JPH0740861B2 - 燻液を含浸させた可剥性繊維質食品ケーシング、製造及び用法 - Google Patents

燻液を含浸させた可剥性繊維質食品ケーシング、製造及び用法

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JPH0740861B2 JP63283504A JP28350488A JPH0740861B2 JP H0740861 B2 JPH0740861 B2 JP H0740861B2 JP 63283504 A JP63283504 A JP 63283504A JP 28350488 A JP28350488 A JP 28350488A JP H0740861 B2 JPH0740861 B2 JP H0740861B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は収容された処理済食品から剥離できる、木材由
来の燻液を含浸した繊維質セルロースケーシング、その
製造方法、及びかかるケーシングを用いた包装食品の製
造方法に関する。
(従来技術とその問題点) 燻液はヒッコリやメイプルなどの木材を燃焼させ、次い
でその天然燻煙成分を水中に捕捉させることにより得ら
れる天然燻煙成分の水溶液でありうる。
他の例として、燻液は木材の分解蒸留、すなわち木材繊
維を種々の成分への分解とそれに続く蒸留による木材残
渣からの分離により製造できる。本発明の説明の都合
上、これら2つの方法から得られる燻液は「木材由来」
のものと呼び水溶液形態で使用される。木材由来の水性
燻液は、一般に強酸性であり通常はpHが約2であり、全
酸含有量は少なくとも3%である。
かかる燻液はセルロースケーシングの内面または外面に
含浸され、次いで燻煙色及び/又は香気が高温での充填
食品のケーシング内での処理中に移される。この処理期
間に含浸燻液の活性成分が収容食品に色及び香気を与え
ることになる(米国特許第4,377,187号参照)。
市販の、又は製造されたままの燻液は重合炭化水素によ
る木材タールを含有しており、このタールは一般に溶解
しうる形態にある。しかし、そのままの強酸性燻液をゲ
ル素材のセルロース系食品ケーシングの内面或は外面に
含浸させた場合、該燻液は燻煙処理ユニットのキャリヤ
ー及び絞りロール上にタール状付着物を形成し、終局的
に処理系を余儀なく運転停止させる傾向にある。この問
題を防ぐために、そのままの燻液からタールを除いた後
に燻液をセルロース系ケーシング壁に含浸させる方法が
色々開発されてきた。例えば、チュー(Chiu)に係る米
国特許第4,592,918号(関連のある範囲を本明細書中に
援用する)に記載されている通りに、これらの方法は燻
液を少なくとも一部中和してpHを約4より上に上げてタ
ールに富んだ画分とタールの減少した画分とを形成し、
これらを分離し、それで後者はタールの減少した水性燻
液となる方法を含む。この中和の間、温度を約40℃より
低く保って燻液着色力及び/又は吸収能の低下を部分回
避することが好ましい。別のタール減少方法は、タール
含有燻液に有機液体溶媒を抽出条件下で接触させてター
ルに富んだ液体溶媒画分とタールの減少した燻液画分と
を形成することによる。画分を分離し、後者をタールの
減少した水性燻液として回収する。
チューブラセルロース系ケーシングは小さい直径、すな
わち約40mmより小さいか或は一層大きい直径、通常約40
〜約160mmの範囲にすることができる。これらのケーシ
ングはケーシング壁内に繊維質、例えば紙強化材を有し
て寸法安定性を与えることができ、ほとんどの大きい直
径のセルロース系ケーシングは繊維質タイプである。燻
液、その他同様の液体コーティングは特許文献に記載さ
れているいくつかの方法の内のいずれかによって繊維質
セルロース系ケーシングに塗布することができる。例え
ば、米国特許3,451,827号は種々のコーティング材料を
ケーシング内面上に塗布する噴霧法を記載している。シ
ャイナー等に係る米国特許3,378,379号には、コーティ
ング材料をケーシング内面に塗布する「スラッギング
(slugging)」法が記載されている。
繊維質セルロース系食品ケーシングの調製及び用法にお
いて、ケーシングの含水量は相当に重要である。非制限
例として、ケーシング製造業者はケーシングをひだ寄せ
する、すなわち圧縮して密に圧縮され及び折重ねられた
「スチック」形にすることができる。食品加工業者はケ
ーシング端部のひだ解きされた端部を充填装置に取り付
け及び開放したケーシングに充填する。これらのケーシ
ングに関するひだ寄せ操作を、ケーシングを損傷させず
に容易にするには、ケーシングは比較的低い、通常全ケ
ーシング(16〜28重量%の乾燥セルロース)の約11〜約
17重量%の範囲の水分を有することが通常必要である。
かかる含水量は、ケーシングを用いて食品を充填する際
に要する含水量に比べて相対的に低い。ひだ寄せ繊維質
ケーシングに、充填操作の間ケーシングを破断させずに
充填することを可能にするには、全ケーシング重量(28
〜65重量%の乾燥セルロース)の約17〜約35%の平均含
水量を有するひだ寄せ繊維質ケーシングが要求される。
本明細書中以降で用いる通りの「含水量」なる表現は、
別の基準を特に示さない場合には、ケーシング製品中の
乾燥セルロースの重量を基準にしたケーシング中の水或
は水分の重量パーセントを言う。
たとえ繊維質ケーシングを平坦な形で或は巻取った形で
充填用に供給するつもりだとしても、ケーシングは乾燥
素材の形では極めて堅く及びケーシングを損傷しないで
充填する程に軟質になるには相対的に高い含水量を持た
なければならない。これは、何年もの間、充填する直前
に水の中に、通常約1時間浸漬しておき、約150%の乾
燥セルロース(全ケーシングの60重量%)までの全水分
飽和を生じることによって達成された。繊維質セルロー
ス系ケーシングを用いた製品用自動高速、高圧充填装置
の出現及び包装食品製造法を一層大きく制御して例えば
一層均一な食品生成物を達成する必要により、「ソーク
のない」系が開発された。これは、繊維質セルロース系
ケーシングが浸漬しないで充填するために要する水分を
含有するように、ひだ寄せ及び/又は充填する前にケー
シングを予備加湿することを含む。予備加湿した繊維質
セルロースケーシングは、代表的には、水分約25〜約65
%を含有する。
燻液を含浸させた予備加湿した繊維質セルロース系ケー
シング製品における別の重要な成分は剥離助剤或は「剥
離容易性」成分である。特に、高い温度で加工した後の
