JPH0748375B2 - アルカリ電池用セパレータ紙 - Google Patents

アルカリ電池用セパレータ紙

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JPH0748375B2
JPH0748375B2 JP63272530A JP27253088A JPH0748375B2 JP H0748375 B2 JPH0748375 B2 JP H0748375B2 JP 63272530 A JP63272530 A JP 63272530A JP 27253088 A JP27253088 A JP 27253088A JP H0748375 B2 JPH0748375 B2 JP H0748375B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はアルカリマンガン電池、銀電池、水銀電池、亜
鉛空気電池等の各種アルカリ電池に用いるセパレータ紙
に関し、特には陽極活物質と陰極活物質の接触による電
池の内部短絡を防止するとともに、セパレータ紙に要求
される他の諸特性をも改善するものであり、そのため
の、より緻密で、かつ、内部抵抗の小さいアルカリ電池
用セパレータ紙に関するものである。
従来の技術 通常上記アルカリ電池には、陽極活物質と陰極活物質を
隔離するためのセパレータ紙が用いられているが、この
セパレータ紙として要求される特性は前記陽極活物質と
陰極活物質の接触による内部短絡を防止し、水酸化カリ
ウム等の電解液や二酸化マンガン等の減極剤に対して収
縮や変質を起さない優れた耐久性を有し、かつ、起電反
応を生ずるために必要にして充分な量の電解液を保持す
るとともに、イオンの伝導を妨げずに内部抵抗を小さく
でき、かつ、電池内部に組み込まれた場合の占有容積が
小さく、両極活物質の量を増やすことができることであ
る。
従来セパレータ紙としては、ビニヨン繊維(塩化ビニー
ルと酢酸ビニールとの共重合体繊維)とレーヨン繊維を
混抄し、抄紙機のドライヤーあるいは後加工により熱処
理し、ビニヨン繊維を部分的に熱融着して繊維を相互に
結着したセパレータ紙、あるいはビニロン繊維にリンタ
ーパルプ、レーヨン繊維等のセルロース繊維を配合し、
バインダーとしてポリビニルアルコール繊維を添加して
混抄し、前記ポリビニルアルコール繊維を抄紙機ドライ
ヤーで湿紙に含まれる水分で溶解、かつ、乾燥して繊維
を相互に結着したセパレータ紙等の合成繊維とセルロー
ス繊維より成る混抄紙が使用されている。
また特開昭62−154559号公報には、前記セパレータ紙を
構成する繊維の一部又は全部を従来の繊度1〜3デニー
ルの太い繊維に代えて、繊度0.8デニール以下の合成繊
維としたアルカリ乾電池用セパレータ紙、及び上記合成
繊維とセルロース繊維を含み、その重量比が15:85〜85:
15であるようにしたセパレータ紙、更に二層抄き合わせ
のセパレータ紙でその一層が繊度0.8デニール以下の合
成繊維、他の層が繊度1.0デニール以上のセルロース系
繊維によって形成された、より一層緻密としたセパレー
タ紙の構成が開示されている。また、出願人は水銀添加
が許容されていた当時に、特開昭54−87824号により、
低電気抵抗で、緻密であり、両極活物質の内部短絡を防
止するセパレータ紙として、CSFの値で510〜720mlの軽
度に叩解したマーセル化木材クラフトパルプを50%重量
以上になるように合成繊維と混抄して得られるセパレー
タ紙を提供している。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、このような従来の合成繊維とセパレータ
繊維とを混抄して成るセパレータ紙は、電解液や減極剤
に対する耐久性と電解液の保持性は実用上問題ないが、
セパレータ紙の孔径が大きいため、両極活物質の接触に
よる内部短絡を防止する面で不充分であるという課題が
あった。これに対処するため、セパレータとして使用す
るに際して前記セパレータ紙を数層に積層して実質的な
