JPH0747802B2 - 真空ろう付け構造体の製造方法 - Google Patents

真空ろう付け構造体の製造方法

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JPH0747802B2
JPH0747802B2 JP10176789A JP10176789A JPH0747802B2 JP H0747802 B2 JPH0747802 B2 JP H0747802B2 JP 10176789 A JP10176789 A JP 10176789A JP 10176789 A JP10176789 A JP 10176789A JP H0747802 B2 JPH0747802 B2 JP H0747802B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、真空ろう付け時の座屈変形の少ないアルミニ
ウム合金構造体の製造方法に関する。
[従来の技術] 車輌用、各種産業用のコンデンサー、ラジエター、エバ
ポレーター等の熱交換器の構造体には、加工性が良好で
耐食性も優れ、しかも軽量である等の理由でアルミニウ
ム合金が用いられている。そして、アルミニウム合金の
接合方法としては、大きくわけてフラックスろう付け
と、フラックスを用いない真空ろう付けがある。フラッ
クスろう付けは、フラックス自体が高価であることや、
洗浄工程や排水処理の問題があるため、近年では真空ろ
う付けが多用されている。そして、大型の熱交換器の需
要の増加に伴ない、真空加熱炉も大型化してきた。
ところが、大型の真空加熱炉でろう付けした場合、従来
のフラックスろう付けや小型の真空加熱炉によるろう付
けでは生じなかったろう付け時のエロージョンが原因
で、構造体の座屈が発生した。
耐エロージョンに関してはいくつかの論文があり、エロ
ージョンの発生は、ろう溶融開始温度までに亜結晶粒が
残存している場合に顕著であり、逆に粗大に再結晶しや
すい場合にはエロージョンの発生しにくいことがわかっ
ている(鈴木ら:軽金属、vol.34、No.2[1984]p708、
当摩ら;軽金属、vol.37、No.2[1987]p119など)。さ
らに大型の真空加熱炉ではろう付け加熱時の昇温速度が
ゆるやかになるので、エロージョンが生じやすい。
[発明が解決しようとする課題] 以上のことから、本発明ではろう付け時の座屈変形を小
さくしようとするものである。
大型の真空加熱炉は5〜100℃/hrというゆるやかな昇温
速度によるろう付けであるが、従来の場合、100℃/hrよ
り速い昇温速度によるろう付けである。さらに大型の熱
交換器の場合、フィン材にかかる荷重は約0.2kgf/cm2
ある。
そこで、本発明を実施するに当り、構造体に0.2kgf/cm2
に相当する荷重をかけながらの真空ろう付けを行い、耐
座屈性を調べることで、座屈変形量の小さい構造体を得
ることができた。
さらに詳しく説明すると、成形された構造体には強度、
耐食性が必要とされることから、Mnを含むA3003系合金
が本用途に使われることが多い。A3003系合金において
はA1-Mn系化合物が析出して再結晶挙動を支配する。真
空ろう付けは約10℃/hrの比較的遅い昇温で550℃以上ま
で加熱するが、このとき、再結晶が十分に起らずに、亜
結晶粒組織が残存するとろうの侵食によりエロージョン
が起る。エロージョンが起ると強度が著しく低下し、局
部変形(座屈)して、ろう付け後に構造体は形状不良と
なり好ましくない。エロージョンを起しにくくするに
は、真空ろう付けの加熱時にろう材が溶ける(温度に達
する)以前に、材料が十分に再結晶するようにすればよ
い。
本発明ではこれらの条件を種々検討した結果、Fe,Mn、S
i、Cu量と析出物の分布サイズを規制することで、ろう
付け時の座屈変形を小さくすることができることを見出
した。
[課題を解決するための手段] 本発明は、Mn:1.0〜1.6%(重量%、以下同じ)、Fe:0.
