JPH10158208A - シクロヘキシルビニルエーテルの分離回収方法 - Google Patents

シクロヘキシルビニルエーテルの分離回収方法

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JPH10158208A
JPH10158208A JP32914296A JP32914296A JPH10158208A JP H10158208 A JPH10158208 A JP H10158208A JP 32914296 A JP32914296 A JP 32914296A JP 32914296 A JP32914296 A JP 32914296A JP H10158208 A JPH10158208 A JP H10158208A
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vinyl ether
cyclohexyl vinyl
ether
extractive distillation
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JP32914296A
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English (en)
Inventor
Hideki Omori
秀樹 大森
Toshiyuki Fukutome
利行 福留
Tomonori Hakozaki
智則 箱崎
Satoshi Tsunoda
聡 角田
Hidenobu Oda
英伸 織田
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Maruzen Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Maruzen Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シクロヘキシルビニルエーテルとシクロエキ
サノールとの混合物から簡単な蒸留操作で加水分解を起
こさずにシクロヘキシルビニルエーテルを分離、回収す
る方法を与える。 【解決手段】 シクロヘキシルビニルエーテルとシクロ
ヘキサノールとの混合物を主成分とする原料を抽出蒸留
してシクロヘキシルビニルエーテルを分離回収する方法
において、原料を抽出蒸留塔の中間部に導入し、炭素数
2〜5のジオール類、ジメチルスルホキシド及びジメチ
ルホルムアミドから選ばれる少なくとも1種以上の抽出
蒸留溶媒を原料供給段より塔上部に導入しながら蒸留す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗料や合成樹脂等
の高分子材料用原料等として有用なシクロヘキシルビニ
ルエーテルを、水を用いない抽出蒸留操作により分離、
回収する方法に関する。
【0002】さらに詳しくは、シクロヘキサノールのア
セチレンによるビニル化により生成するシクロヘキシル
ビニルエーテルと原料であるシクロヘキサノールとの混
合物を主成分とする原料を特定の抽出溶媒を用いて抽出
蒸留し、シクロヘキシルビニルエーテルを分離、回収す
る方法に関する。
【0003】
【従来の技術】ビニルエーテル類は、一般にカリウムア
ルコラートのようなアルカリ触媒の存在下、アルコール
のアセチレンによるビニル化反応により得られる。粗生
成物は、生成したビニルエーテルと未反応アルコールを
主成分として含む。しかるに、ビニルエーテル類と未反
応アルコールは共沸混合物を形成する場合があり、その
ような場合、一般の蒸留法によるビニルエーテル類の分
離、回収は困難である。
【0004】従って、このような共沸混合物を蒸留分離
する場合、一般に2成分の蒸留系に第3成分を添加し、
2成分の共沸を消滅させる方法がとられる。例えば、第
3成分として2成分の一方を優先的に溶解する溶剤を添
