JPH0733964A - 磁気記録媒体用二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

磁気記録媒体用二軸配向ポリエステルフィルム

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JPH0733964A
JPH0733964A JP17836193A JP17836193A JPH0733964A JP H0733964 A JPH0733964 A JP H0733964A JP 17836193 A JP17836193 A JP 17836193A JP 17836193 A JP17836193 A JP 17836193A JP H0733964 A JPH0733964 A JP H0733964A
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JP
Japan
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film
particles
calcium carbonate
polyester
particle size
Prior art date
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JP17836193A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Nishino
泰弘 西野
Juji Konagaya
重次 小長谷
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】平坦易滑性に優れ、高速走行下での巻き性およ
び耐スクラッチ性に優れた高品質の磁気記録媒体用二軸
配向ポリエステルフィルムを提供する。 【構成】磁気記録媒体用二軸配向ポリエステルフィルム
中に、平均粒径が0.8〜1.5μmの合成炭酸カルシ
ウム粒子(A)と、平均粒径が0.4〜0.7μmの炭
酸カルシウム粒子(B)と、平均粒径が0.2〜0.6
μmのカオリン粒子(C)と、粒径が0.03〜0.1
μmの少なくとも1種の無機酸化物より構成される微粒
子(D)とを含有し、該合成炭酸カルシウム粒子(A)
が、該ポリエステルフィルム中に0.004〜0.1重
量%の割合で含有され、該炭酸カルシウム粒子(B)お
よび該カオリン粒子(C)が、該ポリエステルフィルム
中に、その合計量で0.2〜0.6重量%の割合で含有
され、そして該カオリン粒子(C)および該微粒子
(D)が該ポリエステルフィルム中に、その合計量で
0.5重量%よりも多く1.0重量%以下の割合で含有
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体用ポリエ
ステルフィルムに関し、より詳しくは平坦易滑性、耐ス
クラッチ性および巻き性に優れた磁気記録媒体用ポリエ
ステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】一般にポリエチレンテレフタレートに代
表されるポリエステルは優れた物理的および化学的諸特
性を有するため、磁気テープ、フロッピーディスク、デ
ータカートリッジなどの磁気記録媒体用として広く用い
られている。
【0003】二軸配向ポリエステルフィルムとして用い
られる場合、その滑り性および耐摩耗特性はフィルムの
製造工程および各用途における加工工程の作業性の良
否、更にはその製品品質の良否を左右する大きな要因と
なっている。特にポリエステルフィルム表面に磁性材料
を塗布した磁気テープとして用いる場合には、磁性材料
塗布時におけるコーティングロールとフィルム表面との
摩擦およびこれによるフィルムの摩耗が極めて激しく、
フィルム表面へのシワおよび擦り傷が発生しやすい。
【0004】近年、コストダウンのためにビデオテープ
およびソフトテープの各製造工程での高速化や安価な部
品の使用にともない、ベースフィルムの耐摩耗性や高速
下での巻き性に対する改良要求が一段と強くなってい
る。
【0005】特に、近年需要が増加してきたソフト用ビ
デオテープを製造する場合、バームクーヘン状のブラン
クテープをマスターテープから高速でダビングし、次に
ダビングしたテープを再びバームクーヘン状に巻き取る
工程がある。この高速ダビング時に、固定ガイドロール
によりテープにスクラッチが入り、テープが削られる結
果白粉が生じる。その結果、ドロップアウト(信号の欠
落)が増加するという問題が生じる。また高速ダビング
後、再びバームクーヘン状にテープを巻き取る工程で巻
きずれが生じ、ひどい時にはテープが飛び出し、巻くこ
とが困難になる場合もある。
【0006】テープをカセットへローディングする工程
で、特にコストダウンのために表面の粗い粗悪なガイド
ピンを用いた場合には、テープ表面にスクラッチが入る
ため白粉が生じ、その結果ドロップアウトが増加すると
いう問題も出てきている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来の問題点を解決するものであり、平坦易滑性、耐ス
クラッチ性および巻き性に優れた高品質の磁気記録媒体
用ポリエステルフィルムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気記録媒体用
ポリエステルフィルムは、平均粒径が0.8〜1.5μ
mの合成炭酸カルシウム粒子(A)と、平均粒径が0.
