JPH0737465B2 - 1,3−ビス(ジカルボキシフエニル)ジシロキサン誘導体又はその二無水物の製造方法 - Google Patents

1,3−ビス(ジカルボキシフエニル)ジシロキサン誘導体又はその二無水物の製造方法

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JPH0737465B2
JPH0737465B2 JP12154687A JP12154687A JPH0737465B2 JP H0737465 B2 JPH0737465 B2 JP H0737465B2 JP 12154687 A JP12154687 A JP 12154687A JP 12154687 A JP12154687 A JP 12154687A JP H0737465 B2 JPH0737465 B2 JP H0737465B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はポリイミド樹脂の原料,エポキシ樹脂の硬化剤
等として有用な1,3−ビス(ジカルボキシフエニル)ジ
シロキサン誘導体又はその二無水物の製造方法に関す
る。
(従来の技術) 従来,一般式〔V〕 (ただし,式中,R及びR′は各々独立してメチル基又は
フエニル基を示す)で表わされる1,3−ビス(ジカルボ
キシフエニル)ジシロキサン誘導体において,R及びR′
がメチル基であり,カルボキシル基が3位及び4位であ
る式〔VII〕 で表わされる1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフエニル)
−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンの製造方法とし
て,ジヤーナル オブ オーガニツク ケミストリー
(J.Org.Chem)第38巻4271ページ(1973年)に記載され
ている方法が知られており,その合成方法は反応式〔VI
II〕によつて示される。
すなわち,4−ブロモ−オルト−キシレンをn−ブチルリ
チウムと反応させ,リチウム化合物とし,これにジクロ
ロジメチルシランを反応させてジメチル(3,4−ジメチ
ルフエニル)クロロシランとし,次にチオフエンと反応
させる。得られた2(3,4−ジメチルフエニルジメチル
シリル)チオフエンをさらにジメチル(3,4−ジメチル
フエニル)クロロシランと反応させて2,5−ビス(3,4−
ジメチルフエニルジメチルシリル)チオフエンとし,こ
の化合物を過マンガン酸カリウムで酸化し,カリウム塩
として得られるテトラカルボン酸を酸析して式〔VII〕
のテトラカルボン酸とする方法である。
また,ケイ・エル・ミツタル(K.L.Mittal)編のポリイ
ミド(Polyimides)(Plenum Press発行)第1巻51ペー
ジには次の反応式〔IX〕で示される方法が述べられてい
る。
すなわち,ジクロロジメチルシランを加水分解して1,3
−ジクロロテトラメチルジシロキサンを得て,これと4
−ブロモ−オルト−キシレンとn−ブチルリチウムとか
ら得たリチウム化合物とを反応させ,1,3−ビス(3,4−
ジメチルフエニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキ
サンとし,これを過マンガン酸カリウムで酸化し,カリ
ウム塩として得られるテトラカルボン酸を酸析して式
〔VII〕のテトラカルボン酸とする方法である。
さらに別の方法として,特開昭61-83191号公報には次の
反応式〔X〕で示される方法が述べられている。
すなわち,1,2−ジメトキシテトラメチルジシランとN−
n−ブチル−4−クロロフタルイミドとを反応させ,4−
(ジメチルメトキシシリル)−N−n−ブチルフタルイ
ミドとし,これを加水分解してジシロキサンのビスフタ
ルイミド化合物を得,次いでアルカリ加水分解によつて
テトラカルボン酸とする方法である。
