JPH0739617B2 - 負圧缶用アルミニウム合金板及びその製造方法と負圧缶体 - Google Patents

負圧缶用アルミニウム合金板及びその製造方法と負圧缶体

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JPH0739617B2
JPH0739617B2 JP16534790A JP16534790A JPH0739617B2 JP H0739617 B2 JPH0739617 B2 JP H0739617B2 JP 16534790 A JP16534790 A JP 16534790A JP 16534790 A JP16534790 A JP 16534790A JP H0739617 B2 JPH0739617 B2 JP H0739617B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、果汁、コーヒー等の悲炭酸飲料物用のDI缶体
に関し、更に詳しくは、熱間充填後に室温まで冷却さ
れ、缶内圧が負圧(1kg/cm2未満)となる悲炭酸飲料用D
I負圧缶体に関するものである。
(従来の技術及び解決しようとする課題) 飲料物には、ビール及びコーラ等の炭酸飲料と、果汁及
びコーヒー等の悲炭酸飲料がある。
前者は、炭酸ガスを含有するため、缶側壁の凹みが生ぜ
ず、軽量缶を特長とする缶側壁の薄い2ピースのDI缶
(アルミ、スチール製)が容器として用いられている。
一方、後者は、炭酸ガスを含有せず、かつ熱間充填(約
90℃)されるので室温状態では負圧(0.4kg/cm2)とな
るため、容器としては、缶側壁の剛性が高い3ピースの
スチール缶が用いられている。
容器としては上記の2種類(2ピースのDI缶と3ピース
のスチール缶)があり、DI缶は板から、絞り・しごき
(DI)加工により製造される。また、3ピース缶は板を
溶接或いは接着して製造される。
これらの缶は、その加工方法等の相違から缶側壁厚が異
なり、DI缶法では0.11〜0.13mm、3ピース缶法では0.2m
m前後となり、缶重量に大きな差が生じるので、DI加工
法が有利である。
ところで、近年、窒素封入技術の進展により、悲炭酸飲
料物用においても、容器としてDI缶が用いられ始めてい
る。この技術は、窒素封入により缶内を陽圧(1kg/cm2
以上)とするものであり、缶側壁の凹みを防止すること
ができる。この方法は主としてスポーツ飲料に用いられ
ているが、最近では他の内容物(ウーロン茶)において
も実用化が進められている。
しかしながら、この技術(窒素封入)を採用するには設
備面及び技術面において困難な面があり、窒素封入する
ことなくDI缶が採用されることが望まれている。
このような状況から、窒素封入技術以外の開発も進めら
れてきた。例えば、缶側壁にビードを付与し、側壁の剛
性を上げる方法であり、特公昭54−14552号、同54−145
53号、特開昭63−125149号などが提案されている。また
最近では、本発明者らの提案(特願平2−150534号)に
よる缶底を内側に変形させる方法がある。
一方、材料面では、DI缶用として3004合金の硬質材が多
用されており、この材料の特長はDI加工性に優れること
である。
しかしながら、この材料は硬質材であるため、缶側壁と
缶底部の引張強度は殆ど変わらず(缶側壁部の方が若干
高い:1.1倍)、したがって、負圧缶の場合には肉厚の薄
い側壁部で剛性が弱く、優先的に凹みを生じることとな
っていた。
本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、特に悲炭酸
飲料用のDI缶に適する材料を提供し、併せてその製造方
法と悲炭酸飲料用DI缶を提供することを目的とするもの
である。
(課題を解決するための手段) 悲炭酸飲料物用へのDI缶採用には、上記3種類の方法
(窒素封入、側壁ビード加工、缶底部の内側への変形)
があるが、窒素封入を不要とする観点では側壁ビード加
工法と缶底部の内側への変形法が理想的である。
これらの方法のうち、側壁ビード加工法の場合には塗膜
の欠陥等の問題もあるので、缶底部の内側への変形法の
方が有利である。しかし、従来技術では缶側壁の厚肉化
を回避することは非常に難しいことから、本発明者ら
は、この問題を効果的に解決し得る方策(側壁厚の薄肉
化)について鋭意研究を進めた結果、ここに本発明をな
したものである。
すなわち、本発明(本発明1)は、Mn:0.5〜1.5%及びM
g:0.5〜2.0%を含有し、更にFe:0.2〜0.7%、Si:0.1〜
0.5%、Cu:0.05〜0.5%及びZn:0.1〜1.0%のうちの1種
又は2種以上を含有し、残部が実質的にAlからなるDI缶
用アルミニウム合金板おいて、缶側壁部の引張強度が缶
底部に比較して1.2倍以上高く、缶内が負圧になった時
点で缶底部が優先して変形し得るものであることを特徴
とする負圧缶用アルミニウム合金板を要旨とするもので
ある。
また、この負圧缶用アルミニウム合金板の製造方法(本
発明2)は、前記化学成分を有するアルミニウム合金鋳
塊に550℃以上の均質化熱処理を施した後、通常の熱間
圧延、冷間圧延及び中間焼鈍を組み合わせて施した板に
対し、引張強度が18〜25Kg/mm2となる焼鈍を施すことに
より、DI缶において缶側壁部の引張強度が缶底部に比較
して1.2倍以上高く、缶内が負圧になった時点で缶底部
が優先して変形し得る材料を得ることを特徴とするもの
である。
更に、本発明に係るDI負圧缶体(本発明3)は、本発明
2で得られたアルミニウム合金板のDI缶において、缶内
圧が1kg/cm2未満となった時点で缶底部が缶内側に変形
し、缶の内容積が8〜15ml減少することにより缶内圧が
陽圧(1kg/cm2以上)となることを特徴とするものであ
る。
以下に本発明を更に詳細に説明する。
(作用) 先ず、本発明における化学成分の限定理由について説明
する。
Mn: Mnは強度向上としごき加工性に重要な元素であるが、0.