加し、抽出蒸留にかけ、分離する方法、あるいは蒸留系
に塩類や特定の金属等を加え、共沸を消滅させる方法等
が採られる。
【0005】特に、抽出蒸留法によるビニルエーテルと
原料アルコールの分離に関しては、抽出蒸留溶媒に水と
有機溶媒を併用する方法が米国特許第2779720
号、フランス特許第1384398号等に開示されてい
る。
【0006】しかし、これらはいずれも抽出蒸留溶媒と
して、有機溶媒と共に水を用いるため、蒸留時、ビニル
エーテルが水の存在下に加熱されることにより加水分解
し、収率の低下をもたらす。また多くの場合、製品に水
分が残り、この除去が必要となる欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、共沸
混合物を形成するシクロヘキシルビニルエーテルとシク
ロヘキサノールとの混合物を主成分として含む原料か
ら、シクロヘキシルビニルエーテルを抽出蒸留法により
分離、回収する際、抽出蒸留溶媒として水を使用または
併用することなく、高純度のシクロヘキシルビニルエー
テルを高い収率で分離、回収することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる状
況に鑑み鋭意検討した結果、抽出蒸留溶媒として特定の
溶媒を選択することにより、蒸留工程のみの簡便な方法
で高純度のシクロヘキシルビニルエーテルを高収率で分
離、回収できることを見出したものである。
【0009】即ち、本発明の要旨は、シクロヘキシルビ
ニルエーテルとシクロヘキサノールとの混合物を主成分
とする原料を抽出蒸留してシクロヘキシルビニルエーテ
ルを分離回収する方法において、原料を抽出蒸留塔の中
間部に導入し、炭素数2〜5のジオール類、ジメチルス
ルホキシド及びジメチルホルムアミドから選ばれる少な
くとも1種以上の抽出蒸留溶媒を原料供給段より塔上部
に導入しながら蒸留することを特徴とするシクロヘキシ
ルビニルエーテルの分離回収方法に存する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてさらに詳し
く説明する。シクロヘキシルビニルエーテルとシクロヘ
キサノールとの混合物を主成分とする原料としては、ど
の様なものでも適用されるが、通常、予め苛性カリや苛
性ソーダとアルコールを反応させ得られるアルカリ金属
アルコラート等からなる触媒の存在下、アセチレンとシ
クロヘキサノールを温度120〜180℃、圧力0〜3
0Kg/cm2 で反応させ得られた生成混合物がそのまま用
いられる。あるいは、この生成混合物から予め触媒成分
を除去処理したものが適用される。
【0011】抽出蒸留塔に導入される混合溶液には、シ
クロヘキシルビニルエーテルとシクロヘキサノールが主
成分として含まれ、また反応時の副反応によって生成す
る不純物がごく少量含まれる。シクロヘキシルビニルエ
ーテルとシクロヘキサノールの組成は、特に制限される
ものではないが、一般にシクロヘキサノール濃度が低い
ものが有利である。これは、後記するエーテル系共沸蒸
留塔上部より留出し、抽出蒸留塔の中間部に循環される
循環量が少なくできるためである。
【0012】シクロヘキシルビニルエーテルとシクロヘ
キサノールとは共沸混合物を形成し、例えば常圧におけ
る沸点と組成は、150℃、シクロヘキシルビニルエー
テル78wt%、シクロヘキサノール22wt%であり、ま
た、100mmHgにおける沸点と組成は84℃、シクロヘ
キシルビニルエーテル92wt%、シクロヘキサノール8
wt%である。尚、常圧におけるシクロヘキシルビニルエ
ーテルの沸点は152℃、シクロヘキサノールの沸点は
161℃である。
【0013】本発明の抽出蒸留で用いられる抽出溶媒
は、シクロヘキサノールに対して、シクロヘキシルビニ
ルエーテルに対するより良好な溶解性を示すと共に、シ
クロヘキサノールとの沸点差が10℃以上のものがシク
ロヘキシルビニルエーテルやその他成分の分離操作上、
