JPH0747695A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JPH0747695A
JPH0747695A JP5192592A JP19259293A JPH0747695A JP H0747695 A JPH0747695 A JP H0747695A JP 5192592 A JP5192592 A JP 5192592A JP 19259293 A JP19259293 A JP 19259293A JP H0747695 A JPH0747695 A JP H0747695A
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ink
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JP5192592A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Nishigori
均 錦織
Hiromitsu Hirabayashi
弘光 平林
Fumihiro Gotou
史博 後藤
Miyuki Matsubara
美由紀 松原
Hitoshi Sugimoto
仁 杉本
Shigeyasu Nagoshi
重泰 名越
Masaya Uetsuki
雅哉 植月
Norifumi Koitabashi
規文 小板橋
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被記録媒体へのインクの浸透および定着のた
めの時間を確保して、濃度ムラや色ムラのない高品質な
画像を記録することができるインクジェット記録装置を
提供すること。 【構成】 記録ヘッドの往復記録走査によって1印字行
の印字を行い、往走査と復走査との間のキャリッジの停
止位置にて、キャリッジを所定の待機時間だけ待機させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクの吐出口が配設
されたインクジェット記録ヘッドを用いて、被記録媒体
にインク滴を吐出して記録を行うインクジェット記録装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピューターやワープロ、複写
機などOA機器が広く普及しており、これらの記録装置
の記録方式が数多く開発されている。インクジェット記
録装置は、他の記録方式と比べて高精細化が容易でしか
も高速で静粛性に優れ、かつ安価であるという優れた特
徴を有する。多色インクによるカラー画像の記録のニー
ズも高まりつつあり、カラー画像記録用のインクジェッ
ト記録装置も数多く開発されている。インクジェット記
録装置は、ノズルから噴射したインクを記録紙に付着さ
せて画像を記録するわけであるが、記録速度の向上のた
めに、複数の記録素子を集積配列してなる記録ヘッド
(以下、「マルチノズルヘッド」という)を備え、その
マルチノズルヘッドとして、インク吐出口および液路を
複数集積したものを用い、さらにカラー画像の記録に対
応するために複数個の上記マルチノズルヘッドを備えた
ものが一般的である。
【0003】図11は、上記マルチノズルヘッドを用い
て紙面上に記録するインクジェット記録装置の概略構成
を示したものである。この図において、701は計4つ
のインクジェットカートリッジである。これら4つのイ
ンクカートリッジ701は、それぞれブラック、シア
ン、マゼンタ、イエローのカラーインクが詰め込まれた
インクタンクと、マルチノズルヘッド702とにより構
成されている。図12は、このマルチノズルヘッド70
2上に配列されたマルチノズルを図11中のz方向から
視て示した図であり、同図中の801がマルチノズルヘ
ッド702上に配列されたマルチノズルである。図11
において703は紙送りローラであって、補助ローラ7
04とともに記録紙Pを押さえながら図中の矢印方向に
回転することにより、記録紙Pをy方向に随時送る。ま
た、705は給紙ローラであり、記録紙Pの給紙を行う
とともに、ローラ703,704と同様に、記録紙Pを
押さえる役割も果たす。706は4つのインクカートリ
ッジ701を支持し、かつ記録とともにこれらを移動さ
せるキャリッジである。キャリッジ706は、記録を行
っていないとき、あるいはマルチノズルヘッド702の
インク吐出の回復作業などを行うときには、図の点線で
示した位置のホームポジションhに待機するようになっ
ている。
【0004】記録動作の開始前、ホームポジションhに
あるキャリッジ706は、記録開始命令によりx方向に
移動し、それと共にマルチノズルヘッド702上のn個
のマルチノズル801からインクが吐出されることによ
り、記録紙Pの紙面上に、マルチノズルヘッド幅Lに相
当する幅の1行分の記録を行う。紙面端部までデータの
1行分の記録が終了すると、キャリッジ706は元のホ
ームポジションhに戻り、再びx方向へ移動して次の行
の記録を行う。また、1行分の記録が終了してから次の
行の記録が始まる前までに、紙送りローラ703が図1
1中の矢印方向へ回転することにより、記録紙Pを幅L
分だけy方向へ紙送りする。このようにして、キャリッ
ジ706がx方向に1往復する毎に、マルチノズルヘッ
ド幅L分の記録と紙送りとを繰り返すことにより、記録
紙Pの紙面上に多色インクによる画像の記録が完成す
る。
【0005】しかし、このように多色インクによるカラ
ー画像を記録する記録装置は、単色インクによって文字
のみを印字するものとは異なり、イメージ画像を記録す
るに当たって、記録画像の発色性、階調性、一様性など
様々な要素が重要となる。特に記録画像の一様性に関し
ては、マルチノズルヘッド製造工程で生じるわずかなノ
ズル単位の製造上のばらつきが、各ノズルのインクの吐
出量や吐出方向の向きに影響を及ぼし、最終的に、記録
画像の濃度ムラとして画像品位を劣化させる原因とな
る。
【0006】図13,14は、単色画像を記録する場合
の濃度ムラの具体例を説明するための図である。図13
(a)において、91はマルチノズルヘッドであり、こ
れは図12のものと同様であるが、ここでは、説明の簡
略化のため8個のマルチノズル92を有するものとす
る。図13(a)において、93は各マルチノズル92
から吐出されたインクドロップレットであり、通常は、
この図(a)のように揃った吐出量で、揃った方向に吐
出されるのが理想である。もし、このような吐出が行わ
れれば、図13(b)に示すように、記録紙Pの紙面上
に揃った大きさのドット10が着弾され、図13(c)
に示すように、全体的にも濃度ムラの無い一様な画像が
得られる。しかし、実際には、先にも述べたようにノズ
ル1つ1つにはそれぞれ製造上のバラツキがあり、その
バラツキが生じたまま上記と同じような記録動作を行な
った場合には、図14(a)に示すように、それぞれの
ノズルより吐出されるインクドロップ93の大きさ及び
吐出の向きにバラツキが生じ、記録紙Pの紙面上におい
ては図14(b)に示すように着弾されることになる。
この図の例の場合には、ヘッド主走査方向(図14
(b)中の左右方向)に対し、周期的にエリアファクタ
ー100%を満たせない白紙の部分、つまり画素がドッ
ト10によって完全に形成されない部分が生じたり、ま
た逆に必要以上にドットが重なり合ったり、あるいはこ
の図(b)の中央に見られるような白筋部分が発生した
りする。
【0007】この図14(b)のような状態で着弾され
たドットの集まりは、ノズル並び方向に対し、図14
(c)に示すような濃度分布を示し、結果的には、通常
