JPH0737631U - 積層シート及び包装容器 - Google Patents

積層シート及び包装容器

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JPH0737631U JP7353393U JP7353393U JPH0737631U JP H0737631 U JPH0737631 U JP H0737631U JP 7353393 U JP7353393 U JP 7353393U JP 7353393 U JP7353393 U JP 7353393U JP H0737631 U JPH0737631 U JP H0737631U
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 ポリエチレン系樹脂発泡シートの片面にポリ
プロピレン系樹脂発泡シートを剥離強度が3〜350g
(JISK6854に準じた180°剥離試験による)
となるように積層一体化して積層シートを得た。また、
架橋ポリエチレン系樹脂発泡シート12の片面にポリプ
ロピレン系樹脂発泡シート13を積層し、果物等の被包
装物を保持するための被包装物の形状に応じた凹部を保
持部14として成形加工により設け、この際、架橋ポリ
エチレン系樹脂発泡シート12が保持部14側に来るよ
うにポリプロピレン系樹脂発泡シート13を剥離可能に
一体化して果物等の包装容器11を得た。 【効果】 積層されたポリエチレン系樹脂発泡シートと
ポリプロピレン系樹脂発泡シートを手で剥離して分離で
きるため、積層シートの製造時に発生するスリット部分
等のロス原反を容易に分別回収可能である。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は緩衝包装材や、包装容器等の包装用シートとして用いられる積層シー ト及び、果物等を保護して包装するための容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の包装容器の一つとして、軟質物(例えば果物等)や精密機械類等を内容 物として包装するための、充分な緩衝性と保形性(剛性)を兼ね備えた容器が広 く用いられている。この種の包装容器として例えば下記に示すような構成のもの が公知である。
【0003】 実開昭60−182384号公報や実開昭60−182385号公報に開示 されているように、スチレン系樹脂発泡シートの片面に架橋したポリエチレン系 樹脂発泡シートを積層したもの。実開昭58−92040号公報に見られるよ うに、成形加工可能でかつ腰のある合成樹脂シートの両面に架橋したオレフィン 系樹脂発泡体を積層してなる包装材。実公平5−28182号公報のように、 不織布シートの下面に軟質の発泡シート、高い剛性を有する合成樹脂シートを順 次積層した3層構造のトレイ等。
【0004】 上記の容器はいずれも、あらかじめ各シートどうしをホットメルト等の接着剤 を用いて接着し積層一体化されてなる積層シートを製造し、該積層シートを真空 成形等の手段で各種容器形状に成形することで得られる。また、必要に応じ上記 の成形した容器部分以外の部分(所謂耳の部分)を切断して、所望形状の容器を 得ることが行われている。そして上記の耳の部分は廃棄されていた。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
近年、環境問題という点から使用済の容器の再利用や原料の無駄を省く省資源 化が切に要望されている。このような点から見た場合、上記従来の積層シート及 び容器は下記の如き欠点があった。
【0006】 1)不要となった容器等を回収して再生利用する際、通常、スチレン系樹脂と オレフィン系樹脂のよう異なる種類の樹脂は同時に処理できないため、両者を分 けて溶融再生することが行われている。そこで、上記従来の容器のように異なる 種類の樹脂シートどうしが積層されている場合、両樹脂層を分離する必要がある 。しかしながら、上記従来の容器はホットメルト接着等で強固に接着されている 積層シートを使用しているため、2つの樹脂層の分離が非常に困難で再生利用が 容易でなかった。
