JPH0748564A - 蓄熱材組成物 - Google Patents
蓄熱材組成物Info
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- JPH0748564A JPH0748564A JP9543994A JP9543994A JPH0748564A JP H0748564 A JPH0748564 A JP H0748564A JP 9543994 A JP9543994 A JP 9543994A JP 9543994 A JP9543994 A JP 9543994A JP H0748564 A JPH0748564 A JP H0748564A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 適正な融解温度を有し、長期リサイクル性に
優れた融解点での潜熱量の大きい蓄熱材組成物を提供す
る。 【構成】 硫酸ナトリウム10水和塩70〜90重量
%、塩化アンモニウム3〜17重量%、塩化ナトリウム
1〜13重量%および硫酸アンモニウム1〜13重量%
よりなることを特徴とする蓄熱材組成物であり、ホウ
砂、ケイ酸塩等の過冷却防止剤やカルボキシメチルセル
ロース等の相分離防止剤を配合することも包含する。
優れた融解点での潜熱量の大きい蓄熱材組成物を提供す
る。 【構成】 硫酸ナトリウム10水和塩70〜90重量
%、塩化アンモニウム3〜17重量%、塩化ナトリウム
1〜13重量%および硫酸アンモニウム1〜13重量%
よりなることを特徴とする蓄熱材組成物であり、ホウ
砂、ケイ酸塩等の過冷却防止剤やカルボキシメチルセル
ロース等の相分離防止剤を配合することも包含する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷房用に適した蓄熱材
組成物に関するものである。
組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】冷房用蓄熱材としては5〜10℃の温度
範囲内に融解点を持つものが有用とされてきた。5〜1
0℃付近に融解点を持つ組成例として、従来有機化合物
では、パラフィン系のテトラデカン(特公昭53−24
182:C14H30、融解点5℃)、やペンタデカン(C
15H32、融解点9.9℃)などが、非パラフィン系で
は、ポリエチレングリコール#400(特開昭62−1
99680:4〜8℃)や1−デカノール(5℃)など
の物質が知られていたが、これらの物質は熱伝導率が低
く融解熱もそれほど大きくないことからあまり使用され
ていないのが現状である。
範囲内に融解点を持つものが有用とされてきた。5〜1
0℃付近に融解点を持つ組成例として、従来有機化合物
では、パラフィン系のテトラデカン(特公昭53−24
182:C14H30、融解点5℃)、やペンタデカン(C
15H32、融解点9.9℃)などが、非パラフィン系で
は、ポリエチレングリコール#400(特開昭62−1
99680:4〜8℃)や1−デカノール(5℃)など
の物質が知られていたが、これらの物質は熱伝導率が低
く融解熱もそれほど大きくないことからあまり使用され
ていないのが現状である。
【0003】無機化合物系では、融解熱の大きい無機水
和塩の組成物で5〜10℃付近に融解点を持つ組成例が
数例報告されている。例えばリン酸水素2ナトリウム1
2水和塩およびリン酸水素2カリウム6水和塩との2成
分系組成物(特公昭52−11061:融解点5℃)
は、過冷却防止が完全に解決されておらず実用化するに
は大きな問題を有している。また硫酸ナトリウム10水
和塩、塩化アンモニウムおよび臭化アンモニウムの3成
分系組成物(特公昭62−56912)は、融解点が
6.3〜10.1℃の範囲にあるが長期の熱サイクル安
定性に不安がある。
和塩の組成物で5〜10℃付近に融解点を持つ組成例が
数例報告されている。例えばリン酸水素2ナトリウム1
2水和塩およびリン酸水素2カリウム6水和塩との2成
分系組成物(特公昭52−11061:融解点5℃)
は、過冷却防止が完全に解決されておらず実用化するに
は大きな問題を有している。また硫酸ナトリウム10水
