視野も狭い。
【0009】このため、ウォルター鏡207を利用した
X線顕微鏡で試料を観察する場合、機械的な位置合わせ
だけでウォルター鏡の位置を決定してしまうことは難し
く、実際に得られているX線像を見ながら調整を行うこ
とが一般的である。
【0010】従来、ウオルター鏡207は、例えば、図
5に示すように、6本の直線導入端子82により支持さ
れた鏡筒86に収容されている。直線導入端子82は、
直線上に配置された2本が1組となっている。また、各
組は、鏡筒86の中心軸の回りに互いに等間隔、120
°ずつ離れて配置される。各組の直線導入端子82は、
その変位する部分の端面が、鏡筒86の両端に接触し
て、傾きを制御している。
【0011】また、鏡筒86は、ウオルター鏡207の
光軸とX線顕微鏡の光軸とが一致するように、その両端
にベローズ83が設けられている筒状の真空容器81内
に配置される。真空容器81は、その全体または鏡筒8
6が、X線の光軸に沿って並進移動が可能なように配置
される。
【0012】このような構成によれば、ウォルター鏡2
07を並進移動させたり、その中心軸の傾きを、X線顕
微鏡のX線光軸に対して変えることが可能となる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】一般に、X線顕微鏡に
よって観察すべき試料は、何らかの光学素子により集光
されたX線により照明されている。対物鏡としてウォル
ター鏡207を使用する場合、その集光されたX線光が
試料を透過し、その後広がってゆく照明光により形成さ
れる、円錐状あるいは多角錐状の立体角内に、ウォルタ
ー鏡207の前方のX線取込口103が入らなければな
らない。
【0014】ここで、必要以上のX線をサンプルに照射
するのは望ましくないため、照明光による立体角は、ウ
ォルター鏡207によって取り込み可能な立体角にほぼ
一致するか、あるいはやや大きい程度であることが望ま
しい。
【0015】さらに、ウォルター鏡207のX線取込口
103は、集光点からみると輪帯状になる。このため、
X線取込口103が、照明光の広がってゆく立体角から
少しでも外れると、取り込まれるX線の量が、急激に減
少し、得られる像は暗くなってしまう。対物光学系だけ
でなく、照明光学系にも、ウォルター鏡207を使用し
た場合には、照明光も輪帯で広がってゆくため、上述の
現象はさらに顕著なものとなる。
【0016】よって、ウォルター鏡207のアライメン
トは、まず、広がってゆく照明光の立体角内に、ウォル
ター鏡207のX線取込口103を入れることから始ま
る。その様子を図3(a)に示す。本図においては、図
面に向かって左側から試料301へ対して、X線照明光
302が照射され、その照明光302が、試料301を
透過して広がっていく様子を示している。ここで、照明
光302は、X線顕微鏡のX線光軸300に沿って照射
されているものとする。この段階では、ウォルター鏡2
07の光軸300’と光軸300とは一致していない。
【0017】次に、この状態で得られている試料301
のX線像を見ながら、ウォルター鏡207の位置と傾き
とを調整していく。ところが、図5に示されるような従
来技術によれば、ウオルター鏡207の傾きを調整する
場合に、適正な方向へ傾きを変えるには、鏡筒86の一
端を支持している少なくとも3本の直線導入端子82を
それぞれ調整する必要があり、非常に手間と時間がかか
る。
【0018】また、従来技術の、搭載されている物体の
回転移動を行う、いわゆる、回転ステージを、上記ウオ
ルター鏡保持手段の代わりに用いることも可能である。
ところが、このような場合、その回転ステージの回転中
心を、どこに置くかということについては、その回転ス
テージおよびウオルター鏡の機械的な特性から決定され
ることが多く、光学的な特性というのは考慮されていな
かった。
【0019】このため、回転ステージにウオルター鏡を
搭載する場合には、ウオルター鏡207の重心または中
心付近に、その回転軸が通るように構成するのが一般的
である。しかし、このような構成では、回転動作によ
