JPH0735538B2 - 溶接性の優れた高強度高靭性厚肉鋼板の製造方法 - Google Patents
溶接性の優れた高強度高靭性厚肉鋼板の製造方法Info
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- JPH0735538B2 JPH0735538B2 JP63166517A JP16651788A JPH0735538B2 JP H0735538 B2 JPH0735538 B2 JP H0735538B2 JP 63166517 A JP63166517 A JP 63166517A JP 16651788 A JP16651788 A JP 16651788A JP H0735538 B2 JPH0735538 B2 JP H0735538B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、溶接施工を受ける高強度高靱性厚肉鋼板の製
造技術に関する。
造技術に関する。
(従来の技術及び解決しようとする課題) 大型構造物用材料としては、高強度、高靱性で溶接性が
良好な厚肉鋼板が用いられるが、例えば、溶接性を良好
とするために低炭素当量の成分系でCuの時効析出硬化を
利用した鋼としてASTMA710が知られている。この鋼は、
1.0〜1.3%のCuを含有し、時効処理によってCuを析出さ
せて高強度を得るものである。
良好な厚肉鋼板が用いられるが、例えば、溶接性を良好
とするために低炭素当量の成分系でCuの時効析出硬化を
利用した鋼としてASTMA710が知られている。この鋼は、
1.0〜1.3%のCuを含有し、時効処理によってCuを析出さ
せて高強度を得るものである。
しかし、上記鋼の場合、板厚35mm以上の厚肉鋼板にした
場合には、従来の製造方法では優れた低温靱性(破面遷
移温度vTrsで−80℃以下)を確保することは困難であ
る。
場合には、従来の製造方法では優れた低温靱性(破面遷
移温度vTrsで−80℃以下)を確保することは困難であ
る。
一方、高強度高靱性を要求されるこの種の鋼板を製造す
る際に制御圧延及びその後に直接焼入を施す方法が提案
されている。しかし、このような方法を上記鋼に適用し
た場合、オーステナイト低温域で大きな累積圧下を加え
る必要がある。その結果、圧延仕上温度は800℃以下と
いう非常に低い温度となり、このため、圧延後直ちに直
接焼入れを行ったとしても、焼入れの効果が十分に得ら
れず、Cuの時効析出硬化を利用しても引張強さが70kgf/
mm2以上の高強度を得ることは困難である。しかも、鋼
板の厚さの増大に伴って、強度確保のため、Mn、Cr、Mo
等の合金元素を多量に添加しなければならず、その結
果、鋼の炭素当量が高くなって、溶接性が著しく損なわ
れるという問題がある。例えば、特開昭60−59018号で
は板厚は30mm以下の場合しか示されていない。
る際に制御圧延及びその後に直接焼入を施す方法が提案
されている。しかし、このような方法を上記鋼に適用し
た場合、オーステナイト低温域で大きな累積圧下を加え
る必要がある。その結果、圧延仕上温度は800℃以下と
いう非常に低い温度となり、このため、圧延後直ちに直
接焼入れを行ったとしても、焼入れの効果が十分に得ら
れず、Cuの時効析出硬化を利用しても引張強さが70kgf/
mm2以上の高強度を得ることは困難である。しかも、鋼
板の厚さの増大に伴って、強度確保のため、Mn、Cr、Mo
等の合金元素を多量に添加しなければならず、その結
果、鋼の炭素当量が高くなって、溶接性が著しく損なわ
れるという問題がある。例えば、特開昭60−59018号で
は板厚は30mm以下の場合しか示されていない。
上記の理由により、これまでは、Cu析出硬化を利用し
て、板厚35mm以上の溶接性の優れた高強度高靱性鋼板を
製造することは非常に困難であった。
て、板厚35mm以上の溶接性の優れた高強度高靱性鋼板を
製造することは非常に困難であった。
もっとも、圧延仕上温度を800℃以上の如く比較的高く
