JPH0742109B2 - 酸化インジウム粉の製造方法 - Google Patents

酸化インジウム粉の製造方法

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JPH0742109B2
JPH0742109B2 JP2417890A JP41789090A JPH0742109B2 JP H0742109 B2 JPH0742109 B2 JP H0742109B2 JP 2417890 A JP2417890 A JP 2417890A JP 41789090 A JP41789090 A JP 41789090A JP H0742109 B2 JPH0742109 B2 JP H0742109B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明導電膜形成用の高
密度ITO(酸化錫を含有する酸化インジウムのこと
で、Indium−Tin−Oxideの略称)スパッ
タリングターゲット製造用の原料粉である酸化インジウ
ム粉および高密度焼結体の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】酸化インジウムの製造方法としては下記
の諸法が提案されているが、未だ多くの解決すべき問題
点がある。
【0003】I)インジウム塩水溶液にアンモニア水、
水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリを添加して水酸化
物を得、これを乾燥後焼成して酸化インジウムを製造す
る方法である。この方法では生成する水酸化物はゲル状
で難▲ろ▼過性であり、また焼成して得られる酸化物も
硬い塊状であって、粉砕が極めて難しい。
【0004】II)次は、インジウムメタルあるいは塩
を直接酸化・分解して酸化インジウムを製造する方法で
あるが、この方法では塩の分解に際して多量の窒素酸化
物が発生するので環境上好ましくなく、またメタルの酸
化は塊の中心部まで十分に酸化することが難しい。更
に、この方法で得られる酸化物は硬い塊状であって、上
記したI)法同様に粉砕が極めて難しい。
【0005】III)次は、特開昭54−45697号
公報に記載されている方法であり、即ちインジウム塩溶
液に尿素を加えて加熱することによりアンモニアを発生
させて水酸化インジウムを生成させ、これを乾燥後焼成
して酸化インジウムを製造する方法である。
【0006】IV)次は、特開昭62−7627号公報
ならびに特開平1−290527号公報に記載の方法で
あり、即ち上記I)の方法で得られた水酸化物をアルコ
ールやアセトンで洗浄して解砕を容易にする方法、ある
いは有機溶媒を加え蒸留することにより溶媒置換を行な
う方法であるが、この方法では大量の有機溶剤を必要と
する。
【0007】しかしながら、上記のような従来の技術に
あっては多くの問題点があり、特に次のような欠点があ
る。
【0008】イ)上記I)及びII)の方法では、得ら
れた酸化物の粒径が粗く、かつ粒子が硬いため事実上微
粉砕できない。
【0009】ロ)次に、III)の方法では、長時間高
温を保持しないと粒子が生成されず、また該法で最終的
に得られる酸化物は特微的な針状に近い粒子の凝集体と
なる。この形態のままでは、例えば加圧成形法で成形す
る場合に成形性が悪く、成形体の最終特性に悪影響を及
ぼすことになる。
【0010】ハ)上記IV)の方法では、高価な有機溶
剤を大量に使用するため、著しくコスト高となる。
【0011】上記のように、従来技術には解決すべき多
くの問題点があり、致命的とも言えるイ)ロ)ハ)のよ
うな欠点がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術が有する多くの問題点や諸欠点を解消し、簡
単な解砕程度の処理で分散されて微粉化でき、かつ粒子
が配向性を持たずに一次粒子形状が球形に近い酸化イン
ジウム微粉末を低コストで製造する方法及びスパッタリ
ングターゲット用相対密度70%以上の高密度焼結体の
製造方法を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、インジウム塩
水溶液から酸化インジウムを製造するに際して、酸化イ
ンジウム合成中間物として炭酸インジウムの沈殿物を生
成させることによって易解砕性の酸化インジウムが製造
できるとの知見に基づき、鋭意研究の結果開発された技
術である。
【0014】即ち、第1の発明は、60℃以下のインジ
ウム塩水溶液に炭酸アルカリ,重炭酸アルカリのうちか
ら選ばれる少なくとも1種を加えて反応させた後、固液
分離し、得られた沈殿を乾燥,仮焼することを特徴とす
