JPH0733698A - 2,3−ジクロル−1−プロパノールの精製法 - Google Patents

2,3−ジクロル−1−プロパノールの精製法

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JPH0733698A
JPH0733698A JP18169793A JP18169793A JPH0733698A JP H0733698 A JPH0733698 A JP H0733698A JP 18169793 A JP18169793 A JP 18169793A JP 18169793 A JP18169793 A JP 18169793A JP H0733698 A JPH0733698 A JP H0733698A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アリルアルコールを塩素化して、2,3−ジ
クロル−1−プロパノールを高純度で効率よく回収する
精製法。 【構成】 蒸留塔の塔底液中に含まれる塩化水素分をオ
キシラン化合物を添加することによる除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塩酸中で塩素によりアリ
ルアルコール(以下、AALと記す)を塩素化して、
2,3−ジクロル−1−プロパノール(以下、2,3−
DCHと記す)を生成せしめ、これより高純度2,3−
DCHを効率よく回収する2,3−DCHの精製法に関
する。
【0002】
【従来の技術】2,3−DCHは、溶剤、エポキシ樹脂
原料、合成ゴム原料、塩素化ゴム原料安定剤等として用
いられるエピクロルヒドリン製造の中間体として用いら
れる有用な化合物である。従来、2,3−DCHの精製
方法は、特開平4−77443に示すように、反応器を
用い、塩酸溶液中でAALを塩素化して得られる2,3
−DCHの溶液を脱ガス塔に導入して塩化水素を放散せ
しめて反応器に戻し、残液を冷却して、水層と油層とに
分離し、水層を反応器に戻すとともに、油層から2,3
−DCHを回収する2,3−DCHの精製方法におい
て、上記油層を第1蒸留塔に導き、油層に含まれる塩化
水素、一部の2,3−DCHおよびその他の低沸分を塔
頂より留出させ、これを冷却して水層と油層に分離し、
水層を反応器に戻し、この油層をさらに第2蒸留塔に導
入し、塔頂より低沸分を留出除去し、塔底よりでる2,
3−DCHを主体とする高沸分および上記第1蒸留塔の
高沸分を第3の蒸留塔に導き、塔頂より2,3−DCH
を留出させている。
【0003】しかしながら、上記方法により精製した
2,3−DCHの不純物は3.0wt%程度であり、不純
物として2,3−DCHより高沸成分を約1.0wt%、
低沸成分として、有機物を0.2wt%、H2 Oを1.5
wt%、HClを0.3wt%程度含んでいる。この2,3
−DCHをそのままケン化反応に用いると不純物として
含まれる高沸成分は、けん化排水に混入するため好まし
くない。また、これらの高沸成分の中には、蒸留時に生
成する成分が存在し、通常行う蒸留塔の段の積み増し、
還流比のアップといった蒸留条件の変更のみでは除去で
きない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
鑑みなされたもので、2,3−DCHを精製し、これを
エピクロルヒドリンの原料として使用する場合、2,3
−DCHよりも高沸成分の混入を抑制する2,3−DC
Hの精製法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、鋭意検討を重ねた結果、2,3−DCH中に混入
する高沸成分の中で蒸留により除去できない成分は、A
ALと塩素による副生するアルデヒド成分と2,3−D
CHを始めとするアルコール成分の付加反応により生成
するヘミアセタール、アセタール類であり、これらの成
分は液中の塩化水素を除去することにより生成が抑制さ
れることを見出した。
【0006】また、一般に塩化水素を除去するために