包装食品からの繊維質ケーシングの可剥性を向上させる
薬剤を用いるのが普通である。このような可剥性向上剤
は下記を含み、これらに限定されない:カルボキシメチ
ルセルロース及び例えばチュー等に係る米国特許3,898,
348号に記載されているようなその他の水溶性セルロー
スエーテル、別の通常用いられる剥離助剤はハーキュレ
ス、インコーポレーテッドの商標登録された製品である
「アクアペル(Aquapel)」であり、該製品は、例えば
チューに係る米国特許3,905,397号に記載されているよ
うにアルキルケテン二量体を含む。同米国特許の開示内
容を援用する。繊維質セルロース系ケーシング用に広い
用いられているなお別の剥離助剤はEIデュポンの商標登
録された製品である「クイロン(Quilon)」であり、該
製品は例えばアンダーウッド(Underwood)に係る米国
特許2,901,358号に記載されているように脂肪酸クロミ
ルクロリドを含む。
剥離助剤は、最大の効果をもたらすために、ケーシング
表面に直接に接触しなければならないので、従来技術は
燻液をすでにケーシング内面上に存在する剥離助剤に重
畳(superimposed)第2コーティングとして塗布するこ
とを選んできた。生成する製品は、第1のアクアペル或
はクイロンタイプの剥離助剤コーティングをケーシング
内面上に付着させ及びチャーゾル(Charsol)C−12或
はヒッコリースーパースモーク(Hickory Super Smok
e)等のpHの低いそのままの燻液コーティングを第1剥
離助剤コーティング上に重ね及び該コーティング中に含
浸させたソークの無いタイプの繊維質ケーシング製品を
含むことができる。代表的には32%の含水量(乾燥セル
ロース基準)を有するこの製品は、例えばボローニャソ
ーセージのようなスライスド肉製品を製造するシャーマ
チック(SHIRMATIC)600A充填系(ビスケースコーポレ
ーション製で市販されている)と共に商業的に用いられ
てきた。製品を、ひだ寄せした形状で約175〜200フィー
ト(53〜61m)のフラットケーシングから成るスチック
として供給し及びこの系で用いて未加工の包装食品生成
物を高速度で生産する。この製品及びシャーマチック60
0A系は、A.P.アービュチス(Urbutis)の名前で1986年1
1月1日に出願した同時係属出願第929,455号に記載され
ている。簡潔に言えば、ひだ寄せしたスチックをひだ解
きし、膨脹させ、内部に位置させたプラスチックディス
クを越えて漸次速度60ft/分(18m/分)で引っ張って横
断方向に伸長し及びサイジングする。生成した包装した
が未加工の食品生成物の上流端にギャザーを取ってクリ
ップし及び充填した長さ、例えば3〜6フィート(0.9
〜1.8m)のセクションに切断する。
ケーシング製品の燻液コーティングとプラスチックサイ
ジングディスクの先導表面との間の連続した摩擦接触に
もかかわらず、この商業運転の間、タールコーティング
はディスク先導表面上に現われない。後で考え及び本発
明が直面し及び克服する問題に基づけば、各々のサイジ
ングディスクは長さ約175ft(53m)の1つのケーシング
スチックと共に用いられるにすぎず、次いで捨てられる
ことから、これはおそらく一部分であろう。
タール含有燻液は、木材を管理して部分酸化して着色及
び香気成分及びタールを含有する蒸気を形成し、この蒸
気を水中の凝縮物として回収することによって作り、及
びそれの全酸含量によって分類される。本明細書中以降
で詳細に説明する通りに、全酸含量は製造したままの燻
液の吸収能或は着色力の定性的尺度である。セルロース
系ケーシングに含浸させる場合、全酸含量の高い燻液
程、全酸含量の低い燻液に比べて、一層香気があり及び
一層暗く着色したケーシングをもたらし、包装食品生成
物の表面を一層暗くする。
木材由来の燻液を製造する間、全酸含量はモニターされ
及び燻煙を一層凝縮物として回収するにつれて増大す
る。全酸含量を増大するのに加えて、タール様成分の濃
度もまた増大する。高い酸含量−香気が一層強く及び着
色が一層暗い燻液のこの望ましくない態様は、pHの一層
低い−酸性度の一層高い環境におけるタールの溶解度が
増大することによる。この関係を第1図に示す。
タール含量が約3重量%より少なく、酸含量が約6%よ
り少ない木材由来の燻液の場合、水で希釈してその透明
性を保つ安定な溶液になる。しかし、酸含量が高い、こ
れよりタール含量の高い燻液の場合、水希釈は可溶性タ
ールを沈殿させる。これは、pHを酸性度の高いそのまま
の煙の初めの低い値から上げるにつれて、酸環境が変え
られることによる。タール溶解度は減少され及びタール
は、安定な溶解度レベルに達するまで溶液から沈殿す
る。第1図を参照すれば、カーブは種々の酸含量の水性
燻液についてのこのタール溶解度限界を示す。カーブの
左側の混合物はタールを更に沈殿し及びカーブの右側の
混合物は安定である。
上述した酸含量の高い燻液と水との不混和性を、当業者
は「ショッキング」と呼ぶ。木材由来の燻液に水希釈に
よってショックを与えれば、乳白色になる。すぐにター
ル滴が凝集して沈殿する。
いくつかのタイプの食品充填装置、例えばフタバの「リ
ールパック(Reel Pak)」ハムスタッファーでは、巻取
っていない繊維質セルロース系ケーシングの内及び外面
と所定の装置部材との間に反復した摩擦接触がある。第
2図に示すように、ハムをケーシングの内側に充填する
製法において、長手方向移動シャットルが開放したケー
シング内に位置され、かつまたケーシングを充填位置に
移動させる。繊維質セルロースケーシングの各々のリー
ルは長さがおよそ1000〜1500フィート(300〜450m)或
はそれ以上であり、それで、シャットル及びローラー、
クランプ及びシャットルと巻取ったケーシング供給との
間の他の機械表面が長いケーシング節(length)と反復
摩擦接触する。例えば、8時間のシフト及び8ハム/分
の生産速度に基づけば、フタバシャットルは約6,000〜
8,000フィート(1,800〜2,400m)の繊維質セルロース系
ケーシングの内及び外面に接触する。対照して、上述し
たシャーマチック600Aひだ寄せスチックケーシング製品
における各々のサイジングディスクはひだ解きしたケー
シング端部に移植されてその特定のスチックにおいて約
175〜200フィート(53〜60m)のケーシング内面に接触
するだけで捨てられる。
フタバとシャーマチック600Aタイプのスタッフィング系
との間の別の差異は、繊維質セルロース系ケーシングが
フタバにおいて一層物理的酷使を受ける。すなわち、曲