(発明が解決しようとする問題点) しかし,上記の従来の方法はいずれも,反応のステツプ
が長く,中間体の収率が低いという欠点や,特殊な化合
物を原料に用いる方法であつた。
すなわち,前記のジヤーナル オブ オーガニツク ケ
ミストリーに記載される反応式〔VIII〕で示される方法
では,中間体であるジメチル(3,4−ジメチルフエニ
ル)クロロシランの収率が56%と低く,目的物である式
〔VII〕の収率については何ら記述されていない。
また,前記のケイ・エル・ミツタル編のポリイミドに記
載される反応式〔IX〕で示される方法では,ケイ素化合
物における基本的な化合物であるジクロロジメチルシラ
ンを加水分解することで1,3−ジクロロテトラメチルジ
シロキサンを中間原料として得ているが,この時1,5−
ジクロロヘキサメチルトリシロキサンなどのポリシロキ
サン化合物が副生し,1,3−ジクロロテトラメチルジシロ
キサンの収率はわずかに22%である。さらに,この1,3
−ジクロロテトラメチルジシロキサンとリチウム化合物
とのダブルクロスカップリングで1,3−ビス(3,4−ジメ
チルフエニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン
を得ているがその収率は36%と低い。
さらに,特開昭61-83191号公報に記載される反応式
〔X〕で示される方法では,N−n−ブチル−4−クロロ
フタルイミドと1,2−ジメトキシテトラメチルジシラン
との反応において,トルエンリフラツクス下にパラジウ
ム触媒を用いて反応させ4−(ジメチルメトキシシリ
ル)−N−n−ブチルフタルイミドを得ているが,この
時用いるジシラン化合物は非常に特殊な化合物で,高価
であるとともに空気下に自然発火するという危険な化合
物である。これを理論量の4倍も用いて反応させてい
る。中間体の4−(ジメチルメトキシシリル)−N−n
−ブチルフタルイミドの収率はN−n−ブチル−4−ク
ロロフタルイミド基準で83%と記述されているが,これ
以降のジシロキサンのビスフタルイミドの収率に関して
は何も述べられておらず,また式〔VII〕の化合物につ
いてはその可能性だけを述べるにすぎない。
以上のように,式〔VII〕及び一般式〔V〕のケイ素含
有テトラカルボン酸を工業的に製造する方法は確立され
ていない。
(問題点を解決するための手段) 本発明は,ハロゲノ−オルト−キシレンのグリニヤール
試薬と一般式〔I〕 (ただし,式中,R及びR′は各々独立してメチル基又は
フエニル基を示し,Xはハロゲンを示す)で表わされる二
置換ハロゲノシランとをカツプリング反応させて一般式
〔II〕 (ただし,式中,R及びR′は上記に同じ)で表わされる
ジメチルフエニル二置換シランを生成させ,次いで,該
ジメチルフエニル二置換シランをヒドロキシ化して一般
式〔III〕 (ただし,式中,R及びR′は上記に同じ)で表わされる
ジメチルフエニル二置換ヒドロキシシランを生成させ,
次いで,該ジメチルフエニル二置換ヒドロキシシランを
加水分解して一般式〔IV〕 (ただし,式中,R及びR′は上記に同じ)で表わされる
1,3−ビス(ジメチルフエニル)ジシロキサン誘導体を
生成させ,次いで,該1,3−ビス(ジメチルフエニル)
ジシロキサン誘導体を酸化して一般式〔V〕 (ただし,式中,R及びR′は上記に同じ)で表わされる
1,3−ビス(ジカルボキシフエニル)ジシロキサン誘導
体を生成させるか,又はさらに該1,3−ビス(ジカルボ
キシフエニル)ジシロキサン誘導体を脱水閉環させて一
般式〔VI〕 (ただし,式中,R及びR′は上記に同じ)で表わされる
1,3−ビス(ジカルボキシフエニル)ジシロキサン誘導
体二無水物を生成させることを特徴とする,1,3−ビス
(ジカルボキシフエニル)ジシロキサン誘導体又はその
二無水物の製造方法に関する。
本発明の製造方法を詳細に説明する。
ハロゲノ−オルト−キシレンとしては,4−ヨード−オル
ト−キシレン,4−ブロモ−オルト−キシレン,4−クロロ
−オルト−キシレン,3−ヨード−オルト−キシレン,3−