5%未満ではいずれの効果もなく、また1.5%を超える場
合には強度が高くなりすぎ、また大きな金属間化合物が
生成して成形性を低下させる。したがつて、Mnは0.5%
〜1.5%の範囲とする。
Mg: Mgは強度向上に重要な元素であると共に、Mnと共存して
絞り耳の安定化に重要な元素である。しかし、0.5%未
満ではいずれの効果もなく、また2.0%を超える場合に
は強度が高くなりすぎて成形性の低下を促す。したがっ
て、Mgは0.5%〜2.0%の範囲とする。
以上のMn及びMgを主成分とするが、更に以下に示す元素
Fe、Si、Cu及びZnのうちの1種又は2種以上を適量で含
有させる必要がある。
Fe: FeはMnとの間でAl−Mn−Fe系の化合物を形成し、しごき
加工性の向上に重要な元素である。しかし、0.2%未満
ではこの効果が得られず、また0.7%を超える場合には
大きな金属間化合物が形成して、成形性の低下を促す。
したがって、Feは0.2%〜0.7%の範囲とする。
Si: SiはFe/Si比の減少による低耳化と上記金属化合物への
相変態(α相の形成)によるしごき加工性の向上に効果
のある元素である。しかし、0.1%未満ではいずれの効
果もなく、また0.5%を超える場合には鋳造時に割れの
問題を招く。したがって、Siは0.1〜0.5%の範囲とす
る。
Cu: Cuは強度の向上に効果があり、特に中間焼鈍を高温(43
0℃以上の短時間焼鈍)で行う場合、製缶工程中のベー
キングにおいて、Mgとの間でAl−Cu−Mgの析出硬化を与
える硬化を有する。しかし、0.05%未満ではいずれの効
果も得られず、また0.5%を超える場合には耐食性の低
下を招く。したがって、Cuは0.05%〜0.5%の範囲とす
る。
Zn: Znは金属間化合物の微細均一化に効果のある元素である
が、0.1%未満ではその効果が得られず、また1.0%を超
える場合にはその効果が飽和することになるので無駄と
なる。したがって、Znは0.1%〜1.0%の範囲とする。
次に、アルミニウム合金板の製造方法について説明す
る。
上記化学成分のアルミニウム合金鋳塊について均質化熱
処理を施す。この熱処理の目的は鋳塊組織の均質化、熱
間圧延性の向上と共に製品板での低耳化にある。しか
し、550℃未満ではいずれの効果も得られないので、均
質化熱処理は550℃以上の温度で行う必要がある。な
お、加熱温度に上限値はないが、アルミニウム合金のバ
ーニング発生温度が一般的には600℃であるので、600℃
限度となる。また、保持時間も特に制限されないが、1
時間以上が望ましい。
次いで、熱間圧延、冷間圧延及び中間焼鈍を施すが、こ
れらは通常の方法及び条件でよい。具体的には、例え
ば、熱間圧延終了厚を5mm以下、温度を280℃以上とし、
中間焼鈍としては連続焼鈍及びバッチ焼鈍のいずれでも
よい。また冷間圧延については、中間焼鈍の前及び後の
何れか若しくは前後に行い、圧延率の合計を50%以上と
する。
その後、本発明のポイントの一つである仕上焼鈍を施
す。この焼鈍は、缶側壁と缶底部の引張強度に大きな影
響を与えるものである。
焼鈍条件に関しては、製品板の引張強度が18kg/mm2未満
では負圧缶の耐圧強度である約3kg/cm2(負圧缶は内容
物を充填後レトルト処理として120℃で殺菌処理が施さ
れ、この時の耐圧強度が約3kg/cm2である)を満足せ
ず、また25kg/mm2を超える場合には缶側壁引張強度が缶
底部引張強度の1.2倍以上となるが、缶内が負圧になっ
た時点で缶底部が反転せず、缶側壁の薄肉化が困難であ
る。したがって、仕上焼鈍は上記の強度が得られる条件
で行う。具体的には、例えば、連続焼鈍で行う場合には
到達温度を250〜430℃(但し、加熱冷却速度:100℃/min
以上)の範囲であり、バッチ焼鈍で行う場合には200〜4
00℃の範囲である。上記の強度が得られる限り、DI缶と
した場合、缶側壁部の引張強度が缶底部の引張強度の1.
