JPH074308A - 鋼製組合せオイルリングのサイドレールおよびその製造方法 - Google Patents

鋼製組合せオイルリングのサイドレールおよびその製造方法

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JPH074308A
JPH074308A JP16847993A JP16847993A JPH074308A JP H074308 A JPH074308 A JP H074308A JP 16847993 A JP16847993 A JP 16847993A JP 16847993 A JP16847993 A JP 16847993A JP H074308 A JPH074308 A JP H074308A
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Akira Harayama
章 原山
Nobuyuki Kazama
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Teikoku Piston Ring Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 薄幅で、耐摩耗性、耐疲労強度、および耐折
損性が良好である鋼製組合せオイルリングのサイドレー
ルを提供する。 【構成】 鋼製組合せオイルリング1は上下一対のサイ
ドレール2,3と、スペーサエキスパンダ4とからな
る。鋼製サイドレール2,3の外周面にはイオン窒化層
13が形成されている。窒化層13はビッカース硬さで
V 700以上の硬さを有し、30〜100μmの厚さ
を有している。また、サイドレール2,3の内周面にも
イオン窒化層14が形成されている。この窒化層14は
ビッカース硬さでHV 700以上の硬さを有し、5〜2
0μmの厚さを有している。鋼製サイドレール2,3の
上下面15,16は母材面をなしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関に用いられる
鋼製組合せオイルリングのサイドレールおよびその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼製組合せオイルリングはスペーサエキ
スパンダと一対のサイドレールとからなっており、一対
のサイドレールがスペーサエキスパンダによって半径方
向外方に押圧されることによってシリンダの内壁面に押
し付けられ、シリンダ内壁面の余分なオイルを掻き取
る。この鋼製組合せオイルリングのサイドレールにも、
近年、内燃機関の高負荷化に伴って、窒化処理が行われ
るようになってきた(特公昭57−61888号公報あ
るいは特開昭58−136771号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】サイドレールの表面処
理が窒化の場合、窒化はガス窒化法や溶融塩法によって
行われている。この方法によれば、サイドレールは外周
面のみならず上下面および内周面も窒化されてしまい、
窒化層は全表面において大略同じ厚さに形成される。全
表面が窒化された薄幅のサイドレールは脆化するため、
折損強度が著しく低下し、サイドレールの薄幅化と高耐
摩耗性の要求に応えることができない。
【0004】サイドレールの上下面などに窒化層を設け
ないためには、窒化処理後機械加工で不必要な窒化部を
除去するか、窒化防止処理を施さねばならず、これらは
技術面でもコスト面でもデメリットが大きい。
【0005】他方、特開平4−181067号公報、特
開平4−362373号公報、および特開平5−448
40号公報には、外周面にのみ窒化層を形成し、他の表
面には窒化層を形成しない組合せオイルリングのサイド
レールや単体の圧縮リングが記載されている。
【0006】しかし、これまで、各表面に要求されてい
る所要の耐摩耗性に応じて、窒化層の厚さを変えたオイ
ルリングは知られていない。
【0007】本発明の目的は、薄幅で、耐摩耗性、耐疲
労強度、および耐折損性が良好である鋼製組合せオイル
リングのサイドレールおよびその製造方法を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の鋼製組合せオイ
ルリングのサイドレールは、スペーサエキスパンダと一
対のサイドレールとからなる鋼製組合せオイルリングの
サイドレールにおいて、前記サイドレールの外周面と内
周面とにのみ窒化層が形成されており、前記サイドレー
ルの外周面に形成されている窒化層の厚さが30〜10
0μmであり、前記サイドレールの内周面に形成されて
いる窒化層の厚さが5〜20μmであることを特徴とす
