JPH0736306B2 - 真空バルブの接点合金 - Google Patents

真空バルブの接点合金

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JPH0736306B2
JPH0736306B2 JP60066918A JP6691885A JPH0736306B2 JP H0736306 B2 JPH0736306 B2 JP H0736306B2 JP 60066918 A JP60066918 A JP 60066918A JP 6691885 A JP6691885 A JP 6691885A JP H0736306 B2 JPH0736306 B2 JP H0736306B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は真空バルブ(開閉器)に係り、特に電流さい断
特性を改良した真空バルブの接点合金に関する。
〔発明の技術的背景〕
真空中でのアーク拡散性を利用して高真空中で電流しゃ
断を行なわせる真空バルブの接点は、対向する固定、可
動の2つの接点から構成されている。特に電動機負荷等
の誘導回路で電流をしゃ断する時、過度のサージ電圧を
発生させ負荷機器を破壊させる恐れがある。この異常サ
ージ電圧の発生原因は真空中に於けるしゃ断時に低電流
側に発生する電流さい断現象(交流電流波形の自然ゼロ
点を待たず強制的に電流しゃ断が行なわれること)によ
るものである。異常サージ電圧の値Vsは回路のサージイ
ンピーダンスZoと、電流さい断値Icの積、すなわちVs=
2Zo Icで表わされる。従って、異常サージ電圧Vsを低く
するためには電流さい断値Icを小さくしなければならな
い。
上記要求に対して接点をWCとAgとを複合化した合金で構
成した真空開閉器が実用化されている(特願昭42−6844
7号)。この合金接点は、 (1)WCの介在が電子放射を容易にさせる、 (2)電界放射電子の衝突による電極面の加熱にもとづ
く接点材料の蒸発を促進させる、 (3)接点材料中の炭化物がアークにより分解し、荷電
体を生成してアークを接続する等々の点ですぐれた電流
さい断特性を発揮している。
また、上記電流さい断特性を有する他の接点としてBiと
Cuとを複合化した合金が製造され、この材料が真空バル
ブに実用化されている(特公昭35−14974号公報、特公
昭41−12131号公報)。この合金は (1)重量割合10%程度のBiは、その適度な蒸気圧特性
を有するので、低いさい断電流特性を発揮する(特公昭
35−1494号公報)。
(2)重量割合0.5%程度のBiは、結晶粒界に偏折して
存在する結果、合金自体を脆化し、低い溶着引外力を実
現し大電流しゃ断性に優れている(特公昭41−12131号
公報)。
〔背景技術の問題点〕
しかし、近年真空バルブを誘導性回路へ適用する例が従
来より増えると共に、高インピーダンス負荷も出現した
ため真空バルブには一層の安定した電流さい断特性を持
つことが望まれてくるとともに、低コスト化が望まれて
いる。
このような要求に対して、前記接点合金のAg−WC,Cu−B
iは、さい断電流値が高いレベルにあり、又は安定性に
欠けるものであった。すなわち、Ag−WC接点合金にはAg
とWCとの蒸気圧差が甚しく大きいためアーク熱などによ
るAgの著しい選択蒸発を招き、この結果電流さい断特性
を不安定性及び接触抵抗の変動を招く。
一方のCu−Bi接点合金には、Biの溶融点が271℃と低い
ことに起因する本質的問題として真空バルブのベーキン
グ、或いは銀ろう付けの加熱時にBiが凝集し接合不良を
招く問題がある。
〔発明の目的〕
本発明は上記事情に基づいてなされたもので、その目的
とするところは、電流さい断特性の安定性をより一層向
上した真空バルブの接点合金を提供することにある。
〔発明の概要〕
本発明は、銀または銅のうちのいずれか1種を少なくと
も含有する導電材料と、0.5〜20重量%の亜鉛テルライ
ドよりなる補助材料とで構成されたことを特徴とする真
空バルブの接点合金である。
〔発明の実施例〕
本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。第