り、ウオルター鏡207の傾きを変化させると、図3
(b)に示すように、ウォルター鏡207のX線取込口
103の位置が動いてしまう。最悪の場合には、照明光
302の立体角から取込口103が大きく外れてしま
い、X線像が見えなくなる場合もありうる。
【0020】従って、回転ステージを用いてウォルター
鏡207の傾きを調整する際には、上記のような回転動
作に加え、さらに、ウオルター鏡207の並進移動(図
中では上下方向の移動)を行う必要があり、アライメン
ト動作が非常に煩雑なものとなってしまう。
【0021】また、アライメント動作おいては、ウオル
ター鏡207の位置調節をする代わりに、X線撮像装置
の位置を調整することも原理的には可能である。しか
し、X線顕微鏡のX線光路は真空にする必要があるた
め、X線撮像装置は、X線顕微鏡の各種光学系が収容さ
れている細長い管状の真空槽の端部に配置されることが
多い。さらに、このような真空槽には、光学系に加え
て、いろいろな真空装置が取り付けられる。このため、
X線撮像装置を動かせる範囲は限られており、その位置
をまったく動かせない場合も多い。
【0022】従って、アライメント動作においては、X
線撮像装置の位置を調節するのではなく、ウォルター鏡
207の位置を調節して、X線撮像装置の受光部に、試
料301の結像位置を一致させることが非常に望まし
い。
【0023】以上説明したように、X線顕微鏡のアライ
メント動作においては、光学系の1つであるウォルター
鏡207の位置および傾き調整を行うことが望ましい
が、その調整は非常に手間がかかる。現在のところ、そ
れを完了するまでに、かなりの量のX線を試料301に
照射し続けなければならない。しかし、X線は生体試料
301に損傷を与える危険があるため、アライメント動
作では、X線の照射量をできるだけ少なくすることが必
要である。
【0024】本発明の目的は、X線顕微鏡に光学素子と
して用いられるウオルター鏡に対するアライメント動作
を、容易に短時間で完了させることができるウオルター
鏡ステージを提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記目的は、X線顕微鏡
に光学素子として用いられるウォルター鏡を、その中心
軸の、ウオルター鏡への入射X線の光軸に対する傾きが
変位可能に保持するウォルター鏡ステージにおいて、ウ
ォルター鏡を予め定めた軸を回転中心軸として回転可能
に保持する回転機構を有し、前記回転機構は、その回転
中心軸が、ウォルター鏡のX線取込口の中心点と観察す
べき試料が配置された側にあるウオルター鏡の焦点との
間、もしくは、当該中心点近傍の範囲、もしくは、当該
焦点近傍の範囲、の予め定めた位置を通るものであるこ
とを特徴としたウォルター鏡ステージにより達成するこ
とができる。
【0026】上記目的は、また、少なくとも1以上のウ
オルター鏡を光学素子として備え、被測定物である試料
のX線像を得るX線顕微鏡において、ウォルター鏡を、
その中心軸の、該ウオルター鏡への入射X線の光軸に対
する傾きが変位可能であるように保持するウォルター鏡
ステージを有し、ウオルター鏡ステージは、ウォルター
鏡を予め定めた軸方向を回転中心軸として回転可能に保
持する回転機構を有し、前記回転機構は、その回転中心
軸が、ウォルター鏡のX線取込口の中心点と、観察すべ
き試料が配置された側にあるウオルター鏡の焦点との
間、もしくは、当該中心点近傍の範囲、もしくは、当該
焦点近傍の範囲、の予め定めた位置を通るものであるこ
とを特徴としたX線顕微鏡により達成される。
【0027】
【作用】本発明によるウオルター鏡ステージにおいて
は、回転機構がウオルター鏡の中心軸とX線顕微鏡の光
軸との傾きを変位させる。ここで、回転機構の回転中心
軸は、ウォルター鏡のX線取込口の中心点と、観察すべ
き試料が配置された側にあるウオルター鏡の焦点との
間、もしくは、X線取込口の中心点近傍の範囲、もしく
は、当該焦点近傍の範囲の予め定めた位置を通る。
【0028】このため、X線照明光により形成される立
体角内に、ウオルター鏡のX線取込口を一旦配置できれ
ば、その後の回転機構による回転調整動作では、該立体