孔径を小さくしたり、あるいはセロファンフィルム、ポ
リエチレン多孔膜等の微細な孔を有するセパレータ材と
重ね合せて使用する等の手段が採られている。
また亜鉛を陰極活物質とするアルカリ電池にあっては、
従来より放電反応を円滑に行うため、亜鉛粒子の表面を
水銀でアマルガム化して活物質とする手段が用いられて
いるが、近時水銀による環境汚染を防止する観点から水
銀使用量の低減がはかられている。即ち我国では水銀添
加量の規制値が1985年3月以前は亜鉛に対して9.0%で
あったものが、1985年3月以後は亜鉛に対して3.0%と
なり、更に1987年9月以後は亜鉛に対して単1,単2電池
で1.0%、単3電池で同1.5%となっている。そのため、
上記水銀を低減する目的で鉛、インジウム、ガリウム、
アルミニウム等を添加した亜鉛活物質が使用されている
が、新たに発生した問題点として電池を軽負荷で使用し
た場合、酸化亜鉛の針状結晶(デンドライト)がセパレ
ータ紙中に発生し、長時間この状態が続くと内部短絡す
る惧れがある。即ち、上記水銀量を減少させることによ
って、陰極活物質である亜鉛が腐食し易くなり、その結
果、導電性を有する酸化亜鉛結晶を析出し、この結晶が
セパレータ紙中に移行して両極活物質を電気的に接触さ
せて、内部短絡を誘起するとともに、電池容量が減少し
てしまうという難点を有している。
一方上記内部短絡を防止するために、セパレータ紙の厚
さを厚くしたり、あるいはセパレータ紙の積層枚数を増
加すると、電池内部に占めるセパレータ紙の容積が増加
して、必然的に活物質の量が減少して電池容量が減少し
てしまうことになる。またセロファンフィルム等の微細
な孔を有するセパレータ材と重ね合せる場合には、薄い
セパレータが得られて電池容量の点では都合がよいが、
他方においてセパレータ紙の電池への挿入が困難とな
り、かつ、セロファンとセパレータ紙との電解液中での
寸法変化が異なるために、ボタン型電池のようにセパレ
ータ面積の小さいものでは適用することができるもの
の、セパレータ面積の大きい円筒型電池では適用するこ
とが困難であるという問題点がある。
また前記特開昭62−154559公報に記載されたように、セ
パレータ紙を構成する繊維の一部又は全部を従来の太い
デニールの繊維に代えて繊度0.8デニール以下の合成繊
維としたことによって、セパレータの緻密化を図る場合
は、繊度の小さい合成繊維を使用することにより、得ら
れるシートの密度が高くなり、又繊維が相互に熱融着あ
るいはバインダーで結着されるので、繊度の小さいもの
程結着面積が増加して、シート密度の増加以上に電気抵
抗が増加してしまうという難点を有している。さらに該
繊度の小さい合成繊維が高価であるため、コストアップ
を招来してしまうこととなる。また、前記特開昭54−87
824号によって得られるセパレータ紙の緻密度は気密度
で示すと0.2〜1.2秒/100mlの範囲であり、充分量の水銀
添加が許容されていた当時においては効果的に内部短絡
を防止することができたが、低水銀化の規制が強化され
ている今日においては内部短絡を防止するためには最早
不充分なものとなっている。また、CSFの数値を小さく
して高度に叩解すると得られるセパレータ紙が高密度と
なって電気抵抗が高くなるために、前記特開昭54−8782
4号においては叩解の程度をCSFの値で510〜720mlと軽度
のものとしている。そのため、内部短絡を防止するため
に上記気密度を得るためにはマーセル化木材クラフトパ
ルプを50重量%以上に配合する必要があった。
そこで本発明はこのような従来のアルカリ電池用セパレ
ータ紙が有している各種の課題を解消して、前記セパレ
ータ紙を緻密化して該セパレータ紙の両極活物質の接
触、もしくは低水銀化に伴う導電性酸化亜鉛結晶による
内部短絡を防止するとともに、電気抵抗を低く保って電
池容量を確保することができるアルカリ電池用セパレー
タ紙を得ることを目的とするものである。
課題を解決するための手段 本発明は上記目的を達成するために、叩解可能な耐アル