る。
【0009】また、本発明の鋼製組合せオイルリングの
サイドレールの製造方法は、サイドレール素材をコイル
状に巻いてコイルを製作する工程と、このコイルの外周
面と内周面を同時にイオン窒化する工程と、このイオン
窒化工程の前あるいは後に前記コイルの外周面をイオン
窒化する工程と、前記二つのイオン窒化工程後にコイル
を切断して合口を備えたサイドレールを得る工程と、サ
イドレールに仕上加工を施す工程とを備えていることを
特徴とする。
【0010】上記コイルの外周面と内周面を同時にイオ
ン窒化する工程は、コイルの軸方向において隣接してい
る面同士を互いに密着させ且つコイルの両端における各
開口をそれぞれ部分的に閉塞した状態でイオン窒化すれ
ばよい。また、上記コイルの外周面をイオン窒化する工
程は、コイルの軸方向において隣接している面同士を互
いに密着させ且つコイルの両端における各開口を閉塞し
た状態でイオン窒化すればよい。
【0011】窒化はコイルの段階で実施せずに、サイド
レールの段階で実施するようにしてもよい。すなわち、
サイドレール素材をコイル状に巻いてコイルを製作する
工程と、このコイルを切断して合口を備えたサイドレー
ルを得る工程と、このサイドレールの外周面と内周面を
同時にイオン窒化する工程と、このイオン窒化工程の前
あるいは後に前記サイドレールの外周面をイオン窒化す
る工程と、サイドレールに仕上加工を施す工程とを備え
ていることを特徴とする。
【0012】上記サイドレールの外周面と内周面を同時
にイオン窒化する工程は、積層された複数個のサイドレ
ールの両端における各開口をそれぞれ部分的に閉塞した
状態でイオン窒化すればよい。この場合、サイドレール
の合口が閉じられているのがよい。また、上記サイドレ
ールの外周面をイオン窒化する工程は、積層された複数
個のサイドレールの各合口を閉じるとともに積層された
複数個のサイドレールの両端における各開口を閉塞した
状態でイオン窒化すればよい。
【0013】
【作用】サイドレールの外周面に形成されている厚い窒
化層は、シリンダ内壁との摺動において耐摩耗性を発揮
する。サイドレールの内周面に形成されている薄い窒化
層は、スペーサエキスパンダとの摺動において耐摩耗性
を発揮する。内周面は耐摩耗性が外周面ほど要求されな
いので、内周面の窒化層は薄くてよい。内周面の窒化層
を薄くすることにより、耐折損性と耐摩耗性の両立を図
ることができる。上下面の耐摩耗性はサイドレール母材
が有している耐摩耗性で十分であるので、上下面に窒化
層を形成する必要はなく、これにより耐折損性が劣化し
ないと同時にアルミニウム合金製ピストンのオイルリン
グ溝の摩耗を防ぐこともできる。
【0014】外周面の窒化層の厚さはシリンダとの摺動
による摩耗寿命から30μm以上必要であり、耐折損性
から100μm以下がよい。内周面の窒化層の厚さはス
ペーサエキスパンダとの摺動による摩耗寿命から5μm
以上必要であり、耐折損性から20μm以下がよい。
【0015】本発明のサイドレールの製造方法によれ
ば、コイルあるいはサイドレールの外周面と内周面を同
時にイオン窒化する工程と、コイルあるいはサイドレー
ルの外周面をイオン窒化する工程とを備えていることに
より、窒化層が外周面で厚く、内周面で薄いサイドレー
ルを得ることができる。
【0016】そして、請求項7あるいは請求項10記載
のサイドレールの製造方法によれば、軸方向において隣
接している面同士を互いに密着させてイオン窒化するこ
とにより、上下面が窒化されないサイドレールを得るこ
とができる。また、イオン窒化炉内で生じた放電によっ
て発生した窒素イオンは、大部分がコイルあるいはサイ
ドレールの外周面の窒化に供され、一部分がコイルある
いは積層されているサイドレールの両端における各開口
の閉塞されていない部分を通って内周面側に移動し、コ
イルあるいはサイドレールの内周面を窒化する。したが
って、コイルあるいはサイドレールの外周面と内周面と
が窒化され、窒化層は外周面で厚く、内周面で薄く形成
される。
【0017】また、請求項8あるいは請求項12記載の
サイドレールの製造方法によれば、コイルあるいは積層
されているサイドレールの両端における各開口は閉塞さ
れているため、イオン窒化炉内で生じた放電によって発
生した窒素イオンはコイルあるいはサイドレールの外周
面の窒化に供される。その結果、コイルあるいはサイド
レールの外周面のみが窒化される。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1はシリンダに挿入したピストンのオイルリン
グ溝内に組み付けた鋼製組合せオイルリングを示す。ピ
ストン20のオイルリング溝21に装着された鋼製組合