4〜0.7μmの炭酸カルシウム粒子(B)と、平均粒
径が0.2〜0.6μmのカオリン粒子(C)と、粒径
が0.03〜0.1μmの少なくとも1種の無機酸化物
より構成される微粒子(D)とを含有する、磁気記録媒
体用二軸配向ポリエステルフィルムであって、該合成炭
酸カルシウム粒子(A)が、該ポリエステルフィルム中
に0.004〜0.1重量%の割合で含有され、該炭酸
カルシウム粒子(B)および該カオリン粒子(C)が、
該ポリエステルフィルム中に、その合計量で0.2〜
0.6重量%の割合で含有され、そして該カオリン粒子
(C)および該微粒子(D)が該ポリエステルフィルム
中に、その合計量で0.5重量%よりも多く1.0重量
%以下の割合で含有される、そのことにより上記目的が
達成される。
【0009】本発明で用いられるポリエステルは、主た
る繰り返し単位がエチレンテレフタレートである結晶性
ポリエステルであるが、特に限定されない。しかしその
繰り返し単位の80モル%以上がエチレンテレフタレート
からなるものが好ましい。
【0010】他の共重合成分として、ジカルボン酸成分
としては、イソフタル酸、p−β−オキシエトキシ安息
香酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジ
カルボキシルジフェニル、4,4’−ジカルボキシルベ
ンゾフェノン、ビス(4−カルボキシルフェニル)エタ
ン、アジピン酸、セバシン酸、5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸、シクロヘキサン−1、4ジカルボン酸など
がある。グリコール成分としては、プロピレングリコー
ル、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチ
レングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフ
ェノールAのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメ
チレングリコールなどがある。p−オキシ安息香酸など
のオキシカルボン酸成分も含有され得る。その他の共重
合成分として少量のアミド結合、ウレタン結合、エーテ
ル結合、カーボネート結合などを含有する化合物を含ん
でもよい。
【0011】この発明において、ポリエステルの製造法
は、芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接反応させ
る、直接重合法、芳香族カルボン酸のジメチルエステル
とグリコールとをエステル交換反応させる、エステル交
換法など任意の製造法を利用することができる。
【0012】本発明では、素材および平均粒径の異なる
粒子が少なくとも4種類、フィルム中に含有され、これ
らの粒子は互いに異なるフィルム特性を改良する働きを
有する。
【0013】合成炭酸カルシウム粒子(A)は、特に磁
気テープ化後の高速下での巻き性改良の目的でフィルム
中に含有される。この合成炭酸カルシウム粒子(A)の
平均粒径は0.8〜1.5μmである。好ましくは0.
9〜1.3μmであり、更に好ましくは1.0〜1.2
μmである。平均粒径が0.8μm未満では、高速走行
下でのフィルムの巻き性が不十分となる。逆に、1.5
μmを越えると、特にビデオテープの場合は、得られる
フィルムの表面平坦性が低下し、磁気テープ化後の電磁
変換特性が悪化する。さらに耐スクラッチ性も悪化す
る。
【0014】合成炭酸カルシウム粒子(A)は、ポリエ
ステルフィルム中に0.004〜0.1重量%の割合で
含有される。好ましくは、その含有割合は0.01〜
0.09重量%であり、さらに好ましくは0.02〜
0.1重量%である。0.004重量%未満の割合で含
有される場合は、フィルム表面の突起密度が低くなり、
高速下での巻き性が不十分となる。逆に、0.1重量%
を越える割合で含有される場合は、特にビデオテープ用
の場合、得られるフィルムの表面平坦性が低下し、磁気
テープ化後の電磁変換特性も悪化する。更に、耐スクラ
ッチ性も悪化する。
【0015】この発明で使用する合成炭酸カルシウム粒
子(A)は、カルサイト型またはバテライト型の構造を
有する合成炭酸カルシウム粒子(A)であることが特に
好ましい。
【0016】更にこの発明において合成炭酸カルシウム
粒子(A)の粒子形態は、易滑性および巻き性の点か
ら、球状に近くかつ粒径が均一に近いことが好ましい。
本発明でいう「球状に近い粒子」とは、下記(II)式
で定義される「粒子の外接円に対する面積率」が、75
〜100%の範囲にある粒子を指す。本発明において
「粒径が均一に近い粒子」とは、下記(III)式およ
び(IV)式で定義される「粒径のばらつき度」が20
%以下の粒子を指す。粒径のばらつき度が20%を越え
ると、フィルム表面の突起形態は不規則のものとなり、
フィルム表面の突起形態を精密に調整することが困難に
なる。
【0017】
【数1】
【0018】
【数2】
【0019】
【数3】
【0020】ポリエステルと合成炭酸カルシウム粒子
(A)との親和性を一層高めるために、例えば特開平2
−178333号公報に開示されているポリエーテル系
アクリル共重合体塩などの化合物を用いて合成炭酸カル
シウム粒子(A)の表面を処理してもよい。
【0021】本発明の第2の粒子として使用する炭酸カ
ルシウム粒子(B)は、主にフィルムの易滑性および走
行性の特性改良のために含有される。巻き性も合成炭酸
カルシウム粒子(A)ほどではないが改良効果がある。
炭酸カルシウム粒子(B)の平均粒径は、0.4〜0.