【0007】 2)更に、積層シートを所定形状に成形する際に発生する耳や、また成形不良 により発生した不良品を回収する場合にも上記と同様に、積層シートを分別回収 することが困難であった。
【0008】 本考案は上記従来技術の欠点を解消しようとするためのものであり、緩衝性と 剛性を兼ね備えた容器を成形可能であり、しかも成形時等にロスしたシートや使 用後の容器等を再生する際に積層された各シートを容易に剥離して分別回収を容 易に行える積層シートを提供すること及び、製造が容易でありしかも再生利用の 容易な包装容器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本考案の積層シートは、ポリエチレン系樹脂発泡シートの片面にポリプロピレ ン系樹脂発泡シートが剥離可能に積層されている積層シートであって、上記両発 泡シート間の剥離強度(JISK6854に準じた180°剥離試験による)が 3〜350gであることを特徴とする。
【0010】 また、本考案の包装容器は、架橋ポリエチレン系樹脂発泡シートの片面にポリ プロピレン系樹脂発泡シートが積層され、且つ被包装物を保持するための保持部 が成形加工により設けられている包装容器であって、上記架橋ポリエチレン系樹 脂発泡シートが保持部側に位置し、架橋ポリエチレン系樹脂発泡シートとポリプ ロピレン系樹脂発泡シートとが剥離可能に一体化されていることを特徴とする。
【0011】
【実施例】
以下、本考案の実施例を図面に基き詳細に説明する。図1は本考案の積層シー トの1例を示す断面図である。
【0012】 図1に示すように本考案の積層シート1はポリエチレン系樹脂発泡シート(以 下、PE系発泡シートと略記する)2の片面にポリプロピレン系樹脂発泡シート (以下、PP系発泡シートと略記する)3が積層一体化され、PE系発泡シート 2とPP系発泡シート3とは剥離可能な接着強度で積層されている。
【0013】 本考案の積層シート1における両発泡シートの剥離可能な接着強度とは、JI SK6854に準じた180°剥離試験による剥離強度が3〜350gの範囲、 好ましくは4〜300g、更に好ましくは5〜200gであればよい。PE系発 泡シート2とPP系発泡シート3との剥離強度を上記の範囲としたことで、通常 の積層シートの取り扱いにおいて剥離しないが、手で2枚のシートを引き剥がし た場合に両シート(特に柔軟性の高いPE系発泡シート)がちぎれたりせずに綺 麗に剥離可能となり、分別回収し再生利用を容易に行うことが可能となった。上 記の剥離強度が3g未満では発泡シートどうしの一体化が不十分であり、流通過 程等の通常の取り扱いの際に剥離が生じてしまう。また、剥離強度が350gを 越えても、発泡シートの材料破壊が起こるまでの剥離強度であれば手で綺麗に剥 離するものは得られるが、350gから材料破壊が起こる直前の剥離強度の範囲 では少しの加熱温度の上昇が急激な剥離強度の上昇につながり、剥離強度が材料 破壊が起こる値を越えてしまう。よって接着加工の温度制御の面で350gから 材料破壊が起こる直前の剥離強度範囲で積層接着する事は大変困難である。剥離 強度が3〜350gの接着は積層面の部分的接着でも同様の効果は期待できるが 、取扱い時の作業性の面から積層面全面において接着されていることが好ましい 。
【0014】 尚、本考案においてJISK6854「接着剤の剥離接着強さ試験方法」に準 じて行う180℃剥離試験方法について以下に説明する。本考案では、積層一体 化した積層シート又は包装容器からJISK6854と同様の幅25mm×長さ 300mmの試験片を5個準備し、200mm/minのつかみ移動速さで18 0°剥離引張試験を行い、接着部分の剥離強さの平均値を剥離強度としたもので ある。尚、PP系発泡シートをまっすぐ保ち、PE系発泡シートを180°折り 返して剥離試験を行うこととする。得られるデータは横軸:剥離量、縦軸:剥離 強度を示す波状曲線であり、該波状曲線からバーX−R管理図による統計的手段 を用いて異常値を排除して剥離強度の平均値を求め剥離強度とする。
