JPH10330741A - 蓄熱材組成物 - Google Patents
蓄熱材組成物Info
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- JPH10330741A JPH10330741A JP13870997A JP13870997A JPH10330741A JP H10330741 A JPH10330741 A JP H10330741A JP 13870997 A JP13870997 A JP 13870997A JP 13870997 A JP13870997 A JP 13870997A JP H10330741 A JPH10330741 A JP H10330741A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 長期間繰返し使用しても蓄熱量の低下が少な
く、且つ凝固温度と融解温度との温度差が小さく、冷房
空調用に適した蓄熱材組成物の提供。 【解決手段】 (a)硫酸ナトリウム十水塩:60〜8
5重量部、及び(b)塩化アンモニウム、臭化アンモニ
ウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化ナト
リウム、臭化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリ
ウム及び塩化カリウムから選ばれた少なくとも一種(但
し、(b)成分が硫酸ナトリウムであるときは、更に残
りの八成分の中の少なくとも一種を含む):15〜40
重量部、からなり、且つ融点5〜15℃の蓄熱成分10
0重量部に対して、架橋型カルボキシメチルセルロース
が0.1〜10重量部配合されてなることを特徴とする
蓄熱材組成物。
く、且つ凝固温度と融解温度との温度差が小さく、冷房
空調用に適した蓄熱材組成物の提供。 【解決手段】 (a)硫酸ナトリウム十水塩:60〜8
5重量部、及び(b)塩化アンモニウム、臭化アンモニ
ウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化ナト
リウム、臭化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリ
ウム及び塩化カリウムから選ばれた少なくとも一種(但
し、(b)成分が硫酸ナトリウムであるときは、更に残
りの八成分の中の少なくとも一種を含む):15〜40
重量部、からなり、且つ融点5〜15℃の蓄熱成分10
0重量部に対して、架橋型カルボキシメチルセルロース
が0.1〜10重量部配合されてなることを特徴とする
蓄熱材組成物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蓄熱材組成物に関
する。詳しくは、硫酸ナトリウム十水塩及び融点調整剤
等からなる芒硝系蓄熱材組成物の改良に関する。本発明
の蓄熱材組成物は、長期間繰り返し使用しても蓄熱量の
低下が少なく、且つ凝固温度と融解温度との温度差が小
さく、冷房空調用に適している。
する。詳しくは、硫酸ナトリウム十水塩及び融点調整剤
等からなる芒硝系蓄熱材組成物の改良に関する。本発明
の蓄熱材組成物は、長期間繰り返し使用しても蓄熱量の
低下が少なく、且つ凝固温度と融解温度との温度差が小
さく、冷房空調用に適している。
【0002】
【従来の技術】硝酸ナトリウム十水塩は融点(32.5
℃)は高いが、高い蓄熱量(60cal/g)を有し、
安全且つ安価な物質であるので、従来からこれを蓄熱材
組成物として利用するための研究開発が数多く、行われ
て来た。
℃)は高いが、高い蓄熱量(60cal/g)を有し、
安全且つ安価な物質であるので、従来からこれを蓄熱材
組成物として利用するための研究開発が数多く、行われ
て来た。
【0003】硫酸ナトリウム十水塩を蓄熱材として利用
するための技術上のポイントは大きく分けて三つある。
先ず、第一は、これを冷房空調用に利用する場合、この
高い融点を大巾に下げ且つ所望の温度に調整することで
ある。この場合、硫酸ナトリウム十水塩に融点調整剤と
呼ばれる無機塩を少なくとも一種添加することにより5
〜32℃の範囲で調整が可能である。融点調整剤として
は、塩化アンモニウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム
等が知られ、これらを組み合わせることによりいろいろ
な融点を有する組成物が報告されている。
するための技術上のポイントは大きく分けて三つある。
先ず、第一は、これを冷房空調用に利用する場合、この
高い融点を大巾に下げ且つ所望の温度に調整することで
ある。この場合、硫酸ナトリウム十水塩に融点調整剤と
呼ばれる無機塩を少なくとも一種添加することにより5
〜32℃の範囲で調整が可能である。融点調整剤として
は、塩化アンモニウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム
等が知られ、これらを組み合わせることによりいろいろ
な融点を有する組成物が報告されている。
【0004】本発明者等も、硫酸ナトリウム十水塩/塩
化アンモニウム/塩化ナトリウム/硫酸アンモニウムか
らなり、融解温度8〜12℃の蓄熱材組成物(特開平7
−48564号公報)及び硫酸ナトリウム十水塩/塩化
アンモニウム/臭化ナトリウム/硫酸アンモニウムから
なり、融解温度5〜10℃の蓄熱材組成物(特開平7−
188648号公報)を提案した。
化アンモニウム/塩化ナトリウム/硫酸アンモニウムか
らなり、融解温度8〜12℃の蓄熱材組成物(特開平7
−48564号公報)及び硫酸ナトリウム十水塩/塩化
アンモニウム/臭化ナトリウム/硫酸アンモニウムから
なり、融解温度5〜10℃の蓄熱材組成物(特開平7−
188648号公報)を提案した。
【0005】第二は、硫酸ナトリウム十水塩の過冷却の
防止である。四ホウ酸ナトリウム十水塩が硫酸ナトリウ
ム十水塩の過冷却防止剤として効果があることは、M.