7μmである。好ましくは0.43〜0.65μmであ
り、さらに好ましくは0.45〜0.6μmである。平
均粒径が0.4μm未満では、易滑性および走行性が不
十分となる。また、巻き性も不良となる。逆に、0.7
μmを越えると、特にビデオテープ用の場合、得られた
フィルムの表面平滑性が劣り、磁気テープ化後の電磁変
換特性が悪くなる。該炭酸カルシウム粒子(B)は天然
品でも合成品でも構わないが、粒子の構造がカルサイト
型またはバテライト型のいずれかであることが好まし
い。
【0022】第3の粒子として使用されるカオリン粒子
(C)は、主にフィルムの易滑性および耐スクラッチ性
の特性改良のために含有される。カオリン粒子は、合成
炭酸カルシウム粒子(A)ほどではないが、巻き性改良
効果も有する。更に炭酸カルシウム粒子(B)ほどでは
ないが、走行性改良効果もある。カオリン粒子(C)の
平均粒径は、0.2〜0.6μmである。好ましくは
0.25〜0.55μmであり、さらに好ましくは0.
3〜0.5μmである。平均粒径が0.2μm未満で
は、易滑性および耐スクラッチ性が不十分となる。巻き
性および走行性も低下する。逆に、0.6μmを越える
と、特にビデオテープ用の場合、得られるフィルムの表
面平滑性が低下し、磁気テープ化後の電磁変換特性が悪
化する。該カオリン粒子(C)は耐スクラッチ性を考慮
すると、合成品の球状粒子ではなく、天然品の板状粒子
が好ましい。
【0023】炭酸カルシウム粒子(B)とカオリン粒子
(C)との含有量の合計は、0.2〜0.6重量%であ
る必要がある。好ましくは、0.25〜0.55重量%
であり、更に好ましくは0.3〜0.5重量%である。
炭酸カルシウム粒子(B)とカオリン粒子(C)との含
有量の合計が0.2重量%未満では、易滑性、巻き性、
および走行性が不十分となる。耐スクラッチ性の改良効
果の程度も低下する。逆に、0.6重量%を越えると、
特にビデオテープ用の場合、得られるフィルムの表面平
滑性が低下し、磁気テープ化後の電磁変換特性が悪くな
る。
【0024】更に第4の粒子として使用される少なくと
も一種の無機酸化物より構成される微粒子(D)は、耐
スクラッチ性改良のために含有され、特に粗悪な表面を
有するガイドピンとの耐スクラッチ性改良のために含有
される。本発明で使用される微粒子(D)としては、酸
化チタン、シリカ、アルミナなどの単一成分の無機酸化
物粒子、またはそれらの無機複合酸化物粒子(例えば、
シリカ−酸化チタン、シリカ−アルミナ、酸化チタン−
アルミナ粒子)が例示される。これらの微粒子は、例え
ばゾル−ゲル法や高温加水分解法(気相法)などにより
合成される。
【0025】本発明で使用される微粒子(D)の平均粒
径は、0.03〜0.1μmである必要がある。好まし
くは0.04〜0.09μmであり、更に好ましくは
0.05〜0.08μmである。平均粒径が0.03μ
mでは耐スクラッチ性の改良効果が不十分となる。0.