とり、圧延終了後に直接焼入れする方法(特開昭62−25
6915号、同62−149845号)、或いは添加熱焼入れする方
法が試みられているが(特開昭61−149430号、同62−14
9845号)、直接焼入の場合は板厚35mm以上のときに強
度、低温靱性がバランスよく得られるかどうかに問題が
あり、また再加熱によるコストアップの問題がある。
とり、圧延終了後に直接焼入れする方法(特開昭62−25
6915号、同62−149845号)、或いは添加熱焼入れする方
法が試みられているが(特開昭61−149430号、同62−14
9845号)、直接焼入の場合は板厚35mm以上のときに強
度、低温靱性がバランスよく得られるかどうかに問題が
あり、また再加熱によるコストアップの問題がある。
本発明は、かゝる状況のもとでなされたものであって、
低炭素当量の成分系でCuの析出硬化を利用し、更に低温
靱性を改善するために制御圧延を適用して、板厚35mm以
上で、引張強さが70kgf/mm2以上の高強度を有し、板厚
中央部での破面遷移温度が−80℃以下の高靱性を有し、
しかも溶接性の優れた高強度高靱性厚肉鋼板を得る方法
を提供することを目的とするものである。
低炭素当量の成分系でCuの析出硬化を利用し、更に低温
靱性を改善するために制御圧延を適用して、板厚35mm以
上で、引張強さが70kgf/mm2以上の高強度を有し、板厚
中央部での破面遷移温度が−80℃以下の高靱性を有し、
しかも溶接性の優れた高強度高靱性厚肉鋼板を得る方法
を提供することを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 前記目的を達成するため、本発明者らは、制御圧延の効
果を高め、直接焼入時に変態強化を促進し、なお且つ焼
もどし時に析出効果させる作用を有するNbに着目し、こ
れを有効に活用する方法について鋭意研究を行った。
果を高め、直接焼入時に変態強化を促進し、なお且つ焼
もどし時に析出効果させる作用を有するNbに着目し、こ
れを有効に活用する方法について鋭意研究を行った。
その結果、化学成分を適切に調整すると共に、特に粗圧
延段階での圧延条件を適切にコントロールすることによ
り、上記の目的を達成でき、優れた溶接性を有する高強
度高靱性厚肉鋼板を製造できる方法を見い出したのであ
る。具体的には、主として、 (1)溶接性を向上させるためにC量を0.01〜0.10%に
低減する、 (2)高強度化のためにCuを0.8〜1.5%含有させ、かつ
制御圧延の効果を高め、変態強化を促進し、更に析出硬
化作用を有するNbを0.010〜0.060%含有させる、 (3)粗圧延段階での特定の温度域で圧下を加えること
なく且つこの間を一定の冷却速度以上で冷却するのであ
る。
延段階での圧延条件を適切にコントロールすることによ
り、上記の目的を達成でき、優れた溶接性を有する高強
度高靱性厚肉鋼板を製造できる方法を見い出したのであ
る。具体的には、主として、 (1)溶接性を向上させるためにC量を0.01〜0.10%に
低減する、 (2)高強度化のためにCuを0.8〜1.5%含有させ、かつ
制御圧延の効果を高め、変態強化を促進し、更に析出硬
化作用を有するNbを0.010〜0.060%含有させる、 (3)粗圧延段階での特定の温度域で圧下を加えること
なく且つこの間を一定の冷却速度以上で冷却するのであ
る。
これらの知見に基づいて、更に種々の条件について実験
研究を重ね、ここに本発明をなすに至ったのである。
研究を重ね、ここに本発明をなすに至ったのである。
すなわち、本発明は、C:0.01〜0.10%、Si:0.10〜0.50
%、Mn:0.5〜2.0%、Al:0.01〜0.10%、Cu:0.8〜1.5
%、Nb:0.01〜0.06%、Ti:0.005〜0.020%及びN:0.015
%以下を含有し、更に必要に応じて、Ni:3.0%以下、C
r:1.0%以下、Mo:0.5%以下、V:0.1%以下、B:0.0030%
以下及びCa:0.0050%以下のうちの1種又は2種以上を
含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなる鋼につ
