JPH0743940B2 - 非線形発振を用いる情報の記憶方法及び装置 - Google Patents

非線形発振を用いる情報の記憶方法及び装置

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JPH0743940B2
JPH0743940B2 JP3226943A JP22694391A JPH0743940B2 JP H0743940 B2 JPH0743940 B2 JP H0743940B2 JP 3226943 A JP3226943 A JP 3226943A JP 22694391 A JP22694391 A JP 22694391A JP H0743940 B2 JPH0743940 B2 JP H0743940B2
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株式会社エイ・ティ・アール光電波通信研究所
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、倍周期分岐の非線形発
振を用いる情報の記憶方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】非線形能動素子を備えて非線形発振を行
なう遅延帰還型発振器を用いて情報を記憶する従来例の
記憶装置が、例えば特開平2−115820号公報及び
特願平2−259538号の特許出願において提案され
ており、図5は上記特許出願において本発明者によって
提案された非線形発振を用いる記憶装置のブロック図で
ある。
【0003】図5に示すように、非線形発振を用いる記
憶装置は、光源1と、フィードバック変調器10と、光
路3と、スイッチ制御部20と、出力プロセッサ40
と、バイアスパラメータ変調回路50と、ゲートタイミ
ング回路60とから構成されている。ここで、光源1と
フィードバック変調器10と光路3は、遅延帰還型発振
器2を構成している。
【0004】光源1からの光ビームはフィードバック変
調器10の電気光学変調器7に入射する。電気光学変調
器7は、可変直流電圧発生器6から入力される直流電圧
に応じて光ビームを変調し、出力光ビームS21をミラ
ー31,32を含む光路3に出力する。ミラー32は出
力光ビームS21を、ミラー16によって反射されて光
検出器17に出力される光ビームS7と、光検出器4に
出力されるフィードバックビームS22に分光する。フ
ィードバックビームS22は、光検出器4によって検出
され、直流信号S32に変換されて、スイッチ制御部2
0から出力される制御信号S10に応じて利得が変化さ
れる直流増幅器5を介して、信号S31として可変直流
電圧発生器6に入力される。可変直流電圧発生器6は、
スイッチ制御部20から出力されるシード信号S9に基
づいてそのバイアス電圧が変化されるように構成され、
シード信号S9に応じたバイアス電圧S30を電気光学
変調器7に出力する。
【0005】スイッチ制御部20は入力信号S1に基づ
いて制御信号S10とシード信号S9を発生し、フィー
ドバック変調器10に出力する。当該入力信号S1は正
の奇数nビットの2進ディジタル信号を含む。スイッチ
制御部20は、バイアスパラメータ変調器21と、シー
ド発生器22と、シードパラメータコーダ23と、内部
クロック発生器24とから構成されている。ここで、シ
ードパラメータコーダ23は、2進ディジタル信号をシ
ードパラメータ変調コード信号S13に変換してシード
発生器22に出力する。内部クロック発生器24は、ビ
ット数を示す信号入力S2と書込信号S3に応答して、
タイミング信号S11,S12を発生してそれぞれバイ
アスパラメータ変調器21とシード発生器22とゲート
回路42に出力する。タイミング信号S11は開始時刻
tsから始まる長さδの時間間隔を示し、タイミング信
号S12は開始時刻tsから始まる長さT1/2の時間
間隔を示す。シード発生器22は、タイミング信号S1
1,S12によって決定されるタイミングに基づいて、
コード信号S13からシード信号S9を発生して、シー
ド振幅とオフセットの基準の組を生成する。バイアスパ
ラメータ変調器21は、タイミング信号S12によって