1μmを越えると、耐スクラッチ性改良効果が低下す
る。特に0.3μm以上では脱落した微粒子によりフィ
ルム面に逆にスクラッチを与え、耐スクラッチ性改良効
果が不十分となる。上記カオリン粒子(C)とこの微粒
子(D)との含有量の合計は0.5重量%よりも多く
1.0重量%以下であることが必要である。0.5重量
%以下では、耐スクラッチ性改良効果が十分に発揮でき
ない。カオリン粒子(C)と微粒子(D)との含有量の
合計は、耐スクラッチ性改良効果と経済性の点から0.55
〜0.8重量%とすることが望ましい。
【0026】本発明では下記(I)式で定義されるフィ
ルムの巻き指数(f)を、磁気テープ化後の高速ダビン
グ工程および高速ローディング工程でのテープの巻き性
改良の点から20未満にすることが好ましい。
【0027】 f = 249(μs0.5・μd3・AL0.1)/t0.06 (I) ここで、μsは静摩擦係数、μdは動摩擦係数、ALは
空気漏れ指数(sec)、tはフィルム厚み(μm)で
ある。
【0028】巻き指数(f)を20未満にするには、本
発明でフィルム中に上記粒子を含有することの他に、フ
ィルム表面に公知の潤滑剤を塗布することも好ましい。
あるいは、フィルム表面に公知の制電剤を塗布し、フィ
ルム表面固有抵抗値を23℃、65%RH(相対湿度)
で1×109Ω/□以下に、特に23℃、40%RHで
1×1012Ω/□以下に調整することも好適である。
【0029】ポリエステルと各粒子とは、任意の方法で
混合され得る。溶融しているポリエステルにこれらの粒
子を混合してもよいが、ポリエステル重合反応系へ各粒
子を添加することが好ましい。粒子の飛散防止、供給精
度、および粒子の分散性を考慮すると、これらの粒子を
スラリー状に分散させて添加するのが好ましい、特にポ
リエステルの成分であるエチレングリコールのスラリー
として添加するのが好ましい。スラリー濃度としては、
5〜20重量%が適当である。
【0030】スラリー状に分散させる場合には、フィル
ム表面への粗大突起を低減させるために、公知の分散方
法(高圧式均質分散法、メディア分散法および超音波分
散法など)、遠心分離、濾過を採用するのが好ましい。
【0031】またスラリーの分散時に、リン酸、ヘキサ
メタリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、トリポ
リリン酸ナトリウム、リン酸アンモニウムなどのリン元
素含有化合物、テトラエチルアンモニウムハイドロオキ
サイド、ヒドロキシルアミン、アクリル系共重合体のア
ンモニウム塩などの窒素原子含有化合物、ナトリウムイ
オン、カリウムイオン、などのアルカリイオン含有化合
物などの陽イオン性、陰イオン性、両性もしくは非イオ
ン性の界面活性剤あるいは水溶性高分子などの分散剤を
使用すると、スラリーおよびポリマー中の粒子の分散性
が更に向上する。これらの分散剤の添加により、微粒子
表面に電荷が生じ、スラリーおよびポリマー中の微粒子
の分散性が更に改良され、ドロップアウトなどの原因と
なる粗大粒子の形成が抑制される。
【0032】この発明における各粒子のエチレングリコ
ールスラリーのポリエステル中への添加は、ポリエステ
ル製造過程の任意の段階で行うことができるが、エステ
ル交換反応後またはエステル化反応後から初期重縮合が
終了するまでに添加するのが特に好ましい。特に微粒子
(D)がシリカ微粒子である場合には粒子分散性の点か
ら、エステル交換反応開始前またはエステル化反応開始
前の反応缶内の温度が100℃以下の段階で添加するこ
とが好ましい。更に、少なくとも1種から3種類の各微
粒子を高濃度で含有するマスターチップを各々調製し、
これらのマスターチップを適宜配合したり、必要なら粒
子を含有していないポリエステル(ブライトレジン)と
適宜配合・希釈して、適切な濃度に調整してもよい。
【0033】本発明のフィルムは単層膜でも構わない
が、フィルム表層(A)が本発明で規定した粒子の種
類、粒径および配合量の範囲内であれば、A/B/Aな
どの少なくとも3層からなる積層フィルムであっても構