Telkesにより報告されている(Ind.and
Eng.Chem.,44,6,1308(195
2))。
防止である。四ホウ酸ナトリウム十水塩が硫酸ナトリウ
ム十水塩の過冷却防止剤として効果があることは、M.
Telkesにより報告されている(Ind.and
Eng.Chem.,44,6,1308(195
2))。
【0006】第三は、硫酸ナトリウム十水塩が凝固融解
を繰り返すと蓄熱量が大きく減少する相分離と呼ばれる
現象の防止である。これは硫酸ナトリウム十水塩が融解
すると一部溶解しない無水硫酸ナトリウムが沈殿するこ
とにより生じるので、これを回避するために相分離防止
剤と呼ばれる増粘剤が数多く検討されてきた。そして、
増粘剤として例えばアタパルジャイト粘土(米国特許第
3,986,969号明細書)、カルボキシメチルセル
ロース(CMC)(特開昭58−52996号公報)、
イオン架橋させたヒドロゲル(特開昭54−16387
号及び同55−66984号各公報)又は水不溶性吸水
性樹脂(特開昭56−143263号及び同57−82
696号公報)等を配合した蓄熱材組成物がこれ迄に提
案されている。
を繰り返すと蓄熱量が大きく減少する相分離と呼ばれる
現象の防止である。これは硫酸ナトリウム十水塩が融解
すると一部溶解しない無水硫酸ナトリウムが沈殿するこ
とにより生じるので、これを回避するために相分離防止
剤と呼ばれる増粘剤が数多く検討されてきた。そして、
増粘剤として例えばアタパルジャイト粘土(米国特許第
3,986,969号明細書)、カルボキシメチルセル
ロース(CMC)(特開昭58−52996号公報)、
イオン架橋させたヒドロゲル(特開昭54−16387
号及び同55−66984号各公報)又は水不溶性吸水
性樹脂(特開昭56−143263号及び同57−82
696号公報)等を配合した蓄熱材組成物がこれ迄に提
案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アタパ
ルジャイト粘土又はCMCを用いた場合、繰り返し使用
すると、蓄熱量の低下が大きいという問題点がある。ま
た、水不溶性吸水性樹脂を用いた場合、長期間繰り返し
使用しても蓄熱量の減少が小さく、相分離防止剤として
は非常に効果的であるが、凝固温度と融解温度との温度
差が大きく、蓄熱材を凝固させる時の蓄熱温度と蓄熱材
を融解させて取り出す放熱温度に差が生じて、蓄熱シス
テムのシステム効率が悪くなるという問題点がある。本
発明の目的は、長期間繰り返し使用しても蓄熱量の低下
がなく、且つ凝固温度と融解温度との温度差が小さい、
融解温度5〜15℃の芒硝系蓄熱材を提供することにあ
る。
ルジャイト粘土又はCMCを用いた場合、繰り返し使用
すると、蓄熱量の低下が大きいという問題点がある。ま
た、水不溶性吸水性樹脂を用いた場合、長期間繰り返し
使用しても蓄熱量の減少が小さく、相分離防止剤として
は非常に効果的であるが、凝固温度と融解温度との温度
差が大きく、蓄熱材を凝固させる時の蓄熱温度と蓄熱材
を融解させて取り出す放熱温度に差が生じて、蓄熱シス
テムのシステム効率が悪くなるという問題点がある。本
発明の目的は、長期間繰り返し使用しても蓄熱量の低下
がなく、且つ凝固温度と融解温度との温度差が小さい、
融解温度5〜15℃の芒硝系蓄熱材を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記事情
に鑑み鋭意検討した結果、芒硝系蓄熱材に特定の増粘剤
を配合させることにより、上記目的を達成し得ることを
見い出し、本発明を完成するに至った。
に鑑み鋭意検討した結果、芒硝系蓄熱材に特定の増粘剤
を配合させることにより、上記目的を達成し得ることを
見い出し、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明の要旨は、(a)硫酸ナトリ
ウム十水塩:60〜85重量部、及び(b)塩化アンモ
ニウム、臭化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸ア
ンモニウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、硫酸ナ
トリウム、硝酸ナトリウム及び塩化カリウムから選ばれ
た少なくとも一種(但し、(b)成分が硫酸ナトリウム
であるときは、更に残りの八成分の中の少なくとも一種
を含む):15〜40重量部、からなり、且つ融点5〜
15℃の蓄熱成分100重量部に対して、架橋型カルボ
キシメチルセルローズが0.1〜10重量部配合されて
なることを特徴とする蓄熱材組成物、にある。以下、本
発明を詳細に説明する。
ウム十水塩:60〜85重量部、及び(b)塩化アンモ
ニウム、臭化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸ア
ンモニウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、硫酸ナ
トリウム、硝酸ナトリウム及び塩化カリウムから選ばれ
た少なくとも一種(但し、(b)成分が硫酸ナトリウム
であるときは、更に残りの八成分の中の少なくとも一種
を含む):15〜40重量部、からなり、且つ融点5〜
15℃の蓄熱成分100重量部に対して、架橋型カルボ
キシメチルセルローズが0.1〜10重量部配合されて
なることを特徴とする蓄熱材組成物、にある。以下、本
発明を詳細に説明する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の蓄熱材組成物の主成分は