2倍以上高くなるので、缶内が負圧になった時点で缶底
部が優先的して変形可能である。
次に、本発明の負圧缶体の条件について説明する。
負圧缶には、前述のとおり、耐圧と負圧の強度が要求さ
れ、耐圧については上述の強度にて満足させることがで
きるが、負圧の場合には特殊な缶底形状が要求される。
すなわち、缶底部が内側に変形し易い形状である。更に
負圧缶として使用される場合には、缶を手に持って凹む
ことがないことが重要である。缶の内容積減少量が8ml
未満ではこれを満足することができず、また15mlを超え
る場合には缶底部の変形が困難となる。
したがって、DI負圧缶体としては、缶内圧が1kg/cm2
満となった時点で缶底部が缶内側に変形し、缶の内容積
減少量が8〜15mlの範囲とする条件を満足する必要があ
る。これにより、缶内圧が陽圧(1kg/cm2)となり、缶
を手で持っても缶側壁の凹みの優先的発生を防止でき
る。
なお、そのような缶底部形状についての規制は特にな
く、内側に変形し易い形状であればよい。例えば、第1
図に示す缶底部形状は、缶底中央から両端に向かって連
続して凹体に膨出し、缶底両端部近傍にて脚状に突出す
る、いわゆるカルデラ状の形状である。
(実施例) 次に本発明の実施例を示す。
実施例1 第1表に示す化学成分を有するアルミニウム合金鋳塊に
580℃×3時間の均質化熱処理を施した後、熱間圧延に
て3.0mm厚とし、その後冷間圧延(1.0mm厚)を施して50
0℃×0秒(加熱冷却速度:1000℃/m)の急速加熱冷却を
実施した。
更に0.35mm厚まで冷間圧延し、300℃で仕上焼鈍を実施
した。
得られた板材の材料特性、成形性及び缶特性を第2表に
示す。
なお、供試缶は、DI加工により66mmφ×72mmh(缶壁最
小肉厚0.13mm)とし、缶底形状は第1図に示すとおりで
ある。また缶底と缶壁の引張強度は小試験片にて実施し
た。
第2表より、本発明例は、所定の耐圧強度(3kg/cm2
上)を満足すると同時に負圧時の缶底部反転を満足して
いることがわかる。しかし、比較例ではいずれかを満足
しなかった。
実施例2 実施例1での供試材No.1(第1表)を用いて、缶底部の
反転量(缶の内容積減少量)を第3表の如く変化させ、
反転の難易及び反転後の缶内圧を求めた。
その結果、第3表に示すように、本発明範囲内のNo.2
は、缶としての要求特性(凹みなし)を満足することが
わかる。比較例No.1は反転が容易であるものの、反転後
の缶内圧が陽圧(1kg/cm2以上)にならず、側壁に凹み
が発生した。
(発明の効果) 以上詳述したように、本発明によれば、悲炭酸飲料用DI
負圧缶体の課題である側壁厚の薄肉化が可能となり、缶
内圧が負圧になっても側壁部の優先的凹みを防止できる
ので、悲炭酸飲料へのアルミ化が促進され、リサイクル
を含めアルミ缶の特長を活かすことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は供試缶の缶底部形状の一例を示す断面図であ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で(以下、同じ)、Mn:0.5〜1.5%
    及びMg:0.5〜2.0%を含有し、更にFe:0.2〜0.7%、Si:
    0.1〜0.5%、Cu:0.05〜0.5%及びZn:0.1〜1.0%のうち
    の1種又は2種以上を含有し、残部が実質的にAlからな
    るDI缶用アルミニウム合金板において、缶側壁部の引張
    強度が缶底部に比較して1.2倍以上高く、缶内が負圧に
    なった時点で缶底部が優先して変形し得るものであるこ
    とを特徴とする負圧缶用アルミニウム合金板。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の化学成分を有するアルミ
    ニウム合金鋳塊に550℃以上の均質化熱処理を施した
    後、通常の熱間圧延、冷間圧延及び中間焼鈍を組み合わ
    せて施した板に対し、引張強度が18〜25Kg/mm2となる焼
    鈍を施すことにより、DI缶において缶側壁部の引張強度
    が缶底部に比較して1.2倍以上高く、缶内が負圧になっ
    た時点で缶底部が優先して変形し得る材料を得ることを
    特徴とする負圧缶用アルミニウム合金板の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項2で得られたアルミニウム合金板の
    DI缶において、缶内圧が1Kg/cm2未満となった時点で缶
    底部が缶内側に変形し、缶の内容積が8〜15ml減少する
    ことにより缶内圧が陽圧(1Kg/cm2以上)となることを
    特徴とするDI負圧缶体。
JP16534790A 1990-06-22 1990-06-22 負圧缶用アルミニウム合金板及びその製造方法と負圧缶体 Expired - Lifetime JPH0739617B2 (ja)

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