JPH0745726B2 - 護岸工 - Google Patents

護岸工

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JPH0745726B2
JPH0745726B2 JP60171990A JP17199085A JPH0745726B2 JP H0745726 B2 JPH0745726 B2 JP H0745726B2 JP 60171990 A JP60171990 A JP 60171990A JP 17199085 A JP17199085 A JP 17199085A JP H0745726 B2 JPH0745726 B2 JP H0745726B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、海蝕崖の保全乃至は回復を企図する護岸工に
関するものである。
海岸は、その環境条件に従いゆっくりと変化しており、
場合によりその変化は、海岸環境を破壊し、近隣に危険
性を生じさせることもある。特に砂浜を持たず直接崖岸
が海に面している海岸では、崖岸が海蝕作用により削り
取られて後退を続け、少しづつ土地が奪われ、海岸に近
接している道路や建造物等に崩落の危険を及ぼし、更に
は海岸の優れた景観を破壊してしまうこともある。
しかしてより詳しく述べると、本発明は、このように海
蝕作用を受けて後退を続け、破壊されつつある崖岸のう
ち、海蝕崖に面する海域に消波作用を果たす岩礁が存在
している海蝕崖について、特に景観を保持しつつ保全乃
至は回復を企図する護岸工に関するものである。
[従来の技術] 現在各地で行なわれている護岸工は、主として海蝕崖の
前面に捨ブロックやテトラポッド等の各種のコンクリー
トブロック類を積重ねて配置し、それらのコンクリート
ブロック類の消波作用により、海食崖を強い波浪から保
護するよう構成しているものである。
上記コンクリートブロック類には種々の形状のものや岩
のように着色したものなどもある。また大きさにも種々
のものがある。
また海岸より所定の距離を置いた海中に海岸と平行に離
岸堤を築造し、これらによって海岸を保護すると同時
に、上記離岸堤の開口部に対応す海岸に、両側に突堤を
設けて又は設けないで玉石状砕波材を配置した護岸工も
提案されている(特開昭47−15942号)。
更には砂を失った海水浴場等のように、比較的平坦な海
岸に於いては、海岸に単純に砂を投入する護岸工が行な
われた例もある。
[発明が解決しようとする問題点] 前記のようなコンクリートブロック類を海中に積重ねる
護岸工によると、特に干潮時にはそれらのコンクリート
ブロック類の多くが露出することになり、海岸の景観を
害する問題があることが指摘されている。前記のよう
に、ブロック類を岩に似せて着色したり、形状に若干の
工夫を凝らしたりしたものが使用されている場合もある
が、やはり不自然であり、景観の保持には程遠いものと
言わざるを得ない。したがって観光地等ではその理由だ
けでも採用し難いのが実情である。
また上記のようなコンクリートブロック類による護岸工
では、海蝕崖周辺に砂を寄せる作用がないので、後述す
るような砂による波に対する緩衝作用を期待することが
できない。かえって上記コンクリートブロック積工の背
面では既存の若干の砂さえも洗い流され、大陸性砂利が
露出するような結果になりかねないものである。
更にコンクリートブロック類は、海とすぐには馴染まな
いと言う問題もある。
二番目に述べた離岸堤と玉石状砕波材を用いる護岸工も
また離岸堤を構成する点で、上記と同様に、自然の景観
と整合せず、他方、離岸堤の背面では基部の洗掘が生じ
る等により、その崩壊の問題が早晩生じる恐れがある等
の重大な欠点を有する。
更に上記護岸工では、離岸堤の開口部の存在のために、
その間を戻る流水の流速が非常に速くなり、そのことか
ら生じる海岸線対応部の侵食による後退を防止すべく前
記のように玉石状の砕波材を配置しているが、これらの
玉石状砕波材は、その寸法によってそれぞれ若干異なる
が、いずれ海中に転がり下ってしまうもので、海岸線の
保全には役に立ち得ない。この提案の中には、20cm〜70
