JPH0743354B2 - 熱膨張振動を用いた試料評価方法 - Google Patents
熱膨張振動を用いた試料評価方法Info
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- JPH0743354B2 JPH0743354B2 JP3034316A JP3431691A JPH0743354B2 JP H0743354 B2 JPH0743354 B2 JP H0743354B2 JP 3034316 A JP3034316 A JP 3034316A JP 3431691 A JP3431691 A JP 3431691A JP H0743354 B2 JPH0743354 B2 JP H0743354B2
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Landscapes
- Investigating Or Analyzing Materials Using Thermal Means (AREA)
- Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は試料に周期的に強度変調
した励起光を照射し,これにより生じる試料表面の熱膨
張振動を測定して試料の欠陥等を評価する試料評価方法
に関する。
した励起光を照射し,これにより生じる試料表面の熱膨
張振動を測定して試料の欠陥等を評価する試料評価方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】試料に周期的に強度変調した励起光を照
射すると,試料はこの光の吸収により発熱し,これによ
り熱膨張する。照射光は周期的に強度変調しているた
め,発熱による試料の温度変化は周期的となり,試料は
熱膨張振動をおこす。これらの熱応答を計測することに
より試料を評価する手法は光音響計測技術として知られ
ている。図3はマイケルソン型レーザ光干渉法により試
料の熱膨張振動を計測する手法を示したものである(Mir
anda,APPLID OPTICS Vol.22,No18,P2882 (1983))。ここ
に61は被測定試料,62は試料に熱膨張振動を与える
ための励起光源であり,チョッパー63により励起光源
62からの光を強度変調し,試料61に照射する。この
熱膨張振動をレーザ光干渉法により計測する。そのため
に測定用レーザ64からの光を半透鏡65で二分し,一
方を,試料の熱膨張測定点に,他方を空間的に固定した
鏡66に照射させ,これらからの反射光を干渉させ光電
変換器67で受光する。光電変換器67からの電気出力
Eは次式で示される。 E=C1 +C2 cos (P(t)+φ)…(1) ここで,C1 ,C2 及びφは試料61や干渉計の構成や
光電変換係数等に依存する定数,P(t)は励起光照射
による熱膨張振動による試料の表面変位による位相変化
であり,この計測により試料の熱膨張振動(位相φ及び
振幅L)を計測し,試料の熱弾性的性質を評価するよう
になっている。図4は反射率計測法に基づく手法を示す
(特開昭61−2046)。励起レーザ30からの光を
変調器32により周期的に強度変調して試料22に照射
し,試料に周期的温度変化を与える。この温度変化が試
料に光反射率の周期的な変化をもたらす。この反射率の
変化を検出するために測定用レーザ50を,試料の温度
変化計測点(本図においては励起レーザ照射点と同位
置)にミラー36を通して照射し,その反射光を光検出
器56で検出する。この出力から信号処理回路58によ
り,反射率の変化を求めるようになっている。
射すると,試料はこの光の吸収により発熱し,これによ
り熱膨張する。照射光は周期的に強度変調しているた
め,発熱による試料の温度変化は周期的となり,試料は
熱膨張振動をおこす。これらの熱応答を計測することに
より試料を評価する手法は光音響計測技術として知られ
ている。図3はマイケルソン型レーザ光干渉法により試
料の熱膨張振動を計測する手法を示したものである(Mir
anda,APPLID OPTICS Vol.22,No18,P2882 (1983))。ここ
に61は被測定試料,62は試料に熱膨張振動を与える
ための励起光源であり,チョッパー63により励起光源
62からの光を強度変調し,試料61に照射する。この
熱膨張振動をレーザ光干渉法により計測する。そのため
に測定用レーザ64からの光を半透鏡65で二分し,一
方を,試料の熱膨張測定点に,他方を空間的に固定した
鏡66に照射させ,これらからの反射光を干渉させ光電