人間の目でみた限り、これらの現象が濃度ムラとして感
知される。また、紙送り量のバラツキに起因して、記録
がされない部分が記録紙Pの幅方向に延在するスジ状の
部分も目立つ場合がある。
【0008】そこで、この濃度ムラとスジ状部分の発生
防止対策として、特開昭60−107975号に、単色
画像のインクジェット記録装置に関して次のような記録
方法が提案されている。その方法を図15及び図16に
より簡単に説明する。この提案の方法によると、前述し
た図13及び図14で示したマルチノズルヘッド幅Lの
領域の記録を完成させるために、マルチノズルヘッド9
1をヘッド主走査方向に計3回スキャンし、そのマルチ
ノズルヘッド幅Lの半分の4画素ずつの領域は、それぞ
れ2回のスキャンで完成している。この場合、マルチノ
ズルヘッドの8つのノズル92は、上側4つのノズル
と、下側4つのノズルとの2グループに分けられ、1つ
のノズル92が1回のスキャンで記録するドットは、画
像データを所定の画像データ配列にしたがって約半分に
間引いたものに対応する。そして、2回目のスキャン時
に残り半分の画像データに相当するドットを記録して、
4つのノズル92による4画素単位領域の記録をする。
以上のような記録方法を以下、「分割記録法」と称す。
【0009】このような分割記録法を用いると、図14
で示したマルチノズルヘッド91と同じものを使用して
も各ノズル固有のバラツキに起因する記録画像への影響
が半減されることになり、記録画像は図15(b)のよ
うになって、図14(b)のような黒筋や白筋部分が余
り目立たなくなる。したがって、濃度ムラも図15
(c)に示すように、図14の場合と比べかなり緩和さ
れることになる。
【0010】このような記録を行う際、1回目のスキャ
ンと2回目のスキャンでは、ある決まった画像データ配
列にしたがって分割された画像データが互いに補い合う
ようにして記録されるが、通常、この画像データを分割
するための画像データ配列(「間引きパターン」ともい
う)としては、図21(a),(b)に示すように、縦
横の1画素毎に、丁度千鳥格子になるようなパターンの
ものを用いるのが最も一般的である。そして、単位記録
領域(ここでは、4つのノズルによる4画素単位)にお
いて、図21(a)に示すような千鳥格子状のパターン
に基づいて間引いた画像データに対応するドットを1回
目のスキャンによって記録し、その後、図21(b)に
示すような逆千鳥格子状のパターンに基づいて間引いた
画像データに対応するドットを2回目のスキャンによっ
て記録して、単位記録領域の画像が完成される。図16
(a),(b),(c)は、それぞれこの千鳥、逆千鳥
パターンの画像データ配列を用いたときの記録方法の説
明図であり、ここでは、マルチノズルヘッド91として
前述した図13〜15と同様の8つのノズル92を持っ
たものを用いたとして説明する。まず、4画素の単位記
録領域に関しての1回目のスキャンでは、下側4つのノ
ズル92を用いて図16(a)に示すように、千鳥パタ
ーンに基づいて間引いた画像データを記録する。次に、
記録紙Pを4画素(ヘッド長の1/2)分だけ紙送りし
てから、図16(b)に示すように、2回目のスキャン
によって、逆千鳥パターンに基づいて間引いた画像デー
タを記録する。更に、記録紙Pを4画素(マルチノズル
ヘッド幅Lの1/2)分だけ紙送りしてから、図16
(c)に示すように、3回目のスキャンによって、再び
千鳥パターンによって間引いた画像データを記録する。
このようにして、順次、4画素単位の紙送りと、千鳥、
逆千鳥パターンに基づく画像データの記録を交互に繰り
返すことにより、4画素単位の記録領域を1スキャン毎
に完成させていく。以上説明したように、異なる2種類
のノズルによって単位記録領域内の記録が完成されるこ
とにより、濃度ムラの無い高画質な画像を得ることが可
能となる。
【0011】一方、インクジェット記録装置における他
の技術課題としては、記録紙P上に着弾したインクによ
って形成されるドットの形状不良及び不如意なドットの
連結(これらは、記録紙P上でのインクの吸収特性およ
び蒸発特性に影響される)の防止、さらに、異なる複数
色のインクを重複・隣接させて順次着弾させるカラーイ
ンクジェット記録装置においては、不如意なインクのに
じみによる混色などに起因する画像品位の劣化の抑制が
挙げられている。上述の分割記録法では、マルチノズル
ヘッドの1回のスキャンによるインクの吐出量を少なく
していることから、そうした点を改善する効果もある。
また、上述の分割記録法のように例えばマルチノズルヘ
ッド幅Lの1/2ずつの特別な紙送り制御を行わず、単
純に、例えばマルチノズルヘッド幅の画像領域に対して
複数回のスキャンを実施し、かつ各スキャン毎に分割し
て間引いた記録データや色別に分けた記録データを記録
するいわゆるマルチパス記録法でも、上述した課題の対
応策として提案されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記、従来の分割記録
法では、インクの吐出方向のずれ(ヨレ)などによる着
弾精度の悪化や、インクの吐出量のバラツキなどに起因
する濃度ムラを軽減することができ、また、着弾したド
ットの形状不良などに起因する画像問題を改善すること
ができるものの、記録速度の向上のために往復記録を行
いながら上記の分割記録法を行った場合には、後述する
ように、所定の記録領域を複数回にわたってスキャンし
たときに、その記録領域中における記録ポイントによっ
て、スキャンの時間間隔が異なることになり、それに起
因する濃度変化(以下、「時間間隔濃度ムラ」と称す)
が起こることがわかった。
【0013】図17,図18を用いて時間間隔濃度ムラ
について説明する。図17は、記録走査の時間間隔の差
の発生を説明するための図であって、記録ヘッドとして
単色のマルチノズルヘッド91を用いて、マルチノズル
ヘッド幅L分の1行の記録を2回の記録走査で(「スキ
ャン」ともいう)完成する分割記録法を実施した場合の
例を示す。図17では、まず、同図中左方から右方へ往
走査による記録を行う。その往走査により記録を行った
部分は、図17中、右上がりの斜線部分で示される。そ
の後、記録ヘッド91の吐出口の列の長さL(一度に記
録可能なマルチノズルヘッド副)の2分の1だけ記録紙
Pを紙送りした後、復走査により記録を行う。この復走
査により記録された部分は、図17中、左上がりの斜線
部で示される。図17中の、右上がりの斜線部と左上が
り斜線部の重なった領域は、このような2回の走査によ
って記録が完成される。この記録が完成された領域の左
端、右端をそれぞれ「ポイントA」,「ポイントB」と
称することにする。ポイントAにおいて、往走査によっ
て1度目の記録が行われてから、復走査によって2度目
の記録が行われるまでの記録走査の時間間隔は、大まか
には、記録ヘッド91がその記録行の右端まで往走査に
よる記録を行う時間と、L/2分の長さの紙送りの時間
と、右端から始まる復走査による記録がポイントAに達
するまでの時間と、を合わせた時間がかかる。それに比
べ、ポイントBにおいて1度目の記録が行われてから2
度目の記録が行われるまでの時間間隔は、大まかにはL
/2分の紙送りの時間だけであり、ポイントAに比べて
短い。
【0014】次に、図18を用いて、このようなポイン
トA,Bにおける記録走査の時間間隔の差に起因する濃
度ムラの発生について説明する。図18は、所定の記録
領域の記録を2回の記録走査で完成させる分割記録法に
おいて、記録走査の時間間隔が長い場合(図中(a))
と、その時間間隔が短い場合(図中、(b))の記録紙