決定されるタイミングに基づいてバイアス信号S10を
変化させ、バイアス値の基準組を生成する。
【0006】出力プロセッサ40は、光検出器17の検
出信号S8を受けて、当該検出信号S8をディジタル信
号に変換するものであり、復号化回路41とゲート回路
42とインターフェイス回路43とを含む。光検出器1
7の検出信号S8は復号化回路41に入力され、復号化
回路41はその検出信号S8を復号化して周期ディジタ
ル信号シーケンスS14をゲート回路42に出力する。
ゲート回路42は、内部クロック発生器24から入力さ
れるタイミング信号S12と入力読出信号S5を用い
て、上記周期ディジタル信号シーケンスS14をゲート
し、ゲート後の2進ワード信号S15をインターフェイ
ス43に出力する。インターフェイス43には、システ
ムクロック信号S4が入力されていて、インターフェイ
ス43は当該システムクロック信号S4に基づいて2進
ワード信号S15から2進ワード信号S6を出力する。
【0007】さらに、遅延帰還型発振器2の発振信号の
位相を外部基準クロック信号に同期させて、当該記憶装
置に記憶されている情報を外部基準クロック信号に同期
して読み出すため、システムクロック信号S4と同一の
周波数でバイアスパラメータを変調する変調回路50
と、システムクロック信号S4でゲート回路42のゲー
トタイミングをとるゲートタイミング回路60とを備え
る。
【0008】以上のように構成された従来例の記憶装置
の基本的動作について以下に説明する。遅延帰還型発振
器2は、その動作が遅延微分方程式で表され、遅延帰還
利得が所定のしきい値以上になると発振を開始する。こ
こで、帰還の遅延時間をTrとすると、当該発振器2
は、周期T1=2Trの基本波と、周期Tn=T1/n
(nは正の奇数である。)のn次高調波の発振信号を発
振することができる。さらに、分岐次数を正の整数mと
すると、遅延帰還利得の増加に伴って、発振信号の波形
は山と谷のレベルがそれぞれ2(m-1)個に分裂し、その
山と谷のレベルの変調周期が2(m-1)1であるような発
振状態に次々と移行する、いわゆる「倍周期分岐」とい
う現象が起きる。この「倍周期分岐」の各発振状態に対
して、上記高調波次数nと分岐次数mによって示される
ラベル(n,m)を付し、以下、n次高調波のm次分岐
の発振を(n,m)発振という。(n,m)発振におい
て、レベルの異なる山又は谷の並び方の違いによって、
位相が特定できる場合は、2n(m-1)個の発振状態が存在
する。
【0009】上記スイッチ制御部20は入力信号S1の
情報に基づいて、(n,m)発振の2n(m-1)個の状態の
うちの1つを選択的に励起する。すなわち、入力信号S
1の情報を正の奇数n個のディジタル信号列で表し、こ
れを(n,m)発振の発振信号の波形の山又は谷のレベ
ルに対して時系列化して当該記憶装置に記憶させる。さ
らに、出力プロセッサ40は、遅延帰還型発振器2の発
振光信号から分岐して取り出した検出信号S8を、復号
化回路41によって周期2(m-1)1を有するディジタル
信号列S14に復号化した後、読出信号S5でゲート
し、これによって、システムクロック信号S4に同期し
た2進ワード信号S6を得ることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のように構成され
た従来例の記憶装置において、例えば(n,m=2)発
振の場合は、周期T1/nのn次高調波の山と谷のレベ
ルがそれぞれ2つに分離して、その変調周期が2T
1(=4Tr)である発振波形に情報が記憶される。こ
のとき、発振波形の山又は谷のレベルの高低の時系列
は、当該記憶装置に記憶されている2値情報の時系列を
表している。すなわち、書込信号であるシード信号S9
は遅延時間Trの長さの山と谷のレベルでnビットの2
値情報を表しており、(n,m=0)発振の状態から
(n,m=2)の発振の状態に移行させて情報の書き込
みを行うためには、書込信号として負のレベルを含む両
極性の4値信号を用いる必要がある。従って、情報の書
き込みを行うためには、バイアスパラメータ(μ)S1
0を、発振していない状態である(n,m=0)発振の