は、苛性ソーダ、炭酸ソーダといったアルカリ金属、ア
ルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩等を用いる中和反応
による除去方法があるが、この方法を塩化水素の除去に
用いると蒸留塔塔底での塩の析出が起こり蒸留塔の詰ま
りが生じ、蒸留の安定的な運転に支障を来すため好まし
くない。そこで、塩の生成の無い塩化水素の除去方法で
ある、オキシラン化合物と塩化水素の付加反応による塩
化水素の除去法を利用することにより、本発明に至っ
た。
【0007】すなわち、本発明は、反応器を用い塩酸溶
液中でAALを塩素化して得られる2,3−DCHの溶
液を脱ガス塔に導入して塩化水素を放散せしめて反応器
に戻し、残液を冷却して水層と油層とに分離し、水層を
反応器に戻し、油層を第1蒸留塔に導き、油層に含まれ
る塩化水素、一部の2,3−DCHおよびその他の低沸
分を塔頂より留出させ、これを冷却して水層と油層に分
離し、水層を反応器に戻し、この油層をさらに第2蒸留
塔に導入し、塔頂より低沸分を留出除去し、塔底よりで
る2,3−DCHを主体とする高沸分および上記第1蒸
留塔の高沸分を第3の蒸留塔に導き、塔頂より2,3−
DCHを回収する2,3−DCHの精製法において、第
1及び第2蒸留塔の少なくとも一方の塔底液にオキシラ
ン化合物を添加し、液中に含まれる塩化水素分をオキシ
ラン化合物により除去した後に第3の蒸留塔に導き、塔
頂より2,3−DCHを回収することを特徴とする2,
3−DCHの精製法である。
【0008】本発明において、2,3−DCH中に含ま
れる塩化水素量が少ないほどアルデヒド類とアルコール
類の反応速度は減少し、2,3−DCH中の高沸成分濃
度が低減される。また、塩化水素はオキシラン化合物と
ほぼ定量的に反応することから、液中に残存する塩化水
素量を低減させるためには、オキシラン化合物のわずか
な添加でも効果があり、2,3−DCH中の高沸成分の
混入は抑制される。このことから、オキシラン化合物の
添加量は、液中に存在する塩化水素に対し、任意の割合
で良い。さらに、液中の塩化水素に対して1.0mol
当量以上オキシラン化合物を添加すると、液中の塩化水
素はほとんど消失するため、2,3−DCH中の高沸成
分の濃度を5ppm (分析の検出限界)以下まで低減でき
る。
【0009】本発明において、オキシラン化合物とは、
エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エピクロ
ルヒドリン、ブチレンオキサイド等、塩化水素と反応性
を有するオキシラン化合物であれば、どのようなオキシ
ラン化合物を用いても構わない。
【0010】また、これらのオキシラン化合物の中で、
エピクロルヒドリンをオキシラン化合物として利用する
と、高収率で1,3−ジクロル−2−プロパノール(以
下、1,3−DCHと記す)と2,3−DCHを与え、
これらはけん化工程で再びエピクロルヒドリンとして回
収することができるので効果的である。さらに、エピク
ロルヒドリンをオキシラン化合物として添加する場合、
添加するエピクロルヒドリンは精製後のものでも後工程
の中で得られる未精製のものでもどちらでも構わない。
【0011】本発明において、オキシラン化合物の添加
温度は、温度が低ければ低い程高選択的にハロヒドリン
を与え、効果的に塩化水素を除去するが、第1及び第2
蒸留塔の塔底液は液温が130℃前後と高いため低温で
の添加は熱効率の点から好ましくない。添加温度として
は、60〜140℃での添加が好ましい。また、オキシ
ラン化合物と塩化水素の反応は非常に速く、20℃下で
も数分の反応時間で十分に反応は完結することから、反
応の際、新たに反応槽を設ける必要はなく、配管内に静
的ミキサーを設け、ラインミキシングによる反応で十分
である。
【0012】また、添加方法は、第1の蒸留塔の塔底
液、第2蒸留塔の塔底液にそれぞれオキシラン化合物を
添加しても、第1蒸留塔と第2蒸留塔の塔底液を混合し
た後にオキシラン化合物を添加しても、どちらでも構わ