【0015】 積層シート1を上記の剥離強度になるように積層一体化するための具体的な手 段としては熱風ラミネートを用いることが好ましい。熱風ラミネートは例えば図 2に示す如き熱風ラミネート装置4を用い、送り出し装置5から送り出されたP E系発泡シート2と、送り出し装置6から送り出されたPP系発泡シート3との 積層面にドライヤー7から熱風を供給して両シートを加熱し、圧着ロール8で押 圧しながら積層一体化した後巻き取り装置9により巻き取って、PE系発泡シー ト2とPP系発泡シート3が積層一体化した積層シート1を連続的に得ることが できる。
【0016】 熱風ラミネートの加工条件は、剥離強度が上記の範囲となるように、両発泡シ ートの厚み、密度、気泡構造及び基材樹脂の種類等に応じて、適宜、熱風の温度 やラインスピード等を調節する。上記熱風の温度は、熱風の吹き出し口と圧着ロ ール間の距離等によっても調節可能である。熱風ラミネートの加工条件は、通常 、密度0.02〜0.045g/cm3 のPE系発泡シートと密度0.023〜 0.045g/cm3 のPP系発泡シートとを積層する場合、熱風温度が130 〜230℃、好ましくは140℃〜200℃、ラインスピードが10〜20m/ min程度が採用される。
【0017】 両シートの積層に熱風ラミネートを用いることは、接着剤を使用することなく 2枚のシートの積層が可能であり、再生利用する場合に接着剤樹脂を考慮する必 要がない。しかも熱風ラミネートでは両シートを弱く接着して発泡シートどうし が剥離可能に積層一体化された積層シートを容易に製造可能であるといった利点 がある。また、接着剤を使用しないため、発泡シートの柔軟性が接着剤により損 なわれる虞れがない。
【0018】 本考案の積層シートの製造例として、熱風ラミネートの熱風の温度と発泡シー ト間の接着状態との関係を実験した結果を以下に示す。実験は図2に示す熱風ラ ミネート装置を使用し、発泡倍率40倍、シート厚み1mmの架橋PE系発泡シ ートと発泡倍率30倍、シート厚み2mmのPP系発泡シートを用い、熱風ラミ ネート装置の熱風の温度を表1に示すように120℃〜250℃まで変化させ両 シートを積層一体化した。得られた積層シートの剥離強度を測定し、また両発泡 シートの貼り合せ状態を観察した。尚、熱風ラミネート装置のライン速度は15 m/min、熱風吹き出し口と圧着ロールとの間の距離は15cmとした。更に 、実験例2と4は引張伸び(%)をJISK6767に準じて測定した。
【0019】 表1に示したように、熱風ラミネートは熱風温度が140〜200℃の範囲で は2枚の発泡シートを容易に剥離可能な積層を行うことができた。これに対し、 熱風温度が120℃の場合には温度が低すぎるため、架橋PE系発泡シートとP P系発泡シートが充分に軟化せず、両発泡シートは全く接着しなかった。一方熱 風温度が250℃の場合には温度が高すぎるため、特に架橋PE系発泡シートが 熱により収縮してしまい、良好な積層シートが得られず、更に発泡シートどうし の剥離を手で行うことはできなかった。
【0020】
【表1】
【0021】 本考案の積層シート1のPE系発泡シート2はその柔軟性を利用して、積層シ ートから形成される包装用容器等において緩衝性の機能を有する。PE系発泡シ ート2は特に架橋ポリエチレン系樹脂発泡シート(以下、架橋PE系発泡シート と略記する)が好ましく用いられる。PE系発泡シート2は厚みが0.5〜5m m、更に好ましくは1〜3mm、密度が0.3〜0.018g/cm3 、更に好 ましくは0.045〜0.02g/cm3 程度のものが、柔軟性、緩衝性、及び 熱風ラミネート性等のバランスが良好であるため好ましい。尚、熱風ラミネート 性とは、上記したように熱風を利用して発泡シートどうしを積層する場合の樹脂 の接着性であり、剥離性を考慮したものである。