カリ性セルロース繊維と合成繊維とを混抄して成るアル
カリ電池用セパレータ紙であって、前記耐アルカリ性セ
ルロース繊維を10重量%〜50重量%の範囲で含有し、か
つ、該耐アルカリ性セルロース繊維の叩解の程度がCSF
の値で500ml〜0mlの範囲であるアルカリ電池用セパレー
タ紙の構成にしてあり、前記耐アルカリ性セルロース繊
維の一部あるいは全部が天然セルロース繊維をマーセル
化した繊維であることを特徴とする一方、前記耐アルカ
リ性セルロース繊維の一部あるいは全部が針葉樹木材パ
ルプをマーセル化した繊維を用いたアルカリ電池用セパ
レータ紙の構成にしてある。
更に前記耐アルカリ性セルロース繊維の一部あるいは全
部が広葉樹木材パルプをマーセル化した繊維であり、ま
た前記耐アルカリ性セルロース繊維の一部あるいは全部
がエスパルトパルプ、パイナップルパルプ、マニル麻パ
ルプ及びサイザル麻パルプから選択された少なくとも1
種をマーセル化した繊維であることを特徴としている。
更に前記耐アルカリ性セルロース繊維の一部あるいは全
部がポリノジックレーヨン繊維であることを特徴として
おり、また前記合成繊維の一部あるいは全部がポリエチ
レン合成パルプであるアルカリ電池用セパレータ紙とし
てある。
更に本発明では、叩解可能な耐アルカリ性セルロース繊
維と合成繊維とをバインダーを用いて混抄し、かつ、結
着して成るアルカリ電池用セパレータ紙であって、前記
耐アルカリ性セルロース繊維を10重量%から50重量%の
範囲で含有し、かつ、該耐アルカリ性セルロース繊維の
叩解の程度がCSFの値で500ml〜0mlの範囲であるアルカ
リ電池用セパレータ紙の構成にしてあり、前記耐アルカ
リ性セルロース繊維の一部あるいは全部が広葉樹木材パ
ルプをマーセル化した繊維であり、かつ、前記合成繊維
の一部あるいは全部がビニロン繊維であることを特徴と
している。また前記バインダーがポリビニルアルコール
粉末であるか、もしくは前記バインダーがポリビニルア
ルコール繊維であるアルカリ電池用セパレータ紙の構成
にしてある。
作用 上記構成の本発明によれば、得られたセパレータ紙はフ
ィブリル化した微細なセルロース繊維がセパレータ紙中
に含有されるものであり、緻密性に秀れた気密度が高い
ものであって、アルカリ電池のセパレータ紙として使用
した場合に両極活物質の接触による内部短絡や低水銀化
に伴う導電性酸化亜鉛結晶による内部短絡の防止効果が
大きく、かつ、電気抵抗の小さな、かつ、活物質の充填
量を増加することのできるセパレータ紙を得ることがで
きる。また細デニールの合成繊維を使用したセパレータ
紙と比較して、合成繊維は全く電解液を吸収しないのに
対し、セルロース繊維は繊維自体が電解液を吸収して導
電性に寄与し得るものであり、同一の細デニールの合成
繊維を使用した場合でも、本発明にかかるセパレータ紙
は合成繊維の周囲に微細なセルロース繊維が存在するた
めに結着部分の導電性に寄与しない面積が少なく、緻密
性に秀れた気密度の高いセパレータ紙としても電気抵抗
を低く保つことができる。
更にマーセル化したセルロースを叩解して使用する場合
には、比較的高密度としても依然として十分に短かいイ
オンの導電路を保持し、かつ、極めて秀れた緻密性と均
一性を有しており、緻密性により内部短絡を完全に防止
するとともに、その十分に短かいイオンの導電路により
イオンの伝導性を高め、電気抵抗を小さくすることがで
きる。またマーセル化により繊維の断面が偏平状のもの
から円形のものとなり、イオンの伝導性がよくなる。さ
らにマーセル化によって繊維が固くなるため、叩解によ
って繊維が遊離状に叩解されて、より小さく分散される
ため、叩解の程度を上げても密度が上がり難くなるもの
である。
実施例 以下本発明にかかるアルカリ電池用セパレータ紙の各種
実施例を説明する。
先ず本発明で用いるセルロース繊維は、耐アルカリ性に
秀れた叩解可能な繊維であり、このような繊維としては
例えば針葉樹木材パルプ、広葉樹木材パルプ、エスパル