わない。例えばB層に遮光性などの別の機能を付加した
り、コストダウンのためにB層に回収品を使用すること
ができる。更に本発明のフィルムの片面に、磁性層との
易接着性を向上させるために、特開平4−253738
号公報に記載された水性高分子を造膜成分とする塗工剤
を薄く被覆しても構わない。
【0034】本発明の二軸配向ポリエステルフィルムを
製造する方法は、任意の方法が採用され、特に制限され
るものではないが、例えば以下の製造方法がある。
【0035】チルロール上に溶融押し出しした未延伸フ
ィルムをロール間またはステンタで長手方向または幅方
向に(Tg−10)℃〜(Tg+70)℃の温度(但
し、Tg:ポリエステルのガラス転移温度)で2.5〜
5.0倍、好ましくは3.0〜4.5倍に延伸する。次
いで、上記一軸目の延伸方向と直角方向に(Tg)℃〜
(Tg+70)℃の温度で2.5〜5.0倍、好ましく
は3〜4倍に延伸する。さらに、(Tg+70)℃〜
(Tm)℃で(Tm:ポリエステルの融点)1〜60秒
間熱固定する。例えば、ポリエチレンテレフタレートの
場合には、180〜230℃の温度で2〜7秒間熱固定
する。
【0036】上記得られた二軸配向ポリエステルフィル
ム表面に磁性粉末が常法により塗布され、磁気記録媒
体、例えば磁気記録テープ、ディスクなどが得られる。
【0037】
【実施例】次に実施例および比較例により本発明を更に
詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定され
ない。実施例および比較例中の部は特に断わらないかぎ
り、すべて重量部を意味する。
【0038】以下に、実施例および比較例で得られた粒
子およびフィルムの測定方法を示す。
【0039】(1)平均粒径 エチレングリコールスラリー中で十分に分散して得られ
た微粒子の粒度分布を、光透過型遠心沈降式粒度分布測
定機(SA−CP3型:島津製作所製)を用いて測定
し、その積算値が50%となる値を平均粒径とした。
【0040】(2)平均厚み(t) フィルムを10枚重ね、Feinpruf社製電子厚み
計Milltronを用いて10点フィルム厚み(μ
m)を測定し、その平均値をもってフィルム平均厚み
(μm)とした。
【0041】(3)平均表面粗さ サーフコム300A型表面粗さ計(東京精密製)を用い
て、針径1μm、荷重0.07g、測定基準長0.8m
m、カットオフ0.08mmの条件で測定したときの中
心線平均粗さ(Ra:μm)で表した。
【0042】(4)摩擦係数(μs,μd) ASTM D−1894−63に準拠し、スレッド式ス
リップテスターを用い、23℃、65%RHの環境条件
下でフィルム/フィルム間の静摩擦係数(μs)および
動摩擦係数(μd)を測定した。
【0043】(5)空気漏れ指数(AL) 図1に示す装置を用い、フィルム表面の空気漏れ指数を
測定した。この装置は台盤1と、フィルム4を台盤1上
に固定するためのフィルム押さえ2と、フィルム5をフ
ィルム押さえ2上に固定するためのフィルム押さえ8と
を有し、さらに該フィルム4および5の間の空隙の空気
を排除するための真空ポンプ6を有する。まず、台盤1
の上にフィルム4をB面(チルロールに接触する面と反
対の面)を上にして載せる。次いで、フィルム押さえ2
をフィルム4を挟むように台盤1に載せ、固定すること
によって、張力を与えながらフィルム4を固定する。次
いで、フィルム押さえ2の上に、フィルム5をA面(チ
ルロールとの接触面)を下にして載せる。次いで、フィ
ルム5の上にフィルム押さえ8を載せ、ネジ3を用いて
フィルム押さえ8および2を台盤1上に固定する。次
に、フィルム押さえ2中に設けられた空洞2aおよび細
孔2cをパイプ7を介して真空ポンプ6と接続する。そ
して、真空ポンプ6を駆動すると、空洞2aが真空にな
ることによりフィルム5には張力が加わる。
【0044】また、同時にフィルム4とフィルム5の間
の空間もフィルム押さえ2中に円周状に設けられた細孔
2dを介して真空ポンプにより減圧され、フィルム4と