【0022】 架橋PE系発泡シートは、通常下記の方法によって得られる。 ポリエチレン系樹脂と発泡材との混合物に電離放射線を照射することにより 架橋反応を生起させた後、常圧下で加熱して発泡させる方法。 有機過酸化物と熱分解発泡剤とポリエチレン系樹脂との混合物を、発泡剤の 分解温度以下、有機過酸化物の分解温度以上に加熱して架橋反応を生起させ、常 圧下で発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させる方法。 分子中に加水分解性シリル側基を導入したエチレン系樹脂(架橋性ポリエチ レン樹脂)を用いる方法。例えば、架橋性ポリエチレン樹脂を含むポリエチレン 系樹脂と熱分解型発泡剤と架橋触媒とからなる組成物を混練してシート状に成形 し、該シート状物を水分と接触させて架橋反応を生起させた後、常圧下で使用発 泡剤の分解温度以上に加熱して発泡を行わせる方法や、又は、シリル化エチレン 系樹脂を含むポリエチレン系樹脂に発泡剤と添加剤を混入して加圧下に混練し、 これを低圧域へ押出して発泡体を形成した後、発泡体をシラノール縮合触媒の存 在下に水分と接触させて架橋反応を生起させる方法等の公知の手段が用いられる 。
【0023】 架橋PE系発泡シートの好ましい製造方法としては、例えばシリル化エチレン 系樹脂等の架橋性ポリエチレン樹脂と発泡剤とを押出機により溶融混練した後、 この混練物を押出機先端に取り付けた環状のリップを有するサーキュラーダイス より低圧域へ押出してチューブ状の発泡体を得、次いでこのチューブを切り開い てシート状とし、シラノール縮合触媒の存在下に水分と接触させることにより得 る方法が挙げられる。尚、上記の場合シラノール縮合触媒は、押出発泡時に既に 配合されていても、押出後に塗布されても何方でも良い。
【0024】 架橋PE系発泡シートの基材樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリ エチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等が挙げられる。柔軟性の面から低密度ポ リエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。また、これらの樹脂に、ス チレン−ブタジエン共重合体、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンラバー、 イソプレンゴム等のゴム分を0.3〜30重量%程度共重合又は混合することで 、成形接着性や柔軟性が更に良好となる。
【0025】 本考案の積層シート1のPP系発泡シート3は、その剛性を利用して、積層シ ートから形成される包装用容器等において形状保持の機能を与えるために用いら れる。PP系発泡シート3は厚みが0.5〜5mm、より好ましくは1〜3mm 、密度が0.3〜0.02g/cm3 、より好ましくは0.045〜0.023 g/cm3 程度のものが、保形性、緩衝性、熱成形性が良好であり特に好ましい 。
【0026】 PP系発泡シート3の製造方法は、プロピレン系樹脂と発泡剤とを押出機によ り溶融混練した後、この混練物を押出機先端に取り付けた環状のリップを有する サーキュラーダイスより低圧域下に押出してチューブ状の発泡体を得、次いでこ のチューブを切り開いてシート状とする方法が通常用いられる。
【0027】 PP系発泡シート3の基材樹脂としては、ホモポリプロピレン、プロピレンと エチレン、炭素数4以上のα−オレフィンとのブロック又はランダム共重合体、 又、上記樹脂の2種類以上の混合物、或いは高密度ポリエチレン、低密度ポリエ チレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリスチレン系樹脂等、1種又は2種以上 の混合物が挙げられる。尚、基材樹脂として複数の樹脂を混合することは、樹脂 を再生利用する場合のリサイクルという点においては、好ましくない。リサイク ルと言う点からはできるだけ同種の樹脂のみを使用するのが好ましい。
【0028】 上記の混合樹脂の割合は、ポリプロピレン樹脂の基本物性を阻害しないように 40重量%を限度とする必要がある。又、これらの樹脂に架橋ポリエチレン系樹 脂と同様にゴム分を加えることもできる。