和塩、塩化アンモニウムおよび臭化アンモニウムの3成
分系組成物(特公昭62−56912)は、融解点が
6.3〜10.1℃の範囲にあるが長期の熱サイクル安
定性に不安がある。
【0004】硫酸ナトリウム10水塩、塩化アンモニウ
ムおよび塩化ナトリウムの3成分系組成物[ MARIA TEL
KES,SOLAR ENERGY STORAGE,ASHRAE JOURNAL,SEPTEMBER,
1974]に説明されており、融解温度が12.8℃である
ことが知られている。また硫酸ナトリウム、水および塩
化アンモニウムの3成分系組成物(特開平2−9298
8)は、8.6〜9.6℃の範囲に融解点を持つが、凝
固温度が3.8〜4.6℃と低く、凝固させるための冷
水の温度が1〜2℃程度と低いため汎用冷凍機では使用
出来ない問題がある。
ムおよび塩化ナトリウムの3成分系組成物[ MARIA TEL
KES,SOLAR ENERGY STORAGE,ASHRAE JOURNAL,SEPTEMBER,
1974]に説明されており、融解温度が12.8℃である
ことが知られている。また硫酸ナトリウム、水および塩
化アンモニウムの3成分系組成物(特開平2−9298
8)は、8.6〜9.6℃の範囲に融解点を持つが、凝
固温度が3.8〜4.6℃と低く、凝固させるための冷
水の温度が1〜2℃程度と低いため汎用冷凍機では使用
出来ない問題がある。
【0005】冷房用蓄熱材の融解温度は、これまで好ま
しくは5〜10℃、さらに好ましくは5〜8℃と考えら
れてきた。一方既設の空調設備の冷房不足に利用する場
合は既存の汎用冷凍機(合む吸収式冷凍機)を使用する
必要があり、得られる冷水の温度が約4〜5℃に制限さ
れる可能性が高い。そこで4〜5℃の冷水で凝固する蓄
熱材を考えると凝固点は7〜8℃となり、融解温度は極
力低い方が好ましいので、融解温度は10〜13℃の範
囲にあるが最適であると考えられる。
しくは5〜10℃、さらに好ましくは5〜8℃と考えら
れてきた。一方既設の空調設備の冷房不足に利用する場
合は既存の汎用冷凍機(合む吸収式冷凍機)を使用する
必要があり、得られる冷水の温度が約4〜5℃に制限さ
れる可能性が高い。そこで4〜5℃の冷水で凝固する蓄
熱材を考えると凝固点は7〜8℃となり、融解温度は極
力低い方が好ましいので、融解温度は10〜13℃の範
囲にあるが最適であると考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、
(1)4〜5℃の冷水で凝固可能であり、融解温度が1
0〜13℃の範囲にある、(2)融解点での潜熱量が大
きい、(3)長期の熱リサイクル安定性を有する、など
の条件を満たす冷房用に適した蓄熱材組成物の提供にあ
る。
(1)4〜5℃の冷水で凝固可能であり、融解温度が1
0〜13℃の範囲にある、(2)融解点での潜熱量が大
きい、(3)長期の熱リサイクル安定性を有する、など
の条件を満たす冷房用に適した蓄熱材組成物の提供にあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、 「1. 硫酸ナトリウム10水和塩70〜90重量%、
塩化アンモニウム3〜17重量%、塩化ナトリウム1〜
13重量%および硫酸アンモニウム1〜13重量%より
なることを特徴とする蓄熱材組成物。 2. ホウ砂、ケイ酸塩および氷品石からなる群から選
ばれた少なくとも1種の過冷却防止剤0.1〜10重量
%,およびカルボキシルメチルセルロース、アタパルジ
ャイ粘土及び水不溶性樹脂からなる群から選ばれた少な
くとも1種の相分離防止剤0.1〜10重量%を配合し
た、1項に記載された蓄熱材組成物。 3. 硫酸ナトリウム10水和塩75〜85重量%、塩
化アンモニウム5〜12重量%、塩化ナトリウムム4〜
10重量%および硫酸アンモニウム4〜10重量%を含
有する、1項または2項に記載された蓄熱材組成物。 4. 前記蓄熱材組成物の融解点が10〜13℃の範囲
にある、1項ないし3項のいずれか1項に記載された蓄
熱材組成物。 5. 前記蓄熱材粗成物が30.1〜47.3cal/g の
融解潜熱量を有する、1項ないし4項のいずれか1項に
記載された蓄熱材組成物。 6. 前記過冷却防止剤がホウ砂である、1項ないし5