げ及び伸張の形で一層変形を受けることである。その結
果、フタバの系はこの変形に耐えるために一層可塑化ケ
ーシングを必要とする。特に、物理的な損傷を回避する
ため及び高速生産のために、フタバ充填の場合の繊維質
セルロース系ケーシングはシャーマチック600A充填より
も約8%多い水分(BDセルロース基準)を持たなければ
ならないことが求められた。他方、過剰の水分は、取扱
い問題を引き起こす表面水分及びコアーからの滲出を最
少にするために、避けるべきである。このことは、ケー
シングを極端な酷使及び過度の張力に暴露させるこのタ
イプの装置で充填するためには、繊維質セルロース系ケ
ーシング含水量約40〜約65%を必要とすることを意味す
る。この特性の好ましいバランスは約45〜約55%の乾燥
セルロースの含水量である。
所定の最終用途について、燻液を含浸させた繊維質ケー
シングは相対的に暗い色及び/又は強い燻煙香気を被包
装食物に付与する能力を持たなければならない。すなわ
ち、ケーシングは340nmの波長において少なくとも約0.4
の吸収指数を持たなければならない。他方、繊維質セル
ロース系ケーシングは、損傷、すなわち破損しないで充
填するために、縦方向に強く及び横断方向に伸縮性でな
ければならず、このことは前に説明した通りに比較的高
い水分を必要とする。また、食品加工業者の便宜のた
め、加工業者が充填する前に更に加湿する必要のないよ
うに、「ソークしない」タイプとしてケーシング製造業
者は、好ましくは、充填するために要する水分を入れ
る。
これらの要求の間には不一致がある、というのは、含浸
が所望の吸収指数を実現するのに必要とする高い酸性の
燻液の水分は、同時に繊維質セルロース系ケーシングに
必要とする含水量を付与する程でないからである。例え
ば、全酸含量12%の購入したままの(そのままの)「チ
ャーゾルC−12」燻液を用いて繊維質セルロース系ケー
シングにおいて吸収指数0.4を得るには、装填してケー
シング内面上に所望の含浸コーティングを達成するため
12mg/in2(1.9mg/cm2)の燻液を要する。生成する燻液
含浸ケーシングの含水量は約24重量%のH2O(BDセルロ
ース)になり、ケーシングを損傷しないで充填するのに
要する40重量%のH2Oの下方限界より相当に低くなる。
燻液含浸処理を1より多く用いることが可能であること
はもち論であるが、これは非効率的であり及び費用がか
かる。また、2或はそれ以上の燻煙処理は追加の問題を
導入する。というのは、購入したままの燻液の各々は活
性燻煙成分と水との特有の比を有しており、及び燻煙を
含浸させたケーシングにおいて必要とする活性な燻煙成
分:水の異なる比を達成するのが困難であるからであ
る。
これらの理由で、初めに所望の吸収指数のために要する
燻液量を導入し、次いで燻液含浸ケーシングをさらに加
湿して必要とする水分にすることによって燻液含浸繊維
質セルロース系ケーシングを製造することが好ましい。
しかし、これを行う場合、タール溶解度限界を超え及び
第1図に関して説明した理由でタール粒子が燻煙コーテ
ィング及びセルロース壁内に沈殿する。その結果、更に
加湿した燻液含浸繊維質セルロース系ケーシングは、そ
の内面上の高いレベルの燻煙及び沈殿タール成分を特徴
とする。これは、例で立証する通りに、燻液がその全タ
ール含量を有する購入したままのタイプである場合に及
びまた程度は小さくなるが、タールを一部除いてタール
の減少した燻液を含浸液として与える場合にも起きる。
また、購入したままのpHの低い可溶性タール含有燻液
を、ケーシング壁に含浸させる前に、塩基と接触させて
中和し、現場でタール沈殿させ、更に塩基を加えてpHを
上げてタールを再溶解させる場合にも同じ現象が起きる
ことが立証されよう。
しかし、購入したままの燻液及びタールの減少した燻液
に由来する沈殿タールがpHの高い再溶解タール含有燻液
に由来する沈殿タールと明瞭に異なることが更に立証さ
れよう。この差異(質量分析計で測定する通りの原子質
量単位の分布に基づく)は発明の重要な面である。
クイロンC剥離助剤第1コーティング−ヒッコリースー
パースモーク第2コーティング、繊維質セルロース系ケ
ーシング製品をリールの形で、第2図のタイプのフタバ
装置で商業的に用いてハムを充填した。燻液をケーシン
グ内面に含浸させた後に、製品を更に加湿して水分約52
%(BDセルロース)にした。この商業運転で、30分運転
し及び約450フィート(140m)のケーシングを消費した
だけで、フタバタイプの装置のシャットル及びその他の
上流部材上に相当のタールの堆積があった。フタバ系で
使用したケーシングを予備穿孔して充填する間に空気を
放出させるので、ケーシング壁部を通る開口があり、タ
ールをケーシング外面に移行させ及びこの表面に接する
機械部分に堆積させる。ガイドローラー、クランプ及び
その他の機械部材、並びにシャットル上に十分タールが
堆積した際に、タールはつぎつぎに取れ及びケーシング
を斑点でおおい始め、ハムをしみだらけにさせ或は暗い
斑点でおおわせる傾向にあった。食品加工業者はその問
題を、シャットル及びその他の表面を洗浄するために運
転停止して終局的にケーシングが結合するのを避けるこ
とを必要とする程に重要であるとみなした。
発明の目的 本発明の目的は、内面に付着した第1剥離助剤コーティ
ング及び燻煙色及び香気を被包装食品に移すため少なく
とも0.4のケーシング吸収指数をもたらす、第1剥離助
剤コーティングをおおう第2の木材由来の燻液コーティ
ングを有する繊維質セルロース系ケーシング製品を提供
するにあり、ケーシングは充填する間に破損せず及び燻
液コーティングとケーシングの内及び外面に接触する充
填装置部分との間の「反復摩擦接触」上にタールの堆積
を引き起こさせないでストレッチフレキシビリティをも
たらす程の水分を有する。
別の目的は多数の燻液含浸工程を必要としない前述した
ケーシング製品を製造する効率的な方法を提供するにあ
る。
なお別の目的は、前述したケーシング製品を用い及びた
とえ充填装置部分及び燻液コーティングがプロセスの間
に反復摩擦接触を有するとしても充填装置部分にタール
堆積問題を経験せずに、ハム等の包装食物を製造する方
法を提供するにある。
本発明の他の目的及び利点は、次の開示及び特許請求の
範囲の記載から明らかになるものと思う。
本明細書中で用いる通りの「反復摩擦接触」は、繊維質
セルロース系ケーシングの内及び/又は外面上の少なく
とも450の直線フィート(140m)の燻液コーティング或
はその同等物が充填装置の少なくとも一部と移動摩擦接