P「被記録材」ともいう)に対するインクの浸透、定着
の様子を示す模式的断面図である。1回目の走査時に被
記録材Pに着弾したインクドロップレット(「インク
滴」ともいう)93−1は紙面に垂直な方向及び紙面に
沿う方向へ浸透し、インク中の染料などの色素が記録媒
体Pと物理的かつ化学的に結合する。次に、このように
先に着弾したドットと隣接させて次のドットを短い時間
間隔で打ち込んだ場合について説明する(図18(b)
参照)。後から打ち込んだインク滴93−2も紙面に垂
直な方向と、紙面に沿う方向に浸透するが、先に打ち込
んだインク滴93−1が浸透している領域にはあまり浸
透、定着しない。その原因としては、先に打ち込んだイ
ンク滴93−1がまだ浸透しつつある状態であること
や、記録媒体Pとインク中の染料などの色素などの物理
的、化学的な結合が有限であることがあげられる。その
ため、後から打ち込んだインク滴93−2は、先に打ち
込んだインク滴93−1が浸透した領域のさらに下の方
へ浸透定着することになる。
【0015】先のインク滴93−1を打ち込んだ後、長
い時間間隔をおいて次のインク滴93−2を打ち込んだ
場合は、図8(a)に示すように、後から打ち込んだイ
ンク滴93−2は、先に打ち込んだインク滴93−1が
浸透定着している領域に、比較的に多く浸透定着する。
これは、先に打ち込んだインク滴93−1が十分に浸透
して広がり、あるいはその揮発成分が蒸発したため、単
位体積当たりにおけるインク滴93−1の量が減って、
後から打ち込んだインク滴93−2が浸透できるように
なるためではないかと考えられる。
【0016】実際には、図18(a)のように往復の記
録走査の時間間隔が長い場合の方が印字濃度が高くな
る。すなわち、図18において、2回にわたり打ち込ん
だインク滴93−1,93−2が浸透、定着した状態
(図18中の最も下の図参照)を記録走査の時間間隔が
長い場合と短い場合で比較すると、時間間隔が長い場合
の方が被記録材Pの表面付近に定着したインクの量、つ
まり、染料などの色素の量が多くなり、一方、印字濃度
は、被記録材Pの表面付近に定着して発色した色素など
による光の吸収の量に対応するため、時間間隔が長い方
が記録濃度は高くなる。
【0017】次に、図19,図20を参照して、多色の
カラー記録における記録走査の時間間隔が変化すること
の弊害について説明する。カラー記録の場合にも先に述
べた時間間隔濃度ムラの弊害は同様に起こる。さらに、
それに加えて、記録走査の時間間隔差による色味のムラ
も発生する。図19は、右からイエロー(Y)、マゼン
タ(M)、シアン(Cy),ブラック(Bk)のインク
のそれぞれを吐出する4つの記録ヘッド91をキャリッ
ジ走査方向(図19中の左右方向)に並べて備えたイン
クジェット記録装置によって、所定の記録領域の記録を
2回にわたる記録走査で完成させる分割記録方法を実施
した場合の様子を示す模式図である。先に、図17で単
色で記録を行う場合について示したのと同様に、ポイン
トA、ポイントBに関しては、往走査と、ノズル幅Lの
2分の1の紙送りに続く復走査とによって記録を完成す
る。そのポイントA,Bでの記録後の紙送りと、次の往
走査で完成する記録領域の左端、右端をそれぞれポイン
トC、ポイントDとした。さて、例えば、前述した千
鳥、逆千鳥パターンにしたがって間引いた画像データの
画素の全てに、シアン(以後「Cy」と称す)とイエロ
ー(以後「Y」と称す)とによって緑色のドットを形成
する場合は、図19の位置関係からも分かるように、ポ
イントA、ポイントBでは、一度目の記録は往走査とな
るのでCyのインク滴の吐出後にYのインク滴が吐出さ
れ、逆に、2度目の記録は復走査となるのでYのインク
滴の吐出後にCyのインク滴が吐出される。それに対
し、ポイントC、ポイントDにおいては、一度目の記録
でYのインク滴が吐出された後にCyのインク滴が吐出
され、2度目の記録ではCyのインク滴の吐出後にYの
インク滴が吐出されることになる。また、前述したよう
に、ポイントAとポイントDでは記録走査の時間間隔が
長く、ポイントBとポイントCではそれが短い。
【0018】このような記録装置によって、多色のカラ
ー記録を行う場合は、往または復の1回の記録走査によ
って同一の画素に複数色のインク滴が打ち込まれること
になり、そのような場合のインクの浸透、定着の様子を
図20を用いて説明する。図20はYのインク滴93−
1が打ち込まれた後、Cyのインク滴93−2が打ち込
まれた場合のインクの浸透、定着の様子を説明するため
の模式的断面図である。まず、Yのインク滴93−1を
被記録材Pに打ち込むことにより、そのインクが被記録
材Pに浸透、定着する。次に、その上にCyのインク滴
93−2を打ち込む。それぞれのインク滴93−1,9
3−2を同じキャリッジ上に取り付けられたそれぞれの
記録ヘッド91,91から吐出するため、Yのインク滴
93−1の着弾とCyのインク滴93−2の着弾の時間
間隔はごく短い。そのため、先に単色画像の記録の例で
述べた理由により、後から打ち込んだCyのインク滴9
3−2はYのインク滴93−1が浸透した領域には浸
透、定着しにくい。Cyのインク滴93−2は、Yのイ
ンク滴93−1が浸透した領域にもいくぶんかは浸透、
定着するが、かなりの部分はYのインク滴93−1が浸
透した領域の外へ浸透し、定着する。その様子を図20
の最下図に示す。被記録材Pの表面付近にはYのインク
が主に定着し、発色した領域がより広いので全体として
はイエローに近い緑色に発色する。このように2色のイ
ンク滴93−1,93−2を被記録材Pの同一位置に着
弾させた場合、先に着弾させたインク滴の色に近い色に
被記録材Pは発色する。
【0019】したがって、図19におけるポイントA、
ポイントBは、1度目の往走査によってCy→Yの順序
でインクが打ち込まれるのでシアンに近い緑色に発色
し、2度目の復走査によってY→Cyの順序でインクが
打ち込まれるのでイエローに近い色に発色する。しか
も、先の単色画像の記録の例に示した通り、2度目の記
録(一度目にインク滴を打ち込んだ位置に隣接した位置
への記録)で打ち込むインク滴は、一度目に打ち込んだ
インク滴の浸透、定着した領域の下に定着するので、一
度目の記録の色が被記録材Pの表面を多く占めるため、
シアンに近い緑色に発色する。さらに、ポイントAとポ
イントBの色を比較すると、ポイントBは比較的に印字
時間間隔が短いので、一度目の印字の色が強く残りよ
り、シアンに近い緑色に発色する。ポイントCと、ポイ
ントDは、同様のメカニズムによりイエローに近い緑色
に発色する。また、印字時間間隔がより短いポイントC
の方がポイントDと比べよりイエローに近い緑色に発色
する。
【0020】このように、分割記録法によって、インク
滴の浸透、定着にかかる時間よりも短い時間間隔で多色
画像の記録を行うと、一記録行内の濃度ムラだけではな
く、色味のムラ、さらには記録行の間の色味のムラをも
生じる。
【0021】本発明の目的は、インクの被記録媒体への
浸透および定着のための時間を確保して、濃度ムラや色
ムラのない高品質な画像を記録することができるインク
ジェット記録装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
記録装置は、キャリッジに搭載されたインクジェット記
録ヘッドの往復記録走査により1記録行ずつの記録を順
次完成させる記録装置において、前記インクジェット記
録ヘッドの往または復の記録走査が終了してから次の記
録走査までに、前記キャリッジを所定時間だけ待機させ
る手段を備えたことを特徴とする。
【0023】
【作用】本発明のインクジェット記録装置は、インクジ