項のいずれか1項に記載された蓄熱材組成物。 7. 前記相分離防止剤が水不溶性吸水性樹脂である、
1項ないし6項のいずれか1項に記載された蓄熱材組成
物。」 に関する。
塩化アンモニウム3〜17重量%、塩化ナトリウム1〜
13重量%および硫酸アンモニウム1〜13重量%より
なることを特徴とする蓄熱材組成物。 2. ホウ砂、ケイ酸塩および氷品石からなる群から選
ばれた少なくとも1種の過冷却防止剤0.1〜10重量
%,およびカルボキシルメチルセルロース、アタパルジ
ャイ粘土及び水不溶性樹脂からなる群から選ばれた少な
くとも1種の相分離防止剤0.1〜10重量%を配合し
た、1項に記載された蓄熱材組成物。 3. 硫酸ナトリウム10水和塩75〜85重量%、塩
化アンモニウム5〜12重量%、塩化ナトリウムム4〜
10重量%および硫酸アンモニウム4〜10重量%を含
有する、1項または2項に記載された蓄熱材組成物。 4. 前記蓄熱材組成物の融解点が10〜13℃の範囲
にある、1項ないし3項のいずれか1項に記載された蓄
熱材組成物。 5. 前記蓄熱材粗成物が30.1〜47.3cal/g の
融解潜熱量を有する、1項ないし4項のいずれか1項に
記載された蓄熱材組成物。 6. 前記過冷却防止剤がホウ砂である、1項ないし5
項のいずれか1項に記載された蓄熱材組成物。 7. 前記相分離防止剤が水不溶性吸水性樹脂である、
1項ないし6項のいずれか1項に記載された蓄熱材組成
物。」 に関する。
【0008】
【作用】本発明組成物の主成分は、硫酸ナトリウム10
水和塩であり、該塩は32.5℃の融点および約60ca
l/g の融解潜熱量を有する。本発明の組成物において
は、10〜13℃の融解温度を有する蓄熱材組成物を得
るために、融点調整剤として、塩化アンモニウム、塩化
ナトリウムおよび硫酸アンモニウムが配合される。本発
明の組成物中の硫酸ナトリウム水和塩の含有量は70〜
90重量%、好ましくは75〜85重量%である。該塩
の量が90重量%超過であると、前記融点調整剤の配合
量が少なくなるので、組成物の融解温度が10〜13℃
の範囲まで低下せず、該塩の量が70重量%未満である
と、組成物の融解潜熱量が小さくなるので好ましくな
い。
水和塩であり、該塩は32.5℃の融点および約60ca
l/g の融解潜熱量を有する。本発明の組成物において
は、10〜13℃の融解温度を有する蓄熱材組成物を得
るために、融点調整剤として、塩化アンモニウム、塩化
ナトリウムおよび硫酸アンモニウムが配合される。本発
明の組成物中の硫酸ナトリウム水和塩の含有量は70〜
90重量%、好ましくは75〜85重量%である。該塩
の量が90重量%超過であると、前記融点調整剤の配合
量が少なくなるので、組成物の融解温度が10〜13℃
の範囲まで低下せず、該塩の量が70重量%未満である
と、組成物の融解潜熱量が小さくなるので好ましくな
い。
【0009】融点調整剤合計の含有量は10〜30重量
%、好ましくは15〜25重量%である。その効果が最
も大きい塩化アンモニウムは組成物全重量当たり、3〜
17重量%、好ましくは5〜12重量%である。塩化ア
ンモニウムの配合量がこの範囲外であると、融解温度が
10〜13℃とならない。塩化ナトリウムは、塩化アン
モニウムとの組み合わせにより、硫酸ナトリウム10水
和塩を主成分とする蓄熱材組成物の融解温度を13℃前
後まで低下することが出来る。該塩化ナトリウムの配合
量は1〜13重量%、好ましくは4〜10重量%であ
り、塩化アンモニウムの配合量と同じかそれ以下であ
る。
%、好ましくは15〜25重量%である。その効果が最
も大きい塩化アンモニウムは組成物全重量当たり、3〜
17重量%、好ましくは5〜12重量%である。塩化ア
ンモニウムの配合量がこの範囲外であると、融解温度が
10〜13℃とならない。塩化ナトリウムは、塩化アン
モニウムとの組み合わせにより、硫酸ナトリウム10水
和塩を主成分とする蓄熱材組成物の融解温度を13℃前
後まで低下することが出来る。該塩化ナトリウムの配合
量は1〜13重量%、好ましくは4〜10重量%であ
り、塩化アンモニウムの配合量と同じかそれ以下であ
る。
【0010】硫酸アンモニウムは融点調節剤としての効