ブロモ−オルト−キシレン,3−クロロ−オルト−キシレ
ンなどがあり,これらは単独で使用しても2種以上併用
してもよい。
ハロゲノ−オルト−キシレンをグリニヤール試薬とする
方法は,常法により行なうことができる。例えば,ハロ
ゲノ−オルト−キシレン1.0モルに対して,1.0グラム原
子以上の金属マグネシウムを用いてグリニヤール試薬と
する。金属マグネシウムが1.0グラム原子未満の場合,
未反応のハロゲノ−オルト−キシレンが残存し,次のカ
ツプリング反応の際にハロゲノ−オルト−キシレンのグ
リニヤール試薬とハロゲノ−オルト−キシレンが反応し
て,テトラメチル−ビフエニルが生成するので好ましく
ない。グリニヤール試薬とする際の反応温度は0℃以上
で溶媒のリフラツクス温度以下で行ない,反応時間は通
常1〜10時間である。
反応に用いた金属マグネシウムの量がハロゲノ−オルト
−キシレン1.0モルに対して,1.0グラム原子を越える場
合,未反応の金属マグネシウムが残るが,これは濾過し
て除く。このときに使用される溶媒としてはエチルエー
テル,テトラヒドロフラン等がある。
二置換ハロゲノシランとしてはジメチルクロロシラン,
ジメチルブロモシラン,ジフエニルクロロシラン,ジフ
エニルブロモシラン,メチルフエニルクロロシラン,メ
チルフエニルブロモシランなどがあげられ、これをグリ
ニヤール試薬に加えることでカツプリング反応が進行す
る。
二置換ハロゲノシランの使用量は,ハロゲノ−オルト−
キシレンのグリニヤール試薬1.0モルに対して0.5〜1.5
モル用いることが好ましい。0.5モル未満の場合,カツ
プリング反応における収率が低下しすぎ,グリニヤール
試薬が多量に残存することになるが,これは水洗によつ
て,加水分解されてオルト−キシレンとなるだけで,反
応を妨害することはない。
また,1.5モルを越える場合,過剰の二置換ハロゲノシラ
ンはポリシロキサン化合物となり,中間体である式〔I
V〕化合物を精製する際に不純物として混入しやすくな
る。この不純物は蒸留によつて除くことができる。この
ような欠点を少なくするためには,二置換ハロゲノシラ
ンの使用量は,ハロゲノ−オルト−キシレンのグリニヤ
ール試薬1.0モルに対して0.9〜1.1モルがより好ましく,
0.95〜1.0モルが最も好ましい。
カツプリング反応は0〜35℃で行なうのが好ましく,反
応時間は通常1〜5時間である。反応温度が低い場合は
反応時間が長くなるだけで,本質的問題とならないが,
反応時間が35℃を越えて高い場合,例えばジメチルクロ
ロシランの場合,この化合物の沸点が35〜36℃であるた
め,常圧反応ではこの化合物の蒸散があり,収率低下を
まねく。これを防ぐためには,加圧反応器を用いればよ
い。
カツプリング反応終了後は,水を加え,微量残存してい
るグリニヤール試薬をオルト−キシレンに分解するとと
もに,カツプリングで発生したハロゲン化マグネシウム
を水に溶解して分離除去するのが好ましい。この分離除
去は,水の添加によつて反応器内に形成された上層(エ
チルエーテル,テトラヒドロフラン等の有機溶媒を溶媒
とする有機層)と下層(水層)を分離し,水層を除去す
ることにより行なうことができる。この場合一般式〔I
I〕で表わされるジメチルフエニル二置換シランが含ま
れる有機層を水洗したのち,一担脱水して次の工程に進
むのが好ましい。必要に応じて蒸留精製することも可能
である。以上の水洗,脱水及び蒸留精製を省略して次の
工程に移つてもよい。
次いで,ジメチルフエニル二置換シランを含むエチルエ
ーテル,テトラヒドロフラン等の有機溶媒を溶媒とする
溶液に水とパラジウム系触媒を加えて,式〔III〕で表
わされるジメチルフエニル二置換ヒドロキシシランとす
る。この時,加える水の量はジメチルフエニル二置換シ
ラン1.0モルに対して1.0モル以上であるのが好ましい。
また,加えるパラジウム系触媒としては,ジクロロビス
(トリフエニルホスフイン)パラジウム,ジクロロ〔1,