硫酸ナトリウム十水塩である。硫酸ナトリウム十水塩の
融点は32.5℃であるので、融解温度を5〜15℃に
調整するためには、融点調整剤を添加するのが必要であ
る。融点調整剤としては、塩化アンモニウム、臭化アン
モニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム等のア
ンモニウム塩、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、硫酸
ナトリウム、硝酸ナトリウム等のナトリウム塩、塩化カ
リウム等のカリウム塩等が挙げられる。融点調整剤の配
合量は、硫酸ナトリウム十水塩及び融点調整剤の合計量
100重量部に対して、通常10〜40重量%部、好ま
しくは15〜35重量部である。融点調整剤の配合量が
10重量部より少ないと融点が5〜15℃まで低下せ
ず、40重量部を越えると硫酸ナトリウム十水塩の配合
量が減少し、蓄熱量が小さくなるので好ましくない。な
お、硫酸ナトリウム十水塩の配合量は、硫酸ナトリウム
十水塩及び融点調整剤の合計量100重量部に対して6
0〜85重量部、好ましくは70〜80重量部である。
硫酸ナトリウム十水塩である。硫酸ナトリウム十水塩の
融点は32.5℃であるので、融解温度を5〜15℃に
調整するためには、融点調整剤を添加するのが必要であ
る。融点調整剤としては、塩化アンモニウム、臭化アン
モニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム等のア
ンモニウム塩、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、硫酸
ナトリウム、硝酸ナトリウム等のナトリウム塩、塩化カ
リウム等のカリウム塩等が挙げられる。融点調整剤の配
合量は、硫酸ナトリウム十水塩及び融点調整剤の合計量
100重量部に対して、通常10〜40重量%部、好ま
しくは15〜35重量部である。融点調整剤の配合量が
10重量部より少ないと融点が5〜15℃まで低下せ
ず、40重量部を越えると硫酸ナトリウム十水塩の配合
量が減少し、蓄熱量が小さくなるので好ましくない。な
お、硫酸ナトリウム十水塩の配合量は、硫酸ナトリウム
十水塩及び融点調整剤の合計量100重量部に対して6
0〜85重量部、好ましくは70〜80重量部である。
【0011】本発明の特徴は、硫酸ナトリウム十水塩及
び融点調整剤からなる蓄熱材に架橋型カルボキシメチル
セルロース(以下、架橋CMCと略記する)を配合する
ことにある。CMCは、例えば亜硫酸パルプを水酸化ナ
トリウム水溶液に浸してアルカリセルロースとし、クロ
ル酢酸エステルと捏和溶解し、メチルアルコールで沈澱
させて得られたアニオン性の水溶性セルロースエーテル
であるが、架橋型CMCは、このCMCを部分的に架橋
させて得られたもので、水不溶性であるのが特徴であ
り、例えばAquasorb A−380(ハーキュリ
ーズジャパン(株))及びAquasorb A−50
0(ハーキュリーズジャパン(株))の商品名で市販さ
れている。
び融点調整剤からなる蓄熱材に架橋型カルボキシメチル
セルロース(以下、架橋CMCと略記する)を配合する
ことにある。CMCは、例えば亜硫酸パルプを水酸化ナ
トリウム水溶液に浸してアルカリセルロースとし、クロ
ル酢酸エステルと捏和溶解し、メチルアルコールで沈澱
させて得られたアニオン性の水溶性セルロースエーテル
であるが、架橋型CMCは、このCMCを部分的に架橋
させて得られたもので、水不溶性であるのが特徴であ
り、例えばAquasorb A−380(ハーキュリ
ーズジャパン(株))及びAquasorb A−50
0(ハーキュリーズジャパン(株))の商品名で市販さ
れている。
【0012】架橋CMCの配合量は、硫酸ナトリウム十
水塩及び融点調整剤の合計量100重量部に対して、通
常0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部で
ある。配合量が0.1重量部より少ないと相分離防止効
果が得られず、10重量部以上であると主成分の配合量
が少なくなり、且つ架橋CMCに吸水される水分量が多
くなり、蓄熱量が減少するので好ましくない。
水塩及び融点調整剤の合計量100重量部に対して、通
常0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部で
ある。配合量が0.1重量部より少ないと相分離防止効
果が得られず、10重量部以上であると主成分の配合量
が少なくなり、且つ架橋CMCに吸水される水分量が多
くなり、蓄熱量が減少するので好ましくない。
【0013】本発明の蓄熱材組成物には、過冷却を防止
するために過冷却防止剤を添加してもよい。過冷却防止
剤としては、四ホウ酸ナトリウム十水塩、氷晶石等が挙
げられ、好ましくは四ホウ酸ナトリウム十水塩が用いら
れる。過冷却防止剤の配合量は硫酸ナトリウム十水塩及
び融点調整剤の合計量100重量部に対して、通常0.
1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部である。
するために過冷却防止剤を添加してもよい。過冷却防止
剤としては、四ホウ酸ナトリウム十水塩、氷晶石等が挙
げられ、好ましくは四ホウ酸ナトリウム十水塩が用いら
れる。過冷却防止剤の配合量は硫酸ナトリウム十水塩及
び融点調整剤の合計量100重量部に対して、通常0.
