JPH0735845U - フライホイール組立体 - Google Patents

フライホイール組立体

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JPH0735845U
JPH0735845U JP065014U JP6501493U JPH0735845U JP H0735845 U JPH0735845 U JP H0735845U JP 065014 U JP065014 U JP 065014U JP 6501493 U JP6501493 U JP 6501493U JP H0735845 U JPH0735845 U JP H0735845U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フライホイール組立体の外径を小さくする。 【構成】 フライホイール組立体1は、第1フライホイ
ール2と第2フライホイール3とシールプレート5と弾
性連結機構8と粘性減衰部9とを備えている。シールプ
レート5は、第1フライホイール2との間に流体が充填
された環状空間Aを形成するように、外周部(かしめ部
5a)が第1フライホイール2の外周部にかしめられて
いる。弾性連結機構8と粘性減衰部9とは、環状空間A
内に配置されている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、フライホイール組立体、特に、入力側回転から出力側回転体にトル クを伝達するフライホイール組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば自動車用エンジンに用いられるフライホイール組立体は、第1フライ ホイール及び第2フライホイールと、両フライホイールを弾性的に連結する弾性 連結機構と両フライホイール間に配置された粘性減衰部とを備えている。第1フ ライホイールはエンジン側のクランクシャフトに連結される。第2フライホイー ルには、トランスミッション側のクラッチが装着される。
【0003】 フライホイール組立体は、さらに、第1フライホイールに固定された円板状の シールプレートを備えている。シールプレートは、外周部が第1フライホイール にリベットで固定され、第1フライホイールとの間に流体が充填される環状空間 を形成している。この環状空間内に、前記弾性連結機構及び粘性減衰部が配置さ れている。粘性減衰部は、第1フライホイールと第2フライホイールとが捩じり 振動によって往復動作を繰り返すと、前記環状空間内の流体を利用して粘性抵抗 を発生させて捩じり振動を減衰する。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
前記従来のフライホイール組立体では、第1フライホイールとシールプレート とをリベットによって固定するためには、第1フライホイールの外周にフランジ 部を設ける必要がある。そのために、フライホイール組立体の外径が大きくなっ てしまう。
【0005】 本考案の目的は、フライホイール組立体の外径を小さくすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本考案に係るフライホイール組立体は入力側回転体から出力側回転体にトルク を伝達するものであり、第1フライホイールと第2フライホイールとシールプレ ートと弾性連結機構と粘性減衰部とを備えている。 第1フライホイールは入力側及び出力側回転体のいずれか一方に連結される。 第2フライホイールは入力側及び出力側回転体の他方に連結され、第1フライホ イールに相対回転自在に支持される。シールプレートは、第1フライホイールと の間に流体が充填された空間を形成するように、外周部が第1フライホイールの 外周部にかしめられている。弾性連結機構は、前記空間内に配置され、第1フラ イホイールと第2フライホイールとを円周方向に弾性的に連結する。粘性減衰部 は前記空間内に配置され、第1フライホイールと第2フライホイールとの相対捩 じれ時に流体が通過する絞り部を有している。
【0007】
【作用】
