JPH0733778B2 - 車両用駆動力制御装置 - Google Patents

車両用駆動力制御装置

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JPH0733778B2
JPH0733778B2 JP63009226A JP922688A JPH0733778B2 JP H0733778 B2 JPH0733778 B2 JP H0733778B2 JP 63009226 A JP63009226 A JP 63009226A JP 922688 A JP922688 A JP 922688A JP H0733778 B2 JPH0733778 B2 JP H0733778B2
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accelerator operation
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shift
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実 田村
真二 片寄
晃清 村上
徹 岩田
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Nissan Motor Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、アクセル操作子と機械的に非連結とされたス
ロットル弁がアクセル操作子の操作に応じて開閉制御さ
れる車両用駆動力制御装置に関する。
(従来の技術) 従来の車両用駆動力制御装置としては、例えば、特開昭
60−431332号公報に記載されている装置が知られてい
る。
この従来装置は、アクセルペダル位置に応じて、エンジ
ンへの燃料供給量を変化させてエンジン出力を制御する
自動車のエンジン出力制御装置において、駆動輪回転数
検出手段、非駆動輪回転数検出手段、両検出手段出力か
らのタイヤ一路面間の滑り率を演算する演算手段、演算
された滑り率と設定滑り率を比較する比較手段、演算さ
れた滑り率が大きい時に前記アクセルペダル位置に基づ
いた制御出力に優先して強制的にエンジンへの燃料供給
を減少させる信号を出力する滑り率制御手段を備えたこ
とを特徴とするものであった。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、このような従来の車両用駆動力制御装置
にあっては、設定スリップ率を越えた時にはエンジンへ
の燃料供給を減少させてスリップを回避し、スリップ回
避後は、そのままスリップ回避前の状態に復帰させる制
御を行なう為、スリップを回避した後に同様なスリップ
が再度生じてしまうという課題があった。
また、駆動輪スリップが発生し易い低摩擦係数路での走
行時には、アクセル操作とは無関係にエンジンへの燃料
供給減少と燃料供給増大とが繰り返されるハンチング状
態となり、ガクガク振動を生起させる。
また、スリップ率が大きい時には、アクセルペダル位置
に基づいたスロットル開度制御に優先して強制的にエン
ジン駆動力の制御がなされる為、スリップ防止制御時に
はアクセルペダル操作とエンジン駆動力との対応関係が
なくなり、アクセル操作違和感が生じる。
そこで、これらの課題を解決するべく本出願人は、先に
特願昭61−157389号の出願を行なった。
しかし、この先行出願では、スリップ率が設定スリップ
率を越えた時、その時点での制御特性マップに基づき、
そのマップより下位のマップを選択する構成となってい
た為、スリップ率が小さい時にマップが上位に移行し、
その結果スリップ率が大きくなった場合、その時点での
マップに基づき下位マップを選択するのは、エンジンの
応答遅れ等が考慮されなく不合理である。
即ち、現時点でのマップの持つ意味がないにもかかわら
ず、そのマップに基づいて新たなマップを選択するの
は、設定次第で加速不良あるいはスリップ再発を招く。
また、スリップ率が大きい時には一義的に駆動力を減少
させる構成となっている為、A/T車のシフトアップ時、
ギヤ比の変化により駆動軸回転数変化が、路面負荷が小
さい(低μ路)ためにタイヤ側に伝達されてスリップ率
が増大するという、A/T車特有のスリップ発生に対して
も駆動力の減少制御がなれることになる。
この為に、本来のエンジン出力過剰によるスリップは防
止出来るが、上記の様なA/T車特有のスリップ時にも駆
動力を減少させては加速不良を招く。即ち、A/T車特有
のスリップはエンジン出力過剰によるスリップではな
く、単に、ギヤ比変化による見かけのスリップであるた
めに、駆動力減少の必要性は少ない。更に、スリップ時
にマップを下位へ移行させる構成ではシフトアップ後の
駆動力不足により加速不良感を招いてしまう。
(課題を解決するための手段) 本発明は、上述のような課題を解決することを目的とし
てなされたもので、この目的達成のために本発明では以
下に述べる解決手段とした。
請求項1記載の発明の解決手段を、第1図に示すクレー
ム対応図により説明すると、駆動輪速検出手段aから得
られる車輪速度と車体速検出手段bから得られる車体速
度とによってタイヤ一路面間のスリップ率を演算するス
リップ率演算手段cと、アクセル操作子に対するアクセ
ル操作量を検出するアクセル操作量検出手段dと、シフ
トアップ状態を検出するシフトアップ検出手段eと、ス
ロットル弁の実スロットル開度値を検出する実スロット
ル開度値検出手段fと、アクセル操作量に対するスロッ
トル開度の関係を、制御特性マップとして複数設定させ
ているマップ設定手段gと、基本的には、前記スリップ
率が設定スリップ率を越える毎に、選択されている制御
特性マップよりアクセル操作量に対するスロットル開度
の増大比率を下げた下位の制御特性マップを選択する
が、シフトアップ状態を検出した場合には、シフトアッ
プ検出から所定時間の間にスリップ率が設定スリップ率
を越えても、前述の下位の制御特性マップへの移行を禁
止するマップ選択手段hと、該マップ選択手段hにより
選択されている制御特性マップと前記アクセル操作量と
によって目標スロットル開度値を求めると共に、シフト
アップ時には、シフトアップ検出から所定時間だけ目標
スロットル開度値を全閉とする目標スロットル開度値設
定手段iと、前記実スロットル開度値を前記目標スロッ
トル開度値に一致させる制御信号をスロットルアクチュ