cmもの径を有するものも含まれるが、このように大きい
ものと云えども海が荒れた場合にはやはり流出してしま
うものである。
勿論大きいもの程転動降下するのに時間がかかることは
認められる。しかし波の力は予想外に大きいので人の頭
程もあるものでも、遠からず海中に降下してしまうもの
である。
前記のように、それらが砂に埋まってしまった場合に
は、通常の条件では容易に海中に降下しなくなるが、そ
れでもいずれ海が台風等で荒れた場合には流され海中に
降下してしまうこととなる。
このメカニズムを説明する。先ず砂利等は、海岸の傾斜
より角度がきつく積み重ねられた部分が通常の条件でた
ちまちのうちに転動降下してしまう。特に大型の岩石等
は若干時間がかかるがやはり海が荒れた際に降下するこ
ととなる。
一方先ず海岸には、一年のうちには何度も渡り砂(漂
砂)の寄せる時期があり、その時期に、上記海岸に配し
た砂利等の上に細めの砂である渡り砂が寄せられ、徐々
に砂利等の隙間を埋めるに至ると、一般の砂利でも通常
の条件では容易には転動降下しなくなる。しかし更に砂
の堆積が進んで、隙間に堆積した砂の厚みが一定の厚み
を越えるに至ると(その厚みは砂の径によって異なり、
径が小さい程薄い)、海中の砂中への浸透がなくなる結
果、寄せる波がほぼ全量引き返すこととなり、各個の砂
利の陸側及び両側で相当流速を増し、該位置の砂を奪い
去りつつ戻って行くこととなる。そのため各砂利等は徐
々に砂から浮いた状態となる。そしてそのように浮いた
砂利等はまた波によって容易に動くこととなり、波の往
復により海岸を往復するが、下降方向への移動量が大き
いため、徐々に海中に移動していずれ失われてしまうも
のである。砂利より若干大きな岩塊も動きが少し小さい
だけで基本的に同様である。
上記砂利等が後退する波によって砂から浮くに至る過程
は、海岸で人が波の往復する渚に立った場合に、帰る波
で、足の陸側と両側の砂が奪われていく現象と同一であ
る。
しかし海が荒れた場合には、上記のように、渡り砂に埋
まっている場合でも結局簡単に流されてしまう。
また砂利は、その堆積状態の表面が砂のように平坦にな
っているとは限らず、凹凸が生じている場合が多いの
で、場合により若干強い波によって表面付近の砂利の一
部が飛ぶように移動し、波とともにあるいは波より先に
崖の基部に衝突し、海食窪を形成する原因となることも
ある。
しかして砂利でもそれより若干大きな岩塊でも結局は海
中に降下してしまうものである。大きければ若干時間が
かかると云うだけである。またこれらの大きな岩塊等で
は美しい砂浜は形成され得ない。
また前記最後に述べた砂を単純に海岸に投入する護岸工
による場合は、景観上は都合が良いが、砂の定着性が確
保されず、台風等により、海が荒れると、たちまち流出
して砂はなくなってしまう。殆ど一夏ともたないのが実
情である。
[問題点解決の着想] 本発明者が長年海岸を観察したところによると、岩浜海
岸の海蝕崖は、単なる波浪による海蝕作用を受けるだけ
でなく、崖の周囲に散在する岩石や大陸性砂利等により
波浪とともに崖の基部に繰返しツルハシまたはハンマー
の如き打撃を受け、ここが削り取られることにより、波
蝕窪が形成されている。また削り取られた岩石は、長期
的には、徐々に破砕され、砕石及び砂に姿を変えて行く
ことも観察されている。
水深の深い海岸では波のエネルギーも大きく働き、反射
波の作用で上記の砂は汀線に残れず、沖側に運ばれ、海
底に堆積するか、あるいは地形によっては他の場所に移
動して定着することが観察される。上記海蝕崖では砂を
失い、更に海蝕が進行し、一方砂が定着した海岸では、
海蝕は砂浜の緩衝作用により阻止されている。
しかしてもし上記の砂を前記岩浜海岸に人工的に堆積さ
せかつ定着させることができれば、波に対する緩衝作用
を獲得し海蝕を阻止することができる。
ところで近年河川の整備や上流に於けるダム化が進んだ
ため洪水等の危険は減少したが、これにともない河川に
より海まで運ばれる土砂の絶対量も減少し、その結果砂
の補填力をも低下させるに至っている。
海浜の砂は、性状の異なる定着砂(地砂)と渡り砂(漂
砂)の混合砂からなっており、常に移動と堆積を繰返し