本考案に係るフライホイール組立体では、入力側回転体から第1フライホイー ルにトルクが入力されると、そのトルクは弾性連結機構を介して第2フライホイ ールに伝達され、さらに出力側回転体に出力される。捩じり振動により第1フラ イホイールと第2フライホイールとが相対捩じれ動作を行うと、弾性連結機構が 両フライホイール間で伸縮され、粘性減衰部の絞り部を流体が通過して粘性抵抗 を発生させる。これにより、捩じり振動が減衰される。
【0008】 このフライホイール組立体では、シールプレートの外周部が第1フライホイー ルの外周部にかしめられて固定されている。したがって、第1フライホイールに リベットを固定するためのフランジを外周に設ける必要がなく、第1フライホイ ール組立体の外径が小さくなる。
【0009】
【実施例】第1実施例 図1及び図2は、本考案の第1実施例によるフライホイール組立体1を示して いる。フライホイール組立体1は、車輌のエンジンとトランスミッションとの間 に配置され、エンジン側からトランスミッション側にトルクを伝達するための装 置である。図1においては、図の左側にエンジン(図示せず)が配置され、図の 右側にトランスミッション(図示せず)が配置されている。さらに図1における O−O線がフライホイール組立体1の回転軸線であり、図2におけるR1 方向が フラホイール組立体1の回転方向である。
【0010】 フライホイール組立体1は、主に、第1フライホイール2と、第1フライホイ ール2に軸受4を介して回転自在に支持された第2フライホイール3と、第2フ ライホイール3と一体回転するドリブンプレート15と、第1フライホイール2 とドリブンプレート15とを円周方向に弾性的に連結する弾性連結機構8と、第 1フライホイール2とドリブンプレート15との間に配置され両者間の捩じり振 動を減衰するための粘性減衰部9とを備えている。
【0011】 第1フライホイール2は概ね円板状の部材であり、第2フライホイール3側に 突出する中心部のボス部2aと外周環状壁2bとを有している。ボス部2aと外 周環状壁2bとの間には環状凹部が形成されている。ボス部2aの中心には大径 の中心孔が形成され、ボス部2aの外周には軸受4が装着される。軸受4は、ボ ス部2aに貫通するボルト11の頭部によりボス部2aの端面に固定されている 。ボルト11は、ボス部2aに形成された孔2cを貫通してクランク軸(図示せ ず)に第1フライホイール2を固定している。第1フライホイール2の外周環状 壁2bのトランスミッション側には半径方向外側に張り出した環状部2gが形成 されている。なお、第1フライホイール2の外周環状壁2bの外周にはリングギ ア12が固定されている。
【0012】 第2フライホイール3は、概ね円板状の部材であり、中心部にボス部3aを有 している。ボス部3aは、第1フライホイール2側に突出しており、その内周部 に軸受4が装着されている。すなわち、ボス部3aの先端内周側に設けられた環 状の受け部3bが軸受4のエンジン側に当接しており、ボス部3aの内周側に取 り付けられたスナップリング13が軸受4のトランスミッション側に当接してい る。軸受4は潤滑剤密封型になっており、ボス部2a,3aの間で後述する環状 空間Aの内周部をシールしている。ボス部3aにおいて、先端側外周部には、図 2に示すように、ドリブンプレート15が連結される波型外歯3cが形成されて いる。さらに、第2フライホイール3のトランスミッション側の端面は、クラッ チディスク(図示せず)の摩擦部材が圧接される摩擦面3dとなっている。
【0013】 第1フライホイール2のトランスミッション側には、円板状のシールプレート 5が固定されている。シールプレート5の外周端は、第1フライホイール2の外 周環状壁2bの環状部2gを包み込むようにかしめられたかしめ部5aとなって いる。かしめ部5aと外周環状壁2bの端面との間には、シール部材14が配置 されている。このように、シールプレート5の外周部が第1フライホイール2の 外周部にかしめられているので、従来第1フライホイールに形成されたフランジ 部を省略できる。そのため、第1フライホイール2ひいてはフライホイール組立 体1の外径を小さくできる。また、シールプレート5は、円周方向に等間隔で配 置された複数のリベット7により第1フライホイール2に固定されている。シー ルプレート5は、第1フライホイール2の環状凹部との間で、たとえばグリス等 の粘性流体が充填された環状空間Aを形成している。シールプレート5の内周端 と第2フライホイール3のボス部3aの外周面との間には、環状空間Aをシール するための環状のシール部材30が配置されている。