エータjに対して出力するスロット弁開閉制御手段k
と、を備えていることを特徴とする。
(作 用) 低摩擦係数路での走行時や高摩擦係数路での加速走行時
等において駆動輪スリップが発生した場合には、マップ
選択手段hにおいて、スリップ率が設定スリップ率を越
える毎に、選択されている制御特性マップよりアクセル
操作量に対するスロットル開度の増大比率を下げた下位
の制御特性マップが選択される。
よって、スリップ率が設定スリップ率を越える毎にスロ
ットル弁が閉じ方向に作動するため、駆動輪スリップの
発生に応じて駆動力が低下し、駆動輪スリップが防止さ
れる。
また、下位の制御特性マップが選択された状態で、スリ
ップ率が設定スリップ率を越えない場合には、直ちにマ
ップ落ち前の駆動力レベルに復帰することなく、選択さ
れている下位の制御特性マップがそのまま保持されるこ
とになるため、スリップ防止直後の再スリップが防止さ
れるし、駆動力制御中に燃料カット制御のような駆動力
の増減に伴うハンチングの発生もない。
一方、シフトアップ状態を検出した場合には、マップ選
択手段hにおいて、シフトアップ検出から所定時間の間
にスリップ率が設定スリップ率を越えても、下位の制御
特性マップへの移行が禁止される。
すなわち、シフトアップを検出した後、所定時間の間に
駆動輪スリップが発生したとしても、このスリップはギ
ヤ比の変化を原因とする見かけのスリップとみなし、こ
の場合、マップ落ちを禁止することで、シフトアップ
後、駆動力不足による加速感の不良を招くことが防止さ
れる。
そして、シフトアップ時には、目標スロットル開度値設
定手段iにおいて、シフトアップ検出から所定時間だけ
目標スロットル開度値が全閉とされ、スロットル弁が全
閉とされる。
すなわち、シフトアップ後の加速感に確保を達成するに
は前述のようにマップ落ち禁止を実行すればよいが、シ
フトアップ中にギヤ比の変化を原因とするスリップを許
容してしまうことになる。そこで、シフトアップ検出か
ら所定時間だけスロットル弁を全閉とすることで、ギヤ
比の変化を原因とするスリップの発生が抑えられる。
このシフトアップ時のマップ落ち禁止とスロットル全閉
制御を行なう結果、シフトアップ時のスリップ抑制とシ
フトアップ後の加速感確保との両立が図られることにな
る。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面により詳述する。
尚、この実施例を述べるにあたって、後輪駆動車に適用
した駆動力制御装置を例にとる。
まず、実施例の構成を説明する。
実施例の駆動力制御装置Aが適用される後輪駆動車のパ
ワートレーンPは、第2図に示すように、エンジン10、
オートマチックトランスミッション11、プロペラシャフ
ト12、リヤディファレンシャル13、リヤドライブシャフ
ト14,15、後輪16,17を備えている。
実施例の駆動力制御装置Aは、アクセル操作子であるア
クセルペダル20と、前記エンジン10の吸気系であるスロ
ットルチャンバ21に設けられるスロットル弁22とを機械
的に非連結とし、アクセルコントロールワイヤ等の機械
的な連結手段に代えてアクセルペダル20とスロットル弁
22との間に設けられる制御装置で、入力センサとして、
後輪回転数センサ30、右前輪回転数センサ31、左前輪回
転数センサ32、アクセルポテンショメータ33を備え、演
算処理手段として、スロットル弁制御回路34を備え、ス
ロットルアクチュエータとして、ステップモータ35を備
えている尚、スロットル弁制御回路34には、オートマチ
ックトランスミッション11の変速制御をするA/T制御回
路36からギヤ位置指令信号が入力され、この信号でギヤ
位置を検出する。
前記後輪回転数センサ30は、駆動輪速の検出手段で、前
記リヤディファレンシャル13の入力軸部に設けられ、後
輪回転速度VRに応じた後輪回転信号(vr)を出力する。
尚、後輪回転数センサ30としては光感知センサや磁気感
知センサ等が用いられ、後輪回転信号(vr)としてパル
ス信号が出力される場合には、スロットル弁制御回路34
内の入力インタフェース回路341において、F/Vコンバー
タでパルス信号の周波数に応じた電圧に変換され、さら
にA/Dコンバータで電圧値がデジタル値に変換され、CPU
342やメモリ343に読み込まれる。
前記右前輪回転数センサ31及び左前輪回転数センサ32
は、車体速の検出手段で、前記前輪18,19のそれぞれの
アクセル部に設けられ、右前輪回転速度VFR及び左前輪
回転速度VFLに応じた右前輪回転信号(vfr)及び左前輪
回転信号(vfl)を出力する。
尚、両前輪回転数センサ31,32からの出力信号をスロッ
トル弁制御回路34のCPU342で読み込むための信号変換
は、前記後輪回転数センサ30と同様になされる。
前記アクセルポテンショメータ33は、絶対アクセル操作
量lの検出手段で、前記アクセルペダル20の位置に設け
られ、絶対アクセル操作量lに応じた絶対アクセル操作
量信号(l)を出力する。
尚、このアクセルポテンショメータ33からの出力信号
は、電圧値によるアナログ信号であるため、入力インタ
フェース回路341のA/Dコンバータにてデジタル値に変換
され、CPU342やメモリ343に読み込まれる。
前記スロットル弁制御回路34は、前記入力センサからの
入力情報や、メモリ343に一時的あるいは予め記憶され
ている情報を、所定の演算処理手順に従って処理し、ス
ロットルアクチュエータであるステップモータ35に対し
パルス制御信号(c)を出力するマイクロコンピュータ
を中心とする電子回路で、内部回路として、入力インタ
フェース回路341、CPU(セントラル・プロセシング・ユ
ニット)342、メモリ(RAM,ROM)343、出力インタフェ
ース回路344を備えている。
このスロットル弁制御回路34のマップ設定手段としての
機能をもつメモリ343には、第3図に示すように、絶対
アクセル操作量lに対するスロットル開度θの制御特性
マップとして8種類の上限及び下限を有する領域制御特
性マップ#0〜#7が設定されていて、各マップ#0〜
#7は、路面摩擦係数μを下記の表1とした場合の最大
駆動力を発生するスロットル開度θに相当する。
尚、各マップ#0〜#7の上限は、絶対アクセル操作量
3/4でのスロットル開度最大値とゼロ基準点とを結ぶ線
と、絶対アクセル操作量3/4〜4/4におけるスロットル開
度最大値の線とで形成され、下限は、絶対アクセル操作
量4/4でのスロットル開度最大値とゼル基準点とを結ぶ
