JPH073458A - 黒色化亜鉛被覆材およびその製造方法 - Google Patents

黒色化亜鉛被覆材およびその製造方法

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JPH073458A
JPH073458A JP2080794A JP2080794A JPH073458A JP H073458 A JPH073458 A JP H073458A JP 2080794 A JP2080794 A JP 2080794A JP 2080794 A JP2080794 A JP 2080794A JP H073458 A JPH073458 A JP H073458A
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zinc coating
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JP2080794A
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Shoichi Oshimi
正一 押見
Giichi Matsumura
義一 松村
Shiro Fujii
史朗 藤井
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐食性、塗装性に優れた黒色化亜鉛被覆材お
よびその製造方法に関する。 【構成】 1.表面層に特定の厚みを有する非化学量論
的組成の亜鉛酸化物から成る黒色化亜鉛被覆材、2.表
面に特定のクロメート皮膜を有する前述の黒色化亜鉛被
覆材、3.亜鉛被覆材を圧力が75kPa以下の雰囲気
中で150℃以上、600℃以下の温度で加熱すること
を特徴とする黒色化亜鉛被覆材の製造方法、4.連続亜
鉛めっきライン、箱型または連続式加熱炉における前項
3の方法による黒色化亜鉛被覆鋼材の製造方法、5.特
定のクロメート皮膜を有する前項4の黒色化亜鉛被覆材
の製造方法。 【効果】 本発明は亜鉛めっき鋼板以外の亜鉛被覆材に
も適用可能かつ従来技術の大巾な工程省略、簡略可能な
技術を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐食性および塗装性を
主目的とした建材、家電製品、事務機器、自動車部品等
の黒色化処理製品およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼材等の耐食性を向上する方法として、
従来から、溶融めっき、電気めっき、蒸着めっき、イオ
ンプレーティング、塗装等の被覆方法が採用されてお
り、さらに、消費者ニーズの多様化、高級化にともない
該表面処理鋼板は高機能化、高品質化される趨勢にあ
る。このうち、亜鉛めっき鋼板は、亜鉛のもつ優れた犠
牲防食作用による鋼材の耐食性の向上と連続式溶融亜鉛
めっきラインまたは連続式電気めっきライン等で安価に
製造できる利点から、近年、ますます需要度が高まって
いる。また、鋼板の表面処理化、プレコート化が高まる
中で、黒色めっき鋼板は、意匠性、装飾性等の観点から
の需要度が高まっており、加工性、耐食性、塗装性、溶
接性、耐傷付き性、耐指紋性等の性能を兼ね備えた製造
技術の確立が必要となっている。
【0003】一方、鋼材の黒色化処理方法に関する従来
技術として、例えば、特公昭46−9646号公報、特
開平4−232279号公報等による化成処理方法が、
また、特開昭58−151491号公報、特開昭63−
157898号公報等による陽極酸化法が、特開昭51
−23439号公報、特開平3−24295号公報等に
よる陰極電析法が、さらに、特開昭60−103185
号公報、特開平2−247387号公報等による塗装法
等の技術が開示されている。
【0004】さらに、特開平3−229855号公報、
特開平3−229858号公報には、反応性真空蒸着法
等でアモルファス状のFe−Si−O系化合物の黒色皮
膜を形成する技術が、また、特開平3−257155号
公報には、素地鋼板表面にAl(またはAlとFe)を
真空蒸着した後、加熱処理してFe2 Al5 層の黒色皮
膜を形成する方法が、さらに、特開平4−193967
号公報には、鋼板等の金属材料の表面に真空蒸着法で金
属を蒸着させた後、さらに金属酸化物を蒸着させて化学
