JPH0753319B2 - アルミニウム合金製複合構造体の製造方法 - Google Patents

アルミニウム合金製複合構造体の製造方法

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JPH0753319B2
JPH0753319B2 JP61175531A JP17553186A JPH0753319B2 JP H0753319 B2 JPH0753319 B2 JP H0753319B2 JP 61175531 A JP61175531 A JP 61175531A JP 17553186 A JP17553186 A JP 17553186A JP H0753319 B2 JPH0753319 B2 JP H0753319B2
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暢也 天野
直樹 本岡
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は部分的に耐摩耗性、靭性を要求されるアルミニ
ウム合金製複合構造体およびその製造方法に係り、特に
内熱機関用ロッカーアーム部材等に用いて好適なアルミ
ニウム粉末合金製複合構造体およびその製造方法に関す
るものである。
〔従来の技術〕
従来、部分的に耐摩耗性、靭性を要求される部品は、そ
の全体を鉄系合金で製造することが主に行われている。
しかし軽量化等の要求に応じるために、すでに上記部品
として用いる目的でいくつかのアルミニウム合金製複合
構造体が実用化されており、その製造技術としては、
1)予め複合化する鉄系合金を型の中の所定位置にセッ
トした後、アルミニウム合金の溶湯を注入する方法(鋳
込み法)、2)複合化される鉄系合金をアルミニウム合
金の所定位置に圧入する方法(圧入法)、3)複合化さ
れる鉄系合金をアルミニウム合金の所定位置にろう材を
用いて接合する方法(ろう付け法)、4)複合化される
鉄系合金をアルミニウム合金の所定位置に接着剤により
接着する方法(接着法)、などが知られている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら上記した従来法には、それぞれ次のような
問題点が指摘されている。すなわち、1)の鋳込み法に
て製造された複合構造体は、アルミニウム合金の組成に
制約があるため高強度材が得られない、アルミニウム合
金と鉄系合金との熱膨張係数の差から両者の界面に空隙
が生じ引き巣などの欠陥が生じる等の点である。2)の
圧入法による場合は、一定の圧入代をもつた精度の高い
加工が必要となるが、圧入面(界面)の清浄を維持して
おくことが難かしく、圧入面が汚れる点である。3)の
ろう付け法では、アルミニウム合金と鉄系合金を十分な
接合強度を持たせて接合できるろう材がなく、熱膨張率
の差によつて剥離が起こる点である。4)の接着法では
十分な接着強度を得るのが困難であるに加え、高温での
使用が難かしい点である。したがつて、上記従来技術に
より製造された複合構造体は内燃機関などの苛酷な条件
下では被複合材の脱離等の欠点があつた。
本発明は上記した従来法の欠点を解消したアルミニウム
合金製複合構造体およびその製造方法を提供することを
目的とするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明はアルミニウムと共晶を生じる金属もしくは合金
を、19×10-6/℃以下の低熱膨張係数を有するアルミニ
ウム合金と鉄系合金の接合面間に箔として挿入した後、
またはアルミニウム合金と鉄系合金の少なくとも一方の
接合面に被覆した後、超音波接合により複合化すること
からなるアルミニウム合金製複合構造体の製造方法であ
って、上記アルミニウムと共晶を生じる金属もしくは合
金が、Ag,Cu,Zn,Pb,Sn,Ti,Mgよりなる群から選ばれる1
以上の金属もしくは合金であり、上記アルミニウム合金
は結晶粒および析出粒サイズが20μm以下のものであ
り、上記鉄系合金はその硬度がビッカース硬度で400以
上であることを特徴とする上記製造方法を提供するもの
である。