好都合である。本発明者らは、これらの要件を満足しう
る抽出蒸留溶媒としては、炭素数2〜5のジオール類、
ジメチルスルホキシドあるいはジメチルホルムアミドが
好ましいことを見出した。ここで、炭素数2〜5のジオ
ール類としては、例えばエチレングリコール、プロパン
ジオール、ジエチレングリコール、ブタンジオール及び
ペンタンジオール等である。プロパンジオールとして
は、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオ
ール、またブタンジオールとしては、1,2−ブタンジ
オール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、2,3−ブタンジオール及びイソブチレングリコ
ールが挙げられる。上記した中でもエチレングリコー
ル、1,2−プロパンジオール、ジエチレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、ジメチルスルホキシドま
たはジメチルホルムアミドあるいはそれらの混合物の使
用が好ましい。
【0014】抽出蒸留溶媒は、混合物中のシクロヘキサ
ノールに対して重量比で0.4〜20、好ましくは2〜
15相当を供給し、加熱され上昇するシクロヘキシルビ
ニルエーテルとシクロヘキサノールの蒸気と向流接触さ
せる。そうすることによって、混合溶液中のシクロヘキ
サノールを選択的かつ効率的に抽出除去することができ
る。
【0015】本発明における蒸留分離法は、例えば図1
に示すフローダイヤグラムに基づいて行うことができ
る。図1において、1は抽出蒸留塔、2はエーテル系共
沸蒸留塔、3はエーテル系精製蒸留塔、4はアルコール
系共沸蒸留塔、5はアルコール系精製蒸留塔をそれぞれ
表す。この図においては、本発明による処理過程の説明
に欠くことのできない装置部分のみが記載されており、
その他の付属装置、例えば加熱器、凝縮器、圧力計、ポ
ンプ等については省略されている。尚、実線は配管であ
り、同時に物質の流れを示す。また、シクロヘキシルビ
ニルエーテル(1)は、少量の高沸点副生物を含有する
シクロヘキシルビニルエーテルからなる留分、シクロヘ
キシルビニルエーテル(2)は、高純度シクロヘキシル
ビニルエーテルをそれぞれ表す。
【0016】本発明の方法で用いられる蒸留装置として
は特に制限はないが、通常、1〜100段、好ましくは
5〜50段の理論段数を有する精留塔が用いられる。精
留塔の構造は任意のものが用いられ、例えば棚段塔とし
ては、泡鐘トレー、ユニフラックストレー、フレキシト
レー、ナッターフロートトレー、バラストトレー、多孔
板トレー等を用いたものが挙げられる。また、充填塔と
しては、リング型充填塔、サドル型充填塔、スプレーパ
ック等を用いた充填塔が挙げられる。また、加熱器、凝
縮器等の形式としては、特に制限はなく、種々の形式の
ものが利用できる。
【0017】蒸留時の各蒸留塔の圧力は、特に制限はな
い。しかしながら、蒸留時の温度をできるだけ低めに維
持し、生成したシクロヘキシルビニルエーテルの化学的
変質を抑制するという意味で、常圧以下、特に10〜7
60mmHgが好適である。
【0018】また、各蒸留塔の上部より留出する蒸気
は、凝縮されその一部もしくは大部分はそれが留出した
塔に還流として戻される。この時の還流比は、特に制限
はないが精留塔の性能と分離、回収する物質に要求され
る純度により、1〜50の範囲で選ばれる。抽出蒸留
塔、エーテル系共沸蒸留塔及びエーテル系精製蒸留塔の
還流比は、目的物であるシクロヘキシルビニルエーテル
の純度及び回収率に影響し、アルコール系共沸蒸留塔と
アルコール系精製蒸留塔の還流比は、回収されるシクロ
ヘキサノールと抽出蒸留溶媒の純度並びに回収率に影響
する。還流比が大きければそれだけ良好な分離が可能と
なる。
【0019】以下、本発明の分離回収方法を図面を参照
しつつさらに具体的に説明する。まずシクロヘキシルビ