量論的に酸素が不足した状態で被覆して黒色化皮膜を形
成する方法が開示されている。
【0005】これらの従来技術の中で、化成処理法、陽
極酸化法、陰極電析法および塗装法は、湿式の黒色化処
理技術であり、本発明とは全く異なる技術である。ま
た、真空蒸着法による従来技術は、黒色化処理に必要な
金属物質を真空中で蒸着し、その後、加熱または酸化等
の方法で黒色化処理を行うか、もしくは、真空中におい
て金属物質を蒸着し、これに引き続いて黒色化に必要な
金属酸化物を比較的高温度に加熱して溶融、蒸発させる
必要があることにおいて本発明とは全く異なる技術であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これらの湿式法による
従来技術は、それぞれの効果を有するものの、黒色化処
理およびこれに付随する脱脂、洗浄、乾燥等の処理工程
が必要である。このため、製造工程が長く、工程管理お
よび製品の品質管理に多大な労力を必要とし、かつ、環
境保全の観点からも排水処理が必須である。したがっ
て、コストが高いという難点がある。
【0007】また、真空蒸着法による従来技術の最大の
問題点は、蒸着物質が蒸着源から直線的な経路を経て被
蒸着物質に到達して蒸着されるため、均一に蒸着するこ
とが困難なことにある。このため、比較的平坦な形状を
したものに限定され、しかも、蒸着角度の制約も受ける
ことおよび同時に両面を処理できない等の問題点があ
る。したがって、二次加工製品等のような複雑な形状を
したものには均一に被覆させることが困難である。ま
た、黒色化処理に必要な金属物質を蒸着物質を約5μm
以上で所定の厚みに制御するためには、多量の蒸着原料
を必要とする関係上、連続的もしくは所定の期間毎にこ
れを補充することが不可欠となる。さらに、黒色化処理
に引き続いて行われるプレス成形等の加工工程で発生し
た表面疵は、表面品質のみならず耐食性をも劣化させる
等の難点がある。すなわち、生産性やコスト面でも不利
である。
【0008】そこで、本発明は、このような問題を解消
すべく案出されたものであり、亜鉛被覆材に特定の熱処
理を付与することにより、従来技術における素材形状の
制限を緩和し、また、製造工程の省略または簡略化をも
可能にする黒色化亜鉛被覆材およびその製造方法を提供
することを目的としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かねてよ
り亜鉛および亜鉛合金めっきに関する研究を行う中で、
特定の処理条件において亜鉛または亜鉛合金を被覆した
材料の表面層が黒色化することを見出した。前述の知見
をもとに、これを工業化することを目的としてさらに詳
細な研究を重ねた結果、本発明を完成させるに至ったも
のである。すなわち、本発明の要旨は、(1)耐食性お
よび/または塗装性を有する黒色化処理製品において、
表面層に5nm以上、2000nm以下の厚みの非化学
量論的組成の亜鉛酸化物から成る黒色化層を有すること
を特徴とする黒色化亜鉛被覆材、
【0010】(2)耐食性および/または塗装性を有す
る黒色化処理製品において、表面層に0.3〜3.0g
/m2 のクリヤー皮膜を有し、さらにその下層にCr量
で10〜100mg/m2 を含有するクロメート皮膜を
有することを特徴とする上記(1)記載の黒色化亜鉛被
覆材、(3)耐食性および/または塗装性を有する黒色
化処理製品の製造方法において、亜鉛被覆材を圧力が7
5kPa以下の雰囲気中で150℃以上、600℃以下
の温度域に加熱し、該亜鉛被覆材の表面層に5nm以
上、2000nm以下の厚みの非化学量論的組成の亜鉛
酸化物から成る黒色化層を形成することを特徴とする黒
色化亜鉛被覆材の製造方法、
【0011】(4)連続亜鉛めっきラインにおいて、鋼
材に亜鉛めっきを施したあと、または、亜鉛めっきおよ
び合金化処理を施したあと、引き続いて上記(3)記載
の黒色化処理を行うことを特徴とする黒色化亜鉛被覆鋼
材の製造方法、(5)箱型加熱炉または連続式加熱炉に
おいて、亜鉛めっき鋼材または合金化亜鉛めっき鋼材に
上記(3)記載の黒色化処理を行うことを特徴とする黒
色化亜鉛被覆鋼材の製造方法、(6)黒色化処理した鋼
材の表面に、10〜100mg/m2 のCr量を塗布
し、さらに、高分子化合物から成るクリヤー塗料を0.
