JPH0748650A - 高強度リードフレーム材料およびその製造方法 - Google Patents

高強度リードフレーム材料およびその製造方法

Info

Publication number
JPH0748650A
JPH0748650A JP19439693A JP19439693A JPH0748650A JP H0748650 A JPH0748650 A JP H0748650A JP 19439693 A JP19439693 A JP 19439693A JP 19439693 A JP19439693 A JP 19439693A JP H0748650 A JPH0748650 A JP H0748650A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
less
phase
strength
austenite
austenite phase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP19439693A
Other languages
English (en)
Inventor
Takayuki Nagashio
隆之 長塩
Kazu Sasaki
計 佐々木
Hiroki Nakanishi
寛紀 中西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP19439693A priority Critical patent/JPH0748650A/ja
Publication of JPH0748650A publication Critical patent/JPH0748650A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 良好なハンダ性、メッキ性を有するとともに
異方性の低下を図りつつ、高強度化したリードフレーム
材料およびその製造方法の提供。 【構成】 重量%でCo 0.5〜22%、Ni 22〜34%、M
n 1.0%以下、Si 0.5%以下で、;Co 12%未満で
は、Ni 32.5%を越え34%以下、Co 12%以上では74%<2
Ni+Co≦80%、残部Feからなり、主要組織がマルテン
サイト相と30%以上を占めるオーステナイト相の少なく
とも2相からなる高強度リードフレーム材料、;Co
12%未満では、Ni 27〜32.5%、Co 12%以上では66%≦2
Ni+Co≦74%、残部Feからなり、主要組織がマルテン
サイト相と30%以上を占めるオーステナイト相の少なく
とも2相であり、熱膨張率、機械的強度、および異方性
をそれぞれ特定した高強度リードフレーム材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は従来のものより高強度の
半導体装置用リードフレーム材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ロジック等の半導体装置の高容
量、高集積化およびパッケージの薄肉化に伴いリードフ
レームは多ピン化、薄板化の傾向にある。このため従来
にも増して、高強度のリードフレーム材料が要求されて
いる。これら多ピン用Fe系リードフレーム材料とし
て、従来Fe-42Ni系,Fe-29Ni-17Co系(コバ
ール)が知られている。このうち、Fe-Ni系の改良
材の提案には特開昭55-131155号あるいは特開平3-39446
号があり、またFe-Ni-Co系の改良材については特
開昭55-128565号、特開昭57-82455号、特開昭61-6251
号、特公平1-817号、特公平1-5562号、特開平3-39447号
および本願発明の出願人が先に提案した特開平3-166340
号等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】多ピンリードフレーム
は主に微細加工が可能なフォトエッチング法で製造され
る。しかし、これら微細加工したFe-42Ni系または
Fe-29Ni-17Co系薄板多ピンリードフレームは、リ
ードの強度不足が原因でパッケージ組立て、搬送、実装
などの際に反り、曲がりなどリードばらつきが起こり易
く、また使用中の衝撃で座屈するなど種々問題があっ
た。
【0004】Fe-Ni系あるいはFe-Ni-Co系合
金の改良については、Si,Mn,Crを含有させて強
化する試み((a)特開昭55-131155号)あるいはその他の
強化元素による高強度化の提案((b)特開平3-39446号、
(c)特開平3-39447号)、Fe-Ni-Co系合金について
の熱膨張に関するもの((イ)特開昭55-128565号、(ロ)特
開昭57-82455号、(ハ)特開昭61-6251号、(ニ)特公平1-817