線で形成されている。
また、スロットル弁制御回路34のメモリ343には、第4
図に示すように、相対アクセル操作量Δlに対するスロ
ットル開度変化量Δθとの関係特性が三次曲線的な特性
として設定されている。
前記スロットル弁制御回路34には、特許請求の範囲で述
べたスリップ率演算手段、実スロットル開度検出手段、
マップ選択手段、目標スロットル開度値設定手段、スロ
ット弁開閉制御手段が含まれている。
尚、前記実スロットル開度検出手段は、スロットル弁制
御回路34のCPU342から出力インタフェース回路344へのS
TEP指令信号を同時にメモリ343で受け、このメモリ343
でSTEP数を書込みカウントする内部回路構成の手段であ
り、CPU342からの読み出し指令に従って実スロットル開
度値θが随時CPU34へ読み出される。
また、前記マップ選択手段には、マップ上り選択手段と
マップ落ち選択手段とが含まれている。
前記ステップモータ35は、前記スロットル弁22を開閉作
動させるアクチュエータで、回転子と励磁巻線を有する
複数の固定子とを備え、励磁巻線へのパルスの与え方で
正転方向及び逆転方向に1ステップずつ回転する。
次に、第1実施例の作用を説明する。
まず、CPU342におけるスロットル弁開閉制御作動の流れ
を、第5図に示すメインルーチンのフローチャート図と
第6図に示すサブルーチンのフローチャート図とによっ
て述べる。
尚、第5図のメインルーチンでの処理は、図示していな
いオペレーティングシステムにより所定周期(例えば20
msec)で起動される定時間割り込み処理であり、第6図
のサブルーチンでの処理は、この定時間割り込みにより
決定されるステップモータ35への信号出力周期に応じて
メインルーチン内で適宜起動されるoci(アウトプット
・コンペア・インタラプト)割り込み処理である。
(イ)初期設定 第5図に示すメインルーチンは、キーシリンダへエンジ
ンキーを差し込み、イグニッションスイッチをOFFからO
Nに切り換えた時点から起動が開始され、第1回目の処
理作動時には、最初かどうかの判断がなされ(ステップ
100)、次のイニシャルライズステップ101に進む。
このイニシャライズステップ101では、MAPFLGをMAPFLG
=0に設定すると共に、他のFLGや基準値l0000等の
情報を全てクリアにする。
(ロ)スリップ率演算処理 タイヤ一路面間のスリップ率Sの演算処理は、ステップ
102〜ステップ107で行なわれる。
まず、各回転数センサ30,31,32からの入力信号に基づい
て後輪回転速度VR,右前輪回転速度VFR,左前輪回転速度V
FLが読み込まれ(ステップ102)、次に前輪回転速度VF
が演算される(ステップ103)。
尚、演算式は、 であり、平均値により求めている。
次に、駆動輪である後輪回転速度VRが40km/h以上かどう
かが判断され(ステップ104)、VR≧40(km/h)の場合
にはステップ105へ進み、このステップ105においてスリ
ップ率Sが演算される。
尚、スリップ率Sの演算式は、 である。
また、前記ステップ104でVR<40(km/h)と判断された
場合には、前後輪回転速度差ΔV(=VR−VF)が演算さ
れ(ステップ106)、演算により求められた前後輪回転
速度差ΔVに応じてスリップ率Sが設定される(ステッ
プ107)。
従って、前記ステップ105またはステップ107で得られた
スリップ率Sは、グラフにあらわすと、第7図に示すよ
うになり、このスリップ率Sが以下の制御作動で各設定
スリップ率S0,S1,S2と比較する場合のしきい値となる。
(ハ)制御情報の設定処理 後述するマップ選択処理やアクセルワーク判別処理で用
いられる制御情報の設定処理は、ステップ150〜ステッ
プ154及びステップ251〜ステップ255で行なわれる。
まず、2周期前の処理においてサンプリングされ、1周
期前の処理において前回絶対アクセル操作量l1として取
り扱われたアクセルペダル踏み込み量が、前々回絶対ア
クセル操作量l2としてセットされる(ステップ150)。
また、1周期前の処理においてサンプリングされ、今回
絶対アクセル操作量l0として取り扱われたアクセルペダ
ル振り込み量が、前回絶対アクセル操作量l1としてセッ
トされる(ステップ151)。次に、現在のアクセルペダ
ル踏み込み量が、今回絶対アクセル操作量l0として、ま
た、現在のスロットル弁開度が実スロットル開度値θ
としてサンプリングされて読み込まれる(ステップ15
2)。次いで、セット済みの今回絶対アクセル操作量l0
から前回絶対アクセル操作量l1が差し引かれることによ
り、1周期前の処理時からのアクセルペダル踏み込み量
の変化量である今回相対アクセル操作量ΔL0が算出され
(ステップ153)、また、前回絶対アクセル操作量l1
ら前々回絶対アクセル操作量l2が差し引かれることによ
り2周期前の処理時から1周期前の処理時までに変化し
たアクセルペダル踏み込み量の変化量である前回相対ア
クセル操作量ΔL1が算出される(ステップ154)。
ステップ251〜ステップ255では、制御特性マップMAPFLG
の所定時間前(ここでは600msec前)までの間の記憶を
行なっている。
カウンタCTRは、MAPFLGを所定個(実施例では600msec/2
0mse=30個)の番地に記憶させる為にループさせる回数
を定めるカウンタであり、ステップ251→ステップ253の
間を29回ループさせた後、ステップ254以降へ進むよう
にしている。ステップ252ではMAPFLGの値が記憶されて
いるメモリ番地にCTRの値を加えた番地(「(MAPFLG)
+CTR」)の値を+1番地のメモリ番地に記憶してい
る。ループに従って順次+1番地のメモリに過去のMPAF
LGの値が記憶されていく為、後述するステップ123,124
及びステップ129,130で用いる600msec前のMFPFLGの値MA
POLDはMAPFLG+30番地に記憶されている。スンテップ25
4では、ステップ252の29回目のループで得られた「MAPF
LG+30」番地の内容、即ち、MAPFLGの600msec前の値をM
APFLGに記憶する。
尚、ステップ253で示すカウンタCTRのクリア処理により
1制御サイクルに1回、MAPOLDが「600msec前のMAPFLG
の値」として書き換えられる。
(ニ)マップ上り選択処理 尚、この処理は、後述するヤップ落ち選択手段により領
域制御特性が最上位領域制御特性マップより下位の領域
制御特性マップにある場合に行なわれる。