【0029】 PP系発泡シート3としては、例えば特開平4−363227号公報に開示さ れているような、230℃におけるメルトテンションが7gf以上で且つ結晶化 温度+15℃に於ける半結晶化時間が800秒以上である無架橋ポリプロピレン 系樹脂を基材樹脂として使用するのが特に好ましい。この無架橋ポリプロピレン 系樹脂は、例えば低分子量のポリプロピレンを含む全体としてアイソタクチック 構造の線状プロピレン系樹脂を低温分解型(分解温度:室温〜120℃程度)の 過酸化物と混合して120℃以上に加熱し、線状ポリプロピレン系樹脂に低分子 量ポリプロピレンを分岐鎖として再結合して形成された線状ポリプロピレン系樹 脂の主として端部に長鎖分岐を有する枝分かれ状構造を有するものが挙げられる 。このようなポリプロピレン系樹脂として、米国ハイモント社製「PF−815 」、「PF−814」、「X10005」、「SD−632」等がある。
【0030】 架橋PE系発泡シート及びPP系発泡シートの製造に際して、発泡剤としては 、無機発泡剤、揮発性発泡剤、分解型発泡剤等を用いることができる。上記の無 機発泡剤としては、二酸化炭素、空気、窒素等が挙げられる。揮発性発泡剤とし ては、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ブタンとi−ブタンの混合物、 ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、トリクロロフロロメタン、ジクロロジ フルオロロメタン、1,1-ジクロロ-1,1,1,2- テトラフルオロエタン、1,1-ジフル オロ-1- クロロエタン、1,1,1,2-テトラフルオロエタン、メチルクロライド、エ チルクロライド、メチレンクロライド等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。 又、分解型発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレン テトラミン、アゾビスイソブチロニトリル、重炭酸ナトリウム等が挙げられる。 これらの発泡剤は単独もしくは適宜混合して使用できる。発泡剤の使用量は、発 泡剤の種類、所望する発泡倍率(密度)等によっても異なるが、密度0.3〜0 .02 g/cm3 の発泡シートを得るための発泡剤の使用量の目安は、樹脂10 0重量部当たり揮発性発泡剤で0.5〜15 重量部(ブタン換算)程度、無機発 泡剤で0.2〜7.0重量部(二酸化炭素換算)程度、分解型発泡剤で0.1〜 25重量部程度である。
【0031】 上記の架橋PE系発泡シートやPP系発泡シートを製造する際の樹脂と発泡剤 との溶融混練物中には、必要に応じて気泡調整剤を添加することができる。気泡 調整剤としては、タルク、シリカ等の無機粉末や、多価カルボン酸等の酸性塩、 多価カルボン酸と炭酸ナトリウム或いは重炭酸ナトリウムとの反応混合物等が挙 げられる。気泡調整剤は樹脂100重量部当たり13重量部程度以下添加するの が好ましい(但し、無機充填剤を樹脂に多量に含有させる場合はこの限りではな い)。更に必要に応じて、溶融混練物中に熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤 、着色剤等の添加剤を添加することもできる。又、予め樹脂中に総重量の40重 量%程度を限度として無機充填剤を含有させてもよい。無機充填剤としては例え ばタルク、シリカ、炭酸カルシウム、クレー、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリ ウム、水酸化マグネシウム等が挙げられ、平均粒径は1〜70μmが好ましく、 無機充填剤を多量に添加した場合には得られる発泡シートは耐熱性が向上すると 共に、焼却処理を行う場合に燃焼カロリーを低下させる。
【0032】 本考案の積層シート1は包装用緩衝シートとして使用される他、熱成形して包 装容器として用いることができる。図3は本考案の積層シートを成形してなる果 物等包装容器の1例の外観を示す斜視図である。図3に示すように果物等包装容 器10は内容物を保持するための凹部を保持部14とし該保持部14の側にPE 系発泡シート2が位置し反対側にPP系発泡シート3が位置するように積層シー ト1を成形して得られたものであり、果物等包装容器10には保持部14の成形 と同時に周辺上部の縁部12が成形加工されている。このような本考案の積層シ ートを成形して得られる包装容器は、緩衝性及び容器自体の形状保持性に優れ、 桃、林檎、苺、梨、等の食品包装容器又は、機械部品等の包装容器として最適に 用いることができる。
