JPH0752995B2 - 音響装置用振動板 - Google Patents

音響装置用振動板

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JPH0752995B2
JPH0752995B2 JP63086078A JP8607888A JPH0752995B2 JP H0752995 B2 JPH0752995 B2 JP H0752995B2 JP 63086078 A JP63086078 A JP 63086078A JP 8607888 A JP8607888 A JP 8607888A JP H0752995 B2 JPH0752995 B2 JP H0752995B2
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研一 竹之内
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は,音響装置における音響装置用振動板に関す
るものである。
〔従来の技術〕
一般に,音響装置用振動板は単板,複数の板を貼り合せ
た構造のもの,ハニカム構造体や発泡樹脂等で充填した
芯材の表裏の最外層に振動板を貼り合せた構造のものが
ある。そして,これらの振動板材料は,従来天然または
合成繊維の単独紙,混合紙または樹脂フイルム,アルミ
ニウムなどの金属等から構成されていた。
次に,この振動板について説明する。一般に,音響装置
用振動板(以下振動板と称する。)は,比弾性率,曲げ
剛性および内部損失が大であることが要求される。ここ
で,比弾性率Ε/ρ(Εはヤング率,ρは密度)が大き
い程,限界共振周波数が高くなり再生周波数帯域が拡大
される。また曲げ剛性Ε・I(Iは断面2次モーメン
ト)が大きい程,歪みが低減され,内部損失が大きい
程,機械的共振の鋭さQ値が減少して特性の平担化が計
れ,音響性質の良好な振動板が得られる。従来このよう
な見地から振動板材料が種々採用されている。しかし,
これらの特性は互いに相反する要素を持つているため,
既存の単一的材料ですべてを満足させることは非常に困
難であつた。これらを解決するために,2種以上の異なる
材料を用いた複合積層方法による振動板により,互いに
相反する要素,とりわけ高弾性,高剛性と高い内部損失
を両立させるような工夫を施すことも考えられるが,比
弾性率が下がつてしまつたり,生産性も悪くコストが高
くつくなど工業的に見ても充分満足出来るものではなか
つた。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来の振動板は,以上のように構成されているので,比
弾性率Ε/ρの大きい振動板は,その内部損失が非常に
小さく,特に弾性率に優れるアルミニウムなどの金属板
は,内部損失が小さいため周波数特性において,ピーク
デイツプが生じ,良好な特性が得られなかつた。また,
内部損失を大きくするために,紙,高分子系振動板を貼
り合わせで使用する場合,比弾性率Ε/ρが低く,限界
共振周波数が低くなつてしまうという課題があつた。
この発明は,上述した課題に鑑みなされたもので,振動
板全体の比弾性率及び内部損失を向上させ,しかも従来
と同様の加工性,取扱い性を有する優れた振動板を得る
ことを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
この第1の発明に係る単又は複数の層で構成された音響
装置用振動板は、単又は複数の層の少なくとも一層の材
料として、重量百分率で、Siが8〜20重量%と、Fe、Z
r、V、及びTiからなる群から選ばれた少なくとも1種
の元素、または複数種の元素の合計を0.05〜0.8重量
%、及び希土類元素を0.05〜2重量%と、Na、Srの何れ
かまたは合計で0.1重量%以下を含み、残部がアルミニ
ウム及び不純物からなり、第2相粒子の平均粒径が10μ
m以下である防振性アルミニウム合金を用いたものであ
る。
また、第2の発明に係る単又は複数の層で構成された音
響装置用振動板は、単又は複数の層の少なくとも一層の
材料として、重量百分率で、Niが4〜10重量%と、Fe、
Zr、V、及びTiからなる群から選ばれた少なくとも1種
の元素、または複数種の元素の合計を0.05〜0.8重量
%、及び希土類元素を0.05〜2重量%とを含み、残部が
アルミニウム及び不純物からなり、第2相粒子の平均粒
径が10μm以下である防振性アルミニウム合金を用いた
ものである。
また、第3の発明に係る音響装置用振動板の少なくとも
一部にもちいる防振性アルミニウム合金の構成材料とし
て、さらにSnを0.005〜0.1重量%加えたものである。
〔作用〕
この第1及び第2の発明に係る防振性アルミニウム合金
の構成において、上記の構成のように、Alの中にSi又は