現在選択されている領域制御特性マップより絶対アクセ
ル操作量lに対するスロットル開度θの増大比率を上げ
た上位の領域制御特性マップを選択するマップ上り選択
処理は、ステップ110〜ステップ119及びステップ161〜
ステップ163で行なわれる。
まず、今回絶対アクセル操作量l0が高設定アクセル操作
量LH以上であるかどうかが判断される(ステップ11
5)。尚、第1実施例での高設定アクセル操作量lHは、
最大アクセル操作量を1とした場合、キックダウン的な
領域境界であるlH=3/4に設定されている。
また、今回絶対アクセル操作量l0が低設定アクセル操作
量lH以上であるかどうかが判断される(ステップ25
0)。尚、第1実施例での低設定アクセル操作量lLは、
低アクセル操作領域境界としてlL=1/4に設定してい
る。
そして、ステップ115でl0<lH及びステップ250でl0>lL
と判断された場合は(つまりlL≦l0<lHの場合)、今回
相対アクセル操作量ΔL0がΔL0>0かどうか、すなわち
アクセルペダル20に対して踏み込み操作時であるかどう
かが判断され(ステップ110)、次にステップ率SがS
≦S0(例えば、S0=0.1)であるかどうか、すなわち設
定スリップ率S0以下で駆動輪スリップがほとんど発生し
ていないかどうかが判断され(ステップ111)、次に実
スロットル開度値θがθ≧θMAXかどうか、すなわ
ち実スロットル開度値θが前回に選択されている領域
制御特性マップによるスロットル開度上限値θMAXかど
うかが判断され(ステップ112)、次MAPFLGがMAPFLG=
0かどうかが、すなわちマップ上りが可能なマップ#1
〜#7であるかどうかが判断され(ステップ113)、こ
れらのマップ上り条件を全て満足している時にだけステ
ップ114へ進み、MAPFLGの番号(#1〜#7)が1番下
げられ(ステップ114)領域制御特性マップとしては1
段階上位のマップに移行する。尚、前記ステップ110〜
ステップ113で述べたマップ上り条件を1つでも満足し
ない時には、新たにマップ上り条件の全てが満足される
までその時に選択されている領域制御特性マップが保持
される。
また、ステップ115でl0≧lHと判断された場合は、スリ
ップ率SがS≦S0(例えば、S0=0.1)であるかどうか
が判断され(ステップ116)、S≦S0の時はステップ117
へ進み、タイマアップかどうかが判断され、タイマアッ
プとなっていない場合にはステップ118へ進みタイマ値
増大がなされる。このように、ステップ115→ステップ1
16→ステップ117→ステップ118という流れが継続して繰
り返され、ステップ117でタイマアップであると判断さ
れた場合には、ステップ161でMAPFLGがMAPFLG=0かど
うか、すなわちマップ上り可能なマップ#1〜#7であ
るかどうかが判断され、l0≧lHで、S≦S0が所定時間継
続し、MAPFLG≠0というマップ上り条件を全て満足して
いたらステップ162へ進み、MAPFLGの番号(#1〜#
7)が1番下げられ、領域制御特性マップとしては1段
階上位のマップに移行する。尚、ステップ119及びステ
ップ163は、タイクリアステップであり、スリップ率S
が>S0となった場合、及びマップ上り制御が終了した場
合に、次のタイマ値カウントのためにタイマクリアされ
る。また、第1実施例でタイマアップとなる設定時間T0
は、0.8secに設定されている。
(ホ)マップ落ち選択処理 アップシフト時におけるマップ落ち禁止処理はステップ
260〜ステップ269で行なわれ、また、現在選択されてい
る領域制御特性マップより絶対アクセル操作量lに対す
るスロットル開度θの増大比率を下げた下位の領域制御
特性マップを選択するマップ落ち選択処理は、ステップ
120〜ステップ131で行なわれる。
まず、アップシフト時におけるマップ落ち禁止処理につ
いて述べると、ステップ260では、現在のギヤ位置ATPOS
が読み込まれ、ステップ261では、現在のギヤ位置ATPOS
と1制御周期前のギヤ位置ATPOSOとの比較がなされ、AT
POS>ATPOSOである時、即ち、アップシフト時には、ス
テップ262へ進み、このステップ262でマップ落ち禁止フ
ラグATFLAGを“1"とし、さらに、ステップ263において
マップ落ち禁止時間用タイマATTMRをクリアにし、ステ
ップ264でATPOSをATPOSOに書き換え記憶する。
そして、アップシフトから所定時間Kが経過していなく
マップ落ち禁止フラグATFLAG=1である時には、ステッ
プ265からステップ266へ進み、ATTMRが所定時間K(例
えば、K=1sec)経過したかどうかが判断され、経過し
ていない場合(ATTMR<K)には、ATTMRをインクリメン
トし(ステップ267)、ステップ264へ進む。
このステップ265からステップ267へ進む流れが繰り返さ
れ、ステップ266においてATTMR=Kとなった時には、ス
テップ268へ進み、マッヴ落ち禁止を解除してATTMR及び
ATFLAGをクリアにし、ステップ269ではATPOSをATPOSOに
書き換え記憶し、ステップ120以降のマップ落ち処理へ
進む。
尚、アップシフト時ではない場合には、ステップ260→
ステップ261→ステップ265→ステップ269へと進み、マ
ップ落ちが何ら禁止されることなくそのままステップ12
0以降のマップ落ち処理へ進む。
次に、マップ落ち処理について述べると、スリップ率S
と第1設定値S1(例えば、S1=0.1)とが比較され、マ
ップ1枚落しの上限であるS>S1かどうか、すなわち駆
動輪スリップが発生しているかどうかが判断され(ステ
ップ120)、S>S1の場合には次のステップ120へ進みFL
AG・A=0でどうかが判断され、FLG・A=0である場
合にはFLAG・A=1にセットされ(ステップ122)、次
のステップ123ではMAPFLGの600msec前の値MAPOLD(ステ
ップ254)が7かどうかが判断され、MAPOLD≠7の時は
マップ1枚落しの条件を満足していることでMAPFLGの番
号(#0〜#6)が1番上げられて、その値をMPFLGの
番地にメモリされる(ステップ124)。
尚、ステップ124でマップ1枚落ちが行なわれた後は、
ステップ120でS≦S1と判断され、ステップ125を経過し
てFLAG・A=0にセットされ、しかも、新たにS>S1
ならない限り、マップ1枚落ちの選択処理はなされず、
ステップ124でのマップ1枚落ちにより選択された領域