る比表面積20m/g以上の酸化インジウム粉の製造
方法であり、
【0015】第2の発明は、60℃以下のインジウム塩
水溶液に炭酸アルカリ,重炭酸アルカリのうちから選ば
れる少なくとも1種を加えて反応させた後、固液分離
し、得られた沈殿を乾燥,仮焼して得られた比表面積2
0m/g以上の酸化インジウム粉85〜95重量%と
酸化錫5〜15重量%とを混合してなることを特徴とす
る酸化錫添加酸化インジウム粉の製造方法である。
【0016】第3の発明は、60℃以下のインジウム塩
水溶液に炭酸アルカリ,重炭酸アルカリのうちから選ば
れる少なくとも1種を加えて反応させた後、固液分離
し、得られた沈殿を乾燥,仮焼して得られた比表面20
/以上の酸化インジウム粉85〜95重量%と酸化
錫5〜15重量%とを混合後加圧成形し、焼成すること
を特徴とするスパッタリングターゲット用相対密度70
%以上の高密度焼結体の製造方法である。
【0017】次に、本発明を詳細に説明する。
【0018】インジウム化合物の沈殿を生成させるに際
し、インジウム塩水溶液に炭酸アルカリあるいは重炭酸
アルカリのうちから選ばれた少なくとも1種、好ましく
はアンモニウム塩を沈殿剤として使用し、インジウム濃
度50〜80g/lの水溶液に1.2〜3.0当量の沈
殿剤を該水溶液の液温を40〜60℃に保持しながら添
加して反応させ、インジウム化合物の沈殿を生成させ
た。得られた沈殿物は、炭酸インジウムを主体とした化
合物である。このインジウム化合物の生成反応におい
て、液温が重要な条件であって、60℃を超える液温で
以上で反応させると水酸化インジウム主体の化合物が沈
殿生成する。
【0019】ここにおいて、本発明者等は、炭酸インジ
ウム主体の沈殿物と水酸化インジウム主体の沈殿物をべ
ースとして、両沈殿物を各々乾燥,仮焼して酸化インジ
ウムを製造し両者の特性を比較したところ、炭酸インジ
ウムを中間生成物として製造した酸化インジウムの方が
著しく易解砕性であり、また仮焼して得られた酸化イン
ジウムの比表面積値も極めて高いことを見出し、本発明
をなすに至ったのである。
【0020】上記の対比として、沈殿剤としてアンモニ
ア水を使用し、インジウム濃度70g/lのインジウム
塩水溶液を液温40〜60℃に保持して反応させインジ
ウム化合物を沈殿生成させたところ得られた沈殿物は水
酸化インジウムを主体とする化合物であった。この沈殿
物を乾燥、仮焼して上記同様に酸化インジウムを製造せ
しめたところ、硬い塊状体となり、粉砕し難く、比表面
積値も極めて低く、上記のような良好な酸化インジウム
は得られなかった。
【0021】次に、中間生成物として炭酸インジウムを
生成させて(即ち、本発明法によって)焼成温度を変化
させ、種々の比表面積値を有する微粉末を製造した。こ
の酸化インジウム粉の比表面積値を2m/gから55
/gの範囲に設定し、これに酸化錫粉末を各々5重
量%となるように添加,混合した後、コールドプレスで
1インチ径のテストピースを成形圧1Ton/cm
条件で成形した後、1500℃で60分間焼結し、各比
表面積値の試料に対応するテストピースの相対密度を測
定した。その結果を図1に示す。
【0022】図1は、横軸に原料粉比表面積値(m
g)を,縦軸に焼結体相対密度(%)をとり、原料粉比
表面積値と焼結体相対密度との関係(1500℃×60
分間焼成)を示したグラフであり、○印は成形圧1To
n/cm,●印は成形圧1.5Ton/cm,△印
は成形圧3.0Ton/cmの場合を示したものであ
る。
【0023】ITOターゲッ卜として使用される際に、
相対密度が60%以上、好ましくは70%以上であるこ
とが必要であり、相対密度が60%未満の場合は、消耗
速度が速く、また機械的強度が弱くて、使用時に熱衝撃
によって破壊し易く実用的でない。
【0024】本発明により供されるITOターゲット
は、図1からも解かるように、原料粉の比表面積値が1
0m/g以上で成形圧が1Ton/cm以上の場合
は、焼結体相対密度が60%以上となってほぼ実用的と
なり、更に比表面積値が20m/g以上の範囲ではそ
の相対密度がほぼ70%以上となり、更に30m/g
以上ではその相対密度が80%を超え、条件によっては
相対密度95%程度の高密度のターゲット材が得られる
のである。
【0025】上記のように、インジウム塩水溶液から酸
化インジウムを製造するに際して、中間生成物として炭
酸インジウム主体の沈殿物を生成させた後、洗浄,乾
燥,仮焼することにより、易解砕性の酸化インジウムを
製造することができる。従って、微粉砕処理が全く不要
で高密度の焼結体が得られ、しかも粉砕による汚染がな
いので高純度が保たれるのである。
【0026】
【実施例】実施例1 金属インジウム1000gを硝酸で溶解させてpH1.