号、(ホ)特公平1-5562号、(ヘ)特開平1-61042号)や、本
出願人が先に提案した2相組織強化によるもの((A)特
開平3-166340号、(B)特願平4-65859号)があるが、
(a)〜(c)は主要元素の他に強化元素を含有するため、表
面酸化が起こり易くリードフレームの主要特性であるハ
ンダ性、メッキ性を著しく劣化させる問題があり、ま
た、(イ)〜(ヘ)のうち(イ)以外のものは、いずれもリード
フレームの強度を積極的に改善しようとするものではな
い。
【0005】なお前記(イ)のものは、強化機構が高C
(0.2〜0.35%程度)またはさらにHf,Nb,V,Zr,Ta,
W,Alの1種以上または2種以上添加するものであり、
異質のものである。また、前記(A)は加工誘起マルテン
サイトと逆変態オーステナイト析出により高強度化する
ことに主眼があるため、高強度特性を得るのに十分な冷
間加工を要するものであり、これに伴い、多ピンかつ薄
板のリードフレームに有害な素材異方性(圧延方向と板
幅方向の諸特性の差)および形状(強圧延による材料の
幅そり、うねり等)の点で問題があった。また、(B)
は(A)より高強度かつ異方性を低減したものであるが、
固溶化処理後の冷却過程またはその後の冷間圧延でのマ
ルテンサイト変態に主眼があるため、(A)に比べて低N
i組成になっており、耐食性が劣化し熱膨張係数が上昇
するという問題があった。本発明は、いずれも高強度と
良好なハンダ性、メッキ性を有すると共に、異方性を抑
制したリードフレーム材料および過度な異方性を抑制し
つつ、さらに高い耐食性とより低い熱膨張率を有するリ
ードフレーム材料を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者はFe-Ni-C
o系合金の相変態機構に着目して、組成および製造条件
について種々の実験を行った結果、固溶化処理とその後
常温(20℃)より低い温度に冷却する冷却処理を施し
て、組織をマルテンサイト相とオーステナイト相の少な
くとも2相組織化することにより、前記(A)と同等のN
i含有量領域においては、固溶化処理後の冷間加工を排
し、または低冷間加工率化しても、リードフレームの各
種特性、特にハンダ性、メッキ性を損なわずに高強度化
できるという(A)の提案の特徴をそのまま有するととも
に、さらに上記冷間加工を排しまたは低加工率とするこ
とで、前記の異方性および板形状の問題も解決できるこ
と、また(A)より高Niであって比較的オーステナイト
の安定な組成域では、高Niの利点である低熱膨張特
性、高耐食性を有せしめることができることを見出し
た。
【0007】すなわち、本願の第1発明は、重量%にて
Co 0.5〜22%、Ni 26%を越え34%以下、Mn 1.0%以
下、Si 0.5%以下、NiとCoの含有量はCo 12%未
満ではNi 32.5%を越え34%以下、Co 12%以上では74%
<(2Ni+Co)≦80%の関係を満足し、残部はFeと
不可避的不純物からなり、さらに主要組織がマルテンサ
イト相およびオーステナイト相の少なくとも2相組織で
あり、前記オーステナイト相が30%以上であることを特
徴とする高強度リードフレーム材料、また、第3発明
は、重量%にてCo 0.5〜22%、Ni 22〜32.5%、Mn
1.0%以下、Si 0.5%以下、NiとCoの含有量はCo
12%未満ではNi 27〜32.5%、Co 12%以上では66%≦
(2Ni+Co)≦74%の関係を満足し、残部はFeと不
可避的不純物からなり、さらに主要組織がマルテンサイ
ト相およびオーステナイト相の少なくとも2相組織で、
前記オーステナイト相が30%以上であり、室温から200℃
までの平均熱膨張係数が(2〜9)×10マイナス6乗/℃、硬
さがHVで240以上、ストリップの長さ方向の引張強さが7
8kgf/mm2(765MPa)以上であり、90゜繰り返し曲げ試験に
おけるストリップの長さ方向とストリップの幅方向の測
定値の差が6回以内である異方性の少ないことを特徴と
する高強度リードフレーム材料、ならびに第2および4
発明は、前記第1発明および第3発明にそれぞれ記載の
合金組成の上に、さらにNb,Ti,Zr,Mo,V,
W,Beのいずれか1種または2種以上を合計で0.1〜3
%含有する前記同様組織、特性値の高強度リードフレー
ム合金である。
【0008】また、本願の第5発明は、前記記載の各組
成の合金を、オーステナイト化終了温度以上の温度に加
熱する固溶化処理と、該固溶化処理に引き続いて、要す
れば冷間圧延等の後、常温より低い温度に冷却する冷却
処理の少なくとも二処理を施すことを特徴とする高強度
リードフレーム材料の製造方法である。なお、本発明の
各材料において、不可避的不純物のうち、Cは0.020%以
下、Sは0.015%以下、Oは150ppm以下、Nは100ppm以下