触していることを意味する。この摩擦接触は連続及び一
方向性になり得、そのため、450フィートのケーシング
を必要とするにすぎない。代って、摩擦接触は不連続及
び一方向性になり得、それで450フィートより多くのケ
ーシングを必要とする。それ以上の変法として、摩擦接
触は二方向性(すなわち、反対方向)になり得、連続な
らば、225フィート(69m)のケーシングを必要とするだ
けである。
本明細書中、反復摩擦接触を、特に、ケーシングをリー
ルからフラットな形で引き出すフタバタイプの系に関し
て説明するが、反復摩擦接触は、また、ケーシングをひ
だ寄せしたスチックの形で供給する所定のタイプの食品
充填系でも起き得る。例えば、ティーパックインコーポ
レーテッドが市販しているT−Sizerは、(シャーマチ
ック600Aシステムと異なり)機械のパーマネント部分で
あるサイジングディスクを採用する。T−Sizerシステ
ムにおいて、反復摩擦接触は、少なくとも450フィート
の結合フラット長さを有する複数のスチックを連続的に
同じ機械に装着したサイジングディスクに接触させる場
合に起きる。恒久的に装着したサイジング手段を有する
この一般的なタイプの充填装置はマーチネック(Martin
ek)に係る米国特許4,558,488号に記載されている。
発明の構成 本発明に従えば、乾燥セルロース重量に基づいて約40〜
約65%の含水量及びケーシング内面に付着した第1ケテ
ン二量体剥離助剤コーティングを有する繊維強化セルロ
ース系ケーシング製品を提供する。第2の木材由来のタ
ール含有燻液コーティングを第1ケテン二量体剥離助剤
コーティング上に重ね及び後者に含浸させる。含浸させ
るタール含有燻液コーティングは少なくとも約0.4のケ
ーシング吸収指数をもたらす程の量であり、約400原子
質量単位より小さい(好ましくは約200〜約250の原子質
量単位)単一モードの質量分析分布を有するタールを第
1及び第2コーティングに及びケーシング壁内に沈殿さ
せる。ケーシングpHは約2〜約8.5であるのが好まし
い。
発明の別の態様は、前のパラグラフにおいて記載したタ
イプの予備加湿した、充填する準備のできた、木材由来
のタール含有燻液を含浸させた可剥性繊維強化セルロー
ス系ケーシング製品を製造するのに用いることができる
方法である。この方法は下記の工程を含む: (a) 繊維強化セルロース系ケーシングを用意し、 (b) 第1ケテン二量体剥離助剤コーティングをケー
シング内面に少なくとも約0.05mg/in2(0.0078mg/cm2)
の塗布量で塗布し、 (c) 全酸含量少なくとも約11.5%を有する水性燻液
からの第2の木材由来のタール含有燻液コーティングを
水溶液からの該第1ケテン二量体剥離助剤コーティング
上に中に及びセルロース壁に含浸させるために塗布す
る。
第2の燻液コーティングを、少なくとも約0.4のケーシ
ング吸収指数をもたらし及び製品の含水量を約25〜約35
重量%の乾燥セルロースに増大させる程の量で塗布す
る。次いで、製品を更に加湿して含水量約40〜約65%の
乾燥セルロースとし、それで約400原子質量単位より小
さい単一モードの質量分析分布を有するタールを第1及
び第2コーティングの各々に、またケーシング壁の内部
に沈殿させるようにする。
発明のなお別の態様は、一部がケーシング内面上の燻液
コーティングと反復摩擦接触している充填装置を使用し
て、食品マス、例えばハムを、木材由来のタール含有燻
液を被覆した繊維強化可剥性セルロース系ケーシングに
充填する方法に関する。この方法では、充填装置の少な
くとも一部を前記ケーシング製品の燻液コーティングと
反復摩擦接触する状態に置き、タールは実質的に燻液コ
ーティングから充填装置部分に移らない。食品マスをケ
ーシン製品に充填する。充填装置部分は、開放ケーシン
グ端をシャットル外面を内側にして及び反復摩擦接触の
少なくとも一部として燻液コーティングと連続的に摩擦
関係しながら水平に移動させる水平に移動するシャット
ルにすることができる。好ましい実施態様では、ケーシ
ングを長さ少なくとも450フィート(140m)のフラット
な巻装体で提供する。食品マスを高温で加工した後に、
食品加工業者或は終局的には消費者はケーシングを加工
した食品マスから剥離することができる。
別の一層特定のプロセス態様では、前述したセルロース
系ケーシング製品を少なくとも約450フィート(140m)
の長さを有するフラットな巻装体で用いて、包装ハム生
成物を作る。フラットなケーシング製品の開放端を繰出
し及びケーシングの内表面を第1位置にある水平方向に
往復動する円筒形状のシャットルの一端を越えて伸ば
す。ケーシング開放端−シャットルアセンブリーを第1
位置から第2位置に水平に移動させる。ケーシング開放
端を充填ホーンの第1端のまわりに被せて第2位置でそ
れに固定する。
ハム製品を充填ホーンの開放第2端の中に及び外方向に
ケーシング第1端の中に押し通してケーシング製品自体
の中に入れる。ハムを取囲むケーシング製品を初めにハ
ムとホーンの第1端との間の長手方向位置で結束して第
1閉鎖端を形成する。シャットルをケーシング製品に通
して第2位置からケーシング燻液コーティングと反復摩
擦接触させながら水平方向に第1位置に後退させる。
第1結束ハム収容ケーシング製品を後退させたシャット
ルとハムを取囲むケーシング製品との間の長手方向位置
で第2結束する。今結束した第2端部と後退したシャッ
トルの間で第2結束製品を切断する。第1結束及び第2
結束し及び切断したハム収容製品を包装食品生成物とし
て取り出す。次いで、前述した工程を巻装ケーシング製
品の追加セクション及び追加のハムにより、巻装ケーシ
ング製品をからにするまで繰り返す。
比較試験によって立証する通りに、(上述した方法によ
って作った)本製品は、クイロンタイプの剥離助剤製品
よりも、燻液コーティングと反復摩擦接触する表面上に
タールが付着及び堆積するのを実質的に回避する意味で
優れている。同じ利点は、ハムをフタバタイプの充填機
械に入れるのに用いた際に、立証された。すなわち、続
けた商業運転では、機械シャットル及びその他の機械部
分上に認め得るタールの堆積はなかった。
(発明の具体的な説明) 下記の表現及び用語は本発明の説明の目的で使用され、
チウ氏の米国特許第4592918号に記載の方法で測定され
るものとする。全酸含有率、全酸度、全固形分、光透過
率、吸収能及び吸収指数。
表Aは市販の木材由来の燻液の若干のものとそれらの特
性を挙げている。これらの燻液は本発明の実施に有用で
ある。
燻液分野では色と燻香の転写がpHの増大と共に減じるも