き、1000〜1150℃の温度範囲に加熱した後、熱間圧延を
行うに際し、粗圧延においてスラブ表面温度Tが次式 900℃≦T+t≦1000℃(t:スラブ厚)を満たす間に圧
下を加えることなく、且つこの間スラブ表面の温度での
冷却速度が12℃/min以上となるように冷却し、その後、
仕上圧延において800〜700℃で60%以上の圧下を加えて
(Ar3変態点−30℃)以上で圧延を完了し、直ちに直接
焼入れを行い、更に焼もどし処理を行うことを特徴とす
る板厚35mm以上で溶接性の優れた高強度高靱性厚肉鋼板
の製造方法を要しとするものである。
%、Mn:0.5〜2.0%、Al:0.01〜0.10%、Cu:0.8〜1.5
%、Nb:0.01〜0.06%、Ti:0.005〜0.020%及びN:0.015
%以下を含有し、更に必要に応じて、Ni:3.0%以下、C
r:1.0%以下、Mo:0.5%以下、V:0.1%以下、B:0.0030%
以下及びCa:0.0050%以下のうちの1種又は2種以上を
含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなる鋼につ
き、1000〜1150℃の温度範囲に加熱した後、熱間圧延を
行うに際し、粗圧延においてスラブ表面温度Tが次式 900℃≦T+t≦1000℃(t:スラブ厚)を満たす間に圧
下を加えることなく、且つこの間スラブ表面の温度での
冷却速度が12℃/min以上となるように冷却し、その後、
仕上圧延において800〜700℃で60%以上の圧下を加えて
(Ar3変態点−30℃)以上で圧延を完了し、直ちに直接
焼入れを行い、更に焼もどし処理を行うことを特徴とす
る板厚35mm以上で溶接性の優れた高強度高靱性厚肉鋼板
の製造方法を要しとするものである。
(作用) 以下に本発明を更に詳細に説明する。
まず、本発明における化学成分の限定理由は以下のとお
りである。
りである。
C: Cは強度上昇に有効な元素であり、そのためには0.01%
以上が必要である。しかし、靱性の確保及び耐溶接割れ
性の低下防止の観点から上限を0.10%に規制する必要が
ある。したがって、C量は0.01〜0.10%の範囲とする。
以上が必要である。しかし、靱性の確保及び耐溶接割れ
性の低下防止の観点から上限を0.10%に規制する必要が
ある。したがって、C量は0.01〜0.10%の範囲とする。
Si: Siは脱酸元素であり、0.10%以上の添加が必要である
が、過度の添加は靱性を劣化させるために上限を0.5%
とする。このため、Si量は0.10〜0.50%の範囲とする。
が、過度の添加は靱性を劣化させるために上限を0.5%
とする。このため、Si量は0.10〜0.50%の範囲とする。
Mn: Mnは強度上昇に有効であり、そのために0.5%以上が必
要であるが、2.0%を超えて添加すると靱性が劣化す
る。したがって、Mn量は0.5〜2.0%の範囲とする。
要であるが、2.0%を超えて添加すると靱性が劣化す
る。したがって、Mn量は0.5〜2.0%の範囲とする。
Al: Alは脱酸元素であり、0.10%以上が必要であるが、過度
の添加は介在物を形成し、靱性を劣化させるため、上限
を0.10%とする。したがって、Al量は0.01〜0.10%の範
囲とする。
の添加は介在物を形成し、靱性を劣化させるため、上限
を0.10%とする。したがって、Al量は0.01〜0.10%の範
囲とする。
Nb: Nbは本発明のポイントとなる重要な元素である。すなわ
ち、Nbは固溶状態で、オーステナイトの再結晶を抑制
し、制御圧延の効果を高め、直接焼入による変態強化を
向上させ、且つ焼もどし時に析出して強度及び靱性の向
上に寄与する元素である。このような効果は0.01%以上
で発揮されるが、0.06%を超えると溶接部の靱性が劣化
するので、好ましくない。したがって、Nb量0.01〜0.06
%の範囲とする。
ち、Nbは固溶状態で、オーステナイトの再結晶を抑制
し、制御圧延の効果を高め、直接焼入による変態強化を