【0014】 ドリブンプレート15は、環状空間A内に配置された1対のドリブンプレート 15A,15Bが当接してなる円板状部材である。ドリブンプレート15は、図 2に示すように、その内周端に波型内歯15aを有している。この波型内歯15 aは第2フライホイール3に形成された波型外歯3cに噛み合っており、これに よってドリブンプレート15が第2フライホイール3と一体的に回転し得る。ま た、ドリブンプレート15には、円周方向の間隔を隔てて円周方向に延びる5つ の窓孔15bが形成されている。さらに、ドリブンプレート15の外周面15d には各窓孔15b間から半径方向外方に突出する複数の突起15cが形成されて いる。突起15cは、後述の粘性減衰部9の流体室B内に挿入されている。
【0015】 次に、弾性連結機構8について説明する。 弾性連結機構8は、円周方向に延びるコイルスプリング17とコイルスプリン グ17の両端に配置されたシート部材18とから構成されている。コイルスプリ ング17とシート部材18とは、ドリブンプレート15の窓孔15b内に配置さ れている。なお、第1フライホイール2の半径方向中間部トランスミッション側 の面には、ドリブンプレート15の窓孔15bに対応する部分に、バネ受け溝2 fが形成されている。バネ受け溝2fの円周方向両端には、シート部材18の一 端が当接している。このようにして、第1フライホイール2とドリブンプレート 15とは、弾性連結機構8を介して円周方向に弾性的に連結されていることにな る。なお、図2に示す自由状態においては、シート部材18は第1フライホイー ル2のバネ受け溝2fの端部及びドリブンプレート15の窓孔15bの端部には 内周側部分しか当接していない。すなわち、コイルスプリング17は偏当たり状 態で窓孔15b内に収納されている。
【0016】 次に、粘性減衰部9について説明する。 粘性減衰部9は、第1フライホイール2とシールプレート5とによって形成さ れた環状の流体室Bを含んでいる。流体室Bは、図3に詳細に示すように、第1 フライホイール2のトランスミッション側端面と外周環状壁2bの内周面とシー ルプレート5のエンジン側端面とにより構成されている。また、第1フライホイ ール2のバネ受け溝2fより外周側には旋盤削りにより形成された複数の弧状の 突出部2dが形成されている。各突出部2dの間には、所定長さの隙間が確保さ れている。この隙間部分は、図2に示す自由状態においてドリブンプレート15 の突起15cに対して僅かにR2 側に偏位している。さらに、シールプレート5 には、第1フライホイール2の突出部2dに対応する部分にプレス加工によって エンジン側に突出する突出部5bが形成されている。突出部2d,5b間が流体 室Bにおいて半径方向内側に開き円周方向に延びる開口部Dとなっている。第1 フライホイール2の突出部2dとシールプレート5の突出部5bの外周面は一致 している。
【0017】 ドリブンプレート15の外周面15dは、突出部2dと突出部5bとの間に挟 まれている。ドリブンプレート15の外周部両側面と突出部2d,5bとの間に はわずかな隙間が形成されている。なお、突出部2d,5bの形成されていない 部分は、流体室Bと環状空間Aとの間を粘性流体が通過自在なリターンホールH (図4)になっている。なお、外周面15dは、突出部2d及び突出部5bの外 周面より径が短い。このような状態で、ドリブンプレート15の突起15cは、 流体室B内に挿入されている。
【0018】 流体室B内には、円周方向に等間隔で5個のストッパー21が配置されている 。ストッパー21はゴムまたは樹脂からなるブロックであり、リベット7が貫通 する孔を有している。ストッパー21は、第1フライホイール2とシールプレー ト5との間で軸方向に圧縮された状態で挟まれており、その結果スタッドピン7 とストッパー21の孔との密着度が向上している。