変換器67で受光する。光電変換器67からの電気出力
Eは次式で示される。 E=C1 +C2 cos (P(t)+φ)…(1) ここで,C1 ,C2 及びφは試料61や干渉計の構成や
光電変換係数等に依存する定数,P(t)は励起光照射
による熱膨張振動による試料の表面変位による位相変化
であり,この計測により試料の熱膨張振動(位相φ及び
振幅L)を計測し,試料の熱弾性的性質を評価するよう
になっている。図4は反射率計測法に基づく手法を示す
(特開昭61−2046)。励起レーザ30からの光を
変調器32により周期的に強度変調して試料22に照射
し,試料に周期的温度変化を与える。この温度変化が試
料に光反射率の周期的な変化をもたらす。この反射率の
変化を検出するために測定用レーザ50を,試料の温度
変化計測点(本図においては励起レーザ照射点と同位
置)にミラー36を通して照射し,その反射光を光検出
器56で検出する。この出力から信号処理回路58によ
り,反射率の変化を求めるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前者のマイケルソン型
レーザ光干渉により試料の熱膨張を計測する手法では,
前記式(1)における定数C1 ,C2 の外乱による変化
が測定精度を低下させる。例えば励起光照射による試料
の温度変化およびプラズマ(電子,ホール)密度の変化
(半導体試料の場合)により試料の反射率が変化する場
合がある。この場合,干渉光の信号は,反射率変化に伴
う外乱信号を含んでいることになり,干渉光の信号から
真の熱膨張信号を計測できない。また前者では,空気の
揺らぎや外乱振動があると,これらは(1)式の位相項
φの変動の原因となる。これが位相項P(t)の計測時
にノイズとなり,測定精度を低下させる。また,後者の
反射率計測法に基づく手法は,試料の温度変化,プラズ
マ密度変化の計測であるため,試料の熱膨張率等の熱弾
性的性質を得ることができない。また熱拡散長内の情報
しか得られないため,試料深部を評価できないという欠
点がある。更に基本的に温度変化にたいして,反射率が
変化する試料しか適用できない。従って本発明が目的と
するところは,試料の温度変化,プラズマ密度の変化等
による試料の反射率の変化その他の外乱の影響を受けず
に試料の真の熱膨張振動を計測することのできる熱膨張
振動による試料評価方法を提供することである。
レーザ光干渉により試料の熱膨張を計測する手法では,
前記式(1)における定数C1 ,C2 の外乱による変化
が測定精度を低下させる。例えば励起光照射による試料
の温度変化およびプラズマ(電子,ホール)密度の変化
(半導体試料の場合)により試料の反射率が変化する場
合がある。この場合,干渉光の信号は,反射率変化に伴
う外乱信号を含んでいることになり,干渉光の信号から
真の熱膨張信号を計測できない。また前者では,空気の
揺らぎや外乱振動があると,これらは(1)式の位相項
φの変動の原因となる。これが位相項P(t)の計測時
にノイズとなり,測定精度を低下させる。また,後者の
反射率計測法に基づく手法は,試料の温度変化,プラズ
マ密度変化の計測であるため,試料の熱膨張率等の熱弾
性的性質を得ることができない。また熱拡散長内の情報
しか得られないため,試料深部を評価できないという欠
点がある。更に基本的に温度変化にたいして,反射率が
変化する試料しか適用できない。従って本発明が目的と
するところは,試料の温度変化,プラズマ密度の変化等
による試料の反射率の変化その他の外乱の影響を受けず
に試料の真の熱膨張振動を計測することのできる熱膨張
振動による試料評価方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,本発明は,試料に周期的(周波数:F)に強度変調
した励起光を照射し,これによって生じる試料表面の熱
膨張振動を測定して試料を評価する方法において,前記
励起光照射によって熱膨張振動を生じる試料表面位置
に,振動周波数F1 なる測定光(ビーム1)を照射し,
その反射光と振動周波数F2 なる参照光(ビーム2)を
干渉させ,上記干渉光を光電変換した電気信号Eを得た
後,上記電気信号Eのビート波信号E1 (ビート周波
数:Fb (Fb =F1 −F2 ))を取り出し,上記ビー
ト波信号E1 を,該信号E 1 中に含まれる試料の反射率
の情報を取り除くように2値化処理して2値信号E2 に
変換し,上記信号E2 と周波数Fb なる局部発振信号E
3 を乗算した信号Vm の上記励起光の変調周波数Fの成