トパルプ、パイナップルパルプ、マニラ麻パルプ及びサ
イザル麻パルプ等の天然セルロース繊維を冷アルカリ処
理して得たマーセル化したパルプを用いる。特に広葉樹
木材パルプ、エスパルトパルプ、パイナップルパルプの
マーセル化パルプは繊維径が小さいため、セパレータ紙
の気密度を高くすることができて好適である。
上記のマーセル化処理とは、上記天然セルロース繊維を
冷アルカリ、例えば40%の水酸化カリウム溶液中に3〜
4時間浸漬して繊維を膨潤させ、よく洗浄してパルプ中
の崩壊し易いヘミセルロースを除去すると同時に偏平で
あった繊維の断面を円形化したものである。
またリンターパルプなどのα−セルロース含有量が97%
以上のパルプは耐アルカリ性に秀れ、マーセル化しなく
ても使用できるものである。さらに再生セルロース繊維
にあっても、ポリノジックレーヨン繊維及びキュプラ繊
維等の再生セルロース繊維は叩解によってフィブリル化
を起こすため、本発明に使用することができる。
次に上記耐アルカリ性セルロース繊維に叩解を施して、
該セルロース繊維をフィブリル化させて微細な繊維とし
た後、この叩解後のセルロース繊維に合成繊維を混合
し、必要に応じてポリビニルアルコール繊維等のバイン
ダーを添加混合し、混抄する。
セルロース繊維の含有量と叩解度は、電池セパレータの
要求する特性に合わせて適当値に設定することができる
が、本発明の場合にあっては、セルロース繊維の含有量
が10重量%〜50重量%の範囲内であるようにしてあり、
かつ、叩解度がCSF(カナダ標準形口水度、Canadian St
andard Freeness)で500ml〜0mlの範囲であるようにし
てある。即ちセルロース繊維を50重量%以上含有するも
のでは、電解液を含浸した際に著しく膨潤し、該セルロ
ース繊維の厚さが増加するために電池に組み込んだ際の
セパレータ容積が大きくなり、必然的に活物質の量を減
少させなければならず、電池容量が低下してしまうこと
になる。またセルロース繊維の含有量が10重量%以下で
ある場合は、電池に組み込んだ際の電解液の保液性が不
充分になり、電池の内部抵抗が増加することになる。
更にセルロース繊維の叩解度が500mlを上回る場合は、
叩解による繊維のフィブリル化が不充分であり、従来と
同様に緻密性に劣るセパレータ紙しか得られないことに
なり、又このような叩解の少ないセルロース繊維を含有
したセパレータ紙は電解液中での膨潤度が大きくなって
しまうものである。逆にセルロース繊維の叩解度を大き
くしてCSFが0mlに到達したセルロース繊維を更に過度に
叩解すると、抄紙する際にセルロース繊維が抄き網から
流出することになり、歩留まりが低下してしまうという
結果を招く。
即ち、低水銀化の規制が強化されている今日において
は、前記した特開昭54−87824号の有する緻密性では内
部短絡を防止することができない。そのため、今日の低
水銀の状況下においても内部短絡を防止できる緻密性
(気密度)を実現するためにはCSFの数値で500ml〜10ml
と高度に叩解することが必要なのである。一方、このよ
うに高度に叩解した耐アルカリ性セルロース繊維の含有
量が50重量%を超えると、気密度が高くなり過ぎて電気
抵抗が高くなり使用に適さなくなる。
そのため、本発明では低水銀化の今日においても効果的
に内部短絡を防止し、セパレータ紙に適切な保液性を与
え、かつ、膨潤度を低く抑えることを考慮して、耐アル
カリ性セルロースの含有量は10重量%〜50重量%とし、
叩解度は500ml〜0mlとするのが適当である。特に好まし
くは含有量が15重量%〜40重量%で、叩解度は400ml〜5
0mlの範囲にするの適当である。
本発明に用いる合成繊維としては、耐アルカリ性に優れ
た繊維が好ましく、このような合成繊維としてはポリプ
ロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリアミド繊維、ビ
ニロン繊維、ビニヨン繊維等の通常の合成繊維の外、ポ
リプロピレン−ポリエチレン複合繊維、ポリプロピレン