8以下、Si:0.4%以下、Cu:0.2%以下を含む残部A1と不
可避不純物で、かつ、Fe/Si=1〜4 Mn/Si=3〜12 である合金鋳塊を570℃以上で8hr以上加熱し、450〜550
℃で熱間圧延し、さらに冷間圧延を施しあるいは施すこ
となく、300〜450℃で0.5hr以上中間焼鈍し、板厚減少
率30%以上の冷間圧延を行ってから、300〜450℃で0.5h
r以上焼鈍して、圧延面に平行な切断面で観察される析
出した化合物の最大長さが1μm以下で、かつ5×104
個/mm2以上の分布を有する軟質薄板とすることを特徴
とする真空ろう付け構造体用素材の製造方法およびかか
る素材に、板厚減少率5〜30%の冷間圧延を加え所定厚
みにした後、冷間圧延による加工ひずみ量を含めた総加
工ひずみ量が10〜35%となるように、曲げ、張出し、引
張、しごき変形で所定のフィン形状に成形し、構造体に
組立てた後、5〜100℃/hrの速さで昇温して、真空中で
ろう付けることを特徴とする真空ろう付け構造体の製造
方法である。
ろう付け時に座屈変形の少ないようにするには、高温変
形しにくい材料であるとともに、エロージョンの起りに
くい材料である必要がある。前者の場合、本発明ではMn
とCuを適当添加することとさらに最終調質をH1nとする
ことで、大型の真空ろう付け時にかかる応力(約0.2kgf
/cm2)に耐えうるだけの高温強度を得ることができる。
後者のエロージョンが起りにくい点については、成分と
合せて析出物の分布状態により決定される材料内部の組
織が最も影響ある因子といえる。つまり、ろう付け時に
エロージョンの起りにくい材料とするには、ろう付け時
に粗大に再結晶しやすいことが必要である。そのために
は、素材を製造する工程での焼鈍からろう付けに至るま
での加工度とろう付け時の昇温速度の5〜100℃/hrとの
関係から、ろう付け前で最大長さが1μm以下の微細な
析出物が5×104個/mm2以上の分布密度を有する板材
で、かつ焼鈍からろう付けに至るまでの加工度を10〜35
%とすることが必要である。析出物が1μmより大きく
なると、フィン加工後のろう付け加熱の際の再結晶の核
として働きやすくなり、結晶粒を細く形成させてしまう
ため好ましくない。また、分布密度が面積率で5×104
個/mm2より少ない場合、ろう付け加熱前の析出量が不
十分で、ろう付け加熱時に析出しやすくなり、結晶粒が
細かくなってしまうため好ましくない。
成分については、Fe、Si、Mnの量が特に析出状態に影響
を与える。これらの元素はAlと化合し、安定相であるα
相として析出しやすい。
Fe/Si=1〜4が適当である。1未満であると固溶Si量
が増加し、ろう付け加熱時のSiの析出による結晶粒微細
化が起りやすくなる。また、4より大きいと、1μmよ
り大きい粗大なAl-Mn-Fe化合物を生じやすくなり、再結
晶粒が微細になりやすい。さらにAl-Mn-Si化合物の微細
析出を阻害してしまう。
一方、Mn/Si=3〜12が適当である。3未満であると同
じく固溶Si量が増えるため好ましくないし、12より大き
いと固溶Mn量が増し、ろう付け加熱時のAl-Mn化合物の
析出により結晶粒が微細になりやすい。
成分の絶対量としては、Fe≦0.8%、1.0≦Mn≦1.6%、S
i≦0.4%が適当である。いずれも最大値を越えて添加さ
れると、1μm以上の粗大な化合物が形成しやすくな
り、かつ固溶量も増加するため、前述のとおりろう付け
加熱時の結晶粒が微細になりやすい。Mn量が1%未満の
場合は、高温強度が劣ってしまう。Mn添加により高温強
度は得られるものの、さらに高温強度を得るためにはCu
を添加する。しかし、0.2%を越えて添加された場合、
耐食性が劣るためCu≦0.2%が好ましい。
微細化合物の大きさ、分布をコントロールするための製
造条件は下記のとおりが良い。鋳塊加熱を570℃以上で8
hr以上または600℃以上で3hr以上行う。このことは、0.