1図は本発明の接点合金を適用する真空しゃ断器の構成
例を示すもので、同図に於いて1はしゃ断室を示し、こ
のしゃ断室1は絶縁材料によりほぼ円筒状に形成された
絶縁容器2と、この両端に封止金具3a,3bを介して設け
た金属性の蓋体4a,4bとで真空密に構成されている。し
かして前記しゃ断室1内には、導電棒5,6の対向する端
部に取付けられた1対の電極7,8が配設され、上部の電
極7を固定電極、下部の電極8を可動電極としている。
またこの可動電極8の電極棒6には、ベローズ9が取付
けられしゃ断室1内を真空密に保持しながら電極8の軸
方向の移動を可能にしている。またこのベローズ9上部
には金属性のアークシールド10が設けられ、ベローズ9
がアーク蒸気で覆われることを防止している。又11は、
前記電極7,8を覆うようにしゃ断室1内に設けられた金
属性のアークシールドで絶縁容器2がアーク蒸気で覆わ
れることを防止している。更に電極8は、第2図に拡大
して示す如く導電棒6にろう付部12によって固定される
か、又はかしめによって圧着接続されている。接点13a
は電極8にろう付14によってろう付で取付けられる。な
お、13bは固定側接点であり、固定側電極8と同様にろ
う付により取付けられる。
ここで、本発明の接点合金を得るまでの考察について説
明する。電流さい断特性の改善には、電流さい断値自体
をより低い値に維持すること以外に、そのばらつき幅を
縮めることも極めて重要である。上記電流さい断現象
は、接点間の蒸気量(蒸気圧、熱伝導)、接点材からの
放出熱電子などと関係が深いとされ、発明者らの実験に
よれば前者の方が寄与が大であることが判明した。した
がって、蒸気を供給し易くするか、あるいは供給し易い
材料で接点を作成すれば電流さい断現象が緩和できるこ
とが判明した。Cu−Bi合金はこうした観点に立つもので
低いさい断値を有するが、致命的な欠点として、Biが持
つ低溶融点(271℃)のため通常真空バルブで行なわれ
る600℃近傍のベーキング或いは800℃の銀ろう付け作業
時に、Biの溶融による移動、凝集の結果、電流さい断特
性を維持すべきBiの存在が不均一になってしまう。この
ため、電流さい断値のばらつき幅が増大する現象を確認
した。
一方、Ag−WCで代表されるAg−耐火材料系合金では、耐
火材料(この場合WC)の沸点におけるAg(あるいはCu)
の蒸気量に存在されるものの他方、前記Cu−Bi系におけ
るBiの蒸気圧よりAgのそれは著しく低いため接触点のど
の位置(耐火材料がAgか)にアークの足が固着するかに
よって、時折は温度不足即ち蒸気不足を招いてしまう。
結果的には電流さい断値のばらつき幅が現われることが
確認された。このように電流しゃ断終期の接点面の急激
な温度低下を耐火材料とAg(又はCu)との組合せのみに
よる合金によって阻止しアークを接続させることはすで
に限界と考えられ、更に高性能化するためには、補助材
料の存在が必要である結論に至った。
このように上記Cu−Bi合金及びAg−WC合金(Ag−耐火材
料系)の2つの考察結果は、電流さい断特性の安定した
接点として、新規の補助材料が必要で、その条件は、蒸
気の供給能力を持った上で、なおかつベーキングなどの
熱処理に於ける安定性を有することが不可欠であること
を示唆している。
したがって本発明では、上述のように一定の条件を持つ
補助材料を積極的に含有させ電流さい断特性の向上を図
っている。そこで、本発明は低いさい断電流特性を得る
ために、Cu,Cu−耐火材料,Cu−CoまたはFeのいずれか一
方(なおCuの一部又は全部をAgで置換)の合金に0.5〜2
0%のZnTeを補助材料として添加する。このZnTe中のTe
はほぼ66Wt%であるが、Te又はZnの若干のずれはZnを含
有したCu−Zn固溶体、Cu−Te化合物を含有したCu合金と
しての共存が許される。このような状態のとき比較的小
さなエネルギで加熱蒸発し適度の金属蒸気がアーク空間
に入るので、これが電流さい断現象の軽減として作用し
てその結果、実用上の満足のいく真空バルブの接点合金
となることを確認した。
次に、この接点合金の製造方法の一例について説明す
る。製造に先立って、約100メッシュのTe及びZn粉末