−ポリエチレン酢酸ビニル複合繊維及びポリプロピレン
−ポリエチレンビニルアルコール複合繊維等の複合繊
維、ポリプロピレン合成パルプ及びポリエチレン合成パ
ルプ等の合成パルプがある。これらの合成繊維の中で複
合繊維は繊維自体が抄紙機のドライヤーで相互に結着す
る繊維であり、セルロース繊維と混合して抄紙するだけ
でも充分な強度のセパレータ紙が得られるので好まし
い。また合成パルプは合成樹脂をフィブリル化したもの
で、枝分れした微細なフィブリルを有するパルプ状物で
あり、叩解したセルロース繊維と混合すれば、得られる
セパレータ紙の緻密性を更に向上させることができる。
尚、ポリアミド繊維、ビニロン繊維等を合成繊維として
用い、セルロース繊維と混抄する場合には通常ポリビニ
ルアルコール繊維、ポリビニルアルコール粉末等のバイ
ンダーを添加混合してセパレータ紙とするが、上記バイ
ンダーの添加量は5重量%〜20重量%の範囲であるのが
好ましい。バインダーの添加量が5重量%に足らない場
合はセパレータ紙の強度が低下して好ましくない。また
バインダーの添加量が20重量%を超えると繊維を相互に
結着するばかりでなく、該バインダーが繊維間隙に膜状
に付着するために電気抵抗が大きくなって好ましくな
い。尚、ポリビニルアルコール粉末はポリビニルアルコ
ール繊維に比べて粒子径が小さいため、前記合成繊維及
びセルロース繊維間に均質に分布できるので、抄紙機の
ドライヤーで溶解、乾燥して繊維のバインダーとして作
用した後でも繊維間に均質に分布して、繊維間隙に膜状
に付着しにくいために、電気抵抗をポリビニルアルコー
ル繊維を使用したセパレータ紙に比べて小さくすること
ができる。
また本発明にかかるセパレータ紙の製造に際して、前記
セルロース繊維の1種あるいは2種以上を水に分散さ
せ、ビーターあるいはダブルディスクリファイナー等の
製紙用叩解機で所定のCSFまで叩解し、これに前記合成
繊維の1種あるいは2種以上を混合して、更にセパレー
タ紙の強度付与のために必要に応じてポリビニルアルコ
ール繊維、ポリビニルアルコール粉末等のバインダーを
添加混合して原料とし、丸網抄紙機あるいは長網抄紙機
等の抄紙機で抄紙する等の一般的な抄紙方法が利用され
る。
以下本発明にかかるアルカリ電池用セパレータ紙を製造
する際の具体的な各種実施例と、この実施例と比較する
ために従来例タイプのセパレータ紙を製造する際の比較
例を示す。
[実施例1] マーセル化された広葉樹木材パルプの25重量部をダブル
ディスクリファイナーでCSF200mlまで叩解した後、ビニ
ロン繊維(0.5d×2mm)65重量部とポリビニルアルコー
ル繊維10重量部とを加えて混合して原料とした。この原
料を丸網抄紙機で抄紙して、厚さ100μm、坪量32.5g/c
m3のセパレータ紙を得た。
[実施例2] リンターパルプ15重量部をビーターでCSF30mlまで叩解
した後、ビニロン繊維(1d×3mm)70重量部とポリビニ
ルアルコール繊維15重量部とを加えて混合して原料とし
た。この原料を丸網抄紙機で抄紙して、厚さ138μm、
坪量35.8g/cm3のセパレータ紙を得た。
[実施例3] ポリノジックレーヨン繊維(2d×8mm)30重量部をビー
ターでCSF400mlまで叩解した後、ビニロン繊維(1d×3m
m)60重量部とポリビニルアルコール繊維10重量部とを
加えて混合して原料とした。この原料を丸網抄紙機で抄
紙して、厚さ115μm、坪量31.9g/cm3のセパレータ紙を
得た。
[実施例4] マーセル化された針葉樹木材パルプ30重量部をダブルデ
ィスクリファイナーでCSF380mlまで叩解した後、ビニロ
ン繊維(0.5d×2mm)50重量部とポリビニルアルコール
粉末20重量部とを加えて混合して原料とした。この原料
を丸網抄紙機で抄紙して、厚さ118μm、坪量32.2g/cm3
のセパレータ紙を得た。
[実施例5] マーセル化された針葉樹木材パルプの40重量部をダブル
ディスクリファイナーでCSF480mlまで叩解した後、ポリ