角からX線取込口が大きく外れることはない。このた
め、ウオルター鏡のアライメント動作を短時間に終了す
ることが可能となる。
【0029】
【実施例】本発明を適用したX線顕微鏡およびウオルタ
ー鏡ステージの一実施例を、図を用いて説明する。
【0030】本発明のウオルター鏡ステージは、例え
ば、図10に示すような、X線顕微鏡に用いられる。X
線顕微鏡は、観察に用いる軟X線を発生するX線発生器
1と、発生されたX線を所定の焦点位置へ集光する照明
光学系3と、照明光学系3の焦点位置に配置される被測
定物である試料を収容する試料容器4と、試料容器4を
透過したX線(照明光)を受け入れる拡大光学系5とを
有する。
【0031】X線顕微鏡は、さらに、拡大光学系5によ
り結像された試料容器4中の試料のX線像を取込み、画
像信号に変換するX線撮像装置7と、その画像信号を受
け入れ、それに基づいてX線像を表示する表示装置8
と、X線の光路および上記光学系を収容する真空容器6
と、真空容器6内を真空にする排気装置2とを有する。
【0032】本実施例においては、上記拡大光学系5に
ウオルター鏡を用いるものとし、その際にウオルター鏡
を保持するウオルター鏡ステージについて説明する。こ
こで、本発明のウオルター鏡ステージの利用は、以下の
場合にだけ限定されるものではなく、例えば、照明光学
系3に用いられるウオルター鏡用のステージとして用い
ることもできる。
【0033】本実施例のステージにより保持するウォル
ター鏡207は、図2に示すように、例えば、全長10
0mm程度、直径20mm程度の細長い鏡筒部101を
有している。X線は、本図向かって左側から、鏡筒部1
01内部へ入射する構成となっており、鏡筒部101の
内面で2回反射され、集光される。鏡筒部101のX線
取込口103には、鏡筒部101の内面での反射を受け
ず直接通り抜けていくX線を遮る遮光円板102が設け
られている。
【0034】本発明を適用したウオルター鏡ステージの
第1の実施例を説明する。このステージは、ウォルター
鏡207の中心軸の傾きを変える際に、ウォルター鏡2
07のX線取込口103の端面における中心点が動かな
いような構成を備えるウォルター鏡ステージである。
【0035】具体的には、本実施例のステージは、図1
に示すように、回転中心軸203について所定の角度範
囲で回転する回転ステージ201と、回転ステージ20
1の回転部材201a上に固定されている揺動中心軸2
04について所定の角度範囲で揺動するゴニオステージ
202と、ゴニオステージ202の揺動部材202a上
に固定されると共に、ウオルター鏡207を所定方向に
保持する保持部材205とを有する。なお、図1中の2
つの矢印は、それぞれ、回転部材201a、揺動部材2
02aの変位方向を示している。
【0036】本実施例において、これらの2つのステー
ジ201、202は、ウオルター鏡207の中心軸30
0’と、ゴニオステージ202の揺動の中心軸204
と、回転ステージ201の回転の中心軸203とが、ウ
オルター鏡207のX線取込口103のほぼ中心で、交
差するように構成されている。
【0037】本実施例は、さらに、図8に示すように、
上記ステージ全体を互いに直交する所定のXYZ軸方向
の並進移動可能に保持するXYZステージ209と、該
ステージ209、回転ステージ201、および、ゴニオ
ステージ202を駆動する駆動機構501と、操作者に
よる並進、回転および揺動に関する制御操作を受付け、
その操作に対応する制御指令を出力する入力装置503
と、その制御指令に基づいて駆動機構501の動作を制
御する制御装置502とを有する。
【0038】XYZステージ209において、移動可能
なXYZ方向軸のうちのいずれかの軸は、X線顕微鏡の
X線光軸の方向に合わせて配置しておき、その方向に沿
っての変位量を制御することで、フォーカス合わせを行
う。
【0039】本実施例の構成によれば、ウォルター鏡2
07の中心軸300’の傾きを変えるために、回転ステ
ージ201、または、ゴニオステージ202のいずれか
を動かしても、ウォルター鏡207のX線取込口103