果は塩化アンモニウムや塩化ナトリウムに比べて大きく
ない。しかしながら、硫酸アンモニウムを添加すると組
成物中にアンモニウムイオンと硫酸イオンが増加するた
めか、潜熱量が大きくなり、融解時の挙動変化も安定す
ることが判った。硫酸アンモニウムの配合量は、1〜1
3重量%、好ましくは4〜10重量%、更に好ましくは
塩化アンモニウムの配合量と同じかそれ以下が望まし
い。塩化ナトリウムおよび硫酸アンモニウムの添加量が
1重量%未満もしくは13重量%超過であると、融解温
度が10〜13℃とならない。
果は塩化アンモニウムや塩化ナトリウムに比べて大きく
ない。しかしながら、硫酸アンモニウムを添加すると組
成物中にアンモニウムイオンと硫酸イオンが増加するた
めか、潜熱量が大きくなり、融解時の挙動変化も安定す
ることが判った。硫酸アンモニウムの配合量は、1〜1
3重量%、好ましくは4〜10重量%、更に好ましくは
塩化アンモニウムの配合量と同じかそれ以下が望まし
い。塩化ナトリウムおよび硫酸アンモニウムの添加量が
1重量%未満もしくは13重量%超過であると、融解温
度が10〜13℃とならない。
【0011】本発明の蓄熱材組成物は、硫酸ナトリウム
10水和塩、塩化アンモニウム、塩化ナトリウムおよび
硫酸ナトリウムから実質的になるものであるが、さらに
過冷却防止剤および相分離防止剤を含有することが出来
る。本発明において使用することの出来る過冷却防止剤
としては、ホウ砂、ケイ酸塩、氷晶石等をあげることが
出来、中でもホウ砂が好ましい。相分離防止剤の配合量
は、組成物重量当たり0.1〜10重量%、好ましくは
0.5〜5重量%である。
10水和塩、塩化アンモニウム、塩化ナトリウムおよび
硫酸ナトリウムから実質的になるものであるが、さらに
過冷却防止剤および相分離防止剤を含有することが出来
る。本発明において使用することの出来る過冷却防止剤
としては、ホウ砂、ケイ酸塩、氷晶石等をあげることが
出来、中でもホウ砂が好ましい。相分離防止剤の配合量
は、組成物重量当たり0.1〜10重量%、好ましくは
0.5〜5重量%である。
【0012】本発明において使用することの出来る相分
離防止剤としては、カルボキシメチルセルロース、アタ
パルジャイ粘土、水不溶性吸水性樹脂、アルギン酸ナト
リウム、ゼラチン、寒天、木質パルプ、シリカゲル、ケ
イ藻土等をあげることができ、中でもカルボキシメチル
セルロース、アタパルジャイ粘土、水不溶性吸水性樹
脂、例えば架橋ポリアクリル酸塩、酢酸ビニルーアクリ
ル酸共重合体の部分ケン化物、澱粉―アクリル酸のグラ
フト共重合体が好ましい。過冷却防止剤の配合量は、組
成物重量当たり0.1〜10重量%,好ましくは0.5
〜5重量%である。これらの相分離防止剤の使用によ
り、安定した長期リサイクル性能を有する蓄熱材組成物
を得ることが出来る。
離防止剤としては、カルボキシメチルセルロース、アタ
パルジャイ粘土、水不溶性吸水性樹脂、アルギン酸ナト
リウム、ゼラチン、寒天、木質パルプ、シリカゲル、ケ
イ藻土等をあげることができ、中でもカルボキシメチル
セルロース、アタパルジャイ粘土、水不溶性吸水性樹
脂、例えば架橋ポリアクリル酸塩、酢酸ビニルーアクリ
ル酸共重合体の部分ケン化物、澱粉―アクリル酸のグラ
フト共重合体が好ましい。過冷却防止剤の配合量は、組
成物重量当たり0.1〜10重量%,好ましくは0.5
〜5重量%である。これらの相分離防止剤の使用によ
り、安定した長期リサイクル性能を有する蓄熱材組成物
を得ることが出来る。
【0013】本発明は、硫酸ナトリウム水和塩と塩化ア
ンモニウム、塩化ナトリウム、硫酸アンモニウムを特定
の割合で包含するところに特徴があり、この構成の1種
を欠いてもまた特定の使用割合から外れても本発明の効
果は奏されない。
ンモニウム、塩化ナトリウム、硫酸アンモニウムを特定
の割合で包含するところに特徴があり、この構成の1種
を欠いてもまた特定の使用割合から外れても本発明の効
果は奏されない。
【0014】
実施例1〜13 蓄熱材組成物の調製法およびその熱評価 硫酸ナトリウム10水和塩、塩化アンモニウム、塩化ナ
トリウムおよび硫酸アンモニウムを表1に示す割合で混
合し、次いでこれに過冷却防止剤としてホウ砂を硫酸ナ