2−ビス(ジフエニルホスフイノ)エタン〕パラジウム
等の有機パラジウム化合物や,活性炭あるいはアルミナ
などの担体に金属パラジウムを担持させたいわゆる金属
パラジウム触媒,パラジウム黒等がある。パラジウム系
触媒の使用量は,パラジウム金属としてジメチルフエニ
ル二置換シランに対し0.005〜0.05重量%になるように
添加するのが好ましい。この時の反応温度は10〜50℃で
1〜5時間で反応が完了する。
本反応は水素ガスを発生するので,この発生量から反応
の進行度合を測定することができる。反応が終了したな
らば,用いた触媒を過で除去するとともに,過剰に仕
込んだ水を分液ロートで除去し,ジメチルフエニル二置
換ヒドロキシシランを含む有機層を得る。必要に応じ
て,エチルエーテル,テトラヒドロフラン等の有機溶媒
を除去し,蒸留によつてジメチルフエニル二置換ヒドロ
キシシランを精製することもできるが,普通はそのまま
次の加水分解反応を行なう。
次に,ジメチルフエニル二置換ヒドロキシシランを含む
エチルエーテル,テトラヒドロフラン等の有機溶媒を溶
媒とする溶液に酸触媒を加えて加水分解させ,一般式
〔IV〕で表わされる1,3−ビス(ジメチルフエニル)ジ
シロキサン誘導体とする。用いる酸触媒としては塩酸,
硫酸等の鉱酸がある。酸の量は,ジメチルフエニル二置
換ヒドロキシシラン1.0モルに対して0.05〜1.0モル用い
ることが好ましい。この時の反応温度は10〜40℃の範囲
が好ましく,1〜10時間で反応が完了する。ここで反応温
度が40℃を越える場合,ポリシロキサン化合物が副生し
やすくなる。
反応が終了し,攪拌を停止して静置すると,上層に1,3
−ビス(ジメチルフエニル)ジシロキサン誘導体を含む
エチルエーテル,テトラヒドロフラン等の有機溶媒を溶
媒とする有機層と下層に触媒として用いた酸と反応で発
生した水とによる水溶液とに分離する。下層を除去し
て,上層を水洗したのち,エチルエーテル,テトラヒド
ロフラン等の有機溶媒を留去した1,3−ビス(ジメチル
フエニル)ジシロキサン誘導体を得る。これは,必要に
よつては蒸留操作によつて精製することができる。
中間体1,3−ビス(ジメチルフエニル)ジシロキサン誘
導体を酸化して式〔V〕で示されるケイ素含有テトラカ
ルボン酸である1,3−ビス(ジカルボキシフエニル)ジ
シロキサン誘導体を得ることができる。
酸化反応としては,有機コバルト触媒の存在下に酸素又
は空気を用いて酸化する液相自動酸化反応,過マンガン
酸塩を用いる酸化反応等を利用することができる。
液相自動酸化の方法は,ナフテン酸コバルト,オクテン
酸コバルト等の有機コバルトを触媒として用いる。触媒
の量は1,3−ビス(ジメチルフエニル)ジシロキサン誘
導体に対して,1〜5モル%用いる。
反応溶媒は,酢酸,プロピオン酸等の脂肪族カルボン酸
を用いる。さらに助触媒として,臭化ナトリウム,塩化
ナトリウム,臭化カリウム等のハロゲン化アルカリ金属
を上記誘導体に対して1〜5モル%用い,反応温度150
℃〜230℃,反応圧力5〜50kg/cm2の条件下に反応を行
なう。反応後は、トルエン,エチルエーテル,イソプロ
ピルエーテルなどの溶媒を加え,反応生成物を上記の溶
媒層に移し,該溶媒層を採取した後,水洗し反応溶媒で
ある脂肪族カルボン酸及び助触媒を除去し,その後溶媒
を留去して1,3−ビス(ジカルボキシフエニル)ジシロ
キサン誘導体を得ることができる。
過マンガン酸塩を用いる酸化反応において,過マンガン
酸塩としては,過マンガン酸カリウム等が使用される。
用いる溶媒は,水とピリジン,ジオキサン,t−ブタノー
ル等有機溶媒で,その重量比率は水1.0に対して有機溶
媒0.5〜3.0であるのが好ましい。この溶液100gに対して
1,3−ビス(ジメチルフエニル)ジシロキサン誘導体を
2〜15g加え,これに過マンガン酸カリウムを12倍モル
以上徐々に加える。12倍モル未満では酸化反応の収率が
低下する。反応温度は50℃以上でリフラツクス温度以下