向上させ、且つ焼もどし時に析出して強度及び靱性の向
上に寄与する元素である。このような効果は0.01%以上
で発揮されるが、0.06%を超えると溶接部の靱性が劣化
するので、好ましくない。したがって、Nb量0.01〜0.06
%の範囲とする。
Ti: Tiは難溶性の炭窒化物を形成し、スラブ加熱時又は溶接
時のオーステナイト粒の成長を抑制するため、母剤及び
溶接時の靱性を向上させる効果を有する元素である。ま
た、鋼中のC、Nを固定することにより、固溶Nbが炭・
窒化物として析出することを抑制する効果もある。その
ためには0.005%以上が必要であるが、0.020%を超えて
添加すると粗大な介在物を形成し、靱性を劣化させる。
したがって、Ti量は0.005〜0.020%の範囲とする。
時のオーステナイト粒の成長を抑制するため、母剤及び
溶接時の靱性を向上させる効果を有する元素である。ま
た、鋼中のC、Nを固定することにより、固溶Nbが炭・
窒化物として析出することを抑制する効果もある。その
ためには0.005%以上が必要であるが、0.020%を超えて
添加すると粗大な介在物を形成し、靱性を劣化させる。
したがって、Ti量は0.005〜0.020%の範囲とする。
N: Nは0.015%を超えて添加すると、母剤及び溶接部の靱
性を著しく劣化させるので、N量は0.015%以下とす
る。
性を著しく劣化させるので、N量は0.015%以下とす
る。
Cu: Cuは固溶強化、析出強化或いは焼入性向上による変態強
化に有効な元素である。これらの効果を発揮させるため
には0.8%以上の添加が必要である。しかし、過度の添
加は靱性を低下させるため、上限を1.5%とする。した
がって、Cu量は0.8〜1.5%の範囲とする。
化に有効な元素である。これらの効果を発揮させるため
には0.8%以上の添加が必要である。しかし、過度の添
加は靱性を低下させるため、上限を1.5%とする。した
がって、Cu量は0.8〜1.5%の範囲とする。
以上の各元素を必須成分とするが、必要に応じて、以下
に示すNi、Cr、Mo、V、B及びCaのうちの1種又は2種
以上を適量で添加することができる。
に示すNi、Cr、Mo、V、B及びCaのうちの1種又は2種
以上を適量で添加することができる。
Niは低温靱性を改善する効果があるが、高価であり、経
済性の観点から3.0%以下とする。また、主として高強
度化の目的でCrを1.0%以下、Moを0.5%以下,Vを0.1%
以下、Bを0.0030%以下で添加することができる。また
靱性改善の目的でCaを0.0050%以下で添加することがで
きる。なお、これらの元素は上限を超えて過度に添加す
ると靱性或いは更に溶接性を劣化させるので好ましくな
い。
済性の観点から3.0%以下とする。また、主として高強
度化の目的でCrを1.0%以下、Moを0.5%以下,Vを0.1%
以下、Bを0.0030%以下で添加することができる。また
靱性改善の目的でCaを0.0050%以下で添加することがで
きる。なお、これらの元素は上限を超えて過度に添加す
ると靱性或いは更に溶接性を劣化させるので好ましくな
い。
次に本発明における鋳塊加熱、熱間圧延条件の限定理由
について述べる。
について述べる。
鋳塊加熱温度は、オーステナイト粒の粗大化による靱性
劣化を防ぐために1150℃以下にする必要がある。しか
し、1000℃未満では強度及び靱性の向上に有効に作用す
る固溶Nbの確保が困難であるので好ましくない。
劣化を防ぐために1150℃以下にする必要がある。しか
し、1000℃未満では強度及び靱性の向上に有効に作用す
る固溶Nbの確保が困難であるので好ましくない。
上記温度範囲に加熱された鋳塊を熱間圧延するに際して
は、粗圧延及び仕上圧延での条件をコントロールする必
要がある。
は、粗圧延及び仕上圧延での条件をコントロールする必
要がある。
すなわち、まず、粗圧延の途中段階においては、スラブ
被覆温度Tが次式 900℃≦T+t≦1000℃(t:スラブ厚)を満たす範囲で
圧下を行うことなく、且つこの間を12℃/min以上の冷却