ない。以上の方法で得られた第1及び第2蒸留塔の塔底
液とオキシラン化合物の混合液を第3の蒸留塔へ導入す
ることにより、高沸成分の混入の少ない2,3−ジクロ
ル−1−プロパノールを得ることができる。
【0013】
【実施例】以下、実施例、比較例を示して本発明を具体
的に説明する。連続蒸留装置を用いて2,3−DCHの
精整留実験を行った。連続蒸留装置は、図1における第
3の蒸留塔に相当する。蒸留装置は、φ320mm、2
0段のガラス製オルダーショウであり、塔頂にはガスを
凝縮させるクーラー、還流弁と真空ポンプが取り付けら
れ、塔頂の圧力を100mmHgで一定とし、還流比
0.5で2,3−DCHを抜き出す。蒸留原料は上から
15段目に定量ポンプを用いて連続的に供給される。塔
底には、300mlの丸底フラスコが取り付けられてお
り、フラスコ内の液量が150mlで保持されるように
塔底から定量ポンプで2,3−DCHの高沸成分を連続
的に抜き出すようになっている。
【0014】実施例1 上記装置を使用し、2,3−DCHを92.7wt%、
2,3−DCHよりも低沸成分として有機物を0.2wt
%、H2 Oを0.3wt%、HClを0.3wt%、高沸成
分としてアセタール類を1.1wt%、その他の有機物を
4.4wt%含む液にオキシラン化合物としてエピクロル
ヒドリンをHClに対し、1.5mol当量添加した液
を原料とし、上記蒸留装置を用い、2,3−DCHの精
密蒸留を行った。原料を240g/hrで供給し、塔頂か
ら190g/hrで抜き出した。塔頂の2,3−DCH中
に含まれる高沸成分の組成は5ppm 以下であった。
【0015】実施例2 上記装置を使用し、2,3−DCHを72.1wt%、
2,3−DCHよりも低沸成分として有機物を9.0wt
%、H2 Oを1.3wt%、HClを0.1wt%、高沸成
分としてアセタール類を18.3wt%、その他の有機物
を18.5wt%含む液にオキシラン化合物としてエピク
ロルヒドリンをHClに対し、6.0mol当量添加し
た液を原料とし、上記蒸留装置を用い、2,3−DCH
の精密蒸留を行った。原料を400g/hrで供給し、塔
頂から220g/hrで抜き出した。塔頂の2,3−DC
H中に含まれる高沸成分の組成は5ppm 以下であった。
【0016】実施例3 実施例1と同様の原料を用い、オキシラン化合物として
エピクロルヒドリンをHClに対し、1.0mol当量
添加した液を原料とし、上記蒸留装置を用い、2,3−
DCHの精密蒸留を行った。原料を250g/hrで供給
し、塔頂から195g/hrで抜き出した。塔頂の2,3
−DCH中に含まれる高沸成分の組成は5ppm であっ
た。
【0017】実施例4 実施例1と同様の原料を用い、オキシラン化合物として
エピクロルヒドリンをHClに対し、10mol当量添
加した液を原料とし、上記蒸留装置を用い、2,3−D
CHの精密蒸留を行った。原料を255g/hrで供給
し、塔頂から200g/hrで抜き出した。塔頂の2,3
−DCH中に含まれる高沸成分の組成は5ppm 以下であ
った。
【0018】実施例5 オキシラン化合物としてプロピレンオキサイドを使用
し、実施例1と同様の原料を用い、プロピレンオキサイ
ドの添加量をHClに対し、1.5mol当量添加した
液を原料とし、上記蒸留装置を用い、2,3−DCHの
精密蒸留を行った。原料を235g/hrで供給し、塔頂
から175g/hrで抜き出した。塔頂の2,3−DCH
中に含まれる高沸成分の組成は5ppm 以下であった。
【0019】実施例6 オキシラン化合物としてブチレンオキサイドを使用し、
実施例1と同様の原料を用い、ブチレンオキサイドの添
加量をHClに対し、1.5mol当量添加した液を原
料とし、上記蒸留装置を用い、2,3−DCHの精密蒸
留を行った。原料を240g/hrで供給し、塔頂から1
80g/hrで抜き出した。塔頂の2,3−DCH中に含
まれる高沸成分の組成は5ppm 以下であった。
【0020】実施例7 オキシラン化合物としてエチレンオキサイドを使用し、
実施例1と同様の原料を用い、エチレンオキサイドの添