のと認識されている。さらに、セルロースケーシングは
pHが増大すると強度を減じることが知られている。これ
らの理由で本発明の繊維補強セルロースケーシング物品
のpHは約3〜約5である。
本発明の好ましい実施例では、セルロースケーシング物
品の吸収指数は少なくとも約1であり、これにより相当
に濃い燻煙色及び燻香を処理中の収容された食品に与え
る。この目的で、好ましい燻液は表Aに示したSuper Sm
okeである。
本発明で使用される剥離助剤コーティングは一般式 の長鎖脂肪酸から誘導されるケテン二量体から形成され
る(ここにR1、R2は飽和または不飽和アルキルで、炭素
数が少なくとも8個、好ましくは12〜18個である)。Aq
uapel 421(商品名)はR1、R2がいずれも炭素数18個のオ
レイン酸のケテン二量体である。他の適当なケテン二量
体にはAquapel 360XCがあり、このものはC16‐C18アル
キル基を有すると考えられ、パルミチン酸及びステアリ
ン酸ケテンの混合物から生成される。ケテン二量体は例
えば米国特許第3905397号に記載されている。
ここに言及するQuilon型剥離助剤はC14‐C18脂肪酸から
導かれる例えばステアラトクロミッククロライド等の水
溶性脂肪族クロム錯体である。
処理装置と処理方法 第2図には前に述べたハム充填装置が示されている。第
2図は充填されたハム製品の第2クリッピング(結束)
工程の装置の状態を示しているが、全体の動作は以下の
説明から明らかにする。リールに巻装した形の扁平化し
た繊維質セルロースケーシング10を装置の左側に水平に
支持し、その一端を繰出し円筒ロール11の上方に通し、
次いで一連の横断方向に配置したロール12を経て大型ケ
ーシング締付具13に通し、次いで上方突出位置にあるケ
ーシング引張シリンダ14に通す。このシリンダ14は扁平
ケーシングを上方に変位させて後述のように長手方向に
後退させる。
扁平ケーシング15は小型のケーシング締付具16のところ
を通過して元の水平位置に戻る。締付具16はケーシング
を水平に配置する解放位置にあり、大型のケーシング締
付具13は閉鎖位置にある様子が示されている。水平に配
置された円筒状シャットル17が小型ケーシング締付具16
の直ぐ下流側に長手方向に沿って位置づけてあり、その
一端はケーシングの開放端18へ向けて延びている。開放
端18は外部から操作される把持機構(図示せず)により
シャットル17へ固定され、解放したケーシング部分を後
退している第2結束機構19と長手方向に離隔して設けら
れた第1結束機構20とを通過して1つの位置、すなわち
ケーシングの開放端が水平に配置された充填ノズル(ホ
ーン)22の開放端の周りを同心状に取囲む位置まで把持
機構により引張られる。
動作において、小型締付具16は閉鎖されたときにケーシ
ング15を拘束し、シャットル17はケーシング内表面の開
放端18の部分がシャットル先端部の周りに配置されるよ
うに位置づけられる。次いで、外部から作動される把持
機構がケーシング開放端18をシャットル17の外表面に締
付け、小型締付具16及び大型締付具13が開放されて把持
機構によるシャットル及びケーシング開放端のこの第1
位置から次の第2位置への移動が行われる。
第2位置において、ケーシング開放端及びシャットルは
充填ホーン22の第1開放端21により停止され、シャット
ル17はケーシング開放端を充填ホーンの開放端にかぶせ
る。充填ホーンのケーシング締付具24はケーシング開放
端を充填ホーンの外表面に固定する。シャットル17はケ
ーシングの燻液被覆と繰返して摩擦接触しながらケーシ
ング内を後退し、第2位置から第1位置へ戻される。
ハム23は圧縮棒26の作用でシャットル及びホーンと整列
した室25へすでに下降している。ハム23は充填シリンダ
27によりホーンの第2端28に向けて水平に押され、ホー
ン22を通してケーシングの開放端へ押入れられ、第1結
束具20と第2結束具19の間に縦長に位置づけられる。
クリップが第1結束具20によりケーシングの開放端に施
されてケーシングを閉じる。次いで大型締付具13が閉鎖
され、ケーシングは、図示のように扁平なケーシング部
分15の底に対して作用する引張シリンダ14の上端により
ケーシングの扁平部分を上に変位させることにより、水
平方向に後退せしめられる。ケーシングのこのような水
平方向の後退はケーシング内で圧縮されたハム製品29に
より停止される。ケーシングの第2端(後端)は引か
れ、第2結束具19によりクリップで閉鎖される。結束さ
れた第2端の上流側は図示しない切断具で切断され、充
填済のハム製品29は更に処理するために取外される。上
記のサイクルは反復される。典型的には、各ハムは長さ
約45cmのケーシングを必要とするから、約1000個のハム
製品には450mの長さのリール状に巻装したケーシングが
必要となる。
上記から、シャットル17はシャットルの後退工程とハム
圧縮工程中にケーシング内表面に繰返して摩擦接触する
ことが分る。従って、ケーシングの内表面はシャットル
の外表面と何度も摩擦接触することになり、この摩擦の
ためにタールがケーシングからシャットルへ移される可
能性が増す。すなわち、ケーシングの被覆された内壁に
埋込まれ且つそこから分離しうる上記のタール粒子等の
粒子の一部がこの繰返して起きる摩擦接触の間にシャッ
トルの外表面に移行する可能性がある。また、予穿孔し
た孔を通してケーシングの外表面へ移行するタールはこ
の外表面に接触する装置部分、すなわちロール12、大径
締付具13、ケーシング引張シリンダ14及び小径締付具16
等へ移動する。本発明の方法では、第2燻液被覆はケー
シングの水分を乾燥セルロース基準で約20〜約35%に増
大させる。より低い水分は開裂を増加させるので望まし
くないし、より高い水分はかなり希薄な燻液の使用を必
要とする不利益を生じる。好ましい水分は約25%〜約37
%である。
以下に実施例を詳しく説明する。
(実施例の説明) 実施例1 本例による一連の実験では、本発明による繊維質セルロ
ースケーシングが種々の燻液及び水分を用いてQuilon型
易剥離塗液で処理された繊維質セルロースケーシングと
比較された。実験装置としてはケーシング内壁と食品充
填装置の各部部材とが反復して摩擦接触するようなもの
を用いた。
より具体的に言うと、4種の異った塗布量のAquapel 42
1剥離液をスラッキング法(液塊をケーシング内に通す
方法)によりケーシング内壁に塗布した。同様にQuilon
易剥離塗液をAquapel 421塗液と同一または類似の塗布