ニルエーテルとシクロヘキサノールを主成分とする混合
物は、抽出蒸留塔1の中間部に供給される。また同時
に、この供給部位より高い任意の部位、通常は塔頂に近
い部位より抽出蒸留溶媒が導入される。そして、抽出蒸
留塔1では、塔上部、通常は頂部よりシクロヘキシルビ
ニルエーテルを主成分とする留分が留出し、塔下部、通
常は底部より主にシクロヘキサノールと抽出蒸留溶媒か
らなる留分が分離される。抽出蒸留塔1の圧力は特に規
制されないが、圧力が低い程シクロヘキシルビニルエー
テルと分離されるべき他の成分との比揮発度が大きくな
り、またエーテルの副反応も抑制できるので10mmHg〜
常圧、好ましくは10〜500mmHgの範囲が採用され
る。圧力が10mmHg以下では、蒸留時の温度設定を低く
でき副反応の割合を低減できるものの、減圧度が極めて
高いため蒸留装置がそれだけ高価となる。また、圧力が
常圧以上では、蒸留時の温度設定が高くなりすぎ、副反
応の割合が大きくなる。この時点におけるシクロヘキシ
ルビニルエーテルの純度はかなり高いが、さらに精製す
る場合は以下のように行う。
【0020】即ち、この抽出蒸留塔1の塔上部よりの留
出液をエーテル系共沸蒸留塔2の中間部に導き、蒸留、
分離する。その場合、エーテル系共沸蒸留塔2の塔上
部、通常は頂部からシクロヘキシルビニルエーテルとシ
クロヘキサノールとの共沸混合物を、また塔下部、通常
は底部から高沸点成分をそれぞれ除去し、抽出蒸留塔1
の塔上部からの留分を導入する部位以外の中間の適当な
部位から、より精製されたシクロヘキシルビニルエーテ
ルを側流として回収する1段階法、あるいはエーテル系
共沸蒸留塔2の塔上部、通常は頂部より低沸点成分を除
去し、塔下部、通常は底部よりの抜き出し液をエーテル
系精製蒸留塔3の中間部に導き、該精製蒸留塔3におい
て高沸点成分を塔下部、通常は底部から除去して、塔上
部、通常は頂部から高純度シクロヘキシルビニルエーテ
ルを回収する2段階法のいずれも採用できる。図1に示
すのは、2段階法に相当する。
【0021】いずれの方法においても、エーテル系共沸
蒸留塔2の塔上部からの共沸留分は抽出蒸留塔1の中間
部へ原料と合流させ、または別個に循環させることによ
り、シクロヘキシルビニルエーテルを効率よく回収する
ことができる。その場合、原料中の低沸点成分は本発明
方法に供する前に予め除去しておくことが好ましい。エ
ーテル系共沸蒸留塔2の目的は、抽出蒸留塔1の塔上部
から得られる留分中に含まれるシクロヘキサノールを除
去するためのものであり、エーテル系共沸蒸留塔2の圧
力は、抽出蒸留塔1へ循環される共沸蒸留塔2の塔上部
から得られ抽出蒸留塔へ循環される留分の量を少なくす
るためには高い方がよいが、一方圧力が高いと蒸留温度
が高くなり、シクロヘキシルビニルエーテルが副反応を
起こし易くなるという点では好ましくない。従って、通
常は運転圧力として400mmHg〜常圧の範囲が採用され
る。
【0022】2段階法におけるエーテル系共沸蒸留塔2
の塔下部よりの抜き出し液は、実質的にシクロヘキシル
ビニルエーテルからなり、そのままでも十分高純度であ
り、一般に純度95〜99wt%を示す。しかし、この抜
き出し液には、反応時の副生物や蒸留時の副反応による
生成物、例えばシクロヘキシルビニルエーテルとシクロ
ヘキサノールの付加反応で生成するアセトアルデヒドジ
シクロヘキシルアセタールあるいはシクロヘキシルビニ
ルエーテルの低重合物等が、少量混入する場合がある。
そのため、これらの不純物を除去する必要がある場合、
さらに、蒸留により精製が行われる。即ち、エーテル系
共沸蒸留塔2の塔下部より得られる留分をエーテル系精
製蒸留塔3の中間部に導き、この塔3の下部、通常は底
部からシクロヘキシルビニルエーテルの副生物である高
沸点留分を分離、除去し、そしてこの塔3の上部、通常
は頂部から高純度シクロヘキシルビニルエーテルを回収