ときの値から(n,m=2)発振のときの値に変化させ
るとともに、シード信号S9を入力して所望の(n,m
=2)発振を選択的に励起させる。図6は、(n=2
1,m=2)発振のときにn=21ビットの2値情報を
当該記憶装置に書き込んだときの発振信号を示してい
る。なお、(n,m=1)発振の状態から(n,m=
2)の発振の状態に移行させて情報の書き込みを行うた
めには、書込信号として、両極性の2値信号が用いられ
る。
【0011】上述のように、発振していない初期状態か
ら情報を書き込むときの書込信号は遅延時間Trの長さ
の4値信号であるため、読出信号と書込信号の直接的対
応がとりにくく、例えば入力される2値情報から4値の
書込信号を作るためには、特別な符号化回路を必要とす
る。例えば、1つの記憶装置の読出信号を他の記憶装置
の書込信号に使う場合に、上記特別な符号化回路を必要
とし、回路構成が複雑になるという問題点があった。
【0012】また、上記書込信号は負のレベルをもつ両
極性の信号であるため、書込信号として光信号を用いる
ことができない。さらに、所定のモードの発振を得るた
めに、上述のように、バイアスパラメータ(μ)を複雑
に制御する必要があるという問題点があった。
【0013】本発明の目的は以上の課題を解決し、書込
信号として単極性の信号を用いることができるととも
に、バイアスパラメータ(μ)を制御する必要がなく、
従来例に比較して構成が簡単である、倍周期分岐の非線
形発振を用いる記憶装置に情報を書き込む方法、上記記
憶装置に書き込まれた情報を消去する方法、及び非線形
発振を用いる記憶装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1記
載の非線形発振を用いる記憶装置のための情報の書込方
法は、非線形能動素子を備え所定の遅延時間を有する遅
延帰還型発振器において高調波2次分岐の非線形発振を
生じさせ、所定の情報を有し上記遅延時間の2倍の時間
長の単極性の2値信号を上記遅延帰還型発振器に印加す
ることによって、上記情報を有する第1の発振信号と上
記第1の発振信号に続く上記情報と反転する反転情報を
有する第2の発振信号を上記遅延帰還型発振器において
発生させて、上記情報を上記遅延帰還型発振器を含む記
憶装置に書き込むことを特徴とする。
【0015】また、本発明に係る請求項2記載の非線形
発振を用いる記憶装置のための情報の消去方法は、上記
情報が書き込まれた請求項1記載の上記記憶装置の上記
遅延帰還型発振器に、上記情報と同一の情報を有し上記
遅延時間の2倍の時間長の単極性の2値信号を、上記第
2の発振信号と同期させて上記遅延帰還型発振器に印加
することによって、上記記憶装置から上記情報を消去す
ることを特徴とする。
【0016】さらに、本発明に係る請求項3記載の非線
形発振を用いる記憶装置のための情報の消去方法は、上
記情報が書き込まれた上記記憶装置の上記遅延帰還型発
振器において発生する上記第1の発振信号と上記第2の
発振信号のうち、上記遅延時間の2倍の時間長だけ開く
ゲート手段を用いて上記第1の発振信号を取り出し、上
記取り出された上記第1の発振信号を2値化して単極性
の2値信号に変換し、上記変換された2値信号を上記遅
延時間の2倍の時間長だけ遅延させた後、上記遅延帰還
型発振器に印加することによって、上記記憶装置から上
記情報を消去することを特徴とする。
【0017】またさらに、本発明に係る請求項4記載の
非線形発振を用いる情報の記憶装置は、非線形能動素子
を備え所定の遅延時間を有し高調波2次分岐の非線形発
振が生じる遅延帰還型発振器と、所定の情報を有し上記
遅延時間の2倍の時間長の単極性の2値書込信号を上記
遅延帰還型発振器に印加するための第1の結合手段と、
上記2値書込信号が上記遅延帰還型発振器に印加された
とき、上記遅延帰還型発振器において発生する上記情報
を有する第1の発振信号と上記第1の発振信号に続く上
記情報と反転する反転情報を有する第2の発振信号を取
り出すための第2の結合手段と、上記第2の結合手段に
よって取り出された上記第1の発振信号と上記第2の発
振信号を2値化して2値信号に変換して読出信号として
出力する2値化手段と、上記2値化手段から出力される