とすることがそれぞれ望ましい。
【0009】
【作用】本願の第3、第4発明の合金組成は、前述の特
開平3−166340号(A)で提案したものとNi−
Co図上で重複する。この提案(A)の材料は、溶体化
処理によりオーステナイト相化した後、このオーステナ
イト相を冷間加工で加工誘起マルテンサイト相化し、こ
のマルテンサイト相を焼鈍により逆変態オーステナイト
相化することにより高強度化せんとするものである。そ
して、十分な強度改善効果を得るためには40〜90%等の
高い冷間加工率が必要であり、その結果、強い異方性を
示し、特に長さ方向をストリップの長手方向と板幅方向
としてそれぞれ採取したテストピースによる繰返し折曲
げ回数の測定値の差が大きいことが本発明者により確認
された。
【0010】そこで、種々テストの結果、本発明者は溶
体化処理と、その後のサブゼロ処理等の常温(20℃)よ
り低い温度に冷却する冷却処理との少なくとも二処理を
施すことにより、前記提案で必須であった冷間加工を排
し、またはその加工率を低下し、これにより材料の異方
性を皆無、または大きく低下して高強度化を達成し得る
ことを見出した。また、本願の第1、第2発明は、前記
第3、第4発明の材料に対し、高Ni側に隣接し、オー
ステナイトがより安定な合金領域を占める合金でなるも
のであり、低熱膨張率、耐食性の点で有用な領域である
が、従来技術では、もはや冷間加工のみでは実用上十分
な量のマルテンサイト変態をさせることができないか、
またはより高加工度の冷間加工、したがって、より強い
異方性を伴う領域である。本発明者は、この合金領域に
ついても上記と同様に固溶化処理とその後に冷却処理を
施すことにより、この合金領域も二相強化により強化可
能で有用な領域であることを見出した。
【0011】高い形状精度、表面性状を有するストリッ
プ材は、多回数、大加工量の冷間圧延工程を経て仕上段
階に持ち来されるため、この段階では高い塑性歪と強い
異方性を有している。したがって、本願の製造方法発明
では、先ず、溶体化処理によりこの歪および異方性を除
去し、その後サブゼロ処理等、常温より低い温度に冷却
する処理を単独または冷間圧延等と組み合わせて適用す
る。
【0012】板材としての形状的精度を確保するには、
加熱しつつ張力を加えることにより矯正し、かつ材質的
安定化を図るのがよい。したがって、最終工程は、焼鈍
もしくはエージングまたはこの焼鈍もしくはエージング
(以下これを最終熱処理と記す)後、板材としての形状
的精度を損なわない程度以下の冷間圧延とするのがよ
い。本発明材料の強化は、析出強化によるもので具体的
には、母材を固溶化処理によりオーステナイト化した
後、常温より低い温度に冷却する冷却処理でオーステナ
イト相中にマルテンサイト相を微細に析出させて強化す
るものである。
【0013】本発明材料中のマルテンサイト相は、上記
冷却処理に伴うのみならず、冷却処理の前記後いずれか
または両方で要すれば加える冷間加工による加工誘起マ
ルテンサイト相が含まれてもよい。したがって、本発明
ではマルテンサイトを得るための冷間加工は必須ではな
く、また所定の析出強化を得るためのマルテンサイト相
の量は、冷却処理による分量だけ冷間加工による分量を
少なくしてよく、したがって冷間加工量を0とし、また
は少なくして異方性の増加を防止または抑制することが
できる。また、本発明材料中のオーステナイト相は、上
記冷却処理や冷間加工後に残留したもののみならず、上
記のマルテンサイト中に、冷却処理や冷間加工の後に必
要により施される焼鈍もしくはエージングつまり最終熱
処理により析出した逆変態オーステナイト相が含まれて
も良く、また、この逆変態オーステナイトのみでもよ
い。
【0014】すなわち、本発明材料中のオーステナイト
相は、溶体化処理によるもの、逆変態によるもの、のい
ずれか一方または両方によるものである。また、本発明
材料中のマルテンサイト相は冷却処理によるものを必須
とし、これのみまたはこれに加え、加工誘起によるもの
が含まれてよい。本願の第1および第3発明に係る合金
は、上記焼鈍中の矯正におけるマルテンサイト相からオ
ーステナイト相への逆変態は、温度に敏感であるため、
強度の焼鈍温度依存性が大きく、安定生産上多少の問題
があることがわかった。そこで、本発明者はマルテンサ
イト相からオーステナイト相への逆変態の上にさらに固
溶硬化または析出強化を利用してこの焼鈍温度依存性を
緩和させつつ、ハンダ性、メッキ性、熱膨張特性を損な
うことなく高強度化できることを見出し、第2および第
3発明をなした。
【0015】また、本発明の材料は、その組織を制御す
ることまたはさらに特定元素による固溶強化あるいは析
出強化に特徴を有するが、本発明材料についてもハンダ
性、メッキ性を評価していく過程で、脱酸剤として添加
され残留するMn,Si、および炭素、硫黄、酸素、窒素