プロピレン−ポリエチレン酢酸ビニル複合繊維(2d×5m
m)60重量部を加えて混合して原料とした。この原料を
丸網抄紙機で抄紙して、厚さ254μm、坪量48.3g/cm3
セパレータ紙を得た。
[実施例6] マーセル化された針葉樹木材パルプの45重量部をダブル
ディスクリファイナーでCSF160mlまで叩解した後、ポリ
エチレン合成パルプ25重量部とポリプロピレン−ポリエ
チレン複合繊維(0.7d×5mm)30重量部を加えて混合し
て原料とした。この原料を丸網抄紙機で抄紙して、厚さ
123μm、坪量34.4g/cm3のセパレータ紙を得た。
[比較例1] 末叩解のマーセル化広葉樹木材パルプの25重量部(CSF6
80ml)にビニロン繊維(0.5d×2mm)65重量部とポリビ
ニルアルコール繊維10重量部を加えて混合して原料とし
た。この原料を丸網抄紙機で抄紙して、厚さ110μm、
坪量32.1g/cm3の前記実施例1に対応するセパレータ紙
を得た。
[比較例2] 軽度に叩解されたリンターパルプ15重量部(CSF580ml)
にビニロン繊維(1d×3mm)70重量部とポリビニルアル
コール繊維15重量部を加えて混合して原料とした。この
原料を丸網抄紙機で抄紙して、厚さ140μm、坪量35.7g
/cm3の前記実施例2に対応するセパレータ紙を得た。
[比較例3] ビスコースレーヨン繊維(0.7d×5mm)30重量部にビニ
ロン繊維(1d×3mm)60重量部とポリビニルアルコール
繊維10重量部を加えて混合して原料とした。この原料を
丸網抄紙機で抄紙して、厚さ118μm、坪量31.5g/cm3
前記実施例3に対応するセパレータ紙を得た。
上記の実施例1〜実施例6と比較例1〜比較例3によっ
て得られたセパレータ紙に関し、そのCSF(ml),厚さ
(μm),坪量(g/cm3)、引張強さ(kg)、気密度
(秒/100ml),膨潤度(%)及び電気抵抗(mΩ)を夫
々測定した。なお測定方法及び装置は次の通りである。
(1)厚さ 厚さは得られたセパレータ紙の5カ所をダイヤシックネ
スゲージで測定し、その平均値とした。
(2)坪量,引張強さ 坪量はJIS P 8124に規定された方法を採用し、同じく引
張強さはJIS P 8113に規定された方法を採用した。
(3)気密度 気密度は、JIS P 8117(紙及び板紙の透気度試験方法)
のB型測定器の下部試験片取り付け部分に直径6mmの円
形絞りを取り付け、絞りの間にセパレータ紙を挟み込
み、セパレータ紙の直径6mm円形面を100mlの空気が通過
するのに要する時間(秒/100ml)を測定した。
(4)膨潤度 膨潤度は、セパレータ紙を2枚重ねにして40%KOH水溶
液に30分浸漬し、浸漬前後のセパレータ紙の厚さをダイ
ヤルシックネスゲージで測定し、次式で膨潤度を求め
た。
膨潤度(%)=(浸漬後の厚さ−浸漬前の厚さ) ÷浸漬前の厚さ×100 (5)電気抵抗 電気抵抗は3mmの間隔で平行した白金電極の間にセパレ
ータ紙を挿入し、この挿入に伴う電極間の電気抵抗の増
加をセパレータ紙の電気抵抗とした。尚、電解液として
は40%KOH水溶液を使用して、電極間の電気抵抗は1000H
zの周波数でESRメータを用いて測定した。
このような測定手段を用いて前記各実施例及び比較例の
セパレータ紙を測定した結果を表1に示す。
表1の測定結果に示す通り、本発明にかかるセパレータ
紙は、従来のセパレータ紙に比較して、気密度が顕著に
高くなっており、一方電気抵抗及び膨潤度は小さくなっ
ている。例えば、実施例1はマーセル化したセルロース
繊維をCSF200mlまで叩解したものを25重量部含有するセ
パレータ紙であり、従来の未叩解のセルロース繊維を使
用した比較例1に対応するものであるが、比較例1の気
密度は1.2秒であって、緻密性に欠け、内部短絡を生じ
易いものであるのに対し、実施例1の気密度は10.7秒で
あって、大幅に気密性が高められ、緻密性が向上してい
る。そして、電気抵抗も比較例1が18.5mΩであるのに