の中央位置は、ほとんど動かない。
【0040】ウオルター鏡207は、X線光路中に配置
されるため、真空中に置かれる必要があるが、本実施例
のステージは、全体が真空容器内に配置されても良く、
また、一部が真空容器外に配置される構成でもよい。
【0041】例えば、図6に示すように、ウォルター鏡
207を保持収容する真空容器205aと、真空容器2
05aを保持すると共に、大気中に配置された回転ステ
ージ201およびゴニオステージ202により、回転お
よび揺動される支持部材205bとからなる保持部材2
05を用いる構成としても良い。ここで、真空容器20
5aの両端には、ベローズ83を設けておき、X線顕微
鏡の他の構成部分と、その相対位置が変位可能であるよ
うに接続する。
【0042】このような構成によれば、回転ステージ2
01およびゴニオステージ202が大気中にあるため、
それらの維持、調整が容易にできる。
【0043】本実施例においては、回転ステージ20
1、ゴニオステージ202、および、XYZステージ2
09は、駆動機構501及び制御装置502により、外
部からの指令制御に従い、角度を変位させるものである
が、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、
これらステージのうちの一部または全部が、手動にて操
作され、変位するものでも良い。
【0044】本実施例において、回転ステージ201お
よびゴニオステージ202は、それらを組み合わせて、
それらの回転及び揺動の中心軸が、図1に示すような配
置とすることができれば良く、その具体的な移動機構お
よび配置構成については問わない。また、各ステージの
変位精度に関しても、最終的に、ウオルター鏡207の
傾き調整における要求精度に一致、または、それよりも
高精度であれば良い。
【0045】回転ステージ201およびゴニオステージ
202としては、従来からの機構、すなわち、所定方向
に変位可能に設置されている回転部材201aまたは揺
動部材202aを、ねじ、歯車等で変位させる構成を用
いることができる。
【0046】具体的な構成例をゴニオステージ202を
例にとって説明する。本実施例のゴニオステージは、例
えば、図9(a)に示されるように、揺動部材202a
の下部に固定されたラック601と、それに噛み合うよ
うに固定部材202bに軸受が固定された内歯車602
とを備える。このような構成によれば、内歯車602を
回転駆動することで、揺動部材202aを固定部材20
2b上で揺動させることができる。なお、図中の矢印
は、内歯車602の回転方向に対応する揺動部材202
aの変位方向を示している。
【0047】また、図9(b)に示すように、ラック6
01および内歯車602の代わりに、摩擦車604を用
いる構成としても良い。なお、一点鎖線で示されている
揺動部材202a’は、図中矢印で示されている方向へ
変位した後の揺動部材202の位置を示している。
【0048】直径数10mm、全長数100mm程度の
ウオルター鏡207では、そのX線取込口103が照明
光302の立体角から一部外れると、得られるX線像が
暗くなってしまう。これが問題となるのは、一般的に言
って、当該ずれが数100μm以上の場合である。ま
た、当該ずれが数10μmの場合には、得られるX線像
にゆがみが生じる。このため、XYZステージ209、
回転ステージ201およびゴニオステージ202をすべ
て組み合わせた場合の、最終的な調整可能精度として
は、例えば、数μm程度の精度があれば良い。
【0049】また、回転ステージ201およびゴニオス
テージ202は、一旦X線取込口103を照明光302
の立体角内に配置できれば、その後の調整では、主に、
X線像403をX線撮像装置7の撮像面404(図4参
照)上に、移動させるときに用いられるもので、例え
ば、0.01°程度の精度があれば良い。
【0050】次に、本実施例の作用について説明する。
【0051】ウォルター鏡207のアライメント動作で
は、図3(a)のように、まず、ウォルター鏡207の
X線取込口103を、試料301を透過して広がってい