加量をHClに対し、1.5mol当量添加した液を原
料とし、上記蒸留装置を用い、2,3−DCHの精密蒸
留を行った。原料を235g/hrで供給し、塔頂から1
85g/hrで抜き出した。塔頂の2,3−DCH中に含
まれる高沸成分の組成は5ppm 以下であった。
【0021】実施例8 実施例1と同様の原料を用い、オキシラン化合物として
エピクロルヒドリンをHClに対し、0.5mol当量
添加した液を原料とし、上記蒸留装置を用い、2,3−
DCHの精密蒸留を行った。原料を240g/hrで供給
し、塔頂から180g/hrで抜き出した。塔頂の2,3
−DCH中に含まれる高沸成分の組成は800ppm であ
った。
【0022】実施例9 実施例1と同様の原料を用い、オキシラン化合物として
エピクロルヒドリンをHClに対し、10mol当量添
加した液を原料とし、上記蒸留装置を用い、2,3−D
CHの精密蒸留を行った。原料を230g/hrで供給
し、塔頂から175g/hrで抜き出した。塔頂の2,3
−DCH中に含まれる高沸成分の組成は5ppm 以下であ
った。
【0023】比較例1 オキシラン化合物を添加しない実施例1の原料を用い
て、実施例1と同様の精密蒸留を行った。原料を230
g/hrで供給し、塔頂から200g/hrで抜き出した。
塔頂の2,3−DCH中に含まれる高沸成分の組成は1
400ppm であった。
【0024】比較例2 オキシラン化合物を添加しない実施例2の原料を用い
て、実施例1と同様の精密蒸留を行った。原料を430
g/hrで供給し、塔頂から190g/hrで抜き出した。
塔頂の2,3−DCH中に含まれる高沸成分の組成は
3.4wt%であった。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の2,3−
DCHの精製法は、2,3−DCH中の高沸成分が低減
された高純度2,3−DCHを得ることができる。ま
た、高沸成分の低減により、高沸成分のけん化排水への
混入を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のフローを示す図である。
【符号の説明】
1 反応器 2 脱ガス塔 3 第1デカンター 3a 水層 3b 油層 4 第1蒸留塔 5 第2デカンター 5a 水層 5b 油層 6 第2蒸留塔 7 第3蒸留塔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大井 敏夫 神奈川県川崎市川崎区扇町5番1号 昭和 電工株式会社川崎工場内 (72)発明者 大内 功 神奈川県川崎市川崎区扇町5番1号 昭和 電工株式会社川崎工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応器を用い、塩酸溶液中でアリルアル
    コールを塩素化して得られる2,3−ジクロル−1−プ
    ロパノールの溶液を脱ガス塔に導入して塩化水素を放散
    せしめて反応器に戻し、残液を冷却して、水層と油層と
    に分離し、水層を反応器に戻し、油層を第1蒸留塔に導
    き、油層に含まれる2,3−ジクロル−1−プロパノー
    ルより低沸点を有する低沸分、および一部の2,3−ジ
    クロル−1−プロパノールを塔頂より留出させ、これを
    冷却して水層と油層に分離し、水層を反応器に戻し、こ
    の油層をさらに第2蒸留塔に導入し、塔頂より低沸分を
    留出除去し、塔底よりでる2,3−ジクロル−1−プロ
    パノールと上記第1蒸留塔の塔底成分を第3蒸留塔に導
    き、塔頂より2,3−ジクロル−1−プロパノールを回
    収する2,3−ジクロル−1−プロパノールの精製法に
    おいて、上記第1及び第2蒸留塔の塔底液中に含まれる
    塩化水素分をオキシラン化合物を添加することにより除
    去した後に第3の蒸留塔に導くことを特徴とする2,3
    −ジクロル−1−プロパノールの精製法。
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