ているが、定着傾向を有する定着砂も自然の新陳代謝が
ない限り、やがて極細目の渡り砂になり、大陸棚から海
溝に流出するものと考えられる。
したがって現在では海岸を保護するには人工的に砂浜を
形成する必要があると考えるに至ったが、海岸の条件に
より、風化花崗岩等による砂の生成作用と消波作用を利
用してこれを形成するか、あるいは直接に海岸の条件に
合致した定着性を有する砂を人工的に投入して堆積させ
砂浜を形成することが必要であると着想するに至ったも
のである。
なおところで本発明者の長年の海岸の観察の結果からす
ると、海岸では、相当大きな岩塊でも結局は海底に転動
降下してしまうのが普通であり、そしてそれらは決して
もとの位置までは戻ってこないものである。一方で砂は
海底と海岸を往復しているものであり、それらの中から
より適切なものを選択するのが海岸の保全に最適である
と考えるに至ったものである。
本発明は既述のように後者の条件の海岸を対象とするも
のである。
[問題点を解決するための構成] 本発明の構成の要旨とするところは、 海蝕崖に面する海域に消波作用を果たす岩礁が存在して
いる海蝕崖の護岸工に於いて、海蝕崖に面する海域に、
その海域に天然に存在する砂よりも比重が大きくかつ粗
目の砂を投入して人工砂浜を形成する護岸工である。
砂は海蝕崖の波蝕窪を完全に埋め更に上記岩礁の周囲を
埋め尽くすように投入する。
人工砂浜を形成するための上記砂には、比重の大きい粗
目砂が良い。概ね直径1.5mm〜2mmの砂がこれに該当して
いる。しかし材質も重要で、特に石英質の砂が比重が大
きいので好ましい。具体的には石英質で比重の大きい高
萩層砂岩群の粗目砂が定着砂として極めて有効である。
なお定着性を高めるためには可能な限り粒径を大きくす
れば良いという訳ではない。粗目砂の範囲を越え、砂利
にまで至ると、前記したように、逆に定着性がなくな
る。ここでその理由を更に付け加えて置くと、砂利は寄
せる波によって押しあげられる距離より、引き返す際に
引き戻される距離の方が長くなってしまうからである。
勿論、砂利だけが海岸に存在している間は寄せる波は砂
利間を浸透するため、特にその上面から突出しているも
のを除いては、帰る波の水量が減少することとなり、砂
利も容易には降下転動して行かないが、前記したよう
に、渡り砂が砂利間の隙間を埋め、浸透性がなくなる
と、寄せる波の全量が引き返し、個々の砂利の両側及び
陸側の砂が洗い流され、これが浮くに至り、返す波とと
もに転動降下することとなるものである。しかも降下し
た砂利は、前記したように、寄せる波では降下した分以
上に上昇転動することができないので、徐々に海中に転
動して行ってしまう訳である。
もっとも上記のように砂に埋まっている砂利も海が若干
荒れた場合にはやはり砂とともに流出してしまうことに
なる。
これに対して粗目の砂を堆積させた砂浜は、浸透性を有
するので、引き返す波の水量は寄せる波より若干減少す
る結果となり、砂浜より先ず砂を運び去る作用が減少す
る。また若干海が荒れて砂が運び去られたとしても、粗
目の砂程度の寸法のものであれば、その時々に一様では
ないが、寄せる波によってそれと同一距離又はそれ以上
の距離を押し上げられてくる結果となる。しかして流出
した砂がまたもとの位置まで戻ってくるものである。そ
して砂はそこにまた残されるものである。これは前記の
ように、砂浜に浸透性があるという事情から返る波より
寄せる波の方が強い場合が多いことに一つの理由があ
る。
ところで場合により、この粗目の砂の中に高萩層砂岩の
岩塊や風化花崗岩等の岩塊が多少含まれ、これらの岩塊
が砂浜中に埋め込まれても差支えない。
要するに、海岸に堆積するものは若干寸法が大きくても
流出は避けられるものではなく、必要なことは、流出に
対して比較的強く、かつ流出してもまた容易に海岸に戻
ってくる性質を有することである。そしてこの観点から
粗目砂が最適なのである。
なお港湾内等に堆積した細目の渡り砂は定着性が悪いた
め利用不可である。
[作用] 本発明は、以上のように構成したものであるから、海蝕
崖は砂浜に保護され直接に波に晒されることがなくなる
ので、その海蝕は停止する。