せオイルリング1は、環状で合口を備えた上下一対の鋼
製サイドレール2,3(図2参照)と、環状で合口を備
えた鋼製スペーサエキスパンダ4とからなる。
【0019】スペーサエキスパンダ4は断面略コ字形状
をなしており、直立片5で連結されている上下片6,7
を備え、これらの上下片6,7の先端部に半径方向内側
斜めに延びているサイドレール押圧片8,9が設けられ
ている。
【0020】このスペーサエキスパンダ4は次のように
して形成される。図4に示されているように、薄鋼帯1
0の長手方向にオイル孔となる亀甲状の孔11を多数列
設し、これらの孔11の間の薄鋼帯の両側部に略V字状
のスリット12を設ける。そしてこの薄鋼帯10の幅方
向両側を屈曲線A−Aに沿って同一方向に略コ字形に屈
曲し、更に屈曲された部分の先端部を屈曲線B−Bに沿
って外方へ斜めに屈曲する。次に、所定の長さに切断し
たものをサイドレール押圧片8,9が内周側になるよう
にして環状に成形する。
【0021】鋼製組合せオイルリング1がピストン20
のオイルリング溝21に装着された状態では、スペーサ
エキスパンダ4の上下片6,7で一対のサイドレール
2,3が軸方向に離隔保持される。また、スペーサエキ
スパンダ4は圧縮された状態で装着されているため、一
対のサイドレール2,3がサイドレール押圧片8,9に
よって半径方向外方に押圧される。したがって、一対の
サイドレール2,3は外周摺動面がシリンダ30の内壁
31に一様に押圧密着されて、シリンダ内壁31の余分
なオイルを掻き落とす。また、一対のサイドレール2,
3は内周側の端部がオイルリング溝21の上下面22,
23に押圧密着されて、上下面22,23のシールがな
される。
【0022】サイドレール2,3は、図1に示されてい
るように、外周面と内周面とにのみイオン窒化層13,
14が形成されており、上下面15,16は母材面をな
している。
【0023】したがって、サイドレール2,3は外周面
にイオン窒化層13が形成されているので、シリンダ3
0の内壁31との摺動に対して耐摩耗性がよく、内周面
にイオン窒化層14が形成されているので、スペーサエ
キスパンダ4のサイドレール押圧片8,9との摺動に対
して耐摩耗性に優れている。また、上下面15,16は
母材面をなしているので、アルミニウム合金製ピストン
20に対しては接触面が軟らかい母材のためオイルリン
グ溝21の異常摩耗が発生し難い。
【0024】そして、図3に示すように、サイドレール
2は合口部の端面17と、上下面15,16との角部が
シャープエッジではなく、角部の全長にわたって面取り
が施されて曲率半径0.03mm〜0.3mmの面取り
部18が形成されている。図3は一方のサイドレール2
を示したが、もう一方のサイドレール3も同じように面
取り部が形成されている。このように、サイドレール
2,3は滑らかな面取り部を形成してあるので、オイル
リング溝21の上下面22,23に異常摩耗を引き起こ
すのが低減される。
【0025】また、両サイドレール2,3の内周面は、
サイドレール2,3の単独回転を防止するために、イオ
ン窒化前あるいは後にブラスト加工されて5〜20μm
の表面粗さを備えている。
【0026】以下、上記サイドレール2,3の製造方法
の一例を図5〜図8に基づいて説明する。Crが17重
量%含有されているマルテンサイト系ステンレス鋼線材
をコイル状に巻いてコイル40を製作し、このコイル4
0を治具の円筒体41(図5参照)の内部に挿入する。
次に、円筒体41内に挿入されているコイル40の両端
にそれぞれクランプ円板42,43を配設し、各クラン
プ円板42,43に形成されている中心孔にボルト部材
44の軸部45を挿通する。そしてボルト部材44の頭
部46が一方のクランプ円板43に当接した状態で他方
のクランプ円板42の中心孔を挿通する軸部45のねじ
部にナット47を螺着して締め付ける。コイル40がク
ランプ円板42,43の間にボルト部材44とナット4
7によって軸方向に締め付けられると、コイル40の軸
方向において隣接する面同士は互いに密着された状態に
なる。次に、一対のクランプ円板42,43の間に固定
されているコイル40からなるワーク48を円筒体41
から取り外す(図6参照)。
【0027】なお、前記ボルト部材44には、ねじ部が
形成されている軸部49が、一対のクランプ円板42,
43に挿通される軸部45と反対側に頭部46から突出
されている。
【0028】また、前記一対のクランプ円板42,43
には、コイル40の内周面を窒化するために、同一円上
に等間隔をおいて複数個の円弧形状の窒化用孔50,5
1がそれぞれ形成されている。
【0029】次いで、イオン窒化炉でコイル40の外周
面と内周面に窒化処理を行った。イオン窒化の条件は例