速度で冷却する必要がある。これは本発明の最も重要な
点である。上記の如く本発明で限定した温度範囲はオー
ステナイト中でNbが最も析出し易い温度であり、この間
の圧延はNbの析出を著しく助長する。したがって、この
間を圧延することなく、しかも通常よりも速い冷却速度
で冷却することにより、熱間圧延中のNbの析出を極力抑
制することができる。この結果、オーステナイト低温域
での制御圧延の効果が向上し、靱性改善が図られると共
に、直接焼入れ時の変態強化の促進、更に焼もどしによ
るNbの析出強化量の増大が可能となる。更に、この方法
によると、この温度域でのオーステナイト粒の成長を抑
制でき、靱性改善の効果が増大する。
被覆温度Tが次式 900℃≦T+t≦1000℃(t:スラブ厚)を満たす範囲で
圧下を行うことなく、且つこの間を12℃/min以上の冷却
速度で冷却する必要がある。これは本発明の最も重要な
点である。上記の如く本発明で限定した温度範囲はオー
ステナイト中でNbが最も析出し易い温度であり、この間
の圧延はNbの析出を著しく助長する。したがって、この
間を圧延することなく、しかも通常よりも速い冷却速度
で冷却することにより、熱間圧延中のNbの析出を極力抑
制することができる。この結果、オーステナイト低温域
での制御圧延の効果が向上し、靱性改善が図られると共
に、直接焼入れ時の変態強化の促進、更に焼もどしによ
るNbの析出強化量の増大が可能となる。更に、この方法
によると、この温度域でのオーステナイト粒の成長を抑
制でき、靱性改善の効果が増大する。
例えば、第1図は、0.04%C−0.25%Si−1.4%Mn−0.8
%Cu−0.4%Ni−0.2%Mo−0.045%Nb−0.010%Ti−0.00
45%N−0.035%Alからなる組成の鋼について、粗圧延
中断温度範囲での冷却速度(横軸)が強度及び靱性(縦
軸)に及ぼす影響を示したものである。なお、仕上圧延
は800〜700℃での圧下率65%とし、焼入れ後、600℃で
焼もどした。同図において、強度は冷却速度の上昇と共
に上昇し、12℃/min以上で飽和する傾向を示している。
一方、靱性は冷却速度の上昇と共に緩やかに向上してい
る。よって、この間の冷却速度は12℃/min以上とする必
要があることがわかる。なお、この間の冷却速度は、好
ましくは15℃/minとすることにより、より安定して高強
度を得ることができる。
%Cu−0.4%Ni−0.2%Mo−0.045%Nb−0.010%Ti−0.00
45%N−0.035%Alからなる組成の鋼について、粗圧延
中断温度範囲での冷却速度(横軸)が強度及び靱性(縦
軸)に及ぼす影響を示したものである。なお、仕上圧延
は800〜700℃での圧下率65%とし、焼入れ後、600℃で
焼もどした。同図において、強度は冷却速度の上昇と共
に上昇し、12℃/min以上で飽和する傾向を示している。
一方、靱性は冷却速度の上昇と共に緩やかに向上してい
る。よって、この間の冷却速度は12℃/min以上とする必
要があることがわかる。なお、この間の冷却速度は、好
ましくは15℃/minとすることにより、より安定して高強
度を得ることができる。
更に、仕上圧延においては、靱性を向上させるために80
0〜700℃のオーステナイト低温域で60%以上の圧下を行
う。この温度域は、オーステナイトの未再結晶温度域で
あり、この間の圧下はオーステナイト中に加工歪を付与
し、変態後の組織の微細化を促進し、強度及び靱性を向
上させるのである。そのため、少なくとも60%の圧下が
必要である。また、仕上圧延終了温度は、その後の直接
焼入の効果を充分に発揮させるため、(Ar3変態点−30
℃)以上とする必要がある。
0〜700℃のオーステナイト低温域で60%以上の圧下を行
う。この温度域は、オーステナイトの未再結晶温度域で
あり、この間の圧下はオーステナイト中に加工歪を付与
し、変態後の組織の微細化を促進し、強度及び靱性を向
上させるのである。そのため、少なくとも60%の圧下が
必要である。また、仕上圧延終了温度は、その後の直接
焼入の効果を充分に発揮させるため、(Ar3変態点−30