トリウム系水和物100重量部に対して1.5重量部お
よび相分離防止剤に水不溶性吸水性樹脂(サンウエット
IM-1000 三洋化成株式会社製)を硫酸ナトリウム系水
和物100重量部に対して1.5重量部添加してミキサ
ーで撹拌し、組成物を調製した。この時、組成物を十分
に均質になるまで撹拌することが非常に重要であり、撹
拌が不十分であると設計通りの熱量が得られないので注
意が必要である。得られた組成物を、DSCにて―10
℃〜40℃の温度範囲で潜熱量を測定した。また、該組
成物の試料40ccを85ccの遠心沈殿管に入れ、中央部
に熱電対を挿入してゴム栓で密封し、水槽に入れ、5℃
と15℃の間で凝固・融解リサイクルを行い温度変化の
パターンを測定した。また凝固時の過冷却温度、凝固温
度及び平均融解温度を測定した。過冷却温度は過冷却状
態が破れた時の温度を表す。また、過冷却が破れて蓄熟
材が凝固するにしたがい潜熱を放出するため温度が上昇
する。この時、最高到達温度を凝固温度とする。平均融
解温度は融解開始から終了までの平均温度を表す。測定
結果は表1に示す。
トリウムおよび硫酸アンモニウムを表1に示す割合で混
合し、次いでこれに過冷却防止剤としてホウ砂を硫酸ナ
トリウム系水和物100重量部に対して1.5重量部お
よび相分離防止剤に水不溶性吸水性樹脂(サンウエット
IM-1000 三洋化成株式会社製)を硫酸ナトリウム系水
和物100重量部に対して1.5重量部添加してミキサ
ーで撹拌し、組成物を調製した。この時、組成物を十分
に均質になるまで撹拌することが非常に重要であり、撹
拌が不十分であると設計通りの熱量が得られないので注
意が必要である。得られた組成物を、DSCにて―10
℃〜40℃の温度範囲で潜熱量を測定した。また、該組
成物の試料40ccを85ccの遠心沈殿管に入れ、中央部
に熱電対を挿入してゴム栓で密封し、水槽に入れ、5℃
と15℃の間で凝固・融解リサイクルを行い温度変化の
パターンを測定した。また凝固時の過冷却温度、凝固温
度及び平均融解温度を測定した。過冷却温度は過冷却状
態が破れた時の温度を表す。また、過冷却が破れて蓄熟
材が凝固するにしたがい潜熱を放出するため温度が上昇
する。この時、最高到達温度を凝固温度とする。平均融
解温度は融解開始から終了までの平均温度を表す。測定
結果は表1に示す。
【0015】比較例1〜3を上記実施例と同様にして組
成物を調製し、それらの熱評価を行った。その結果を表
1に示す。
成物を調製し、それらの熱評価を行った。その結果を表
1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】以上の結果から、硫酸ナトリウム10水塩
―塩化アンモニウム―塩化ナトリウムー硫酸アンモニウ
ムの組成割合が特許請求の範囲第1項に記載された範囲
にある実施例1〜13の組成物はいずれも平均融解温度
が目的温度である10〜13℃の範囲にある。実施例4
の組成物の12.4℃以外はいずれも11.8℃以下と
目的温度範囲のなかでもより低温よりの組成物であり、
システムにおいて熱の取り出し温度が低い冷房用に適し
た蓄熱材組成物であることが判る。実施例4の組成物は
融点が12.4℃と若干高めであるが、蓄熱量は35.
9cal/g と非常に大きい優れた蓄熱材組成物であること
が判る。実施例の中で、蓄熱量が最も低いもので30.
1cal/g であり、容積当たり45.2cal/cm2 (これら
の組成物の比重1.50)と氷の蓄熱量に対して約半分
の熱量を蓄熱可能な優れた蓄熱材であることが判る。
―塩化アンモニウム―塩化ナトリウムー硫酸アンモニウ
ムの組成割合が特許請求の範囲第1項に記載された範囲
にある実施例1〜13の組成物はいずれも平均融解温度
が目的温度である10〜13℃の範囲にある。実施例4
の組成物の12.4℃以外はいずれも11.8℃以下と
目的温度範囲のなかでもより低温よりの組成物であり、
システムにおいて熱の取り出し温度が低い冷房用に適し
た蓄熱材組成物であることが判る。実施例4の組成物は
融点が12.4℃と若干高めであるが、蓄熱量は35.
9cal/g と非常に大きい優れた蓄熱材組成物であること
が判る。実施例の中で、蓄熱量が最も低いもので30.