上記第1の発振信号に対応する2値信号と上記第2の発
振信号に対応する2値信号のうち、上記第1の発振信号
に対応する2値信号を取り出し、かつ上記遅延時間の2
倍の時間長だけ遅延させて、上記第1の発振信号に対応
する2値信号を消去信号として出力する処理手段と、上
記処理手段から出力される2値信号を上記遅延帰還型発
振器に印加するための第3の結合手段とを備えたことを
特徴とする。
【0018】
【作用】以上のように構成された非線形発振を用いる情
報の記憶装置において、情報の書き込み時には、上記第
1の結合手段を用いて、所定の情報を有し上記遅延時間
の2倍の時間長の単極性の2値書込信号を上記遅延帰還
型発振器に印加し、このとき、上記遅延帰還型発振器に
おいて上記情報を有する第1の発振信号と上記第1の発
振信号に続く上記情報と反転する反転情報を有する第2
の発振信号が発生する。これによって、上記情報が上記
記憶装置に書き込まれる。
【0019】次いで、情報の読み出し時には、上記遅延
帰還型発振器において発生した、上記情報を有する第1
の発振信号と上記第1の発振信号に続く上記情報と反転
する反転情報を有する第2の発振信号を、第2の結合手
段を用いて取り出した後、上記2値化手段を用いて、上
記第2の結合手段によって取り出された上記第1の発振
信号と上記第2の発振信号を2値化して2値信号に変換
して読出信号として出力する。これによって、上記記憶
装置に書き込まれた情報が読み出される。
【0020】さらに、情報の消去時には、上記処理手段
を用いて、上記2値化手段から出力される上記第1の発
振信号に対応する2値信号と上記第2の発振信号に対応
する2値信号のうち、上記第1の発振信号に対応する2
値信号を取り出し、かつ上記遅延時間の2倍の時間長だ
け遅延させて、上記第1の発振信号に対応する2値信号
を消去信号として出力し、さらに、上記第3の結合手段
を用いて、上記処理手段から出力される2値信号を上記
遅延帰還型発振器に印加する。これによって、上記記憶
装置に書き込まれた情報が消去される。
【0021】以上のように構成された非線形発振を用い
る記憶装置においては、高調波2次分岐の非線形発振、
すなわち(n,m=2)発振で発振モードが固定されて
いるので、従来例のバイアスパラメータ(μ)を制御す
る必要がなく、これによって、バイアスパラメータを制
御する回路を備える必要がないので、従来例に比較して
当該記憶装置の構成が簡単である。また、書込信号、読
出信号及び消去信号として単極性の2値信号を用いるこ
とができるので、当該記憶装置を光回路で構成してこれ
らの信号を光信号で動作させることが可能となる。
【0022】
【実施例】以下、図面を参照して本発明に係る実施例に
ついて説明する。以下の各実施例の非線形発振を用いる
記憶装置は、(n,m=2)発振の状態になるように上
記バイアスパラメータ(μ)が一定の値に制御され、書
込信号及び読出信号として単極性の2値RZ(Retu
rn to Zero)パルス信号を用いたことを特徴
としている。
【0023】<第1の実施例>図2は、本発明に係る第
1の実施例である遅延帰還型発振器200を用いる記憶
装置のブロック図である。
【0024】図2に示すように、非線形発振を用いる遅
延帰還型発振器200は、入力用光結合器201と、光
検出器202と、増幅器203と、出力用分岐器204
と、同期信号入力用結合器205と、増幅器206と、
非線形電光変換能動素子210と、光ファイバケーブル
207,208とから構成され、非線形電光変換能動素
子210は、レーザダイオード211と光変調器212
とを備える。
【0025】入力用光結合器201は、当該発振器20
0で発振する発振光信号と、レーザダイオード231で
発生される書込光信号又は消去光信号とを所定の合成割
合で合成した後、光ファイバケーブル208を介して光
検波器202に出力する。光検波器202は、例えばフ
ォトダイオードを含み、入力される光信号を電気信号に
光電変換して、増幅器203を介して出力用分岐器20
4に出力する。出力用分岐器204は、入力される電気
信号を所定の分岐割合で分岐し、しきい値処理器232
及び同期信号入力用結合器205に出力する。微小なレ