制御特性マップがそのまま保持される。ただし、FLAG・
A=1の時でステップ121からステップ126へ進み、後述
するS>S2というマップ落しの条件を満足している場合
は別である。
また、前記ステップ124から次のステップ126へ進むと、
スリップ率Sと第2設定値S2(例えば、S2=0.3)とが
比較され、マップの1枚落し条件であるS>S2かどう
か、すなわち過大な駆動輪スリップが発生しているかど
うかが判断され、S>S2の場合には次のステップ127へ
進みFLAG・B=0かどうかが判断され、FLAG・B=0で
ある場合にはFLAG・B=1にセットされ(ステップ12
8)、次のステップ129ではMAPFLGの600msec前の値MAPOL
D(ステップ254)が7かどうかが判断され、MAPOLD≠7
の時はマップ1枚落しの条件(S>S2かつMAPOLD≠7)
を満足しているこどでMAPOLDの番号(#0〜#6)が1
番上げられ領域制御特性マップとして1段階下位のマッ
プに移行しMAPOLDの値がMAPFLGに記憶される(ステップ
130)。
尚、ステップ130でマップ1枚落ちが行なわれた後は、
ステップ126でS≦S2と判断され、ステップ131を経過し
てFLAG・B=0にセットされ、しかも、新たにS>S2
ならない限り、マップ1枚落ちの選択処理はなされず、
ステップ130でのマップ1枚落ちにより選択された領域
制御特性マップがそのまま保持される。
(ヘ)領域制御特性マップの設定 ステップ140では、前述のマップ上り選択処理とマップ
落ち選択処理との経過によって選択されているMAPFLGの
番号と同じ番号の領域制御特性マップが設定される。
(ト)マップ保持処理 l0≦lLの時は、前述のステップ250でマップ上り選択処
理のステップ110〜ステップ114をバイパスするので、現
在選択されている領域制御特性マップがそのまま保持さ
れていることになる。
尚、l0≦lLの時には当然l0≦lHとなるので、ステップ11
6〜ステップ119,ステップ161〜ステップ163のもう1つ
のマップ上り選択処理に信号が入力されることはない。
また、ステップ164では今回絶対アクセル操作量l0が低
設定アクセル操作量lLを超えているかどうかが判断さ
れ、l0>lLの時はステップ155〜ステップ157の後述する
アクセルローク判断処理がなされ、l0≦lLの時はどのよ
うなアクセル操作をしてもステップ158及びステップ159
へ進み、基準値l0000を更新するために、選択されて
いる領域制御特性マップの下限に沿うスロットル開度θ
となる。
尚、第1実施例での低設定アクセル操作量lLは微小アク
セル操作領域境界としてlL=1/4に設定している。
また、l0≦lLの時は、前述のステップ250で、マップ上
り選択処理のステップ110〜ステップ114をバイパスする
ので、選択されている領域制御特性マップがそのまま保
持されることになる。
(チ)アクセルワーク判別処理 アクセルワーク判別処理は、相対アクセル操作量ΔLを
求める基準を定速走行アクセル操作時としていること
で、定速走行アクセル操作時であるか否かを判別するた
めに、前記ステップ150〜ステップ154で得られた情報に
基づいてステップ155〜ステップ159で行なわれる処理で
ある。
まず、アクセルワークの判断論理は、前回相対アクセル
操作量ΔL1と今回相対アクセル操作量ΔL0を用いて、ア
クセルペダル20が2周期前の処理時から引き続いて踏み
込み方向への操作中であるとの加速アクセル操作判定が
行なわてた時(ステップ155で肯定的,ステップ156へ肯
定的)、あるいは、引き続いて戻し操作中であるの減速
アクセル操作判定が行なわれた時(ステップ155で否定
的,ステップ157で否定的)には、次のステップ160へ進
む。
また、アクセルペダル20が停止操作されてその位置に保
持された場合(ステップ155で否定的,ステップ157で肯
定的)、アクセルペダル20の操作方向が踏み方向から戻
し方向へ切り替わった場合(ステップ155で肯定的,ス
テップ156で否定的)、あるいはその逆に切り替わった
場合(ステップ155で否定的,ステップ157で肯定的)に
は、アクセルペダル踏み込み量の変化量が0を含む増加
から0を含む減少または減少から増加に移行する定速走
行アクセル操作時と判定され、ステップ158へ進み、今
回絶対アクセル操作量l0がアクセ操作量基準値l00とし
てセットされ、さらにステップ159へ進み今回の実スロ
ットル開度値θがスロットル開度基準値θ00としてセ
ットされる。
(リ)相対アクセルストローク演算処理 前述のアクセルワーク判別処理が行なわれた後は、ステ
ップ160へ進み、相対アクセル操作量ΔLが演算され
る。
この相対アクレル操作量ΔLの演算式は、ΔL=l0−l
00であるため、加速アクセル操作時や減速アクセル操作
時には、最初に定速走行アクセル操作が行なわれた時か
ら今回絶対アクセル操作量l0までのアクセル操作変化量
として演算される。また、最初の定速走行アクセル操作
時には、ΔL=l00−l00となり相対アクセル操作量ΔL
はゼロとなる。
(ヌ)スロットル開度変化量演算 ステップ170では、ステップ160により求められた相対ア
クセル操作量ΔLと、第4図に示すΔL−Δθ特性線図
とによってスロットル開度変化量Δθが演算される。
(ル)目標スロットル開度値設定処理 前記スロットル開度基準値θ00と前記ステップ170で演
算されたスロットル開度変化量Δθとによって得られる
仮目標スロットル開度値θθと、前記ステップ140で設
定された領域制御特性マップと今回絶対アクセル操作量
l0(又は、アクセル操作量基準値l00)によって求めら
れるスロットル開度上限値θMAX及びスロットル開度下
限値θMINとを比較して目標スロットル開度値θを設
定する処理は、ステップ180〜ステップ185で行なわれ
る。
まず、仮目標スロットル開度値θθは、ステップ180で
スロットル開度基準値θ00とスロットル開度変化量Δθ
とを加算する演算式、θθ=θ00+Δθで求められる。
この仮目標スロットル開度値θθとスロットル開度上限
値θMAX及びスロットル開度下限値θMINとの比較処理
は、まず仮目標スロットル開度値θθがスロットル開度
上限値θMAX以上かどうかが判断され(ステップ181)、
θθ>θMAXの場合にはスロットル開度上限値θMAXが目
標スロットル開度値θとして設定される(ステップ18
2)。また、θθ≦θMAXの場合には仮目標スロットル開