分Vs と,上記信号E2 に対し位相が90°異なる信号
E4 と周波数Fb なる局部発振信号E3 を乗算した信号
Vn の上記励起光の変調周波数Fの成分Vc とを抽出
し,上記成分Vs とVc とより試料の熱膨張振動による
ビーム1の位相変化P(t)のみを変数とする出力Vo
を演算し,このVoにより試料を評価することを特徴と
する熱膨張振動を用いた試料評価方法として構成されて
いる。
に,本発明は,試料に周期的(周波数:F)に強度変調
した励起光を照射し,これによって生じる試料表面の熱
膨張振動を測定して試料を評価する方法において,前記
励起光照射によって熱膨張振動を生じる試料表面位置
に,振動周波数F1 なる測定光(ビーム1)を照射し,
その反射光と振動周波数F2 なる参照光(ビーム2)を
干渉させ,上記干渉光を光電変換した電気信号Eを得た
後,上記電気信号Eのビート波信号E1 (ビート周波
数:Fb (Fb =F1 −F2 ))を取り出し,上記ビー
ト波信号E1 を,該信号E 1 中に含まれる試料の反射率
の情報を取り除くように2値化処理して2値信号E2 に
変換し,上記信号E2 と周波数Fb なる局部発振信号E
3 を乗算した信号Vm の上記励起光の変調周波数Fの成
分Vs と,上記信号E2 に対し位相が90°異なる信号
E4 と周波数Fb なる局部発振信号E3 を乗算した信号
Vn の上記励起光の変調周波数Fの成分Vc とを抽出
し,上記成分Vs とVc とより試料の熱膨張振動による
ビーム1の位相変化P(t)のみを変数とする出力Vo
を演算し,このVoにより試料を評価することを特徴と
する熱膨張振動を用いた試料評価方法として構成されて
いる。
【0005】
【実施例】続いて図1,図2を参照して本発明を具体化
した実施例につき説明する。ここに図1は一実施例装置
のブロック図,図2は試料の内部欠陥を検出する手法の
概念図である。尚,以下の実施例は本発明を具体化した
一例にすぎず,本発明の技術的範囲を限定する性格のも
のではない。図1に示す如く,試料4に熱膨張振動をあ
たえる励起レーザとして半導体レーザ1が用いられる。
同半導体レーザ1への注入電流の変化により,励起光を
周波数Fで強度変調し,ダイクロイックミラー2で反射
させ,レンズ3で集光し,試料4に照射する。試料4
は,この周期的な光照射により,周期的な加熱をうけ,
熱膨張振動をおこす。この熱膨張振動を次に述べるレー
ザ光干渉法で計測する。測定用レーザとして,He−N
eレーザ5が用いられる。この出射光を周波数シフター
6により偏光面が互いに直交し周波数差がFb (ビート
周波数)なる測定光(ビーム1:周波数F1 )と,参照
光(ビーム2: 周波数F2 =F1 +Fb)を生成する。
これらの光を偏光ビームスプリッタ7により2つに分
け,ビーム1をダイクロイックミラー2を透過させ,レ
ンズ3で集光し,試料4に照射し,ビーム2をミラー8
に照射する。ビーム1の試料4からの反射光は,1/4
波長板9を通過後,偏光面が90°変化するため,偏光
ビームスプリッタ7で,今度は反射する。同様にビーム
2のミラー8からの反射光は偏光ビームスプリッタ7を
透過する。これらのレーザ光は直交しているため偏光板
10を透過させることにより,これらのビームを干渉さ
せ,この干渉光を光電変換器11で受光する。光電変換
器11からの出力E(電気信号)をフィルタ12を通し
干渉光におけるビート波信号E1 を取り出す。このビー
ト波信号E1 は E1 =Acos (2πFb t+P(t)+φ(t)) …
(2) で与えられる。ここでAは試料の反射率の情報に相当す
る試料,干渉光学系等に依存する係数((1)式のC2
に相当),P(t)は試料の熱膨張振動によるビーム1
の位相変化,φ(t)はP(t)が零のとき(熱膨張振
動がないとき)のビーム1,ビーム2間の光路長差によ
る位相差である。尚,φ(t)は外乱振動等により時間
とともに変動するが,一般にこの変動の周波数は低周波
数(数十Hz以下)である。そして,試料の振動の振幅
をL,位相をqとするとP(t)は, P(t)=(4π/λ)Lsin (2πFt+q) …
(3) で与えられる。前述のように,(2)式右辺の係数Aは
試料の温度変化,プラズマ密度変化に伴って変化する試
料の反射率に影響されるので,これが変動する場合,ノ
イズとなり正確に熱膨張振動を計測することができな
い。そこで,上記ビート波信号E1 を,E 1 中に含まれ
る係数Aを取り除くように2値化処理する。即ち,E 1
の値を零レベル(しきい値)と比較し,E1 が零レベル