ベルを有しかつ当該発振器200の発振周波数とほぼ同
一の周波数を有する正弦波の同期信号が同期信号発生器
220で発生されて、外部基準信号として結合器205
に入力され、結合器205は同期信号と分岐器204か
ら出力される電気信号とを所定の合成割合で合成して、
増幅器206を介して光変調器212に出力する。光変
調器212は、レーザダイオード211で発生された所
定の波長を有する光信号を、増幅器206から入力され
る電気信号のバイアス電圧で強度変調して、変調された
光信号を所定長の光ファイバケーブル207を介して光
結合器201に出力する。
【0026】以上のように構成された遅延帰還型発振器
200においては、上記(n,m=2)発振を行なうよ
うに、増幅器203,206の増幅度が調整され、当該
発振器200内の発振ループにおける遅延時間Trが、
光ファイバケーブル207の長さを変化させることによ
り所定の値に設定される。
【0027】当該記憶装置はさらに、入力用結合器23
0と、レーザダイオード231と、しきい値処理器23
2と、出力用分岐器233と、遅延回路234と、ゲー
ト回路235とを備える。結合器230は、書込信号と
ゲート回路235から入力される消去信号とを所定の合
成割合で合成した後、合成された電気信号をレーザダイ
オード231に出力する。レーザダイオード231は、
所定の波長の光信号を発生し、発生した光信号を入力さ
れる電気信号のバイアス電圧で強度変調して結合器20
1に出力する。しきい値処理器232は、入力される電
気信号に対して所定のしきい値を用いる2値化処理を行
って2値電気信号に変換して出力用分岐器233に出力
する。分岐器233は入力された2値電気信号を所定の
分岐割合で分岐して読出信号として外部回路に出力する
とともに、遅延回路234に出力する。遅延回路234
は、入力される2値電気信号を2Trの遅延時間だけ遅
延させた後、ゲート回路235を介して消去信号として
結合器230に出力する。ここで、当該記憶装置の消去
動作時に、ゲート回路235に、時間長2TrのHレベ
ルの消去パルス信号が入力されるとき、ゲート回路23
5がオンとなり、遅延回路234から出力される2値電
気信号が消去信号として結合器230に入力される。
【0028】以上のように構成された第1の実施例の非
線形発振を用いる記憶装置の動作について、n=21ビ
ットの情報の書き込み動作と消去動作をそれぞれ示す図
3及び図4のタイミングチャートを参照して説明する。
なお、上記書込信号、読出信号及び消去信号として、単
極性の2値パルス信号を用いる。
【0029】図3は、図2の記憶装置におけるデータの
書き込み動作及び読み出し動作を示す、書込信号と発振
信号と読出信号のタイミングチャートである。情報の書
き込み前には、図3の左側に示すように、記憶情報がす
べて0の発振状態である初期状態に設定される。なお、
この初期状態は、詳細後述する消去方法によって得るこ
とができる。
【0030】情報の書き込み時には、図3の右側に示す
ように、2Trの時間長を有するn=21ビットの2値
RZパルス信号を書込信号として、初期状態の(n,m
=2)発振の発振信号の波形の低い山に重なるように、
すなわち従来例と同様の方法を用いて初期状態の発振信
号に同期して、結合器230及びレーザダイオード23
1を介して当該発振器200に入力して、発振信号の波
形を所望の情報を有する発振信号の波形に変化させ、こ
れによって、21ビットの情報を当該記憶装置に記憶す
る。情報の読み出しは、発振信号を分岐器204によっ
て分岐して取り出した後、しきい値処理器232で2値
化することによって2値RZパルス信号の読出信号を得
る。この読出信号は、記憶されたn=21ビットの情報
を含む時間長2Trのn=21ビットの2値RZパルス
信号と、記憶されたn=21ビットの反転情報を含む時
間長2Trの反転n=21ビットの2値RZパルス信号
とからなる、周期4Trで繰り返す2値RZパルス信号
である。
【0031】図4は、図2の記憶装置におけるデータの
消去動作及び読み出し動作を示す、消去信号と発振信号
と読出信号のタイミングチャートである。上述のよう