を、アルゴンガスを充填したポットに入れて約12時間混
合した混合粉を4トン/cm2で成型し、次に、水素気流
中900℃で24時間焼結しZnTeの塊を得る。このZnTeを100
〜200メッシュに粉砕し原料とする。
次に製造工程を説明する。
第1にCu−ZnTe接点材料の製造;必要とするCu量の一部
を粉末で用意し、これと共に準備したZnTe粉とをポット
中で約12時間混合し2トン/cm2で成型後、水素中900℃
で4時間焼結する。として得られたスケルトンの残存空
孔中に、必要とするCu量の残量を水素中1120℃で溶浸し
て接点素材を得る。又は必要とするCu量の全量に相当す
るCu粉末とZnTe粉末とを約12時間混合して4トン/cm2
で成型後95℃の水素中で焼結して接点素材を得る。
第2にCu−ZnTe、耐火材料(W,Mo,Ta,Nb,Zr,Ti,Cr)及
びこれらの炭化物、ホウ化物のうちいずれか1つの接点
材料の製造;約100メッシュの単位材料粉とZnTe粉を混
合して成型した後、焼結によってスケルトンを得る。次
にスケルトン中の残存空孔にCuを溶浸し接点素材を得
る。
第3にCu−ZnTe−Fe(Co)の接点材料の製造;約100メ
ッシュのFeまたはCoのうちいずれか一方の粉とZnTe粉と
を混合して成型した後、焼結によってスケルトルを得
る。次に、スケルトル中の残存空孔にCuを溶浸して接点
素材を得る。
以上のようにして第1表および第2表に示すような導電
材料(Cu,Ag)に補助材料(ZnTe;W,Mo,Ta,Nb,Zr,Ti,Cr
等の耐火材料)を含有した各接点合金が製造される。
次に上記製造された各接点合金について考察し、その最
良の含有割合を求める。
現在、低電流さい断特性を持った接点合金として比較材
2,3に示すAg−70%WCおよびCu−15%Bi合金が実用され
ている。これは、純Cu(比較材−1)より電流さい断特
性は向上するが特にCu−Bi系(比較材−3)では、開閉
回数を重ねることにより特性(さい断電流値の上昇)が
著しく劣化する。
一方、Cu−ZnTe系は、ZnTe量が0.12%(比較材−4)で
は、電流さい断特性は量特性を示し、ZnTe量は少なくと
も0.5%(実施材−1)が必要で最大20%(実施材−
3)の範囲が必要である。この範囲において電流さい断
値の平均値及び最大値のいずれも低くかつ安定してい
る。ZnTe量が30%を越えたものでは電流さい断性には関
係ないが、電圧7.2kvでしゃ断後のしゃ断特性の低下が
著しい(比較例−5)。したがって、ZnTe量が0.5〜20
%の範囲では、しゃ断特性の変化もAg−70WC系の特性と
比較しても、低下の程度はわずかであり充分実用的であ
り最良となる。従ってZnTeの量は0.5〜20%の範囲に設
定する。
以上のことは、Cu−ZnTe擬二元系に限ることなく、Cuと
耐火材料(W,Mo,Ta,Nb,Zr,Ti,Cr)とからなるマトリッ
クスにZnTeが存在しても同様の効果が得られている。こ
のこは実施材−5〜19と比較材−6〜9との対比すれば
判明する。
更に、導電材料がCuに限定するものでなく実施材−4,1
6,17に示すようにAgであっても又、CuとAgとの共存であ
っても同様の効果が得られている。
また、実施材−20に示すようにCuマトリックスにTeが存
在した場合、実施材−21に示すようにCuマトリックスに
Znが存在した場合でも、その効果は同様に奏されてい
る。この場合、マトリックスZn又はTe(実際にはCu2 T
e)が存在するのは、本発明材料であるZnTeが理想的にT
eを66%含有した状態からわずかにZnリッチ又はTeリッ
チにずれたとき残余のZn又はTeとCuとの合金化によって
発生するものである。このことは経済性を加味した工業
的製造において通常よく認められるものであるが、接点
材料としてはその範囲を2%程度以下に制御するべきで
あり、これ以上の存在は接合工程において好ましくない
ので避けるべきである。
以上示したようにZnTeを含有する接点の最大の特徴は低
い電流さい断特性を示すことのみならず、所定回数開閉
後のそれの変動(さい断電流値が上昇)が少ないことで
あり、この特性をしかもしゃ断性能をほとんど低下させ