く照明光302の立体角中に置くことから始まる。こう
することでウォルター鏡207に取り込まれたX線によ
って、試料301のX線像が、不完全ながらでも、形成
される。なお、図3において、300はX線光軸、30
0’はウオルター鏡207の中心軸、300''は変位前
のウオルター鏡207の中心軸を示している。
【0052】このX線像をX線顕微鏡のX線撮像装置7
により取込み、そのX線像を表示装置8を介して見なが
ら、ウォルター鏡207の、より詳細なアライメントを
おこなう。このとき、X線取込口103は、照明光30
2による立体角中に入っている。このため、図3(c)
に示すように、X線取込口103の位置を動かすことな
く、ウォルター鏡207の中心軸300’の、X線光軸
300に対する傾きを調整できれば、あとはフォーカス
を調整するだけで、必要なアライメント動作を完了する
ことができる。
【0053】本実施例によれば、X線光軸300に対す
る、ウォルター鏡207の中心軸300’の傾きを変え
る際に、X線取込口103の中心が動かないため、ウォ
ルター鏡207のアライメント動作を、非常に容易にお
こなうことができる。また、アライメント動作が容易で
あるため、それを短時間で完了できるため、アライメン
ト中に照射するX線量を大幅に減少することが可能とな
る。
【0054】次に、本発明によるウオルター鏡ステージ
の第2の実施例について説明する。
【0055】上記第1の実施例では、ゴニオステージ2
02の揺動の中心軸204と回転ステージ201の回転
の中心軸203との交点が、ウォルター鏡207のX線
取込口103の中心付近となる構成となっていた。しか
し、本発明においては、この構成に限定されるものでは
ない。
【0056】例えば、本実施例のように(図7参照)、
上記図1の実施例において、2つの中心軸203および
204の交点が、ウオルター鏡207の試料301側の
焦点位置208とほぼ一致する構成としても良い。な
お、本実施例における他の構成要件については、上記図
1および図8による実施例と同じであり、同じ部分につ
いては、図中で、同じ符号を用いて示している。
【0057】すなわち、本実施例は、図7に示すよう
に、回転の中心軸203について所定の角度範囲で回転
する回転ステージ201と、回転ステージ201の回転
部材201a上に固定されている揺動中心軸204につ
いて所定の角度範囲で揺動するゴニオステージ202
と、ゴニオステージ202の揺動部材202a上に固定
されると共に、ウオルター鏡207を所定方向に保持す
る保持部材205とを有する。
【0058】本実施例は、さらに、上記実施例と同様に
(図8参照)、ステージ201および202を並進移動
可能に保持するXYZステージ209と、各ステージを
駆動する駆動機構501と、ステージの変位量に関する
制御操作を受け付け、それに対応する制御指令を出力す
る入力装置503と、その制御指令に基づいて駆動機構
501の駆動動作を制御する制御装置502とを有す
る。
【0059】本実施例の作用および効果について、図4
を用いて説明する。
【0060】上記で説明したように、試料301を透過
して照明光302により形成される立体角は、対物鏡で
あるウォルター鏡207の取り込み立体角よりも若干大
きいことが多い。このため、非常に良いX線像が得られ
るようにアライメントを行っても、図4(a)に示すよ
うに、試料301のX線像403を取り込むための、X
線撮像装置7の受光面における許容結像範囲404から
は、少しずれた位置に結像している場合がある。ここ
で、X線撮像装置7は、例えば、X線用CCDカメラで
あり、許容結像範囲404とは、その受光面におけるX
線像の取込可能な範囲である。
【0061】本実施例のウオルター鏡ステージによれ
ば、X線光軸300に対するウォルター鏡207の中心
軸300’の傾きを変える際に、ウオルター鏡207の
焦点位置(ここでは試料301の位置と同じ)は変らな
い。このため、図4(b)に示すように、ウォルター鏡
207の中心軸300’の、X線光軸300に対する傾
きを調節することで、X線像403の位置を変位させ、