量で施した。2種の異なった「入手したままの」タール
含有燻液をこれらの剥離液塗布ケーシング中に内面スラ
ッキング法により約38%の塗布量(乾燥セルロース基
準)で含浸した。これらの燻液は先きに述べたヒッコリ
ーSuper SmokeとRed Arrow C−12であった。これらのケ
ーシングの水分は約32重量%(乾燥セルロース基準)で
あった。剥離液塗布−燻液含浸ケーシングは次に10%及
び20%の水分(同じく乾燥セルロース(bone dry)基
準)を加えることにより更に湿した。
本発明の方法では、第2被覆を形成するのに燻液は所望
の十分に濃い燻煙色と燻香とを処理中の増大した食品中
で達成するために少なくとも約11.5%の全酸量を有す
る。
実験装置はナイロン円板を用いた。この円板は厚さが約
25mmで、先行縁が約15度に傾斜し長さが約19mmの傘状を
なすものであった。円板はその平面が膨張させたケーシ
ングの長手軸線に直角となるように位置決めしたときケ
ーシング径を約4〜5%半径方向に拡張させるような寸
法を有した。各実験に対して、90mのケーシングを内側
のナイロン円板にかぶせ、約75m/分の速度で引張った。
円板がケーシング内面にきつく嵌めるため、ケーシング
は傘状縁に対して繰返し摩擦接触しながら円板に沿って
移動し、それにより燻煙及びタールの固形分を円板に付
着した。円板上のタールの汚れを肉眼により観察し、こ
れを予め観察されている高水分易剥離剤被覆タール含有
燻液で含浸した繊維質ケーシングが食品充填装置の内面
接触部材にタール付着を生じる傾向と関連づけた。円板
に蓄積するタールと、同じケーシングを用いて実用のシ
ャットル(FUTABA FUT X−70充填機(商品名)に用いら
れるシャットル)に対するタール付着との比較に基づい
て、本実験での繰返し摩擦接触は実用装置による約135m
のケーシングの充填に相当することが分った。
これらの結果は表Bに挙げる。
表Bは燻液含浸後に更に湿しを行わなかったケーシング
がほとんど又は全然タール付着を生じなかったこと、す
なわち32重量%の水分が問題を生じないことを示す。後
期湿し工程はケーシング内表面及び内部にタール付着を
生じ、タールを繰返し摩擦接触表面にタール付着を生じ
ることが分る。しかし、すでに説明したように、この底
水分の繊維質ケーシングは或る種の食品充填装置におい
て機能できない。
表Bから、Quilon C剥離剤処理は0.04mg/in2の低塗布量
でも充填装置の摩擦接触表面に過剰なタール付着を生じ
ることが分る。これに対して、Aquapel剥離剤処理はタ
ール付着を抑制または大幅に減少させ、場合により完全
に防止し、それによって0.04mg/in2の塗布量以外のすべ
ての塗布量でタール付着の問題を軽減することが分る。
0.04mg/in2の塗布量ではタール付着が他の高い塗布量の
場合より多くなるが、少量過ぎるために市販の繊維質セ
ルロースケーシングに対する易剥離作用を信頼性良く達
成することはできない。この理由で第1のケテン二量体
剥離助剤被覆は少なくとも約0.05mg/in2(ケーシング内
表面)の割合で使用して効果を発揮させるべきことが分
る。
燻液含浸ケーシングであって剥離剤処理のないものは極
くわずかなタール付着を生じたが、すべてのタール含有
燻煙内面処理繊維質セルロースケーシングは剥離性を改
善するために何らかの内面処理を必要とする。
充填装置の反復摩擦接触表面へのタール付着を実質的に
防止するのにAquapel処理(約0.04mg/in2以上での)が
タール含有燻液含浸繊維質ケーシングに対して良好に作
用する理由は、化学的というよりは物理的な作用に求め
られる。若しも作用が化学的ならばすべてのAquapelと
燻液塗布量に対して同一になることが期待される。しか
し、表Bによれば作用はAquapelの塗布量、水分及び燻
液の種類による。
本発明の可能な機構は、2種の剥離剤処理において燻液
がセルロースケーシング内壁上の剥離剤塗膜を通して外
方へ浸透するという認識に基づいて説明できる。Quilon
に対しては燻液の含有酸が明らかにQuilonとセルロース
の結合を裂き、ケーシング表面から剥離剤の一部を抽出
してしまう。Quilon剥離剤の疎水性被覆はQuilonとセル
ロースの結合の不安定性によりやや多孔である。さらに
湿しを行うと、既述のようにタールが衝撃されて液相か
ら出て来る。浸透性Quilon層がセルロースケーシングに
浸透することができる。
これに対してAquapel剥離処理は燻液との接触では変化
または破壊されない不透過性の被覆を形成するものと思
われる。さらに湿しを行うと、衝撃されたタールはAqua
pelによる遮膜を容易に通過できずにセルロースケーシ
ングの繊維上に残留する。すなわち、含浸された燻液は
初めに剥離剤とセルロース遮膜の両者を通過できるが、
タールに対する衝撃による溶液からの分離が起きるとこ
れらの高粘度で高分子量の化合物はQuilonのような多孔
質被覆や低塗布量(0.04mg/in2)のAquapelのような部
分的遮膜のみを通過できるに過ぎない。
さらに湿しを行うと、燻液含浸セルロースケーシングで
あって剥離剤処理を行わないものはタール汚染の問題を
生じないが、これはタールがセルロースケーシングの繊
維上に残留するからである。これらのタールは繊維表面
上の被覆層には捕捉されない。
実施例2 本発明は第2図に示した装置(前記Futabaの充填装置)
でハムの充填を行う際に上首尾に実施された。
この実験において、推賞最大充填直径117mmの繊維質セ
ルロースケーシング(寸法71/2K)の内面にスラッキン
グ法で約0.52mg/in2のAquapel 421被覆を形成した。次
に、市販品のままのSuper Smoke燻液の被覆(燻液の酸
含有率15.5-16.5%、吸収能1.3)を、水溶液の内面スラ
ッギングにより第1剥離剤助剤被覆とセルロース壁に含
浸させることにより形成した。元のケーシングのpHは約
7であり、酸性燻液の含浸でケーシングのpHは約3に減
じた。被覆済ケーシングの吸収指数は約2.2であった。
元のケーシングは水分約15BD(乾燥セルロース基準)で
あった。また被覆済ケーシングは約32%BDであった。
2度被覆したケーシングはさらに約52%BDまで給水さ
れ、タールは第1及び第2被覆の各々、及びセルロース
ケーシング壁に析出した。肉眼でタールは小粒子状をな
していた。以下に実施例4に関して述べるように、ター
ルは約219原子質量単位の単一モード質量スペクトル分
布を有した。
このケーシング製造方法は、燻液吸収能が少なくとも0.