本発明においてアルミニウム合金としては19×10-6℃以
下の低熱膨張係数のものを用いる。これは、被複合材の
熱膨張係数とあまり差が大きいと、熱サイクルをうけた
とき脱離してしまうためであり、実質的には鋳造アルミ
ニウム合金の限界である19×10-6℃以下であれば問題が
ないからである。
また本発明におけるアルミニウム合金は結晶粒および析
出粒サイズが20μm以下のものを用いる。
アルミニウム合金を必要特性としては、外部から摩擦衝
撃を受ける被複合体の脱離またはアルミニウム自体の変
形等を生じないために、ある程度以上の強度および剛性
が要求される。特にこのようなアルミニウム合金製複合
構造体が内燃機関の部品等に用いられる場合、従来法の
鋳造法等によつて製造されるアルミニウム合金では強度
が不足する。
そこで本発明においては粉末冶金法により製造した、結
晶粒および析出粒サイズが20μm以下のアルミニウム合
金であることが好ましい。この理由は、粉末冶金法によ
れば、急冷により過飽和に合金元素を添加することが可
能であり、その結果結晶粒が微細化し、かつ偏析のない
均一組織の高強度アルミニウム合金が得られるからであ
る。
なおこの粉末冶金法において原料粉末の冷却速度は102
℃/sec以上が好ましく、103℃/sec以上が特に好まし
い。102℃/sec以下では十分な急冷効果が得られず、結
晶や微細化や固溶強化が図れないためである。
本発明におけるアルミニウム合金として上記の特性条件
を満たすもので、例えばAl−Si−Fe系合金、Al−Si−Fe
−Ni系合金、Al−Si系合金、Al−Fe系合金等が挙げられ
る。
本発明における鉄系合金としては、例えば炭素鋼、浸炭
焼入材、高速度鋼、チル鋳鉄SUH−3等が挙げられ、そ
の硬度ヴイツカース硬度で400以上のものとする。これ
は本発明の複合構造体は耐摩耗製にも優れることを必要
としているためであり、ビツカース硬度が400未満のも
のでは、面圧強度が低くなり耐摩耗性が著るしく劣化す
るからである。
本発明の複合構造体においては、上記したアルミニウム
合金と鉄系合金とが、アルミニウムと共晶を生じる金属
もしくは合金を介して接合されている。このようなアル
ミニウムと共晶を生じる金属もしくは合金としては、A
g,Cu,Zn,Pb,Sn,Ti,Mgよりなる群から選ばれる1以上の
金属もしくは合金を用いる。
さらに本発明においては該アルミニウムと共晶を生じる
金属もしくは合金が、アルミニウム合金、鉄系合金の少
なくとも一方と超音波接合されていることが好ましい。
この理由は次のとおりである。
超音波接合とは軽い荷重のもとで2つの溶接チツプの間
に被溶接材を支持し、加圧しながら超音波を与え、その
超音波の振動を利用して接合する方法であるが、鉄系合
金とアルミニウム合金とを用いて複合構造体を得る場
合、超音波接合を用いると、超音波振動によつて両合金
の接触面ですべりが起こり、表面の吸着層や酸化皮膜が
破壊され微視的に凹凸が平滑化される。また清浄な金属
素地が現れて、塑性流動と摩擦熱による温度上昇のため
原子の熱拡散が活溌となり、原子サイズで互に密着し、
原子の再配列が起つて金属結合が達成される。しかしな
がら硬度差の大きい異種金属の場合、あるいは両合金の
厚さが異なる場合には接合が困難な場合がある。
そこで本発明では比較的低温でアルミニウムと反応して
共晶を形成し、アルミニウムへの拡散の速い例えばAg,C
u,Zn,Pb,Sn,Ti,Mg等の金属又は該金属合金をインサート
材として接合する。具体的には鉄系合金とアルミニウム
合金の間に該金属又は合金を箔として挿入するか、鉄系
合金又はアルミニウム合金の少なくとも一方の接合面に
被覆した後、超音波接合を施す。これにより著しく接合
が促進され、短時間で良好な密着を得る。
このインサート材の厚さは、薄すぎると接合促進の効果
が見られず、また厚すぎると該インサート材層が多く残
り接合強度の劣化につながることから、5〜50μmにす
ることが好ましく、この厚さ範囲で良好な接合強度が得
られた。
なお本発明における超音波接合の条件は特に限定される
ところはないが、例えば加圧力200〜500kg/cm2,印加時