3〜3.0g/m2 塗布することを特徴とする上記
(4)または(5)記載の黒色化亜鉛被覆材の製造方法
にある。
【0012】
【作用】以下に本発明を詳細に説明する。本発明で使用
する亜鉛被覆材は、亜鉛を被覆したものであれば被覆材
の素地および被覆方法等の手段はとくに限定しない。た
とえば、亜鉛被覆用素材には、鋳型鋳造法で製造したリ
ムド鋼、キャップド鋼、アルミキルド鋼、シリコンアル
ミキルド鋼等をはじめとして、連続鋳造法で製造した低
炭素のアルミキルド鋼およびPを添加した低炭素のアル
ミキルド鋼、または、Ti、NbおよびBのうち1種類
または2種類以上の元素を添加した極低炭素鋼、Cuを
添加した極低炭素鋼等の鋼材を圧延素材として、所定の
熱間圧延を行って製造した熱延鋼板および鋼帯またはこ
れらを冷間圧延して製造した冷延鋼板および鋼帯があ
る。その他、C、Si、Mn、P、Ti、Nb、Cr、
V、Zr、Ni、Cu、W、B、Al、Ca等の元素の
うち1種類または2種類以上の元素を添加した高強度の
熱延鋼板および鋼帯またはこれらの冷延鋼板および鋼帯
もしくは前述の元素およびS、Sn、Zn、Sb、Pb
の元素のうち1種類または2種類以上を不可避不純物と
して含有する前述の熱延鋼板および鋼帯または冷延鋼板
および鋼帯も使用できる。
【0013】これらの鋼材に溶融亜鉛めっき(溶融亜鉛
めっきに引き続いて合金化処理を行った合金化溶融めっ
きを含む)または電気亜鉛めっきもしくは化学的な反応
を利用した亜鉛めっき、真空蒸着、イオンプレーティン
グ等の方法で亜鉛または亜鉛を含有する合金(Zn−A
l、Zn−Fe、Zn−Ni等)もしくは化合物から成
る物質を表面に被覆した鋼板および鋼材のほか、実施例
1に示したアルミニウム(およびアルミニウム合金)、
銅(および銅合金)等の金属(および合金)等の金属材
料およびガラス製品等の無機物質材料に前述の方法で亜
鉛または亜鉛を含有する合金もしくは化合物から成る物
質を表面に被覆したものも使用できる。
【0014】また、これらの亜鉛被覆材をプレス成形も
しくはロール成形等の加工方法で、建材、家電製品、自
動車部品等の所定の用途の二次加工製品とした後、黒色
化処理を行うことができる。また、これらの素材の二次
加工製品に亜鉛被覆を行った後、黒色化処理を行うこと
により、二次加工工程で発生した表面疵を被覆できるた
め、表面品質や耐食性の劣化を防止することができる。
【0015】本発明の黒色化亜鉛被覆とは、非化学量論
的組成の亜鉛酸化物から成る黒色化皮膜を表面に生成せ
しめた被覆であり、以下にその詳細を説明する。周知の
ように、酸化亜鉛(ZnO)は、無色の結晶であり、粉
末は白色で、白色原料として汎用されている。また、非
化学量論的組成の亜鉛酸化物は、金属過剰型(n型)半
導体として知られており、ZnO1-X で表示される。さ
らに、非化学量論的組成の酸化物は、一般に黒色を呈す
る。この理由は、非化学量論的組成の酸化物層が薄く形
成されることにより、可視光領域の波長の光を吸収する
ため、黒色を呈すると考えられている。
【0016】また、本発明においては、所定の耐食性を
確保するため、該黒色化処理被膜の下層に亜鉛または亜
鉛を含有する合金もしくは化合物等の亜鉛被覆層とが連
続的に結合した被覆層を形成して被亜鉛被覆材の表面を
被覆し、黒色化亜鉛被覆材を構成することができる。例
えば、図1に示したように、該黒色化亜鉛酸化物は、後
述する黒色化処理によって、表面に薄く形成される際
に、厚み方向で亜鉛が緩やかに増加および酸素が緩やか
に減少する特徴を有しており、厚み方向で酸素の結合状
態が連続的に変化、すなわち、ZnO1-X で表示される
x(O≦×<1)の値が厚み方向に連続的に変化した非
化学量論的組成の酸化物を形成して黒色化被膜を構成す
る。
【0017】本発明において、黒色化皮膜の厚みを5n
m以上、2000nm以下とする理由は以下の通りであ
る。黒色化皮膜の厚みの下限値を5nmとする理由は、
5nm以下では黒色化が不足または均一な黒色化被膜が
得られないためである。また、上限値を2000nmと
する理由は、これ以上の厚みでは黒色化の程度が飽和
し、それ以上黒色化が進行しにくくなるためである。さ
らに、厚みの上限値を越えて処理すると、黒色化処理に
ともなって亜鉛被覆層の合金化反応が過度になり、耐パ