する。エーテル系精製蒸留塔3の圧力も特に規制されな
いが、シクロヘキシルビニルエーテルの副反応を抑制し
シクロヘキシルビニルエーテルの回収率を高めるために
抽出蒸留塔1と同様に低圧で操作するのがよく、通常1
0mmHg〜常圧、好ましくは10〜300mmHgの範囲内の
圧力が採用される。
【0023】図1には示されていないが、シクロヘキシ
ルビニルエーテルを側流としてエーテル系共沸蒸留塔2
から回収する場合、僅かではあるが同伴される軽質成分
を除去するためにストリッピング操作にかけるのがよ
い。石油精製や石油化学分野では一般にストリッピング
はスチームの使用により行われる場合が多いが、本発明
にあっては不活性ガス、例えば窒素、炭酸ガス、煙道ガ
スを用いるか、あるいはリボイラーによるのがよい。不
活性ガスを用いるとしても、ストリッピングに必要な温
度まで加熱せねばならず、煙道ガスを用いる場合、反応
に障害となる不純物がある場合にはそれを除去する予備
処理が必要であるために、リボイラーによるのがむしろ
簡単である。ストリッパーの構造には特に制限はなく、
公知のものが用いられうる。側流の抜き出し位置は、抽
出蒸留塔1の上部より留出する留分を供給する部位より
下方で、高沸点成分の抜き出し部位より上方の任意の位
置である。
【0024】一方、前記の抽出蒸留塔1の塔下部、通常
は底部から得られる主にシクロヘキサノールと抽出蒸留
溶媒からなる留分は、アルコール系共沸蒸留塔4に導
き、蒸留され、塔上部からは主にシクロヘキシルビニル
エーテルとシクロヘキサノールとの共沸組成の混合物
が、また塔下部からはシクロヘキサノールと抽出蒸留溶
媒を含む混合物が回収される。この塔上部から回収され
るシクロヘキシルビニルエーテルとシクロヘキサノール
との共沸混合物は、前記抽出蒸留塔1の中間部に供給さ
れる原料導入配管に合流されるか、あるいは別個に抽出
蒸留塔1の中間部に循環される。このアルコール共沸蒸
留塔4の目的は、抽出蒸留塔1の塔下部から得られる留
分中にシクロヘキシルビニルエーテルが少量同伴されて
いるので、それを除去するためのものであり、抽出蒸留
塔1へ循環される量を少なくするためには低圧で操作す
るのがよい。従って、通常10mmHg〜常圧、好ましくは
10〜300mmHgの圧力で運転される。
【0025】さらに該共沸蒸留塔下部から抜き出される
シクロヘキサノールと抽出蒸留溶媒を含む混合物は、ア
ルコール系精製蒸留塔5の中間部に導かれ、塔上部、通
常は塔頂部からシクロヘキサノールが、塔下部、通常は
塔底部から抽出蒸留溶媒が回収される。当然のことなが
ら、回収されたシクロヘキサノールはシクロヘキシルビ
ニルエーテル製造の原料として、また抽出蒸留溶媒は、
抽出蒸留塔へ供給される抽出蒸留溶媒として循環、再利
用される。
【0026】本発明は、連続式でも、回分式でも実施可
能であるが、連続式の方が生産性、運転安定性等の点で
好ましい。
【0027】
【実施例】以下、本発明の方法について実施例を示す
が、これらは説明のための例示であり、従って下記実施
例によって本発明は何等制限されるものではない。尚、
下記実験において、各蒸留塔としては、塔径30mm、段
数20段のガラス製オールダショウ型精留塔を用いた。
【0028】実施例1 (1)シクロヘキシルビニルエーテルの分離、回収 シクロヘキサノールのアセチレンによるビニル化反応生
成物を、予め触媒を除去処理することにより得られ、シ
クロヘキシルビニルエーテル90.1wt%、シクロヘキ
サノール8.0wt%、その他成分1.9wt%を含む混合
物を、抽出蒸留塔の塔頂から16段目に341ml/hr で
導入し、また、塔頂から11段目に抽出蒸留溶媒として
1,4−ブタンジオールを142ml/hr で供給し、向流
接触させた。この時、供給した1,4−ブタンジオール
は混合物中のシクロヘキサノールに対して重量比で6に
相当した。
【0029】抽出蒸留塔を、100mmHg、還流比4の条
件で運転したところ、塔頂部からは、82.5℃におい