【0019】 ストッパー21によって、環状の流体室Bは5つの弧状流体室B1 (図2)に 分割されている。各弧状流体室B1 の円周方向中央部には、ドリブンプレート1 5の突起15cが配置されている。各弧状流体室B1 内で、ドリブンプレート1 5の突起15cに外周側から覆うキャップ状のスライドストッパー22が配置さ れている。スライドストッパー22は、第1フライホイールの外周環状壁2bの 内周面と一致する弧状の面を有する外周部22aと、外周部22aの両端から半 径方向内側に延びるストッパー部22bとを有している。このスライドストッパ ー22は、従来の側面部を有していないため、突起15cから軸方向に取り外し が可能である。外周部22aとストッパー部22bとは、それぞれ第1フライホ イール2の端面とシールプレート5の端面とに当接している。このような状態で 、スライドストッパー22は各弧状流体室B1 内で円周方向に移動自在となって いる。ただし、スライドストッパー22は、ドリブンプレート15の突起15c に対してはストッパー部22bが突起15cに当接するまでの範囲内でしか捩じ れ動作が可能でない。さらに、ストッパー部22bの半径方向内側端には、切欠 き22cが形成されている。
【0020】 スライドストッパー22は、各弧状流体室B1 内を、R2 側の大分室24Aと R1 側の大分室24Bとに分割している。さらに、スライドストッパー22内は ドリブンプレート15の突起15cによってR2 側の小分室25AとR1 側の小 分室25Bとに分割されている。ただし、小分室25Aと小分室25Bとの間は 、ドリブンプレート15の突起15cと第1フライホイール2及びシールプレー ト5との間に形成された隙間によって粘性流体が自由に行き来が可能である。
【0021】 1つの弧状流体室B1 の大分室24Bと、それよりR1 側の弧状流体室B1 の 大分室24Aとの内側にわたってシール部材23が配置されている。シール部材 23は、円周方向に延びる薄い板状の部材であり、第1フライホイール2の突出 部2dの外周面とシールプレート5の突出部5bの外周面とに当接している。な お、シール部材23の円周方向の長さは、図3に示すように、ドリブンプレート 15の外周面15dとの間には、所定の隙間Sを確保している。シール部材23 の両端には、半径方向外側に折り曲げられた折曲げ部23aが形成されている。 各折曲げ部23aは、突起15cとスライドストッパー22のストッパー部22 bとの間に配置されている。図2に示す自由状態では、R1 側の折曲げ部23a はストッパー部22bに当接しているが、R2 側の折曲げ部23aはストッパー 部22bから離れて突起15c側に接近している。このように、シール部材23 の円周方向長さは、各スライドストッパー22同士の円周方向間の距離よりも長 く設定されている。
【0022】 ストッパー21の内周面とシール部材23の外周面との間が、チョーク部Cと なっている。このチョーク部Cを粘性流体が通過すると大きな粘性抵抗が発生す るようになっている。 次に、動作について説明する。 図示しないエンジン側のクランクシャフトから第1フライホイール2にトルク が入力されると、そのトルクはコイルスプリング17を介してドリブンプレート 15に伝えられ、さらに第2フライホイール3に伝達される。第2フライホイー ル3のトルクは、図示しないクラッチを介してトランスミッション側に伝えられ る。
【0023】 次に、エンジン側から第1フライホイール2に捩じり振動が伝達されたときの 動作について説明する。ただし、ここでは捩じり振動が伝わってきたときの動作 を、ドリブンプレート15(第2フライホイール3)を他の図示しない部材に回 転不能に固定して、それに対して第1フライホイール2を捩じる動作として説明 する。
【0024】 スライドストッパー22のストッパー部22bがドリブンプレート15の突起 15cに当接しない小さな偏移角度の捩じり振動(以後、微小振動という)が伝 達されたときの動作を説明する。図5に示す自由状態から第1フライホイール2 及びシールプレート5がR1 側に捩じれる。すると、スライドストッパー22も シール部材23とともにR1 側に移動し、図6に示すように、スライドストッパ ー22内で、小分室25Aは縮小され小分室25Bは拡張される。小分室25A から小分室25Bへは粘性流体は自由に流れる。また粘性流体は、各小分室25 A,25Bと環状空間Aとの間でリターンホールHを通って自由に行き来できる 。