度値θθがスロットル開度下限値θMIN以下かどうかが
判断され(ステップ183)、θθ<θMINの場合にはスロ
ットル開度下限値θMINが目標スロットル開度値θ
して設定される(ステップ184)。また、θMIN≦θθ≦
θMAXの場合には、仮目標スロットル開度θθがそのま
ま目標スロットル開度値θとして設定される(ステッ
プ185)。
すなわち、目標スロットル開度値θは、選択されてい
る領域制御特性マップの領域内に存在する値として設定
される。
(ヲ)スロットル弁開閉制御処理 前述の目標スロットル開度値設定処理によって目標スロ
ットル開度値θが決まったら、実スロットル開度値θ
を目標スロットル開度値θに一致させる方向にスロ
ットル弁22を作動させる処理が第5図のメインルーチン
でのステップ200〜202と、第6図のサブルーチンでのス
テップ300〜304で行なわれる。
まず、偏差εが目標スロットル開度値θから実スロッ
トル開度値θを差し引くことで演算され(ステップ20
0)、この演算により得られた偏差εに基づいてステッ
プモー35のモータスピードの算出,正転,逆転,保持の
判断、さらにはoci割り込みルーチンの起動周期が求め
られ(ステップ201)、このステップ201で設定されたス
テップモータ35の作動制御内容に従ってoci割り込みル
ーチン(第6図)が起動される(ステップ202)。
次に、第6図によりoci割り込みルーチンのフローチャ
ート図について述べる。
まず、ステップモータ35の状態をそのまま保持する保持
指令出力時かどうかの判断がなされ(ステップ300)、
保持指令が出力されている時にはステップモータ35の固
定込側励磁状態を保持する(ステップ301)。
また、保持指令出力時以外の場合は、ステップモータ35
を逆転させる逆転指令出力時かどうかの判断がなされ
(ステップ302)、逆転指令が出力されている時には、S
TEPをSTEP−1にセットし(ステップ303)、STEP−1が
得られるパルス信号をステップモータ35に出力する(ス
テップ301)。さらに、ステップモータ35を正転させる
正転指令出力時には、STEPをSTEP+1にセットし(ステ
ップ304)、STEP+1が得られるパルス信号をステップ
モータ35に出力する(ステップ301)。
尚、このoci割り込みルーチンは、前記ステップ201で設
定された起動周期に従ってメインルーチンの起動周期内
て繰り返される。
以上述べた制御フローにより、マップ上り及びマップ落
ち制御作動は以下のようになる。
マップ上り制御は、以下に述べる条件を満足した場合、
制御特性マップを1枚上げることで行なわれる。
・アクセル操作量l0がlL≦l0<lHの場合には、踏み込み
操作時で、スリップ率Sが設定スリップ率S0を越えず、
実スロットル開度値θが選択されている領域制御特性
マップによるスロットル開度上限値θMAXである時(ス
テップ110〜ステップ114)。
・アクセル操作量l0がl0>lHの場合には、スリップ率S
が設定スリップ率S0を越えない状態が所定時間続いた時
(ステップ116〜ステップ163)。
マップ落ち制御は、スリップ率Sが設定スリップ率S1
越えた時、更に、スリップ率Sが設定スリップ率S2を越
えた時、600msec前に選択されている制御特性マップか
1枚あるいは2枚マップを落とすことで行なわれる(ス
テップ120〜ステップ130)。
但し、アップシフト時から所定時間Kの間は、ステップ
率Sが設定スリップ率S1,S2を越えたとしても、スリッ
プ率Sとは無関係にマップ落ち処理が禁止される(ステ
ップ260〜ステップ269)。
従って、D1速からD2速へのアップシフトが発生する発進
時におけるシフト位置,エンジ回転数,車輪速,マップ
のタイムチャートは、第8図に示すようになり、駆動力
過剰によりスリップが発生した場合には、マップ落ち制
御が行なわれるが(#6→#7)、ギヤ比の変化により
スリップが発生した場合には、スリップ率条件としては
マップ落ち条件を満足していても、マップが#3のまま
保持される。
そして、エンジン回転数が急激に低下する1→2変速時
には、第8図の点線で示すように、ギヤ比変化によるス
リップを抑えるために、所定時間だけ一時的にスロット
ル弁22を全閉にする制御をマップ落ち禁止制御と併用す
る。
以上説明してきたように、第1実施例の駆動力制御装置
にあっては、以下に列挙するような効果が得られる。
設定されてるl−θ制御特性マップが領域制御特性
マップであり、スロットル開度θの開閉制御は、定速走
行操作時の絶対アクセル操作量lを基準とした相対アク
セル操作量ΔLに基づいて行なわれるものであるため、
マップ領域内ではスロットル弁22の開閉制御ゲイがアク
セルワークに従って得られることにより、良好な車両の
加速正確保と、定速走行操作時の大きな車速変化防止を
両立できる。
ΔL−Δθ特性は、第4図に示すように、三次曲線
的な特性としているために、アクセル微量踏み込み時の
ギクシャンク感が防止されるし、多めに踏み込んだ時の
高い加速性の確保が達成される。
スリップ率Sは、第7図に示すように、低車体速時
には前後輪回転速度差ΔVによってスリップ率Sを求め
るようにしているため、わずかな前後輪回転速度差ΔV
でスリップ率Sが変化する低車体速時に、高検出精度や
高演算精度が要求されないし、演算誤差によるスリップ
率Sの演算値によりマップ上り制御やマップ落ち制御や
スロットル前閉制御が行なわれることもない。
今回絶対アクセル操作量l0がl0≦lLの微小アクセル
操作量領域では、マップ上りせずにその時選択されてい
る領域制御特性マップが保持されるために、絶対アクセ
ル操作量lとスロットル開度θとの対応関係が安定し、
マップ上りによりわずかなアクセルペダル20への踏み込
み操作でスロットル弁20が大きく開いてしまうというこ
とがなく、低アクセル操作量領域での大きなトルク変動
を防止することができると共に、微妙なアクセル操作が
可能である。
尚、車両停車時からの発進にあたってl0≦lLの時には領
域制御特性マップの下限に沿わせるようにした場合に
は、絶対アクセル操作量lに対するスロットル開度θの
制御ゲインを最も小さく抑えることができ、より微妙な
アクセル操作が可能となる。
今回絶対アクセル操作量l0がlL<l0<lHでの中間ア
クスセ操作量領域での領域制御特性マップのマップ上り
制御は、アクセルペダル20への踏み込み操作時で、スリ
ップ率SがS≦S0であることを条件に行なわれるもので