Niを添加すると、マトリクスであるAl中にSi又はNi粒子
が析出し、共晶結晶を形成する。そして、第2相である
Si又はNi粒子の界面が振動を吸収し、減衰能を向上させ
る。
また、Fe、Zr、V、Ti及び希土類元素を含有させること
により、前記共晶結晶を微細化し、減衰能をより向上さ
せる。
またさらに、上記第1の発明に係る構成にNa、Srの何れ
かまたは両者を加えることによりSi粒子を微細化させ
る。
さらに、第3の発明に係る防振性アルミニウム合金の構
成において、上記第1及び第2の発明に係る防振性アル
ミニウム合金に、さらにSnを0.005〜0.1重量%加えるこ
とにより、粒界の粘性を増大させることで、結果的には
振動板の比弾性率、内部損失を向上させる。
〔実施例〕
以下,この発明の実施例を図について説明する。第1図
は第一実施例で,単板の振動板(1)からなり,この振
動板を防振性アルミニウム合金で形成したものである。
第2図は第二実施例で,複数板(1a)(1b)を貼り合せ
た振動板であり,少なくとも一面を防振性アルミニウム
合金としたものである。第3図は第三実施例であり,ハ
ニカム構造体や発泡樹脂等で充填した芯材(1c)の表裏
面に貼り合せた振動板(1a),(1b)の少なくとも一面
を防振性アルミニウム合金で形成したものである。
この発明において振動板に用いられる防振性アルミニウ
ム合金の実施例を4つ示す。
実施例1及び2は,Al-Si系合金,実施例3及び4はAl-N
i系合金である。
なお,これら各実施例の成分はいずれも重量百分率で示
してある。
なお上記各実施例の「MM」とは希土類金属の混合物であ
るミッシュメタルであり、この組成は,L35%,C43
%,Nd15%,P4%,S1%,Y他2%である。
防振性アルミニウム合金の減衰能の原因,及び機構は,
第2相粒子とマトリツクスの境界,結晶粒界及びセル粒
界での粘性流動並びに転位・空孔及び積層欠陥等の結晶
中の微小欠陥による振動エネルギーの吸収が考えられ
る。
減衰能Q-1は,外部から与えられた振動エネルギーを熱
エネルギーに変換する尺度を示し, で表わされる。
本発明の実施例(1)(2)で使つたAl-Si系合金は,Al
中にSiを添加すると,マトリツクスであるAl中にSi粒子
が析出し,共晶結晶を形成する。そして第2相であるSi
粒子の界面が振動を吸収し減衰能Q-1を向上させるもの
である。
また、Fe、Zr、V、Ti及び希土類元素あるいはミッシュ
メタル等の希土類元素の混合物は、上記結晶を微細化し
て結晶粒界を増加させる働きが、またNa,Srは,Si粒子を
微細化する働きがある。また前記実施例2のように実施
例1に更にSnを含有させると、このSnが結晶粒界に微細
に析出し、粒界の粘性を増大させ,減衰能を向上させ
る。
本発明の実施例(1)(2)における各成分の好ましい
それぞれの範囲(重量百分率)は次の表1の通りであ
り,それより多くても少なくても表1の様な問題を生ず
る。
また,本発明の実施例(1)(2)のAl-Si系合金にお
いては,その結晶組織について第2相粒子(Si粒子)の
平均粒子径が10μm以下であることが必要である。即
ち、第2相粒子の平均粒径を10μm以下とすることによ
つて第2相粒子の界面を増大させ大きい減衰能を得るこ
とができる。
さらに上記平均粒子径が7μm以下であることがより好
ましく,5μm以下であることがさらに好ましい。
また,本発明の本実施例(3)(4)のAl-Ni系合金はA
lにNiを添加すると,マトリツクスであるAl中に,Ni粒子
が析出し,共晶組織を形成するものである。
そして,第2相であるAl3Ni粒子の界面が吸収し,減衰
能Q-1を向上させる。
またFe,Zr,V,Ti及び希土類元素あるいはミッシュメタル
等の希土類元素の混合物は、結晶を微細化して粒界を増
加させ減衰能Q-1を向上させる。さらに前記実施例
(4)のように,Snを含有させると,このSnが結晶粒界
に微細に析出し、粒界の粘性を増大させ,減衰能Q-1
向上させることができる。
本発明の実施例(3)(4)における各成分の好ましい
範囲(重量百分率)はそれぞれ次の表2の通りであり,
それより多くても少なくても表2の様な問題を生ずる。
また本発明の実施例(3)(4)のAl-Ni系合金におい
ては,その結晶組織について第2相(Al3Ni粒子)の平
均粒子径が10μm以下であることが好ましく,10μm以
下とすることによつて第2相粒子の界面を増大させ,大
きい減衰能を得ることができる。
なお上記平均粒子径が7μm以下であることがより好ま
しく,5μm以下であることがさらに好ましい。
次に本発明の実施例のAl-Ni系合金,Al-Si系合金とAl(J
IS呼称5052),及びAl-60%Zn合金(商品名:コスマー
ルZ)との比較を次の表3に示す。
表3からも明らかなように,減衰能Q-1は本発明のAl-Ni