1cal/g であり、容積当たり45.2cal/cm2 (これら
の組成物の比重1.50)と氷の蓄熱量に対して約半分
の熱量を蓄熱可能な優れた蓄熱材であることが判る。
【0018】比較例1及び2は前出公知技術に基く組成
物で、硫酸ナトリウム10水塩―塩化アンモニウム―塩
化ナトリウムの3成分系である。比較例1の組成物は平
均融解温度が12.6℃と目的温度範囲であるが、実施
例の組成物のいずれの平均融解温度より高い。また、蓄
熱量も21.5cal/g と小さく、実施例の組成物のいず
れよりも小さい。実施例3の組成物と比較例1の組成物
は蓄熱量の差が比較的小さいが、その平均融解温度を比
較すると実施例3の組成物は11.3℃、比較例1の組
成物は12.6℃と比較例1の組成物が約1.3℃高い
ことが判る。これから、実施例3の組成物は比較例1の
組成物に比べて低温で利用できる有効な熱量を大きく有
していることが判る。比較例2の組成物は平均融解温度
が13.1℃と高く、目的温度範囲から外れている。冷
房に使用する場合、平均融解温度は極力10℃付近に近
いことが望ましく、13.1℃ではたとえ23.9cal/
g の蓄熱量を有していても、冷房に使用できる有効な熱
量は非常に小さいと考えられる。また、蓄熱材組成物を
蓄熱システムで運用する場合、平均融解温度と凝固温度
の差が小さいことが望ましい。つまり、同じ温度で融解
する場合、凝固温度が高い方が凝固しやすく、効率的に
蓄熱することが出来る。平均融解温度と凝固温度の差
は、実施例1〜12の組成物はおよそ5℃以下、実施例
13の組成物で5.7℃である。これに比べて比較例
1、2の組成物はそれぞれ7.0℃、6.9℃と約7℃
であり、実施例との差が約2℃あり、実施例の組成物は
効率的に蓄熱できることが判る。比較例3の組成物は硫
酸アンモニウムの配合量が1〜13重量%の範囲を外れ
た組成物である。DSCで測定した結果、15℃と20
℃に融解ピークを有する2成分の混合物となっているた
め、明確な融解温度を持たない組成物であり、かつ融解
温度が目的温度より高く外れているため冷房用途には使
用することが出来ない。
物で、硫酸ナトリウム10水塩―塩化アンモニウム―塩
化ナトリウムの3成分系である。比較例1の組成物は平
均融解温度が12.6℃と目的温度範囲であるが、実施
例の組成物のいずれの平均融解温度より高い。また、蓄
熱量も21.5cal/g と小さく、実施例の組成物のいず
れよりも小さい。実施例3の組成物と比較例1の組成物
は蓄熱量の差が比較的小さいが、その平均融解温度を比
較すると実施例3の組成物は11.3℃、比較例1の組
成物は12.6℃と比較例1の組成物が約1.3℃高い
ことが判る。これから、実施例3の組成物は比較例1の
組成物に比べて低温で利用できる有効な熱量を大きく有
していることが判る。比較例2の組成物は平均融解温度
が13.1℃と高く、目的温度範囲から外れている。冷
房に使用する場合、平均融解温度は極力10℃付近に近
いことが望ましく、13.1℃ではたとえ23.9cal/
g の蓄熱量を有していても、冷房に使用できる有効な熱
量は非常に小さいと考えられる。また、蓄熱材組成物を
蓄熱システムで運用する場合、平均融解温度と凝固温度
の差が小さいことが望ましい。つまり、同じ温度で融解
する場合、凝固温度が高い方が凝固しやすく、効率的に
蓄熱することが出来る。平均融解温度と凝固温度の差
は、実施例1〜12の組成物はおよそ5℃以下、実施例
13の組成物で5.7℃である。これに比べて比較例
1、2の組成物はそれぞれ7.0℃、6.9℃と約7℃
であり、実施例との差が約2℃あり、実施例の組成物は
効率的に蓄熱できることが判る。比較例3の組成物は硫
酸アンモニウムの配合量が1〜13重量%の範囲を外れ
た組成物である。DSCで測定した結果、15℃と20
℃に融解ピークを有する2成分の混合物となっているた
め、明確な融解温度を持たない組成物であり、かつ融解
温度が目的温度より高く外れているため冷房用途には使
用することが出来ない。
【0019】実施例3と比較例1の試料を実際の使用状
況を再現するため、樹脂製のボール(直径77mm)にそ
れぞれ260g充填し、ボールの中心温度の変化を熱電
対で測定し記録した。このとき水槽の温度を4℃と15
℃の間でコントロールして凝固融解させ、100回繰り
返した後の凝固融解パターンを図1に示す。
況を再現するため、樹脂製のボール(直径77mm)にそ
れぞれ260g充填し、ボールの中心温度の変化を熱電
対で測定し記録した。このとき水槽の温度を4℃と15
℃の間でコントロールして凝固融解させ、100回繰り