の不純物については、特定の値以下に規制すると、一段
とハンダ性、メッキ性が向上し、強度や熱膨張特性以外
に求められる実用特性が改善されることがわかった。
【0016】次に本発明の数値限定理由を述べる。Co
含有量は、その約17%付近およびで5%付近で熱膨張係数
を極小化するのに最適であり、0.5%より少ないか22%を
越えると熱膨張係数が大きくなり、シリコンチップとの
熱膨張整合性を劣化させる。このため、Co含有量は、
0.5%〜22%の範囲に限定する。Ni含有量はCo量との
関係で決定される。Co12%未満でNiが27%より少ない
かCo12%以上で(2Ni+Co)が66%より少ないとオ
ーステナイトが不安定となり過ぎ、オーステナイト量が
不足し、最終工程として焼鈍処理を加えたときでさえ析
出する逆変態オーステナイトが冷却過程でマルテンサイ
ト変態を起こし熱膨張係数が大きくなる。
【0017】また、Co12%未満でNiが34%を越える
か、またはCo12%以上で(2Ni+Co)が80%を越え
ると、溶体化処理後、冷間加工を併用した冷却処理でも
マルテンサイト変態が不十分となる。このため、Co12
%未満ではNi27〜34%、Co12%以上では66%≦(2Ni
+Co)≦80%の関係を満足するようにNiを限定し
た。そして、本願ではこのNiの領域を便宜上二領域に
区分し、第3、第4発明では、Co12%未満でNi32.5%
以下、Co12%以上で2Ni+Co≦74%とし、第1、第
2発明ではNiが該区分を越えるものとした。
【0018】Mnは脱酸剤として使用するが1.0%を越え
ると熱膨張係数を増大させ、また、ハンダ性、メッキ性
を劣化させるので1.0%以下に限定した。Siは脱酸剤と
して使用されるもので材料中に残存しない方が望ましい
が、0.5%までは熱膨張係数の極端な上昇やハンダ性、メ
ッキ性の極端な劣化は生じないので許容できる。
【0019】Nb,Ti,Zr,Mo,V,W,Beは、本発明材
料の固溶強化あるいは析出強化により基地を強化する元
素として重要である。本発明材料は、オーステナイトと
マルテンサイトの少なくとも二相化することにより強化
されるが、熱膨張特性の点からオーステナイト量は多い
方が望ましく、最終焼鈍を行う場合、その温度はできる
だけ高くとることが望ましい。しかし、これらの添加元
素が無添加で、焼鈍を施す場合、その温度の上昇ととも
に、機械的特性が急激に低下する。このため、生産安定
性の点からも高温焼鈍側の機械的特性をこれらの元素を
添加して安定化させることが望ましい。しかし、これら
の元素の添加は、焼鈍を行わない場合でも固溶強化、析
出強化の効果を有し、有用である。
【0020】これら固溶強化元素あるいは析出強化元素
を添加することで、特に、最終焼鈍を行う場合の高温側
の硬さ、すなわち機械的特性の低下を改善できる。これ
らの元素の添加量が0.1%未満では、機械的特性改善に効
果がなく、3%を越えると表面酸化を促進し、ハンダ性、
メッキ性を著しく損なう。また、これら元素はオーステ
ナイト生成側に作用するので添加量が増えると基質のオ
ーステナイトが安定化し過ぎるため、添加量は0.1〜3%
に限定する。
【0021】次に不純物元素について述べる。不純物で
あるCは0.020%を越えると素材のエッチング性を著しく
劣化させ、さらに炭化物の過剰析出によりハンダ性、メ
ッキ性を悪くするため、0.020%以下に限定するのがよ
く、さらにCの望ましい範囲は0.010%以下である。S
は、0.015%を越えると、過剰のMnSが形成され、表面
疵等が発生しやすくなり、また、固溶Sは熱間加工性を
低下させるため、0.015%以下に限定するのがよく、さら
にSの望ましい範囲は0.008%以下である。
【0022】Oは150ppmを越えると脱酸剤のSiおよび
不可避的に混入したAl,Mg等、Oとの親和力の強い元
素と過剰の酸化物を形成し、それが表面清浄度を悪く
し、ハンダ性、メッキ性を低下させるため150ppm以下と
するのがよく、さらにOの望ましい範囲は、80ppm以下
である。Nはオーステナイト安定化作用があるため、10
0ppmを越えて含有させるとオーステナイト相が安定化し
すぎ、マルテンサイトへの変態が起りにくくなる。さら
に窒化物が過剰に析出しハンダ性、メッキ性を低下させ
るため、100ppm以下とするのがよく、さらにNの好まし
い量は50ppm以下である。
【0023】また、最終の主要組織は、マルテンサイト
相とオーステナイト相(一部残留オーステナイトを含ん
でも可)からなる少なくとも2相でなる組織とするが、
オーステナイト相が30%以下では十分な析出強化が得ら
れず、また熱膨張係数も大きくなり、シリコンチップと
の整合性が悪くなるため、オーステナイト相は30%以上
に限定する。なお、本発明におけるオーステナイト相の