で行ない,反応時間は通常5〜10時間である。この反応
で過マンガン酸カリウムば溶媒に不溶の酸化マンガンと
なるので,これを濾過して除く。濾過中には1,3−ビス
(ジカルボキシフエニル)ジシロキサン誘導体がカリウ
ム塩として溶解しているので,濃塩酸で酸析処理をする
が,濾液中には有機溶媒が含まれるので有機溶媒を留去
したのち酸析する。濃塩酸を加える量は溶液のpHが1に
なるまで行ない,1,3−ビス(ジカルボキシフエニル)ジ
シロキサン誘導体を得ることができる。
このようにして得られる1,3−ビス(ジカルボキシフエ
ニル)ジシロキサン誘導体の具体例としては,1,3−ビス
(2,2−ジカルボキシフエニル)−1,1,3,3−テトラメチ
ルジシロキサン,1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフエニ
ル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン,1,3−ビス
(2,3−ジカルボキシフエニル)−1,1,3,3−テトラフエ
ニルジシロキサン,1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフエ
ニル)−1,1,3,3−テトラフエニルジシロキサン,1,3−
ビス(2,3−ジカルボキシフエニル)−1,3−ジメチル−
1,3−ジフエニルジシロキサン,1,3−ビス(3,4−ジカル
ボキシフエニル)−1,3−ジメチル−1,3−ジフエニルジ
シロキサン,1−(2,3−ジカルボキシフエニル)−3−
(3,4−ジカルボキシフエニル)−1,1,3,3−テトラメチ
ルジシロキサン等がある。
このようにして得られた1,3−ビス(ジカルボキシフエ
ニル)ジシロキサン誘導体を,100〜200℃で0.1〜50mmHg
の減圧下で2〜10時間加熱することにより,対応する二
無水物が得られるか,無水酢酸に溶解し,リフラツクス
させた後,無水酢酸及び生成した酢酸を留去させること
によつて,対応する二無水物とすることができる。
用いたハロゲノ−オルト−キシレンが4−ハロゲノ−オ
ルト−キシレンと,3−ハロゲノ−オルト−キシレンの混
合物である場合,このようにして得られた二無水物は,1
−(2,3−ジカルボキシフエニル)−3−(3,4−ジカル
ボキシフエニル)−ジシロキサン誘導体二無水物と,1,3
−ビス(3,4−ジカルボキシフエニル)ジシロキサン誘
導体二無水物との混合物組成となつている。
この混合物から,1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフエニ
ル)−ジシロキサン誘導体二無水物を分離する方法とし
ては,エチルエーテル,ジイソプロピルエーテルなどの
エーテル溶媒,トルエン,トルエンとエーテル溶媒との
混合溶媒,トルエンとn−ヘキサンとの混合物溶媒等を
再結晶溶媒として用いることにより白色結晶として得る
ことができる。
本発明により得られる1,3−ビス(ジカルボキシフエニ
ル)ジシロキサン誘導体又はその二無水物はポリイミド
樹脂その他樹脂の原料,エポキシ樹脂の硬化剤などとし
て有用である。
(実施例) 実施例1 (1) グリニヤール試薬の製造 アリーン冷却器,滴下ロート,温度計及び攪拌装置を取
付けた2l四つ口フラスコをアルゴンガス雰囲気下で十分
乾燥させたのち,金属ナトリウムで脱水したテトラヒド
ロフラン100ml,金属マグネシウム9.72g及びブロモーオ
ルト−キシレン(4−ブロモ−オルト−キシレン75%及
び3−ブロモ−オルト−キシレン25%混合物)10.0gを
加えた。反応液がにごり始めて,グリニヤール試薬が生
成し始めたとき,滴下ロートから上記と同一のブロモ−
オルト−キシレン64.0gとテトラヒドロフラン100mlの混
合液を1時間かけて滴下した。この間,発熱反応である
ので氷浴で冷却しながら反応温度を40℃に保つた。滴下
終了後も金属マグネシウムが残つているので,オイルバ
スで加熱し,温度40℃のまま5時間攪拌し,金属マグネ