40で、全酸含有率が少なくとも12%の好ましいケーシン
グを製造する方法の例を示す。これらの量は処理工程中
に充填食品に充分な燻煙色と燻香が生じることを保証す
る。本例はさらに燻液の吸収能が少なくとも約0.60で全
酸含有率が少なくとも約15%となるような好ましいケー
シング製造方法を開示する。これらの量は処理された食
品に濃い燻煙色と十分な燻香を与えることを保証する。
得られた追加給水されたAquapel 421及びSuper Smoke燻
液被覆繊維質セルロースケーシングは扁平にされ、約45
0mの長さのリール状に巻装される。
リール状にされたケーシングは次に上記のFutaba充填装
置においてハムの包装に使用される。各リールは連続的
に使用されたが2リール(約900m)の使用後にもタール
のシャトルへの明白は付着は生じなかった。これは従来
のQuilon C剥離助剤被覆を用いたケーシングに約0.04mg
/in2の塗布量で塗布した場合の相当なタール付着に比し
て著しい改善であった。すでに述べたように、このター
ル付着はケーシングを約135m消費したときにすでに生じ
た。これらのケーシングの他のすべての特性は上記のAq
uapel 421被覆ケーシングに対してほぼ同一であった。
実施例3 実施例1の実験装置を用いて他の一連の実験を行い、ケ
ーシング内壁と充填装置の部材との繰返し摩擦接触を模
擬した。ここでは、木材由来の燻液被覆はCharsol C−1
0の市販品のままの燻液を用い、追加の処理を行った。
1つの例では溶剤抽出によりタールを除去し、次いで元
重量の3分の1に濃縮してタールのない、光透過率約70
%(590nmで)、及び吸収能約0.55の燻液にした。全酸
含有率は約16%であった。
Quilon C及びAquapel 421剥離助剤被覆を先ず実施例1
で用いた繊維質セルロースケーシングの内面に約0.39mg
/in2及び0.52mg/in2の塗布量でそれぞれ塗布し、次い
で、タール除去した上記燻液をこの第1剥離被覆上に約
39重量%(乾燥セルロース基準)の塗布量で塗布した。
こうして得られた被覆ケーシングは約35%BDであり、こ
れらをさらに湿して水分を約55%BDにした。このとき粒
状タールの析出が第1剥離助剤被覆内に生じ、また第2
燻液被覆内にも生じ、さらにセルロースケーシング壁を
通しても生じた(試料10、11)。しかし、タール粒子の
量と寸法は表Bのほぼ同等の剥離剤、燻液及び含水量を
有する試料よりも実質的に少なく且つ小さい。これは明
らかに本例で用いた含浸物件中の燻液のタール除去によ
るものである。これらの被覆ケーシングのpHは約3であ
った。
他の組の試料(No.12、13)は同じ繊維質セルロースケ
ーシングにAquapel 421被覆またはQuilon Cを形成した
ものに、市販Super Smoke燻液をそのまま被覆したもの
であった。各場合に、第1剥離助剤被覆をそれぞれ約0.
39及び0.52mg/in2の塗布量で塗布し、次いで約35重量%
の燻液塗布量で塗布し、それにより約3.8の吸収指数と
した。燻液を含浸する前に、これらの燻液は苛性フレー
クと混合され、それにより燻液の中和を行い、タールを
析出させた。燻液のpHはさらに約12に上昇され、析出し
たタールは再溶解された。この方法はスミス外の米国特
許第4442868号に記載がある。この再溶解したタール含
有燻液は第1剥離助剤被覆及びその下のセルロースケー
シング内面及び壁に含浸された。
他の一群の試料(No.14)はTeepak Inc.により製造され
たSmok-E(Zip)Redi-Reel繊維質ケーシング(商品名)
で含水量約70重量%BDのものを用いた。ケーシングのpH
が8.5以上であることと肉眼に観察から、スミス氏外の
米国特許第4442868号に記載された再溶解法がこの燻液
含浸ケーシングの製造に用いられたものと考えられる。
このケーシングはFutaba充填装置によりハムの充填にも
ちいられている。
タール含有及びタール除去セルロースケーシングと、タ
ール再溶解セルロースケーシングとの間には、視覚的に
タール形態の差が生じる。前者ではタールは均一粒子形
を示し、後者ではタールはすじ状の斑の形状を示す。
タール除去した燻液又は再溶解タール被覆と、Smok-E R
edi-Reel再溶解タール型の被覆とを二重に被覆したケー
シングは、次に実施例1で用いた繰返し摩擦接触法によ
りケーシング内のナイロン円板へのタール付着を試験さ
れた。この結果を表Bと同一の定性評価により表わして
表Cに示した。
上の表Cからタール除去燻液の使用にもかかわらずター
ル付着はQuilon Cが第1剥離助剤被覆のときに生じるこ
とが分る。しかし、Aquapel 421ではタール付着が生じ
ないことが分る。両者の差は肉眼で顕著に表われた。
再溶解タールの高pH試料ではタール付着はQuilon Cでも
Aquapel 421でも濃く生じた。従って本発明は第1のケ
テン2量体剥離剤被覆と第2のタール含有燻液含浸繊維
強化セルロースケーシング(ただしpH約8.5以上のも
の)との2重被覆型のものには有効でないことがわか
る。
タール付着はSmok−Eの場合にもひどいが、これは特別
な注意が払われない限り、Smok-E Redi-Reel繊維質ケー
シングはシャトルその他反復摩擦接触表面にタール付着
を生じることを示している。この問題は従来水をこれら
の接触表面に連続して流すことにより可溶性タールを除
去することにより回避される。しかし、これを行うと燻
煙色と香気が減退し、燻液の効率的な利用が阻害され
る。タール含有水が存在することにより、さらにケーシ
ングの予穿孔した孔からの食肉汁抽出物が再循環された
ときにその汚染が生じる。
実施例4 上記の繊維質すなわち繊維強化セルロースケーシングの
表面ないし内部に形成される燻液由来のタールを特徴づ
けるために、各種タール試料を調製してその分子量を調
べた。これらのタール試料は上記のタール含有燻液処理
繊維強化セルロースケーシング(再溶解タール型の試料
の場合)から直接得るか、或いはSuper Smoke及びZesti
Smoke Code 12の市販品そのものから水抽出してタール
を析出させることにより得た。
より具体的には、タールを実施例1の試験装置のうち、
試料12(0.52mg/in2 Aquapel 421、Super Smoke pH12再
溶解タール)及び試料14(Smok−E pH8.5以上の再溶解
タール)からナイロン円板上に移行したものから取出し
た。これらを試料15、16とそれぞれ呼ぶことにする。タ
ールはまたSuper Smoke及びZesti Smoke Code 12の市販
品そのものを水で希釈してタールを析出させることによ
り取出した。残りのタール除去燻液を取出し、空乾し
た。これらのタール試料を試料17、18とそれぞれ呼ぶこ
とにする。
これら4種のタール試料を固体プローブを具備した質量
分析器(米国ニュージャージー州のKratos Analytical
Instruments Inc.製モデルMS-30)により分析した。イ
ソブタン化学イオン化検出モードを用い、試料を30℃、
1mmHgのチャンバーに入れた。温度を350℃に上昇する間
に10秒間隔でスペクトルを得た。原子質量単位(AMU)
を94〜850の範囲で変え、各試料に対するスペクトルを
平均化した。データを表Dに示す。
表Dを検討すると、試料15、16(pH8.5以上の再溶解タ
ール)は2値的であり、2つの明確な分子量分布を有す