1μm未満の化合物を溶入化させることによって、その
分布を減らし、一部を0.1μm以上1μm以下の大きさ
に成長させるためである。温度は高く、長時間ほど好ま
しい。しかし実用上、経済性から20hr以内とする。
熱間圧延、中間焼純は、合金板の厚みを調整するために
行われるが、その後の加熱処理で再び合金成分の析出を
促進させるためには、30%以上の冷間加工が加えられて
いると都合がよい。熱間圧延は450〜550℃、中間焼鈍の
加熱処理は300〜450℃で0.5hr以上行うとよい。
最終的に行う合金板の加熱処理は300〜450℃で0.5hr以
上が適当で、合金成分を析出させ、かつ、その大きさを
大きくする。その温度が300℃未満では効果が小さい
し、450℃より高い粗大な再結晶粒が生じやすく、薄板
の強度、加工性を損い好ましくない。
このようにして作られた薄材の構造体加工に際しては、
冷間圧延による加工ひずみ量を含めた総加工ひずみ量が
10〜35%となるように、曲げ、張出し、引張、しごき変
形で所定のフィン形状に成形する。これより大きい加工
度では粗大な再結晶粒が生じてしまい好ましくない。
ろう付け時の昇温速度を5〜100℃/hrとするのは、これ
より速い昇温では、本発明条件によらなくても、好結果
が期待できること、また、遅い場合はろう付け構造体の
工業生産において経済的、設備能力的にほとんどあり得
ないことから限定した。
[実施例] 実施例1 表1に示す成分を有するアルミニウム合金鋳塊を造塊し
た。鋳塊加熱を580℃×10hrの条件で行い、常法により
熱間圧延し、その後表1に示す種々の板厚に冷間圧延
し、焼鈍を400℃×1hrの条件で行った。
この板材の1μm以下の析出物の分布を画像解析装置
((株)ニレコ製、Luzex500)を用いて測定し、表1に
その結果を示す。
このようにして作成した板を0.20mmtに冷間圧延したの
ち、フィンピッチ2.7mm、フィン高さ9mmのフィンに成形
した。フィン成形時の加工度は断面の硬度変化から求め
たところ、圧延による板厚減少率にして5〜25%相当で
あった。
そして、第1図に示すように、フィン1の上下を、JIS
A 3003にJIS A 4004をクラッドした板2、3で挾み、実
験用フィンコアとした。このコアに応力0.2kgf/cm2相当
の重りをのせ、真空度約5×10-6Torrの真空加熱炉にて
600℃まで加熱しろう付けした。
昇温速度は5〜100℃/hrとした。そして、第2図に示す
ようにろう付け後の座屈量αを測定し表1に示した。
また、最終板材の耐食性を確認するために、5%食塩水
(35℃)を100時間噴霧し、JIS Z 2371に準拠して耐食
性試験を行い、その結果をJIS A 1050と相対的に比較し
て評価し、表1に示した。なお、JIS A 1050の成分は、
Fe:0.26%、Si:0.08%で他は0.01%以下の不可避不純物
であり、製造法は実施例のフィンの場合とほとんど同じ
で、焼鈍時の板厚は0.23mmとした。
表1の各材料について説明する。
本発明による板材はNo.1〜7である。No.1はFe/Siを上
限の4.0、Mn量を上限近傍の1.58%とした材料である。N
o.2はFe/Siを下限近傍の1.1、Mn量を上限の1.60%とし
た材料である。No.3はMn/Siを下限近傍の3.2、Si量を上
限近傍の0.38%とした材料である。No.4はMn/Siを上限
近傍の11.1とした材料である。No.5はFe量を上限近傍の
0.77%、Cu量を上限近傍の0.18%とした材料である。N
o.6はMn量を下限近傍の1.08%とした材料である。No.7
はFe/SiおよびMn/Siを下限近傍とし、1μm以上の析出
物の分布密度を下限近傍とした材料である。
比較材はNo.8〜18である。No.8はFe/Siの上限を越える
材料である。No.9はFe/Siの下限を下まわる材料であ
る。No.10はMn/Siの上限を越える材料である。No.11はM
n/Siの下限を下まわる材料である。No.12はFe量の上限