ェット記録ヘッドによる各記録走査の間にて、キャリッ
ジを所定時間待機させることにより、インクの被記録媒
体への浸透および定着のための時間を確保して、濃度ム
ラや色ムラのない高品質な画像を記録する。
【0024】また、一行の記録終了後、最終記録部のイ
ンク浸透が完了するまで、往復記録のスピードアップ効
果がなくならない範囲でキャリッジを待機させることに
より、往復走査の時間間隔のムラを軽減することができ
る。
【0025】さらに、記録ヘッドのインク吐出口のワイ
ピングやインクの予備吐出などの回復動作をキャリッジ
の待機時間中に行うことと、一行の最終記録位置への記
録が終了してから、その位置に対して次の走査を行うま
での時間が予め定めた時間になるように、キャリッジを
待機させることにより、キャリッジの待機時間による記
録速度の低下を極力抑えることもできる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0027】本発明の一実施例としてインクジェット記
録装置は、前述した図11と同様の機械的構成を備えて
おり、記録ヘッド702(図13中のマルチノズルヘッ
ド91に相当)を搭載したキャリッジ706の往復走査
を、記録紙Pの紙繰りとを繰り返すことによって、記録
紙P上に画像を記録できるようになっている。
【0028】図1(a)は、本発明の一実施例としての
インクジェット記録装置の制御部の構成を示すブロック
図である。
【0029】図1(a)において、CPU100はこの
装置各部動作の制御処理やデータ処理等を実行する。R
OM100Aには、その処理手順等が格納され、また、
RAM100Bは上記処理実行のワークエリアとして用
いられる。
【0030】記録ヘッド702におけるインク吐出は、
CPU100が電気熱変換体の駆動データおよび駆動制
御信号をヘッドドライバ702Aに供給することにより
行われる。また、CPU100は、後述するように、キ
ャリッジ706の待機時間を制御する。さらにCPU1
00は、上記キャリッジ706を移動させるためのキャ
リッジモータ20や搬送ローラ703,705を回転さ
せるための紙送り(P.F)モータ50の回転を、それ
ぞれモータドライバ20Aおよび50Aを介して制御す
る。
【0031】(第1実施例)以下、図1から図4に基づ
いて、本発明の第1実施例を説明する。本実施例は、単
色画像を記録する場合の例である。
【0032】図2は、本実施例における記録方法の説明
図である。同図中、斜線部は記録紙(被記録材)P、L
は記録ヘッド91の吐出口列の長さ(つまり、1回の走
査で記録可能なヘッド幅)を示す。まず(I)の第1走
査(往走査)により、記録ヘッド702の下側半分を用
いて、記録範囲P−1に、前述した図21(a)の千鳥
パターンにしたがって間引いた画像データの記録を行
う。次に、L/2の紙送りをしてから、記録範囲P−
1,P−2に、(II)の第2走査(復走査)により、前
述した図21(b)の逆千鳥パターンにしたがった間引
いた画像データの記録を行う。図2においては、往走査
による記録部分を右上がりの斜線で示し、復走査による
記録部分を左上がりの斜線で示す。第1走査による記録
範囲P−1は、第2走査では、記録ヘッド91の上側半
分を用いて、第1走査での画像データ(千鳥パターンに
したがって間引いた画像データ)を補完する画像データ
(逆千鳥パターンにしたがって間引いた画像データ)の
記録が行なわれて、記録が完成する。さらに、第2走査
後、L/2の紙送りを行ってから、(III )の第3走査
(往走査)を行う。第3走査では第1走査同様、千鳥パ
ターンにしたがって間引いた画像データの記録を行う。
この第3走査での記録範囲はP−2,P−3であり、こ
の走査で記録範囲P−2の記録が完了する。図2では、
は1回目の走査、は2回目の走査を示す。
【0033】なお、本実施例では、千鳥、逆千鳥パター
ンのように画面上の画像データを千鳥格子状に間引いて
記録をする例を示したが、往復の記録走査毎のドット数
がほぼ同一になるように間引くことができればよく、千
鳥格子に限るものではない。すなわち、記録ヘッド91
の上側半分によって記録される第1記録領域と、記録ヘ
ッド91の下側半分によって記録される第2記録領域と
が相互補完の関係にあって、かつ、画像データを分割し
て記録を行う場合のその分割した記録毎のドット数が均
等になっていればよい。また、本実施例では記録を2回
に分割して印字を行う例を示したが、それに限るもので
はない。
【0034】本実施例のように、前述した「分割記録
法」を用いて、単色画像を往復走査で記録する構成で
は、先に説明したように、記録走査の時間間隔の変化に
起因する「時間間隔濃度ムラ」が発生する。そこで、本
実施例では、以下に説明するように、往または復の記録
走査後、その最終記録部分におけるインクの浸透が終了
するまで、往復走査による記録の高速化の効果がなくな
らない程度に、キャリッジ706を所定時間待機させ
る。
【0035】まず、キャリッジ706を待機させること
による作用、効果を説明する。図3は往復の記録走査の
時間間隔と記録濃度との相関の説明図である。先に説明
した理由により、走査の時間間隔が長くなるにしたがい
記録濃度は高くなる。その走査の時間間隔を長くするこ
とによる記録濃度の増加の程度は、走査の時間間隔が長
くなるにつれ緩くなっていき、やがてほとんど一定にな
る。往復走査による記録行の両端部分の往復走査の時間
間隔の違い(差)は、先に図19を用いて説明したよう
に、その両端部分間の記録走査にかかる時間の2倍であ
って、その時間は一定である。例えば、図19のポイン
トA、ポイントBでの往復の記録走査の時間間隔がそれ
ぞれ図3の横軸上のA,Bだった場合、キャリッジ70
6を待機させて走査の時間間隔を長くすることにより、
図3中のA′,B′のように走査の時間間隔は変わる。
記録濃度の増加率はA′,B′の方が小さいので時間間
隔濃度ムラも小さくなる。本実施例におけるキャリッジ
706の待機時間と時間間隔濃度ムラとの関係を図1
(b)に示す。この図のように、キャリッジ706の待
機時間を長くすると時間間隔濃度ムラは小さくなる。
【0036】図4は、本実施例においてキャリッジ70
6を記録走査毎に待機させた場合の印字速度の例を示
す。本実施例の記録装置では、印字速度が100cp
s、印字を行わない状態でのキャリッジ706の移動速
度が150cpsであり、また、キャリッジ706を1
00cpsの速度で移動させるときは加速、制動のため
にそれぞれ0.06秒かかり、キャリッジ706を15
0cpsの速度で移動させるときには加速、制御のため
にそれぞれ0.09秒かかる。また、記録紙Pを1/2
行分(L/2)送るのに0.10秒かかる。また、印字
行の長さはキャリッジ706の長さ分も入れて10イン
チである。図4(a)は、キャリッジ706の2往復の
移動で1行分の記録を行う片方向印字の場合の例を示
し、同図(b)は、本実施例の往復走査による両方向印
字の場合の例を示す。それらの印字方式によって1行分
の記録を完成するのに必要な時間は次の計算により求め
られる。なお、図4においては、キャリッジ706の往
走査時の移動速度を「+」とし、それと逆の方向移動速
度を「−」とし、また、図4(a)の片方向印字の場合
は、キャリッジ706の待機時間はないものとし、かつ
キャリッジ706の戻り速度は150cps相当の速度
とする。
【0037】「片方向印字の場合」 往走査のために要する時間:0.06+1.00+0.06=1.12
(秒) キャリッジの戻りに要する時間:0.09+0.67+0.09=0.