返した後の凝固融解パターンを図1に示す。
【0020】図1において、0時間から6時間の間が蓄
熱材の凝固過程である。水温が1時間で4℃迄下がり、
この後4℃を5時間保持した。実施例3及び比較例1と
もに開始から1時間までは状態変化せず温度が低下して
いる。1時間経過した時点で準安定な過冷却状態が破
れ、結晶化しはじめた。この時、凝固潜熱を放出するた
めに、実施例3および比較例1ともに物温が上昇し結品
化が進行している。凝固潜熱を放出して結晶化が終了し
た後、実施例3で約5時間、比較例1で約4時間半経過
して、水槽の温度と等しくなった。図1において、6時
間から11時間が蓄熱材の融解過程である。6時間目か
ら7時間目にかけて、1時間で15℃まで水温が上昇
し、その後15℃を4時間保持した。実施例3は、開始
から1時間は状態変化なしに温度が上昇し、7時間目か
ら融解が始まり、9時間半の時点まで融解が継続した。
融解が終了し、水槽の温度と等しくなった。この時、実
施例3は10.4℃〜12.2℃で融解し、融解曲線も
融点付近で時間軸に対して平行に長く延びていて(7時
間目から9時間半目まで)、蓄熱された熱量を融解潜熱
として、大きく、安定して放出していることが判る。1
00回凝固融解後の試料の蓄熱量をDSCを用いて測定
したところ、30.1cal/g から26.5cal/g まで低
下していたが、依然大きな蓄熱量を有している。実施例
3の蓄熱量低下は、初期値に対して12%減であった。
比較例1は、実施例3と同様に開始から1時間目までは
状態変化なしに温度が上昇し、7時間目付近から曲線が
時間軸と平行になるように傾き始めた。しかしながら、
実施例3のように時間軸に平行になるようなことはな
く、9時間目まで直線的に温度が上昇し、その後に水槽
の温度と等しくなった。比較例1は実施例3に比べて、
融解曲線が時間軸に対して平行になることなく、つまり
明確な融解点を持たない組成物であることが判る。明確
な融解点を持たない蓄熱材は、たとえ熱量を保有してい
ても、システムにおいて安定して熱を取り出しにくく、
システム制御が煩雑な使用しにくいものである。比較例
1は、100回凝固融解後、21.5cal/gから17.
6cal/gまで低下し、減少率は18%であった。実施例
3は組成物中に硫酸アンモニウムを含有しているため
か、100回の凝固融解後も融解温度が安定していて、
長期の使用にも安定した組成物であることが判る。ま
た、蓄熱量の減少率も比較例1の18%に比べて12%
と小さく、熱量的にも安定な組成であることが判る。
熱材の凝固過程である。水温が1時間で4℃迄下がり、
この後4℃を5時間保持した。実施例3及び比較例1と
もに開始から1時間までは状態変化せず温度が低下して
いる。1時間経過した時点で準安定な過冷却状態が破
れ、結晶化しはじめた。この時、凝固潜熱を放出するた
めに、実施例3および比較例1ともに物温が上昇し結品
化が進行している。凝固潜熱を放出して結晶化が終了し
た後、実施例3で約5時間、比較例1で約4時間半経過
して、水槽の温度と等しくなった。図1において、6時
間から11時間が蓄熱材の融解過程である。6時間目か
ら7時間目にかけて、1時間で15℃まで水温が上昇
し、その後15℃を4時間保持した。実施例3は、開始
から1時間は状態変化なしに温度が上昇し、7時間目か
ら融解が始まり、9時間半の時点まで融解が継続した。
融解が終了し、水槽の温度と等しくなった。この時、実
施例3は10.4℃〜12.2℃で融解し、融解曲線も
融点付近で時間軸に対して平行に長く延びていて(7時
間目から9時間半目まで)、蓄熱された熱量を融解潜熱
として、大きく、安定して放出していることが判る。1
00回凝固融解後の試料の蓄熱量をDSCを用いて測定
したところ、30.1cal/g から26.5cal/g まで低
下していたが、依然大きな蓄熱量を有している。実施例
3の蓄熱量低下は、初期値に対して12%減であった。
比較例1は、実施例3と同様に開始から1時間目までは
状態変化なしに温度が上昇し、7時間目付近から曲線が
時間軸と平行になるように傾き始めた。しかしながら、
実施例3のように時間軸に平行になるようなことはな
く、9時間目まで直線的に温度が上昇し、その後に水槽
の温度と等しくなった。比較例1は実施例3に比べて、
融解曲線が時間軸に対して平行になることなく、つまり
明確な融解点を持たない組成物であることが判る。明確
な融解点を持たない蓄熱材は、たとえ熱量を保有してい
ても、システムにおいて安定して熱を取り出しにくく、
システム制御が煩雑な使用しにくいものである。比較例
1は、100回凝固融解後、21.5cal/gから17.