量(%)は、後述の実施例にて説明するX線回折強度から
求めた値とする。本願の第3および第4発明では、機械
的特性と熱膨張率を特定した。本発明材料の硬さおよび
引張強さは、従来剤である42合金(200HV,引張強さ 6
4kgf/mm2、(628MPa)程度)より十分に高強度化している
点から、硬さHVは240以上、引張強さ(ストリップの長さ
方向)は、78kgf/mm2(765MPa)以上に限定する。
【0024】また、熱膨張係数はSiチップとの整合性
の点からα30-200=(2〜9)×10マイナス6乗/℃に限定す
る。90°繰返し曲げ試験でTPの長さ方向を長手方向と
する場合と幅方向とする場合の値の差が大きくなると、
4方向にリードを持つQFPタイプなどのパッケージに
おいて、長手方向と幅方向のリードの曲がり方が違うた
め問題となる。このため、90°繰返し曲げの長手方向と
幅方向の値の差は6以内に限定する。
【0025】次に、本発明材料の製造方法について述べ
る。リードフレーム材料の製造の最終段階においては、
先ず固溶化処理により、それ以前に受けた歪、異方性を
除去することは既に述べた。固溶化処理温度がオーステ
ナイト化終了温度以下では、その後の室温までの冷却過
程、またはさらにその後マルテンサイト変態を促進させ
るため、常温より低い温度への冷却処理、またはさらに
この冷却処理の前または後に必要により挿入する冷間圧
延等で、マルテンサイト変態が十分起こらないため、こ
の固溶化処理温度はオーステナイト化終了温度以上とす
る。オーステナイト化終了温度は成分系で変化するが、
約650℃程度である。しかし、異方性を十分に消去する
ためには、この処理は再結晶温度である約800℃以上と
することが望ましい。また、固溶化処理後の冷却処理
は、マルテンサイト変態促進の点から0℃以下、さらに
は-40℃以下に冷却するものであることが望ましい。
【0026】また、上記固溶化処理後、冷却処理の前ま
たは後に必要により加える冷間加工の加工率は、80%を
越えると圧延方向と板幅方向の素材異方性が強くなり、
また形状的に幅反り、うねり等が生じやすい点で好まし
くないため、冷間加工率は80%以下に限定するのがよ
い。望ましくは、60%以下、さらに望ましくは50%以下に
抑えることでより低い異方性と良好な素材形状が得られ
る。本方法発明では、冷却処理を必須として行なうので
冷間加工を不要、またはその加工率を低減することがで
き、これにより異方性の点で有利となる。また、この冷
間加工では冷却処理で残留したオーステナイト相を加工
誘起マルテンサイトに変態させる効果もある。
【0027】このようにして上記固溶化処理後の冷却過
程またはその後の冷却処理や冷間加工等でのマルテンサ
イト相の析出により高強度化が達成される。なお、最終
焼鈍を施す場合、最終焼鈍前のマルテンサイト相の量が
10%以下であるとこの最終焼鈍で十分な逆変態オーステ
ナイト析出強化が得られないため、焼鈍前のマルテンサ
イト量は10%以上とするのがよいが、より安定した析出
強化を得るために50%以上とするのがよい。さらに上記
の最終焼鈍温度は、これがオーステナイト化終了温度を
越えると全てのマルテンサイト相がオーステナイト相に
変態してマルテンサイト相が消失し、所望の析出強化が
得られないためオーステナイト化終了温度以下とするこ
とが必要である。
【0028】
【実施例】本発明材料を実施例により説明する。表1に
示す組成の合金を真空溶解炉で溶解、鋳造し、1100〜11
50℃での鍛造と熱間圧延で3mm厚さとし、さらに1000℃
×1Hrの溶体化処理後0.5mm厚み(圧化率 83%)まで冷間圧
延を施した。表の試料No.のうちA〜Rは本発明に係る合
金材料、V〜Zは比較合金材料であり、このうちVは強化
元素を過剰に含有するもの、W,XはNiが本発明の規定よ
り高いもの、Y,ZはNiが本発明の規定より低いものであ
る。上記各々の材料(0.5mm厚さ)に対し、0.25mmまでの
冷間圧延、800℃の固溶化処理、-70℃の冷却処理、0.12
5mmまで冷間圧延(50%)、560〜600℃の最終焼鈍の一連の
処理(製造方法1)を施した。表2に上記製造過程の組織
比率と各種特性(測定条件等は表に付記)を示す。なおD
についてMs点を測定したところ、約-35℃であった。
【0029】また、表3には前記合金材料のうち、A,B,
G,Dの材料(0.5mm厚さ)に800℃の固溶化処理、0.125mmま
での冷間圧延(75%)、続いて560〜600℃最終焼鈍の一連
の処理(製造方法2)を施した時の各種特性(測定条件
等は表に付記)を示す。また、表4には、組成DまたはA
の材料の板厚 0.25mmの冷間圧延材について、800℃の固
溶化処理、0℃の冷却処理、50%の冷間圧延(t=0.125mm)
および560℃の最終焼鈍をそれぞれ施したもの(製造方法