X線撮像装置7の許容結像範囲404内の適正な位置
に、試料301のX線像403を結像させることができ
る。
【0062】さらに、本実施例においては、アライメン
ト動作を、上記実施例と同様に行うことができ、同様の
効果を得ることができる。
【0063】また、ウォルター鏡207を、X線の拡大
対物鏡として利用する場合には、ウォルター鏡207自
身の長さが100mm程度であるのに対して、X線取込
口103から、試料301側の焦点位置までの距離は、
数mm程度である。そのため、本実施例のウオルター鏡
ステージと、上記実施例のウオルター鏡ステージとは、
その構成において非常に似通ったものとなる。
【0064】上記第1の実施例と第2の実施例とを比べ
てみると、それぞれが、他方の長所を近似的には持って
いると考えられる。例えば、本実施例のウオルター鏡ス
テージを用いて、ウォルター鏡207の中心軸300’
の傾きを変えた場合、ウォルター鏡207のX線取込口
103の中心位置は動いてしまう。しかしながら、その
移動量は非常にわずかであり、X線取込口103にX線
が入射できなくなるために、X線像が暗くなるというこ
とはまずない。
【0065】このような理由から、本発明によるウオル
ター鏡ステージを動かした時に不動となる点の位置が、
厳密には、X線取込口103の中心や、試料301側の
焦点位置208と一致しなくとも、それらの点の近傍、
または、それらの点の間とすれば、アライメント動作を
容易にするという効果を得ることができるのは明らかで
ある。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、観察すべき試料を透過
して広がっていく照明光の形成する立体角内へ、一端、
配置されたウオルター鏡のX線取込口が、X線顕微鏡の
光軸に対するウォルター鏡の中心軸の傾きを変える際
に、その立体角から大きく外れることがないため、アラ
イメント動作が非常に容易になる。
【0067】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるウォルター鏡ステージの一実施例
の構成の一部を示す斜視図。
【図2】ウォルター鏡の構成を示す斜視図。
【図3】図3(a):ウォルター鏡のアライメントを行
う様子を横から見た説明図。 図3(b):ウォルター鏡のアライメントを行う様子を
横から見た説明図。 図3(c):ウォルター鏡のアライメントを行う様子を
横から見た説明図。
【図4】図4(a):ウォルター鏡のアライメントを行
う様子を横から見た説明図。 図4(b):ウォルター鏡のアライメントを行う様子を
横から見た説明図。
【図5】ウオルター鏡の従来技術による保持機構の一例
を示した斜視図。
【図6】本発明によるウオルター鏡ステージの他の実施
例の構成の一部を示す側面図。
【図7】本発明によるウォルター鏡ステージの他の実施
例の構成の一部を示す斜視図。
【図8】本発明によるウォルター鏡ステージの構成例を
示す説明図。
【図9】図9(a):ゴニオステージの機構例の一部を
示す説明図。 図9(b):ゴニオステージの機構例の一部を示す説明
図。
【図10】本発明によるX線顕微鏡の一実施例の構成を
示す説明図。
【符号の説明】
83…ベローズ、 101…鏡筒部、 102…遮光
板、 103…X線取込口、 201…回転ステージ、
202…ゴニオステージ、 203…回転ステージの
回転の中心軸、 204…ゴニオステージの揺動の中心
軸、 205…保持部材、 208…ウオルター鏡の試
料側の焦点、 209…XYZステージ、300…X線
顕微鏡の光軸、 300’…ウォルター鏡の中心軸、
301…試料、 302…照明光、 403…試料のX
線像、 404…X線撮像装置の検出器、 501…駆
動機構、 502…制御装置、 503…入力装置。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】X線顕微鏡に光学素子として用いられるウ
    ォルター鏡を、その中心軸の、ウオルター鏡への入射X
    線の光軸に対する傾きが変位可能に保持するウォルター