1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部である。
【0014】本発明の蓄熱材組成物には、天然の高分子
である架橋CMCが菌等によって腐敗することを防止す
るために防腐剤を添加してもよい。防腐剤としては、蓄
熱材組成物の融点、蓄熱量に影響を及ぼさないものなら
何れも使用できるが、好ましくは安息香酸ナトリウム、
ブチルヒドロキシトルエンが用いられる。防腐剤の配合
量は硫酸ナトリウム十水塩及び融点調整剤の合計量10
0重量部に対して、通常0.001〜3重量部、好まし
くは0.01〜1重量部である。
である架橋CMCが菌等によって腐敗することを防止す
るために防腐剤を添加してもよい。防腐剤としては、蓄
熱材組成物の融点、蓄熱量に影響を及ぼさないものなら
何れも使用できるが、好ましくは安息香酸ナトリウム、
ブチルヒドロキシトルエンが用いられる。防腐剤の配合
量は硫酸ナトリウム十水塩及び融点調整剤の合計量10
0重量部に対して、通常0.001〜3重量部、好まし
くは0.01〜1重量部である。
【0015】本発明の蓄熱材組成物は、ΔTが0〜4℃
であることが好ましい。ΔTが4℃を超えると、融解温
度と凝固温度の差が大きくなりすぎ、実用的ではなくな
る。また、長期安定性能の指標である、凝固融解を50
0回繰り返した後の蓄熱量が30cal/ml以上であ
ることが好ましい。
であることが好ましい。ΔTが4℃を超えると、融解温
度と凝固温度の差が大きくなりすぎ、実用的ではなくな
る。また、長期安定性能の指標である、凝固融解を50
0回繰り返した後の蓄熱量が30cal/ml以上であ
ることが好ましい。
【0016】本発明の蓄熱材組成物において、架橋CM
Cを相分離防止剤として使用した場合、未架橋のCMC
を使用した場合に比べて長期安定性能を向上するのは、
定かではないが二つの理由が考えられる。第一は、CM
Cが架橋されていることにより硫酸ナトリウム十水塩の
結晶が成長できる領域が限定されていて、結晶がある大
きさ以上に成長しにくく、結晶の沈降がおこりにくい。
Cを相分離防止剤として使用した場合、未架橋のCMC
を使用した場合に比べて長期安定性能を向上するのは、
定かではないが二つの理由が考えられる。第一は、CM
Cが架橋されていることにより硫酸ナトリウム十水塩の
結晶が成長できる領域が限定されていて、結晶がある大
きさ以上に成長しにくく、結晶の沈降がおこりにくい。
【0017】もう一つの理由は、成長した硫酸ナトリウ
ム十水塩の結晶やその他の析出した不溶成分が、架橋さ
れていることにより形成される三次元編み目構造のため
物理的に沈降しにくくなっている。架橋した吸水性樹脂
が良好な長期安定性能を示すことは比較例2の架橋ポリ
アクリル酸ナトリウムの例からも明らかである。また、
一般的に吸水性樹脂として使用されている架橋ポリアク
リル酸ナトリウムを使用した場合に比べてΔTが小さく
なる理由は、架橋CMCの吸水倍率が小さいことや吸水
した水を保持する力が違うためではないかと考えられる
が定かではない。
ム十水塩の結晶やその他の析出した不溶成分が、架橋さ
れていることにより形成される三次元編み目構造のため
物理的に沈降しにくくなっている。架橋した吸水性樹脂
が良好な長期安定性能を示すことは比較例2の架橋ポリ
アクリル酸ナトリウムの例からも明らかである。また、