えば、 雰囲気ガス組成 窒素:水素=7:3 ワーク温度 580℃ 処理時間 3時間
【0030】上記イオン窒化処理において、コイル40
の軸方向において隣接する面は互いに密着されているの
で、コイル40の軸方向における面はイオン窒化されな
い。コイル40の外周面と内周面はイオン窒化される。
この場合、イオン窒化炉内で生じた放電によって発生し
た窒素イオンは、大部分がコイル40の外周面の窒化に
供され、一部分がクランプ円板42,43に形成されて
いる窒化用孔50,51を通ってコイル40の内周面側
に移動して、コイル40の内周面を窒化する。したがっ
て、窒化層はコイル40の外周面で厚く、内周面で薄く
形成される。これにより、ビッカース硬さHV 700以
上で、厚さが内周面で10μm、外周面で40μmのイ
オン窒化層を得た。クランプ円板42,43に形成する
窒化用孔の大きさ、分布等によって外周面と内周面に形
成される窒化層の厚さのバランスを調整できる。
【0031】次に、図7および図8に示されているよう
に、一対のクランプ円板42,43に円盤状の窒化用孔
閉塞部材52,53をそれぞれ配設してクランプ円板4
2,43の窒化用孔50,51を閉塞する。一方の窒化
用孔閉塞部材52は中央部にボルト部材44の軸部45
が挿通する貫通孔54を備えており、さらに底面の中央
部に軸部45に装着されるナット47が挿入される円形
の逃げ凹部55を備えている。この窒化用孔閉塞部材5
2はクランプ円板42,43と略同一の外径を有してお
り、前記ナット47の逃げ凹部55はクランプ円板42
の窒化用孔50よりも内側に配置されるように内径が形
成されている。
【0032】もう一方の窒化用孔閉塞部材53も同様に
形成されている。すなわち、窒化用孔閉塞部材53は中
央部にボルト部材44の軸部49が挿通する貫通孔56
を備えており、さらに底面の中央部にクランプ円板43
に当接しているボルト部材44の頭部46が挿入される
円形の逃げ凹部57を備えている。また、窒化用孔閉塞
部材53はクランプ円板42,43と略同一の外径を有
しており、前記ボルト部材44の頭部46の逃げ凹部5
7はクランプ円板43の窒化用孔51よりも内側に配置
されるように内径が形成されている。
【0033】各窒化用孔閉塞部材52,53は、ボルト
部材44の各軸部45,49に各貫通孔54,56を挿
入して一対のクランプ円板42,43の外側にそれぞれ
配置され、各窒化用孔閉塞部材52,53から突出する
軸部45,49のねじ部にナット58,59を螺着して
固定される。このようにして、一対のクランプ円板4
2,43の窒化用孔50,51がそれぞれ窒化用孔閉塞
部材52,53によって閉塞されたワーク60が完成さ
れる。
【0034】次いで、イオン窒化炉でコイル40の外周
面に窒化処理を行った。イオン窒化の条件は例えば、 雰囲気ガス組成 窒素:水素=7:3 ワーク温度 580℃ 処理時間 3時間
【0035】上記イオン窒化処理においては、一対のク
ランプ円板42,43に形成されている窒化用孔50,
51はそれぞれ窒化用孔閉塞部材52,53によって閉
塞されているため、イオン窒化炉内で生じた放電によっ
て発生した窒素イオンがコイル40の内周側に入らな
い。その結果、コイル40の外周面のみが窒化される。
これにより、ビッカース硬さHV 700以上で、厚さが
内周面で10μm、外周面で70μmのイオン窒化層を
得た。この外周面にのみ窒化するイオン窒化処理によっ
て、窒化層の厚さは内周面で変化せず、外周面で30μ
m増加した。
【0036】図9にイオン窒化層の深さ方向における硬
さ分布の一例を示す。
【0037】窒化処理後、窒化用孔閉塞部材52,53
とクランプ円板42,43を取り外し、コイル40を切
断して、合口を有する複数個のサイドレールを得た。そ
の後、サイドレールに通常の研磨加工(上下面の研磨、
外周面のラッピング等)を施して仕上げた。
【0038】上記実施例では、コイルの状態で窒化し
た。しかしながら、コイルを切断して複数個のサイドレ
ールを得た後、これらのサイドレールに窒化処理を行う
ようにしてもよい。
【0039】この場合、複数個のサイドレールは各合口
を閉じて窒化処理を行うために、上記コイル40の窒化
処理の際に使用した円筒体41に代えて、図10に示す
合口閉じ用治具61を使用する。この合口閉じ用治具6
1を使用する以外は上記コイル40の窒化処理と同じよ
うにして行う。合口閉じ用治具61は軸部62に回動可
能に取り付けられている一対の半割部材63,64を有
しており、一対の半割部材63,64はそれぞれ断面が
円弧形をなして、閉じられると円筒に形成される。一対
の半割部材63,64は先端部から突出しているフラン
ジ65,66をそれぞれ有しており、これらのフランジ