シウムを完全に反応させグリニヤール試薬とした。
(2) カツプリング反応 次に滴下ロートからジメチルクロロシラン37.85g(0.40
モル)を20分間かけて滴下した。この間反応温度を20℃
に保ち,滴下終了後もさらに5時間20℃に保つたままカ
ツプリング反応を完結させた。
この後,イオン交換水100mlを徐々に加え,カツプリン
グ反応で生成したクロロブロモマグネシウムを水溶液と
した。フラスコ内は上層にジメチルフエニルジメチルシ
ランを含むテトラヒドロフラン溶液と下層の水溶液層と
に分離した。下層を除去したのち,上層をイオン交換水
50mlで4回洗浄し,無水硫酸ナトリウムで脱水した。
(3) ヒドロキシル化反応 次いで,アリーン冷却器,温度計及び攪拌装置を取付け
た1フラスコにジメチルフエニルジメチルシランのテ
トラヒドロフラン溶液を全量仕込み,室温23℃で攪拌し
ながらイオン交換水20mlと5重量%活性炭担持パラジウ
ム触媒0.3g(金属パラジウムの量としてジメチルフエニ
ルジメチルシランの0.023重量%)を加えた。ただちに
水素ガスが発生し始めた。アリーン冷却器の出口に湿式
ガスメーターを取付け,発生水素量を測定したところ,
反応開始後2.5時間で水素の発生が終了し,発生ガス量
は23℃で9.75l(0.394モル)であつた。反応終了液を
過してパラジウム触媒を除去し,下層の水層を除去し,
ジメチルフエニルジメチルヒドロキシシランのテトラヒ
ドロフラン溶液を得た。
(4) 加水分解反応 次いで,アリーン冷却器,温度計及び攪拌装置を取付け
た1フラスコにジメチルフエニルジメチルヒドロキシ
シランのテトラヒドロフラン溶液を全量仕込み,20℃で
攪拌しながら36%塩酸15mlを加え8時間反応を行なつ
た。反応終了後下層の塩酸水溶液層を分液ロートで除去
し,1,3−ビス(ジメチルフエニル)−1,1,3,3−テトラ
メチルジシロキサンのテトラヒドロフラン溶液にトルエ
ン100mlを加えたのちイオン交換水70mlで3回水洗し
た。この溶液をエバポレーターでテトラヒドロフラン及
びトルエンを留去し,1,3−ビス(ジメチルフエニル)−
1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンを66.8g(0.195モ
ル)得た。
この化合物をゲルパーメーシヨンクロマトグラフイーで
分析したところ,1,3−ビス(ジメチルフエニル)−1,1,
3,3−テトラメチルジシロキサンが98重量%で他にポリ
シロキサン化合物と推定される化合物が1.5重量%,及
び未反応のヒドロキシシラン化合物が0.5重量%であつ
た。
この液体からヴイグリユー分留管を付けた蒸留装置で蒸
留精製し,沸点141〜144℃(圧力0.52mmHg)の留分62.1
gを得た。このものをプロトンNMR分析し,1,3−ビス(ジ
メチルフエニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサ
ンであることを確認した。
(5) 酸化反応 次いで,1,3−ビス(ジメチルフエニル)−1,1,3,3−テ
トラメチルジシロキサン13.7g(40ミリモル),ピリジ
ン240ml及びイオン交換水120mlをアリーン冷却管,温度
計及び攪拌装置を取付けた1四つ口フラスコに仕込
み,フラスコ内を85℃に加熱し,過マンガン酸カリウム
75.9g(480ミリモル)を2時間かけて徐々に加え,その
後さらに4時間85℃に保持して攪拌を続けた。反応で生
成した酸化マンガンの沈殿を過で除去し,液中のピ
リジンをロータリーエバポレーターで留去した後,36%
塩酸で酸析したところ,白色の樹脂状沈殿を得た。この
時の水層のpHは1であつた。沈殿を220mlのテトラヒド
ロフランと150mlのトルエン混合溶媒に溶解させ,10%食
塩水75mlで4回洗浄し,ロータリーエバポレーターで溶
媒を留去したところ,淡黄かつ色の樹脂状テトラカルボ
ン酸17.4g(37.6ミリモル)を得た。