    鏡ステージにおいて、 ウォルター鏡を予め定めた軸を回転中心軸として回転可
    能に保持する回転機構を有し、 前記回転機構は、その回転中心軸が、ウォルター鏡のX
    線取込口の中心点と観察すべき試料が配置された側にあ
    るウオルター鏡の焦点との間、もしくは、当該中心点近
    傍の範囲、もしくは、当該焦点近傍の範囲、の予め定め
    た位置を通るものであることを特徴としたウォルター鏡
    ステージ。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記予め定めた位置とは、前記ウオルター鏡のX線取込
    口の略中心点であることを特徴としたウォルター鏡ステ
    ージ。
  3. 【請求項3】請求項1において、 前記予め定めた位置とは、前記観察すべき試料が配置さ
    れた側にあるウオルター鏡の焦点、もしくは、その近傍
    位置であることを特徴としたウォルター鏡ステージ。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記回転機構は、前記ウオルター鏡を、少なくとも2以
    上の互いに直交する軸を回転中心軸としてそれぞれ回転
    可能に保持するものであり、 それらの回転中心軸が、それぞれ、前記予め定めた位置
    を共に通るものであることを特徴としたウォルター鏡ス
    テージ。
  5. 【請求項5】請求項4において、 前記回転機構は、 前記ウオルター鏡の、中心軸と直交する軸を回転中心軸
    とする回転を可能にする第1の回転ステージと、 前記ウオルター鏡の、第1の回転ステージの回転中心軸
    および前記ウオルター鏡の中心軸の両方と直交する軸を
    回転中心軸とする回転を可能にする第2の回転ステージ
    とを有することを特徴としたウォルター鏡ステージ。
  6. 【請求項6】請求項4において、 前記回転機構を予め定めた方向へ並進移動可能に保持す
    る並進機構をさらに有することを特徴としたウォルター
    鏡ステージ。
  7. 【請求項7】請求項6において、 前記並進機構は、前記顕微鏡の光軸方向、および、その
    軸と直交する平面内で、前記回転機構の位置を変位させ
    るものであることを特徴としたウォルター鏡ステージ。
  8. 【請求項8】請求項7において、 前記回転機構および前記並進機構をそれぞれ駆動する駆
    動機構と、 外部からの前記回転機構および前記並進機構の動作に関
    する操作を受付け、その操作に対応した制御指令を出力
    する操作受付装置と、 その制御指令を受け入れて、それに基づいて、駆動機構
    の動作を制御する制御機構とをさらに有することを特徴
    としたウォルター鏡ステージ。
  9. 【請求項9】少なくとも1以上のウオルター鏡を光学素
    子として備え、被測定物である試料のX線像を得るX線
    顕微鏡において、 ウォルター鏡を、その中心軸の、該ウオルター鏡への入
    射X線の光軸に対する傾きが変位可能であるように保持
    するウォルター鏡ステージを有し、 ウオルター鏡ステージは、ウォルター鏡を予め定めた軸
    方向を回転中心軸として回転可能に保持する回転機構を
    有し、 前記回転機構は、その回転中心軸が、ウォルター鏡のX
    線取込口の中心点と、観察すべき試料が配置された側に
    あるウオルター鏡の焦点との間、もしくは、当該中心点
    近傍の範囲、もしくは、当該焦点近傍の範囲、の予め定
    めた位置を通るものであることを特徴としたX線顕微
    鏡。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010266368A (ja) * 2009-05-15 2010-11-25 Japan Science & Technology Agency 走査型リアルタイム顕微システムおよび走査型x線高速描画システム

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