85(秒) 1/2行分の紙送りに要する時間:0.01(秒) したがって、1行の記録に要する時間:(1.12+0.85+
0.01)×2=4.41(秒) 「両方向印字の場合」 キャリッジの待機時間:(X) 往走査のために要する時間:0.06+1.00+0.06+(X) 復走査のために要する時間:0.06+1.00+0.06+(X) したがって、1行分の記録に要する時間:2.44+2
(X) このように、片方向印字の場合は、1行の記録に必要な
時間は、4.14秒となる。また、仮りに、キャリッジ
706の待機時間がなくて往復印字を行なった場合は、
1行分の記録を完成させるのに2.44秒かかり、以下
キャリッジ待機時間Xを0.2秒,0.4秒,0.8
秒,0.9秒と設定することにより、1行分の記録を完
成するのに要する時間は2.84秒,3.24秒,4.
04秒,4.24秒となる。このことから、キャリッジ
待機時間Xが0.8秒以下なら、往復印字を行うことに
よる印字の高速化の効果がある。そこで、本実施例では
キャリッジ待機時間を0.8秒に設定した。
【0038】また、往復の記録走査の時間間隔の変化に
よる記録行の端部の色ムラを抑えながら極力記録の高速
化を図るためには、記録ヘッド91のインク吐出口のワ
イピングや、記録ヘッド91からのインクの予備吐出な
どによる回復処理をキャリッジ待機時間中に行っても良
い。それにより、記録の高速化だけでなく、キャリッジ
待機時間を所定時間に保って、従来問題であった記録回
復動作に伴う印字休止に起因する記録のムラ(以下、
「休止ムラ」という)もなくすことができる。本実施例
では、0.8秒のキャリッジ待機時間があるので、その
あいだにワイピング(0.6秒)と予備吐出(0.2
秒)を行う。
【0039】このように、各記録行毎に、キャリッジ7
06を所定時間待機させることにより、往復印字による
記録行の端部の時間間隔濃度ムラを色差で抑えながら、
記録の高速化を実現することができた。
【0040】なお、時間間隔濃度ムラを一定以下に抑え
ることができるキャリッジ待機時間は、インクの定着性
を左右する条件、つまり温度、湿度などの環境条件、イ
ンクの組成、被記録材の特性、インクの吐出量などによ
り変化する。これらの条件により、キャリッジ待機時間
を変更、または選択できるように構成しても良い。
【0041】異なる色のインク毎による単色記録を数回
にわたり繰り返すことにより、多色のカラー画像の記録
を行う場合には、わずかな濃度ムラも色ムラとなって現
れるため、単色だけの記録を行う場合よりもさらに高精
度な濃度の一様性が求められる。そのような場合に本発
明は特に有効である。
【0042】(第2実施例)図5〜図7を参照して、本
発明の第2実施例を説明する。本実施例は、多色のカラ
ー画像を分割記録法で往復記録する場合の例である。こ
こでは、前述した図19の例と同様に、キャリッジ70
6に搭載された4個のインクジェットカートリッジ70
1には、ブラックインク(以下、「Bk」と略す)、シ
アンインク(以下、「Cy」と略す)、マゼンタインク
(以下、「M」と略す)、イエローインク(以下、
「Y」と略す)が詰め込まれており、この順にインクを
重ね合わせるようにした。それらの中間色は、Cy,
M,Yの各色のインクドットを適当に重ね合わせること
により実現できる。すなわち、赤色はMとY、青色はC
yとM、緑色はCyとYを重ね合わせることにより実現
できる。一般に、黒色はCy,M,Yの3色を重ねるこ
とにより実現できるが、その場合には、黒の発色が悪
く、また精度良く重ねることが困難なため有彩色の縁ど
りが生じ、しかも単位時間当たりのインクの打ち込み密
度が高くなりすぎるために、黒だけはBkとして別に打
ち出すようにしている。
【0043】図5に本実施例での記録方法を示す。本実
施例は、往復走査による多色のカラー記録を行うので、
奇数回目の走査は往方向走査、偶数回目の走査は復走査
となる。この場合、各記録走査でのインクの打ち込み順
序は、各色の記録ヘッド91の配列方向にしたがって、
往走査ではBk→Cy→M→Y、復走査では逆にY→M
→Cy→Bkである。まず、(I)の第1の走査(往走
査)により、各記録ヘッド91の下側半分を用いて、記
録範囲P−1に、前述した図21(a)の千鳥状パター
ンにしたがって間引いた画像データの記録を行う。これ
により、記録範囲P−1に、Bk→Cy→M→Yの順序
でドット画像が形成される。次に、L/2幅の紙送りが
なされる。そして、(II)の第2の走査(復走査)で
は、各記録ヘッド91が、前述した図21(b)の逆千
鳥パターンにしたがって間引いた画像データを記録範囲
P−1,P−2に記録する。記録範囲P−1は、各記録
ヘッド91の上側半分によって記録され、記録範囲P−
2は、各記録ヘッド91の下側半分によって記録され
る。なお、図5においては、往走査による記録部分を右
上がりの斜線で示し、復走査による記録部分を左上がり
の斜線で示し、また、千鳥パターンにしたがって間引か
れた画像を「千」、逆千鳥パターンにしたがって間引か
れた画像を「逆」として示す。
【0044】この第2の走査では、逆千鳥パターンにし
たがって間引かれた画像データがY→M→Cy→Bkの
順序で記録され、そして記録範囲P−1への記録が完了
する。ここで、記録範囲P−1に記録されたドット画像
は、千鳥状に位置する記録画素の部分にBk→Cy→M
→Yの着弾順序で記録され、それを補完するように、逆
千鳥状に位置する記録画素の部分にY→M→Cy→Bk
の着弾順序で記録がされる。
【0045】その後、L/2幅の紙送りがなされてから
の第3の走査(往走査)では、第1の走査と同様に、千
鳥パターンにしたがって間引かれた画像データを記録範
囲P−2,P−3に記録する。この第3の走査により、
記録範囲P−2の部分の記録が完了する。
【0046】ここで、記録範囲P−2に記録されるドッ
ト画像は、先に逆千鳥状に位置する記録画素の部分にY
→M→Cy→Bkの着弾順序で記録された内容を補完す
るように、千鳥状に位置する記録画素の部分にBk→C
y→M→Yの着弾順序で記録されている。以下、同様の
動作を繰り返すことによって、各記録ヘッド91の1/
2幅(L/2幅)に分割された記録領域が順次記録され
て、すべての画像データの記録が完了する。なお、図5
の第2走査目および第3走査目における( )内の表示
は、過去に記録された部分を示している。
【0047】なお、本実施例では、画像データを千鳥、
および逆千鳥のように単純な千鳥格子状に間引いて記録
をする例を示したが、各記録走査毎のドット数がほぼ同
一になるように間引けば良く、千鳥格子に限るものでは
ない。すなわち、記録ヘッド91の上側半分によって記
録される第1記録領域と、記録ヘッド91の下側半分に
よって記録される第2記録領域とが相互補完の関係に合
って、かつ、画像データを分割して記録を行う場合のそ
の分割した記録毎のドット数が均等になっていれば良い
のである。
【0048】本実施例のように、多色のカラー画像を分