以上ならE1 =V,E1 が零レベル以下ならE1 =−V
となるようにコンパレータ13で2値化による波形変換
を行う。尚,Vは予め決定された設定値である。この波
形変換後の2値信号E2 は, E2 =(4V/π)cos (2πFb t+P(t)+φ
(t)) +( 高周波成分) …(4) となる。上記2値信号E2 は上記係数Aをふくまないた
め,試料4の温度変化,プラズマ密度変化に伴って変化
する試料の反射率によるノイズに左右されることがな
い。一般に,光学干渉計は空気の揺らぎや外乱振動等の
影響を受け易くこれがノイズとなり,(2)式,(4)
式における位相φ(t)に時間的変動をもたらす。従っ
て,φ(t)が変動すると,安定に試料の熱膨張振動を
計測することができない。以下,上記φ(t)を除去す
る手法につき説明する。乗算器15A により上記信号E
2 と発振器16からの周波数Fb なる局部発振信号E3
を乗算する。 E3 =Kcos (2πFb t) …(5) ここにKは定数。乗算後の信号Vm は次式(6)で表さ
れる。 Vm =Rcos (P(t)+φ(t)) +Rcos (4πFb t+P(t)+φ(t)) …
(6) (R=2VK/π) (6)式では,後段のフィルタリング処理で高周波成分
が除去されることを考慮して,高周波成分の記載を省略
している。次にフィルタ17A により高周波成分(周波
数2Fb 帯)を除去した信号VmLを生成する。ここでP
(t)が小さい(振動振幅が波長λに比べて十分小さ
い)とき,VmLは次式(7)で表される。 VmL≒Rcos (φ(t)) −RP(t)sin (φ(t)) …(7) 次に前記2値信号E2 に対して位相が90°異なる信号
E4 E4 =(4V/π)cos (2πFb t+P(t)+φ
(t)−π/2) +(高周波成分) …(8) を移相回路14により生成する。前記の(6)式の処理
と同様に上記E4 に周波数Fb なる局部発振信号E3 を
乗算器15B により乗算してVn を得た後,高周波成分
(周波数2Fb 帯)を除去した信号VnLをフィルタ17
B により生成する。P(t)が小さい時VnLは次式
(9)で表される。 VnL≒Rsin (φ(t)) +RP(t)cos ( φ(t)) …(9) 前記のようにφ(t)は外乱振動等により時間とともに
変動するが、一般にこの変動の周波数は低周波(数十H
z以下)である。従って,P(t)の変化の周波数がφ
(t)の周波数に比べて十分大きいとき,(7),
(9)式において第2項のみをフィルタ17A ,17B
により取り出せる。これらの出力VS ,VCはいずれも
前記(3)式から明らかなように励起光の変調周波数F
の成分であり, VS =−RP(t)sin (φ(t)) VC = RP(t)cos (φ(t)) …(10) で表される。(10)式にはφ(t)が含まれるが適宜
の処理により位相項P(t)のみを抽出し,試料の熱膨
張振動特性を解析できる。本実施例ではVS ,VC の二
乗和を演算回路18で求める。その出力VO は VO =(RP(t))2 …(11) となりφ(t)を含まない。またV0 は2値信号E
2 (又はE2 に対して位相が90°異なる信号E4 )と
局部発振信号E3 より生成されるので外乱振動等による
ノイズの影響を受けずに,安定に振動を検出できる。更
にVO には(2)式における係数Aも含んでいないた
め,前述の問題点で示唆した反射率変動によるノイズの
影響を受けずに高精度で試料の熱膨張振動を計測でき
る。図2に試料の内部欠陥の検出方法を示す。即ち,同
図は試料の表面に熱膨張振動を誘起するレーザ光を照射
させ,熱膨張振動による歪波を試料の背面あるいは照射
点から離れた地点で検出する構成を示している。この場
合,検出される振動には,弾性波伝搬中の情報(弾性的
特性)が含まれており,試料内部の欠陥,表面クラック
等が検出され得る。前記従来の反射率計測法では,励起
光の熱拡散長内の情報しか得られないため,このような
評価を行うことはできない。
した実施例につき説明する。ここに図1は一実施例装置
のブロック図,図2は試料の内部欠陥を検出する手法の
概念図である。尚,以下の実施例は本発明を具体化した
一例にすぎず,本発明の技術的範囲を限定する性格のも
のではない。図1に示す如く,試料4に熱膨張振動をあ
たえる励起レーザとして半導体レーザ1が用いられる。
同半導体レーザ1への注入電流の変化により,励起光を
周波数Fで強度変調し,ダイクロイックミラー2で反射
させ,レンズ3で集光し,試料4に照射する。試料4