6cal/gまで低下し、減少率は18%であった。実施例
3は組成物中に硫酸アンモニウムを含有しているため
か、100回の凝固融解後も融解温度が安定していて、
長期の使用にも安定した組成物であることが判る。ま
た、蓄熱量の減少率も比較例1の18%に比べて12%
と小さく、熱量的にも安定な組成であることが判る。
【0021】
【発明の効果】本発明は硫酸ナトリウム10水和塩と融
点調整剤を特別の組成に配合したことにより、4〜5℃
の冷水で凝固させることが出来、融解温度は10〜13
℃であり、融解温度での融解潜熱が大きく、長期の熱リ
サイクル安定性を有する優れた効果を奏する。
点調整剤を特別の組成に配合したことにより、4〜5℃
の冷水で凝固させることが出来、融解温度は10〜13
℃であり、融解温度での融解潜熱が大きく、長期の熱リ
サイクル安定性を有する優れた効果を奏する。
【図1】本発明の凝固融解のパターンを示すグラフであ
る。
る。
Claims (7)
- 【請求項1】 硫酸ナトリウム10水和塩70〜90重
量%、塩化アンモニウム3〜17重量%、塩化ナトリウ
ム1〜13重量%および硫酸アンモニウム1〜13重量
%よりなることを特徴とする蓄熱材粗成物。 - 【請求項2】 ホウ砂、ケイ酸塩および氷晶石からなる
群から選ばれた少なくとも1種の過冷却防止剤0.1〜
10重量%,およびカルボキシルメチルセルロース、ア
タパルジャイ粘土及び水不溶性樹脂からなる群から選ば
れた少なくとも1種の相分離防止剤0.1〜10重量%
を配合した、請求項1に記載された蓄熱材組成物。 - 【請求項3】 硫酸ナトリウム10水和塩75〜85重
量%、塩化アンモニウム5〜12重量%、塩化ナトリウ
ムム4〜10董量%および硫酸アンモニウム4〜10重
量%を含有する、請求項1または2に記載された蓄熱材
組成物。 - 【請求項4】 前記蓄熱材組成物の融解点が10〜13
℃の範囲にある、請求項1ないし3のいずれか1項に記
載された蓄熱材組成物。 - 【請求項5】 前記蓄熱材組成物が30.1〜47.3
cal/g の融解潜熱量を有する、請求項1ないし4のいず
れか1項に記載された蓄熱材組成物。 - 【請求項6】 前記過冷却防止剤がホウ砂である、請求
項1ないし5のいずれか1項に記載された蓄熱材組成
物。 - 【請求項7】 前記相分離防止剤が水不溶性吸水性樹脂
である、請求項1ないし6のいずれか1項に記載された
蓄熱材組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9543994A JPH0748564A (ja) | 1993-04-12 | 1994-04-11 | 蓄熱材組成物 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11890893 | 1993-04-12 | ||
| JP5-118908 | 1993-04-12 | ||
| JP9543994A JPH0748564A (ja) | 1993-04-12 | 1994-04-11 | 蓄熱材組成物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0748564A true JPH0748564A (ja) | 1995-02-21 |
Family
ID=26436666
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9543994A Pending JPH0748564A (ja) | 1993-04-12 | 1994-04-11 | 蓄熱材組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0748564A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US10442969B2 (en) | 2016-03-23 | 2019-10-15 | Kaneka Corporation | Heat storage material composition and use thereof |
| JP2022547176A (ja) * | 2019-09-10 | 2022-11-10 | ティエスニッチュ ビヘール ビー.ブイ. | 柔軟な相変化材料 |
| JP2023071097A (ja) * | 2021-11-10 | 2023-05-22 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 環境制御システム、仮眠システム、エアカーテンシステム、環境制御方法、及びプログラム |
| JP2023099976A (ja) * | 2022-01-04 | 2023-07-14 | 株式会社インターセントラル | 蓄熱型放射冷暖房システム |
-
1994
- 1994-04-11 JP JP9543994A patent/JPH0748564A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US10442969B2 (en) | 2016-03-23 | 2019-10-15 | Kaneka Corporation | Heat storage material composition and use thereof |
| JP2022547176A (ja) * | 2019-09-10 | 2022-11-10 | ティエスニッチュ ビヘール ビー.ブイ. | 柔軟な相変化材料 |
| JP2023071097A (ja) * | 2021-11-10 | 2023-05-22 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 環境制御システム、仮眠システム、エアカーテンシステム、環境制御方法、及びプログラム |
| JP2023099976A (ja) * | 2022-01-04 | 2023-07-14 | 株式会社インターセントラル | 蓄熱型放射冷暖房システム |
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