あるため、スロットル弁22の開き方がアクセル操作に対
応し、ドライバへの違和感が少ないし、自然な加速感を
得ることができる。
また、実スロットル開度値θがスロットル開度上限値
θMAXであることが条件に加わっているため、急なエン
ジン駆動力上昇がない。
今回絶対アクセル操作量l0がl0≧lHでの高アクセル
操作量領域での領域制御特性マップのマップ上り制御
は、スリップ率SがS≦S0の状態が設定時間T0継続して
いることを条件に行なわれるものであるため、高アクセ
ル操作量領域でドライバが意図する高い加速感を得るこ
とができる。
尚、l0≧lHというドライバの加速意志を示す条件が加わ
っているために、絶対アクセル操作量lとスロットル開
度θとに直接の対応関係がなくても、アクセル操作違和
感は生じない。
領域制御特性マップのマップ落ち制御は、スリップ
率SがS>S1であり、FLAG・A=0であることを条件に
行なわれるものであるために、マップ落ち条件を満足し
てマップ1枚落ちがなされた後にスリップ率が一旦S≦
S1となっても、マップ上り条件を満足するか、スリップ
率Sが新たに設定スリップ率S1もしくはS2を越えるまで
は下位の領域制御特性マップがそのまま保持されるため
に、駆動輪スリップ回避後であっても直ちに駆動輪スリ
ップを生じた前回の駆動力レベルまで復帰することがな
く、再スリップが防止される。
また、新たに設定スリップ率S1を越えたらさらにマップ
落ちするように、駆動輪スリップの発生に対してはスロ
ットル開度θを小さくして駆動力を減少させる方向にだ
け制御されるため、駆動力増減に伴なうハンチングの発
生もなく、ガクガク振動が防止される。
lとスロットル開度θとに直接の対応関係がなくても、
アクセル操作違和感は生じない。
領域制御特性マップのマップ落ち制御は、スリップ
率SがS>S1であり、FLAG・A=0であることを条件に
行なわれるものであるために、マップ落ち条件を満足し
てマップ1枚落ちがなされた後にスリップ率が一旦S≦
S1となっても、マップ上り条件を満足するか、スリップ
率Sが新たに設定スリップ率S1もしくはS2を越えるまで
は下位の領域制御特性マップがそのまま保持されるため
に、駆動輪スリップ回避後であっても直ちに駆動輪スリ
ップを生じた前回の駆動力レベルまで復帰することがな
く、再スリップが防止される。
また、新たに設定スリップ率S1を越えたらさらにマップ
落ちするように、駆動輪スリップの発生に対してはスロ
ットル開度θを小さくして駆動力を減少させる方向にだ
け制御されるため、駆動力増減に伴なうハンチンクの発
生もなく、ガクガク振動が防止される。
マップ上り制御に基づいてスロットル開度が開いて
ゆく過程においてスリップした場合、エンジン応答遅れ
を考慮に入れて約600msec前のスロットル開度によって
現在のスリップが発生したと推定し、その開度を基準と
してさらに1枚落し(過大スリップ時には2枚落し)す
るマップ落ち制御としている為、加速不良や再スリップ
の誘発がない、現在の路面摩擦係数に適合しスロットル
開度を得ることが出来る。
高速側ギヤ位置へシフトアップした場合には、スリ
ップ率Sの大きさ如何にかかわらず、下位の制御特性マ
ップへ移行するマップ落ち制御が禁止される為、シフト
アップ時に単に見かけのスリップ発生による駆動力減少
がなく、シフトアップ時に駆動力不足による加速不良感
が解消される。
特に、このマップ落ち禁止は、シフトアップの時期をド
ライバーが認識出来なく、アクセル操作で対応出来ない
A/T車の場合に有用である。
次に、第8図により第2実施例について説明する。
第1実施例とは異なるアップシフト時におけるマップ落
ち禁止処理についてのみ第91図のフローチャート図に基
づいて説明する。
ステップ270ではエンジ回転数NEが読み込まれ、ステッ
プ271では今回読み込まれたエンジン回転数NEと1制御
周期前のエンジン回転数NEoの差ΔNEが負かどうかが判
断され、ステップ272では今回読み込まれた後輪速VR
1制御周期前の後輪速VRoとの差ΔVRが正かどうかが判
断され、ΔNE<0かつΔVR>0である時、即ち、アップ
シフト時には、ステップ273へ進み、このステップ273で
マップ落ち禁止フラグUPFLAGを“1"とし、さらに、ステ
ップ274においてマップ落ち禁止時間用タイマUPTAMRを
クリアにする。
そして、アップシフトから所定時間Kが経過していなく
マップ落ち禁止フラグUPFLAG=1である時には、ステッ
プ275からステップ276へ進み、UPTMRが所定時間K(例
えば、K=1sec)経過したかどうかが判断され、経過し
ていない場合(UPTMR<K)には、UPTMRをインクリメン
トする(ステップ277)。
このステップ275からステップ277へ進む流れが繰り返さ
れ、ステップ276においてUPTMR=Kとなった時には、ス
テップ278へ進み、マップ落ち禁止を解除してUPTMR及び
UPFLAGをクリアにし、ステップ120以降のマップ落ち処
理へ進む。
尚、アップシフト時ではない場合には、ステップ270→
ステップ271(→ステップ272)→ステップ275へと進
み、マップ落ちが何ら禁止されることなくそのままステ
ップ120以降のマップ落ち処理へ進む。
従って、この第2実施例では、電気的な変速信号を受け
ることが出来ない場合でも、エンジン回転数が減少方向
でかつ駆動輪回転数増大方向であるという条件でシフト
アップの判断が出来ることになり、油圧制御で変速制御
が行なわれるA/T車等の場合に有用である。
以上、本発明の実施例を図面により詳述してきたが、具
体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発
明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があって
も本発明に含まれる。
例えば、マップ落ち禁止時間Kの決定にあたっては、ギ
ヤ位置やエンジン回転数やエンジン過給圧やエンジン吸
気負圧等、アップシフト時のエンジン回転数低下度合と
は密接に関連する他の要素により決定するようにしても
良い。
また、実施例では上限及び下限を有する領域制御特性マ
ップを複数設定した例を示したが、直線や折れ線や曲線
等による線型制御特性マップでもよいし、また、上限の
みを有する領域制御特性マップでもよい。
また、マップ落ち制御では、スリップ率の時間変化率を
加味し、スリップ率の上昇度合に応じてマップを何枚落
すか決定するようにしてもよい。