ウダリング性等の密着性が劣化するだけでなく、亜鉛被
覆層が減少し、耐食性が劣化する等の悪影響があるため
である。ただし、この黒色化皮膜の厚みは、前述の亜鉛
被覆層の厚みを越えないこととする。
【0018】さらに、黒色化皮膜の厚みは、好ましくは
300nm以上、1500nm以下(さらに好ましく
は、300nm以上、700nm以下)の厚みとするこ
とが望ましい。その理由は、実施例2に示した、溶融亜
鉛めっき鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板における
黒色化の程度および密着性がきわめて良好となる黒色化
皮膜の厚みの範囲が300nm以上、1500nm以下
に相当するためである。また、黒色化処理をより効率的
に行うためには、300nm以上、700nm以下が最
も適しているためである。したがって、本発明における
黒色化処理条件としての最大許容範囲および実用範囲な
らびに最適範囲がそれぞれ前述の厚みに相当する。
【0019】また、黒色化皮膜の下層に構成される亜鉛
または亜鉛を含有する合金もしくは化合物等の亜鉛被覆
層の厚みは、とくに限定しない。例えば、最も厳しい耐
食性が要求される用途においても、亜鉛被覆層厚みの上
限が、通常、約100μm程度とされており、一方、耐
食性を問題としない用途においては、亜鉛被覆層を必要
としないからである。すなわち、亜鉛被覆層の厚みは、
所定の耐食性を確保するために必要な範囲で適宜選定し
て行うことができる。
【0020】次に、本発明における黒色化亜鉛被覆材の
黒色化処理条件について詳細に説明する。本発明におい
て、圧力を75kPa以下とする理由は、圧力が75k
Pa超では黒色化が不十分となるためである。一方、圧
力の下限値はとくに規定しない。すなわち、黒色化処理
設備の処理能力に応じた圧力の下限値としてよい。さら
に、前述の圧力を得るための方法もとくに限定しない。
たとえば、油回転ポンプ、油拡散ポンプ、イオンポンプ
等の真空ポンプまたは圧力調整装置等で所定の圧力に調
整する。ここで、黒色化処理雰囲気のベースガスは空気
が最も望ましく、これに、窒素ガス、還元性ガス、酸化
性ガス、非酸化性ガス、不活性ガスまたはこれらの混合
ガスもしくは黒色化処理の際に被処理材または処理設備
から発生するガスを混合させることができる。
【0021】次に、黒色化処理温度の下限値を150℃
とする理由は、150℃未満の温度では黒色化の反応が
きわめて遅く、黒色化が不十分もしくは黒色化処理に多
大な時間を必要とするためである。また、上限値を60
0℃とする理由は、600℃超の温度では溶融めっき、
電気めっき、蒸着めっき法等の方法で表面に被覆した亜
鉛と亜鉛被覆材の素地との合金化反応が速くなり、合金
化が進行しすぎて被覆材との密着性を阻害するためであ
り、また、亜鉛は蒸気圧が高いため、雰囲気中に蒸発し
被覆の機能を劣化させ、黒色化もしくは耐食性を阻害す
るためであり、さらに、連続式溶融めっきラインのトッ
プロールに鋼板が接触した際に、表面疵を発生させる恐
れがあるためである。さらに、鋼材、アルミニウムを素
地とする場合には、強度、加工性等の所定の材質を確保
するためであり、アルミニウムを素地とする被覆材にお
いては素地の融点を越えて、また、ガラスを素地とする
場合には軟化点を越えて加熱しないようにするためであ
る。
【0022】本発明においては、黒色化処理時間はとく
に限定しない。すなわち、前述の圧力および温度ならび
に被黒色化処理材の種類、厚み、寸法、形状等に応じて
所定の黒色化処理に必要な処理時間を適宜選定して行う
ことができる。例えば、実施例2および実施例3に示し
たように、冷間圧延鋼板に亜鉛めっきもしくは亜鉛めっ
きおよび合金化処理を行った材料等においては、前述の
加熱温度の上限値における黒色化処理時間は、少なくと
も1秒を必要とする。また、亜鉛めっき鋼材等を箱焼鈍
炉によるオープンコイル焼鈍法等で黒色化処理する場合
には、通常、7ないしは10日程度の時間を必要とする
関係上、実際にはこの程度までは許容してよい。すなわ
ち、黒色化処理時間は、処理設備の規模等の制約条件か
らも適宜選定できるようにしてよい。
【0023】前述のように、本発明においては、黒色化
処理条件は被処理材、処理雰囲気の圧力および被処理材