【0025】 図6に示す状態から図5に示す中立状態に戻り、次にR2 側に第1フライホイ ール2が捩じれたとする。すると、始めにスライドストッパー22のR1 側スト ッパー部22bがシール部材23の折曲げ部23aに当接し、以後はスライドス トッパー22はシール部材23を連れてR2 側に移動する。以後は、小分室25 Bが縮小されるとともに小分室25Aが拡張されていく。このときも、粘性流体 は、小分室25Aと小分室25B間を自由に行き来が可能であるし、また小分室 25A,25Bと環状空間Aとの間でリターンホールHを通じて自由に行き来が 可能である。すなわち、微小振動時に大きな粘性抵抗は生じない。
【0026】 以上に説明した微小振動の場合は、コイルスプリング17はドリブンプレート 15の窓孔15bに対して偏当たり状態で伸縮している。したがって、低剛性状 態が得られる。すなわち、微小振動の場合は、低剛性・小粘性抵抗の特性が得ら れ、トランスミッションの歯打音、こもり音等の異音発生を効果的に抑える。 なお、以上の動作時に、シール部材23は第1フライホイール2とともに回転 しドリブンプレート15に対しては相対回転をするが、シール部材23とドリブ ンプレート15の外周面15dとの間には隙間S(図3)が確保されているので 、両者間に摩擦抵抗は発生しない。これにより、微小振動時の抵抗を小さくでき る。
【0027】 次に、大きな偏移角度を有する捩じり振動(以後、大振動という)が伝達され たときの動作について説明する。 図8に示す自由状態から第1フライホイール2及びシールプレート5がドリブ ンプレート15に対してR2 側に捩じれだしたとする。すると、スライドストッ パー22が第1フライホイール2とともにR2 側に移動する。ストッパー部22 bがシール部材23の折曲げ部23aに当接すると、以後はスライドストッパー 22はシール部材23とともにR2 側へと移動を続ける。すると、図7に示すよ うに、小分室25Bが縮小され、小分室25Aが拡張されていく。R1 側のスト ッパー部22bが間に折曲げ部23aを挟んだ状態で突起15cに当接すると、 図9に示すように、スライドストッパー22及びシール部材23はドリブンプレ ート15の突起15cに係止された状態になる。この状態からさらにR2 側への 捩じれ動作が続けられると、大分室24Bが縮小され大分室24Aが拡張されて いく。このとき、大分室24B内の粘性流体はスライドストッパー22、折曲げ 部23a及び突起15cの密着によってR2 側に流れることができず、チョーク Cを通ってR1 側の大分室24A(R1 側の弧状流体室B1 )へと流れる。粘性 流体がチョーク部Cを流れるときには、大きな粘性抵抗が生じる。また、このと きに大分室24B内に発生した圧によりシール部材23は半径方向内側に付勢さ れる。その結果、シール部材23は第1フライホイールの突出部2d及びシール プレート5の突出部5bとに強く押しつけられる。その結果、流体室Bのシール 性が向上して大きな粘性抵抗を確保できるととともに、シール部材23突出部2 d,5dとの間で摩擦抵抗が発生する。なお、シール部材23は2個のスライド ストッパー22の円周方向長さより長いので、図10の状態でシール部材23の R1 側折曲げ部23aとスライドストッパー22のR2 側ストッパー部との間に は隙間が確保されている。したがって大分室24A内にスライドストッパー22 内から粘性流体がスムーズに流入する。
【0028】 図10に示す位置から、第1フライホイール2及びシールプレート5がR1 側 に捩じれると、中立位置を通過し、図8〜10と逆の動作を行う。 以上に説明したように、大振動時には、大きな粘性抵抗と摩擦抵抗が得られる 。しかも、捩じり角度が大きくなるとコイルスプリング17のシート部材18が 窓孔15bの端部に全面的に当たるようになるので、剛性が高くなっている。す なわち、大振動の場合は、高剛性・大抵抗の特性が得られ、ティップイン・ティ ップアウト時の振動(アクセルペダルを急に操作したときに生じる車体の前後の 大きな振れ)を効果的に減衰できる。