に、(n,m=2)発振の発振信号の波形に記憶された
情報は、2Trの時間長のnビットに、2Trの時間長
の反転したnビットが続く周期4Trの2値RZパルス
信号であり、発振信号の波形の山のレベルの時系列は、
上記2値RZパルス信号に対応している。従って、上記
書込信号を2Trだけ位相をずらして、すなわち上記反
転した2値RZパルス信号に同期させて当該記憶装置に
印加すると、記憶されている情報を打ち消して発振信号
の波形を元の初期状態に戻すことができる。これは、記
憶情報の消去に相当する。本実施例では、図2に示すよ
うに、読出信号を遅延回路234で時間2Trだけ遅延
した後、上記反転した2値RZパルス信号に同期した時
間長2Trの消去パルス信号をゲート回路235に入力
させて上記2Trの時間長を有する非反転のnビットの
読出信号を取り出して元の発振信号の波形に印加するよ
うに構成されている。これによって、当該記憶装置に書
き込まれた情報を容易に消去することができる。
【0032】本実施例の記憶装置においては、分岐器2
33から出力される読出信号を遅延回路234を用いて
遅延させた後、ゲート回路235を用いて時間長2Tr
でゲートして上記2Trの時間長を有する非反転のnビ
ットの読出信号を取り出して消去信号として用いている
が、本発明はこれに限らず、上記2Trの時間長を有す
る非反転のnビットの読出信号と同一の信号を外部回路
で発生させて上記書込信号と同様の方法で上記遅延帰還
型発振器200に印加することによって情報の消去を行
なうようにしてもよい。また、出力用分岐器204以降
のしきい値処理器232と、遅延回路234と、ゲート
回路235は、消去信号を発生させるためには、それら
の設置順序は限定されない。ただし、遅延回路234の
前にゲート回路235を設けるときは、ゲート回路23
5に上記非反転2値RZパルス信号に同期した時間長2
Trの消去パルス信号を印加する必要がある。なお、読
出信号を発生するためには、しきい値処理器232を分
岐器204と分岐器233の間に挿入する必要がある。
【0033】本実施例では、微小なレベルを有しかつ当
該発振器200の発振周波数とほぼ同一の周波数を有す
る正弦波の同期信号を非線形発振信号に印加しているの
で、非線形発振信号を当該同期信号に注入同期させるこ
とができる。従って、当該記憶装置のすべての動作を、
当該同期信号に同期させて行なうことができる。
【0034】以上のように構成された非線形発振を用い
る記憶装置においては、1つの発振状態に設定するの
で、バイアスパラメータ(μ)を制御する必要がなく、
これによって、バイアスパラメータを制御する回路を備
える必要がないので、従来例に比較して当該記憶装置の
構成が簡単であるという利点がある。
【0035】<第2の実施例>図1は、本発明に係る第
2の実施例である遅延帰還型光発振器100を用いる記
憶装置のブロック図である。
【0036】図1に示すように、非線形発振を用いる遅
延帰還型光発振器100は、入力用光結合器101と、
出力用光分岐器102と、非線形光能動素子103と、
同期光信号入力用結合器104とを備え、各素子101
乃至104は光ファイバケーブルを介して接続されてい
る。非線形光能動素子103は、例えば非線形の入出力
増幅特性を有する光増幅器である。
【0037】入力用光結合器101は、当該発振器10
0で非線形発振する発振光信号と、入力用光結合器11
0から出力される書込光信号又は消去光信号とを所定の
合成割合で合成した後、出力用光分岐器102に出力す
る。出力用光分岐器102は、入力される光信号を所定
の分岐割合で分岐し、光しきい値処理器111及び非線
形光能動素子103に出力する。非線形光能動素子10
3は、入力される光信号を非線形の入出力増幅特性を用
いて増幅して、光信号を同期光信号入力用結合器104
に出力する。微小なレベルを有しかつ当該発振器100
の発振波長とほぼ同一の波長を有する同期光信号が外部
基準光信号として同期光信号入力用光結合器104に入
力され、光結合器104は同期光信号と非線形光能動素
子103から出力される光信号とを所定の合成割合で合
成して、光結合器101に出力する。
【0038】以上のように構成された遅延帰還型光発振