は,この周期的な光照射により,周期的な加熱をうけ,
熱膨張振動をおこす。この熱膨張振動を次に述べるレー
ザ光干渉法で計測する。測定用レーザとして,He−N
eレーザ5が用いられる。この出射光を周波数シフター
6により偏光面が互いに直交し周波数差がFb (ビート
周波数)なる測定光(ビーム1:周波数F1 )と,参照
光(ビーム2: 周波数F2 =F1 +Fb)を生成する。
これらの光を偏光ビームスプリッタ7により2つに分
け,ビーム1をダイクロイックミラー2を透過させ,レ
ンズ3で集光し,試料4に照射し,ビーム2をミラー8
に照射する。ビーム1の試料4からの反射光は,1/4
波長板9を通過後,偏光面が90°変化するため,偏光
ビームスプリッタ7で,今度は反射する。同様にビーム
2のミラー8からの反射光は偏光ビームスプリッタ7を
透過する。これらのレーザ光は直交しているため偏光板
10を透過させることにより,これらのビームを干渉さ
せ,この干渉光を光電変換器11で受光する。光電変換
器11からの出力E(電気信号)をフィルタ12を通し
干渉光におけるビート波信号E1 を取り出す。このビー
ト波信号E1 は E1 =Acos (2πFb t+P(t)+φ(t)) …
(2) で与えられる。ここでAは試料の反射率の情報に相当す
る試料,干渉光学系等に依存する係数((1)式のC2
に相当),P(t)は試料の熱膨張振動によるビーム1
の位相変化,φ(t)はP(t)が零のとき(熱膨張振
動がないとき)のビーム1,ビーム2間の光路長差によ
る位相差である。尚,φ(t)は外乱振動等により時間
とともに変動するが,一般にこの変動の周波数は低周波
数(数十Hz以下)である。そして,試料の振動の振幅
をL,位相をqとするとP(t)は, P(t)=(4π/λ)Lsin (2πFt+q) …
(3) で与えられる。前述のように,(2)式右辺の係数Aは
試料の温度変化,プラズマ密度変化に伴って変化する試
料の反射率に影響されるので,これが変動する場合,ノ
イズとなり正確に熱膨張振動を計測することができな
い。そこで,上記ビート波信号E1 を,E 1 中に含まれ
る係数Aを取り除くように2値化処理する。即ち,E 1
の値を零レベル(しきい値)と比較し,E1 が零レベル
以上ならE1 =V,E1 が零レベル以下ならE1 =−V
となるようにコンパレータ13で2値化による波形変換
を行う。尚,Vは予め決定された設定値である。この波
形変換後の2値信号E2 は, E2 =(4V/π)cos (2πFb t+P(t)+φ
(t)) +( 高周波成分) …(4) となる。上記2値信号E2 は上記係数Aをふくまないた
め,試料4の温度変化,プラズマ密度変化に伴って変化
する試料の反射率によるノイズに左右されることがな
い。一般に,光学干渉計は空気の揺らぎや外乱振動等の
影響を受け易くこれがノイズとなり,(2)式,(4)
式における位相φ(t)に時間的変動をもたらす。従っ
て,φ(t)が変動すると,安定に試料の熱膨張振動を
計測することができない。以下,上記φ(t)を除去す
る手法につき説明する。乗算器15A により上記信号E
2 と発振器16からの周波数Fb なる局部発振信号E3
を乗算する。 E3 =Kcos (2πFb t) …(5) ここにKは定数。乗算後の信号Vm は次式(6)で表さ
れる。 Vm =Rcos (P(t)+φ(t)) +Rcos (4πFb t+P(t)+φ(t)) …
(6) (R=2VK/π) (6)式では,後段のフィルタリング処理で高周波成分
が除去されることを考慮して,高周波成分の記載を省略
している。次にフィルタ17A により高周波成分(周波
数2Fb 帯)を除去した信号VmLを生成する。ここでP
(t)が小さい(振動振幅が波長λに比べて十分小さ
い)とき,VmLは次式(7)で表される。 VmL≒Rcos (φ(t)) −RP(t)sin (φ(t)) …(7) 次に前記2値信号E2 に対して位相が90°異なる信号
E4 E4 =(4V/π)cos (2πFb t+P(t)+φ
(t)−π/2) +(高周波成分) …(8) を移相回路14により生成する。前記の(6)式の処理
と同様に上記E4 に周波数Fb なる局部発振信号E3 を
乗算器15B により乗算してVn を得た後,高周波成分
(周波数2Fb 帯)を除去した信号VnLをフィルタ17
B により生成する。P(t)が小さい時VnLは次式
(9)で表される。 VnL≒Rsin (φ(t)) +RP(t)cos ( φ(t)) …(9) 前記のようにφ(t)は外乱振動等により時間とともに