ずに得られるところにある。その原因は、前述したよう
に、ベーキング或いは銀ろう付け工程で受ける熱に対し
て分解あるいは移動、凝集などの変化が少ないことに起
因していると考えられる。したがって、前述したZnTe
(66%Te)からずれた2%程度の残りのZn,あるいはTe
は、電流開閉あるいは電流しゃ断によって主としてアー
ク熱による蒸発のため消耗される場合もある。従って、
この量が多い程、電流さい断値あるいはしゃ断特性の開
閉回数に対する変動幅が大きくなる方向に作用して好ま
しくなく前記Zn、Teは2%を目安に制御するのがよい。
なお、評価の条件は次の通りである。さい断電流;表中
のさい断電流値は供試接点に直列に挿入した同軸型シャ
ントの電圧降下をシンクロスコープで観測したものであ
る。すなわちLC回路を経て実効値44Aの交流を与え実験
回数500回でのさい断電流値の平均値その他を求めてあ
る。その試料はベーキング、放電エージングを行い測定
に移す。エージングの不足は測定回数と共にさい断値が
上昇するので加熱と放電により充分に行う。試料形態は
径20mm、厚さ4mmで一方は平面、他方は20mmRで接触圧力
は10kgである。
しゃ断評価;直径20mm、キャップ2.5mmに対向させたし
ゃ断テスト用実験バルブに組込み、ベーキング、電圧エ
ージング等を与えた後7.2kv50Hzで1KAずつ電流を増加し
ながらしゃ断限界を比較評価した。
このように上記一実施例においては、銅または銅に亜鉛
または耐火材料や銀などを含有した導電材料と、この導
電材料中に熱処理に対して安定しかつ真空バルブ接点間
の蒸気圧および熱伝導の供給が簡単な補助材料亜鉛テル
ライドを含有させた接点材料なので、次のような効果を
奏する。すなわち接点合金の製造時あるいはベーキン
グ、銀ろう付けなど真空バルブ製造時などで受ける熱に
よる変質も少なく安定した電流さい断特性が得られる。
さらにしゃ断特性も従来の接点材料特性を十分維持する
ことができる。したがって、本発明の接点材料を真空バ
ルブ接点に用いれば、電流さい断特性およびしゃ断特性
の良い真空バルブが得られる。
〔発明の効果〕
以上詳記したように本発明によれば、電流さい断特性の
安定性をより一層向上した真空バルブの接点合金を提供
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の真空バルブの接点合金の一実施例を適
用した真空バルブの構成図、第2図は第1図に示す真空
バルブの電極部分の拡大構成図である。 1……しゃ断室、2……絶縁容器、5,6……導電棒、13
a,13b……接点。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】銀または銅のうちのいずれか1種を少なく
    とも含有する導電材料と、0.5〜20重量%の亜鉛テルラ
    イドよりなる補助材料とで構成されたことを特徴とする
    真空バルブの接点合金。
  2. 【請求項2】補助材料は、亜鉛テルライド中のTeはほぼ
    66重量%で、導電材料が銅または2重量%未満の亜鉛を
    含有した銅固溶体または2重量%未満の銅−テレル化合
    物を含有した銅合金のうちいずれか1つである特許請求
    の範囲第(1)項記載の真空バルブの接点合金。
  3. 【請求項3】補助材料は、亜鉛テルライド中のテレルは
    ほぼ66重量%で、導電材料がタングステン、モリブデ
    ン、タンタラム、ニウビラム、ジルコニウム、チタニウ
    ム、クロム、クロムの炭化物、ホウ化物のうちいずれか
    1つの耐火材料と銅とからなる特許請求の範囲第(1)
    項記載の真空バルブの接点合金。
  4. 【請求項4】補助材料は、亜鉛テルライド中のテレルは
    ほぼ66重量%で、導電材料が鉄またはコバルトのいずれ
    か一方からなる耐火材料と銅または2重量%未満の亜鉛
    を含有した銅固溶体または2重量%未満の銅−テレル化
    合物を含有した銅合金のうちいずれか1つとからなる特
    許請求の範囲第(1)項記載の真空バルブの接点合金。
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