℃)以上とする必要がある。
圧延後、鋼板は直ちに直接焼入される。これは固溶Nbの
焼入性向上による変態強化の作用を最大限に発揮させる
ためである。更にこの鋼板には焼もどし処理が施される
が、これは変態後に固溶状態で存在するNbを析出させて
高強度を得るためである。
焼入性向上による変態強化の作用を最大限に発揮させる
ためである。更にこの鋼板には焼もどし処理が施される
が、これは変態後に固溶状態で存在するNbを析出させて
高強度を得るためである。
次に本発明の実施例を示す。
(実施例) 第1表に示す化学成分を有する供試鋼を常法により溶
製、鋳造し、得られた鋳塊を第2表に示す温度に加熱し
た後、同表に示す条件にて、粗圧延及び仕上圧延を行
い、直ちに焼入れし、更に600℃の焼もどしを施した。
製、鋳造し、得られた鋳塊を第2表に示す温度に加熱し
た後、同表に示す条件にて、粗圧延及び仕上圧延を行
い、直ちに焼入れし、更に600℃の焼もどしを施した。
得られた鋼板について機械的性質(降伏強さYS、引張強
さTS、板厚中央部での被面遷移温度)を調べた。その結
果を第2表に併記する。
さTS、板厚中央部での被面遷移温度)を調べた。その結
果を第2表に併記する。
第2表により明らかなように、本発明例であるNo.1(鋼
A1)、No.7(鋼B)、No.11(鋼F)、No.12(鋼G)、
No.13(鋼H)はいずれも引張強さが70kgf/mm2以上あ
り、しかも板厚中央部での被面遷移温度vTrsが−80℃以
下となり、優れた強度−靱性バランスを有していること
がわかる。勿論、化学成分、特にC量が低いので、溶接
性に優れている。
A1)、No.7(鋼B)、No.11(鋼F)、No.12(鋼G)、
No.13(鋼H)はいずれも引張強さが70kgf/mm2以上あ
り、しかも板厚中央部での被面遷移温度vTrsが−80℃以
下となり、優れた強度−靱性バランスを有していること
がわかる。勿論、化学成分、特にC量が低いので、溶接
性に優れている。
一方、本発明例と同一化学成分を有する鋼であっても、
加熱及び圧延条件が本発明範囲外であるもの、すなわ
ち、No.2(鋼A)〜No.6(鋼A)では強度が70kgf/mm2
に達していないか、或いは板厚中央部での被面遷移温度
が−80℃より高くなっている。
加熱及び圧延条件が本発明範囲外であるもの、すなわ
ち、No.2(鋼A)〜No.6(鋼A)では強度が70kgf/mm2
に達していないか、或いは板厚中央部での被面遷移温度
が−80℃より高くなっている。
また、本発明の化学成分範囲から優れた成分を有する鋼
C〜Eに関する比較例No.8(鋼C)、No.9(鋼D)、N
o.10(鋼E)では、加熱及び圧延条件が本発明で定めた
条件範囲内であっても、引張強さが70kgf/mm2以下であ
るか、或いは更に被面遷移温度が−80℃以上であり、目
標とした特性が得られていない。
C〜Eに関する比較例No.8(鋼C)、No.9(鋼D)、N
o.10(鋼E)では、加熱及び圧延条件が本発明で定めた
条件範囲内であっても、引張強さが70kgf/mm2以下であ
るか、或いは更に被面遷移温度が−80℃以上であり、目
標とした特性が得られていない。
(発明の効果) 以上詳述したように、本発明によれば、適切に化学成分
を調整した鋼に、粗圧延段階で特定温度域において圧延
を中断してこの間を通常よりも速い冷却速度で冷却し、
更に特定の条件にて仕上圧延し、直ちに焼入れし、更に
焼もどしを施すので、引張強さ70kgf/mm2以上、被面遷
移温度−80℃以下で強度−靱性バランスに優れ、且つ溶
接性の優れた高強度高靱性厚肉鋼板を製造することがで
きる。
を調整した鋼に、粗圧延段階で特定温度域において圧延
を中断してこの間を通常よりも速い冷却速度で冷却し、
更に特定の条件にて仕上圧延し、直ちに焼入れし、更に
焼もどしを施すので、引張強さ70kgf/mm2以上、被面遷
移温度−80℃以下で強度−靱性バランスに優れ、且つ溶
接性の優れた高強度高靱性厚肉鋼板を製造することがで
きる。
第1図は引張強さと、板厚中央部での被面遷移温度に及