変動するが、一般にこの変動の周波数は低周波(数十H
z以下)である。従って,P(t)の変化の周波数がφ
(t)の周波数に比べて十分大きいとき,(7),
(9)式において第2項のみをフィルタ17A ,17B
により取り出せる。これらの出力VS ,VCはいずれも
前記(3)式から明らかなように励起光の変調周波数F
の成分であり, VS =−RP(t)sin (φ(t)) VC = RP(t)cos (φ(t)) …(10) で表される。(10)式にはφ(t)が含まれるが適宜
の処理により位相項P(t)のみを抽出し,試料の熱膨
張振動特性を解析できる。本実施例ではVS ,VC の二
乗和を演算回路18で求める。その出力VO は VO =(RP(t))2 …(11) となりφ(t)を含まない。またV0 は2値信号E
2 (又はE2 に対して位相が90°異なる信号E4 )と
局部発振信号E3 より生成されるので外乱振動等による
ノイズの影響を受けずに,安定に振動を検出できる。更
にVO には(2)式における係数Aも含んでいないた
め,前述の問題点で示唆した反射率変動によるノイズの
影響を受けずに高精度で試料の熱膨張振動を計測でき
る。図2に試料の内部欠陥の検出方法を示す。即ち,同
図は試料の表面に熱膨張振動を誘起するレーザ光を照射
させ,熱膨張振動による歪波を試料の背面あるいは照射
点から離れた地点で検出する構成を示している。この場
合,検出される振動には,弾性波伝搬中の情報(弾性的
特性)が含まれており,試料内部の欠陥,表面クラック
等が検出され得る。前記従来の反射率計測法では,励起
光の熱拡散長内の情報しか得られないため,このような
評価を行うことはできない。
【0006】
【発明の効果】本発明は,以上述べたように,試料に周
期的(周波数:F)に強度変調した励起光を照射し,こ
れによって生じる試料表面の熱膨張振動を測定して試料
を評価する方法において,前記励起光照射によって熱膨
張振動を生じる試料表面位置に,振動周波数F1 なる測
定光(ビーム1)を照射し,その反射光と振動周波数F
2 なる参照光(ビーム2)を干渉させ,上記干渉光を光
電変換した電気信号Eを得た後,上記電気信号Eのビー
ト波信号E1 (ビート周波数:Fb (Fb =F1−
F2 ))を取り出し,上記ビート波信号E1 を,該信号
E 1 中に含まれる試料の反射率の情報を取り除くように
2値化処理して2値信号E2 に変換し,上記信号E2 と
周波数Fb なる局部発振信号E3 を乗算した信号Vm の
上記励起光の変調周波数Fの成分Vs と,上記信号E2
に対し位相が90°異なる信号E4 と周波数Fb なる局
部発振信号E3 を乗算した信号Vn の上記励起光の変調
周波数Fの成分Vc とを抽出し,上記成分Vs とVc と
より試料の熱膨張振動によるビーム1の位相変化P
(t)のみを変数とする出力Vo を演算し,このVo に
より試料を評価することを特徴とする熱膨張振動を用い
た試料評価方法であるから,試料の温度変化又はプラズ
マ密度の変化等に伴う反射率の変化により生じる測定光
の振幅変化の影響や空気の揺らぎ,外乱等による移相項
φがキャンセルされる。それにより,試料の真の熱膨張
振動を計測することができる。
期的(周波数:F)に強度変調した励起光を照射し,こ
れによって生じる試料表面の熱膨張振動を測定して試料
を評価する方法において,前記励起光照射によって熱膨
張振動を生じる試料表面位置に,振動周波数F1 なる測
定光(ビーム1)を照射し,その反射光と振動周波数F
2 なる参照光(ビーム2)を干渉させ,上記干渉光を光
電変換した電気信号Eを得た後,上記電気信号Eのビー
ト波信号E1 (ビート周波数:Fb (Fb =F1−
F2 ))を取り出し,上記ビート波信号E1 を,該信号
E 1 中に含まれる試料の反射率の情報を取り除くように
2値化処理して2値信号E2 に変換し,上記信号E2 と
周波数Fb なる局部発振信号E3 を乗算した信号Vm の
上記励起光の変調周波数Fの成分Vs と,上記信号E2
に対し位相が90°異なる信号E4 と周波数Fb なる局
部発振信号E3 を乗算した信号Vn の上記励起光の変調
周波数Fの成分Vc とを抽出し,上記成分Vs とVc と
より試料の熱膨張振動によるビーム1の位相変化P
(t)のみを変数とする出力Vo を演算し,このVo に
より試料を評価することを特徴とする熱膨張振動を用い
た試料評価方法であるから,試料の温度変化又はプラズ
マ密度の変化等に伴う反射率の変化により生じる測定光