【0033】 本考案の積層シート1を成形して包装容器を製造する場合の成形手段としては 、真空成形、圧空成型、マッチド・モールド成形、プラグアシスト成形等の公知 の各種成形方法を用いることができる。
【0034】 本考案の積層シートは手で剥離可能に形成されているが、成形後の包装容器等 の成形品は成形時の熱や圧力によって両シートの接着力は向上する。特にプラグ 等を利用した成形手段を用いた場合には、圧力が局部的に加わるため該部分の接 着が向上し、それ以外の圧力が加わらない部分の剥離強度はさほど変化しない。 また、真空成形のような全体的に均一に押圧される場合には比較的両シートの接 着力の変化は小さい。又、更に成形の際の積層シートにおいて、例えば赤外線加 熱を行う場合は波長を調節する等、加熱調整手段によっても両シートの接着力は 変化し、用途により程良い調整が必要である。
【0035】 以下、本考案の包装容器に係る実施例を図面に基き詳細に説明する。図4は本 考案の包装容器の1例を示す外観斜視図であり、図5は図4のA−A線縦断面図 である。
【0036】 図4及び図5に示すように本考案の包装容器11は例えば、架橋ポリエチレン 系樹脂発泡シート12の片面にポリプロピレン系樹脂発泡シート13が積層され 、果物等の被包装物を保持するために被包装物の形状に応じた凹部が保持部14 として成形加工により設けられ、保持部14側に架橋ポリエチレン系樹脂発泡シ ート12が位置するように、各樹脂発泡シート12、13どうしが積層されてい る。上記、架橋ポリエチレン系樹脂発泡シート12とポリプロピレン系樹脂発泡 シート13とは、例えば成形前には接着剤等で積層一体化せずに、成形加工の際 に一体化され、更に架橋ポリエチレン系樹脂発泡シート12とポリプロピレン系 樹脂発泡シート13とは剥離可能に形成されている。
【0037】 本考案の包装容器11の形状は、少なくとも成形加工により保持部14が設け られていればよく、保持部14の形状やその数等も含めて図4の態様に特に限定 されるものではない。保持部14は果物等の被包装物を保持可能な形状であれば よく、例えば包装しようとする果物の半分程度の大きさの凹部として設けられる 。保持部14の数は包装容器の用途等に応じて適宜設ければよい。
【0038】 本考案の包装容器において、架橋ポリエチレン系樹脂発泡シート12とポリプ ロピレン系樹脂発泡シート13の間の接着力は、包装容器として使用する際に剥 離せず且つ不要となった際には手で引き剥がした場合に両シート(特に柔軟性の 高い架橋ポリエチレン系樹脂発泡シート)がちぎれたりせずに綺麗に剥離可能な 程度に接着していればよい。
【0039】 図6は本考案の包装容器の他の態様を示す断面図である。本考案の包装容器は 、図6に示すように、保持部14の樹脂発泡シートどうしが互いに接しないよう にして積層一体化して空隙部16を設けることができる。このように形成した場 合には空隙部16による緩衝効果が得られるため、より緩衝性に優れた包装容器 とすることができる。また本考案の包装容器は図3に示すように多数の保持部1 4と周辺上部に縁部12を形成することができる。
【0040】 本考案において、架橋ポリエチレン系樹脂発泡シート12とポリプロピレン系 樹脂発泡シート13が剥離可能な程度に接着されるというのは、包装容器を使用 する場合に被包装物の収納や流通過程等の通常の使用等では剥がれたりしないが 、不要となった容器を処理しようとした場合に積層一体化されている樹脂発泡シ ートどうしを手で剥離する際に2枚のシートがちぎれたりせずに容易に分離可能 な程度に接着されている状態を言う。このような接着状態は樹脂発泡シートの強 度や接着面積、成形凹部の形状等により異なるものであり、樹脂発泡シートどう しの180°剥離強度だけでは規定されるものではないが、少なくとも分離可能 な接着部においては架橋ポリエチレン系樹脂発泡シート12とポリプロピレン系 樹脂発泡シート13の剥離強度は(JIS K6854に準拠した180°剥離 試験、前述の通りの試験方法による)、3〜350gであれば充分に本考案の目 的は達成され、より好ましくは4〜300g、更に好ましくは5〜200gであ る。