65,66にはそれぞれボルト孔が形成されている。し
たがって、一対の半割部材63,64の中に、複数個の
サイドレールが挿入されて積み重ねられた後、一対の半
割部材63,64がエアシリンダによって外周面を内側
に押圧される。その結果、各サイドレールが一対の半割
部材63,64によって締め付けられて各サイドレール
の合口が閉じられる。この状態で一対の半割部材63,
64のフランジ65,66のボルト孔にボルト67を挿
通し、ボルト67にナット68が装着される。その後、
上記エアシリンダの押圧が解除される。
【0040】次に、上記積層されたサイドレールの両端
に一対のクランプ円板42,43がボルト部材44とナ
ット47によって固定された後、合口閉じ用治具61を
取り外す。
【0041】次に、積層されているサイドレールに、前
記コイル40の窒化の場合と同じイオン窒化条件でイオ
ン窒化処理を施して、サイドレールの外周面と内周面を
窒化する。その後、一対のクランプ円板42,43にそ
れぞれ窒化用孔閉塞部材52,53を固定して各クラン
プ円板42,43の窒化用孔50,51を閉塞した状態
で、前記コイル40の窒化の場合と同じイオン窒化条件
で、サイドレールの外周面をさらに窒化する。
【0042】以上によって、サイドレールの外周面に厚
い窒化層が形成されるとともに、内周面に薄い窒化層が
形成される。
【0043】なお、上記実施例では、外周面と内周面を
窒化した後、さらに外周面を窒化する例を示したが、最
初、外周面を窒化し、その後に外周面と内周面をさらに
窒化するようにしてもよい。
【0044】この場合、前記窒化治具を使用する場合に
は、一対のクランプ円板42,43にそれぞれ窒化用孔
閉塞部材52,53を装着した状態で外周面を窒化した
後、窒化用孔閉塞部材52,53を取り除いて一対のク
ランプ円板42,43が装着された状態で外周面と内周
面をさらに窒化すればよい。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、薄
幅で、耐摩耗性、耐疲労強度、および耐折損性が良好で
ある鋼製組合せオイルリングのサイドレールを得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示し、シリンダに挿入した
ピストンのオイルリング溝内に装着した鋼製組合せオイ
ルリングを示す縦断面図である。
【図2】サイドレールの平面図である。
【図3】サイドレールの一方の合口端部の正面図であ
る。
【図4】スペーサエキスパンダ素材を示す平面図であ
る。
【図5】コイルが窒化治具に装着された状態を示す縦断
面図である。
【図6】図5の状態から円筒体が取り外された状態のワ
ークを示す斜視図である。
【図7】図6のワークに窒化用孔閉塞部材を取り付けた
状態を示す縦断面図である。
【図8】図6のワークに窒化用孔閉塞部材を取り付けた
状態を示す斜視図である。
【図9】イオン窒化層の深さ方向における硬さ分布の一
例を示すグラフである。
【図10】合口閉じ用治具を示し、(a)は平面図、
(b)は正面図である。
【符号の説明】
1 鋼製組合せオイルリング 2、3 サイドレール 4 スペーサエキスパンダ 5 直立片 6 上片 7 下片 8、9 サイドレール押圧片 10 薄鋼帯 11 亀孔状の孔 12 略V字状スリット 13、14 イオン窒化層 15 サイドレール上面 16 サイドレール下面 17 合口部端面 18 面取り部 20 ピストン 21 オイルリング溝 22 リング溝上面 23 リング溝下面 30 シリンダ 31 シリンダ内壁 40 コイル 41 円筒体 42、43 クランプ円板 44 ボルト部材 45、49 軸部 46 頭部 47、58、59 ナット 48、60 ワーク 50、51 窒化用孔 52、53 窒化用孔閉塞部材 54、56 貫通孔 55、57 逃げ凹部 61 合口閉じ用治具 62 軸部 63、64 半割部材 65、66 フランジ 67 ボルト 68 ナット

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スペーサエキスパンダと一対のサイドレ
    ールとからなる鋼製組合せオイルリングのサイドレール
    において、前記サイドレールの外周面と内周面とにのみ
    窒化層が形成されており、前記サイドレールの外周面に
    形成されている窒化層の厚さが30〜100μmであ
    り、前記サイドレールの内周面に形成されている窒化層
    の厚さが5〜20μmであることを特徴とする鋼製組合
    せオイルリングのサイドレール。
  2. 【請求項2】 前記サイドレールの上下面が母材面であ
    ることを特徴とする請求項1記載の鋼製組合せオイルリ