一般的に吸水性樹脂として使用されている架橋ポリアク
リル酸ナトリウムを使用した場合に比べてΔTが小さく
なる理由は、架橋CMCの吸水倍率が小さいことや吸水
した水を保持する力が違うためではないかと考えられる
が定かではない。
【0018】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、これらの実施例に限定されるものではない。
に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、これらの実施例に限定されるものではない。
【0019】実施例1 表−1に示す割合で各成分を配合して、ミキサーで架橋
CMCが均一に分散するまで攪拌混合し、得られた試料
約180gを直径67mmのポリエチレン樹脂製球状カ
プセルに充填し、カプセルの中心温度の変化を測定する
ために熱電対を挿入した。次に、13℃の冷媒が満たさ
れている水槽内にカプセルを入れ、カプセル内が13℃
になったら、水槽内の冷媒を13〜4℃/hrの速度で
5℃まで冷却し、5℃で8時間保持した。カプセル内の
蓄熱材組成物の過冷却が破れ結晶化を開始したときの温
度(結晶化温度)と凝固温度とを測定した。次いで、冷
媒を5〜4℃/hrの速度で13℃まで加温し、13℃
で8時間保持した。融解開始温度と融解終了温度とを測
定した。このときの温度変化(凝固融解温度曲線)を図
1に示す。ΔTを次式に従って算出した。結果を表−2
に示す。
CMCが均一に分散するまで攪拌混合し、得られた試料
約180gを直径67mmのポリエチレン樹脂製球状カ
プセルに充填し、カプセルの中心温度の変化を測定する
ために熱電対を挿入した。次に、13℃の冷媒が満たさ
れている水槽内にカプセルを入れ、カプセル内が13℃
になったら、水槽内の冷媒を13〜4℃/hrの速度で
5℃まで冷却し、5℃で8時間保持した。カプセル内の
蓄熱材組成物の過冷却が破れ結晶化を開始したときの温
度(結晶化温度)と凝固温度とを測定した。次いで、冷
媒を5〜4℃/hrの速度で13℃まで加温し、13℃
で8時間保持した。融解開始温度と融解終了温度とを測
定した。このときの温度変化(凝固融解温度曲線)を図
1に示す。ΔTを次式に従って算出した。結果を表−2
に示す。
【0020】
【数1】ΔT=(融解温度の最高値(℃))−(結晶化
温度(℃))
温度(℃))
【0021】ΔTは実用性を示す指標として用いられ、
ΔTが小さいことは、凝固融解し易く、実用的であるこ
とを示す。次に、蓄熱材組成物の長期安定性能について
評価を行った。表−1に示す割合で各成分を配合して、
ミキサーで架橋CMCが均一に分散するまで攪拌混合し
て得られた試料を、示差走査熱量計(セイコー電子工業
社製DSC210)を用いて融解潜熱量を測定した。こ
の時の融解潜熱量を初期蓄熱量として表−2に示す。
ΔTが小さいことは、凝固融解し易く、実用的であるこ
とを示す。次に、蓄熱材組成物の長期安定性能について
評価を行った。表−1に示す割合で各成分を配合して、
ミキサーで架橋CMCが均一に分散するまで攪拌混合し
て得られた試料を、示差走査熱量計(セイコー電子工業
社製DSC210)を用いて融解潜熱量を測定した。こ
の時の融解潜熱量を初期蓄熱量として表−2に示す。
【0022】次いで、実施例1の蓄熱材組成物約80g
を50mlの硬質ガラスねじ口瓶に充填し、このサンプ