【0041】 上記の剥離可能に一体化される要因はあまり明確ではないが、下記のような理 由によるものと考えられる。一般にポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂 とを単に加熱して加圧した場合の熱接着性はあまり良くない。しかし、スチレン 系樹脂とオレフィン系樹脂を接着する場合に比べれば、同じオレフィン系樹脂で あることや、また、樹脂シートではなく表面に微細な凹凸を有する樹脂発泡シー トであり該発泡シート同士が加熱・加圧される点や、成形加工を行うため加工に より形成される段部で局部的に強く押圧される等の点が相乗的に作用して適度な 物理的接着力が得られるものと考えられる。
【0042】 本考案において、架橋ポリエチレン系樹脂発泡シート12とポリプロピレン系 樹脂発泡シート13を一体化するには、積層一体化していない両樹脂発泡シート 12、13を成形加工を行う際に重ね合わせて所望の形状に成形するのが好まし い。この方法によれば、保持部及び全体の形状が成形されると共に、成形加工時 の熱や圧力等によって、2枚の樹脂発泡シートどうしが完全に接着することなく 剥離可能に弱く接着して一体化される。尚、剥離可能に弱く接着してある積層シ ートを、なるべく低温、短時間の加熱成形条件で成形することにより本考案の包 装容器を得ることもできる。
【0043】 本考案の包装容器において、架橋ポリエチレン系樹脂発泡シート12はその柔 軟性を利用して被包装物を保護する目的で保持部4側に位置するように用いる。 架橋ポリエチレン系樹脂発泡シート12は、厚みが0.5〜5mm、より好まし くは1〜3mm、密度は0.3〜0.018g/cm3 、より好ましくは0.0 45〜0.02g/cm3 が望ましく、上記範囲では該発泡シートの柔軟性、緩 衝性及び接着性等のバランスが良好である。一方、ポリプロピレン系樹脂発泡シ ート13は、厚みが0.5〜5mm、より好ましくは1〜3mm、密度は0.3 〜0.02g/cm3 、より好ましくは0.045〜0.023g/cm3 が望 ましく、上記範囲であれば、保形性、緩衝性、熱成形性及び接着性等が良好であ る。
【0044】 尚、接着性とは、熱を利用して樹脂発泡シート同士を接着させる場合の樹脂発 泡シートどうしの一体化に関する接着性であると共に剥離性をも考慮したもので あり、積層一体化及び容易に剥離可能な程度の接着性を言う。
【0045】 上記架橋ポリエチレン系樹脂発泡シート12及びポリプロピレン系樹脂発泡シ ート13の基材樹脂、添加剤及び製造方法等は、それぞれ前述の積層シートのP E系樹脂発泡シート2の内特に架橋した架橋PE系樹脂発泡シート2及びPP系 樹脂発泡シート3と同じものが用いられる。又、発泡シートを包装容器に成形加 工する際の加熱条件は、発泡シートの密度、厚み及び基材樹脂の種類等に応じて 剥離可能に一体化される条件を適宜選択すればよいが、上記の好ましい厚み及び 密度の両樹脂発泡シートを一体化する場合、加熱時間が170〜240℃で6〜 20秒であり、成形時間は7〜15秒程度が通常採用される。
【0046】 本考案の包装容器11を得るための発泡シートの成形加工方法は、成形部周囲 をクランプする等してプラグ・アンド・リッジ成形、リッジ成形、マッチド・モ ールド成形、プラグアシスト成形等が用いられる。本考案においては、特にプラ グ等の押圧手段を有する方法が好ましい。
【0047】 また、図6に示すように包装容器に空隙部16を形成する場合は、ポリプロピ レン系樹脂発泡シート13側を真空引きして、架橋ポリエチレン系樹脂発泡シー ト12側を金型凹部の2/3程度までプラグで押すことで得られる。尚、その場 合の架橋ポリエチレン系樹脂発泡シート12とポリプロピレン系樹脂発泡シート 13との接着は平坦部15によって確保される。接着を確保する平坦部15は、 包装容器積層面において、点在している等、部分的に存在している状態でもかま わないが、好ましくは、積層面全面で接着部分を確保する方が使用時の接着安定 性の優れたものとなる。