ぼす粗圧延中断時の冷却速度の影響を示す図である。
ぼす粗圧延中断時の冷却速度の影響を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】重量%で(以下、同じ)、C:0.01〜0.10
%、Si:0.10〜0.50%、Mn:0.5〜2.0%、Al:0.01〜0.10
%、Cu:0.8〜1.5%、Nb:0.01〜0.06%、Ti:0.005〜0.02
0%及びN:0.015%以下を含有し、残部が鉄及び不可避的
不純物からなる鋼につき、1000〜1150℃の温度範囲に加
熱した後、熱間圧延を行うに際し、粗圧延においてスラ
ブ表面温度Tが次式 900℃≦T+t≦1000℃(t:スラブ厚)を満たす間に圧
下を加えることなく、且つこの間スラブ表面の温度での
冷却速度が12℃/min以上となるように冷却し、その後、
仕上圧延において800〜700℃で60%以上の圧下を加えて
(Ar3変態点−30℃)以上で圧延を完了し、直ちに直接
焼入れを行い、更に焼もどし処理を行うことを特徴とす
る板厚35mm以上で溶接性の優れた高強度高靱性厚肉鋼板
の製造方法。 - 【請求項2】前記鋼が、Ni:3.0%以下、Cr:1.0%以下、
Mo:0.5%以下、V:0.1%以下、B:0.0030%以下及びCa:0.
0050%以下のうちの1種又は2種以上を含有しているも
のである請求項1に記載の方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63166517A JPH0735538B2 (ja) | 1988-07-04 | 1988-07-04 | 溶接性の優れた高強度高靭性厚肉鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63166517A JPH0735538B2 (ja) | 1988-07-04 | 1988-07-04 | 溶接性の優れた高強度高靭性厚肉鋼板の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0215122A JPH0215122A (ja) | 1990-01-18 |
| JPH0735538B2 true JPH0735538B2 (ja) | 1995-04-19 |
Family
ID=15832788
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP63166517A Expired - Lifetime JPH0735538B2 (ja) | 1988-07-04 | 1988-07-04 | 溶接性の優れた高強度高靭性厚肉鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0735538B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| JP5284075B2 (ja) * | 2008-12-25 | 2013-09-11 | 株式会社神戸製鋼所 | 脆性亀裂伝播停止特性に優れた構造用厚鋼板 |
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Family Cites Families (3)
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| JPH0781164B2 (ja) * | 1986-04-30 | 1995-08-30 | 日本鋼管株式会社 | 高張力高靭性鋼板の製造方法 |
-
1988
- 1988-07-04 JP JP63166517A patent/JPH0735538B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0215122A (ja) | 1990-01-18 |
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