対し、実施例1は17.9mΩと改善されており、内部抵抗
を小さくすることができる。更に膨潤度も比較例1が26
%であるのに対し、実施例1は14%と小さくなってお
り、耐アルカリ性をも向上させることができる。
次に叩解の程度がCSF580mlである比較例2と同一の原料
をCSF30mlまで叩解した実施例2を比較すると、比較例
2の気密度は1.9秒であり、未叩解の比較例1に比して
僅か改善されているが充分ではなく、CSF500ml以下に叩
解することが必要である。そして同一の原料であっても
実施例2のようにCSF30mlまで叩解すると気密度は15.8
秒と大幅に高められており、又電気抵抗及び膨潤度もそ
れぞれ小さくなっている。
以上の測定結果から本発明にかかるセパレータ紙は気密
度が高く、従って緻密性に優れており、アルカリ電池の
セパレータ紙として使用した場合に両極活物質の接触に
よる内部短絡が防止され、更に低水銀化に伴う導電性亜
鉛結晶による内部短絡の防止効果が大きく、しかも電気
抵抗の小さなセパレータ紙であることが明らかである。
また叩解を施すことによって電解液中での膨潤度も減少
するため、セパレータ紙の耐アルカリ性も向上するもの
である。
次に前記実施例1〜実施例6と、比較例1〜比較例3に
よって得られたセパレータ紙を用いて、低水銀化亜鉛活
物質を使用したアルカリマンガン電池(LR−6)を試作
して、75Ωで100時間の放電試験を実施し、試験前後の
前記電池の放電電圧を測定した結果を測定した結果を表
2に示す。
表2から明らかなように従来のセパレータ紙を使用した
比較例1,2,3の電池の場合、試験後の放電電圧が全て0.9
V以下となっているのに対して、本発明にかかる実施例
1〜6のセパレータ紙を使用した電池は放電電圧が1.00
V以上残存していることが確認された。即ち比較例1〜
3の場合、セパレータ紙の緻密性が充分でないため、低
水銀化亜鉛活物質の使用に伴って発生した導電性酸化亜
鉛結晶によって電池が内部短絡を起したのに対して、実
施例1〜6の場合は前記導電性酸化亜鉛結晶がセパレー
タ紙によって充分に阻止されて、電池の内部短絡を防止
したためであると考えることが出来る。
なお、本発明にかかるセパレータ紙のように叩解して微
細になったセルロース繊維を含むセパレータ紙は従来の
叩解されていないセルロース繊維と合成繊維を混抄した
セパレータ紙に比べて、電解液の作用によって劣化を起
し易いようにも思われる。しかしながら、本発明のよう
にセルロース繊維の中でも耐アルカリ性に秀れたセルロ
ース繊維を叩解して使用した場合に得られるセパレータ
紙は表2の測定結果に示す通り、電解液中に長期間保存
しても劣化は認められず、むしろ電解液中での膨潤度が
表1に示すように減少するため、耐アルカリ性は向上す
るものである。
発明の効果 以上詳細に説明した如く、本発明にかかるアルカリ電池
用セパレータ紙は、叩解可能な耐アルカリ性セルロース
繊維と合成繊維とを混抄して成るアルカリ電池用セパレ
ータ紙であって、前記耐アルカリ性セルロース繊維を10
重量%〜50重量%の範囲で含有し、かつ、該耐アルカリ
性セルロース繊維の叩解の程度がCSFの値で500ml〜0ml
の範囲であるアルカリ電池用セパレータ紙の構成であっ
て、前記耐アルカリ性セルロース繊維の一部あるいは全
部が天然セルロース繊維をマーセル化した繊維であるこ
とを基本構成としているため、以下に記す作用効果がも
たらされる。即ち得られたセパレータ紙の孔径が小さい
ため、繊維が緻密化されるとともにセパレータ紙として
の気密度が高く保持されるので、アルカリ電池のセパレ
ータ紙として使用した場合に領極活物質の接触による内
部短絡を効果的に防止することができる。またセパレー
タ紙として使用するに際して該セパレータ紙の積層枚数
を少なくすることができるので、電池容量を増大するこ
とができる。
更に低水銀化に伴う導電性亜鉛結晶による内部短絡の防
止効果が大きく、かつ、電気抵抗の小さなセパレータ紙
を提供することが可能である。また得られたセパレータ