【0048】 本考案の包装容器は桃、林檎、苺、梨等の食品の包装容器又は機械部品等の包 装容器として最適に用いることができる。
【0049】
【考案の効果】
以上説明したように本考案の積層シートは、ポリエチレン系樹脂発泡シートの 片面にポリプロピレン系樹脂発泡シートを、剥離強度が3〜350gとなるよう に積層一体化したことにより、2枚の発泡シートどうしを手で剥離して各々の発 泡シートに分離することができるため、積層シートの製造時に発生するスリット 部分等のロス原反を容易に分別回収可能である。
【0050】 更に、本考案の積層シートをポリエチレン系樹脂発泡シートが内側(内容物と 接する側)となるように成形することで、緩衝性と形状保持性に優れた包装容器 が得られ、該容器製造の際に発生する成形不良品や成形後の耳を再生利用は、積 層シートの2枚の発泡シート手で剥離して分別回収することで、容易に行える。 このように本考案の積層シートは環境問題という点から資源の有効利用に大きく 寄与する。
【0051】 一方本考案の包装容器は、上記したような構成を採用したことにより、2枚の 樹脂発泡シートが一体化され、被包装物を良好な緩衝性で確実に保持し全体の形 状を良好に維持可能であるにもかかわらず、従来のこの種包装容器と比較して、 予め各シート同士をホットメルト接着材等で接着して積層一体化する手間が不要 で製造工程が合理化でき容易に製造可能である。
【0052】 また本考案の包装容器は、不要となった包装容器を処理する際、2枚の積層一 体化された樹脂発泡シートどうしを手で剥がして容易に分離できるため、樹脂の 種類の異なるシートを分別回収して、再生利用を容易に行うことが可能となり、 環境問題の点で資源の有効利用に大きく寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の積層シートの1例を示す断面図であ
る。
【図2】熱風ラミネートにより積層シートを製造する場
合の説明図である。
【図3】本考案の積層シートを成形してなる果物等包装
容器又は本考案の包装容器の1例の外観を示す斜視図で
ある。
【図4】本考案の包装容器の1例を示す外観斜視図であ
る。
【図5】図1のA−A線縦断面図である。
【図6】本考案の包装容器の他の例を示す要部縦断面図
である。
【符号の説明】
1 積層シート 2 ポリエチレン系樹脂発泡シート(PE系発泡シー
ト) 3 ポリプロピレン系樹脂発泡シート(PP系発泡シー
ト) 11 包装容器 12 架橋ポリエチレン系樹脂発泡シート 13 ポリプロピレン系樹脂発泡シート 14 保持部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 照井 泰 栃木県宇都宮市宝木本町2075 コーポサン リッチ▲3▼ (72)考案者 平 晃暢 栃木県宇都宮市駒生町1078−4 カーサ・ アイ202号

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレン系樹脂発泡シートの片面に
    ポリプロピレン系樹脂発泡シートが剥離可能に積層され
    ている積層シートであって、上記両発泡シート間の剥離
    強度(JISK6854に準じた180°剥離試験によ
    る)が3〜350gであることを特徴とする積層シー
    ト。
  2. 【請求項2】 架橋ポリエチレン系樹脂発泡シートの片
    面にポリプロピレン系樹脂発泡シートが積層され、且つ
    被包装物を保持するための保持部が成形加工により設け
    られている包装容器であって、上記架橋ポリエチレン系
    樹脂発泡シートが保持部側に位置し、架橋ポリエチレン
    系樹脂発泡シートとポリプロピレン系樹脂発泡シートと
    が剥離可能に一体化されていることを特徴とする包装容
    器。
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JP2000344286A (ja) * 1999-06-03 2000-12-12 Nippo Kk 脆弱物品のプラスチック容器

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