てシクロヘキシルビニルエーテル97.2wt%、シクロ
ヘキサノール2.1wt%を含む留出液が303ml/hr で
留出した。また、塔底部からは、100℃において18
0ml/hr の液が抜き出された。
【0030】この抽出蒸留塔塔頂部からの留出液は、エ
ーテル系共沸蒸留塔の塔頂より10段目に導入し、塔頂
温度150℃、760mmHg、還流比10の条件で蒸留し
た。この共沸蒸留塔では、塔底部より168℃において
285ml/hr で液を抜き出し、これをエーテル系精製蒸
留塔の塔頂より10段目に導いた。また、エーテル系共
沸蒸留塔塔頂部からの留出液は18ml/hr で系外へ抜き
出した。
【0031】続いて、エーテル系精製蒸留塔を100mm
Hg、還流比4の条件で運転し、塔頂部から87℃におい
て277ml/hr で留出液を回収した。この留出液は分析
の結果、シクロヘキシルビニルエーテル99.2wt%及
びシクロヘキサノール0.1wt%を含んでいた。また、
シクロヘキシルビニルエーテルの収率は90.0wt%で
あった。尚、ここで収率は、原料として抽出蒸留塔に供
給された混合物中のシクロヘキシルビニルエーテルに対
する回収シクロヘキシルビニルエーテルの割合である。
【0032】(2)シクロヘキサノール及び抽出蒸留溶
媒の分離、回収 上記(1)における抽出蒸留塔塔底部からの抜き出し液
は、シクロヘキサノール、抽出蒸留溶媒である1,4−
ブタンジオール及び少量のシクロヘキシルビニルエーテ
ル等を含むので、この混合物をさらに蒸留、分離した。
【0033】即ち、抽出蒸留塔の塔底部からの抜き出し
液をアルコール系共沸蒸留塔の塔頂より10段目に18
0ml/hr で導き、200mmHg、還流比10の条件で運転
した。そして、この共沸蒸留塔の塔頂部から103℃に
おいて16ml/hr で留出液を留出させ、塔底部からは1
13℃において162ml/hr で液を抜き出した。アルコ
ール系共沸蒸留塔の塔頂部留出液は、シクロヘキサノー
ルを主成分とし、少量のシクロヘキシルビニルエーテル
を含むが、これを系外へ抜き出した。
【0034】また一方、塔底部抜き出し液は、主にシク
ロヘキサノールと1,4−ブタンジオールからなるの
で、アルコール系精製蒸留塔の塔頂より10段目へ16
2ml/hr で導入した。そして、この精製蒸留塔を300
mmHg、還流比10で蒸留したところ、塔頂部から128
℃において純度99.5wt%のシクロヘキサノール16
ml/hr が、また塔底部からは、141℃において実質的
に1,4−ブタンジオールである液141ml/hrが回収
された。
【0035】なお、エーテル系共沸蒸留塔の塔頂留分な
らびにアルコール系共沸蒸留塔の塔頂留分を抽出蒸留塔
の原料に循環運転した場合についてのエーテル系精製蒸
留塔の塔頂から得られる高純度シクロヘキシルビニルエ
ーテルの収率は、約95wt%となることが上記の実験結
果から推定される。
【0036】実施例2 抽出蒸留溶媒をエチレングリコールとし、抽出蒸留塔を
塔頂部温度85.5℃、塔底部温度101.0℃の条件
で運転した以外は、実施例1(1)と同様に蒸留による
分離、精製を行った。
【0037】その結果、エーテル系精製蒸留塔塔頂部か
らシクロヘキシルビニルエーテル99.3wt%、シクロ
ヘキサノール0.1wt%を含む留出液を得た。
【0038】実施例3 抽出蒸留溶媒をジメチルスルホキシドとし、抽出蒸留塔
を塔頂部温度89.5℃、塔底部温度を105.5℃の
条件で運転した以外は、実施例1(1)と同様に分離、
精製を行った。
【0039】その結果、エーテル系精製蒸留塔塔頂部か
らシクロヘキシルビニルエーテル99.0wt%、シクロ
ヘキサノール0.1wt%を含む留出液を得た。
【0040】比較例1 抽出蒸留溶媒を水とし、抽出蒸留塔を塔頂部温度48
℃、塔底部温度60℃の条件で運転した以外は、実施例
1(1)と同様に分離、精製を行った。