割記録法で往復記録する構成では、前述したように走査
の時間間隔の変化に起因する時間間隔濃度ムラが発生す
るだけではなく、先に示したように一記録行内での色味
のムラ、行間での色味のムラが発生する場合がある。そ
れらの色ムラは、異なる色の複数インクを適当に重複及
び隣接させてできる中間色によって全画素を形成するベ
タ印字を行った場合に特に顕著に現れる。そこで、本発
明では1行の記録終了後、その記録した行の最終印字部
分のインクの浸透が終了するまで、往復印字による印字
の高速化の効果がなくならない程度に、キャリッジ70
6を待機させる。
【0049】キャリッジ706の待機により、時間間隔
濃度ムラだけでなく走査の時間間隔の変化による記録行
内、および行間での色味ムラをも減少させることができ
る。その理由を図6,図7を参照して説明する。図7
は、本実施例の構成においての走査の時間間隔と発色の
程度との関係を示す図である。先に説明した図19のポ
イントA、ポイントB、ポイントC、ポイントDに対応
する点の発色の程度をそれぞれ図7のA,B,C,Dで
示す。ポイントA、ポイントBは、一度目の記録では往
走査であるのでCyとYに関してはCy→Yの順でイン
クが打ち込まれ、二度目の記録では、復走査によりY→
Cyの順でインクが打ち込まれる。そのため、ポイント
A,Bでは、先に述べた理由によりシアン(Cy)に近
い緑色(G)に発色する。また、ポイントBよりもポイ
ントAの方が往復走査の時間間隔が長いので、図7のよ
うにポイントAの方がCyとYとの中間の緑色(G)に
比較的近い色に発色する。ポイントC、ポイントDは、
一度目の記録では復走査であるのでCyとYに関しては
Y→Cyの順でインクが打ち込まれ、二度目の記録で
は、往走査によりCy→Yの順でインクが打ち込まれ
る。そのため、ポイントC,Dでは、先に述べた理由に
よりイエロー(Y)に近い緑色(G)に発色する。ま
た、ポイントCよりもポイントDの方が往復走査の時間
間隔が長いので、図7のようにポイントDの方がCyと
Yの中間の緑色(G)に比較的近い色に発色する。ポイ
ントAとポイントBの記録行における色味ムラは、図7
中のAとBとの発色の差であり、ポイントCとポイント
Dの記録行における色ムラは、同図中CとDとの発色の
差である。また、ポイントAとポイントCとの行間の色
味の差は図7中AとCとの発色の差、ポイントBとポイ
ントDとの行間の色ムラは同図中BとDとの発色の差で
ある。キャリッジ706の待機時間を設けた場合、図7
中のポイントA、ポイントB、ポイントC、ポイントD
の各点はそれぞれ同図中のA′,B′,C′,D′にず
れる。この図からも明らかなように、記録行内における
色味の差も行間の色味の差も小さくなる。
【0050】図6は、キャリッジ待機時間と行間の色差
の相関を示す図である。キャリッジ待機時間を長くすれ
ば色差は減少する傾向にある。
【0051】本実施例では、記録装置の走査時間やイン
クの定着等にかかる時間が前述した第一実施例と同じで
あるので、その第1実施例と同様にキャリッジ待機時間
を0.8秒に設定した。
【0052】また、往復走査の時間間隔の変化による行
端の色ムラを抑えながら極力記録の高速化を図るために
は、記録ヘッド91のインク吐出口のワイピングや、記
録ヘッド91からのインクの予備吐出などによる記録回
復動作をキャリッジ待機時間中に行っても良い。それに
より、記録の高速化だけでなく、キャリッジ待機時間を
所定時間に保って、従来問題であった回復動作に伴う印
字休止に起因する記録のムラもなくすことができる。
【0053】本実施例では、0.8秒のキャリッジ待機
時間があるので、その待機時間毎に、記録ヘッド91の
1つずつに対するワイピング(0.6秒)と予備吐出
(0.2秒)を行う。記録ヘッド91のインク吐出口を
ワイピングするブレードを、キャリッジ706の左右の
走査方向における左右両側の位置に設け、左側2つのY
とMの記録ヘッド91のワイピング及び予備吐出は、キ
ャリッジ706が左側のホームポジションに位置したと
きに行い、右側2つのCyとBkの記録ヘッド91のワ
イピング及び予備吐出は、キャリッジ706が右側のホ
ームポジションに位置したときに行うようにしてもよ
い。このようにすることにより、ワイピングのためキャ
リッジ706を低速度で移動させる距離を短くして、ワ
イピングにかかる時間を短縮することもできる。
【0054】このように、各記録行毎に、キャリッジ7
06を待機させることにより、往復記録による行端の時
間間隔濃度ムラを色差で抑えながら、記録の高速化を実
現することができた。
【0055】なお、時間間隔濃度ムラを一定以下に抑え
ることができるキャリッジ待機時間は、インクの定着性
を左右する条件、つまり温度、湿度などの環境条件、イ
ンクの組成、被記録材の特性、インクの吐出量などによ
り変化する。これらの条件によりキャリッジ待機時間を
変更、または選択できるように構成しても良い。
【0056】(第3実施例)本実施例では、第1実施例
で用いたインクよりもインク中のアルコールの添加量を
多くしてインクの速乾性と記録紙Pへの浸透性を良くす
ると共に、記録ヘッド91としてインクの吐出量が少な
いものを使用して記録を行う。本実施例において、キャ
リッジ待機時間を変えたときの往復走査の時間間隔に起
因する時間間隔濃度ムラを図8中の実線で示す。第1実
施例の場合(図8中の点線)と比較してみると、本実施
例では、キャリッジ待機時間を増加させたときの時間間
隔濃度ムラの減少が大きい。したがって、キャリッジ7
06を待機させることによって第1実施例と同程度の効
果を得ようとした場合は、キャリッジ待機時間をより短
く設定できることになる。これは、記録ヘッド91から
のインクの吐出量が小さいこともあって、一度目の走査
で打ち込まれたインクの溶媒が第一実施例の場合よりも
早く蒸発するためであると考えられる。本実施例では、
キャリッジ待機時間は0.5秒に設定した。
【0057】また、本実施例では、キャリッジ待機時間
が短いため、ワイピングは1ページ分の印字が終了した
後に行い、1ページの印字中には予備吐出(0.2秒)
のみ行うことにした。
【0058】この構成にすることにより、第1実施例と
同程度に時間間隔濃度ムラを抑えながら、極力記録の高
速化を実現することができた。
【0059】ところで、本実施例の記録装置では、被記
録材として、後述するコート紙、普通紙、トランスペア
レンシーフィルムを想定している。インクを速く浸透、
定着させ、かつインク中の染料などの色素をより鮮やか
に発色させるための材料を紙の表面に塗布したコート紙
と、コート紙ではない一般に普通紙と呼ばれる紙とを比
較すると、普通紙はインクの定着が遅く、にじみが激し
い(すでにインクが浸透している領域にも、後から打ち
込んだインクが浸透しやすい)ため走査の時間間隔の変
化による時間間隔濃度ムラや色味ムラは発生しにくい。
また、オーバーヘッドプロジェクター用のトランスペア
レンシーフィルムは、一般的に紙と比べ非常にインクの