(6) 脱水閉環反応 次いで,上記樹脂状テトラカルボン酸13.9g(30ミリモ
ル)を100mlなす形フラスコに仕込み,0.7mmHgの減圧下
に150℃で3時間加熱を行ない,脱水閉環を行なつた。
得られた二無水物は樹脂状で12.4g(29ミリモル)の収
量であつた。
このものは,プロトンNMRの結果,10〜13ppmの低磁場に
おけるカルボン酸プロトンの吸収がないこと,及びIR分
析の結果,水酸基による吸収がないことから無水物であ
ることを確認した。
得られた二無水物は,1−(2,3−ジカルボキシフエニ
ル)−3−(3,4−ジカルボキシフエニル)−1,1,3,3−
テトラメチルジシロキサン二無水物と1,3−ビス(3,4−
ジカルボキシフエニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシ
ロキサン二無水物を主成分とし、1,3−ビス(2,3−ジカ
ルボキシフエニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキ
サン二無水物を微量含む混合物であつた。
(7) 分離精製 上記で得られた樹脂状の二無水物10.0gを100mlナス形フ
ラスコに入れ,これにエチルエーテル20gとトルエン10g
とを加え加熱リフラツクスさせて溶解したのち,熱時
過して液を冷却したところ白色の結晶〔1,3−ビス
(3,4−ジカルボキシフエニル)−1,1,3,3−テトラメチ
ルジシロキサン〕が析出した。この結晶を過して取出
し,乾燥させたところ重量は4.8(g)であり,融点は1
36〜138℃であつた。この値はジヤーナル オブ オー
ガニツク ケミストリー(J.Org.Chem)第38巻4271ペー
ジ(1973年)に記載されている1,3−ビス(3,4−ジカル
ボキシフエニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサ
ンの値に一致した。
(発明の効果) 本発明によれば,目的とする1,3−ビス(ジカルボキシ
フエニル)ジシロキサン誘導体又はその二無水物を高収
率で得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハロゲノ−オルト−キシレンのグリニヤー
    ル試薬と一般式〔I〕 (ただし,式中,R及びR′は各々独立してメチル基又は
    フエニル基を示し,Xはハロゲンを示す)で表わされる二
    置換ハロゲノシランとをカツプリング反応させて一般式
    〔II〕 (ただし,式中,R及びR′は上記に同じ)で表わされる
    ジメチルフエニル二置換シランを生成させ,次いで,該
    ジメチルフエニル二置換シランをヒドロキシル化して一
    般式〔III〕 (ただし,式中,R及びR′は上記に同じ)で表わされる
    ジメチルフエニル二置換ヒドロキシシランを生成させ,
    次いで,該ジメチルフエニル二置換ヒドロキシシランを
    加水分解して一般式〔IV〕 (ただし,式中,R及びR′は上記に同じ)で表わされる
    1,3−ビス(ジメチルフエニル)ジシロキサン誘導体を
    生成させ,次いで,該1,3−ビス(ジメチルフエニル)
    ジシロキサン誘導体を酸化して一般式〔V〕 (ただし,式中,R及びR′は上記に同じ)で表わされる
    1,3−ビス(ジカルボキシフエニル)ジシロキサン誘導
    体を生成させるか,又はさらに該1,3−ビス(ジカルボ
    キシフエニル)ジシロキサン誘導体を脱水閉環させて一
    般式〔VI〕 (ただし,式中,R及びR′は上記に同じ)で表わされる
    1,3−ビス(ジカルボキシフエニル)ジシロキサン誘導
    体二無水物を生成させることを特徴とする1,3−ビス
    (ジカルボキシフエニル)ジシロキサン誘導体又はその
    二無水物の製造方法。
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