紙を用いて低水銀化亜鉛活物質を使用して試作したアル
カリ電池は、前記導電性酸化亜鉛結晶がセパレータ紙に
よって充分に阻止されるので、電池の内部短絡を防止さ
れて長時間の放電試験後の電池の放電電圧を高く保持す
ることができるという大きな効果が得られる。更にマー
セル化したセルロース繊維を叩解して使用する場合に
は、比較的高密度としても依然として十分に短かいイオ
ンの導電路を保持し、かつ、極めて秀れた緻密性と均一
性を有しており、緻密性により内部短絡を完全に防止で
きるとともに、その十分に短かいイオンの導電路により
イオンの伝導性を高め、電気抵抗を小さくすることがで
きる。またセパレータ紙の電池への挿入が容易であり、
電池内のセパレータ面積の大小に影響されないという利
点を有している。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】叩解可能な耐アルカリ性セルロース繊維と
    合成繊維とを混抄して成るアルカリ電池用セパレータ紙
    であって、該耐アルカリ性セルロース繊維を10重量%〜
    50重量%の範囲で含有し、かつ、該耐アルカリ性セルロ
    ース繊維の叩解の程度がCSFの値で500ml〜0mlの範囲で
    あることを特徴とするアルカリ電池用セパレータ紙。
  2. 【請求項2】前記耐アルカリ性セルロース繊維の一部あ
    るいは全部が天然セルロース繊維をマーセル化した繊維
    であることを特徴とする請求項1記載のアルカリ電池用
    セパレータ紙。
  3. 【請求項3】前記耐アルカリ性セルロース繊維の一部あ
    るいは全部が針葉樹木材パルプをマーセル化した繊維で
    あることを特徴とする請求項1記載のアルカリ電池用セ
    パレータ紙。
  4. 【請求項4】前記耐アルカリ性セルロース繊維の一部あ
    るいは全部が広葉樹木材パルプをマーセル化した繊維で
    あることを特徴とする請求項1記載のアルカリ電池用セ
    パレータ紙。
  5. 【請求項5】前記耐アルカリ性セルロース繊維の一部あ
    るいは全部がエスパルトパルプ、パイナップルパルプ、
    マニラ麻パルプ及びサイザル麻パルプから選択された少
    なくとも1種をマーセル化した繊維であることを特徴と
    する請求項1記載のアルカリ電池用セパレータ紙。
  6. 【請求項6】前記耐アルカリ性セルロース繊維の一部あ
    るいは全部がポリノジックレーヨン繊維であることを特
    徴とする請求項1記載のアルカリ電池用セパレータ紙。
  7. 【請求項7】前記合成繊維の一部あるいは全部がポリエ
    チレン合成パルプであることを特徴とする請求項1記載
    のアルカリ電池用セパレータ紙。
  8. 【請求項8】叩解可能な耐アルカリ性セルロース繊維と
    合成繊維とをバインダーを用いて混抄し、かつ、結着し
    て成るアルカリ電池用セパレータ紙であって、前記耐ア
    ルカリ性セルロース繊維を10重量%から50重量%の範囲
    で含有し、かつ、該耐アルカリ性セルロース繊維の叩解
    の程度がCSFの値で500ml〜0mlの範囲であることを特徴
    とするアルカリ電池用セパレータ紙。
  9. 【請求項9】前記耐アルカリ性セルロース繊維の一部あ
    るいは全部が広葉樹木材パルプをマーセル化した繊維で
    あり、かつ、前記合成繊維の一部あるいは全部がビニロ
    ン繊維であることを特徴とする請求項8記載のアルカリ
    電池用セパレータ紙。
  10. 【請求項10】前記バインダーがポリビニルアルコール
    粉末であることを特徴とする請求項8記載のアルカリ電
    池用セパレータ紙。
  11. 【請求項11】前記バインダーがポリビニルアルコール
    繊維であることを特徴とする請求項8記載のアルカリ電
    池用セパレータ紙。
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