の加熱温度、加熱時間を前述の範囲で適宜選定して所定
の黒色化処理を行うことができる。例えば、実施例1の
ように、図2に示した真空チャンバー内に加熱機構を有
する真空蒸着装置において亜鉛を蒸着後、加熱して黒色
化処理を行うことができる。また、実施例3に示したよ
うに、連続式溶融亜鉛めっきライン(電気亜鉛めっきお
よび蒸着亜鉛めっきを含む)においては、亜鉛めっき後
または亜鉛めっきおよび合金化処理に引き続いて黒色化
処理を行う。この際、差圧真空法等で圧力を調整した処
理室にて、被処理材の保有熱を利用し、もしくは必要に
応じて加熱または冷却して処理温度を調整する。すなわ
ち、亜鉛めっき後においては400〜450℃が、亜鉛
めっきおよび合金化処理工程に引き続いて行う場合に
は、450〜550℃がそれぞれ黒色化処理に適当な処
理温度となる。
【0024】さらに、連続式の電気亜鉛めっきまたは蒸
着亜鉛めっきラインにおいては、被処理材の保有熱を利
用することが困難であるため、本発明の黒色化処理に必
要な温度まで加熱する。すなわち、適正条件を確保する
目的で、前述の各ラインにおける処理室の温度を適宜調
整するため、加熱または冷却機能を各ラインに付帯させ
る。これらの場合、ラインの設備能力等の制約条件を考
慮して、処理温度、時間および圧力等を適宜適正条件に
合わせるものとする。
【0025】さらに、実施例4および実施例5に示した
ように、オフラインにおいて箱型焼鈍炉、連続式焼鈍炉
等で本発明を行うに際しては、加熱もしくは冷却までの
熱処理工程の全体にわたって本発明を行うことができる
が、より優れた黒色化処理特性を得るためには、熱処理
の途中で所定の温度にて圧力および時間を適宜調整して
本発明を実施する。この場合、加熱炉の特性からの制約
条件等を考慮して、加熱または定温保持までの工程より
も冷却の途中で本発明を行うことが望ましい。
【0026】また、溶融めっき,電気めっき,蒸着めっ
き等の被処理材のめっき方法に起因する亜鉛被覆層の厚
み、めっき層の組成、めっき層と素地との結合状態等の
影響を考慮して本発明を実施することがより好ましい。
いずれの場合にも、被処理材、処理設備等の制約条件と
の関係から、必要に応じて圧力、温度、時間を適宜選定
し、適正条件で本発明を行うものとする。
【0027】さらに、本発明の方法で製造した黒色化処
理製品は、その用途および目的に応じて成形加工等の加
工を行うか、耐食性、塗装性、装飾性、意匠性等の観点
から、防食または仕上げ塗装等を目的とした所定の表面
処理を適宜行うことができる。すなわち、本発明におい
ては、前述の方法により亜鉛めっき鋼板等の鋼材を黒色
化処理した後、より実用的な品質、例えば、より高級な
外観、加工性、耐食性、塗装性、溶接性、耐指紋性を有
する製品に仕上げるために、次に示す処理を行うことが
含まれる。以下にこれを詳述する。
【0028】本発明の方法で黒色化処理した亜鉛めっき
鋼材等の表面にクロメート処理を行い、さらに、高分子
化合物の皮膜を形成させる。クロメート処理は、公知の
電解クロメート(例えば、クロム酸と微量の硫酸で構成
される酸性水溶液中で被処理材を陰極として電解し、水
洗する工程で得られるCr付着量として10〜100m
g/m2 のクロメート皮膜)や塗布クロメート(例え
ば、クロム酸と必要により、シリカゾル、リン酸、水溶
性有機高分子化合物の1種類以上を加えたクロメート液
をロールコーター、絞りロールもしくはエアーナイフ等
によって黒色化めっき鋼材の表面にCr付着量として1
0〜100mg/m2 塗布した後乾燥させた皮膜)を採
用できる。クロメート処理におけるCr付着量の限界
は、次のように規定する。すなわち、10mg/m2
満では、後述する高分子皮膜との密着性が得られず、耐
食性も白錆が発生して悪い。また、100mg/m2
では、クロメート自身の凝集破壊により密着性が得られ
ない。
【0029】高分子皮膜は、水希釈性のクリヤー樹脂塗
料、有機溶剤希釈性のクリヤー樹脂塗料、クリヤー無機
塗料等を採用することができる。これらのクリヤー樹脂
には、微粒のシリカ等の体質顔料、カーボンブラックな
どの着色顔料、ポリエチレン、フッソ樹脂等の潤滑剤を
適宜含有させることもできる。クロメート処理した後、
このクリヤー塗料をロールコーター、絞りロールもしく
はエアーナイフ等により皮膜付着量として0.5〜3.