0に調整した後、水を加えて14lのインジウム塩水溶
液を作り、別に沈殿剤として重炭酸アンモニウム329
0gを準備し、該インジウム塩水溶液に液温が60℃を
超えないように添加反応させて炭酸インジウムの沈殿を
生成させた。この沈殿を▲ろ▼別して水洗し100℃で
乾燥した後、表1に示す仮焼温度(500〜1100
℃)で仮焼し、解砕した後、酸化錫微粉末(比表面積値
4m/g)を各々5重量%になるように添加・混合し
た後、1〜3Ton/cmの成形圧で成形し、150
0℃で60分間焼成してITOの焼結体を試作した。ま
た、比較例として、沈殿剤としてアンモニア水(28%
濃度)を使用し、その他の諸条件は上記の本実施例と同
様として粉体及びその焼結体を試作した。
【0027】上記のようにして試作した本発明に係る焼
結体及び比較焼結体について焼結体相対密度を測定し
た。その結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】表1の結果から解るように、仮焼温度98
0℃以下で各成形圧(1〜3Ton/cm)で試作し
た焼結体No.3〜No.6の焼結体相対密度は60%
を超え、特にNo.4〜No.6では相対密度75%以
上となる。また、比較例No.7でも相対密度70%程
度の焼結体は得られるが、本発明法に係るNo.4,N
o.5,No.6と比較するとはるかに劣り、相対密度
を向上させ難いことが解る。
【0030】実施例2 実施例1と同様にして硝酸インジウム溶液と重炭酸アン
モニウムを準備し、炭酸インジウム沈殿を生成させる場
合の反応温度(液温)を20〜65℃の範囲で変化させ
て炭酸インジウム沈殿を生成させ、これを水洗,乾燥し
た後、更に仮焼温度を570℃,650℃,720℃,
900℃及び1000℃と変化させて仮焼し解砕した
後、実施例1同様に酸化錫微粉末を添加,混合し、成形
圧3.0Ton/cmで成形して1500℃で60分
間焼成し、ITOの焼結体を試作した。これら試作焼結
体の相対密度を測定し、炭酸インジウム湿式生成反応時
の反応温度と焼結体相対密度との関係を求めた。その結
果を図2に示す。
【0031】図2は横軸に反応温度(℃)を、縦軸に焼
結体相対密度(%)をとり、仮焼温度別にプロットした
反応温度と焼結体相対密度との関係を示したグラフであ
り、口印は仮焼温度570℃,△印は仮焼温度650
℃,●印は仮焼温度720℃,〇印は仮焼温度900
℃,▲印は仮焼温度1000℃の場合の曲線である。
【0032】図2から解るように、仮焼温度900℃以
下の場合、反応温度を60℃以下好ましくは35〜60
℃の範囲で炭酸インジウム沈殿を生成させることによ
り、得られた焼結体の相対密度はほぼ70%以上とな
る。また、反応温度40〜55℃の範囲では相対密度7
5%以上となり、仮焼温度550〜700℃の範囲で反
応温度40〜55℃の範囲では相対密度85%以上とな
ることが解る。
【0033】
【発明の効果】本発明法によれば、酸化インジウムを湿
式反応を用いて合成するに際し、中間生成物として、水
酸化インジウムではなく、炭酸インジウムを生成させる
ことによって酸化インジウムの解砕性が著しく向上さ
れ、結果的に微粉砕工程がほとんど必要なく、常温加圧
成形−常圧焼結プロセスによってスパッタリングターゲ
ット用相対密度70%以上の高密度焼結体が低コストで
製造することができるのである。
【0034】また、本発明法によれば、到達相対密度が
高く、粉砕による汚染が防止できるので、高純度の高密
度焼結体を製造することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】原料粉比表面積と焼結体相対密度との関係を示
すグラフである。
【図2】反応温度と焼結体相対密度との関係を示すグラ
フである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 60℃以下のインジウム塩水溶液に炭酸
    アルカリ,重炭酸アルカリのうちから選ばれる少なくと
    も1種を加えて反応させた後、固液分離し、得られた沈
    殿を乾燥,仮焼することを特徴とする比表面積20m
    /g以上の酸化インジウム粉の製造方法。
  2. 【請求項2】 60℃以下のインジウム塩水溶液に炭酸
    アルカリ,重炭酸アルカリのうちから選ばれる少なくと
    も1種を加えて反応させた後、固液分離し、得られた沈
    殿を乾燥,仮焼して得られた比表面積20m/g以上
    の酸化インジウム粉85〜95重量%と酸化錫5〜15
    重量%とを混合してなることを特徴とする酸化錫添加酸
    化インジウム粉の製造方法。
  3. 【請求項3】 60℃以下のインジウム塩水溶液に炭酸
    アルカリ,重炭酸アルカリのうちから選ばれる少なくと
    も1種を加えて反応させた後、固液分離し、得られた沈
    殿を乾燥,仮焼して得られた比表面積20m/g以上
    の酸化インジウム粉85〜95重量%と酸化錫5〜15
    重量%とを混合後加圧成形し、焼成することを特徴とす
    るスパッタリングターゲット用相対密度70%以上の高
    密度焼結体の製造方法。
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NL1004635C2 (nl) * 1995-12-06 1999-01-12 Sumitomo Chemical Co Indiumoxyde-tinoxydepoeders en werkwijze voor het voortbrengen daarvan.
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