    ングのサイドレール。
  3. 【請求項3】 前記サイドレールの材質がCrを10重
    量%以上含有しているマルテンサイト系ステンレス鋼で
    あることを特徴とする請求項1または2記載の鋼製組合
    せオイルリングのサイドレール。
  4. 【請求項4】 前記サイドレールの合口部の端面と上下
    面との角部の少なくともピストンのオイルリング溝の壁
    面に接触する側に滑らかな面取り部を設けたことを特徴
    とする請求項1、2、または3記載の鋼製組合せオイル
    リングのサイドレール。
  5. 【請求項5】 前記サイドレールの内周面が5〜20μ
    mの表面粗さに形成されていることを特徴とする請求項
    1、2、3、または4記載の鋼製組合せオイルリングの
    サイドレール。
  6. 【請求項6】 サイドレール素材をコイル状に巻いてコ
    イルを製作する工程と、このコイルの外周面と内周面を
    同時にイオン窒化する工程と、このイオン窒化工程の前
    あるいは後に前記コイルの外周面をイオン窒化する工程
    と、前記二つのイオン窒化工程後にコイルを切断して合
    口を備えたサイドレールを得る工程と、サイドレールに
    仕上加工を施す工程とを備えていることを特徴とする鋼
    製組合せオイルリングのサイドレールの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記コイルの外周面と内周面を同時にイ
    オン窒化する工程が、コイルの軸方向において隣接して
    いる面同士を互いに密着させ且つコイルの両端における
    各開口をそれぞれ部分的に閉塞した状態でイオン窒化す
    ることを特徴とする請求項6記載の鋼製組合せオイルリ
    ングのサイドレールの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記コイルの外周面をイオン窒化する工
    程が、コイルの軸方向において隣接している面同士を互
    いに密着させ且つコイルの両端における各開口を閉塞し
    た状態でイオン窒化することを特徴とする請求項6記載
    の鋼製組合せオイルリングのサイドレールの製造方法。
  9. 【請求項9】 サイドレール素材をコイル状に巻いてコ
    イルを製作する工程と、このコイルを切断して合口を備
    えたサイドレールを得る工程と、このサイドレールの外
    周面と内周面を同時にイオン窒化する工程と、このイオ
    ン窒化工程の前あるいは後に前記サイドレールの外周面
    をイオン窒化する工程と、サイドレールに仕上加工を施
    す工程とを備えていることを特徴とする鋼製組合せオイ
    ルリングのサイドレールの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記サイドレールの外周面と内周面を
    同時にイオン窒化する工程が、積層された複数個のサイ
    ドレールの両端における各開口をそれぞれ部分的に閉塞
    した状態でイオン窒化することを特徴とする請求項9記
    載の鋼製組合せオイルリングのサイドレールの製造方
    法。
  11. 【請求項11】 前記サイドレールの合口が閉じられて
    いることを特徴とする請求項10記載の鋼製組合せオイ
    ルリングのサイドレールの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記サイドレールの外周面をイオン窒
    化する工程が、積層された複数個のサイドレールの各合
    口を閉じるとともに積層された複数個のサイドレールの
    両端における各開口を閉塞した状態でイオン窒化するこ
    とを特徴とする請求項9記載の鋼製組合せオイルリング
    のサイドレールの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6508473B1 (en) * 1999-04-07 2003-01-21 Teikoku Piston Ring Co., Ltd. Piston ring
JP2010084869A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Nippon Piston Ring Co Ltd オイルリング本体の製造方法
JP2015161011A (ja) * 2014-02-28 2015-09-07 学校法人 芝浦工業大学 高窒素固溶ステンレス鋼及び型材形成方法

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