更にこのようにして砂浜が形成され、砂が海岸に定着す
ると、沿岸の海面が静穏を保つようになり、一層砂が堆
積し易い環境となる。
即ち、前記砂浜の浸透性に加えて緩勾配を戻ることによ
り反射波が弱くなるからである。
砂浜の緩傾斜によって寄せる波のエネルギーは長い距離
を移動しつつ徐々に低下し、ついには後退するに至る
が、砂浜の緩傾斜のため、砂浜の形成前と比べると、後
退速度は極めて緩やかなものとなる。更に寄せる波は、
上記のようにして生成された粗目砂の砂浜を移動するう
ちに、砂が粗目砂であるが故に、砂中に非常によく浸透
し、後退する反射波は、寄せるときよりも相当水量が減
少することになる。砂中に浸透する水は砂中で海中に通
じていると推測される。
しかして寄せる波により運ばれてきた砂は、その量より
も、砂浜から引き返す量の方が少なくなり、いわば砂が
砂を呼ぶような結果となり、沖合の岩礁を埋めていた砂
が再び海岸近くに帰ってきて砂を補充するようになる。
そこで一方で沖合の岩盤が再度露出し、ワカメ等の磯根
資源が発生するようになることも考えられる。
また景観上は、この護岸工は、海蝕崖に面する海域に砂
を投入して砂浜を形成するものであるから、自然の景観
に適合し、場合により景観を向上させることも有り得
る。
なお長期的には、砂の自然界に於ける補充が期待できな
いこともあり、場合により砂を再投入する必要が生じる
こともある。
[実施例] 以下図面に基づいて本発明の実施例を説明する。
これは本発明者の私有地である海岸(茨城県日立市日高
町4−3655)の一部に於いて秘密状態で実施したもので
ある。
昭和58年7月に、第2図に示したように、海蝕崖1の前
面に波蝕窪2の上部の高さまで高萩層砂岩群の粗目砂を
投入した。砂は海蝕棚3から岩礁4、4…の周囲に及ん
で投入した。5は投入砂である。
そうしたところ昭和60年7月現在で上記の砂は完全に定
着しており、渚を観察すると、更に新たな砂の堆積層も
認められる。この新たな砂の堆積層は、前記したと同様
に、上記砂浜を形成したことにより沿岸の海面が静穏を
保つようになり、その結果反射波の力が弱まり、波によ
って運ばれてきた沖合の砂がそのまま残されて生成した
と考えられる。
またこの間、波が直接に海蝕崖1に当ることがなかった
ので、海蝕の進行は当然に停止した。
また景観上は、海蝕崖1の前面に砂が投入されて砂浜が
形成された訳であるが、これはテトラポッドのようなコ
ンクリートブロック類の存在と異なり、自然の景観に適
合していると認められる。
[発明の効果] 本発明によれば、景観を損ねることなく、自然界の活動
を利用しつつ、海蝕崖を保護することができる。また本
発明では使用するのは前記の条件を備えた砂であるか
ら、テトラポッドその他のコンクリートブロック類を使
用する従来の護岸工と比べて、問題なく安価に施工でき
るという利点もある。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施例を示したもので、第1図は工事前
の海岸の状態を示した概略断面説明図、第2図は工事直
後の海岸の概略断面説明図である。 1…海蝕崖、2…波蝕窪、3…海蝕棚、4…岩礁、5…
投入砂。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】海蝕崖に面する海域に消波作用を果たす岩
    礁が存在している海蝕崖の護岸工に於いて、 海蝕崖に面する海域に、その海域に天然に存在する砂よ
    りも比重が大きくかつ粗目の砂を投入して人工砂浜を形
    成することを特徴とする護岸工。
JP60171990A 1985-08-05 1985-08-05 護岸工 Expired - Fee Related JPH0745726B2 (ja)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0238609A (ja) * 1988-07-27 1990-02-08 Toa Harbor Works Co Ltd 親水性護岸
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