ルを5本作製した。このサンプルを冷媒で満たされた水
槽に入れ、−5℃と25℃の間で冷媒の温度を急速に昇
降させ、凝固、融解を繰り返した。なお、一サイクルは
約3時間で行った。凝固、融解を100回、200回、
300回、400回及び500回繰り返したサンプルを
水槽から取り出し、示差走査熱量計で融解潜熱量を測定
した。結果を図4に示す。図4より、凝固融解を200
回繰り返した時点での融解潜熱量は約35cal/ml
であり、以後500回まで変化なく安定していることが
分かる。この結果より、長期間繰り返し使用しても30
cal/ml以上の融解潜熱量が利用できることが分か
る。
を50mlの硬質ガラスねじ口瓶に充填し、このサンプ
ルを5本作製した。このサンプルを冷媒で満たされた水
槽に入れ、−5℃と25℃の間で冷媒の温度を急速に昇
降させ、凝固、融解を繰り返した。なお、一サイクルは
約3時間で行った。凝固、融解を100回、200回、
300回、400回及び500回繰り返したサンプルを
水槽から取り出し、示差走査熱量計で融解潜熱量を測定
した。結果を図4に示す。図4より、凝固融解を200
回繰り返した時点での融解潜熱量は約35cal/ml
であり、以後500回まで変化なく安定していることが
分かる。この結果より、長期間繰り返し使用しても30
cal/ml以上の融解潜熱量が利用できることが分か
る。
【0023】比較例1 表−1に示す割合で各成分を配合して、蓄熱材組成物を
得た。実施例1と同様に各種の測定を行った。測定結果
を表−2に示す。また、凝固融解温度曲線を図2に、長
期安定性能の結果を図4に示す。図4より、蓄熱量は1
00回凝固融解を繰り返した時点で25cal/mlま
で低下し、以後500回まで約20cal/mlで安定
していることが分かる。この結果から、相分離防止剤に
未架橋のカルボキシメチルセルロースを使用した場合、
長期間繰り返し使用した場合に利用できる融解潜熱量は
20cal/ml程度と非常に小さくなることが分か
る。500回経過時に実施例1は31.5cal/m
l、比較例1は20cal/mlであり、架橋CMCを
使用することによって蓄熱量が約1.5倍高められてい
ることが分かる。
得た。実施例1と同様に各種の測定を行った。測定結果
を表−2に示す。また、凝固融解温度曲線を図2に、長
期安定性能の結果を図4に示す。図4より、蓄熱量は1
00回凝固融解を繰り返した時点で25cal/mlま
で低下し、以後500回まで約20cal/mlで安定
していることが分かる。この結果から、相分離防止剤に
未架橋のカルボキシメチルセルロースを使用した場合、
長期間繰り返し使用した場合に利用できる融解潜熱量は
20cal/ml程度と非常に小さくなることが分か
る。500回経過時に実施例1は31.5cal/m
l、比較例1は20cal/mlであり、架橋CMCを
使用することによって蓄熱量が約1.5倍高められてい
ることが分かる。
【0024】比較例2 表−1に示す割合で各成分を配合して、蓄熱材組成物を
得た。実施例1と同様に各種の測定を行った。測定結果
を表−2に、凝固融解温度曲線を図3に、長期安定性能
の結果を図4に示す。図3より、比較例2は冷却開始か
ら試料の温度が冷媒の温度と等しくなるまで、9時間要
しており、実施例1の6時間と比較して3時間も凝固し
にくいことが分かる。また、融解温度も9.8〜11.