3)、また800℃の固溶化処理、50%の冷間圧延(t=0.125
mm)、-70℃の冷却処理および560℃の最終焼鈍をそれぞ
れ行なったもの(製造方法4)、また、800℃の固溶化処
理、-70℃の冷却処理および560℃の最終焼鈍をそれぞれ
行なったもの(製造方法5 t=0.25mm)、また、800℃の固
溶化処理、-70℃の冷却処理および50%の冷間圧延をそれ
ぞれ施したもの(製造方法6 t=0.125mm)の各主特性を示
す。
【0030】なお、組織比率は、以下の式により求めた
値である。但し、フェライトを含む場合、これはIαに
含まれる。 オーステナイト相(%)={Iγ/(Iα+Iγ)}×100 Iα=Iα(110)+Iα(200)+Iα(211) Iα(110)等はマルテンサイトのX線回折強度 Iγ=Iγ(111)+Iγ(200)+Iγ(220)+Iγ(311) Iγ(111)等はオーステナイトのX線回折強度 また、90°繰返し曲げ試験は、図1に示す治具により90
°曲げと真直もどしとを破断するまで交互に繰り返して
90°曲げの回数を求めた。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】表2から、本発明材料A1〜R1および比較材
料V1,Y1,Z1は、最終焼鈍後の組織比率IIIでわかるよう
に、オーステナイト相を30%以上とマルテンサイト相と
の混合相であり、組成上オーステナイトが安定になり過
ぎた比較材料W1,X1に比べて、高強度の特性を示してい
る。さらに、本発明材料A1〜R1は、組成上オーステナイ
トが不安定になり過ぎた比較材料Y1,Z1に比べ耐食性が
優れ、また熱膨張係数も低く優れている。また、Nb,T
i,Zr,Mo,V,W,Beの1種または2種以上添加した本
発明材料I1〜R1は、これらを添加しないA1〜H1に比べて
高強度化している。すなわち、A1に対してI1,J1,K1が、
D1に対してL1,M1,N1が、G1に対してO1,P1,Q1,R1がそれ
ぞれ対応している。しかし、比較材料V1は、強化元素を
過剰に含有するため、メッキ性が膨れ有りと悪くなって
いる。
【0034】本願の第1発明のNi,Co領域にある本発
明材料A,Bは、表3にて従来の製造方法(製造方法2)
では、オーステナイトが安定であるため、かなり強い圧
下(75%)にもかかわらず、マルテンサイト変態が起き
ず、強度が低くなっている。これに対し、表2での本発
明材料A,Bは、-70℃の冷却処理を行なっているため、50
%の冷間圧延であってもマルテンサイト変態がさらに進
行して起こり、十分に高強度化している。一方、本願の
第3発明のNi,Co領域にある本発明材料D,Gは、表3に
て、従来の製造方法(製造方法2)では、十分なマルテ
ンサイト変態量を得るため、強圧延率(75%)が必要であ
り、対応する表2でのD,Gに対し異方性が大きい。ま
た、強度的にも表2のD,Gの方が高強度化していることが
わかる。
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】また、表4のD3は、冷却処理を0℃で行な
ったものであるが、表3のD2に比べて冷間圧延率が低く
ても十分高強度化し、かつ冷間加工率が小さいため、異
方性の点で優れている。また、表4中、D4,5も強度、熱
膨張、異方性とも良好な値を示している。また、A6はA1
に対して、最終熱処理を省略したものであり、このため
オーステナイト量が少なく、したがってやや大きい熱膨
張率となっているが、他の特性は良好である。
【0038】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明材料は、F
e-Ni-Co系合金において、これら主要構成元素の組成
範囲を特定し、かつ固溶化処理と冷却処理とを組み合わ
せて、主要組織をオーステナイト相とマルテンサイト相
の少なくとも2相の組織とすることにより、高強度化さ
れ、かつ良好なハンダ性、メッキ性、耐食性を有し、低
熱膨張率のリードフレーム材料である。このうち、第1
および第2発明の材料は、高Ni領域を占めるもので、
より低い熱膨張率と優れた耐食性を有するにもかかわら
ず、過度な異方性が防止されている。また、第3および
第4発明は、低Ni領域を占め、本発明者らによる特開
平3-166340号(A)と同じFe-Ni-Co合金組成を占めるもの
であり、上記冷却処理を導入することにより、固溶化処
理後の冷間加工を排し、または低い冷間加工率を可能と
し、これにより、特に異方性をより低くした材料であ
り、FQP等のリードフレームに適するものである。ま
た、第2および第4発明の材料は、Nb,Ti,Zr,
Mo,V,W,Beの1種または2種以上を添加するこ
とで、より安定した低熱膨張、高強度の特性が得られる