フィルム5の互いに接する面は外周部から密着し始め
る。密着する様子は、重なり合った面の上部から干渉縞
を観察することにより容易に知ることができる。そし
て、フィルム4とフィルム5の重なり合った面の外周部
に干渉縞が生じてから重なり合った面の全面に干渉縞が
広がり、その動きが止まるまでの時間(秒)を測定し
た。測定は5回行い、その平均値(秒)をもって空気漏
れ指数とした。
【0045】(6)巻き指数(f) 下記(I)式で定義される巻き指数は、磁気テープ化後
の高速ダビングまたは高速ローディング時の巻き姿と強
い相関があるため、該巻き指数(f)により磁気テープ
の巻き姿の代用評価を行った。磁気テープ化後の高速ダ
ビング工程または高速ローディング工程でのテープの巻
き姿から、巻き指数(f)は下記のようにランク分けし
た。
【0046】 f = 249(μs0.5・μd3・AL0.1)/t0.06 (I) ここで、μsは静摩擦係数、μdは動摩擦係数、ALは
空気漏れ指数(sec)、tはフィルム厚み(μm)で
ある。
【0047】 (7)耐スクラッチ性 図2に示す装置を用い、耐スクラッチ性を測定した。こ
の装置においては、ロール14からフィルム10が繰り
出され、複数のロール、キャプスチン11、および硬質
クロムメッキ固定金属ピン(表面粗さ:3S)13を経
て、ロール15に巻き取られる。フィルム10の張力は
張力検出装置12で検出される。測定の条件は以下のと
おりである。
【0048】23℃、65%RHの雰囲気下で幅1/2
インチにスリットしたフィルム10を、硬質クロムメッ
キ固定金属ピン13に90°の角度で接触させ、張力1
00gを与えながら127cm/secで90m走行さ
せる。走行後のフィルムのサンプルをアルミニウムで蒸
着した後、フィルム全幅を顕微鏡で観察し、スクラッチ
本数を目視判定し、下記のようにランク付けした。
【0049】スクラッチの数 ◎ : 無し ○ : 少ない △ : ○と×との中間 × : 多い ×× : 極めて多い (実施例1)エステル化反応缶を昇温し200℃に到達
した時点で、テレフタル酸を86.4部およびエチレン
グリコールを64.6部を仕込み、攪拌をしながら触媒
として三酸化アンチモンを0.03部、酢酸マグネシウ
ム4水和物を0.088部、トリエチルアミンを0.1
6部を仕込んだ。次いで、加圧昇温を行いゲージ圧3.
5kg/cm2、240℃の条件で加圧エステル化反応
を行った後エステル化反応缶内を常圧に戻し、リン酸ト
リメチル0.040部を添加した。さらに260℃に昇
温し、リン酸トリメチルを添加30分後に、平均粒径
0.88μmであるカルサイト型合成炭酸カルシウム粒
子(A)のエチレングリコールスラリーを粒子含有量と
して2.0部を添加した。30分後、得られたエステル
化反応生成物を重縮合反応缶に移送し、280℃で減圧
下重縮合反応を行い、固有粘度0.62のポリエステル
を得た〔これをポリエステル(A)とする〕。
【0050】上記ポリエステル(A)の製造において、
合成炭酸カルシウム粒子(A)の代わりに平均粒径が
0.47μmのカルサイト型合成炭酸カルシウム粒子
(A)を用いたこと以外は同様にして重合を行い、固有
粘度0.62のポリエステルを得た〔これをポリエステ
ル(B)とする〕。
【0051】さらに、上記ポリエステル(A)の製造に
おいて、合成炭酸カルシウム粒子(A)の代わりに平均
粒径0.37μmのカオリン粒子(C)を用いたこと以
外は同様にして重合を行い、固有粘度0.62のポリエ
ステルを得た〔これをポリエステル(C)とする〕。
【0052】更に合成炭酸カルシウム粒子(A)を添加
する代わりに、平均粒径が0.07μmであるAl/S
i系複合酸化物微粒子(D)(ここでAlのAl+Si
に対するモル比が0.67である)のエチレングリコー
ルスラリーを粒子含有量として2.0部添加し、リン酸
トリメチルの添加量を0.045部とし、リン酸トリメ
チル添加後該複合酸化物微粒子(D)を添加するまでの
時間を15分としたこと以外は、上記ポリエステル
(A)の製造法と同様にして重合を行い、固有粘度0.