0℃と高く、実施例1に比べ約1℃ほど全体に高温側に
シフトしていることが分かる。また、比較例2のΔTは
4.8℃であり、実施例1よりも2.4℃も大きく、相
分離防止剤に架橋ポリアクリル酸ナトリウムを使用した
場合は凝固融解しにくく、これを蓄熱材組成物を蓄熱シ
ステムに用いた場合、凝固しにくいので蓄熱時間が非常
に長くなり、深夜電力の10時間以内での蓄熱が不可能
となり実用化が困難である。
得た。実施例1と同様に各種の測定を行った。測定結果
を表−2に、凝固融解温度曲線を図3に、長期安定性能
の結果を図4に示す。図3より、比較例2は冷却開始か
ら試料の温度が冷媒の温度と等しくなるまで、9時間要
しており、実施例1の6時間と比較して3時間も凝固し
にくいことが分かる。また、融解温度も9.8〜11.
0℃と高く、実施例1に比べ約1℃ほど全体に高温側に
シフトしていることが分かる。また、比較例2のΔTは
4.8℃であり、実施例1よりも2.4℃も大きく、相
分離防止剤に架橋ポリアクリル酸ナトリウムを使用した
場合は凝固融解しにくく、これを蓄熱材組成物を蓄熱シ
ステムに用いた場合、凝固しにくいので蓄熱時間が非常
に長くなり、深夜電力の10時間以内での蓄熱が不可能
となり実用化が困難である。
【0025】実施例2〜5 表−1に示す割合で各成分を配合した外は実施例1と同
様にして蓄熱材組成物を得て、実施例1と同様に測定を
行った。測定結果を表−2に示す。
様にして蓄熱材組成物を得て、実施例1と同様に測定を
行った。測定結果を表−2に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】実施例6、7 表−3に示す割合で各成分を配合した外は実施例1と同
様にして蓄熱材組成物を得て、実施例1と同様に測定を
行った。測定結果を表−4に示す。
様にして蓄熱材組成物を得て、実施例1と同様に測定を
行った。測定結果を表−4に示す。
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】
【発明の効果】本発明の蓄熱材組成物は、凝固温度と融
解温度の温度差が小さいため、相変化温度近傍で蓄熱シ
ステムの運転が可能となり、蓄熱システムのシステム効
率が向上する。また、冷房空調用蓄熱システムに9℃付
近に相変化温度を有する本発明の蓄熱材組成物を使用し
た場合、凝固し易いため、汎用の冷水冷凍機でシステム
設計が可能となり、コスト上大きなメリットがある。
解温度の温度差が小さいため、相変化温度近傍で蓄熱シ
ステムの運転が可能となり、蓄熱システムのシステム効
率が向上する。また、冷房空調用蓄熱システムに9℃付
近に相変化温度を有する本発明の蓄熱材組成物を使用し
た場合、凝固し易いため、汎用の冷水冷凍機でシステム
設計が可能となり、コスト上大きなメリットがある。
【図1】実施例1の凝固融解温度曲線。
【図2】比較例1の凝固融解温度曲線。
【図3】比較例2の凝固融解温度曲線。
【図4】実施例1、比較例1及び2の長期安定性能の評
価結果。
価結果。
1 結晶化温度 2 凝固温度 3 融解開始温度 4 融解終了温度 ◆ 実施例1 ■ 比較例1 ● 比較例2
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 窪川 清一 東京都港区芝5丁目34番6号 三菱化学エ ンジニアリング株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 (a)硫酸ナトリウム十水塩:60〜8
5重量部、及び(b)塩化アンモニウム、臭化アンモニ
ウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化ナト
リウム、臭化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリ
ウム及び塩化カリウムから選ばれた少なくとも一種(但
し、(b)成分が硫酸ナトリウムであるときは、更に残
りの八成分の中の少なくとも一種を含む):15〜40
重量部、からなり、且つ融点5〜15℃の蓄熱成分10
0重量部に対して、架橋型カルボキシメチルセルロース
が0.1〜10重量部配合されてなることを特徴とする
蓄熱材組成物。 - 【請求項2】 過冷却防止剤として、前記蓄熱成分10
0重量部に対して、四ホウ酸ナトリウム十水塩を0.1
〜10重量部含有することを特徴とする請求項1に記載
の蓄熱材組成物。 - 【請求項3】 防腐剤として、前記蓄熱成分100重量
部に対して、安息香酸ナトリウム及び/又はブチルヒド
ロキシトルエンを0.001〜3重量部含有することを