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】90°繰返しの曲げ試験に使用した治具の全体図
である。
【符号の説明】
1 テストピース、2 締付ネジ、3 取手

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%にてCo 0.5〜22%、Ni 26%を
    越え34%以下、Mn 1.0%以下、Si 0.5%以下、Niと
    Coの含有量はCo 12%未満ではNi 32.5%を越え34%
    以下、Co 12%以上では74%<(2Ni+Co)≦80%の
    関係を満足し、残部はFeと不可避的不純物からなり、
    さらに主要組織がマルテンサイト相およびオーステナイ
    ト相の少なくとも2相組織であり、前記オーステナイト
    相が30%以上であることを特徴とする高強度リードフレ
    ーム材料。
  2. 【請求項2】 重量%にてCo 0.5〜22%、Ni 26%を
    越え34%以下、Mn 1.0%以下、Si 0.5%以下、Nb,
    Ti,Zr,Mo,V,W,Beのいずれか1種または
    2種以上を合計で 0.1〜3%、NiとCoの含有量はCo
    12%未満ではNi 32.5%を越え34%以下、Co 12%以上
    では74%<(2Ni+Co)≦80%の関係を満足し、残部
    はFeと不可避的不純物からなり、さらに主要組織がマ
    ルテンサイト相およびオーステナイト相の少なくとも2
    相組織であり、前記オーステナイト相が30%以上である
    ことを特徴とする高強度リードフレーム材料。
  3. 【請求項3】 重量%にてCo 0.5〜22%、Ni 22〜3
    2.5%、Mn 1.0%以下、Si 0.5%以下、NiとCoの含
    有量はCo 12%未満ではNi 27〜32.5%、Co 12%以上
    では66%≦(2Ni+Co)≦74%の関係を満足し、残部
    はFeと不可避的不純物からなり、さらに主要組織がマ
    ルテンサイト相およびオーステナイト相の少なくとも2
    相組織で、前記オーステナイト相が30%以上であり、室
    温から200℃までの平均熱膨張係数が(2〜9)×10マイナ
    ス6乗/℃、硬さがHVで240以上、ストリップの長さ方向
    の引張強さが78kgf/mm2(765MPa)以上であり、90゜繰り
    返し曲げ試験におけるストリップの長さ方向とストリッ
    プの幅方向の測定値の差が6回以内である異方性の少な
    いことを特徴とする高強度リードフレーム材料。
  4. 【請求項4】 重量%にてCo 0.5〜22%、Ni 22〜3
    2.5%、Mn 1.0%以下、Si 0.5%以下、Nb,Ti,Z
    r,Mo,V,W,Beのいずれか1種または2種以上
    を合計で 0.1〜3%、NiとCoの含有量はCo 12%未満
    ではNi 27〜32.5%、Co 12%以上では66%≦(2Ni
    +Co)≦74%の関係を満足し、残部はFeと不可避的不
    純物からなり、さらに主要組織がマルテンサイト相およ
    びオーステナイト相の少なくとも2相組織で、前記オー
    ステナイト相が30%以上であり、室温から200℃までの平
    均熱膨張係数が(2〜9)×10マイナス6乗/℃、硬さがHVで
    240以上、ストリップの長さ方向の引張強さが78kgf/mm2
    (765MPa)以上であり、90゜繰り返し曲げ試験におけるス
    トリップの長さ方向とストリップの幅方向の測定値の差
    が6回以内である異方性の少ないことを特徴とする高強
    度リードフレーム材料。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の組成の
    合金をオーステナイト化終了温度以上の温度に加熱する
    固溶化処理と、該固溶化処理後常温(20℃)より低い温
    度に冷却する冷却処理の少なくとも二処理を施すことを
    特徴とする高強度リードフレーム材料の製造方法。
JP19439693A 1993-08-05 1993-08-05 高強度リードフレーム材料およびその製造方法 Pending JPH0748650A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19439693A JPH0748650A (ja) 1993-08-05 1993-08-05 高強度リードフレーム材料およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19439693A JPH0748650A (ja) 1993-08-05 1993-08-05 高強度リードフレーム材料およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0748650A true JPH0748650A (ja) 1995-02-21