浸透、定着は遅いので、走査の時間間隔の変化による時
間間隔濃度ムラや色味ムラは発生しにくい。そのため、
本実施例では、記録装置がコート紙に対し記録を行うモ
ードであるときだけキャリッジ706を待機させるよう
にしてもよい。
【0060】本実施例に用いた記録装置では、記録ヘッ
ド91のノズル口の列の幅(一度の記録走査で記録可能
な記録幅)を2分割する分割記録法を行ったが、4分
割、8分割の分割記録法で記録することもできる。8分
割記録法を用いて印字を行った場合は、行間の色味ムラ
の周期が短くなるので、印字物から30センチメートル
程度の距離から見るとムラはあまり目立たない。よっ
て、8分割の分割記録法を行う記録装置の記録モードで
はキャリッジの待機は行わなくてもよい。
【0061】(第4実施例)図9,図10を参照して第
4実施例を説明する。本実施例では、記録行の最終印字
部でのインクの浸透を待つためのキャリッジ待機時間を
管理する管理手段を設け、必要に応じて、キャリッジ待
機時間を変えることにより、時間間隔濃度ムラや色ムラ
を抑えつつ、極力印字速度を速くする。すなわち、1行
の最大印字幅の中途位置にて印字終了後、その1行中の
空白部分をキャリッジ706が非印字状態で移動するよ
うな場合、その行の最終印字部を1回目の走査で印字を
行ってから、その最終印字部を次の2回目に走査するま
での時間が、最終印字部でのインクの浸透に必要な時間
(装置の環境、インクの組成、被記録材、ヘッドの吐出
量などによりきめる)よりも短くならずかつ極力長くな
らないように、キャリッジ待機時間を変える。
【0062】本実施例では、第1,第2実施例と同じイ
ンクジェット記録装置、記録紙、インク、記録ヘッドを
使用した。新たに、印字休止タイマーを設け、キャリッ
ジ706が最終印字部からキャリッジ停止位置に移動す
るまでの時間を測り、測定時間に応じて、キャリッジ待
機時間を最適に設定して、印字の高速化を図る。
【0063】実際には、以下に説明するように、1回目
の走査によって記録領域Mの最終印字部Nの印字が終了
した時間から、キャリッジ706が減速開始の制動位置
まで移動した時間を印字休止タイマーにより測る。それ
から、予め決めた基準のキャリッジ待機時間から、キャ
リッジ706が最終印字部Nから制動位置まで行くのに
かかる時間と、次の2回目の走査によってキャリッジ7
06が印字部Nを走査するまでの時間とを引いた時間だ
け、キャリッジ706を停止位置に待機させる。また、
1回目の走査によってキャリッジ706が印字部Nから
減速開始の制動位置までの移動にかかる時間と次の2回
目の走査でキャリッジ706が印字部Nを走査するまで
の時間の合計時間よりも、基準のキャリッジ待機時間の
方が短い場合には、キャリッジ待機時間を“0”にす
る。それにより、記録紙P上における印字のレイアウト
等の印字データによらずに、往復走査の時間間隔のムラ
を抑えながら、極力高速化を図ることができる。なお、
印字を行わない空白行ではキャリッジ706を待機させ
ない。
【0064】図9を参照して説明する。記録紙P上の記
録領域(M)の1回目の走査は往走査、2回目の走査は
復走査で行うものとする。記録領域(M+2),(M+
3)のように、1行フルに印字を行った場合は、第1実
施例に示した通り0.8秒のキャリッジ待機時間を設け
る。記録領域(M)では、その最終印字部Nの印字が終
了してから、次の復走査が印字部Nから始まるまでに
は、キャリッジ706が停止位置P0 まで減速する時
間、紙送りにかかる時間、キャリッジ706の待機時
間、およびキャリッジ706が停止位置P0 から加速す
る時間に加えて、キャリッジ706が往走査によって印
字部Nから減速開始の制動位置まで移動するのにかかる
時間と、次の復走査でキャリッジ706が印字部Nまで
移動する時間が余分にかかる。そこで、キャリッジ70
6が往走査によって印字部Nから制動位置まで移動する
のにかかる時間と、次の復走査でキャリッジ706が往
走査によって印字部Nまで移動するのにかかる時間を、
第1実施例におけるキャリッジ706の待機時間から引
いて、それをキャリッジ待機時間とすれば、行の端部に
おける時間間隔濃度ムラを抑えつつ高速化を実現するこ
とができる。
【0065】以下、より具体的に説明する。まず、キャ
リッジ706が図9のの位置から往走査を行う。記録
領域(M−1)は空白行である。記録領域(M)の最終
印字部はNであるので、その印字終了時から印字休止タ
イマーがスタートし、キャリッジ706が減速開始の制
動位置に達するまで時間をカウントする。ここで、Nは
図9中左右方向の印字領域の中間点にあるものとし、ま
た前述した第1実施例と同様に、印字領域の図9中左右
方向の幅はキャリッジ706の幅分も入れて100キャ
ラクター分とすると、印字休止タイマーのカウント時間
は0.5秒となる。本実施例ではキャリッジ待機時間は
基本的に0.4秒に設定されており、キャリッジ706
の位置からの往走査と、次の復走査との間におけるキ
ャリッジ待機時間は0秒に変更する。つまり、印字休止
タイマーのカウント時間に応じて、キャリッジ待機時間
を調整する。記録領域(M+1)以降の印字では、1行
フルに印字を行うので記録領域(M+1)の1回目の走
査(復走査)の最終記録領域は図中のBとなり、休止タ
イマーがカウントする時間は0秒であり、予め設定して
いたとおり0.4秒のキャリッジ待機を行う。以下、印
字領域(M+2),(M+3)でも同様に0.4秒のキ
ャリッジ待機を行う。
【0066】図9のポイントN,A〜Gのそれぞれにお
ける往復走査の時間間隔を図10に示す。ポイントAで
は、1回目の走査(往走査)を行ってから2回目の走査
(復走査)を行うまでの走査時間間隔は、キャリッジ7
06の制動、加速のそれぞれのためにかかる0.06
秒、紙送りの0.10秒を加えて計算すると約2.12
秒である。ポイントNでは、1.12秒である。ポイン
トD,C,Bは、キャリッジ待機時間が0.4秒あるこ
とから、それぞれ2.92秒,1.92秒,0.92秒
であり、またポイントE,F,Gではそれぞれ、2.9
2秒,1.92秒,0.92秒である。ポイントB,E
間、C,F間、D,G間のそれぞれの走査時間間隔の差
は、2.0秒,0.0秒,2.0秒であるのに対し、ポ
イントA,B間、N,C間のそれぞれでは1.20秒,
0.80秒である。第1実施例のようにキャリッジ待機
時間が一定であれば、ポイントA,Nのそれぞれにおけ
る走査時間間隔がポイントE,Fと同じになることを考
えれば、本実施例のようにキャリッジ待機時間を変える
ことにより、記録の高速化を図ることができ、しかも往
復走査の時間間隔のむらをも改善できることが分かる。
【0067】なお、本実施例では、キャリッジ待機時間
の管理手段として印字休止タイマーを利用したが、他の
手段として、記録紙Pにおける印字のレイアウト等の印
字データに基づいてキャリッジ待機時間を決めるなどの
方法も考えられる。