58のポリエステルを得た〔これをポリエステル(D)
とする〕。
【0053】更に上記ポリエステル(A)の製造におい
て、合成炭酸カルシウム粒子(A)の添加を行わず、微
粒子を全く含有していない固有粘度0.620のポリエ
ステルを得た〔これをポリエステル(E)とする〕。
【0054】次いで、ポリエステル(A)、(B)、
(C)、(D)、および(E)をそれぞれ2.5:1
0:7.5:20:60の重量比で混合し、乾燥後29
0℃で溶融押し出してフィルムを形成し、これを90℃
で縦方向に3.6倍、110℃で横方向に3.7倍延伸
した。その後220℃で熱処理して、15μmの二軸配
向ポリエステルフィルムを得た。このフィルムの特性を
表1に示す。
【0055】(比較例1)合成炭酸カルシウム粒子
(A)を含有するポリエステル(A)を使用せず、ポリ
エステル(B)、(C)、(D)、および(E)のみを
9:7.5:20:63.5の重量比で混合したこと以
外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。本比較例
1では、合成炭酸カルシウム粒子(A)の含有量が本発
明の範囲外である。
【0056】(比較例2)炭酸カルシウム粒子(B)を
含有するポリエステル(B)を使用せず、ポリエステル
(A)、(C)、(D)、および(E)のみを2.5:
7.5:20:70の重量比で混合したこと以外は、実
施例1と同様にしてフィルムを得た。本比較例2では、
炭酸カルシウム粒子(B)およびカオリン粒子(C)の
含有量が本発明の範囲外である。
【0057】(比較例3)少なくとも一種の無機酸化物
より構成された微粒子(D)を含有するポリエステル
(D)を使用せず、ポリエステル(A)、(B)、
(C)、および(E)のみを2.5:9:7.5:81
の重量比で混合したこと以外は、実施例1と同様にして
フィルムを得た。本比較例4では、カオリン粒子(C)
および微粒子(D)の含有量が本発明の範囲外である。
【0058】(実施例2)実施例1で作成したポリエス
テル(A)に含有させた平均粒径0.88μmのカルサ
イト型合成炭酸カルシウム粒子の代わりに、平均粒径
0.75μmのバテライト型合成炭酸カルシウム粒子を
使用し、固有粘度0.62のポリエステル(A’)を得
た。ポリエステル(A)の代わりにポリエステル
(A’)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてフ
ィルムを得た。
【0059】(比較例5)フィルム中での合成炭酸カル
シウム粒子(A)の含有量を1800ppmとなるよう
に、ポリエステル(A’)、(B)、(C)、(D)、
および(E)を10:9:7.5:20:53.5の重
量比で混合する以外は、実施例2と同様にしてフィルム
を得た。本比較例5では、合成炭酸カルシウム粒子
(A)の含有量が本発明の範囲外である。
【0060】(比較例6)フィルム中での炭酸カルシウ
ム粒子(B)およびカオリン粒子(C)の含有量を各々
500ppmおよび1200ppmとなるように、ポリ
エステル(A)、(B)、(C)、(D)、および
(E)を10:2.5:6:20:61.5の重量比で
混合したこと以外は、実施例2と同様にしてフィルムを
得た。本比較例6では、炭酸カルシウム粒子(B)およ
びカオリン粒子(C)の含有量が本発明の範囲外であ
る。
【0061】(実施例3)実施例1で作成したポリエス
テル(D)に含有させた平均粒径が0.07μmのAl
/Si系複合酸化物微粒子の代わりに、少なくとも一種
の無機酸化物より構成された微粒子(D)として、平均
粒径が0.045μmの球状シリカを使用して固有粘度
0.58のポリエステル(D’)を得た。ポリエステル
(D)の代わりにポリエステル(D’)を用いたこと以
外は実施例1と同様にしてフィルムを得た。
【0062】(比較例7)実施例3において、フィルム
中での球状シリカ(D)の含有量を1000ppmとな
るように、ポリエステル(A)、(B)、(C)、
(D)、および(E)を2.5:9:7.5:5:76
の重量比で混合したこと以外は、実施例3と同様にして
フィルムを得た。本比較例7では、カオリン粒子(C)
および微粒子(D)の含有量が本発明の範囲外である。
【0063】(実施例4)フィルム表面を制電コートし
たこと以外は、実施例3と同様にしてフィルムを得た。
具体的には、次の操作により行った。まず、ポリエステ
ル(A)、(B)、(C)、(D’)、および(E)を
各々2.5:9:7.5:20:61の重量比で混合
し、乾燥後290℃で溶融押し出しして未延伸フィルム
を作成した。該未延伸フィルムを90℃で縦方向に3.