Family

ID=16323902

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19439693A Pending JPH0748650A (ja) 1993-08-05 1993-08-05 高強度リードフレーム材料およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0748650A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0991122A3 (fr) * 1995-04-27 2000-07-26 Imphy Ugine Precision Pattes de connexion pour composant electronique
WO2024210204A1 (ja) * 2023-04-07 2024-10-10 新報国マテリアル株式会社 低熱膨張鋳物及びその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0991122A3 (fr) * 1995-04-27 2000-07-26 Imphy Ugine Precision Pattes de connexion pour composant electronique
WO2024210204A1 (ja) * 2023-04-07 2024-10-10 新報国マテリアル株式会社 低熱膨張鋳物及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2465962B1 (en) High-strength steel sheets and processes for production of the same
JP7603147B2 (ja) オーステナイト系ステンレス鋼板及びその製造方法
JP4252893B2 (ja) スチールベルト用複相ステンレス鋼帯
JP2022155180A (ja) オーステナイト系ステンレス鋼およびその製造方法
JP2022069229A (ja) オーステナイト系ステンレス鋼およびその製造方法
US20230250522A1 (en) Austenite stainless steel material, method for producing same, and plate spring
JP4472015B2 (ja) 延性に優れた高強度低比重鋼板およびその製造方法
JP3755301B2 (ja) 耐衝撃特性、強度−伸びバランス、耐疲労特性および穴拡げ性に優れた高強度高加工性熱延鋼板およびその製造方法
JPH0625395B2 (ja) 高強度リードフレーム材料およびその製造方法
US20240336989A1 (en) Austenitic stainless steel and method for manufacturing same
JPH0472037A (ja) 高強度低熱膨張合金およびその製造方法
JPH07216510A (ja) 高強度リードフレーム材料およびその製造方法
US5246511A (en) High-strength lead frame material and method of producing same
JPH07216509A (ja) 高強度リードフレーム材料およびその製造方法
US5147470A (en) High strength lead frame material and method of producing the same
JP3752844B2 (ja) 耐衝撃特性および耐疲労特性に優れた高強度高加工性熱延鋼板
JPH06287715A (ja) 高強度リードフレーム材料およびその製造方法
JP2830472B2 (ja) 耐食性、繰返し曲げ特性、エッチング性に優れた高強度Fe−Ni−Co合金薄板およびその製造方法
JPH09268348A (ja) 電子部品用Fe−Ni系合金薄板およびその製造方法
JPH05271876A (ja) 高強度リードフレーム材料およびその製造方法
JP2614395B2 (ja) 耐縮み特性に優れるFe−Ni系電子材料薄板の製造方法
JP3506289B2 (ja) 電子部品用Fe−Ni系合金薄板およびその製造方法
JP2797835B2 (ja) 耐食性、繰返し曲げ特性に優れた高強度Fe−Ni−Co合金薄板およびその製造方法
JP3320013B2 (ja) 耐衝撃特性に優れた高強度高加工性熱延鋼板
JP3606135B2 (ja) ばね用フェライト系ステンレス鋼板とその製造方法