る。大きい方の分布は約180AMUにあり、小さい方の分布
は約480AMUにある。この特性は両試料のものに合致して
いる。
これに対してタール含有燻液そのものから得たタール試
料は232AMUを中心とする単一分布を有する。本発明の目
的には単一モード質量分析分布を有するものを用いる。
好ましい実施例では、この分布は約200〜250AMUであ
る。
表Dによると、中和再溶解処理で得たタール(試料15、
16)と例えば第1図に示したような溶液から水で衝撃し
たタール(試料17、18)との間には明確な分子量分布の
差がある。単一モード質量分析分布(試料17、18の如
き)はまた溶剤抽出タール(試料10)にも見られる。
実施例1と共に実施例4を見ると、本発明の利益を得る
には本発明のケーシングとその製造方法において食肉充
填は約400AMU以下の単一モード質量分析分布を有するタ
ールの析出が必要である。
【図面の簡単な説明】
第1図はタール含有率と溶解度を木材由来燻液中の酸含
有率の関数として表示したグラフ、及び第2図はリール
巻きした繊維質セルロースケーシングにハムを充填する
ための装置の概略図である。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケーシング内面上に第1ケテン二量体剥離
    助剤コーティングを塗布しそしてその上に第2の木材由
    来のタール含有燻液コーティングを少なくとも0.4のケ
    ーシング吸収指数をもたらす程の量で塗布して得られる
    乾燥セルロース重量を基準にして40〜65%の含水量を有
    する繊維強化セルロース系ケーシング製品であって、該
    ケテン二量体は少なくとも8個の炭素原子のアルキル基
    を2つ有し、400原子質量単位より小さい単一モードの
    質量分析分布を有するタールを第1及び第2コーティン
    グに並びにケーシング壁内に沈殿させて有する繊維強化
    セルロース系ケーシング製品。
  2. 【請求項2】ケーシングがpH2〜8.5を有する特許請求の
    範囲第1項記載の繊維強化セルロース系ケーシング製
    品。
  3. 【請求項3】前記第1ケテン二量体剥離助剤コーティン
    グが炭素原子16〜18を含むアルキル基を有する特許請求
    の範囲第1項記載の繊維強化セルロース系ケーシング製
    品。
  4. 【請求項4】沈殿されたタールが粒状外観を有する特許
    請求の範囲第1項記載の繊維強化セルロース系ケーシン
    グ製品。
  5. 【請求項5】下記: (a) 繊維強化セルロース系ケーシングを準備し、 (b) 第1ケテン二量体剥離助剤コーティングをケー
    シング内面に少なくとも0.0078mg/cm2(0.05mg/in2)の
    塗布量で塗布し、該ケテン二量体は少なくとも8個の炭
    素原子の2つのアルキル基を有し、 (c) 全酸含量少なくとも11.5%を有する液体からの
    第2の木材由来のタール含有燻液コーティングを水溶液
    からの該第1ケテン二量体剥離助剤コーティング上にそ
    の中に及びセルロース壁中に含浸させるために、少なく
    とも0.4のケーシング吸収指数をもたらし並びに製品の
    含水量を25〜35%の乾燥セルロースに増大させる程の量
    で塗布し;更にケテン二量体及び燻液を被覆したケーシ
    ング製品を加湿して40〜65%の乾燥セルロースの含水量
    にし、それで400原子質量単位より小さい単一モードの
    質量分析分布を有するタールを第1及び第2コーティン
    グの各々に、またケーシング壁の内部に沈殿させるよう
    にする の工程を含む特許請求の範囲第1〜4項のいずれか一項
    記載の予備加湿した、充填する準備のできた、木材由来
    のタール含有燻液を含浸させた可剥性繊維強化セルロー
    ス系ケーシング製品の製造方法。
  6. 【請求項6】第1ケテン二量体剥離助剤コーティングを
    少なくとも0.016mg/ケーシング表面積1cm2(0.1mg/i
    n2)の塗布量で塗布する特許請求の範囲第5項記載の方
    法。
  7. 【請求項7】燻液が少なくとも0.4の吸収能をもたらす
    特許請求の範囲第5項記載の方法。
  8. 【請求項8】前記第2の木材由来のタール含有燻液コー
    ティングが少なくとも1のケーシング吸収指数をもたら
    す特許請求の範囲第5項記載の方法。
  9. 【請求項9】前記第2の木材由来のタール含有燻液コー
    ティングが前記ケーシングpHを3〜5に低下させる特許
    請求の範囲第5項記載の方法。
  10. 【請求項10】前記第2の木材由来のタール含有燻液コ
    ーティングが前記製品含水量を増大させて25〜37%の乾
    燥セルロースにする特許請求の範囲第5項記載の方法。
  11. 【請求項11】少なくとも一部が燻液コーティングとケ
    ーシング内面で反復摩擦接触する充填装置を使用して食
    品マスを木材由来のタール含有燻液を被覆した繊維強化
    可剥性セルロース系ケーシングに充填する方法におい
    て、 (a) 特許請求の範囲第1〜4項のいずれか一項記載
    の繊維強化セルロース系ケーシング製品を準備し、 (b) 充填装置の一部をケーシング製品の前記燻液コ
    ーティングと反復摩擦接触する状態に置き、タールは該
    燻液コーティングから充填装置部分に移らず、 (c) 食品マスをケーシング製品に充填する ことを特徴とする充填方法。
  12. 【請求項12】充填装置の一部が水平に往復動するシャ
    トルであり、該シャトルとケーシング開放端がシャトル
    外表面を内側にして且つ前記反復摩擦接触の少なくとも
    一部として前記燻液コーティングと連続的に関連しなが
    ら水平に移動する前記第11項記載の充填方法。
  13. 【請求項13】ハム充填製品を製造するに当り、 (a) 特許請求の範囲第1〜4項いずれか一項記載の
    繊維強化セルロース系ケーシング製品を扁平化した巻装
    体で準備し、 (b) 扁平化したケーシングの開放端を繰出して該開
    放端の内表面を第1位置にある水平方向に可動の円筒形
    シャトルの一端の周りに被せ、 (c) 前記開放端とシャトルの組合せを前記第1位置
    から第2位置へと移動させ、 (d) 前記第2位置において前記開放端を充填ホーン
    の第1開放端のまわりに被せて固定し、 (e) ハムを前記充填ホーンの第2開放端から前記第
    1端へと押出してハムを前記ケーシングへ押し入れ、 (f) 前記ハムと前記ホーンの第1端の長手方向中間
    位置で前記ケーシングを結束して第1閉鎖端を形成し、 (g) 前記シャトルを前記ケーシング内で第2位置か
    ら前記ケーシングの燻液コーティングと反復摩擦接触さ
    せながら水平方向に第1位置に後退させ、 (h) 前記後退したシャトルと前記ハムを取囲むケー
    シング部分との長手方向中間位置でケーシングを結束し
    て第2閉鎖端を形成し、 (i) 前記第2閉鎖端と後退した前記シャトルの間で
    前記ケーシングを切断し、 (j) 前記第1及び第2閉鎖端を有するハム含有ケー
    シング物品を取外し、以下前記工程(c)〜(i)を残
    りのケーシング部分に対して反復する 工程を含む方法。
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