【0029】 図10に示すように、第1フライホイール2がドリブンプレート15に対して 一定角度R2 側に捩じれた状態で微小振動が伝達されたとする。すると、スライ ドストッパー22はストッパー部22bが突起15cに当接する角度範囲内で突 起15cに対して往復捩じれ動作を繰り返す。このときは、小さな粘性抵抗しか 発生せず、偏位角度の小さな捩じり振動を効果的に吸収できる。すなわち、第1 フライホイール2とドリブンプレート15との捩じれ角度が大きくなっていても 、小さな偏位角度を有する捩じり振動に対しては小さな粘性抵抗を発生できる。
【0030】 従来の流体室ハウジング及びドライブプレートを省略し第1フライホイール2 とシールプレート5とで流体室Bを形成する構造によって、以下の2点の利点が 得られる。第1の利点は、フライホイール組立体1において粘性減衰部9を構成 部品点数が減少し構造が簡略化されていることである。第2の利点は、環状流体 室Bの断面積が約1.5倍増加していることである。これにより、流体がチョー ク部Cを通過する際の粘性抵抗が増大している。
【0031】 さらに、シール部材23が大分室24A,24Bの内周側をシールしているた め、ドリブンプレート15にシール用溝を形成する必要がなくなり、その結果2 枚のドリブンプレート15A,15Bの合わせ面の隙間の精度を向上させる必要 がなくなっている。従来は、合わせ面の隙間の精度を向上させなければそこから 粘性流体がもれて大きな粘性抵抗が得られなかった。また、シール部材23は、 突出部2d及び突出部5bとストッパー21及びスライドストッパー22との間 に挟まれているので、遠心力がかかっても変形したり半径方向外側へ飛びだした りしにくい。また、シール部材23の折曲げ部23aが突起15cとスライドス トッパー22のストッパー部22bとの間に挟まれる構造としているため、大き な偏位角度を有する捩じり振動の際にスライドストッパー22と突起15cとの 間のシール性能が向上している。さらに、シール部材23の両端が円周方向に他 の部材から自由になっていることにより、熱膨張により変形しても、破損するこ となく機能する。
【0032】 また、シールプレート5のかしめ部5aが第1フライホイール2の外周にかし められているため、流体室Bに圧が生じても、シールプレート5が外周環状壁2 bの端面から離れることはない。その結果、流体室Bのシール性が向上している 。 また、スライドストッパー22の側面が省略されていることにより、組み立て あるいは取り外しの際に、スライドストッパー22をドリブンプレート15の突 起15cに対して容易に着脱可能となっている。また、突起15cの側面がスラ イドストッパー22と摺動することがないので、従来必要であった突起15cの 機械加工が不要となり、ドリブンプレート15をプレス加工のみで製造できる。
【0033】 シールプレート5を第1フライホイール2に組み付ける前の状態では、シール プレート5の外周部にはエンジン側に延びる筒部が形成されている。この筒部が 第1フライホイール2の環状部2gを覆った状態で、かしめ装置によりロールか しめを行う。その結果、筒部が環状部2gを包み込むように折曲げられ、かしめ 部5aになる。第2実施例 図11〜図13に示す第2実施例では、第1実施例と同じ構造については同じ 符号を用い、異なる部分に異なる符号を用いている。以下、異なる構造について のみ説明する。 (1)スライドストッパーの構造 スライドストッパー22は、突起15cの両側面に当接する側壁22bを有し ている。 (2)流体室のシール構造 突出部2dには、旋盤削りにより環状突起101が形成されている。また、ド リブンプレート15を構成する1対のプレート115A,115Bには突起10 1に対応する位置にプレス加工により形成された凹凸部が形成されている。すな わち、第1ドリブンプレート115Aには、環状凸部102aと環状凹部102 bが形成されている。また、第2ドリブンプレート115Bには、環状凸部10 3aと環状凹部103bとが形成されている。第1ドリブンプレート115Aの 環状凸部102aは第2ドリブンプレート115Bの環状凹部103bに嵌めら れている。これにより、第1ドリブンプレート115Aと第2ドリブンプレート 115Bとの合わせ面のシール性が向上している。