特徴とする請求項1に記載の蓄熱材組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13870997A JPH10330741A (ja) | 1997-05-28 | 1997-05-28 | 蓄熱材組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13870997A JPH10330741A (ja) | 1997-05-28 | 1997-05-28 | 蓄熱材組成物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10330741A true JPH10330741A (ja) | 1998-12-15 |
Family
ID=15228301
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP13870997A Pending JPH10330741A (ja) | 1997-05-28 | 1997-05-28 | 蓄熱材組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10330741A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005097543A (ja) * | 2003-09-05 | 2005-04-14 | Sk Kaken Co Ltd | 蓄熱体 |
| WO2014092093A1 (ja) | 2012-12-11 | 2014-06-19 | 株式会社カネカ | 蓄熱材組成物、蓄熱材及び輸送容器 |
| JP2015140363A (ja) * | 2014-01-27 | 2015-08-03 | 大阪瓦斯株式会社 | 蓄熱材組成物、蓄熱体及び蓄熱装置 |
| JP2015151455A (ja) * | 2014-02-13 | 2015-08-24 | 東邦瓦斯株式会社 | 潜熱蓄熱材および潜熱蓄熱槽 |
| WO2017164304A1 (ja) * | 2016-03-23 | 2017-09-28 | 株式会社カネカ | 蓄熱材組成物及びその利用 |
| KR102114185B1 (ko) * | 2020-01-22 | 2020-05-25 | 주식회사 중부아이스팩 | 천연 고분자를 이용한 아이스팩 충진제 조성물 및 제조방법 |
-
1997
- 1997-05-28 JP JP13870997A patent/JPH10330741A/ja active Pending
Cited By (10)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005097543A (ja) * | 2003-09-05 | 2005-04-14 | Sk Kaken Co Ltd | 蓄熱体 |
| WO2014092093A1 (ja) | 2012-12-11 | 2014-06-19 | 株式会社カネカ | 蓄熱材組成物、蓄熱材及び輸送容器 |
| JP2015140363A (ja) * | 2014-01-27 | 2015-08-03 | 大阪瓦斯株式会社 | 蓄熱材組成物、蓄熱体及び蓄熱装置 |
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| WO2017164304A1 (ja) * | 2016-03-23 | 2017-09-28 | 株式会社カネカ | 蓄熱材組成物及びその利用 |
| US20190023958A1 (en) * | 2016-03-23 | 2019-01-24 | Kaneka Corporation | Heat storage material composition and use thereof |
| JPWO2017164304A1 (ja) * | 2016-03-23 | 2019-01-31 | 株式会社カネカ | 蓄熱材組成物及びその利用 |
| US10442969B2 (en) | 2016-03-23 | 2019-10-15 | Kaneka Corporation | Heat storage material composition and use thereof |
| CN108884380B (zh) * | 2016-03-23 | 2020-12-11 | 株式会社钟化 | 蓄热材料组合物及其应用 |
| KR102114185B1 (ko) * | 2020-01-22 | 2020-05-25 | 주식회사 중부아이스팩 | 천연 고분자를 이용한 아이스팩 충진제 조성물 및 제조방법 |
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