また、実施例では、ΔL−Δθ特性として1つの特性を
示したが、例えば、第4図の点線に示すような特性を加
え、マップ#0が選択されている時には実線の特性に基
づいてΔθが設定され、マップ#1〜#7が選択されて
いる時には点線の特性に基づくΔθが設定されるように
してもよく、この場合にば絶対アクセル操作量に対する
スロットル開度の制御ゲインを走行路面状態に対応させ
ることができ、駆動輪スリップが未然に防止される。
また、スリップ率が新たな設定値を越えた時は、無条件
にスロットル弁を全閉にさせて駆動輪スリップを早期に
回避するようにしてもよい。
(発明の効果) 以上説明してきたように、本発明の車両用駆動力制御装
置にあっては、基本的には、前記スリップ率が設定スリ
ップ率を越える毎に、選択されている制御特性マップよ
りアクセル操作量に対するスロットル開度の増大比率を
下げた下位の制御特性マップを選択するが、シフトアッ
プ状態を検出した場合には、シフトアップ検出から所定
時間の間にスリップ率が設定スリップ率を越えても、前
述の下位の制御特性マップへの移行を禁止するマップ選
択手段と、該マップ選択手段により選択されている制御
特性マップと前記アクセル操作量とによって目標スロッ
トル開度値を求めると共に、シフトアップ時には、シフ
トアップ検出から所定時間だけ目標スロットル開度値を
全閉とする目標スロットル開度値設定手段とを備えた装
置としたため、下記の列挙する効果を達成することがで
きる。
(1)アクセル操作量に対するスロットル開度の関係
を、制御特性マップとして複数設定させたため、アクセ
ル操作量に対して無関係にスロットル開度が制御される
ことがなく、アクセル操作違和感を解消できる。
(2)スリップ発生時のマップ落ち制御は、スリップ率
が設定スリップ率を越える毎に、選択されている制御特
性マップより下位のマップを選択するようにしているた
め、駆動輪スリップを有効に防止できると共に、再スリ
ップ及び制御ハンチングを防止できる。
(3)シフトアップ時は、シフトアップ検出から所定時
間の間にスリップ率が設定スリップ率を越えても下位の
制御特性マップへの移行を禁止すると共に、シフトアッ
プ検出から所定時間だけスロットル弁を全閉とするた
め、シフトアップ時のギヤ比変化によるスリップ抑制と
シフトアップ後の加速感確保との両立を達成できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の車両用駆動力制御装置を示すクレーム
対応図、第2図は本発明第1実施例の駆動力制御装置を
示す全体図、第3図は第1実施例装置のスロットル弁制
御回路に設定されている領域制御特性マップ図、第4図
は第1実施例装置のスロットル弁制御回路に設定されて
いる相対アクセル操作量−スロットル開度変化量の関係
特性図、第5図は第1実施例のスロットル弁制御回路で
の制御作動のメインルーチンを示すフローチャート図、
第6図は第1実施例のスロットル弁制御回路での制御作
動のサブルーチンを示すフローチャート図、第7図は第
1実施例装置でのスリップ率しきい値特性図、第8図は
第1実施例装置での発進時における駆動制御作動を示す
タイムチャート図、第9図は第2実施例での要部を示す
フローチャート図である。 a……駆動輪速検出手段 b……車体速検出手段 c……スリップ率演算手段 d……アクセル操作量検出手段 e……アップシフト検出手段 f……実スロットル開度値検出手段 g……マップ設定手段 h……マップ選択手段 i……目標スロットル開度値設定手段 j……スロットルアクチュエータ k……スロットル弁開閉制御手段
フロントページの続き (72)発明者 岩田 徹 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−113131(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動輪速検出手段から得られる車輪速度と
    車体速検出手段から得られる車体速度とによってタイヤ
    一路面間のスリップ率を演算するスリップ率演算手段
    と、 アクセル操作子に対するアクセル操作量を検出するアク
    セル操作量検出手段と、 シフトアップ状態を検出するシフトアップ検出手段と、 スロットル弁の実スロットル開度値を検出する実スロッ
    トル開度値検出手段と、 アクセル操作量に対するスロットル開度の関係を、制御
    特性マップとして複数設定させているマップ設定手段
    と、 基本的には、前記スリップ率が設定スリップ率を越える
    毎に、選択されている制御特性マップよりアクセル操作
    量に対するスロットル開度の増大比率を下げた下位の制
    御特性マップを選択するが、シフトアップ状態を検出し
    た場合には、シフトアップ検出から所定時間の間にスリ
    ップ率が設定スリップ率を越えても、前述の下位の制御
    特性マップへの移行を禁止するマップ選択手段と、 該マップ選択手段により選択されている制御特性マップ
    と前記アクセル操作量とによって目標スロットル開度値
    を求めると共に、シフトアップ時には、シフトアップ検
    出から所定時間だけ目標スロットル開度値を全閉とする
    目標スロットル開度値設定手段と、 前記実スロットル開度値を前記目標スロットル開度値に
    一致させる制御信号をスロットルアクチュエータに対し
    て出力するスロットル弁開閉制御手段と、 を備えていることを特徴とする車両用駆動力制御装置。
  2. 【請求項2】前記シフトアップ検出手段が、トランスミ
    ッションのギヤ位置を検出し、検出ギヤ位置が高速側に
    切換わったことによりシフトアップ状態を検出する手段
    であることを特徴とする請求項1記載の車両用駆動力制
    御装置。
  3. 【請求項3】前記シフトアップ検出手段が、エンジン回
    転数と駆動輪回転数とを検出し、エンジン回転数が減少
    方向で且つ駆動輪回転数が増大方向であることによりシ
    フトアップ状態を検出する手段であることを特徴とする
    請求項1記載の車両用駆動力制御装置。
JP63009226A 1988-01-19 1988-01-19 車両用駆動力制御装置 Expired - Lifetime JPH0733778B2 (ja)

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