間1.5〜4.0秒,ホーン振巾60〜90μpp程度である。
〔実施例〕
実施例1 第1図(a)及び(b)に縦断面図及び横断面図を示す
ような複合構造体Aを、アルミニウム合金材1としては
表1に示す特性を有するアルミニウム合金を用い、鉄系
合金2としてはSCr材(焼入材Hv 730)を用いて、表2
に示す方法により製造した。
以上により得られた複合構造体を試料として、常温から
150℃まで、加熱・冷却することを200サイクル繰り返
し、各試料に熱履歴を与えた。その後に該各試料につい
て、第2図に示すように6kgの荷重3をかけ、図中矢印
方向へ200回/分の耐衝撃テストを10時間実施して被複
合材の脱離や緩みの発生を調べた。脱離・緩みの発生し
なかつた試料については、第3図に示すように6kgの荷
重3をかけ、図中矢印方向へ200回/分の耐摩擦テスト
を10時間実施した。以上のテストの評価結果を表3に示
す。表3においてテスト(1)は熱サイクルテスト、
(2)は耐衝撃テスト、(3)は耐摩擦テストである。
表3の結果から、本発明の超音波接合による複合構造体
がすぐれていることが認められる。
実施例2 表1のAl−20Si−5Fe−2Niをアルミニウム合金1とし、
SCr材(焼入材 Hv 730)を鉄系合金2として用いて、第
4図(a)及び(b)に縦断面図及び横断面図を示す複
合構造体Bを、表4に示す方法により製造した。
以上で得られた各複合構造体について、実施例1におけ
ると同様に熱履歴を与えた後、これを試料として第5図
に示す方法で図中矢印方向でのせん断強度の測定を行つ
た。その結果を表5に示す。
表5の結果から、本発明の複合構造体は挿入材として5
〜50μmのCuメツキまたはAg,Zn,Pb,Snメツキを施すこ
とにより、ろう付け法や接着法による接合よりはるかに
優れた接合強度を有することが明らかにわかる。
実施例3 第6図(a)及び(b)に縦断面図及び横断面図を示す
ような形状の複合構造体Cを、アルミニウム合金1とし
てはAl−12Si−5Fe合金を用い、鉄系合金2としてはSCr
焼入材(Hv 730)を用い、超音波接合により製造した。
この複合構造体Cも従来品よりはるかに優れた接合強度
を有していた。
〔発明の効果〕
本発明は上述したように部分的に耐摩耗性、靭性などを
必要とするアルミニウム粉末合金製複合構造体を、接合
性を促進する数種の金属をインサート材として用いた超
音波接合法を用いて複合化することにより、従来法では
得られなかつた複合強度を得ることができ、また粉末冶
金法により製造された高強度アルミニウムを用いること
と併せて、苛酷な条件下での使用に耐えうる従来にない
複合構造体及びその製造方法を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)及び(b)、第4図(a)及び(b)なら
びに第6図(a)及び(b)はいずれも本発明の複合構
造体の実施態様を示す縦断面図及び横断面図である。 第2図は耐衝撃テスト方法を説明する概略図、 第3図は耐摩擦テスト方法を説明する概略図、 第5図はせん断強度テスト方法を説明する概略図であ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウムと共晶を生じる金属もしくは
    合金を、19×10-6/℃以下の低熱膨張係数を有するアル
    ミニウム合金と鉄系合金の接合面間に箔として挿入した
    後、またはアルミニウム合金と鉄系合金の少なくとも一
    方の接合面に被覆した後、超音波接合により複合化する
    ことからなるアルミニウム合金製複合構造体の製造方法
    であって、上記アルミニウムと共晶を生じる金属もしく
    は合金が、Ag,Cu,Zn,Pb,Sn,Ti,Mgよりなる群から選ばれ
    る1以上の金属もしくは合金であり、上記アルミニウム
    合金は結晶粒および析出粒サイズが20μm以下のもので
    あり、上記鉄系合金はその硬度がビッカース硬度で400
    以上であることを特徴とする上記製造方法。
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