器100においては、上記(n,m=2)発振を行なう
ように、非線形光能動素子103の増幅度が調整され、
当該発振器100内の発振ループにおける遅延時間Tr
が、当該発振器100内の光ファイバケーブルの長さを
変化させることにより所定の値に設定される。
【0039】当該記憶装置はさらに、入力用結合器11
0と、光しきい値処理器111と、出力用光分岐器11
2と、光遅延回路113と、光ゲート回路114とを備
える。ここで、光分岐器112と光遅延回路113と光
ゲート回路114と光結合器110は、光ファイバケー
ブルを介して接続される。
【0040】光結合器110は、書込光信号と光ゲート
回路114から入力される消去光信号とを所定の合成割
合で合成した後、合成された光信号を光結合器101に
出力する。光しきい値処理器111は、入力される光信
号に対して所定のしきい値を用いる2値化処理を行って
2値光信号に変換して出力用光分岐器112に出力す
る。光分岐器112は入力された2値光信号を所定の分
岐割合で分岐して読出光信号として外部回路に出力する
とともに、光遅延回路113に出力する。光遅延回路1
13は、入力される2値光信号を2Trの遅延時間だけ
遅延させた後、光ゲート回路114を介して消去光信号
として光結合器110に出力する。ここで、当該記憶装
置の消去動作時に、光ゲート回路114に、時間長2T
rのHレベルの消去パルス信号が入力されるとき、光ゲ
ート回路114がオンとなり、光遅延回路113から出
力される2値光信号が消去光信号として光結合器110
に入力される。
【0041】以上のように構成された第2の実施例の非
線形発振を用いる記憶装置は、書込信号、読出信号、消
去信号及び同期信号として、光信号を用いることを除い
て、第1の実施例と同様に動作し、第1の実施例と同様
の特有の効果を有する。
【0042】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、非
線形能動素子を備え所定の遅延時間を有する遅延帰還型
発振器において高調波2次分岐の非線形発振を生じさ
せ、所定の情報を有し上記遅延時間の2倍の時間長の単
極性の2値信号を上記遅延帰還型発振器に印加すること
によって、上記情報を有する第1の発振信号と上記第1
の発振信号に続く上記情報と反転する反転情報を有する
第2の発振信号を上記遅延帰還型発振器において発生さ
せて、上記情報を上記遅延帰還型発振器を含む記憶装置
に書き込む。また、上記情報が書き込まれた請求項1記
載の上記記憶装置の上記遅延帰還型発振器に、上記情報
と同一の情報を有し上記遅延時間の2倍の時間長の単極
性の2値信号を、上記第2の発振信号と同期させて上記
遅延帰還型発振器に印加することによって、上記記憶装
置から上記情報を消去する。
【0043】従って、高調波2次分岐の非線形発振で発
振モードが固定されているので、従来例のバイアスパラ
メータを制御する必要がなく、これによって、バイアス
パラメータを制御する回路を備える必要がないので、従
来例に比較して当該記憶装置の構成が簡単である。ま
た、書込信号、読出信号及び消去信号として単極性の2
値信号を用いることができるので、当該記憶装置を光回
路で構成してこれらの信号を光信号で動作させることが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第2の実施例である遅延帰還型
光発振器を用いる記憶装置のブロック図である。
【図2】 本発明に係る第1の実施例である遅延帰還型
発振器を用いる記憶装置のブロック図である。
【図3】 図2の記憶装置におけるデータの書き込み動
作及び読み出し動作を示す、書込信号と発振信号と読出
信号のタイミングチャートである。
【図4】 図2の記憶装置におけるデータの消去動作及
び読み出し動作を示す、消去信号と発振信号と読出信号
のタイミングチャートである。
【図5】 従来例の非線形発振を用いる記憶装置のブロ
ック図である。
【図6】 図5の記憶装置の書き込み動作を示す、書込
信号と発振信号のタイミングチャートである。
【符号の説明】