【0034】 突起101は、第1ドリブンプレート115Aの環状凹部102bに嵌められ ている。また、第2ドリブンプレート115Bの環状突起103aは、シールプ レート5の突起5bの内周側に当接している。以上のように、第1フライホイー ル2、ドリブンプレート115及びシールプレート5に形成された突起及び凹部 同士の係合により、環状流体室Bの開口部Dがシールされている。第3実施例 図14に示すフライホイール組立体1は、第1フライホイール2とシールプレ ート5とによって形成された環状空間A内に配置された環状ハウジング110に よって粘性流体室が形成されている。ハウジング110の半径方向内周端面側に は環状突起110aが形成されており、環状突起110aはドリブンプレート1 5の環状溝15f内に挿入されている。
【0035】 シールプレート5の外周部は、第1フライホイール2の外周環状壁2bの突出 部2gの外周側からかしめられたかしめ部5aになっている。外周壁2bの端面 とシールプレート5との間には、環状のシール部材114が配置されている。 この実施例でも、シールプレート5の外周部が第1フライホイール2の外周部 にかしめられているため、第1フライホイール2にフランジ部を設ける必要が無 くなり、外径が小さくなる。
【0036】
【考案の効果】
本考案に係るフライホイール組立体では、シールプレートの外周部が第1フラ イホイールの外周部にかしめられて固定されているので、フライホイール組立体 の外径が小さくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例によるフライホイール組立体の縦断
面概略図。
【図2】図1のII−II断面図。
【図3】図1の部分拡大図。
【図4】図1の部分拡大図。
【図5】図2の部分拡大図。
【図6】捩じれ動作の一状態を示す図5に相当する図。
【図7】捩じれ動作の一状態を示す図5に相当する図。
【図8】図2の部分拡大図。
【図9】捩じれ動作の一状態を示す図8に相当する図。
【図10】捩じれ動作の一状態を示す図8に相当する
図。
【図11】第2実施例によるフライホイール組立体の縦
断面概略図であり、図1に相当する図。
【図12】第2実施例において図2に相当する図。
【図13】第2実施例において図3に相当する図。
【図14】第3実施例のフライホイール組立体の縦断面
概略部分図。
【符号の説明】
1 フライホイール組立体 2 第1フライホイール 3 第2フライホイール 5 シールプレート 5a かしめ部 8 弾性連結機構 9 粘性減衰部 A 環状空間
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 9138−3J F16F 15/16 E

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力側回転体から出力側回転体にトルクを
    伝達するフライホイール組立体であって、 前記入力側及び出力側回転体のいずれか一方に連結され
    る第1フライホイールと、 前記入力側及び出力側回転体の他方に連結され、前記第
    1フライホイールに相対回転自在に支持された第2フラ
    イホイールと、 前記第1フライホイールとの間に流体が充填された空間
    を形成するように、外周部が前記第1フライホイールの
    外周部にかしめられたシールプレートと、 前記空間内に配置され、前記第1フライホイールと前記
    第2フライホイールとを円周方向に弾性的に連結する弾
    性連結機構と、 前記空間内に配置され、前記第1フライホイールと前記
    第2フライホイールとの相対捩じれ時に流体が通過する
    絞り部を有する粘性減衰部と、 を備えたフライホイール組立体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101241009B1 (ko) * 2011-05-17 2013-03-11 현대자동차주식회사 듀얼 매스 플라이휠

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