0g/m2 に塗布し、乾燥炉、赤外線焼き付け炉、電気
炉、ガス炉等で板温80〜200℃に焼き付け、水冷却
して仕上げる。ここで、クリヤー塗料の付着量を制限す
る理由は、付着量が0.5g/m2 未満では、前述した
付与効果が不十分なためである。また、3.0g/m2
超では、本発明の無機系の黒色化鋼材としての特徴が阻
害され、有機系の悪影響、例えば、絶縁性による溶接不
良、加熱によるガス発生等で不利になるためである。
【0030】
【実施例】
実施例1 表1に示した組成の板厚0.8mmの冷延鋼板に亜鉛を
真空蒸着し、図2に示した箱型加熱炉で本発明の黒色化
処理を行った。さらに、鋼板以外の素材として、市販の
アルミニウム板、鋼板およびガラス板に亜鉛を蒸着し、
同様に処理した。処理条件は、表2に示した通りであ
る。また、比較例として、同材を圧力が101.3kP
a(1気圧)において同様に処理を行った。その結果、
本発明の方法で処理を行ったものはいずれも表面が黒色
化した。一方、比較例は、黒色化しなかった。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】実施例2 表1に示した組成の板厚0.8mmの冷延鋼板から製造
した溶融亜鉛めっき鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼
板を圧力が75kPa以下の雰囲気中で加熱し、本発明
の黒色化処理を行った。ここで、黒色化処理条件は表3
に示した通りである。また、比較例として、同材を圧力
が101.3kPa(1気圧)の大気中で同様に加熱し
た。その結果、本発明の方法で処理を行ったものはいず
れも表面が黒色化し、かつ、180°曲げ試験後の密着
性が極めて良好であった。一方、比較例は、黒色化が不
良(銀白色ないしは薄い黒灰色を呈した)であるか、ま
たは、密着性が低下した。
【0034】
【表3】
【0035】実施例3 表1に示した組成の板厚0.8mmの冷延鋼板を素材と
して、連続式溶融亜鉛めっきラインで溶融亜鉛めっきに
引き続いて、表4に示した条件で本発明の黒色化処理を
行った。また、溶融亜鉛めっきおよび合金化に引き続い
て、同様に本発明の黒色化処理を行った。さらに、比較
例として、同材を圧力が101.3kPa(1気圧)の
大気中等で同様に処理した。その結果、本発明の方法で
処理を行ったものは、いずれも表面が黒色化し、かつ、
180°曲げ試験後の密着性が極めて良好であった。一
方、比較例は、加熱温度が上昇するにつれて合金化が進
行するだけで、いずれも銀白色ないしは薄い黒灰色を呈
しており、黒色化が不良であった。
【0036】
【表4】
【0037】実施例4 表1に示した組成の板厚0.8mmの冷延鋼板を素材と
して溶融亜鉛めっき鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼
板を製造した。これらの鋼板を箱型焼鈍炉および連続式
加熱炉を用いて、本発明の黒色化処理を行った。処理条
件は、表5に示した通りである。ここで、箱型焼鈍炉に
おいては、表5に記載の温度までは大気圧で加熱した
後、各圧力にてそれぞれの時間の処理を行い、その後、
ただちに冷却を開始すると同時に、各雰囲気の圧力を大
気圧に保持し150℃以下の温度まで冷却した。また、
比較例として、同材を圧力が101.3kPa(1気
圧)の雰囲気中で同様に処理した。その結果、本発明の
方法で処理を行ったものはいずれも表面が黒色化し、か
つ、180°曲げ試験後の密着性が極めて良好であっ
た。一方、比較例は、加熱温度が上昇するにつれて合金
化が進行するだけで、いずれも銀白色ないしは薄い黒灰
色を呈しており、黒色化が不良であった。
【0038】
【表5】
【0039】実施例5 表1に示した冷延鋼板(板厚0.8mm)に電気亜鉛め
っきおよび真空蒸着法で亜鉛めっきを行った後、箱型焼
鈍炉および連続式加熱炉において、表6に示した条件で
本発明の黒色化処理を行った。また、比較例として、同
材を圧力が101.3kPaで同様に処理を行った。そ
の結果、本発明の方法で処理を行ったものは、いずれも
表面が黒色化し、かつ、180°曲げ試験後の密着性が