を越える材料である。No.13はMn量の上限を越える材料
である。No.14はSi量の上限を越える材料である。No.15
はCu量の上限を越える材料である。No.16はMn量を極端
に小さくし、かつFe/Si、Mn/Siを下限近傍とすること
で、析出物の分布密度を下限より下まわるようにした材
料である。No.17は中間焼鈍時の板厚を0.28mmとし、中
間焼鈍からフィン加工までの加工度を上限より上まわる
32〜50%としたものである。No.18はろう付け加熱時の
昇温速度を100℃/hrを上まわる120〜500℃/hrとしたも
のである。
表1のNo.1〜7の本発明による板材のろう付け構造体
は、座屈試験結果から100μm以下の座屈量を示し、耐
座屈性に優れていることがわかる。また、耐食性もJIS
A 1050より若干劣るものがあるものの良好といえる。
表1のNo.8〜14、No.16〜18の比較例によるろう付け構
造体は、100μm以上の座屈量を示し、耐座屈性に劣る
ことがわかる。また、Cu量が0.2%を越えるNo.15は耐食
性に劣る。
実施例2 表2に示す合金を造塊して、表3に示す条件で0.26mm
t、0.23mmt、0.21mmtの軟質板を製作した。焼鈍した板
の析出物の分布は2〜3×105個/mm2であった。これら
の板に表4に示すように冷間圧延量0%、8.7%、19.2
%を加えて、0.21mmtにし、さらにフィン成形物として
くり返し曲げ加工を15%および20%分(硬さ増加量から
推計)加えた。
引き続き、実施例1と同じ方法で実験用フィンコアをろ
う付け試験したときの座屈量とフィン材の再結晶粒径を
表4に示し。合計加工歪が15〜31%のとき、再結晶粒が
大きくなってエロージョンが抑制され、フィンコアの座
屈量も小さくなる。
[発明の効果] 本発明によれば、ゆるやかな昇温速度による大型真空ろ
う付けにおいて、座屈の少ないろう付け構造体を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例の試験片の説明図、第2図は試
験結果の説明図である。 1……フィン、2、3……板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 倉知 輝雄 兵庫県尼崎市西長洲本通2―6 住友精密 工業株式会社内 (72)発明者 安孫子 哲男 兵庫県尼崎市西長洲本通2―6 住友精密 工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Mn:1.0〜1.6%(重量%、以下同じ)、Fe:
    0.8%以下、Si:0.4%以下、Cu:0.2%以下を含む残部A1
    と不可避不純物で、かつ、 Fe/Si=1〜4 Mn/Si=3〜12 である合金鋳塊を570℃以上で8hr以上加熱し、450〜550
    ℃で熱間圧延し、さらに冷間圧延を施しあるいは施すこ
    となく、300〜450℃で0.5hr以上中間焼鈍し、板厚減少
    率30%以上の冷間圧延を行ってから、300〜450℃で0.5h
    r以上焼鈍して、圧延面に平行な切断面で観察される析
    出した化合物の最大長さが1μm以下で、かつ5×104
    個/mm2以上の分布を有する軟質薄板とすることを特徴
    とする真空ろう付け構造体用素材の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載した素材に、板厚減少率5
    〜30%の冷間圧延を加え所定厚みにした後、冷間圧延に
    よる加工ひずみ量を含めた総加工ひずみ量が10〜35%と
    なるように、曲げ、張出し、引張、しごき変形で所定の
    フィン形状に成形し、構造体に組立てた後、5〜100℃/
    hrの速さで昇温して、真空中でろう付けることを特徴と
    する真空ろう付け構造体の製造方法。
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