【0041】その結果、抽出蒸留塔の塔頂部からシクロ
ヘキシルビニルエーテル94.2wt%、シクロヘキサノ
ール3.3wt%を含む留出液を得た。尚、この時のシク
ロヘキシルビニルエーテルの収率は65.0wt%であっ
た。
【0042】
【発明の効果】本発明の抽出蒸留を用いる方法によれ
ば、抽出蒸留溶媒として特定の溶媒を選択することによ
り、水を用いることなく蒸留による簡便な方法で、高純
度のシクロヘキシルビニルエーテルを高収率で分離、回
収できる。本発明方法では従来法とは異なり水を含まな
い抽出蒸留溶媒を用いるので、目的物であるシクロヘキ
シルビニルエーテルの加水分解が起こらず、目的物を高
収率で得ることができるという利点が得られる。また反
応原料であるシクロヘキサノールや抽出蒸留溶媒を効果
的に分離、回収できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施態様を示すフローダイアグ
ラムである。
【符号の説明】
1 抽出蒸留塔 2 エーテル系共沸蒸留塔 3 エーテル系精製蒸留塔 4 アルコール系共沸蒸留塔 5 アルコール系精製蒸留塔

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シクロヘキシルビニルエーテルとシクロ
    ヘキサノールとの混合物を主成分とする原料を抽出蒸留
    してシクロヘキシルビニルエーテルを分離回収する方法
    において、原料を抽出蒸留塔の中間部に導入し、炭素数
    2〜5のジオール類、ジメチルスルホキシド及びジメチ
    ルホルムアミドから選ばれる少なくとも1種以上の抽出
    蒸留溶媒を原料供給段より塔上部に導入しながら蒸留す
    ることを特徴とするシクロヘキシルビニルエーテルの分
    離回収方法。
  2. 【請求項2】 炭素数2〜5のジオール類が、エチレン
    グリコール、1,2−プロパンジオール、ジエチレング
    リコールまたは1,4−ブタンジオールである請求項1
    の分離回収方法。
  3. 【請求項3】 抽出蒸留塔の該抽出蒸留溶媒供給段より
    上部から留出する留分をエーテル系共沸蒸留塔の中間部
    に導入し、該エーテル系共沸蒸留塔上部から留出するシ
    クロヘキシルビニルエーテルとシクロヘキサノールとの
    共沸混合物を該抽出蒸留塔の中間部に循環するととも
    に、該抽出蒸留塔上部よりの留分を導入する部位および
    該エーテル系共沸蒸留塔上部以外の部位より、シクロヘ
    キシルビニルエーテル留分を該エーテル系共沸蒸留塔よ
    り回収する請求項1または請求項2の分離回収方法。
  4. 【請求項4】 該エーテル系共沸蒸留塔において、抽出
    蒸留塔の上部より留出する留分を供給する部位より下方
    で、高沸点成分の抜き出し部位より上方の任意の部位よ
    りシクロヘキシルビニルエーテル留分を側流として抜き
    出すとともに、塔下部より高沸点成分を抜き出す請求項
    3の分離回収方法。
  5. 【請求項5】 該エーテル系共沸蒸留塔において、塔下
    部からシクロヘキシルビニルエーテル留分を抜き出し、
    これをさらに蒸留により精製して高純度シクロヘキシル
    ビニルエーテルを回収する請求項3の分離回収方法。
  6. 【請求項6】 該抽出蒸留塔下部からの抜き出し液をア
    ルコール系共沸蒸留塔の中間部に供給し、該アルコール
    系共沸蒸留塔上部より留出するシクロヘキサノールとシ
    クロヘキシルビニルエーテルとの共沸混合物を該抽出蒸
    留塔の中間部へ循環するとともに、該アルコール系共沸
    蒸留塔下部からの抜き出し液を、さらに蒸留によりシク
    ロヘキサノールと抽出蒸留溶媒とに分離する請求項1〜
    5の分離回収方法。
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