極めて良好であった。一方、比較例は、銀灰色から黒灰
色を呈したのみで、黒色化が不十分であった。
【0040】
【表6】
【0041】
【発明の効果】前述のように、本発明は、以下に述べる
効果を奏する。すなわち、本発明は、鋼板等の平面状を
したものはもちろん、従来技術では均一な黒色化処理や
塗装が困難であった複雑な形状に加工した二次加工製品
をも容易に黒色化処理できる技術であり、かつまた、従
来技術では必須工程となっていた黒色化処理条件の厳密
な維持、管理およびこれに付随する脱脂、水洗、乾燥処
理工程等の省略化もしくは簡略化をも可能にし、これに
付随する排水処理等の必要がなくなること等の環境面で
の改善効果をもあわせもつこと等、本発明の波及効果は
多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による皮膜および比較例の分析例を示す
図、
【図2】本発明の箱型加熱炉での適用例を示す模式図で
ある。
【符号の説明】
1 Fe 2 Zn 3 O 4 被黒色化処理材 5 加熱ヒーター 6 真空室 7 真空排気装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平5−92836 (32)優先日 平5(1993)4月20日 (33)優先権主張国 日本(JP)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐食性および/または塗装性を有する黒
    色化処理製品において、表面層に5nm以上、2000
    nm以下の厚みの非化学量論的組成の亜鉛酸化物から成
    る黒色化層を有することを特徴とする黒色化亜鉛被覆
    材。
  2. 【請求項2】 耐食性および/または塗装性を有する黒
    色化処理製品において、表面層に0.3〜3.0g/m
    2 のクリヤー皮膜を有し、さらにその下層にCr量で1
    0〜100mg/m2 を含有するクロメート皮膜を有す
    ることを特徴とする請求項1記載の黒色化亜鉛被覆材。
  3. 【請求項3】 耐食性および/または塗装性を有する黒
    色化処理製品の製造方法において、亜鉛被覆材を圧力が
    75kPa以下の雰囲気中で150℃以上、600℃以
    下の温度域に加熱し、該亜鉛被覆材の表面層に5nm以
    上、2000nm以下の厚みの非化学量論的組成の亜鉛
    酸化物から成る黒色化層を形成することを特徴とする黒
    色化亜鉛被覆材の製造方法。
  4. 【請求項4】 連続亜鉛めっきラインにおいて、鋼材に
    亜鉛めっきを施したあと、または、亜鉛めっきおよび合
    金化処理を施したあと、引き続いて請求項3記載の黒色
    化処理を行うことを特徴とする黒色化亜鉛被覆鋼材の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 箱型加熱炉または連続式加熱炉におい
    て、亜鉛めっき鋼材または合金化亜鉛めっき鋼材に請求
    項3記載の黒色化処理を行うことを特徴とする黒色化亜
    鉛被覆鋼材の製造方法。
  6. 【請求項6】 黒色化処理した鋼材の表面に、10〜1
    00mg/m2 のCr量を塗布し、さらに、高分子化合
    物から成るクリヤー塗料を0.3〜3.0g/m2 塗布
    することを特徴とする請求項4または請求項5記載の黒
    色化亜鉛被覆材の製造方法。
JP2080794A 1993-02-23 1994-02-18 黒色化亜鉛被覆材およびその製造方法 Withdrawn JPH073458A (ja)

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JP9283693 1993-04-20
JP5-92836 1993-04-20
JP5-32934 1993-04-20
JP5-84931 1993-04-20
JP5-90311 1993-04-20
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