【0068】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0069】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0070】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0071】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0072】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0073】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0074】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0075】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0076】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明のイン
クジェット記録装置は、記録ヘッドによる各記録走査の
間にて、キャリッジを所定時間待機させることにより、
インクの被記録媒体への浸透および定着のための時間を
確保して、濃度ムラや色ムラのない高品質な画像を記録
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第1実施例における制御部の
構成を示すブロック図であり、(b)は濃度ムラとキャ
リッジ待機時間との関係の説明図である。
【図2】図1に示す記録装置における記録方法を説明す
るための模式図である。
【図3】図1に示す記録装置における走査の時間間隔と
印字濃度との関係の説明図である。
【図4】図1に示す記録装置の走査時間を説明するため
の図である。
【図5】本発明の第2実施例における記録方法を説明す
るための模式図である。
【図6】本発明の第2実施例における色差とキャリッジ
待機時間との関係の説明図である。
【図7】本発明の第2実施例における走査の時間間隔と
発色との関係の説明図である。
【図8】本発明の第3実施例における濃度ムラとキャリ
ッジ待機時間との関係の説明図である。
【図9】本発明の第4実施例における記録方法を説明す
るための模式図である。
【図10】本発明の第4実施例における走査の時間間隔
の説明図である。
【図11】従来のインクジェット記録装置の概略構成図
である。
【図12】図11に示す記録ヘッドの部分説明図であ
る。
【図13】インクジェット記録装置の理想的な記録状態
の説明図である。
【図14】インクジェット記録装置の濃度ムラのある記
録状態の説明図である。
【図15】図11に示すインクジェット記録装置の分割
記録法の説明図である。
【図16】図11に示すインクジェット記録装置の分割
記録法の説明図である。
【図17】図11に示すインクジェット記録装置による
単色記録の説明図である。
【図18】走査の時間間隔がインクの浸透および定着に
与える影響を説明するための図である。
【図19】多色のカラー記録における色味ムラを説明す
るための図である。
【図20】同一領域に異なる色のインク滴を打ち込んだ
場合の浸透および定着の様子の説明図である。
【図21】千鳥、逆千鳥の間引きパターンを説明するた
めの図である。
【符号の説明】
20 キャリッジモータ 20A,50A モータドライバ 50 紙送りモータ 100 CPU 100A ROM 100B RAM 701 インクカートリッジ 702,91 マルチヘッド(記録ヘッド) 702A ヘッドドライバ 703 紙送りローラ 704 補助ローラ 705 給紙ローラ 706 キャリッジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04N 1/23 101 A 9186−5C (72)発明者 松原 美由紀 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 杉本 仁 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 名越 重泰 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 植月 雅哉 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 小板橋 規文 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャリッジに搭載されたインクジェット
    記録ヘッドの往復記録走査により1記録行ずつの記録を
    順次完成させる記録装置において、 前記インクジェット記録ヘッドの往または復の記録走査
    が終了してから次の記録走査までに、前記キャリッジを
    所定時間だけ待機させる手段を備えたことを特徴とする
    インクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 記録行の最終記録位置に応じて前記キャ
    リッジの待機時間を調整する待機時間管理手段を備えた
    ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録
    装置。
  3. 【請求項3】 前記待機時間管理手段は、記録行の最終
    記録位置への記録が終了してから前記キャリッジが所定
    の停止位置に移動するまでの時間を測る印字休止タイマ
    ーの計測時間に応じて、前記キャリッジの待機時間を調
    整するものであることを特徴とする請求項2に記載のイ
    ンクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記キャリッジの待機時間中に、前記イ
    ンクジェット記録ヘッドのインク吐出口の回復処理を行
    う回復処理手段を備えたことを特徴とする請求項1,2
    または3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 インクの被記録媒体への浸透および定着
    の特性に影響する条件に応じて、前記キャリッジの待機
    時間を変更する手段を備えたことを特徴とする請求項
    1,2,3または4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 前記インクジェット記録ヘッドは、イン
    クを吐出するために利用されるエネルギーとして、前記
    インクに膜沸騰を生じさせる熱エネルギーを発生する電
    気熱変換素子を有することを特徴とする請求項1,2,
    3,4または5に記載のインクジェット記録装置。
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