6倍に延伸した後、アルキルベンゼンスルフォン酸ナト
リウム/水/イソフタル酸(=2/63/35)からな
る塗布液をその表面に塗布し、110℃で横方向に3.
7倍延伸した。その後220℃で熱処理して、厚さ15
μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。該フィル
ムの23℃、65%RHでの表面固有抵抗値は8.8×
108Ω/□であった。
【0064】
【表1】
【0065】表1から明らかなように、実施例1〜4で
得られた磁気記録媒体用二軸配向ポリエステルフィルム
は、いずれも平坦易滑性に優れ、高速走行下での巻き
性、および耐スクラッチ性が良好であり、高品質である
ことがわかる。特にフィルム表面に制電剤を更にコート
することで高速走行下での巻き性がより優れたものとな
った。
【0066】
【発明の効果】以上のように、この発明の方法によって
得られた磁気記録媒体用二軸配向ポリエステルフィルム
は、互いに異なったフィルム特性を改良する働きのある
特定粒径の合成炭酸カルシウム粒子(A)、特定粒径の
炭酸カルシウム粒子(B)、特定粒径のカオリン粒子
(C)、および特定粒径の少なくとも一種の無機酸化物
より構成された微粒子(D)を特定の割合で含有してい
る。そのため、平坦易滑性に優れ、高速走行下での巻き
性および耐スクラッチ性に極めて優れた高品質の磁気記
録媒体用二軸配向ポリエステルフィルムを得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィルムの空気漏れ指数を測定するための装置
の模式図である。
【図2】フィルムの耐スクラッチ性を測定するための装
置の模式図である。
【符号の説明】
1 台盤 2 フィルム押さえ 3 ネジ 4,5 フィルム 6 真空ポンプ 7 パイプ 8 フィルム押さえ 10 フィルム 11 キャプスタン 12 張力検出装置 13 硬質クロムメッキ固定金属ピン 14 繰り出しロール 15 巻き取りロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 5/704 7215−5D // B29K 67:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒径が0.8〜1.5μmの合成炭酸
    カルシウム粒子(A)と、平均粒径が0.4〜0.7μ
    mの炭酸カルシウム粒子(B)と、平均粒径が0.2〜
    0.6μmのカオリン粒子(C)と、粒径が0.03〜
    0.1μmの少なくとも1種の無機酸化物より構成され
    る微粒子(D)とを含有する、磁気記録媒体用二軸配向
    ポリエステルフィルムであって、 該合成炭酸カルシウム粒子(A)が、該ポリエステルフ
    ィルム中に0.004〜0.1重量%の割合で含有さ
    れ、該炭酸カルシウム粒子(B)および該カオリン粒子
    (C)が、該ポリエステルフィルム中に、その合計量で
    0.2〜0.6重量%の割合で含有され、そして該カオ
    リン粒子(C)および該微粒子(D)が該ポリエステル
    フィルム中に、その合計量で0.5重量%よりも多く
    1.0重量%以下の割合で含有される、二軸配向ポリエ
    ステルフィルム。
  2. 【請求項2】下記の式で定義される巻き指数(f)が2
    0未満である請求項1に記載の該磁気記録媒体用二軸配
    向ポリエステルフィルム: f = 249(μs0.5・μd3・AL0.1)/t0.06 (I) ここで、μsは静摩擦係数、μdは動摩擦係数、ALは
    空気漏れ指数(sec)、tはフィルム厚み(μm)で
    ある。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8485336B2 (en) 2010-05-27 2013-07-16 Spokane Industries Composite chute liners
JP2017071729A (ja) * 2015-10-09 2017-04-13 東洋紡株式会社 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物、およびこれを用いた光反射体

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