100…遅延帰還型光発振器、 101…入力用光結合器、 102…出力用光分岐器、 103…非線形光能動素子、 104…同期光信号入力用光結合器、 110…入力用光結合器、 111…光しきい値処理器、 112…出力用光分岐器、 113…光遅延回路、 114…光ゲート回路、 200…遅延帰還型発振器、 201…入力用光結合器、 202…光検波器、 203…直流増幅器、 204…出力用分岐器、 205…同期信号入力用結合器、 206…直流増幅器、 207,208…光ファイバケーブル、 210…非線形電光変換能動素子、 211…レーザダイオード、 212…光変調器、 220…同期信号発生器、 230…入力用結合器、 231…レーザダイオード、 232…しきい値処理器、 233…出力用分岐器、 234…遅延回路、 235…ゲート回路。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非線形能動素子を備え所定の遅延時間を
    有する遅延帰還型発振器において高調波2次分岐の非線
    形発振を生じさせ、所定の情報を有し上記遅延時間の2
    倍の時間長の単極性の2値信号を上記遅延帰還型発振器
    に印加することによって、上記情報を有する第1の発振
    信号と上記第1の発振信号に続く上記情報と反転する反
    転情報を有する第2の発振信号を上記遅延帰還型発振器
    において発生させて、上記情報を上記遅延帰還型発振器
    を含む記憶装置に書き込むことを特徴とする非線形発振
    を用いる記憶装置のための情報の書込方法。
  2. 【請求項2】 上記情報が書き込まれた請求項1記載の
    上記記憶装置の上記遅延帰還型発振器に、上記情報と同
    一の情報を有し上記遅延時間の2倍の時間長の単極性の
    2値信号を、上記第2の発振信号と同期させて上記遅延
    帰還型発振器に印加することによって、上記記憶装置か
    ら上記情報を消去することを特徴とする非線形発振を用
    いる記憶装置のための情報の消去方法。
  3. 【請求項3】 上記情報が書き込まれた上記記憶装置の
    上記遅延帰還型発振器において発生する上記第1の発振
    信号と上記第2の発振信号のうち、上記遅延時間の2倍
    の時間長だけ開くゲート手段を用いて上記第1の発振信
    号を取り出し、上記取り出された上記第1の発振信号を
    2値化して単極性の2値信号に変換し、上記変換された
    2値信号を上記遅延時間の2倍の時間長だけ遅延させた
    後、上記遅延帰還型発振器に印加することによって、上
    記記憶装置から上記情報を消去することを特徴とする請
    求項2記載の非線形発振を用いる記憶装置のための情報
    の消去方法。
  4. 【請求項4】 非線形能動素子を備え所定の遅延時間を
    有し高調波2次分岐の非線形発振が生じる遅延帰還型発
    振器と、 所定の情報を有し上記遅延時間の2倍の時間長の単極性
    の2値書込信号を上記遅延帰還型発振器に印加するため
    の第1の結合手段と、 上記2値書込信号が上記遅延帰還型発振器に印加された
    とき、上記遅延帰還型発振器において発生する上記情報
    を有する第1の発振信号と上記第1の発振信号に続く上
    記情報と反転する反転情報を有する第2の発振信号を取
    り出すための第2の結合手段と、 上記第2の結合手段によって取り出された上記第1の発
    振信号と上記第2の発振信号を2値化して2値信号に変
    換して読出信号として出力する2値化手段と、 上記2値化手段から出力される上記第1の発振信号に対
    応する2値信号と上記第2の発振信号に対応する2値信
    号のうち、上記第1の発振信号に対応する2値信号を取
    り出し、かつ上記遅延時間の2倍の時間長だけ遅延させ
    て、上記第1の発振信号に対応する2値信号を消去信号
    として出力する処理手段と、 上記処理手段から出力される2値信号を上記遅延帰還型
    発振器に印加するための第3の結合手段とを備えたこと
    を特徴とする非線形発振を用いる情報の記憶装置。
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