系合金,Al-Si系合金ともに,Al(JIS呼称5052)と比較し
て1桁以上大きい。これにより,振動板全体の内部損失
を従来構成より著しく向上させることができ,音響装置
用振動板として,きわめて良好である。また比弾性率
は,優秀な性質を持つAl(JIS呼称5052)に比べて何ら
そん色がなく,Al-60%Zn(コスマールZ)より,比弾性
率Ε/ρが優れ,軽量化を計ることができる。さらに,
良好な減衰能を備えているが,振動板全体の内部損失を
得るために,従来行なわれていた複数材料を貼り合せて
内部損失を持たせるような処理(結果的に振動板の比弾
性率を小さくせざるを得ない)はなくなり,設計の自由
度が高いものになる。第4図,第5図は上述の実施例に
よる特性を示す特性図であり,実線が従来品,波線が実
施例のものを示しており,周波数特性及び音圧歪が改善
されているのがわかる。また,上記実施例では,音響装
置用振動板について説明したが,ダストキヤツプであつ
てもよく,上記実施例と同様の効果を奏する。
〔発明の効果〕
第1の発明によれば、音響装置用振動板の単又は複数の
層の少なくとも一層の材料として、重量百分率で、Siが
8〜20重量%と、Fe、Zr、V、及びTiからなる群から選
ばれた少なくとも1種の元素、または複数種の元素の合
計を0.05〜0.8重量%、及び希土類元素を0.05〜2重量
%と、Na、Srの何れかまたは合計で0.1重量%以下を含
み、残部がアルミニウム及び不純物からなり、かつ上記
の構成により第2相粒子の平均粒径を10μm以下とした
防振性アルミニウム合金を用いたことにより、高比弾性
率を維持しながら振動板の内部損失を著しく向上させる
ことができるので、ピークディップの少ない良好な再生
周波数特性を有し、軽量にして生産性が良く安価な音響
装置用振動板を得ることができる。
また、第2の発明に係わる音響装置用振動板の単又は複
数の層の少なくとも一層の材料として、重量百分率で、
Niが4〜10重量%と、Fe、Zr、V、及びTiからなる群か
ら選ばれた少なくとも1種の元素、または複数種の元素
の合計を0.05〜0.8重量%、及び希土類元素を0.05〜2
重量%を含み、残部がアルミニウム及び不純物からな
り、かつ上記の構成により第2相粒子の平均粒径を10μ
m以下とした防振性アルミニウム合金を用いたことによ
り、上記第1の発明と同様の効果が得られる。
さらにまた、第3の発明に係る防振性アルミニウム合金
を上記第1及び第2の発明に係わる防振性アルミニウム
合金の構成に、さらにSnを0.005〜0.1重量%加えること
により、粒界の粘性をさらに増大させることで、比弾性
率を損なうことなく、内部損失をより向上させた音響装
置用振動板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例を示す断面側面図,第2,第
3図はこの発明の他の実施例を示す断面側面図,第4図
は従来品と本発明による周波数特性の一例を示す図,第
5図は同じく従来品と本発明による音圧歪特性の一例を
示す図である (1),(1a),(1b)……振動板 なお,図中,同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単又は複数の層で構成された音響装置用振
    動板において、上記単又は複数の層の少なくとも一層の
    材料として、 重量百分率で、 Siが8〜20重量%と、 Fe、Zr、V、及びTiからなる群から選ばれた少なくとも
    1種の元素、または複数種の元素の合計を0.05〜0.8重
    量%、及び希土類元素を0.05〜2重量%と、 Na、Srの何れかまたは合計で0.1重量%以下を含み、 残部がアルミニウム及び不純物からなり、 第2相粒子の平均粒径が10μm以下である防振性アルミ
    ニウム合金を用いたことを特徴とする音響装置用振動
    板。
  2. 【請求項2】単又は複数の層で構成された音響装置用振
    動板において、上記単又は複数の層の少なくとも一層の
    材料として、 重量百分率で、 Niが4〜10重量%と、 Fe、Zr、V、及びTiからなる群から選ばれた少なくとも
    1種の元素、または複数種の元素の合計を0.05〜0.8重
    量%、及び希土類元素を0.05〜2重量%とを含み、 残部がアルミニウム及び不純物からなり、 第2相粒子の平均粒径が10μm以下である防振性アルミ
    ニウム合金を用いたことを特徴とする音響装置用振動
    板。
  3. 【請求項3】上記防振性アルミニウム合金の構成材料と
    して、 さらにSnを0.005〜0.1重量%加えたことを特徴とする特
    許請求の範囲第1項又は第2項記載の音響装置用振動
    板。
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