の振幅変化の影響や空気の揺らぎ,外乱等による移相項
φがキャンセルされる。それにより,試料の真の熱膨張
振動を計測することができる。
【図1】 本発明の一実施例に係る評価方法の実施に使
用する装置を示すブロック図。
用する装置を示すブロック図。
【図2】 試料の内部欠陥の検出方法を示す概念図。
【図3】 従来の熱膨張振動を計測する手法の概念図。
【図4】 従来の反射率計測法に基づく試料評価手法を
示す概念図。
示す概念図。
1…励起レーザ 2…ダイクロイックミラ− 3…レンズ 4…試料 5…測定用レーザ 6…周波数シフタ 7…偏光ビームスプリッタ 8…参照ミラー 9…1/4波長板 10…偏光板 11…光電変換器 12…フィルタ 13…コンパレータ 14…移相回路 15A ,15B …乗算器 16…発振器 17A ,17B …フィルタ 18…演算回路
Claims (1)
- 【請求項1】 試料に周期的(周波数:F)に強度変調
した励起光を照射し,これによって生じる試料表面の熱
膨張振動を測定して試料を評価する方法において,前記
励起光照射によって熱膨張振動を生じる試料表面位置
に,振動周波数F1なる測定光(ビーム1)を照射し,
その反射光と振動周波数F2 なる参照光(ビーム2)を
干渉させ,上記干渉光を光電変換した電気信号Eを得た
後,上記電気信号Eのビート波信号E1 (ビート周波
数:Fb (Fb =F1 −F2))を取り出し,上記ビー
ト波信号E1 を,該信号E 1 中に含まれる試料の反射率
の情報を取り除くように2値化処理して2値信号E2 に
変換し,上記信号E2 と周波数Fb なる局部発振信号E
3 を乗算した信号Vm の上記励起光の変調周波数Fの成
分Vs と,上記信号E2 に対し位相が90°異なる信号
E4 と周波数Fb なる局部発振信号E3 を乗算した信号
Vn の上記励起光の変調周波数Fの成分Vc とを抽出
し,上記成分Vs とVc とより試料の熱膨張振動による
ビーム1の位相変化P(t)のみを変数とする出力Vo
を演算し,このVo により試料を評価することを特徴と
する熱膨張振動を用いた試料評価方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3034316A JPH0743354B2 (ja) | 1991-02-28 | 1991-02-28 | 熱膨張振動を用いた試料評価方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3034316A JPH0743354B2 (ja) | 1991-02-28 | 1991-02-28 | 熱膨張振動を用いた試料評価方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04273048A JPH04273048A (ja) | 1992-09-29 |
| JPH0743354B2 true JPH0743354B2 (ja) | 1995-05-15 |
Family
ID=12410760
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3034316A Expired - Lifetime JPH0743354B2 (ja) | 1991-02-28 | 1991-02-28 | 熱膨張振動を用いた試料評価方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0743354B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2726210B2 (ja) * | 1993-01-08 | 1998-03-11 | 株式会社神戸製鋼所 | 試料の熱物性評価方法及びその装置 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH01227957A (ja) * | 1988-03-09 | 1989-09-12 | Kobe Steel Ltd | 表面変位検出方法 |
-
1991
- 1991-02-28 JP JP3034316A patent/JPH0743354B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH04273048A (ja) | 1992-09-29 |
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